| 【発明の名称】 |
採卵針およびそれを用いた洗浄吸引採卵装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】比恵島 徳寛
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| 【要約】 |
【課題】採卵ルートの内径を卵子が通過できる大きさに確保するとともに、洗浄ルートの流量も十分に確保できる採卵針および、この採卵針を用いた洗浄吸引採卵装置を提供する。
【解決手段】採卵針は、合成樹脂製の外針1と、この外針1に挿着された、先端に刃先22が設けられた剛性を有する内針2と、外針1および内針2の基端部をそれぞれ固定する分岐コネクター3とを含んでおり、外針1の先端部には、内針2の先端部と密着する絞り部12が形成され、この絞り部12に対応する内針2の外表面には、洗浄液流通用の長手方向の溝23が設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製の中空の外針と、該外針にその先端部を所定長突出させて挿着された、先端に刃先が設けられた中空の剛性を有する内針と、前記外針および内針の基端部をそれぞれ固定する手段を備えた分岐コネクター、とを含み、前記外針の先端部に前記内針の先端部と密着する絞り部が形成されるとともに、該絞り部に対応する前記内針の外表面に洗浄液流通用の長手方向の溝が設けられてなる採卵針。 【請求項2】 外針が吸水性樹脂で形成されてなる請求項1に記載の採卵針。 【請求項3】 外針が体温付近の温度で軟化する形状記憶樹脂で形成されてなる請求項1に記載の採卵針。 【請求項4】 請求項1に記載の採卵針と、該採卵針の基端部分で、それぞれ内針の内腔および外針の内腔と液体連通するように接続された、卵採取容器を備えた卵吸引ラインおよび、バルーンと該バルーンを密封するシェルからなるポンプ手段を備えた洗浄液注入ラインを含み、該卵吸引ラインと洗浄液注入ラインが流路切替手段を介して接続されてなる洗浄吸引採卵装置。 【請求項5】 流路切替手段に予備吸引ラインを接続してなる請求項4に記載の洗浄吸引採卵装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、体外受精並びに顕微受精を行うために、ヒト並びに動物の卵巣から卵を吸引採取するために用いられる採卵針に関するもので、一般に、超音波プローブにマウントされ、超音波エコー下で使用される。 【0002】 【従来の技術】不妊症治療の方法として、従来、体外受精−胚移植(IVF−ET)が行われているが、IVF−ETの成否のひとつは成熟卵を如何にして得るかということにある。最初の採卵の報告は、1966年にエドワーズ(Edwards)によってなされた開腹によるもので、1970年には、さらに侵襲の少ない方法として、エドワーズ等により腹腔鏡を用いた採卵が報告されている。この方法は開腹による方法と異なり、採卵を繰り返し行うことができるという利点があるが、IVF−ETを必要とする患者には強度の骨盤癒着の者が少なからず存在しており、このような患者には腹腔鏡による方法を採用することができない。また、腹腔鏡による方法は、全身麻酔を必要とする侵襲性のある方法である。そこで、スエーデンとデンマークの2つのグループにより、IVF−ETにおける超音波採卵が開発され、1982年には、超音波採卵による始めての体外受精児が誕生している。超音波採卵によるIVF−ETは、採卵率が腹腔鏡採卵と遜色が無く、また、画像超音波スキャナーは階調性に優れた高分解能を有しているため、正確な穿刺方法を提供できる上、侵襲性も少ない。そのため、超音波採卵は、世界の多くの先進的なIVF−ETのグループによって採用され、その後の技術の進歩も預かって、中心的不妊治療法として広く受け入れられるようになっている【0003】超音波採卵は、針の挿入方法の違いにより、腹壁プローブを用いた経膀胱的採卵法、腹壁プローブまたは経膣プローブを用いた経膣採卵法、腹壁プローブを用いた経尿道採卵法に分類され、現在では、穿刺距離が短く皮膚を傷つけない、局所麻酔が有効などの理由から、経膣的方法が超音波採卵で最も良く採用されている。超音波採卵は、当初、シングルニードルの超音波針を卵胞に穿刺し、シリンジで洗浄液を注入し、その後、別のシリンジで吸引して卵を採取する操作を繰り返すことにより行われていた。しかしながら、この方法は、シリンジを差し替える操作の間に、刃先が振れたり、液の逆流が生じたりするため、採取に要する時間が長くなり、また採卵率も悪かった。