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【発明の名称】 X線透視撮影装置
【発明者】 【氏名】田村 譲一

【氏名】北 寿一

【氏名】工藤 弘明

【要約】 【課題】X線透視撮影装置の操作性を向上させることが可能な技術を提供すること。

【解決手段】X線ビームを被検体に照射するX線源と、前記被検体を透過したX線を撮像する撮像手段と、該撮像手段で撮像されたX線像を表示する表示手段と、前記X線像の撮像領域の中央部分を圧迫する圧迫手段とを有するX線透視撮影装置において、前記圧迫手段は、前記圧迫部を前記撮像領域内の任意の位置へ移動させる手段を備え、前記X線像に基づいた所望位置への圧迫を可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線ビームを被検体に照射するX線源と、前記被検体を透過したX線ビームからX線像を撮像する撮像手段と、該撮像したX線像を表示する表示手段と、前記被検体の所定の部位を圧迫する圧迫部と該圧迫部を一端で支持する支持腕とを有する圧迫手段とを備えたX線透視撮影装置において、前記支持腕の他端を前記X線ビームの中心軸と平行に設けられる軸上に回転可能に支持する支持腕回転機構と、前記圧迫部を前記中心軸と垂直な方向に移動する圧迫部移動機構とを備えたことを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項2】 被検体を載せるテーブルと、前記被検体にX線ビームを照射するX線源と、前記被検体を透過したX線ビームからX線像を撮像する撮像手段と、該撮像したX線像を表示する表示手段と、前記テーブルの移動条件と前記X線源のX線照射条件と前記撮像手段の撮像条件と前記表示手段の表示条件とを制御する制御手段と、前記テーブルの近傍に設けられ前記制御手段に各種条件を設定するテーブルサイド操作手段とを備えたX線透視撮影装置において、前記テーブルサイド操作手段を使用する指示を与える使用指示手段と、前記テーブルサイド操作手段を収納する指示を与える収納指示手段と、前記使用指示手段または前記収納指示手段より与えられる指示に基づいて前記テーブルサイド操作手段を移動する手段とを備えたことを特徴とするX線透視撮影装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線透視撮影装置に関し、特に、被検体の診断部位及びその周辺部位を圧迫する圧迫機構を備えたX線透視撮影装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線透視撮影装置を使用した従来の検査では、循環器系の検査にはCアーム型X線透視撮影装置が使用され、消化器系の検査には透視撮影台等が使用されていた。
【0003】透視撮影台は、直線形状の支柱の一端にX線源が配置され、他端にX線検出器が配置されて撮影系が形成されていた。この撮影系で天板を挟み込むようにして側面から挿入し、天板自身を長手方向に傾斜させるあるいは支柱を天板の長手方向に傾斜させることによって、被検体を体軸方向の斜めから撮影する斜入撮影を可能としていた。また、支柱に固定されたX線検出器を天板と一体化した透視撮影台も消化器系の検査には使用されていた。
【0004】一方、Cアーム型X線透視撮影装置は、例えば、特開平9−117442号公報に記載される“X線診断装置”のように、C字型アームと称される円弧状アームの一端にX線源を配し、他端にX線検出器を配した構成となっていた。被検体を計測位置に設定するための天板は、片持ちに支持されており、C字型アームを天板の長手方向(被検体の体軸方向)あるいは側面方向から挿入することによって、所望の傾斜角のX線撮影を可能としていた。
【0005】近年では、被検体に対する撮影角度の自由度の大きさ等からCアーム型X線透視撮影装置が消化器系の検査及び治療に使用されるようになっており、Cアーム型X線透視撮影装置を循環器系及び消化器系の検査や治療に併用できるように、圧迫機構を備えたものが開発されている。この圧迫機構は、診断部位を圧迫することによって検査対象となる臓器の動態変化を観察するための機構であり、以下に示す構成となっていた。
【0006】従来の圧迫機構は、(1)支持腕の両端に屈曲機構が配置されこの屈曲機構を駆動機構が屈曲させることによって、圧迫筒及び支持腕をフレームの側面部分に格納させる型式のものと、(2)フレームに設けたガイド溝に沿って駆動機構が支持腕を移動させることによって、圧迫筒を移動させる型式のものとがあった。(1)の型式の圧迫機構では、撮影系のX線中心軸であるX線焦点とX線検出器の中心位置とを結ぶ直線が屈曲機構の回転軸と直交するように配置されており、圧迫時における圧迫部の可動位置がX線中心軸すなわち撮像領域の中心とほぼ一致するように構成されていた。(2)の型式の圧迫機構では、ガイド溝の延在方向がX線中心軸方向に一致するように形成された第1のガイド部と、圧迫筒を撮影系の撮像視野範囲から退避するようにガイド溝が形成された第2のガイド部とが連続して形成されており、駆動機構が支持腕をX線中心軸方向に移動させるのみで、圧迫対象とする臓器の圧迫動作と圧迫機構の退避とを可能としていた。この(2)の型式の圧迫機構においても、圧迫部による圧迫位置がX線中心軸すなわち撮像領域の中心とほぼ一致するように構成されていた。
