| 【発明の名称】 |
吻合用器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】キース ミリマン
【氏名】ケヴィン スニーフェン
【氏名】ディヴィッド エイ ニコラス
【氏名】スコット イー マンゾー
【氏名】ピーター ヒンチェリッフ
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| 【要約】 |
【課題】管状構造体の吻合のための外科用器具及び吻合法を提供する。
【解決手段】第1の血管と第2の血管との吻合のための外科用器具10は、遠方側端部22及び手元側端部24を備えたハウジング26と、ハンドル12と、ハウジングの遠方側端部に着脱自在に取り付けられる使い捨て装填ユニット100 とを有する。装填ユニットは、第2の血管の端を受け入れる通路が形成されていて、複数の外科用留め具260 を解除自在に支持するような形状になっている上側及び下側留め具支持部材を有する。装填ユニットは、装填ユニットの遠方側端部に設けられた引込み可能なアンビルを更に有し、このアンビルは、ハンドル操作に応答して外科用留め具支持部材に対して動くことができ、それと同時に外科用留め具を変形させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の血管と第2の血管との吻合のための外科用器具であって、遠方側端部及び手元側端部を備えたハウジングと、ハンドルと、ハウジングの遠方側端部に着脱自在に取り付けられる使い捨て装填ユニットとを有し、装填ユニットは、第2の血管の端を受け入れる通路が形成されていて、複数の外科用留め具を解除自在に支持するような形状になっている上側及び下側留め具支持部材と、装填ユニットの遠方側端部に設けられた引込み可能なアンビルとを有し、アンビルは、ハンドルの操作に応答して外科用留め具支持部材に対して動き、それと同時に外科用留め具を変形させることができることを特徴とする外科用器具。 【請求項2】 装填ユニットは、ハンドルの操作に応答してアンビルを動かす第1の引込みスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項3】 留め具支持部材は、留め具を列状に支持することを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項4】 第1のスリーブの遠方側端部は、外科用留め具を支持するための複数の細長いチャネルを有していることを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項5】 チャネルは各々、遠方側端部及び手元側端部を有し、各遠方側端部は、外科用留め具の手元側端部及び遠方側端部が半径方向に互いにずれた関係で支持されるよう手元側端部から半径方向にずれていることを特徴とする請求項4記載の外科用器具。 【請求項6】 アンビルは、外科用留め具の遠方側端部をハンドルの操作時に手元側に変形させる傾斜面を有していることを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項7】 外科用留め具を第1の引込みスリーブの細長いチャネル内に解除自在に保持する第2の引込みスリーブを更に有していることを特徴とする請求項4記載の外科用器具。 【請求項8】 装填ユニットは、ハンドルの操作に応答して動くことができる第2の引込みスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項9】 ハンドルを引き続き動かすと、第2の引込みスリーブは第1の引込みスリーブに対して動くことを特徴とする請求項8記載の外科用器具。 【請求項10】 第1の引込みスリーブに対する第2の引込みスリーブの運動により、外科用留め具が放出されることを特徴とする請求項9記載の外科用器具。 【請求項11】 第2の引込みスリーブは、外科用留め具をアンビルに当てた状態で解除自在に保持する複数のフィンガを有していることを特徴とする請求項8記載の外科用器具。 【請求項12】 ハンドルの運動に応答して第1及び第2の引込みスリーブを動かすアクチュエータを更に有していることを特徴とする請求項1記載の外科用器具。 【請求項13】 アクチュエータはカムを含むことを特徴とする請求項12記載の外科用器具。 【請求項14】 カムは、2以上のカムフォロアを有していることを特徴とする請求項13記載の外科用器具。 【請求項15】 カムは、多数の作用部を有していることを特徴とする請求項13記載の外科用器具。 【請求項16】 第1の血管と第2の血管との吻合のための外科用器具であって、遠方側端部及び手元側端部を備えたハウジングと、複数の外科用留め具を支持するための留め具支持部材及び第1及び第2の引込みスリーブを含む装填ユニットとを有し、引込みスリーブは、引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に対して配置される第1の位置から引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に密接して位置する第2の位置まで留め具支持部材に対して動くことができ、前記外科用器具は、第1及び第2のスリーブを留め具支持部材に対して動かすアクチュエータを更に有していることを特徴とする外科用器具。 【請求項17】 アクチュエータは、ハンドルを含むことを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項18】 装填ユニットは、互いに対して回動できる2つの半部で構成されていることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項19】 装填ユニットの2つの半部は閉じられると、第2の血管を挿通状態で受け入れる細長い孔を形成することを特徴とする請求項18記載の外科用器具。 【請求項20】 第1のスリーブの遠方側端部は、外科用留め具を支持するための複数の細長いチャネルを有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項21】 細長い各チャネルは、遠方側端部及び手元側端部を有し、各遠方側端部は手元側端部から半径方向にずれていることを特徴とする請求項20記載の外科用器具。 【請求項22】 留め具支持部材は、留め具を列状に支持することを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項23】 第2のスリーブは、外科用留め具を細長いチャネル内に解除自在に固定する複数の弾性フィンガを有していることを特徴とする請求項20記載の外科用器具。 【請求項24】 アクチュエータを引き続き動かすと、第2のスリーブは第1のスリーブに対して動くことを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項25】 アクチュエータは、カムを有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項26】 アクチュエータは、多段階カムを有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項27】 多段階カムの第1の作用部は、運動を第1のスリーブと第2のスリーブの両方に与え、多段階カムの第2の作用部は、運動を第1のスリーブに対する第2のスリーブに相対的に与えることを特徴とする請求項26記載の外科用器具。 【請求項28】 アクチュエータは、少なくとも1つのばねを含むことを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項29】 外科用器具の発射後、アクチュエータをハウジングに係止する係止機構を更に有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項30】 装填ユニットは、ハウジングに解除自在に取り付けられていることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項31】 外科用器具は、装填ユニットをハウジングに選択的に取り付けるための係止タブを更に有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項32】 係止タブは、装填ユニットハウジングに取り付けることができる第1の位置から装填ユニットをハウジングに固定する第1の位置まで動くことができることを特徴とする請求項31記載の外科用器具。 