| 【発明の名称】 |
経膣部観察装置及び診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】玉井 哲男
【氏名】綱澤 義夫
【氏名】小西 郁夫
【氏名】伊藤 康展
【氏名】小林 まなみ
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| 【要約】 |
【課題】組織を圧迫することなく測定し、高い精密度,正確度の面情報を安定して得ることができる経膣部観察装置、さらに、経験に依らず客観性が高いスコア化を行うことができる診断装置を提供する。
【解決手段】経膣部観察装置は、光を導光して経膣部を照射し、照射によって経膣部から放出される光を導出する光学視管5と、導出した光を画像処理して経膣部の生体情報を求める光画像計測手段2とを備えた構成とする。光画像計測手段は、導出光を2次元検出器で検出し、複数波長の画像データを経時的に測定する画像測定部と、測定波長及び測定時刻をそれぞれ異にする複数の画像データを用いた画像演算を行う画像演算部を備え、画像演算によって経膣部の生体情報を求める。診断装置は、経膣部観察装置に加えて、画像演算で求めた生体情報に基づいて経膣部の生理的炎症状態を数値化し、該数値を分娩時期の診断基準として評価する評価手段を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光を導光して経膣部を照射し、照射によって経膣部から放出される光を導出する光学視管と、前記導出光を2次元検出器で検出し、複数波長の画像データを経時的に測定する画像測定部と、測定波長及び測定時刻をそれぞれ異にする複数の画像データを用いた画像演算を行う画像演算部を有する光画像計測手段とを備え、前記画像演算によって経膣部の生体情報を求める、経膣部観察装置。 【請求項2】 画像測定部は少なくとも2波長の画像データを測定し、画像演算部は、少なくとも2つの時刻の画像データから得られる少なくとも4つの画像の各画素データに所定の重みを掛けた後、各々の画像を加算する演算を含み、生体情報に関連した値を得る、請求項1記載の経膣部観察装置。 【請求項3】 生体情報に関連した値はオキシヘモグロビン量、又はデオキシヘモグロビン量である、請求項2記載の経膣部観察装置。 【請求項4】 光を導光して経膣部を照射し、照射によって経膣部から放出される光を導出する光学視管と、前記導出光を2次元検出器で検出し、複数波長の画像データを経時的に測定する画像測定部と、測定波長及び測定時刻をそれぞれ異にする複数の画像データを用いた画像演算を行う画像演算部を有する光画像計測手段と、前記画像演算で求めた生体情報に基づいて経膣部の生理的炎症状態を数値化し、該数値を分娩時期の診断基準とする評価手段とを備える、診断装置。 【請求項5】 画像測定部は少なくとも2波長の画像データを測定し、画像演算手段は少なくとも2つの時刻の画像データから得られる少なくとも4つの画像の各画素データに所定の重みを掛けた後、各々の画像を加算して生体情報を求め、診断手段は生体情報の経時変化量を算出することによって数値化を行う、請求項4記載の診断装置。 【請求項6】 生体情報に関連した値はオキシヘモグロビン量、又はデオキシヘモグロビン量である、請求項5記載の診断装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、経膣部観察装置及び該経膣部観察装置を用いた診断装置に関し、早産や切迫流産の防止や、分娩時期の診断等に適した装置に関する。 【0002】 【従来の技術】婦人科では患者経膣部の触診を定期的に行うことによって診断を行っている。この触診では、特に経膣から子宮開口部組織の毛細血管の生理的炎症を指の感触で捕らえ、医師の主観によってこの炎症の程度を判断している。このように、従来、早産や切迫流産の予防は、主に医師の触診に頼っている。指の感触による診断は、医師の経験や主観によって判断されているため、医師によって早産や切迫流産の発生時期の判断にばらつきが生じる。早産や切迫流産の場合には、後遺症やその後の成長に影響が生じる可能性が高く、このような場合には医療費の増加を伴うことにもなる。そのため、早産・切迫流産・分娩時期の正確な時期判断が求められている。 【0003】そこで、従来、このような医師の触診のみによる診断のばらつきを減少させるために、データ化を用いて手法がいくつか提案されている。第1の手法は触診に代えて圧力センサを用いるものであり、経膣部の組織に表面圧力センサを押し当てることによって組織の硬さを測定し、測定データから組織の経時変化の客観データを求める。この手法として、例えば、特開平5−322731号公報、特開平8−29312号公報、特開平9−84789号公報、日本産婦人科学会雑誌Vol.47,No7,pp.619−626,1995(平7,7月)がある。 