【0007】すなわち、消化管を検査対象とした検査では、撮像領域と圧迫位置とは検査対象臓器の形状や検査目的によってほとんど決定されていたので、従来の圧迫機構は撮像領域すなわち表示領域の中心部分を圧迫するように構成されているだけで機能上支障がなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。近年の医療技術の進歩に伴って、X線透視撮影装置が血管造影検査等にも使用されるようになってきた。しかしながら、腹部の血管造影検査では、撮影領域内の腸管にガス(腸管ガス)が存在することがあり、このような場合には、当該個所では被検体のX線透過量が変化してしまい、撮影対象とする血管の走行状態が鮮明に撮影できないという問題があった。この問題を解決する方法として、腸管を体外から圧迫することによって、腸管ガスを診断に支障がない位置にまで移動させ、X線透視撮影を行うという方法が試みられている。例えば、腸骨動脈が右腸骨動脈と左腸骨動脈とに分岐する部分を撮像領域とした場合には、腸骨動脈の分岐個所が撮像視野の周辺部分に位置するように撮像領域を設定することによって、分岐後の右腸骨動脈と左腸骨動脈とを撮影するのが一般的であった。しかしながら、左腸骨動脈の分岐個所に腸管ガスが存在する場合には、X線透視下で腸管ガスが溜まっている個所を圧迫し、腸管ガスの位置を移動させる必要があった。このような場合、従来のX線透視撮影装置では、前述するように、圧迫位置が撮像領域の中心部分に限定されていたので、撮像領域の中心部分以外に腸管ガスが存在する場合には、撮像領域の中心を腸管ガスの溜まっている位置に移動させなければならず操作性が低下してしまうという問題があった。
【0009】血管造影検査やX線透視下でのカテーテル術(以下、「IVR」と記す)のように、循環器系の検査及び治療にCアーム型X線透視撮影装置を使用する場合には、検者は被検体を寝載する天板の側面位置から被検体に手技を施す必要があった。特に、X線透視下で腸骨動脈からカテーテルを挿入し心臓の治療を行う場合等のように、カテーテルの挿入個所と治療個所とが大きく離れている場合には、カテーテルの挿入と共に撮像位置を移動させる必要が生じていた。このために、従来のCアーム型X線透視撮影装置では、天板の傾斜角度、前後左右方向への移動、並びにC字型アームの回転角及び傾斜角を制御するための操作器(以下、「テーブルサイド操作器」と記す)が、天板の側面部分に取り付けられていた。
【0010】一方、消化器系の検査では、検者は隣室に設置された遠隔操作用の操作卓を操作して、天板の傾斜角度、前後左右方向への移動、並びにC字型アームの回転角及び傾斜角を制御することが一般的であった。このために、被検体が天板への乗降時あるいはX線透視撮影中(検査中あるいは治療中)に、誤って被検体がテーブルサイド操作器に触れてしまい、検者が予想しない動作を装置がしてしまうことを防止する必要があった。
【0011】本発明の目的は、装置の操作性を向上させることが可能な技術を提供することにある。本発明の他の目的は、被検体の被曝量を低減させることが可能な技術を提供することにある。本発明のその他の目的は、テーブルサイド操作器の誤操作を防止することが可能な技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0013】(1)X線ビームを被検体に照射するX線源と、前記被検体を透過したX線ビームからX線像を撮像する撮像手段と、該撮像したX線像を表示する表示手段と、前記被検体の所定の部位を圧迫する圧迫部と該圧迫部を一端で支持する支持腕とを有する圧迫手段とを備えたX線透視撮影装置において、前記支持腕の他端を前記X線ビームの中心軸と平行に設けられる軸上に回転可能に支持する支持腕回転機構と、前記圧迫部を前記中心軸と垂直な方向に移動する圧迫部移動機構とを備えた。
【0014】(2)前述した(1)に記載のX線透視撮影装置において、前記支持腕は、当該支持腕の長手方向に伸縮する機構を備えた。
【0015】(3)被検体を載せるテーブルと、前記被検体にX線ビームを照射するX線源と、前記被検体を透過したX線ビームからX線像を撮像する撮像手段と、該撮像したX線像を表示する表示手段と、前記テーブルの移動条件と前記X線源のX線照射条件と前記撮像手段の撮像条件と前記表示手段の表示条件とを制御する制御手段と、前記テーブルの近傍に設けられ前記制御手段に各種条件を設定するテーブルサイド操作手段とを備えたX線透視撮影装置において、前記テーブルサイド操作手段を使用する指示を与える使用指示手段と、前記テーブルサイド操作手段を収納する指示を与える収納指示手段と、前記使用指示手段または前記収納指示手段より与えられる指示に基づいて前記テーブルサイド操作手段を移動する手段とを備えた。
【0016】(4)前述した(3)に記載のX線透視撮影装置において、前記テーブルサイド操作手段を移動する手段は、前記テーブルの裏面側に前記テーブルサイド操作手段を移動する第1の移動手段と、前記テーブルの裏面に沿って前記テーブルサイド操作手段を移動する第2の移動手段を備えた。
【0017】(5)前述した(3)もしくは(4)に記載のX線透視撮影装置において、前記テーブルサイド操作手段を移動する手段は、当該前記テーブルサイド操作手段を前記撮像手段の撮像範囲外に移動させる手段である。
【0018】前述した(1)及び(2)の手段によれば、X線源から照射され被検体を透過したX線ビームは、例えば2次元X線像として撮像手段によって撮像される。このときの撮像領域は、従来のX線透視撮影と同様に、検査対象臓器や検査目的によって決定される。このとき、本願発明のX線透視撮影装置では、支持腕回転機構が支持腕の他端をX線ビームの中心軸と平行に設けられる軸上に回転可能に支持し、圧迫部移動機構が圧迫部を前記中心軸と垂直な方向に移動する構成となっているので、圧迫手段は圧迫部を撮像領域内の任意の位置へ移動させることが可能となる。その結果、撮像領域の中心部以外の場所に腸管ガスが存在位置している場合であっても、検者は被検体あるいは撮像手段を移動させることなく圧迫部による圧迫位置を移動させることによって、腸管ガス撮像に支障とならない位置に容易に移動させることができる。従って、装置の操作性を向上できる。
【0019】また、比較的時間を要する撮像領域の移動を行うことなく速やかに腸管ガスが溜まっている位置に圧迫部を移動させることができるので、被検体の被曝量を低減させることができる。
