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【発明の名称】 内視鏡
【発明者】 【氏名】松井 頼夫

【氏名】荒井 敬一

【氏名】関根 竜太

【要約】 【課題】本発明は、体腔内粘膜層の切開剥離等の作業が確実かつ容易に行なえる内視鏡を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明は、挿入部2の先端に開口した第1の処置具挿通用チャンネル14の先端開口部16には処置具31を第1の方向に向けて起上する第1の鉗子起上機構21を設け、挿入部2の先端に開口した第2の処置具挿通用チャンネル15の先端開口部17には上記第1の処置具挿通用チャンネル14の先端開口部16より突出する処置具31の起上方向とは異なる第2の方向に起上する第2の鉗子起上機構22を設け、2つ以上の鉗子起上機構21,22の作動する起上操作方向が少なくとも2つの組み合わせにおいて異なる方向となるように構成した内視鏡1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】挿入部を有する内視鏡に形成され、上記挿入部の先端に開口し、挿通した処置具が突出可能な先端開口部には、この先端開口部から突出する処置具を第1の方向に向けて起上する第1の鉗子起上機構を設けた第1の処置具挿通用チャンネルと、上記内視鏡に形成され、上記挿入部の先端に開口し、挿通した処置具が上記第1の処置具挿通用チャンネルの先端開口部より突出する処置具と略同一方向に突出可能な先端開口部には、この先端開口部から突出する処置具を上記第1の方向とは異なる方向に起上する第2の鉗子起上機構を設けた、少なくとも1つの第2の処置具挿通用チャンネルと、を備えたことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】上記第1の鉗子起上機構による起上方向と上記第2の鉗子起上機構による起上方向が互いに略直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】上記互いに略直交する方向に作動する上記第1の鉗子起上機構及び第2の鉗子起上機構のうち、上下方向に作動する鉗子起上機構の上下方向が上記内視鏡の表示する内視鏡画像の上下方向と一致し、左右方向に作動する鉗子起上機構の左右方向が上記内視鏡の表示する内視鏡画像の左右方向と一致することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処置具挿通用チャンネルを複数備え、各処置具挿通用チャンネルの先端開口部より突き出した処置具により処置作業を行うようにした内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】処置具挿通用チャンネルを備えた内視鏡と、処置手段を有する処置具とを組み合わせて体腔内部位を治療する手技は従来から広く行われている。特に体腔内の癌病変部位を内視鏡とそれに組み合わせて使用する処置具によって切除することは現在有用なものとして広く認知されている。
【0003】この手法についても様々なものが試みられているが、いずれの手法も注射針の注入による病変組織部位を隆起させる処置と、その隆起部分の切開具による切除、そして出血箇所があれば止血具による止血など、それぞれの手技毎に専用の処置具を内視鏡の処置具挿通用チャンネルに通じて導入して各処置作業を個別に行なうものであった。
【0004】このような治療法の一つとして、2つの処置具挿通用チャンネルを備えた内視鏡を用い、各処置具挿通用チャンネルにそれぞれ処置具を挿通しながら処置作業を行う新たな治療方式が、特願平10−205101号の未公開出願において提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)前述した先行例の内視鏡では一方の処置具挿通用チャネルの先端開口部に他方の処置具挿通用チャンネルの先端開口部から離れる方向に作動する鉗子起上装置を設け、上記鉗子起上装置が備わる処置具挿通用チャンネルに挿通される把持鉗子と、他方の処置具挿通用チャンネルに挿通される電気メスなどの切開具を組み合わせて手技を行う。具体的には病変粘膜部もしくはその近傍を把持鉗子で把持し、切開具が挿通される処置具挿通用チャンネルから離れる方向へ把持鉗子を移動させることにより、引っ張れた粘膜の部分を切開具で切除していくことを手技の基本とする。
【0006】このような構成による内視鏡と処置具の組み合わせで柔軟な粘膜組織を引っ張り、そこを切開できる場合には有効ではあるが、粘膜層の下の粘膜下層を切開していくには上記鉗子起上動作では粘膜下層を開くような状態にすることができない。また、切開したいところに切開具先端の位置を誘導する手段についてはなんら言及がなされていない。
【0007】このことから前述した先行例の構成では切開具の先端位置を内視鏡の挿入部先端の湾曲操作などで行なうことになる。そうなると、把持鉗子や内視鏡視野までも同時に移動してしまうことになるために切開剥離の操作が煩雑となってしまう。