【請求項33】 装填ユニットは、使い捨て可能であることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項34】 第1のスリーブの遠方側端部は、外科用留め具の遠方側端部を保持し、第2の血管の外転端部を支持するアンビルを有していることを特徴とする請求項16記載の外科用器具。 【請求項35】 アンビルは、外科用留め具の遠方側端部を発射の際に手元側に変形させる傾斜面を有していることを特徴とする請求項34記載の外科用器具。 【請求項36】 第1の血管と第2の血管との吻合のための外科用器具であって、遠方側端部及び手元側端部を備えたハウジングと、複数の外科用留め具の手元側端部を列状に支持するための上側及び下側留め具支持部材及び上側留め具支持部材と下側留め具支持部材との間に配置された第1の及び第2の引込みスリーブを含む装填ユニットとを有し、前記引込みスリーブは、引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に対して配置される第1の位置から引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に密接して位置する第2の位置まで留め具支持部材に対して動くことができ、前記外科用器具は、第1及び第2のスリーブを留め具支持部材に対して動かすアクチュエータを更に有していることを特徴とする外科用器具。 【請求項37】 第2のスリーブは、第1のスリーブに対して動くことができることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項38】 アクチュエータを引き続き動作させると、第2のスリーブは第1のスリーブに対して動くことを特徴とする請求項37記載の外科用器具。 【請求項39】 ハウジングは、第2のスリーブを第1のスリーブに対して動かすための第2のキー状のアームを有していることを特徴とする請求項38記載の外科用器具。 【請求項40】 第1のスリーブは、ベース及びスリーブキャップを有し、スリーブキャップは、ベースに対して選択的に回動できることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項41】 第2のスリーブは、上側及び下側カフを有し、上側カフは、留め具上側支持体と第1の引込みスリーブとの間に配置され、下側カフは、留め具下側支持体と第1の引込みスリーブとの間に配置されていることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項42】 留め具支持部材は各々、外科用留め具の手元側端部を支持するための複数の半径方向に設けられたチャネルを有していることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項43】 第1の引込みスリーブの遠方側端部は、外科用留め具を支持するための複数の細長いチャネルを有していること特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項44】 細長い各チャネルは、遠方側端部及び手元側端部を有し、各遠方側端部は手元側端部から半径方向にずれていることを特徴とする請求項43記載の外科用器具。 【請求項45】 第2の引込みスリーブは、外科用留め具を第1の引込みスリーブの細長いチャネル内に解除自在に固定する複数の弾性フィンガを有していることを特徴とする請求項43記載の外科用器具。 【請求項46】 装填ユニットは、アクチュエータの動作時に、第1及び第2の引込みスリーブを留め具支持部材に対して付勢するポストを更に有していることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項47】 ポストは、アクチュエータを引き続き動作させると結果的に第2の引込みスリーブが第1の引込みスリーブに対して動くことができるようにするために第1の引込みスリーブを留め具支持部材に対して係止するスペーサを更に有していることを特徴とする請求項46記載の外科用器具。 【請求項48】 装填ユニットは、互いに対して回動できる2つの半部で構成されていることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項49】 装填ユニットの2つの半部は閉じられると、第2の血管を挿通状態で受け入れる細長い孔を形成することを特徴とする請求項48記載の外科用器具。 【請求項50】 ハンドルの操作に先立って、装填ユニットの2つの半部は、互いに対して回動自在に固定されており、ハンドルの操作時に、2つの半部は互いに外れ、2つの半部は、第2の血管を孔内から放出するよう互いに対して回動できることを特徴とする請求項49記載の外科用器具。 【請求項51】 第2の引込みスリーブは、外科用留め具を第1の引込みスリーブの細長いチャネル内に解除自在に固定する複数の弾性フィンガを有していることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項52】 外科用留め具は、装填ユニットを通って延びる長手方向軸線に対して垂直に支持されていることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。 【請求項53】 外科用留め具は、装填ユニットを通って延びる長手方向軸線に対して角度をなして支持されていることを特徴とする請求項36記載の外科用器具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【関連出願の説明】本願は、コララス氏等により1999年2月23日に出願された米国特許出願第09/256,260号(発明の英文名称:ANASTOMOSIS INSTRUMENT AND METHOD )の一部継続出願であり、この米国特許出願は、マンゾー氏により1997年6月17日に出願の米国特許第08/877,701号(発明の英文名称:SINGLESHOT ANASTOMOSIS INSTRUMENT WITH DETACHABLE LOADING UNIT AND METHOD)の一部継続出願であり、この米国特許出願は、ヒンクリフ氏等により1996年7月23日に出願された米国特許出願第08/685,385号(発明の英文名称:ANASTOMOSIS INSTRUMENT AND METHOD )の一部継続出願であり、これら米国特許出願の開示内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。なお、米国特許出願第08/685,385号は、米国特許第5,707,380号となっている。 【0002】 【発明の属する技術分野】本発明は、管状構造体の吻合を行うための外科用器具及び方法に関し、特に、例えば大動脈冠状動脈バイパス術の実施中、脈管又は血管組織を接合する器具に関する。 【0003】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】冠状動脈疾患は、結果的に心筋層への血液の流れを不適当にする場合のある冠状動脈の病変又は閉塞、又は代表的には狭心症、心筋組織の壊死(心筋梗塞)及び突然死のような合併症の原因となる心筋虚血を特徴とする場合が多い。場合によっては、冠状動脈疾患を薬物及び(又は)挙動変化やダイエットによって治療する場合があれば、冠状動脈の拡大を例えば血管形成術、レーザ焼灼法、アテレクトミー、カテーテル法及び脈管内ステント術のような処置によって達成する場合もある。 【0004】患者によっては、大動脈冠状動脈バイパス(CABG)術が症状を和らげる上で好ましい治療形態であり、かかる手法は延命をもたらす場合が多い。CABG術では、血管の分節又はセグメントと冠状動脈のうち1又は2本以上とを直に吻合させる。たとえば、伏在静脈の外転セグメントの一端を動脈血源として上行大動脈に移植し、他端を動脈閉塞部を越えた箇所で冠状動脈に移植するのがよい。変形例として、胸骨に隣接して胸腔内にある内胸動脈(伏在静脈)も同様に、冠状動脈、例えば左前室間動脈(LAD)への移植に適している。 【0005】CABG術をうまく行うためには一般に心臓、血管及び関連組織への接近が必要である。