そこで、図6および図7に示す洗浄吸引採卵装置におけるような、その外面に長手軸方向の溝103が設けられた中空の内針10と、この内針10に外挿された外針20からなり、外針20と溝103の間に形成されるルーメン203と内針20のルーメン104を有する、所謂ダブルルーメンの採卵針が登場し、術者が採卵針を穿刺した卵胞の卵を確認し、補助者がシリンジにて洗浄液を注入しながら吸引を行うことができるようになり、採卵時間も採卵率も向上している。尚、図中、40はコネクター、50は卵吸引ライン、60は洗浄液注入ライン、70は採卵容器である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のダブルルーメン採卵針の場合、洗浄液ルートは採卵ルートを縮小させることにより成り立っているので、採卵ルートを確保するためには、洗浄液ルートの面積を狭くする必要があり、洗浄液ルートを狭くすると、今度は管路抵抗が大きくなるため、シリンジでの注入に大きな力を必要とするなど問題があった。本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、採卵ルートの内径を卵子が通過できる大きさに確保するとともに、洗浄ルートの流量も十分に確保できる採卵針を提供することを目的とする。また、この採卵針を用いた洗浄吸引採卵装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、採卵針を、合成樹脂製の外針と剛性を有する内針で構成し、外針の先端部に内針の先端部と密着する絞り部を形成するとともに、この絞り部に対応する内針の外面に洗浄液流通用の長手方向の溝を設ければ良いことに想到し、本発明を完成した。すなわち本発明は、合成樹脂製の中空の外針と、該外針にその先端部を所定長突出させて挿着された、先端に刃先が設けられた中空の剛性を有する内針と、前記外針および内針の基端部をそれぞれ固定する手段を備えた分岐コネクター、とを含み、前記外針の先端部に前記内針の先端部と密着する絞り部が形成されるとともに、該絞り部に対応する前記内針の外表面に洗浄液流通用の長手方向の溝が設けられてなる採卵針に関する(第1発明)。ここで、外針は、吸水性樹脂あるいは体温付近の温度で軟化する形状記憶樹脂で形成されるのが好ましい。また、本発明は、請求項1に記載の採卵針と、該採卵針の基端部分で、それぞれ内針の内腔および外針の内腔と液体連通するように接続された、卵採取容器を備えた卵吸引ラインおよび、バルーンと該バルーンを密封するシェルからなるポンプ手段を備えた洗浄液注入ラインを含み、該卵吸引ラインと洗浄液注入ラインが流路切替手段を介して接続されてなる洗浄吸引採卵装置に関する(第2発明)。ここで、必要ならば、流路切替手段には予備吸引ラインを接続してもよい。 【0006】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例を示す平面図であり、図2は図1の先端部の拡大縦断面図、図3は図1のX−X線拡大断面図、図4は図1の基端部の拡大縦断面図である。また、図5は図1に示す採卵針を利用した洗浄吸引採卵装置を示す平面図である。先ず、採卵針について説明する。本発明の採卵針は、図1〜4に示すように、合成樹脂製の外針1と、この外針1に挿着された、先端に刃先22が設けられた剛性を有する内針2と、外針1および内針2の基端部をそれぞれ固定する分岐コネクター3とを含んでおり、外針1の先端部には、内針2の先端部と密着する絞り部12が形成され、この絞り部12に対応する内針2の外表面には、洗浄液流通用の長手方向の溝23が設けられている。 【0007】外針1は合成樹脂で形成された柔軟なチューブであり、基端にハブ11を備え、先端部は絞られて内針1の先端部と密着する絞り部12に形成されている。外針1を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンや、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等の可撓性樹脂や、体温付近の温度で軟化するポリウレタン系形状記憶樹脂等が挙げられるが、洗浄液注入時にチューブが膨張して流路が拡大するという特性から、形状記憶樹脂や、水分を吸収して軟化する性質を有するポリビニルアルコールやポリグリコール酸、ポリ乳酸等が好ましい。外針1のハブ11は、図1や図4に示すような分岐コネクター3の先端部であってもよいが、図示していないが、ハブを別途設けてこれを分岐コネクターと接続できるようにしてもよい。