【0020】このとき、支持腕に当該支持腕の長手方向に伸縮する機構を備えることによって、圧迫手段全体を動かすことなく支持腕回転機構による回動と伸縮機構による支持腕の伸縮動作とで圧迫部を移動させることができるので、より速やかな圧迫部の移動が可能となる。
【0021】前述した(3)〜(5)の手段によれば、被検体がテーブルサイド操作手段に接触してしまう可能性が一番高い場面である、被検体の昇降時には収納指示手段からの収納指示に基づいて移動手段がテーブルサイド操作手段を移動させることによって、テーブルサイド操作手段を被検体の接触しないような収納位置に移動させることができるので、被検体が操作手段に接触してしまうことによる誤操作を防止することができる。また、循環器系の検査のように、被検体をテーブルに載せた後に検者が天板の近傍で作業をする場合であっても、使用指示手段からの使用指示に基づいて移動手段がテーブルサイド操作手段を移動させることによって、テーブルサイド操作手段をテーブルサイド等のような使用位置(操作位置)に移動させることができるので、装置の操作性を低下させることなく、誤操作を防止できる。
【0022】特に、テーブルの裏面側に操作手段を移動する第1の移動手段と、テーブルの裏面に沿ってテーブルサイド操作手段を移動する第2の移動手段とで移動手段を構成することによって、被検体の昇降時ではテーブルサイド操作手段をテーブルの裏面側に退避させることができるので、被検体とテーブルサイド操作手段との接触の可能性をさらに低減できる。
【0023】このとき、移動手段がテーブルサイド操作手段を撮像手段の撮像範囲の外側に移動させることによって、撮像可能領域を広げることができるので、診断効率を向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1のX線透視撮影装置であるCアーム型X線透視撮影装置の概略構成を説明するための図であり、特に、図1の(a)はCアーム型X線透視撮影装置の概略構成を説明するための正面図であり、図1の(b)はCアーム型X線透視撮影装置の概略構成を説明するための側面図である。また、図2はCアーム型X線透視撮影装置の概略構成を説明するための上面図である。
【0026】図1及び図2において、1はベース部、2はシャフト、3は支持フレーム、4は移動フレーム、5は支持アーム、6はX線イメージインテンシファイア(X線I.I.)、7はラック、8はX線管装置(X線源)、9は架台カバー、10はアームホルダ、11は天板支持枠、11aは突出部、12は天板(テーブル)、13はリニアガイドベアリングのレール、14は回転軸、15はX線I.I.支持枠、16はカバー、17は架台、18はブラケット、19は圧迫機構部の機構部カバー、20は踏み台、21は圧迫筒、101は被検体を示す。なお、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、圧迫機構を除く他の機構及び装置は、従来のCアーム型X線透視撮影装置と同様の構成となるので、詳細な説明は省略する。
【0027】図1及び図2から明らかなように、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置は、ベース部1が床面に固設されており、このベース部1にシャフト2がその中心軸の周りに回転自在に支持されている。このシャフト2には図示しないギアやモータを備えた周知の回転駆動機構が配置されており、この回転駆動機構によってシャフト2の回転動作が成されている。シャフト2の端部には、支持フレーム3が固定されており、シャフト2の回転に伴い支持フレーム3が回転するように構成されている。この支持フレーム3には移動フレームが支持フレーム3の長手方向に直線移動可能なように配置されている。このときの支持機構は、支持フレーム3にリニアガイドベアリングのレール13とラック7とを固設し、移動フレーム4の内部にリニアガイドベアリングのレール13に係合される図示しない2個のブロックと、ラック7の両側面を挟持する図示しない複数個のガイドローラとを固設する構成となっている。移動フレーム4の内部には図示しないモータとピニオンとが設けられており、このピニオンがラック7に設けられた歯面に噛合するように配置されているので、モータを回転駆動することによって、移動フレーム4は支持フレーム3に沿って電動移動することが可能となっている。
【0028】円弧状(C字型)の支持アーム5の一端にはX線管装置8が配置されており、他端にはX線I.I.6が配置されている。X線管装置8とX線I.I.6とは対向配置されており、X線管装置8から被検体101に向けて照射され、被検体101を透過したX線をX線I.I.6で光学像に変換することによって、被検体101のX線透視撮影像(X線像)を撮影する構成としている。X線I.I.6はブラケット18を介して支持アーム5の一端に固設されたX線I.I.支持枠15によってX線ビームの中心軸(X線中心軸)と同一方向に移動可能に支持されている。この移動機構は、例えば、図示しない位置検出器付きのモータと、駆動ねじ及びこの駆動ねじに嵌合されるナットから構成される周知の駆動機構によって電動移動が可能なように構成されている。また、X線I.I.支持枠15には、機構部カバー19に覆われた圧迫機構部が配置されている。なお、圧迫機構部の詳細については、後述する。
【0029】支持アーム5はアームホルダ10によって、被検体101の体軸周りに回転可能に支持されている。この支持機構は、複数個のガイドローラをアームホルダ10の内部に固設し、このガイドローラによって支持アーム5の外周面に設けられた突部(突出形状部)を挟持する構成となっている。支持アーム5は、例えば、当該支持アーム5の外周面に巻き付けられた歯付きのベルトと、このベルトが掛け回されたアームホルダ10に固設された歯付きプーリと、このプーリが回転軸に固設されたモータとからなる周知の駆動機構によって、アームホルダ10に対して支持アーム5をスライド可能に支持する構成となっている。アームホルダ10は回転軸14の端部に固設されており、回転軸14は移動フレーム4に回転可能に支持される構成となっている。このとき、回転軸14の中心軸がシャフト2の中心軸と一致するように、支持されている。また、回転軸14は、図示しないウォームホイル、ウォームギア及びモータからなる周知の回転機構によって駆動される構成となっている。