【0004】第2の手法は、経膣エコー所見や触診所見に既往暦を追加して、早産のリスクの程度をスコア化し、時期を数値で表すものである。この手法として、例えば、医学書院,経膣超音波所見と治療指針2 臨床婦人科産科,第52巻,第5号,別刷,1998年5月10日がある。また、第3の手法は、経膣用プローブを用いた超音波診断装置によるものであり、エコー画像によって経膣内の無侵襲画像解析を行う。この手法として、例えば、医学書院,産科外科治療:C.妊娠中期の診療,早産の予防対策,1)子宮頚部の診察,p57−60がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来提案されている診断のデータ化の手法では、時期を数値で表示することによって、触診のみと比較して客観性が加味されているが、何れも以下のような問題点がある。例えば、圧力センサを用いる手法では、経膣部からの感染を防止するためにコンドームを用いる必要があり、測定は間接的なものとなる。そのため、得られる測定データは不安定となり、高い精密度,正確度が得にくいという問題がある。また、圧力センサで得られるデータは、接触点における点情報であって、面情報を得ることが難しく、正確な診断が難しいという問題もある。その他、一般に生体組織に接触して圧迫すると、組織は生理的炎症を発生し、場合によっては接触部分の血管が破損するという問題がある。 【0006】また、所見に既往暦を追加してスコア化する手法では、該スコア化は経験と主観に依存するものであるため、求めたデータに高い客観性を求めることは難しいという問題がある。また、経膣用プローブを用いた超音波診断による手法では、良好なエコー画像を得るために、プローブ先端による頚部の圧迫を避けたり、適切な観察位置に位置調整するといったプローブ操作が必要であり、操作性や操作者によるばらつきの点で問題がある。また、超音波測定時に計測する組織は組織液が増加し、浮腫の状態に変化すると超音波画像は水分含有量により非鮮明になる。診断すべき時期には組織画像は白く見えることから、画像変化が超音波測定によるものであるのか時期的変化によるものであるのかの判定が困難となり、正確な診断が難しくなるという問題もある。 【0007】そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、組織を圧迫することなく測定し、高い精密度,正確度の面情報を安定して得ることができる経膣部観察装置を提供することを目的とし、また、組織を圧迫することなく測定し、高い精密度,正確度の面情報を安定して得ることができ、さらに、経験に依らず客観性が高い時期判断のためのスコア化を行うことができる診断装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、経膣部の2次元的な変化量を、測定波長及び測定時刻を異ならせて測定して複数の画像データを取得し、この多波長、複数時刻の画像データを演算することによって、測定時における有意な生体情報を得るものであり、これによって血管状態や血流状態等の組織状態を観察し、経験に依らない客観性の高いスコア化を行うことによって診断に供する。本発明の経膣部観察装置は、光を導光して経膣部を照射し、照射によって経膣部から放出される光を導出する光学視管と、導出した光を画像処理して経膣部の生体情報を求める光画像計測手段とを備えた構成とする。光画像計測手段は、導出光を2次元検出器で検出し、複数波長の画像データを経時的に測定する画像測定部と、測定波長及び測定時刻をそれぞれ異にする複数の画像データを用いた画像演算を行う画像演算部を備え、画像演算によって経膣部の生体情報を求める。 【0009】本発明の経膣部観察装置は、経膣部の2次元的な変化量を測定波長及び測定時刻が異なる複数の画像データとして取得し、この画像データを演算して測定時における生体情報を得る。画像データを画像表示することによって観察部位の2次元的な変化を画像表示することができ、また、演算結果によって観察部位の生体情報を数値化することができる。 【0010】光画像計測手段の処理において、画像測定部は少なくとも2波長の画像データを測定し、画像演算部は少なくとも2つの時刻の画像データから得られる少なくとも4つの画像の各画素データに所定の重みを掛けた後、各々の画像を加算する演算を含む。この演算によって得られる生体情報に関連した値として、オキシヘモグロビン量、又はデオキシヘモグロビン量を求めることができ、これによって、経膣部における生理的炎症状態を数値化することができる。また、このオキシヘモグロビン量又はデオキシヘモグロビン量を画像表示して酸素状態の分布を観察したり、分布画像の経時変化から酸素流入の状況を観察することができる。なお、画像測定部が取得する画像データの測定波長の値、及び測定波長の個数は、求める生体情報に応じて定めることができる。