患者の胸腔への接近は、胸部に大きな縦の切開部を作ることにより開放(直視下)術で達成できる。「胸骨正中切開術」と呼ばれるこの手法では、胸骨を切断して肋骨郭の両側の2つの半部を互いに広げて胸腔の内器官を露出させるために鋸又は他の切断器具が必要である。 【0006】バッジ氏に付与された米国特許第5,025,779号は、両側の胸骨半部を把持して胸腔を互いに広げるよう設計されたレトラクタを開示している。この手法により作られた大きな開口部により外科医は手術部位を直接見て問題のある器官に対して処置を行うことができる。しかしながら、大きな切開部及び肋骨郭の相当な変位を伴うかかる手法は、患者に対して外傷をもたらし、相当な危険性を伴う場合が多い。回復期間が長く、しかも苦痛を伴う場合が多い。さらに、冠状動静脈手術の必要性があることを告げられた患者は、心臓に接近する場合に危険性を伴うのでかかる手術を敬遠する必要のある場合がある。 【0007】ジョーコ氏に付与された米国特許第5,503,617号は、外科医が持てるように形作られていて、手術「窓」を介して心臓又は肺に接近できるよう肋骨を牽引してこれを互いに離した状態に保持するために血管又は心臓手術で用いられるレトラクタを開示している。レトラクタは、剛性フレーム及びこの剛性フレームに摺動自在に連結された並進フレームを有している。下側及び上側ブレードがそれぞれ剛性フレーム及び並進フレームに回転自在に取り付けられている。「窓」を利用する手法により、外科医は小さな切開部を介して肋骨の変位を最小限に抑えて接近できるので患者に対する外傷の度合いは低い。 【0008】胸腔にいったん達すると、心臓に対する手術を行うことができる。かかる手法では典型的には、心拍動を停止させ、他方、身体の残りの部分全体について体内循環を維持する必要がある。心停止用流体、例えば塩化カリウム(KCl) a心臓の血管に送って心筋層を麻痺させる。例えば、スターマン氏等の国際公開パンフレットWO95/15715に開示されているように、心停止流体を上行大動脈中に挿入されたカテーテルによって冠状動脈を介して心筋層に注入する。 【0009】変形例として、患者の頸部に接近した状態で内頸静脈内に配置したカテーテルにより心停止流体を逆行方式で冠状静脈中へ注入する。かかる手法では、多数本のカテーテルを心臓に隣接して血管に導入することが必要であり、これは手の込んだ処置であり、所望の血管のありかを正しく突き止めてこれに接近することを必要とする。ガイドワイヤ及びカテーテルの進み具合を厳密にモニターして正しい配置場所を決定しなければならない。さらに、カテーテルを導入するには穿刺部を血管に作るが、後でこれを閉じなければならず、カテーテルを挿通させる必要のある血管の内壁に対する外傷の恐れが増す。 【0010】変形例として、CABG術は、心臓を拍動させた状態で実施できる。かかる手法は現在、開胸術(胸骨切開術により行う場合、この手法は、通常、開放式冠状動脈バイパス(OP−CAB)と呼ばれている)により行う場合、最小侵襲直接冠状動脈バイパス(MIDCAB)と通称されている。移植手術中、心臓を安定化すると共に冠状動脈中を通る血液の流れを制限するための外科用器具が用いられる。拍動中の心臓に対して行われる処置、例えば心拍間で心周期中の或る特定の段階に生じる同期化処置に対して特別な配慮を与える必要がある。 【0011】CABG術を行うために、摘出した血管セグメント、例えば伏在静脈を、端と側の吻合方式により冠状動脈に移植する。典型的には、縫合糸を用いて血管セグメントを移植する。しかしながら、従来の縫合法は最小侵襲法、例えば窓利用方式を用いることにより手が込んでおり、手術部位に対して接近に制約があること及び手術部位が見えにくいことにより、外科医は、縫合糸を移植片に手作業では付けにくい場合がある。さらに、心臓が拍動しているときにCABG術が行われる場合、手作業で縫合を行うのは困難であって時間がかかる。というのは、縫合作業を心臓の拍動に同期させなければならないからである。 【0012】理解できるように、摘出した血管セグメントを冠状動脈に手作業で縫合するやり方は時間がかかり、しかも外科医の側では熟練が必要になる。その結果得られる縫合後の吻合部は、外科医の技術によっても出来が左右される。最小侵襲法、例えばMIDCABでは、操作性が制限され、しかも見えにくいために縫合を行うのは一層面倒である。ヒンクリフ氏とうに付与された米国特許第5,707,380号は、従来法と最小侵襲法の何れを行っているときでも血管を穿刺しないで遠くの場所での吻合を可能にする装置及び方法を開示しており、かかる米国特許の内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。しかしながら、従来法と最小侵襲法の何れを行っているときでも遠くの場所での吻合を行う改良型の外科用器具及び方法がずっと要望されている。 【0013】 【発明の概要】本発明は、遠方側端部及び手元側端部を備えたハウジングと、ハンドルと、ハウジングの遠方側端部に着脱自在に取り付けられる使い捨て装填ユニットとを有する第1の血管と第2の血管との吻合のための外科用器具に関する。装填ユニットは、第2の血管の端を受け入れる通路が形成されていて、複数の外科用留め具を解除自在に支持するような形状になっている上側及び下側留め具支持部材を有する。装填ユニットは、装填ユニットの遠方側端部に設けられた引込み可能なアンビルを更に有し、このアンビルは、ハンドル操作に応答して外科用留め具支持部材に対して動くことができ、それと同時に外科用留め具を変形させる。 【0014】一実施形態では、装填ユニットは、外科用器具の発射後、第2の血管を離すよう互いに対して回動できる2つの半部で構成されている。好ましくは、留め具支持部材は、留め具を列状に支持する上側及び下側留め具支持部材から成る。 【0015】別の実施形態では、装填ユニットは、アンビルをハンドルの操作に応答して動かす第1の引込みスリーブを有している。好ましくは、装填ユニットは、第1及び第2の引込みスリーブを有し、これら引込みスリーブは、引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に対して配置される第1の位置から引込みスリーブの遠方側端部が留め具支持部材に密接して位置する第2の位置まで留め具支持部材に対して動くことができる。 【0016】別の実施形態では、アクチュエータは、第1及び第2のスリーブを留め具支持部材に対して動かすようになっている。好ましくは、ハンドルを引き続き動かすと、第2のスリーブは第1のスリーブに対して動く。 【0017】別の実施形態では、第1のスリーブの遠方側端部は、外科用留め具を支持するための複数の細長いチャネルを有している。好ましくは、チャネルは各々、遠方側端部及び手元側端部を有し、各遠方側端部は、外科用留め具の手元側端部及び遠方側端部が半径方向に互いにずれた関係で支持されるよう手元側端部から半径方向にずれている。第2の引込みスリーブは、外科用留め具を細長いチャネル内に解除自在に保持し、アンビルは、外科用留め具の遠方側端部をハンドルの操作時に手元側に変形させる傾斜面を有することが計画される。 【0018】別の実施形態では、アクチュエータは、2以上のカムフォロアを備えたカムを有している。また、カムは、ハンドルの操作時に互いに異なっていて独立していると共に(或いは)様々な動きをカムフォロアに与える多数の段階部又は作用部を有するのがよい。 【0019】本発明の別の目的及び特徴は、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を読むと明らかになろう。しかしながら、図面は例示の目的にのみ作成され、本発明を限定するものではない。 【0020】 【好ましい実施形態の詳細な説明】本明細書において開示する外科用器具及び方法の好ましい実施形態を、冠状動脈バイパス手術と関連して説明するが、かかる冠状動脈バイパス手術では、冠状動脈、例えば左前室間動脈(LAD)及び(又は)大動脈内の閉塞部をバイパスするために、摘出した血管、例えば伏在静脈の一部を接合することにより血管吻合を行う。変形例として、本明細書において開示する外科用器具は、他の管腔状構造体の吻合を行う際にも使用できる。 【0021】図面及び以下の説明において、「手元側」という用語は、慣例通りであり、ユーザに近い方の装置の端を意味し、これに対し「遠方側」という用語は、ユーザから遠い方の端を意味している。 