【0030】支持フレーム3の一端には架台カバー9に覆われた架台17が固定されている。また、カバー16の内部の天板支持枠11の側面部分には突出部11aが設けられており、この突出部11aは架台17によって被検体101の体幅方向に移動可能なように周知の駆動機構で支持されている。この駆動機構は、例えば、架台17上にモータとピニオンとを設け、突出部11aにはラックを設けてピニオン歯車をラック歯面に噛合させ、モータによってピニオンを回転させる構成となっている。
【0031】天板支持枠11は被検体101を搭載する天板12が被検体101の体軸方向に移動可能なように図示しない駆動機構によって支持されている。この駆動機構は、例えば、天板支持枠11上にモータと駆動ねじとを設け、天板12の裏面側には駆動ねじに係合させたナットを固定し、モータによって駆動ねじを回転させる構成となっている。天板12は、X線透過性のよい、例えばカーボンファイバ成型品などで構成されており、その一端には寝台が倒立位に設定した際に被検体101の足を受ける踏み台20が配置されている。
【0032】このように、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置は、圧迫機構部をX線I.I.6とテレビカメラ等とから構成されるX線検出器の側に配置したアンダーチューブ方式のX線撮影に対応した構成となっている。なお、圧迫機構部をX線管装置8の側に配置することによって、いわゆるオーバーチューブ方式のX線撮影ができることはいうまでもない。
【0033】図3は図1の(b)に示す実施の形態1の圧迫機構部の取り付け位置を説明するための図であり、図4は実施の形態1の圧迫機構部の概略構成を説明するための図である。特に、図4の(a)は実施の形態1の圧迫機構部の正面図であり、図4の(b)は実施の形態1の圧迫機構部の上面図である。
【0034】図3及び図4において、22は連結棒、23はスライドブロック、24はスプライン軸、25は移動プレート、26は軸受け、27は第1の鎖車、28は掛け金具、29は第1のモータブラケット、30は第1のモータ、31は第2の鎖車、32は第1のチェーン、33a〜33dは第3〜第6の鎖車、34は取り付け金具、35は第7の鎖車、36は第2のモータ、37は第2のチェーン、38はロータリーエンコーダ、39はベース板、40直線ガイドベアリングのレール、41は第2のモータブラケット、42はギア、43は第3のモータ、44は軸受け、45は駆動ねじ、46は直線ガイドベアリングのブロック、47はナットを示す。また、x,y,zはそれぞれX軸、Y軸、Z軸を示しており、特にZ軸はX線中心軸と同一の方向を示すものである。
【0035】図3及び図4から明らかなように、実施の形態1の圧迫機構部では、圧迫筒21がL字形状の連結棒22の一端に結合されており、この連結棒22がスライドブロック23に固定されている。スライドブロック23はX線ビームの中心軸(X線中心軸)と同一方向に移動可能となるように、スプライン軸24に係止されている。L字形状を成す移動プレート25には軸受け26a,26bが配置されており、この軸受け26a,26bによりスプライン軸24を係止することによって、スプライン軸24の中心軸の周りに回転自在に支持している。スプライン軸24の一端には第1の鎖車27が配置されている。また、スプライン軸24の中心軸周りに回転可能となるように、スライドブロック23に掛け金具28が配置されている。さらには、移動プレート25の長辺部の表面には第1のモータブラケット29が配置されており、この第1のモータブラケット29に第1のモータ30が固定されている。第1のモータ30の回転軸(出力軸)には第2の鎖車31が取り付けられており、第1の鎖車27と第2の鎖車31との間に第1のチェーン32を掛け渡す構成としている。このような構成とすることによって、第1のモータ30の回転力によって、連結棒22と共に圧迫筒21をスプライン軸24の周りに回転させる構成となっており、支持腕回転機構を構成している。ただし、このときの回転範囲は、連結棒22が他の機構部分に接触しない範囲に設定する必要があり、実施の形態1では、図4の(b)に示す位置(退避位置)から矢印Aで示す方向に約250度の回転が可能となるように設定されている。
【0036】移動プレート25のZ軸と並行となる辺の表面部分の一方の端部には第3の鎖車33aが配置されており、他方の端部には第4の鎖車33bが配置されている。また、第3と第4の鎖車33a,33bの中程には第5及び第6の鎖車33c,33dが配置されている。さらには、第5及び第6の鎖車33c,33dの近傍には、出力軸に第7の鎖車35が取り付けられた第2のモータ36が取り付け金具34によって固設されている。この第3〜第7の鎖車33a〜33d,35は、第2のチェーン37によって掛け渡されており、この第2のチェーン37の内で第3の鎖車33aから第4の鎖車33bに至る部分に掛け金具28の他端が固定されている。従って、実施の形態1の圧迫機構部では、第2のモータ36の回転によってスライドブロック23、連結棒22及び圧迫筒21をZ軸すなわちX線中心軸と並行となる方向に移動させることが可能となり、圧迫部位動機構を構成する。このとき、スライドブロック23は、Z軸と並行に配置されたスプライン軸24に沿って移動するものである。ただし、図3及び図4におけるZ軸方向の圧迫筒位置は退避位置であり、この退避位置におけるスライドブロック23はスプライン軸24に沿った移動の上限位置にある。また、実施の形態1の圧迫機構では、スライドブロック23の位置を検出するために、第2のモータ36の回転軸に周知のロータリーエンコーダ38が接続されている。