【0008】(発明の目的)本発明は上記課題に着目してなされたもので、処置具挿通用チャンネルを複数備えてなり、各処置具挿通用チャンネルの先端開口部より処置具を突き出して処置作業を行うようにした内視鏡において、例えば体腔内粘膜層の切開剥離等の作業が確実かつ容易に行なえる内視鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】請求項1に係る発明は、挿入部を有する内視鏡に形成され、上記挿入部の先端に開口し、挿通した処置具が突出可能な先端開口部には、この先端開口部から突出する処置具を第1の方向に向けて起上する第1の鉗子起上機構を設けた第1の処置具挿通用チャンネルと、上記内視鏡に形成され、上記挿入部の先端に開口し、挿通した処置具が上記第1の処置具挿通用チャンネルの先端開口部より突出する処置具と略同一方向に突出可能な先端開口部には、この先端開口部から突出する処置具を上記第1の方向とは異なる方向に起上する第2の鉗子起上機構を設けた、少なくとも1つの第2の処置具挿通用チャンネルと、を備えたことを特徴とする内視鏡である。
【0010】請求項2に係る発明は、上記第1の鉗子起上機構による起上方向と上記第2の鉗子起上機構による起上方向が互いに略直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡である。
【0011】請求項3に係る発明は、上記互いに略直交する方向に作動する上記第1の鉗子起上機構及び第2の鉗子起上機構のうち、上下方向に作動する鉗子起上機構の上下方向が上記内視鏡の表示する内視鏡画像の上下方向と一致し、左右方向に作動する鉗子起上機構の左右方向が上記内視鏡の表示する内視鏡画像の左右方向と一致することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡である。
【0012】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形態に示す内視鏡について、図1〜図6を用いて説明する。
【0013】(構成)図1は内視鏡1の挿入部2の先端の正面図を示す。図2は内視鏡1の挿入部2の斜視図である。図2で示す如く、内視鏡1の挿入部2は通常の内視鏡と同様、先端側から順次、先端部3、湾曲部4及び可撓管部5を連結して全体として軟性のものとして構成されている。挿入部2の湾曲部4は挿入部2の基端に連結した図示しない操作部に設けたアングルノブを操作することによって湾曲させられ、この湾曲部4が湾曲することによって挿入部2の先端部3が上下左右に振るようになっている。
【0014】図1で示すように、挿入部2の先端には観察光学系11と2つの照明光学系12と送気送水ノズル13と2つの処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17が設けられている。
【0015】観察光学系11は観察窓18を含む光学レンズとその後方に組み付けられる撮像素子で構成される。照明光学系12は体腔内視野に照明光を導光するライトガイドファイバーとその先端に位置して組み付けられる照明レンズで構成される。
【0016】送気送水ノズル13は観察光学系11の観察窓18の外表面に向けて開口し、上記観察窓18の外表面に洗浄水を噴き付けて洗浄し、そして、送気を行うようになっている。2つの処置具挿通用チャンネル14,15はいずれも処置具を誘導してそれぞれの先端開口部16,17から前方へ突出させるようになっている。
【0017】各先端開口部16,17にはこれより突き出す処置具の突出方向を規制する起上機構21,22が備えられている。起上機構21,22を起上操作しないとき、先端開口部16,17から突き出す処置具の突き出し方向は略同一方向で挿入部2の略軸方向である。
【0018】2つの処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17はテレビモニター(図示せず)に映し出される内視鏡像に対応させてその内視鏡視野23の下側にいずれもが配置されるように構成されており、図3で示すようにそれぞれの処置具挿通用チャンネル14,15に挿通される処置具はテレビモニターにおける内視鏡視野23では下側の左右それぞれの領域に位置することになる。
【0019】この2つの処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17に備えられている起上機構21,22はその先端開口部16,17から突き出す処置具の方向を変えるように規制する方向調節機能を持つ。
【0020】各起上機構21,22は先端開口部16,17から突き出そうとする処置具の側面部分を受ける起上台25,26を有してなり、起上台25,26は通常の内視鏡のものと同様、その基端部が図示しないピンによって軸支されており、その起上先端部分には起上操作ワイヤ28,29の先端が連結されている。