【0022】今、各図(なお、図中、同一の符号は類似又は同一の要素を示している)を詳細に参照すると、本発明の一実施形態の全体が図1に示され、ここでは外科用器具10として示されている。外科用器具10は、2つの主要な構成部品、即ちアクチュエータ組立体20及び使い捨て装填ユニット(DLU)又は一回使用装填ユニット(SULU)100を有し、これらは、これらの内部動作部品と共に互いに機械的に協働して外科用留め具260を変形させ、それにより2つの血管、例えば伏在静脈320とLAD及び(又は)大動脈310(図21B)相互間の吻合部を形成する。 【0023】種々の図に示す特定の外科用器具10は、図3に示す留め具260と類似した列状に配置された外科用留め具を変形させるよう設計されており、この外科用留め具260は全体がL字形であり、ベース脚部264及び上方に延びる支持脚部262を有している。好ましくは、ベース脚部264は、外科用留め具260の変形の際に、伏在静脈320及びLAD及び(又は)大動脈310を穿通するような形状になった遠方側端部269を有している。上方に延びる支持脚部262は、ピボット点265のところでベース脚部264に取り付けられ、この支持脚部262は、その自由端部のところに設けられていて、LAD及び(又は)大動脈310を穿通し、外科用留め具260を吻合後定位置に固定するよう設計された内方に延びる端片267を有している。凸部263が、ベース脚部264と支持脚部262との間で内方に突出し、好ましくは、ベース脚部264と協働して伏在静脈320を図21B及び図24を参照して以下に詳細に説明するように吻合後、LAD及び(又は)大動脈310に押し当てた状態で流体連通状態に保持するような寸法形状になっている。外科用留め具260を特定の目的に応じて種々のパターン/配列状態でSULU上に配置できることが考えられる。 【0024】図1、図4、図10及び図11で最もよく分かるように、アクチュエータ組立体20は、手元側端部24、遠方側端部22及びこれらの間に形成されていて、アクチュエータ組立体20の内部動作部品を収納するハウジング26を有している。好ましくは、プレート90が、組立て時にアクチュエータ組立体20の内部構成部品を覆う。より詳細に説明すると、ハウジング26は、少なくとも1つの機械的インターフェース23aを有し、この機械的インターフェースは、カバープレート90に設けられたこれと対応関係にある機械的インターフェース23b(図10)と一緒に往復動して2つの構成部品26,90を互いに嵌合させる。 【0025】アクチュエータ組立体20は、外科用器具10の発射又は作動を開始させるハンドル12と、SULU100をアクチュエータ組立体20に装填するばね押し式指押しタブ又はサムタブ30とを更に有し、これらについては以下により詳細に説明する。好ましくは、ハンドル12は、器具の使用中、ユーザの手で快適に掴めるような輪郭及び形状になった人間工学的表面を備えている。 【0026】次に、アクチュエータ組立体20の内部動作部品を詳細に示す図11を参照すると、これら内部動作部品は好ましくはハウジング26内で組み立てられ収納されている。より詳細に説明すると、アクチュエータ組立体20は、ハウジング26から突出したポスト21の周りに取り付けられたトーションばね70を有している。ばね70は、ハウジングの下方部分に押し付けられた下側アーム74及び回転2段階カム60に押し付けられた上側アーム72を有している。 【0027】ハンドル12はブッシュ19を有し、このブッシュは、ハンドル12の手元側端部から横方向に突出しており、ハウジング26に対してハンドル12の回動運動を可能にするようハウジング26の手元側端部24内に設けられた対応関係にある凹部29に回動自在に係合する。ハンドル12は、その手元側端部24に設けられた垂直方向に延びるスロット27を更に有し、このスロットは、ハンドル12と関連して動くレバー16の手元側端部を受け入れている。一対のフランジ14a,14bが、ハンドル12から下方に延びていて、これらの間にレバー16を受け入れている。ハンドル12に設けられた機械的インターフェース11aは、レバー16をハンドル12に固定するために、レバー16に設けられた対応関係にある機械的インターフェース11bに係合する。好ましくは、レバー16は、ハンドル12の下方運動中、カム60に係合してこの運動を制御するように形作られた第1の凹部17を有しているが、その目的については図21Aを参照して以下に詳細に説明する。レバー16は、ハウジング26内のばね70の横方向運動を制限するのに役立つ第2の凹部15を更に有している。 【0028】上述したように、アクチュエータ組立体20は、その遠方側端部22の近くに設けられた長手方向に延びるスロット28内でハウジング26の頂部に載っているばね押し式サムタブ30を更に有している。図10で最もよく分かるように、スロット28は、ハウジング26の切欠き18a及びカバープレート90の切欠き18bで形成されている。タブ30は、SULUを装填するためにタブ30の手元側方向への運動を容易にするよう摺動スリーブ32と協働する指ガイド又はサムガイド35を有している。タブ30に設けられた下方に垂下したフランジ34が、摺動スリーブ32の頂部に設けられたマウント31に設けられた対応関係にあるスロット33に嵌まる。好ましくは、摺動スリーブ32は、引張りばね38を受けるような寸法形状のポスト36を有している。ハウジング26内に設けられたブロック47と摺動スリーブ32の手元側縁部37との間に圧縮状態で設けられていて、ばね38が摺動スリーブ32を遠方側端部22の近くの最も遠方側の位置に付勢するようになっている。好ましくは、スリーブ32の遠方側端部39は、弧状又は半円形であり、以下に詳細に説明するようにSULU100を装填した後、SULU100をアクチュエータ組立体20内に係止する第1のレトラクタ80の対応関係にある端部82に摺動自在に係合するよう寸法決めされている。 【0029】アクチュエータ組立体20は、第1のレトラクタ80及び第2のレトラクタ50を更に有し、これらレトラクタはそれぞれ、ハンドル12の動作により動き、それによりこの動きが2段階カム60に与えられる。第1のレトラクタ80は、遠方側端部82及び手元側端部84を有しており、スリーブ32を摺動自在に支持するために遠方側端部82から手元側方向に延びる細長い溝83が設けられていることを除き、寸法形状が全体として管状である。レトラクタ80は、このレトラクタ80をカム60に取り付けるためのピン54を受け入れるスロット85と、手元側端部84の近くに設けられていて、2つのカムフォロア51a,51bをそれぞれ受け入れる別の対をなすスロット87,89とを更に有している。好ましくは、手元側端部84は、第2のレトラクタ50をこれに挿入させやすいよう二股になっている。 【0030】図11及び図16で最もよく分かるように、ガイド81は、ハウジング26に設けられた細長いリブ25a及びカバープレート90に設けられた細長いリブ25bに係合し、それによりレトラクタ80をハウジング26に摺動自在に取り付けている。ガイド81は、ハンドル12の操作時に、ハウジング26に対する第1のレトラクタ80の手元側方向への運動を可能にするようリブ25aよりも僅かに長い寸法になっている。好ましくは、保護用管95が、第1のレトラクタ80の周りに入れ子状に設けられていて、摺動スリーブ32のマウント81を収納状態で固定するスロット96を介して摺動スリーブ32と連携して動く。保護用管95は、引込み中、第1のレトラクタ80の横方向運動を制限するのにも役立つことが予想される。管95は、細長いチャネル97を更に有し、このチャネルは、第1のレトラクタ80に設けられたガイド81と全体として整列し、これら2つの構成部品をリブ25a,25bに取り付けるようになっている。 【0031】タブ30の手元側方向の運動は、手元側方向往復運動を摺動スリーブ32に与えて第1のレトラクタ80内に設けられたキャリジ86,88を露出させることが予想され、これらキャリジは、SULU100の対をなす第1の引込みスリーブ110と第2の引込みスリーブ120(図7〜図9)を受け入れるように設計されている。より詳細に説明すると、図5で最もよく分かるように、キャリジ86は形状が全体として円形であり、SULU100の第2の引込みスリーブ120の端部122a,122bを合わせることにより形成される外側リップ122を受け入れるように設計されている。