また、画像演算部が行う画像演算の演算内容は、画像測定部で求めた画像データのデータ種やデータ個数、及び求める生体情報に応じて定める演算式により定めることができる。 【0011】また、本発明の診断装置は、前記した経膣部観察装置と同様の光学視管及び光画像計測手段の構成に加えて、画像演算で求めた生体情報に基づいて経膣部の生理的炎症状態を数値化し、該数値を分娩時期の診断基準とする評価手段を備える。本発明の診断装置は、経膣部観察装置の光画像計測手段と同様に、画像測定部において少なくとも2波長の画像データを測定し、画像演算部は少なくとも2つの時刻の画像データから得られる少なくとも4つの画像の各画素データに所定の重みを掛けた後、各々の画像を加算して、オキシヘモグロビン量又はデオキシヘモグロビン量等の生体情報に関連した値を得る。評価手段は、オキシヘモグロビン量又はデオキシヘモグロビン量等の変化から経膣部の生理的炎症状態を数値化する。この数値は早産・切迫流産・分娩時期等の診断基準とすることができる。 【0012】経膣部におけるオキシヘモグロビン量又はデオキシヘモグロビン量の変化は生理的炎症状態を反映するものであるため、オキシヘモグロビン量やデオキシヘモグロビン量の経時変化量を数値化することによって、経膣部の生理的炎症状態を数値化し、該数値を分娩時期の診断基準とすることができる。診断基準は多様な態様で定めることができる。 【0013】診断基準の第1の態様は、非妊娠時期と早産・分娩時期の各時期におけるオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量を用いて、非妊娠時期と早産・分娩時期の間を細分化してスコアーを設定し、該スコアーを診断の指標とする。診断においては、測定したオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量からスコアーを求め、該スコアーに対応する月数及び実際の月数と比較して行うことができる。第1の態様のスコアーは、主観ではなく測定値により定めるため、従来のものよりもより細分化することができる。診断基準の第2の態様は、非妊娠時期のオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量で各妊娠時期におけるオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量を除することによって変化状態を数値化し、この値を診断の指標とする。 【0014】診断基準の第3の態様は、各測定時期においてオキシヘモグロビン量とデオキシヘモグロビン量の比率を求めることによって変化状態を数値化し、この比率を診断の指標とする。診断基準の第4の態様は、各測定時期においてオキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の変化率を求めることによって変化状態を数値化し、この変化率を診断の指標とする。診断基準の第5の態様は、隣接する測定時期間においてオキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の差分を求めることによって変化状態を数値化し、この差分値を診断の指標とする。また、診断基準の第6の態様として、第1の態様〜第5の態様の任意の組み合わせとすることができる。また、診断においては、上記診断基準と分布画像とを組み合わせて行うことができ、また、写真画像と組み合わせることもできる。 【0015】図1は、本発明の経膣部観察装置及び診断装置の構成を説明するための概略図であり、診断装置の構成を示している。診断装置1が備える光学視管5は、光源4からの光を経膣部10に照射し、経膣部10から放出された光を光画像計測手段2に導光する。光画像計測手段2は、画像データ及び生体情報に関連した値を求め、評価手段3は、求めた数値に基づいて早産・切迫流産・分娩時期等を診断する基準値を得る。光学視管5は、光ファイバによって構成することができ、先端部から光を経膣部10に向かって照射し、経膣部から放出される光を受光して光画像計測手段に導く。光学視管5を経膣部10に対して挿入する深さを調節することによって、観察部位を変更することができる。 【0016】本発明の経膣部観察装置によれば、経膣部のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの分布、酸素流入の変化を二次元画像で観察することができる。本発明の診断装置によれば、客観的で細分化されたスコアーを得ることができる。本発明の経膣部観察装置及び診断装置によれば、非接触で情報を得ることができる。また、本発明の経膣部観察装置及び診断装置は、経膣部に限らず腹くう内や生体組織内の炎症状況の観察に適用対象を広げることも可能である。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら詳細に説明する。