【0021】起上操作ワイヤ28,29は挿入部2内に設けられるワイヤーガイドシース(図示せず)内を通じて手元側の操作部に導かれ、操作部に設けられた起上操作機構の操作によって進退し、牽引されることにより後退した量に応じて起上台25,26は回動して起上する。すなわち、起上台25,26の起上量は起上操作ワイヤ28,29の牽引量に応じるものである。また、起上台25,26はそれぞれ起上操作ワイヤ28,29を個別的に操作することにより独立に起上操作させられる。
【0022】処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17から突き出す処置具31,32は起上機構21,22の起上台25,26が回動する起上方向に曲げられ、内視鏡先端からの突出方向が変化する。
【0023】そして、この起上機構21は図4に示すように内視鏡視野23では下方左側の、つまり図1における下方右側の処置具挿通用チャンネル(以下、第1の処置具挿通用チャンネルと呼ぶ)14においてはこれより突出する処置具31が内視鏡視野23内での上方、つまり図1における上方右側へ向けて角度がつけられるように起上する動作を行わせる。
【0024】他方、内視鏡視野23における下方右側、つまり図1における下方左側の処置具挿通用チャンネル(以下、第2の処置具挿通用チャンネルと呼ぶ)15に備わる起上機構22は、これより突出する処置具32が内視鏡視野23内では下方左側、図1では下方右側に角度がつけられるように起上する動作を行わせる。
【0025】つまり、この2つの起上機構21,22は互いに略直交する方向に処置具31,32を起上させる動作を行うように構成されている。このため、起上機構21,22の起上台25,26が軸支されるピンの軸心は互いに略直交する向きに配置されている。
【0026】さらに、第1の処置具挿通用チャンネル14における鉗子起上機構21は、他方の第2の処置具挿通用チャンネル15における鉗子起上機構22よりも処置具の起上方向が大きく変化できるように構成されると共に、その起上する方向が内視鏡視野23から見て上方から僅かであるが外側、つまりさらに左側に傾くよう設定されている。
【0027】以上の構成によって、図4に示す如く、内視鏡1に備わる2つの処置具挿通用チャンネル14,15から突出する処置具31,32は図示しない手元側のレバー等の操作によって起上させられる。すなわち図4における処置具31である、例えば把持鉗子は上方に角度がつけられるよう起上動作が行なわれ、他方の処置具32である、例えば切開用具は下方における左右方向に角度がつけられるよう起上動作が行なわれ、いずれも突出向きの調整を行なうことが可能となる。
【0028】尚、本実施形態における内視鏡1は従来の内視鏡との違いを中心に記しているが、これら以外の構成に関しては、従来から用いられてきている内視鏡の構成と同様なものとする。
【0029】(作用)図5で示す如く、前述の構成よる内視鏡1の挿入部2を体腔35内に挿入し、最初は病変粘膜36に対して内視鏡1による観察を行ないながら例えば第2の処置具挿通用チャンネル15を通じて注射針37を挿入し、この注射針37を用いて粘膜下層に生理食塩水などの薬液を注入し、病変粘膜36を含む粘膜層を隆起させる。
【0030】次いで、図6に示す如く、内視鏡1の第1の処置具挿通用チャンネル14に把持用処置具(以下把持鉗子と呼ぶ)31を挿通し、また、注射針37を抜いた第2のチャンネル15を通じて電気メスあるいはレーザープローブのような切開用処置具(以下切開具と呼ぶ)32を挿入する。そして、把持鉗子31で病変粘膜36の頂部を把持し、この把持鉗子31を鉗子起上機構21の作動によって粘膜と共に挙上させ、その下方を切開具32によって粘膜の切除を行なう。すなわち、第2の処置具挿通用チャンネル15においては起上機構22を作動させて切開具32を左右に振らせ、粘膜あるいはその粘膜下層部の切開を進めていくことになる。
【0031】つまり、この切除操作を術者が行なうに当たってはあたかも術者が自身の左手を用いて粘膜を挙上させ、その引っ張られた粘膜部分を、右手で持つ切開具32で切開していくことが内視鏡1の先端にて再現されているような様子となる。
【0032】これらの操作を行なうに当たっては必要以上に内視鏡1の先端部3を動かす必要がないので良好な内視鏡視野を確保しながら容易に切除操作を進めることが可能である。
【0033】(効果)以上説明した構成による内視鏡とそれに組み合わせられる処置具の使用によって、術者はあたかも自身の両手を使って、粘膜36を把持挙上させながら粘膜下層部の切開を行なう感覚で操作することができ、そのことから体腔内の粘膜病変部位の切除を確実かつ容易に行なうことが可能となる。この他にも、大きな病変組織部位を一括した粘膜として切除することが可能となり、病変組織の取り残しなどの問題を解決することが可能である。