【0037】X線I.I.支持枠15にはベース板39が固定されており、このベース板39にY軸と並行に一対の直線ガイドベアリングのレール40が配置されている。また、ベース板39には、出力軸にギア42が配された第3のモータ43がモータブラケット41を介して固設されている。ギア42には図示しないギアが嵌合されており、ギア42を回転させることによって図示しないギアから延びる駆動ねじ45を中心軸周りに回転させる構成となっている。駆動ねじ45は、その中心軸がY軸と並行となるように軸受け44に支持されている。
【0038】一方、移動プレート25には、直線ガイドベアリングのレール40に係合された一対の直線ガイドベアリングのブロック46が固設されており、スライドブロック23、連結棒22及び圧迫筒21の移動プレート25に対する移動方向をY軸方向に規制している。また、移動プレート25には、駆動ねじ45の外周面に沿って形成されたねじ山に嵌合するナット47が固設されており、駆動ねじ45の回転量に応じて、移動プレート25上をレール40に沿って移動させる構成となっている。ただし、前述するように、図3及び図4におけるY軸方向の圧迫筒位置は退避位置であり、このときナット47は駆動ねじ45上での移動限界にあり、この退避位置から圧迫筒21は図4の(b)中に示すB方向(Y軸と反対の方向)に移動される。このときの圧迫筒21の移動は、第3のモータ43を回転させることによって実現される。
【0039】また、実施の形態1の圧迫機構では、第1〜第3のモータ30,36,43による圧迫筒21の移動限界位置には、リミットスイッチとスイッチドグとからなる図示しない周知の位置検出手段が備えられており、この位置検出手段からの検出信号に基づいて、図示しない駆動制御手段が第1〜第3のモータ30,36,43の回転を制御する構成となっている。
【0040】次に、図5に実施の形態1の操作卓の概略構成を説明するための上面図を、図6に実施の形態1の圧迫機構の動作を説明するための図を示し、以下、図5及び図6に基づいて実施の形態1の圧迫機構の動作を説明する。ただし、図6の(a)は圧迫筒使用モード時に切り換え直後の圧迫筒21とX線照射視野との関係を説明するための図であり、図6の(b)は実施の形態1の圧迫筒21の可動範囲と撮像範囲(撮像領域)との関係を説明するための図である。
【0041】図5及び図6において、61はX線I.I.の外形領域、62はX線I.I.の受像範囲、80は操作卓、81は操作レバー、82はツマミ、83は押しボタンを示す。ただし、説明を簡単にするために、図5に示す操作卓80は、圧迫機構の操作に係わる部分のみを示す。また、操作レバー81、ツマミ82及び押しボタン83による動作指示は、従来と同様に、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置の駆動制御手段に入力され、この駆動制御手段からそれぞれに対応する部位のモータに駆動出力が出力される。
【0042】操作レバー81は、圧迫筒21のX線中心軸方向(Z軸方向)への移動を指示するための操作レバーであり、特に実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、X線I.I.6をX線中心軸と並行となる方向へ移動させる操作レバーの機能も兼ねるものである。従って、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、図5中に上下方向の矢印で示す方向へ操作レバー81を移動(傾斜)させることによって、圧迫筒21あるいはX線I.I.6をX線中心軸方向に移動させることができる。
【0043】ツマミ82は図5中に左右方向の矢印で示す方向への傾斜と共に、その中心軸周りに回転可能に支持されており、ツマミ82の傾斜度合いによる動作指示と、回転度合いによる動作指示とが1つのツマミで可能となっている。実施の形態1では、ツマミ82の傾斜に伴う動作指示は、第3のモータ43の回転制御すなわち圧迫筒21のY軸方向への移動指示に対応している。また、ツマミ82の回転に伴う動作指示は、第1のモータ30の回転制御すなわち圧迫筒21のスプライン軸24を回転中心とする回転指示に対応している。
【0044】押しボタン83は、表示灯を内蔵した周知の押しボタンであり、圧迫筒21の使用/不使用を切り換えるスイッチとして機能する。特に、圧迫筒21の不使用が選択されている場合(押しボタン83がOFF時)には表示灯が消灯状態となっており、この場合には、操作レバー81はX線I.I.6の移動操作専用として機能し、ツマミ82による操作は不能となる。
【0045】一方、押しボタン83をOFF状態からON状態に切り換えた場合には、図示しない駆動制御手段は、X線I.I.6を天板12から離れる方向に移動限界位置まで移動させる。次に、駆動制御手段は第1のモータ30及び第3のモータ43を駆動して、図6の(a)に示すように、X線中心軸位置(X線照射視野中心)であるX線I.I.6の受像範囲の中心部分に、圧迫筒21の凸形状に形成された部分である圧迫部を移動させる。この後に、駆動制御手段は圧迫機構を使用するための準備が整った(圧迫筒使用モードである)ことを示す表示として、表示灯を点灯させる。この状態になって、駆動制御手段は操作レバー81及びツマミ82による圧迫筒21の制御を可能とすることによって、誤操作等を防止する。