好ましくは、キャリジ86は、図22Aを参照して詳細に説明するように第1の引込みスリーブ110に対する第2の引込みスリーブ120の手元側方向への運動を可能にするようリップ122よりも大きな寸法になっている。キャリジ88は同様に形状が円形であり、第1の引込みスリーブ110の外側リップ112を受け入れる。 【0032】アクチュエータ組立体20は、第1のレトラクタ80の頂部に載っていて、ハウジング26とカバープレート90との間に横方向に延びるハンドルロック40を更に有している。より詳細に説明すると、ハンドルロック40は、図10で最もよく分かるようにスロット93a,93b内に納められている。ハンドルロック40は、ハンドルロック40をハウジング26の棚部49に押し付けるばね45を受け入れたポスト43を有している(図12)。ハンドルロック40は、ハンドル12に設けられたフランジ14a,14bと整列する一対のフランジ42a,42bを更に有している。図21及び図22に最もよく示すように、ハンドル12を下方に動かすことにより、ハンドルロック40はばね45に抗して当初遠方側に押され、ついにはフランジ14a,14bがフランジ42a,42bを越えるようになり、その時点においてばね45はハンドルロック40を手元側に押してフランジ42a,42bをフランジ14a,14bの頂部に係止すると共にハンドル12を下方の位置に係止する。好ましくは、フランジ42a,42bは、これらの間にレバー16を受け入れるスロット41を構成している。 【0033】アクチュエータ組立体20は、第2のレトラクタ50を更に有し、この第2のレトラクタは、キー状の遠方側端部53及びT字形ヒール部分56を備えた細長いアーム52を有している。好ましくは、T字形ヒール部分56は、その手元側に設けられた引張りばね55に取り付けられている。第2のレトラクタ50は好ましくは、その手元側端部が二股になっていて、2つの長手方向に延びるフィン58a,58bが形成され、これらフィンは各々、カムフォロア51,51bをそれぞれを受け入れるスロット57及び孔59を有している。ばね55は、細長いストップ65に押し付けられていて、このストップはアーム52の頂部に載っていて、第2のレトラクタ50を引っ込めるとヒール部分56を手元側に付勢することが考えられ、これについては外科用器具10の操作と関連して以下に詳細に説明する。 【0034】上述のように、第1のレトラクタ80は、ピン54によって2段階カム60に取り付けられている。より詳細に説明すると、カム60は、その遠方側端部の近くに設けられていて、カム60を第1のレトラクタ80に取り付けるピン54を受け入れる孔61を有している。カム60は、一対の全体として垂直方向の弧状スロット62,64を更に有し、これらスロットは各々、動きを対応関係にあるフォロア51a,51bに伝えるための2つの別々の段階部又は作用部、即ち段階部又は作用部62a,62b及び64a,64bを有している。こぶ状部66が、カム60の最も上の部分の近くに設けられていて、図12に最もよく示されているようにレバー16に設けられた凹部17に摺動自在に嵌まるような寸法形状になっている。 【0035】ハンドル12の下方運動中、レバー16はこぶ状部66を下方に付勢してこぶ状部66が凹部17に沿って手元側に動き、それによりカム60が図21a及び図22に最もよく示すようにピン54の周りに下方に回動するようになることが考えられる。次に、フォロア51a,51bはスロット64,62に沿って動き、それにより第1及び第2のレトラクタ80,50が以下に詳細に説明するように手元側の方向に動くようになる。好ましくは、凹部17、こぶ状部66及びスロット64,62を、カムフォロア51a,51bの運動及びタイミングを制御するよう寸法決めするのがよい。例えば、作用部64a,64b及び作用部62a,62bを、第1及び第2のレトラクタのタイミング及び運動を制御するよう寸法決めし、それにより吻合の効率を向上させることができるということが考えられる。 【0036】細長いストップ65は好ましくは、カム60の遠方側端部に取り付けられていて、第2のレトラクタ50の頂部に載っている。細長いストップ65は、遠方側端部69及び手元側端部67を有し、この手元側端部は、各々孔63a,63bが貫通して設けられた2つの延長部分67a,67bを有している。好ましくは、ストップ65の端部69は、SULU100内に設けられた対応関係にある付勢ポスト102に係合するのに十分な寸法になっている。 【0037】好ましくは、第2のレトラクタ50、カム60及び細長いストップ65は、第1のレトラクタ80への挿入に先立って、あらかじめ組み立てられる。より詳細に説明すると、図10〜図12に最もよく示されているように、細長いストップ65をT字形ヒール部分56と端部53との間で第2のレトラクタ50のアーム52の頂部に配置する。ストップ65の孔63a,63bは、カム60の孔61と整列して、いったんカム60及び細長いストップ65を第1のレトラクタ80のスロット91に挿入すると、ピン54が2つの構成部品65,60をスロット85を通って一緒に係止するようになる。 【0038】カム60を第2のレトラクタ50の長手方向に延びるフィン58a,58bの間に配置し、レトラクタ50及びカム60を第1のレトラクタのスロット91内に挿入したときに、フォロア51a,51bが、それぞれスロット87,89に挿入され、2つの構成部品50,60を第1のレトラクタ80内で互いに摺動自在に結合するようにする。次に、ハンドルロック40を上述のように第1のレトラクタ80の頂部に配置する。次に、第1のレトラクタ80をハウジング26のリブ25a及びカバープレート90のリブ25に取り付け、タブ30を摺動スリーブ32と一緒にこれに係合させる。次に、ハンドル12とレバー16を上述したように組み立ててポスト21の周りに回動自在に取り付ける。次に、それに応じてばね70を配置してハンドル12をハウジング26に押し付ける。 【0039】次に、SULU100の内部動作部品の分解図である図7〜図9を参照すると、SULU100は上述したように、第1の引込みスリーブ110及び第2の引込みスリーブ120を有し、これらスリーブは互いに協働して留め具260を変形させ、伏在静脈320を図24に示すように流体連通状態でLAD及び(又は)大動脈310にしっかりと固定する。 【0040】より詳細に説明すると、図7〜図7Dで最もよく分かるように、第1の引込みスリーブ110は、管状ベース110a及び弧状スリーブキャップ110bを有し、これらは一緒になって第1の引込みスリーブ110を構成している。ベース110aは、その手元側端部に設けられた円形リップ112及びその反対側の端部に設けられた半円形アンビル118aを有している。細長いスリット182aが設けられた係止タブ116aが、リップ112とアンビル118aとの間に設けられている。長手方向に延びるスロット114aが、リップ112と係止タブ116aとの間に設けられている。少なくとも1つのインターフェース117aが、ベース110aから下方に垂下していて、スリーブキャップ110bに設けられた対応関係にある機械的インターフェース117bに機械的に係合している(図7)。フランジ113aが好ましくは、スロット114aの下に設けられていて、このフランジは、スリーブキャップ110bに設けられた対応関係にあるフランジ113b1 ,113b2 に係合するのに十分な寸法になっている。スロット114aは、以下に詳細に説明する外科用留め具の上側支持体130aから突出したタブ138a(図13)を受け入れるのに十分な寸法になっている。 【0041】スリーブキャップ110bは、半円形アンビル118b及びフランジ113b1 ,113b2 で構成された二股の手元側端部113を有し、これらフランジは、一緒になって、以下に詳細に説明する外科用留め具の下側支持体130bから突出したタブ138bを受け入れるスロット114bを構成している。スリーブキャップ110bは、機械的インターフェース117bを更に有し、この機械的インターフェースは、ベース110aに設けられた対応関係にある機械的インターフェース117aと結合してスリーブキャップ110bをベース110aに係合させている。細長いスリット182bが設けられた係止タブ116bが、手元側端部113とアンビル118bとの間に設けられている。長手方向に延びる開口部111bが好ましくは、係止タブ116bの近くに設けられていて、この開口部は、ベース110aに設けられた対応関係にある開口部111a(図7C)と整列して、伏在静脈320を図17及び図18で最もよく分かるようにこれら開口部を通って受け入れることができるようになっている。 