図2は本発明の経膣部観察装置及び診断装置の概略構成を説明するための図である。図2において、診断装置1は光画像計測手段2と評価手段3と光学視管5を備え、光画像計測手段2は光検出手段20を含む画像測定部21と画像演算部22を備える。画像演算部22で得られた画像データ及び評価手段3で得られた数値(スコアー)は画像表示処理手段6で表示される。 【0018】光学視管5は、光源4の光を経膣部10に照射し、経膣部10から放出される放出光を光検出手段20に導光する。光検出手段20は図示しない2次元検出器で放出光を二次元的に検出し、画像測定部21は検出信号から波長λ1〜波長λnの画像データD1(t1),D2(t1),〜Dn(t1)をt1,t2,…の時系列の画像データとして取得し、さらに、画像演算部22はこの時系列の画像データの演算処理を行う。ここで、画像データD1(t1),D2(t2),・・・は一つの数値ではなく、画素行列を代表して表すものとする。例えば、100×100の1万画素の画像の場合には、D1(t1)は本来縦・横100行×100行の行列で表される総画素数10000個の量を有する。ここでは、表記を簡略化するために、その内の一つの画素を代表してD1(t1)と表すことにする。従って、計算中にD1(t1)が現れるときは、同様の数値が行列の総画素数だけ有することを意味する。 【0019】演算f,g,hは、画像演算部22が行う画像演算の一例であり、画像測定部21が出力する時系列の画像データの中から複数波長について測定時刻が異なる複数の画像データを用いて、典型的には画像の時間的変化率を求める演算を行ない、これを基にして生体情報を求める。例えば、演算f,g,hは波長λ1、λ2、・・・λmについて時刻ta、tb、tcの画像データを変数とする演算を行う。3つの時刻(ta,tb,tc)の組みとしては、例えば、最初に(t1,t2,t3)、次に(t2,t3,t4)、(t3,t4,t5)というように、順次ずらした時刻において、f,g,hで定義された画像演算を行う。 【0020】例えば、生体内のオキシヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン)変分量、及びデオキシヘモグロビン(脱酸素化ヘモグロビン)変分量を取得する場合には、画像測定部21は2波長の画像データを経時的に測定する。画像演算部22は、以下の式(1),(2),(3)に示すように、2つの時刻における2波長の画像データから得られる4つの画像データの各値に所定の重みを掛け、これらを加減算する演算処理を行って、オキシヘモグロビン変分量、及びデオキシヘモグロビン変分量を求める。 【0021】 第1の時点の[ΔOxyHb ],[ΔdeOxyHb] [ΔOxyHb ] =k1×D1(t2)+ k2×D2(t2)−k1×D1(t1)−k2×D2(t1) [ΔdeOxyHb]=k3×D1(t2)+ k4×D2(t2)−k3×D1(t1)−k4×D2(t1) …(1) 第2の時点の[ΔOxyHb ],[ΔdeOxyHb] [ΔOxyHb ] =k1×D1(t3)+ k2×D2(t3)−k1×D1(t2)−k2×D2(t2) [ΔdeOxyHb]=k3×D1(t3)+ k4×D2(t3)−k3×D1(t2)−k4×D2(t2) …(2) 第3の時点の[ΔOxyHb ],[ΔdeOxyHb] [ΔOxyHb ] =k1×D1(t4)+ k2×D2(t4)−k1×D1(t3)−k2×D2(t3) [ΔdeOxyHb] =k3×D1(t4)+ k4×D2(t4)−k3×D1(t3)−k4×D2(t3) …(3) なお、D1(t)は波長λ1の時刻tにおける画像データの1画素を代表する値を示し、D2(t)は波長λ2の時刻tにおける画像データの1画素を代表する値を示している。 【0022】上記式(1),(2),(3)において、[ΔOxyHb ]はオキシヘモグロビンの変分量の画素値、[ΔdeOxyHb]はデオキシヘモグロビンの変分量の画素値である。第1の時点における[ΔOxyHb ]の値は、式(1)のように時刻t1,t2における2つの波長の合計4つの測定画像から得られる4つの画素値D1(t1),D2(t1),D1(t2),D2(t2)に、重みとして(−k1,−k2,k1,k2)を掛けて足しあわせる処理によって得られる。また、第1の時点における[ΔdeOxyHb]の値は、同じ元の画素値D1(t1),D2(t1),D1(t2),D2(t2)に重みとして(−k3,−k4,k3,k4)を掛けて足しあわせる処理によって得られる。 【0023】第2,3の時点における値は、それぞれ式(2),(3)に示したように、時刻(t1,t2)を順次(t2,t3),(t3,t4)とずらして行くことによって求めることができる。なお、元の画素値D1(t1),D2(t1)などは、2次元検出器の出力値、または、検出器出力を対数変換した値から得ることができる。