【0046】ここで、例えば、腸骨動脈の血管造影検査を行う場合等のように、関心部位の中心位置以外の個所を圧迫する必要が生じた場合には、ツマミ82の操作によって圧迫筒21の圧迫部をX線中心軸上の位置から圧迫の必要が生じた位置に移動させる。次に、操作レバー81を操作し圧迫筒21をX線中心軸と並行となる方向に移動させることによって、所望の位置での圧迫が可能となる。この時の圧迫筒21の可能範囲を示したのが図6の(b)であり、特に、斜線で示す部分はX線像の撮像範囲内で圧迫筒21の圧迫部を移動させることができる範囲である。この図6の(b)からも明らかなように、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、X線像の撮影範囲であるX線I.I.6の受像範囲62のほぼ全域を圧迫することができるので、関心領域の設定を圧迫部位に限定されることがなくなり、操作性を向上できる。従って、関心部位として設定したX線像の撮影範囲を移動させることなく腸管ガス等の影響を取り除いたX線透視撮影が可能となるので、従来の血管造影検査よりも検査効率を向上することが可能となり、被検体の被曝量を低減できる。
【0047】また、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、圧迫筒使用モード時に操作レバー81の操作によって圧迫筒21を被検体101を圧迫する方向(Z軸方向と反対の方向)へ移動させた場合、X線I.I.6も圧迫筒の移動に連動して被検体101に近づく方向へ移動させる構成となっている。このようにX線I.I.6を移動させることによって、圧迫中であってもX線I.I.6を被検体101に自動的に近接させ、撮像されるX線像の画質を向上させることが容易にできるという効果を得ることができる。また、圧迫筒21を被検体101から遠ざけた場合には、X線I.I.6も被検体101から遠ざかるように移動される。従って、容易にX線透視撮影画像の画質を向上することができる。その結果、診断効率をさらに向上させることが可能となる。
【0048】また、被検体101の頭部のX線透視撮影(頭部撮影)を行う場合には、呼吸等に伴う微少移動等が生じてX線透視撮影画像の画質が低下することを防止するために、固定バンド等によって頭部を天板12に固定させるのが一般的である。しかしながら、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、関心領域に限定されることなく圧迫筒21の位置を可変させることができるので、例えば、圧迫筒21の圧迫部で頭部を押さえるのみで、頭部を天板12に固定することができるので、頭部の固定に要する時間を短縮することが可能となる。その結果、診断効率を向上させることが可能となるという特別の効果を得ることができる。
【0049】この場合には、圧迫筒21の圧迫部の形状を頭部形状に沿った形状とすることによって、X線透視撮影中における微少動作等の抑制性能を向上させることができるので、さらにX線透視撮影画像の画質を向上させることができる。
【0050】さらには、従来では圧迫筒によって所望の部位を圧迫しつつ被検体101を搭載する天板12を床面と水平に微少移動させることによって実現していたいわゆるしごき圧迫を、実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、圧迫筒21をXY平面内に微少移動させることによって実現できるので、しごき圧迫時におけるX線透視撮影画像の揺れ等をなくすことができる。その結果、透視撮影画像の視認性を向上させることができるので、診断効率を向上させることが可能となるという特別の効果を得ることもできる。
【0051】さらには、本実施の形態1のCアーム型X線透視撮影装置では、支持腕回転機構と圧迫部移動機構とによって圧迫筒21の圧迫部を所望の位置に移動させる構成としたが、例えば、従来の圧迫機構が有する支持腕を屈曲させる屈曲機構と支持腕回転機構とを組み合わせる、あるいは支持腕を伸縮させる伸縮機構と支持腕回転機構とを組み合わせる、または支持腕回転機構と圧迫部移動機構とに屈曲機構あるいは伸縮機構を組み合わせる、さらには支持腕回転機構と圧迫部移動機構とに屈曲機構及び伸縮機構を組み合わせることによって、圧迫機構全体を動かすことなく支持腕回転機構による回動と伸縮機構による支持腕の伸縮動作、あるいは支持腕回転機構による回動と屈曲機構による支持腕の屈曲動作、もしくは支持腕回転機構による回動と伸縮機構による支持腕の伸縮動作と屈曲機構による支持腕の屈曲動作とによって圧迫筒21の圧迫部を移動させることができるので、より速やかな圧迫部の移動が可能となる。また、支持腕の伸縮あるいは屈曲によって支持腕がX線の照射野を遮ってしまうような場合には、支持腕の材料をグラスファイバ等のX線透過部材で構成することによって、支持腕の映り込みを防止できる。
【0052】(実施の形態2)図7は本発明の実施の形態2のX線透視撮影装置であるCアーム型X線透視撮影装置におけるテーブルサイド操作器の概略構成を説明するための上面図であり、図8は実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置におけるテーブルサイド操作器の概略構成を説明するための側面図であり、図9は実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置におけるテーブルサイド操作器の概略構成を説明するための正面図である。図7〜9において、701は操作器本体(テーブルサイド操作手段)、702は格納機構、703は旋回軸、704はハウジング、705はガイドレール、706は反転軸、707は格納金具、708は天板支持枠、709は天板(テーブル)、710はサイドレール、711はクランプ金具、712はプランジャーを示す。なお、実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置における撮影系や画像処理系及び制御系は、従来と同じ構成のものを用いる。従って、以下の説明では、従来のCアーム型X線透視撮影装置とその構成が異なるテーブルサイド操作器の構造及び取り付け機構についてのみ詳細に説明する。