外針1の内径は内針2の外径より大きく形成されており、外針1の内腔1と内針2の外表面の間は洗浄液流通路4になっている。尚、図4において、13は外針1をハブ11に固定するためのカシメ部材である【0008】内針2はステンレス、ニッケル−チタン合金等の金属や、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー等の可撓性合成樹脂で形成された剛性を有するパイプであり、先端に刃先22を有し、基端にハブ21を備えている。内針2は、刃先22とライジスタンスに相当する部分が突出するように外針1に挿着されており、外針1の絞り部12に対応する位置の外表面には、洗浄液流通用の長手方向の溝23が設けられている。この溝23は、図2に示すように、先端方向も基端方向も外針1の絞り部12より長く形成されており、洗浄液流通路4を流れてきた洗浄液はこの溝23を通って洗浄部位に注入される。溝23の数は、限定するものではないが、通常2〜6個である。内針2のハブ21は、図1や図4に示すような、分岐コネクターの基端部と接続できるようにしたものであってもよいが、図示していないが、分岐コネクター3の先端部をハブとしたものであってもよい。 【0009】分岐コネクター3は、図4に示すような形状に限定されるものではないが、少なくとも、図5に示すような、内針2および外針1を固定する手段と、内針2の内腔24と卵吸引ライン6を液体連通させる手段と、外針1の内腔14と洗浄液注入ライン6を液体連通させる手段を備えている。例えば、図4で言えば、内針2および外針1を固定する手段は、分岐コネクター3の先端部(ハブ11)および内針ハブ固定部32であり、内針2の内腔24と卵吸引ライン6を液体連通させる手段は洗浄液注入ライン接続部31であり、外針1の内腔14と洗浄液注入ライン6を液体連通させる手段は内針ハブ固定部32(これに固定されたハブ21を介して内針2の内腔24と卵吸引ライン6が接続されている)である。 【0010】次に、上記の採卵針Nを用いた洗浄吸引採卵装置について説明する。本発明の洗浄吸引採卵装置は、図5に示すように、採卵針Nと卵吸引ライン5、洗浄液注入ライン6を含んでなり、卵吸引ライン5と洗浄液注入ライン6は流路切替手段としての例えば三方コック7を介して接続チューブ8で接続されている。卵吸引ライン5は卵採取容器51を備えたラインであり、採卵針Nの基端部分で、図4に示す内針2のハブ21に接続され、内針2の内腔24と液体連通している。また、洗浄液注入ライン6はポンプ手段64を備えたラインであり、採卵針Nの基端部分で、図4に示す分岐コネクター3の洗浄液注入ライン接続部31に接続され、外針1の内腔14、正確には外針1の内腔1と内針2の外表面の間にできる洗浄液流通路4、と液体連通している。ポンプ手段64は、バルーン641とこのバルーン641を密封するシェル642からなるものであり、バルーン641の収縮力を利用して内部に充填された洗浄液を吐出することができる。また、洗浄液の吐出の際、収縮したバルーン641とこれを密封するシェル642の間には陰圧が生じるので、三方コック7を操作して卵吸引ライン5と洗浄液注入ライン6を接続すれば、この陰圧を利用して、卵吸引ライン5に吸引力を付与し、卵の吸引を行うことができる。洗浄液注入ライン6には、必要ならば流量制御手段61やフィルター62、クランプ63等を配してもよい。また、卵の吸引力が不足する場合を考慮して、三方コック7に予備吸引ライン9を接続してもよい。予備吸引ライン9には吸引手段としての例えば注射器などを接続可能になっている。 【0011】 【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなように、本発明の採卵針では、採卵ルートである内針の内腔を縮小させることなく、内針の外面に設けた溝を洗浄ルートとしているので、採卵ルートの内径を卵子が通過できる大きさに確保でき、また、洗浄ルートの流量も十分に確保することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135036 【氏名又は名称】ニプロ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−190560(P2001−190560A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1278(P2000−1278) |
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