なお、上記演算を各画素毎に行うため、得られる画像は、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンの変分量を各画素とする画像である。なお、本発明の経膣部観察装置は、上記した診断装置1から評価手段3を除いた構成とすることができる。 【0024】以下、図3〜図5を用いて光学視管5の構成例を説明し、図6を用いて光検出手段20の構成例を説明し、図7を用いて画像演算部3の演算例を説明する。図3に示す概略図において、光学視管5は光ファイバ束等の光導部材で形成されるノズル部51を備える。光導部材は、経膣部への光照射と経膣部から光検出手段への放出光の導光を行うものであり、一方の端部は光の照射と受光を行うように光導部材を配列し、他方の端部には光源挿入口41及び光検出手段との接続部56が設けられる。光検出手段側において、光学視管5で検出した放出光を干渉フィルタ25を通してCCDカメラ27に導く。 【0025】光学視管5は長さ10mm程度とする。光学視管5の径は任意に形成することができるが、経膣部に非接触で挿入することができる程度に十分に細いことが望ましい。光源挿入口41にはハロゲンランプ光源等の複数波長を含む光源を取り付ける。図4は光学視管5の先端部の一構成例である。この構成例では、光学視管5の外周部分に発光用光ファイバ52を配設し、内周部分に受光用光ファイバ53を配設する。これら光ファイバ52,53の先端面54,55は、光学視管5の先端面に揃えて配列する。 【0026】光学視管5の先端部分を経膣部10内に、例えば3.5cm程度挿入する。発光用光ファイバ52から放出された光は、経膣部10の内面を照射する。照射光は、経膣部10の組織表層部から1〜2mm程度の深部で散乱し、再び経膣部10の組織表層部から外部に放出される。この放出光中には、組織表層部から1〜2mm程度の深部にある毛細血管のオキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビン等の情報を含んでいる。また、この光学視管5で得られる画像はドーナツ状あるいはリング状の二次元画像となる。図4(a)及び図4(b)に示すように、経膣部10に対して光学視管5を挿入する深さを調節することによって、観察部位を変更することができる。したがって、経膣部10の広範囲の面情報を求めることができる。 【0027】図5は光学視管5の先端部の他の構成例である。この構成例では、光学視管5の先端部において、光ファイバの先端面54,55a,55bを外周方向に湾曲させ、光ファイバの先端面を経膣部10に対向するよう配列する。なお、図示する構成では、対向面において発光用光ファイバ52の先端面54が内側に、受光用光ファイバ53の先端面55a,55bが外側となるよう配列する構成を示している。この構成とすることによって、照射及び受光の効率を高めることができ、観察部位に位置精度を高めることができる。 【0028】図6は2波長を測定する場合の光検出手段の構成例であり、図6(a)は複数の光学系を用いた構成例であり、図6(b)は単体の光学系を切換える構成例である。図6(a)に示す構成例において、光検出手段20は、経膣部10からの放出光を2つの光路に分岐するレンズ系23a,23bと、分岐した2つの光路をCCDカメラ27側に導くためのレンズ系24と、分岐した2つの光路の光から第1の波長成分と第2波長成分をそれぞれ分離する第1波長用フィルター25a、第2波長用フィルター25bとを備える。 【0029】第1波長用フィルター25a及び第2波長用フィルター25bで取り出された各波長成分の各中間像26a,26bは、CCDカメラ27上において第1波長の受光部27a及び第2波長の受光部28bで受光される。各受光部28a,28bは、それぞれ2次元検出器で構成することができ、各画素毎に検出される光強度によって画像データを取得する。 【0030】図6(b)に示す第2の構成例において、光検出手段20は、経膣部10からの放出光を導く1系統のレンズ系23,24と、第1の波長成分と第2波長成分にそれぞれ分離する第1波長用フィルター25a、第2波長用フィルター25bと、CCDカメラ27を備え、第1波長用フィルター25aと第2波長用フィルター25bを光路に対してそれぞれ単独で導入可能な構成とする。第1波長用フィルター25aと第2波長用フィルター25bを光路に対して入れ換えることによって、受光部27は異なる波長データを受光することができる。 【0031】図7は、2つの波長で測定する場合の画像演算を説明するための図である。測定時刻をt1,t2,t3,t4,t5,・・・とするとき、波長λgの波長成分による画像データの各画素の各時刻の信号値をそれぞれG1,G2,G3,G4,G5,・・・とし、波長λrの波長成分による画像データの各画素の各時刻の信号値をそれぞれR1,R2,R3,R4,R5,・・・とする。