【0053】図7〜図9に示すように、実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置では、例えば、格納金具707に互いに直交する図示しない周知の第1及び第2の円形の柱状体が形成されている。一方、操作器本体701の角部には第1の柱状体に嵌合する円形の孔が形成されており、第1の柱状体が操作器本体701に形成された孔に挿入されることによって、周知の回転機構を構成している。このとき、実施の形態2では、操作器本体701に設けた孔から第1の柱状体が容易に抜けてしまうことを防止するために、第1の柱状体の外周面に沿って形成された溝と、操作器本体701の孔の内周面に設けた突起を勘合させる等の周知の脱落防止機構が設けられている。さらには、実施の形態2では、第1の柱状体の外周周りに直交する位置に孔が形成されており、この孔に操作器本体701に設けた図示しないツマミ付きのプランジャーの先端部分が挿入されることによって、操作器本体701と格納金具707との回転を規制する周知の回転制限機構を構成している。
【0054】一方、第2の柱状体は、ハウジング704に形成された孔に回転可能に挿入されて回転機構を形成している。なお、この回転機構にも前述する脱落防止機構及び回転制限機構として、妻三月のプランジャー712が設けられている。ハウジング704には、第2の柱状体が勘合される孔の他にガイドレール705のスライドブロックが取り付けられており、このスライドブロックがX軸方向と並行に配置されたガイドレール705と摺動可能に組み合わされている。
【0055】次に、図7〜図9に基づいて、実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置におけるテーブルサイド操作器の格納動作を説明する。なお、以下の説明では、格納金具707に設けた第1の柱状体に係わる回転機構である第1の回転機構の回転軸を旋回軸703と記し、第2の柱状体に係わる回転機構である第2の回転機構の回転軸を反転軸706と記す。
【0056】図7〜図9に示す操作器本体701の使用位置(A)では、操作器本体701は天板支持枠708の側面部分に設けたサイドレール710にクランプ金具711で狭持することにより固定されている。このときの反転軸706はX軸と並行である。従って、クランプ金具711をゆるめることによって、操作器本体701は反転軸706を回転中心軸として180度回転され、天板709の裏面側に収納される。このときの様子を示したのが図7〜図9の(B)であり、操作器本体701の操作面側は下向き(Z軸と逆の方向)となる。前述するように、第2の回転機構には、回転を制限するための図示しないプランジャーが配置されているので、実際の回転操作では、図示しないプランジャーのツマミを引くことによって、第2の回転機構の回転制限が解除される。ただし、実施の形態2では、操作器本体701を180度回転させた位置にも図示しないプランジャーが挿入される孔が第2の柱状体に形成されているので、第2の回転機構による操作器本体701の回転は(B)で示す位置で停止され、固定されることとなる。従って、操作器本体701が天板709の裏面側にふらつくことを防止できる。
【0057】格納金具707により連結される第1の回転機構の回転軸である旋回軸703は、図から明らかなように、Z軸と並行のままである。従って、次の退避動作として、第1の回転機構における回転を制限する図示しないプランジャーを引くことによって回転制限が解除されるので、操作器本体701を図中の(B)の位置から(C)の位置に90度回転移動させ、再び回転制限を行うことができる。このときの操作器本体701は、操作面が下面を向き、長手方向がY軸と並行となる。このように、被検体の天板709への昇降時には、操作器本体701を天板709の裏面側である図中の(C)で示す位置に退避させることによって、被検体と操作器本体701との接触を防止できるので、接触に伴う誤操作を防止できる。また、操作器本体701の長手方向をY軸と並行に設定することによって、X線透視撮影に係わる天板709の長手方向にしめる操作器本体701の幅を小さくできるので、X線透視撮影での撮像範囲を広くすることができるという効果が得られる。
【0058】次に、ハウジング704をガイドレール705に沿って移動させることによって、操作器本体701は、ガイドレール705の延在方向であるX軸方向、すなわち天板709を片持ちに支持する支持機構の側の(D)で示す位置にまで移動されることとなる。この位置でも、図示しないプランジャーによって平行移動を制限する構成となっている。このときの格納の様子を示したのが図8であり、この図8から明らかなように、実施の形態2の操作器本体701をX線像の撮像範囲の外側に退避することができるので、消化器系の検査における撮影系の移動範囲を広げることができる。すなわち、消化器系の検査及び治療が、循環器系の検査及び治療と同じ自由度で行うことが可能となる。従って、検者は目的とする位置及び角度で所望のX線透視撮影を行うことが可能となるので、診断効率を向上させることができる。
【0059】また、図中の(D)に示す位置にまで操作器本体701を退避させることによって、被検体との接触を完全に防止できるので、接触に起因する誤操作を完全に防止できる。さらには、前述した手順と逆の手順で操作器本体701を容易に図中(A)で示す操作位置に移動させることができるので、装置の操作性を低下させることなく誤操作を防止できる。
【0060】図10は実施の形態2のテーブルサイド操作器のクランプ機構(脱着機構)の概略構成を説明するための図であり、714はベース板、715はクランプ軸、716はクランプ板、717はツマミを示す。