【0034】この治療を行なうための内視鏡1の構成は、これに限らず、左右の処置具挿通用チャンネルの構成が本実施形態と逆になることも考えられる。あるいは第1の処置具挿通用チャンネル14に切開具を、第2の処置具挿通用チャンネル15には把持鉗子を挿通し、内視鏡1の先端における体腔内粘膜の位置を調整して同じような切除作業を行なうことも可能である。
【0035】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形態に示す内視鏡について、図7を用いて説明する。
【0036】(構成)本実施形態は第2の実施形態の変形例を示すものであり、本実施形態の内視鏡1は処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17に備わる鉗子起上機構21,22の起上台(起上操作部材)25,26がそれぞれ先端開口部16,17から内視鏡先端面42の前方へ突き出すように形成されると共に、その内視鏡1の先端部3には円環状に形成された透明なフード41が装着される。
【0037】このフード41が内視鏡先端面42から突出する長さは上記起上機構21,22の起上台25,26が突出する長さと同じか、もしくはそれ以上に設定される。前述した第1の実施形態の構成と共通なものの具体的な構成、その他の構成については前述した第1の実施形態のものと同じである。
【0038】尚、本実施形態の構成を示す図7のものでは従来からある内視鏡の挿入部先端に着脱自在となるフード41を描いているが、内視鏡の挿入部先端に一体もしくは固着される構成のものでもよい。
【0039】(作用)内視鏡1の挿入部2を、患者の体腔内、例えば経口的に食道や胃に挿入する場合、挿入部2の先端から突出される起上機構21,22の起上台25,26は上記フード41の内側に位置するため、そのフード41によって起上台25,26が体腔内表面に接触することを防ぎ、内視鏡先端から突き出した起上台25,26によって体腔内粘膜を損傷する事態を防止する。
【0040】そして、第1の実施形態と同様に、第1の処置具挿通用チャンネル14に把持鉗子を挿通し、第2の処置具挿通用チャンネル15に切開具を挿通して、病変粘膜の切除治療等の手術を行なう。このとき、粘膜を把持する把持鉗子は内視鏡挿入部2の先端から突出する起上機構21の起上台25によって把持鉗子の突出部分が支えられながら挙上することになり、そのため、上記把持鉗子31のシャフト部分が撓むことなく粘膜組織を強力に大きく挙上することが可能となる。その挙上された粘膜組織の下部を切開する電気メスや接触型のレーザープローブ等の切開具も起上機構21の起上台25によって支えられながら起上するため、粘膜組織を確実に切開していく。
【0041】(効果)本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に体腔内病変粘膜を容易かつ確実に切除することが可能となるが、本実施形態においては特に粘膜組織の挙上とその切開がより正確に操作できるという効果が得られる。
【0042】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形態に示す内視鏡について、図8を用いて説明する。
【0043】(構成)本実施形態は前述した第2の実施形態の起上機構についての変形例である。すなわち図8で示すように、本実施形態での内視鏡1は円環筒状のフード41においての、2つの先端開口部16,17に隣接する側の部分が、前方へ大きく延び、それに対向する他方側の部分が離れるに従って前方に延びる長さが連続的に短くなるようにフード41全体としては略斜形のフード形状を呈している。また、フード41において2つの先端開口部16,17に隣接する側の部分の前方へ延びる長さは前述した第2の実施形態のフード41の長さより長い。
【0044】この構成においても上記第1の実施形態と同様に処置具挿通用チャンネル14,15の先端開口部16,17から突出する鉗子起上機構21,22の起上台25,26は斜形となるフード41の内部に収まるように配設され、望ましくは鉗子起上機構21,22の起上台25,26が作動する全ての範囲において斜形のフード41内に収まるように構成されている。
【0045】(作用)上記第2実施形態と同様、フード41を備えることにより、内視鏡1の先端から突出する鉗子起上機構21,22の起上台25,26が体腔内粘膜に接触することなく安全に誘導され、そして第1の処置具挿通用チャンネル14に挿通される把持鉗子31と第2の処置具挿通用チャンネル15に挿通される切開具32によって病変粘膜36の切除治療が行なわれる。
【0046】そして、本実施形態では第1の処置具挿通用チャンネル14に挿通される把持鉗子31が、前述した第2の実施形態と内視鏡1の先端から突出する鉗子起上機構21の起上台25によって把持鉗子31が撓むことなく挙上されて病変粘膜36を大きく挙上させる。