図2A及び図7Dは、アンビル118aの拡大図であり、このアンビルは、それぞれが外科用留め具260を収納支持するような寸法形状になった半環状の列をなした留め具支持チャネル又はクレードル119aを有している。スリーブキャップ110bは、留め具支持チャネル119bを更に有し、この支持チャネルは、ベース110a及びスリーブキャップ110bを組み立てると、互いに整列してアンビル118a,118bの内面の周りに円形の列を形成する。アンビル118a,118bを特定の目的に応じて互いに異なる列をなした外科用留め具260を支持するよう設計してもよいことが考えられる。各チャネル119a,119bは好ましくは、アンカー187a,187b(図7)によって分離され、このアンカーは、第2の引込みスリーブ120の突出フィンガ124a,124bを解除自在に保持する(図2A)。支持チャネル119a,119bはそれぞれ、手元側端部186a,186b及び遠方側端部184a,184bを有し、これら手元側端部及び遠方側端部は、外科用留め具260を半径方向にずれた状態でチャネル119a,119b内に収納するよう互いに半径方向にずれており、その目的については外科用器具10の操作と関連して以下に説明する。各チャネル119aの遠方側端部184aは、図13Aで最もよく分かるように外科用留め具260の端部の弧状の形に一致するようアーチ形になっている。遠方側端部184aをアーチ形にすることにより、図21及び図22を参照して以下に説明するように第1のレトラクタ80によって第1の引込みスリーブ110を引っ込めると、外科用留め具260が上方且つ手元側に変形するようになることが予想される。 【0042】図7〜図7Dは又、第2の引込みスリーブ120を示しており、この第2の引込みスリーブは、上側カフ120a、下側カフ120b及び外側キャップ128を有し、これらは一緒になって第2の引込みスリーブ120を構成する。より詳細に説明すると、上側カフ120aは、一端部に半環状リップ122a、その反対側の端部に複数の保持フィンガ124aをそれぞれ有している。上側カフ120aは、第1のスロット101を更に有し、この第1のスロットは好ましくは、第1の引込みスリーブ110aのスロット114aと整列してこれらの中に留め止め具上側支持体130aのタブ138aを受け入れている(図20)。カフ120aをベース110aの頂部に摺動自在に取り付けると、第2のスロット126aが係止タブ116aを受け入れる。インターフェース129aは、下側カフ120bに設けられた対応関係をなすインターフェース129bに機械的に係合する。 下側カフ120bは、下側留め具支持体130bのタブ138bを挿通状態で受け入れるスロット108を構成するフランジ107b1 ,107b2を備えた二股の手元側端部107及びその反対側の端部から延びる複数の保持フィンガ124bを有している。スロット126bが、フランジ107b1 ,107b2 とフランジ124bとの間に設けられていて、カフ120bをスリーブキャップ110bに摺動自在に取り付けると、スリーブキャップ110bの係止タブ116bを受け入れるようになっている。長手方向に延びる開口部121bが、スロット126bの近くに設けられていて、この開口部は、上側カフ120aに設けられた対応関係をなす開口部121aと整列すると共に第1の引込みスリーブ110の開口部111a,111bとも整列して伏在静脈320を図17及び図18で最もよく分かるようにこれらの中に受け入れることができるようになっている。 【0043】半円形カフキャップ128が下側カフ120bの頂部に設けられていて、このカフキャップは、半円形リップ122a,122bが円形リップ122を構成するよう上側カフ120aと機械的にインターフェースする。より詳細に説明すると、カフキャップ128は、複数の戻り止め123bを有し、これら戻り止めは、上側カフ120aに設けられた対応関係をなす複数の切欠き123aと機械的に係合してカフキャップ128、上側カフ120a及び下側カフ120bが、第2の引込みスリーブ120の引込み時に、すべて一斉に動くようになっている。スリーブキャップ128は好ましくは、その遠方側端部のところが二股になっていて、スロット109が形成され、このスロットはタブ138bを受け入れるような寸法になっている。 【0044】理解できるように、フィンガ124a,124bは、第2の引込みスリーブ120の引込み時に動いて発射後に外科用留め具260を放出する。より詳細に説明すると、図2A及び図7Aで最もよく分かるように、各フィンガ124aの遠方側端部はフォーク状になっていて、この遠方側端部は、外科用留め具260を留め具支持チャネル119a内に保持する第1の端片127aと、第2のレトラクタ50によって放出されるまで(これについては外科用器具10の操作と関連して詳細に説明する)フィンガ124aを第1の引込みスリーブ110に解除自在に係止するようアンカー187aと互いに係止する第2の端片125aとを有している(図22A及び図22B)。同様に、下側カフ120bの各フィンガ124bは、同じように作用する端片127b,125bを有している。 【0045】上述したように、SULU100は、上側支持体130aと下側支持体130bとから成る留め具支持体130を更に有しており、上側支持体と下側支持体は組み立てられると、これらの個々の動作部品と一緒に第1の引込みスリーブ110及び第2の引込みスリーブ120を内部に収納する。上側支持体130a及び下側支持体130bはそれぞれ、遠方側端部135a,135bを有し、これら遠方側端部135a,135bからそれぞれ列状に配置されたブレース137a,137bが突出している。図2に最もよく示すように、ブレース137a,137bは各々、チャネル119a,119bのうち一方の中に設けられた外科用留め具260の上方に延びる支持脚部262を支持している。複数の半径方向に延びるスロット139a,139bが、各支持ブレース137a,137b相互間に設けられていて、これらの中に外科用留め具260を保持し、各留め具260の望ましくない横方向の動きを制限するようになっている。各外科用留め具260は、スロット139a,139b内に設けられていて、凸部263がブレース137a,137bから外方に突出し、吻合後、ベース脚部264と協働して伏在静脈320をLAD及び(又は)大動脈310にあてた状態に保持する(図21B及び図24)と予想される。 【0046】上側支持体130a及び下側支持体130bはそれぞれ、ヒンジ136a,136bを更に有し、これらヒンジは、SULU100を組み立てると、互いに嵌合して開放位置(図23)から閉鎖位置(図2)への支持体130a,130b相互間の回動運動を可能にする。好ましくは、ピン180により、2つのヒンジ136a,136bが互いに固定される(図6)。上側支持体130a及び下側支持体130bはそれぞれ長手方向に延びる開口部133a(図23),133bを有し、かかる開口部は、上述の開口部121a,121b,111a,111bと整列して図17及び図18に最もよく示されてるようにこれらの中に伏在静脈320を受け入れている。長手方向に差し向けられたスロット131a,131bが、上側支持部材130a及び下側支持部材130bにそれぞれ設けられた開口部133a,133bに隣接して設けられていて、第2の引込みスリーブ120のスロット120a,120bに関連して上述したのと非常によく似た方法で係止タブ116a,116bを受け入れるようになっている。 【0047】下側支持体130bは、開口部133bの互いに反対側の側部に設けられていて、上側係止スリーブ140aと関連した一対のフランジ144a,144bを摺動自在に受け入れる対応関係をなした一対の肩132a,132bを有している。より詳細に説明すると、各フランジ144a,144bはそれぞれ、下側支持体130bの肩132a,132bを受け入れる切欠き149a,149bを形成するよう上側係止スリーブ140aから遠方側に延びている。 【0048】上側係止スリーブ140a内にはC字形クリップ146a(図8)が設けられており、このC字形クリップは、第1の引込みスリーブ110の係止タブ116aのスリット182aにスナップ動作で嵌合する一対の互いに反対側に位置したフック147aを有している。