【0061】図10に示すように、実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置のクランプ金具711による脱着機構は、ベース板714により操作器本体701に取り付けられ、クランプ軸715を回転可能に支持する。このクランプ軸715の一端には右ねじ山、他端には左ねじ山が形成されており、各々右ねじ,左ねじを加工したクランプ板716をクランプ軸715の両端に組み込む。クランプ軸715の一端にはツマミ717が配置されており、このツマミ717を回転することによってクランプ軸715を軸周りに回転し、クランプ板716を開閉する構成となっている。従って、操作器本体701を移動させることなくサイドレール710への着脱が可能となる。特に、操作器本体701のサイドレール710への取り付けは、ねじの締め付けによる推力を利用しクランプする構成となっているので、天板709の水平位や起倒位等に係わらず可能である。
【0062】このとき、天板709をモータ等の駆動力で移動させる場合の電源スイッチであるパワーアシストスイッチを操作器本体701に設けることによって、循環器系の検査に使用されるカテテーブルと同様の手動操作感覚での天板709の位置決めをモータの駆動力で代用することができるので、小さい操作力で所望の天板動作をできるという効果を得ることができる。
【0063】図11は実施の形態2のテーブルサイド操作器を搭載するCアーム型X線透視撮影装置の概略構成を説明するための図であり、1101はX線検出器(撮像手段)、1102はC字型アーム、1103はX線管装置(X線源)、1104は高電圧発生器、1105は画像処理装置、1106はモニタ(表示手段)、1107はCアーム制御装置、1108は本体操作ユニット、1109は操作スイッチ(使用指示手段,収納指示手段)を示す。
【0064】図11に示すCアーム型X線透視撮影装置は、本体操作ユニット1108あるいはテーブルサイド操作器本体701から操作指示に基づいて、Cアーム制御装置1107が図示しないC字型アーム1102の駆動制御手段に動作指示を送出する。C字型アーム1102の駆動制御手段は図示しない駆動機構を制御して、C字型アーム1102の傾斜角及びスライド量を操作指示値に設定する。ここで、本体操作ユニット1108あるいはテーブルサイド操作器本体701からX線透視撮影の開始が指示されると、高電圧発生器1104から高電圧がX線管装置1103に供給され、X線ビームが被検体101に照射される。この被検体101を透過したX線は、X線検出器1101でX線透過像として検出され画像処理装置1105に出力される。画像処理装置1105は、周知の画像処理を施しモニタ1106の表示画面上にX線透過像を表示する。
【0065】特に、実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置では、前述した第1及び第2の回転機構並びにブロックとガイドレール705とからなる摺動機構には、例えば、モータとギア機構とからなる周知の駆動機構と、制御入力に基づいて駆動機構の動作を制御する周知の制御手段(移動手段)とが配置されている。この制御手段の入力はテーブルサイド操作器本体701に配置される操作スイッチ1109aと、本体操作ユニット1108に配置される操作スイッチ1109bとである。
【0066】実施の形態2のCアーム型X線透視撮影装置では、例えば、テーブルサイド操作器本体701に配置される操作スイッチ1109aあるいは本体操作ユニット1108に配置される操作スイッチ1109bから使用指示が入力されると、この使用指示に基づいて制御手段が、まず、摺動機構に配置される駆動機構を制御して、操作器本体701を図7の(D)で示す位置から(C)で示す位置に移動させる。次に、制御手段は第2の回転機構に配置される駆動機構を制御し、操作器本体701を(C)で示す位置から(B)で示す位置に90度回転させる。回転が終了すると、制御手段は第1の回転機構の駆動機構を制御して、操作器本体701を(B)で示す位置から(A)で示す位置に180度回転させる。この後に、制御手段はクランプ金具711に配置された駆動機構を制御し、クランプ軸715を回転させることによって、クランプ板716でサイドレール710を挟持する。ただし、テーブルサイド操作器本体701の格納は、前述の手順の逆となるので、その詳細な説明は省略する。
【0067】このように、本体操作ユニット1108又は/及びテーブルサイド操作器本体701に操作スイッチ1109a,1109bを配置し、この指示入力に基づいて第1及び第2の回転機構、クランプ金具711、並びに摺動機構を駆動する駆動機構と、各駆動機構を制御する制御手段とを設けることによって、本体操作ユニット1108もしくはテーブルサイド操作器本体701の操作スイッチ1109a,1109bからの使用指示あるいは格納指示によって、テーブルサイド操作器本体701の取り出し及び格納を容易に行うことが可能となるので、診断効率をさらに向上させることができる。
【0068】以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0069】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)装置の操作性を向上させるができる。
(2)被検体の被曝量を低減させることができる。
(3)テーブルサイド操作器の誤操作を防止することができる。
(4)撮影系の移動範囲を広げることができる。
(5)診断効率を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【識別番号】500017689
【氏名又は名称】工藤 弘明
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100083552
【弁理士】
【氏名又は名称】秋田 収喜
【公開番号】 特開2001−190548(P2001−190548A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−1306(P2000−1306)