なお、ここで各画素の信号値は、CCDの各画素の代表して表しており、例えば512×600のCCDでは30万画素の各画素は受光像に応じた信号値をそれぞれ持つことになる。 【0032】なお、波長λgにおける画素の信号値Gi及び波長λrにおける画素の信号値Riの大きさは、12ビット信号の場合には、0≦Gi,Ri≦4095(=212)の範囲内の整数値であり、Gi,Riの値が小さい場合は光強度が弱いことを示し、Gi,Riの値が大きい場合は光強度が強いことを示している。 【0033】処理画像を求めるには、時刻iにおける第1の波長λgの画像データGi及び第2の波長λrの画像データRiと、時刻jにおける第1の波長λgの画像データGj及び第2の波長λrの画像データRjとの測定波長及び測定時刻を異にする4つの画像データの組み合わせを用いて演算を行い、この演算によって1組の画像データを取得する。なお、時刻iと時刻jは異なる時刻であり、例えば時刻iをある測定時刻とするとき時刻jは次の測定時刻とすることができる。 【0034】図7は、測定画像データと処理画像データとの関係を模式的に示している。図7において、時刻t1での信号値G1,R1、及び時刻t2での信号値G2,R2(図中の実線で囲む4つの測定画像データの組み合わせ)を用いて、上記した演算式(1)などの演算処理を行うことによって処理画像データD12を求め、次に、時刻t2での信号値G2,R2、及び時刻t3での信号値G3,R3(図中の破線で囲む4つの測定画像データの組み合わせ)を用いて、同様の演算処理を行うことによって処理画像データD23を求める。以下、同様にして、波長及び時刻を異にする測定画像データの組み合わせを用いて演算を行い、処理画像データD34,D45,・・・を求める。 【0035】第1の波長λgとして575nm(緑色)を用い第2の波長λrとして600nm(赤色)を用いることによって、画像データGi,Riからオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの変化を求めることができる。オキシヘモグロビンの変化量[ΔOxyHb ]及びデオキシヘモグロビンの変化量[ΔdeOxyHb]はそれぞれ、画像データGi,Gj,Ri,Rjを用いた以下の式で表される。 [ΔOxyHb ]=k1(logGj−logGi) +k2(logRj−logRi) …(4) [ΔdeOxyHb]=k3(logGj−logGi) +k4(logRj−logRi) …(5) なお、k1〜k4は、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンのスペクトルから求められる係数であり、例えば、k1=−79,k2=212,k3=20,k4=−322等で、適切に選択するものとする。 【0036】次に、本発明の経膣部観察装置及び診断装置による測定例を示す。はじめに、光学視管5を光画像計測手段に接続し、光源を点灯する。光学視管5を開放した状態あるいは基準となる被検体に向けた状態で測定し、初期化を行う。初期化した後、患者の経膣部に光学視管5を3.5cm程度挿入し、光学像を観察して、画像の明度やコントラスト等の測定条件を設定した後、測定を開始する。5分間程度の安定時間を経た後、画像データを取り込む。所定の時間間隔で複数回測定する。時間間隔は5分間隔あるいは状況に応じて1分間隔とし、3回撮像する。前記演算式(4),(5)を用いて、オキシヘモグロビンの変化量及びデオキシヘモグロビンの変化量を求める。 【0037】図8,図9はオキシヘモグロビン値及びデオキシヘモグロビン値の月変化を表示したものである。図8は正常妊娠の場合の変化を示し、図9は異常妊娠の場合の変化を示している。診断基準は、オキシヘモグロビン値及びデオキシヘモグロビン値の変化から数値化して求めることができ、種々の態様とすることができる。 【0038】診断基準の第1の態様は、非妊娠時期と早産・分娩時期の各オキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量を用いて、非妊娠時期と早産・分娩時期との間を細分化してスコアーを設定し、該スコアーを診断指標とする。図10は第1の態様の例であり、例えば妊娠初期(12周程度又は非妊娠時)のオキシヘモグロビン値を0スコアーとし、早産・分娩時期のオキシヘモグロビン値を10スコアーとして、この間を10段階に細分化する。各時期のオキシヘモグロビン値は既存のデータから定めておき、各患者のオキシヘモグロビン値と対応させることによってスコアー値を求める。スコアー値は、診断の指標として用いる。なお、図10では、非妊娠時期の基準値として3月目のオキシヘモグロビン値を用いている。なお、スコアーの細分は任意の段階数とすることができる。本発明によるスコアー値と従来のビショップスコアーとの相関は0.9以上であり、従来と同様の診断基準で診断を行うことができる。 