下側係止スリーブ140bはこれと同様に動作し、第1の引込みスリーブ110の係止タブ116bのスリット182bにスナップ動作で嵌合する一対の互いに反対側に位置したフック147bを有している。上側係止スリーブ140aも又、図17及び図18で最もよく分かるように伏在静脈320を挿通状態で受け入れるよう上述の開口部133a,133b,121a,121b,111a,111bと整列する開口部141aを有している。第2の引込みスリーブ120の引込み時に、上側係止スリーブ140aは肩132b,134bに対して手元側に動き、肩132a,132bから外れ、それにより上側支持体130a及び下側支持体130bがピン180bを中心として回動して伏在静脈320を離すことができるようになることが考えられる(図21E及び図23)。これについては、以下に説明する外科用器具の操作と関連して詳細に説明する。 【0049】SULU100は、上側支持体130a及び下側支持体130bを互いに対し一定の関係で機械的に整列させる付勢ポスト102を更に有している。より詳細に説明すると、付勢ポスト102は、手元側端部103及び遠方側端部105を有し、この付勢ポストには、上側支持体130a及び下側支持体130bのそれぞれのタブ138a,138bを受け入れる垂直方向に差し向けられたキャビティ106が貫通して設けられている。上述のように、タブ138a,138bは、第1の引込みスリーブ110のスロット114a,114bを貫通すると共に第2の引込みスリーブ120のスロット101,108,109を貫通して延びて、図21Bで最もよく分かるようにキャビティ106内で互いに機械的に整列する。 【0050】付勢ポスト102は、その外周部に沿って設けられていて、第1の引込みスリーブ110を第1のレトラクタ80によって引っ込めた後、第1の引込みスリーブ110を引込み時に摩擦の作用で係止するテーパしたスペーサ104を更に有している。より詳細に説明すると、SULU100を組み立てると、外科用器具10の発射前に付勢ポスト102を、スペーサ104がリップ112に近接するように第1の引込みスリーブ110に対して配置する(図13)。第1の引込みスリーブ110の引込み中、リップ112をスペーサ104上に押し、第1の引込みスリーブ110を引込み位置に係止し、後戻りしないようにする。以下に詳細に説明するように、第1の引込みスリーブ110を引込み位置に係止すると、第2の引込みスリーブ120は第1の引込みスリーブに対して引込み可能にあらかじめ配置される(図22A)。 【0051】次に、図5で最もよく分かるようにアクチュエータ組立体20内へのSULU100の装填について説明すると、サムタブ30をばね38に抗してサムガイド35によって手元側に移動させ、それによりスリーブ32及び保護カバー95を手元側に移動させてキャリッジ86,88を露出させる。次に、リップ112をキャリッジ88内に配置し、リップ122をキャリッジ86内に配置することにより、SULU100をアクチュエータ組立体20内に装填する。図13に最もよく示すように、リップ122をキャリッジ86の遠方側端部の近くに配置し、それによりリップ122及びそれゆえに第2の引込みスリーブ120が第2のレトラクタ50の作動時に、第1の引込みスリーブとは独立して動くことができるようにする。これとは対照的に、キャリッジ88は、リップ112がキャリッジ88内にぴったりと嵌まるようキャリッジ86よりも小さな寸法になっている。SULUをいったんキャリッジ86,88内に配置すると、サムタブ30を解除し、ばね38がスリーブ32及び保護カバー95をリップ112,122上に遠方側に付勢してSULU100をアクチュエータ組立体20内に係止する。 【0052】使用にあたり、図17〜図24に示すように、外科用器具10は、血管の吻合の実施を容易にし、手作業による血管の縫合の必要性をなくすと共に(或いは)最小限にする。本明細書で説明する方法及び使用法を、拍動中の心臓に対して行われる血管吻合に関して説明する。しかしながら、今開示している外科用器具10は、本発明の範囲から逸脱しないで他の管状又は管腔状構造体の吻合を行う際にも使用できる。例えば、外科用器具10は、心臓を停止させることなく胸骨正中切開術又は他の大きな切開法を用いて従来型開放式CABG手術の際に使用できる。変形例として、胸に設けた「窓」を用いる手法を用いて心臓に接近してもよい。「窓」利用法では、切開は小さく且つ肋骨の展開の度合が小さいので患者に対する外傷の度合が低い。この方法に関し、従来型外科技術を用いて胸腔に接近するための切開部の位置を決定する。 【0053】心臓に接近するため、切開部を作った後、外科用レトラクタ組立体を用いると図25に示すように切開部の位置のところで肋骨を引き離すことができる。より詳細に説明すると、ベース410を患者の胸部に配置し、ベースによって構成される中央開口部を手術部位上に配置する。レトラクタ組立体430を種々の位置でレース410に取り付ける。各レトラクタ組立体430は、肋骨又は肋骨を含む胸骨のいずれかに係合するフックを備えたブレードを有する。レトラクタ組立体を肋骨に取り付け、心臓に直接接近できるよう胸腔に十分に大きな開口部が得られるようになるまで肋骨を牽引するのに用いる。例えば、胸骨と第4肋骨及び第5肋骨を離隔させると窓を作ることができる。特定の手法について、他の形態の肋骨離隔法及び(又は)胸骨からの個々の肋骨の選択的切断法を利用してもよい。 【0054】心臓への所望の接近がいったん得られると、移植血管、例えば伏在静脈320を周囲の軟骨及び筋肉から切開し、血管の自由端部を露出させる。次に、閉塞状態の冠状動脈、例えばLAD及び(又は)大動脈310を伏在静脈320移植片を受け入れるための準備をする。心膜を通る牽引縫合糸によるか、手術スタッフによって保持され、或いはベース、例えばレトラクタ組立体のベースに一定の向きでクランプされる心臓取扱い器具を用いる操作によるかの何れかにより、心臓を所望の向きに配置する。LAD及び(又は)大動脈310を通る血液の流れを、心肺バイパス及び心膜冷却によって制限することができる。変形例として、制動器具を直接LAD及び(又は)大動脈310に当てて血液を流れを制限し、LAD及び(又は)大動脈310の近くの心臓の動きを小さくしてもよい。 【0055】次に、外科用器具10の操作、特に図17〜図24に詳細に示すようなSULU100の操作を詳細に説明すると、いったん伏在静脈320を摘出すると、ユーザは自由端部322をSULUの開口部133に差し込み、そして外科用フック又は把持具を用いて、自由端部322をSULU100の遠方側端部に向かって引っ張る。次に、ユーザは伏在静脈320をSULU100のアンビル118a,118b上で外転させ、伏在静脈320の自由端部322を外科用留め具260の端部269で保持するようにする。伏在静脈320の外転は、任意適当な公知の器具及び(又は)例えば把持具を用いるなどの方法によって行うことができる。 【0056】場合によっては、上側支持体130a及び下側支持体130bを2つの支持体130a,130bの横断平面に対して角度が生じるように僅かに長手方向にずらして差し向けることが好ましい場合がある。その目的は、吻合を最適化すると共に伏在静脈320からLAD及び(又は)大動脈310への移植部位を横切る最適な血液の流れを容易することにある。この接合により、血管相互間の鋭角又は鈍角が明確に定められる際立って目に見える「ヒール(heel)効果」又「トー(toe )効果」が得られることになろう。 【0057】伏在静脈320の残りの部分を好ましくは、伏在静脈320を図18に示すようにLAD及び(又は)大動脈310内へ挿入しやすくするよう外科用器具10から遠ざけて配置する。ユーザは次に、SULU100の端部をLAD及び(又は)大動脈に設けた切開部312に差し込んで複数の留め具260の各々の遠方側端部269及び伏在静脈320の外転端部322が切開部312(図19及び図20)内へ、そしてこの中を通って十分に挿入されるようにする。図20の拡大図で最もよく分かるように、各外科用留め具260の支持脚部262、凸部263及び端片267は、切開部312の外側に位置したままである。次に、外科用器具を発射に備えてあらかじめセットしておく。 【0058】図21及び図22は、外科用器具10の発射順序、即ちユーザによるハンドル12の押し下げ状態を示している。図21及び図21Aに最もよく示すように、ハンドル12を矢印(A)の方向に下方に押し下げると、レバー16はそれと同時に動きをハンドルロック40とカム60の両方に伝える。