【0047】それに加えて、内視鏡1の先端の処置具挿通用チャンネル21,22側における前方に大きく伸びたフード41が、上記把持鉗子31で把持する病変粘膜36の手前側の組織を押さえることになり、その結果、病変粘膜がさらに大きく挙上されて切開具32による切開の位置決め操作がより容易となる。
【0048】また、この把持鉗子31による粘膜の挙上とフード41によるその手前の粘膜面を押さえる効果により切除する病変粘膜36を機械的に剥離する効果も期待でき、切除に要する時間の短縮も期待できる。
【0049】(効果)本実施形態によれば、上記第1の実施形態または第2の実施形態における効果に加えて、フード41が、術者の架空となるもう一つの手として追加され、それが切除部近傍の粘膜組織を押さえる作用を発揮し、そのことから把持鉗子によって切除する粘膜組織をさらに大きく挙上することが可能となる。また、把持鉗子の起上操作で粘膜組織を機械的に剥離できるようになることにより、切除を正確にそしてその操作に要する時間の短縮も可能となる効果を有する。
【0050】本発明は前述した各実施形態のものに限定されない。上記各実施形態の説明によれば、請求項に記載されたものの他、少なくとも以下に列記する事項、及びその事項と請求項に記載されたものを任意に組み合わせた事項のものが得られる。
【0051】<付記>1.可撓性ある挿入部を備えた内視鏡において、少なくとも2つ以上の処置具挿通用チャンネルを備え、上記処置具挿通用チャンネルの先端開口部には処置具挿通用チャンネル内に挿通される処置具の内視鏡先端から突出する方向を変更せしめる鉗子起上機構を少なくとも2つ以上の処置具挿通用チャンネルにそれぞれ備えると共に、上記少なくとも2つ以上の鉗子起上機構の作動する方向が少なくとも2つの組み合わせにおいて異なる方向となるように構成したことを特徴とする内視鏡。
【0052】2.第1項に記載の内視鏡において、少なくとも2つの組み合わせにおいて異なる方向となるように構成した鉗子起上機構の作動する方向が、略直交した組み合わせであることを特徴とする内視鏡。
【0053】3.第2項に記載の内視鏡において、少なくとも2つの組み合わせにおいて略直交した方向となるように構成した鉗子起上の作動方向が、上記内視鏡像において上下方向に作動する鉗子起上と左右方向に作動する鉗子起上との組み合わせであることを特徴とする内視鏡。
【0054】4.第3項に記載の内視鏡において処置具挿通用チャンネル数とその先端開口部に備わる鉗子起上機構が2つであることを特徴とする内視鏡。
【0055】5.第1項に記載の内視鏡において、2つの処置具挿通用チャンネルは、共に術者が観察する内視鏡画像の略下方から処置具が突出するよう処置具挿通用チャンネルの開口部が配設されていることを特徴とする内視鏡。
【0056】6.第5項に記載の内視鏡において、上記内視鏡画像の左側下方に上下に作動する鉗子起上が配設され、上記内視鏡画像の右側下方に左右に作動する鉗子起上が配設されていることを特徴とする内視鏡。
【0057】7.第6項に記載の内視鏡において、少なくとも2つの鉗子起上機構の起上作動量が、2つの鉗子起上機構で異なることを特徴とする内視鏡。
【0058】8.第7項に記載の内視鏡において、上下に作動する鉗子起上機構の起上作動量が左右に作動する鉗子起上機構の作動量よりも大きく設定されていることを特徴とする内視鏡。
【0059】9.第6項に記載の内視鏡において、少なくとも2つの鉗子起上機構の起上操作部材が、内視鏡先端面より突出する長さを有していることを特徴とする内視鏡。
【0060】10.第9項に記載の内視鏡において、内視鏡先端には円環状フード形状を呈し、上記フード形状の円周上の少なくとも一部以上が、上記内視鏡先端面より突出する鉗子起上機構の突出する長さより前方に長く設定されていることを特徴とする内視鏡。
【0061】11.第10項に記載の内視鏡において、上記フード形状は全周において上記鉗子起上機構の部材が内視鏡先端面から突出する長さより前方に長く設定されていることを特徴とする内視鏡。
【0062】12.第10項に記載の内視鏡において、上記フード形状は処置具挿通用チャンネルが設けられている側の円周部において、上記鉗子起上機構の突出する部材の長さより前方に長く設定されていることを特徴とする内視鏡。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内視鏡によれば、内視鏡とそれに組み合わせられる処置具を用いれば、広範囲な病変部位に対して確実かつ容易に一括切除が可能となり、かつ操作も容易となることから、確実かつ迅速な手術が可能となり、術者と患者の両者の負担を低減しながら行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年2月3日(2000.2.3)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−212078(P2001−212078A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−26257(P2000−26257)