【0039】診断基準の第2の態様は、非妊娠時期のオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量で各妊娠時期におけるオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量を除した値を求め、この値を診断指標とする。図11は第2の態様の例であり、非妊娠時期のオキシヘモグロビン値を基準値とし、各妊娠時期におけるオキシヘモグロビン量,デオキシヘモグロビン量を除した値を示している。診断基準の第3の態様は、各測定時期においてオキシヘモグロビン量とデオキシヘモグロビン量の比率を求め、この比率を診断指標とする。図12は第3の態様の例であり、デオキシヘモグロビン量をオキシヘモグロビン量で除して得た比率を示している。 【0040】診断基準の第4の態様は、各測定時期においてオキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の変化率を求め、この変化率を診断指標とする。図13は、第4の態様の例であり、隣接する時期間の変化量をその時期における量で除した値を示している。診断基準の第5の態様は、隣接する測定時期間においてオキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の差分を求め、この差分値を診断指標とする。図14は、第5の態様の例であり、隣接する時期間の差分を示している。 【0041】上記各態様において、経時変化を折れ線グラフで表示できる。また、上記例では、月単位の変化について示しているが、日単位や週単位の変化を求めることもできる。診断において、上記各態様の診断基準は組み合わせて用いることができ、また、経膣部の画像、オキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の分布画像等と組み合わせて用いることができる。 【0042】本発明によれば、経膣部の画像とともにオキシヘモグロビン量及びデオキシヘモグロビン量の分布画像及び数値を得ることができる。また、これら画像を表示しながら患者との間でインフォ−ムドコンセントをリアルタイムで容易に行うことができる。本発明によれば、触診法によるスコアーよりも詳細なスコアーを得ることができ、かつ主観によることなく客観的なスコアーを得ることができる。光学視管は、光ファイバー等で構成され、取り外しが容易で、材質が消毒・殺菌剤に対応することができるため、感染源への適用に対しても安全である。 【0043】また、本発明の経膣部観察装置及び診断装置は、経膣部に限らず腹くう内や生体組織内の炎症状況の観察に適用対象を広げることも可能であり、一端を腹くう内や生体組織内に導入し、他端に画像測定部や画像演算部を有する光画像計測手段を接続する光ファイバによって光学視管を構成することができる。 【0044】これによって腹くう内や生体組織内を照射し、照射によって腹くうや生体組織から放出される光を導出し、腹くう内や生体組織内の炎症状況の観察することができる。これによれば、腹くう内や生体組織内の炎症状況の観察を大きな切開なしで行うことができる。また、術後の経過を観察することもできる。 【0045】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の経膣部観察装置によれば、組織を圧迫することなく測定し、高い精密度,正確度の面情報を安定して得ることができる。また、本発明の診断装置によれば、組織を圧迫することなく測定し、高い精密度,正確度の面情報を安定して得ることができ、さらに、経験に依らず客観性が高いスコア化を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001993 【氏名又は名称】株式会社島津製作所
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| 【出願日】 |
平成12年1月31日(2000.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082304 【弁理士】 【氏名又は名称】竹本 松司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−204685(P2001−204685A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月31日(2001.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−21440(P2000−21440) |
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