より詳細に説明すると、ハンドル12の下方運動により、レバー16のフランジ14a,14bはハンドルロック40のフランジ42a,42bをばね45に抗して矢印「B」(図21)の方向に遠方側に押圧する。それと同時に、ハンドル12により、レバー16の凹部17はこぶ状部分66を付勢し、それによりカム60が図21Aで最もよく分かるように下方且つ手元側に撓む。好ましくは、レバー16の凹部17は、凹部17内でのこぶ状部分66の特定の運動を制御するように寸法決めされており、それによりカム60の全体的な運動を制御する。カム60の下方且つ手元側への運動により、カムフォロア51a,51bはスロット64,62のそれぞれの第1カム作用部64a,62a内で動き、それにより、第1のレトラクタ80及び保護カバー95を矢印「B」の方向に手元側に動かす。 【0059】図21で最もよく分かるように、レトラクタ80がスロット64,62内でのカムフォロア51a,51bの運動の結果として手元側に動くと、スロット85はピン54に当接するまで手元側に動く。好ましくは、スロット85がピン54に当接すると、カム60はピン54の周りに一層下方に押し下げられ、カクフォロア51a,51bがいっそう手元側に動いてカムスロット64,62のそれぞれの第2作用部64b,62bに係合するようになる。 【0060】上述したように、第1のレトラクタ80は第1の引込みスリーブ110を引っ込め(図21)、それにより外科用留め具260が図21B及び図21Dに示すように変形する。より詳細に説明すると、図21Bに最もよく示すように、第1のレトラクタ80の手元側への運動により、第1の引込みスリーブ110と第2の引込みスリーブ120の両方は、付勢ポスト102が細長いストップ65の端部69に当接するまで付勢ポスト102に対して手元側に動く。その結果、アンビル118a,118bは、外科用留め具260の遠方側端部269をブレース137a,137bに向かって上方且つ手元側に変形させ、即ち、弓形の遠方側端部184a,184bにより、外科用留め具260は第1の引込みスリーブ110の引込み時に、上方且つ手元側に変形する。それと同時に、LAD及び(又は)大動脈310は、僅かに手元側に押され、長手方向に延びる端片267が図22Aで最もよく分かるようにLAD及び(又は)大動脈310を定位置に保持するよう穿通する。 【0061】支持チャネル119a,119bのそれぞれの互いに反対側の端部186a,186b及び184a,184bの向きが半径方向にずれているので、外科用留め具260の互いに反対側の端部267,269は図21Dに最もよく示すように互いに角度αをなして変形することが予想される。これにより、端部269はブレース137a,137bの近くで変形することができる。好ましくは、ブレース137a,137bは、外科用留め具260の端部269を変形中に端部267から半径方向に変形させるテーパした横断面を有している。 【0062】図21Cは、第1のレトラクタ80が第1の引込みスリーブ110及び第2の引込みスリーブ120を引っ込めた後の結果としての付勢ポスト102のスペーサ104の位置を示している。より詳細に説明すると、スペーサ104は、第1の引込みスリーブ110を第2の引込みスリーブ120に対して摩擦の作用で係止し、第1の引込みスリーブ110が発射後に後戻りしないようにする。 【0063】図21Eは、第1の引込みスリーブ110の運動の結果としての係止スリーブ140aの手元側への運動状態を示している。より詳細に説明すると、第1の引込みスリーブ110は手元側に引っ込められ、係止タブ116aが支持体130aのスロット131a内で引っ込んで係止スリーブ140aを矢印「C」で分かるように手元側の方向にも付勢する。支持体130aに対する係止スリーブ140aの手元側への運動により、フランジ142a,144aが支持体130bの肩132b,134bからそれぞれ外れ、それにより支持体130a,130bを互いに外し、かくして図21E及び図23で最もよく分かるように支持部材130a,130bの回動運動を可能にする。 【0064】ハンドル12を引続き下方に動かすと、その結果として、第2のレトラクタ50の手元側への運動とハンドルロック40とハンドル12の係合が生じることになる。より詳細に説明すると、図22に最もよく示すように、ユーザが引き続きハンドル12を下方に動かすと、フンラジ14a,14bはこれと対応関係にあるフランジ42a,42bを越え、ばね45はハンドルロック40を矢印「D」の方向に手元側に付勢してハンドル12を定位置に係止する。それと同時に、カム60は、カムスロット64,62の第2作用部64a,62aがカムフォロア51a,51bの運動を生じさせる箇所までピン54の周りに回転する。より詳細に説明すると、カム60が下方に押し下げられると、カムスロット62の第2作用部62aがカムフォロア51bを手元側に動かし、それにより第2のレトラクタ50が手元側に動く。カムスロット64の第2作用部64aは、全体として垂直方向に差し向けられ、その結果4カムフォロア51aはハンドル12の引き続く下方運動の際に垂直方向に動く。レトラクタ50のスロット57により、第2のレトラクタ50はカムフォロア51aに対して手元側に摺動することができる。 【0065】上述したように、第2のレトラクタ50は第2の引込みスリーブ120のキー状の端部53を図22Aの矢印「E」で示すようにキャリッジ86内で第1の引込みスリーブ110に対して動かす。第2の引込みスリーブ120の手元側への運動により、フィンガ124a,124bのそれぞれの端片127a,127bが引っ込められ、それにより外科用留め具260が図22Bの矢印「E」で示すように放出される。 【0066】上述したように、スリーブ110を引っ込めた後、係止スリーブ140aは手元側に動き、それにより2つの支持体130a,130bが図23に示すように互いに遠ざかるよう回動することができ、それにより伏在静脈320をSULU内から取り出すことができ、かくして図24に示すように血管の吻合を完了させる。 【0067】図26Aは、図1〜図26を参照して上述した外科用器具の作動時に形成される外科用留め具のステープルパターンの略図である。より詳細に説明すると、外科用留め具は、留め具支持ブレース137a,137bによりSULUを通る長手方向軸線「A」(図5参照)に対し直角パターンで支持される。血管相互間の止血を達成するために軸線「A」に対する他の外科用留め具のステープルパターン、例えば螺旋パターン、接線方向パターン又は傾斜パターンを利用してもよいことが考えられる(図26B)。 【0068】本明細書に示した実施形態の種々の設計変更を想到できることは理解されよう。例えば、外科用器具を他の血管又は脈管及び管腔組織の吻合を行うよう寸法決めできる。さらに、外科用器具10の種々の内部構成部品が特定の機械的インターフェースによって係合状態で示されているが、同一又は類似した目的を達成するために他形式の機械的インターフェース、例えばスナップ嵌め方式、さねはぎ継ぎ方式、圧力嵌め方式等を採用してもよいことが考えられる。したがって、上述の説明は、本発明を限定するものではなく、好ましい実施形態の例示にすぎない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及び精神に属する他の設計変更例を想到できよう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500513608 【氏名又は名称】ユナイテッド ステイツ サージカル
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| 【出願日】 |
平成12年10月2日(2000.10.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−198134(P2001−198134A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月24日(2001.7.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−339720(P2000−339720) |
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