| 【発明の名称】 |
体液検査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大杉 豊
【氏名】有田 栄次
【氏名】園田 耕一
【氏名】西川 尚穂
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| 【要約】 |
【課題】穿刺、体液採取、測定を連続に行うことができ、かつ体液の付着のおそれの極めて少ない体液検査装置を提供する。
【解決手段】体液検査装置1は、指先を挿入可能な開口部8を有する開閉可能な蓋部材2bを備えるケース2と、装置に着脱可能に装着されるチップ穿刺針組立体22と、穿刺針突出部を除き気密に形成された穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構10と、電動ポンプ12aを備え、穿刺針駆動機構内部を吸引することにより穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構12と、穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構10の作動を検知し、この検知結果に基づいて吸引機構12を作動を開始させる吸引機構12の作動開始ならびに吸引機構12の作動停止を制御する吸引機構制御部を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 皮膚を穿刺して微量の体液を採取し該体液の成分を測定するための体液検査装置であって、該体液検査装置は、ケースと、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに指先穿刺のために突出可能な穿刺針を備える穿刺部材と、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに、体液中の特定成分と反応する試薬を含む検出チップおよび該検出チップへの体液誘導路を備える検出チップ部材と、穿刺部材装着部と穿刺開始スイッチと前記穿刺部材装着部を付勢するための弾性部材とを備えるとともに、穿刺針突出部を除き実質的に気密に形成された穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構と、電動ポンプを備え、前記穿刺針駆動機構内部を吸引することにより穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構と、前記穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構の作動を検知し、該検知結果に基づいて吸引機構を作動を開始させる吸引機構作動機能ならびに吸引機構の作動停止を行う吸引機構制御機構と、該吸引機構による穿刺針駆動機構内の減圧状態を解除するための減圧状態解除機構と、体液接触後の前記検出チップの状態を検出するための検出機構と、該検出機構による検出結果より体液状態を評価する体液状態評価機構と、該体液状態評価機構による評価結果を表示する表示機構とを有することを特徴とする体液検査装置。 【請求項2】 前記穿刺部材と前記検出チップ部材とは一体となったチップ穿刺針組立体を構成し、チップ穿刺針組立体は、穿刺針の刃先の上方に指先に密着可能な環状開口部を備え、前記体液誘導路の一端開口部は該環状開口部内に突出し他端は前記チップまで延びているものである請求項1に記載の体液検査装置。 【請求項3】 前記吸引機構制御は、前記検出機構により検出される検出チップの状態変化信号を用いて、吸引機構の作動を停止するものである請求項1または2に記載の体液検査装置。 【請求項4】 前記減圧状態解除機構は、前記吸引機構により減圧される減圧形成空間と該減圧形成空間の外部とを連通する微量吸気口である請求項1ないし3のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項5】 前記減圧状態解除機構は、前記吸引機構により減圧される減圧形成空間と該減圧形成空間の外部とを連通可能な弁である請求項1ないし3のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項6】 前記体液検査装置は、前記吸引機構により減圧される穿刺針駆動機構内の圧力を検知するための圧力検知部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項7】 前記体液接触後の前記検出チップの状態を検出するための検出機構は、検出チップに光を照射するための発光素子と検出チップからの反射光を受光するための受光素子を備えるものである請求項1ないし6のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項8】 前記体液検査装置は、前記吸引機構制御機構および前記体液状態評価機構を備える制御部と、該制御部に電気的に接続された穿刺針駆動機構内部の圧力を検知するための圧力センサ、穿刺針による穿刺開始を検知するための穿刺開始検出センサおよび表示部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項9】 前記ケースは、開閉可能な蓋部材を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項10】 前記体液検査装置は、前記体液状態評価機構による評価結果を記憶する記憶部および該記憶部に記憶された評価結果データを外部装置へ出力するための外部出力部を備えている請求項1ないし9のいずれかに記載の体液検査装置。 【請求項11】 前記体液検査装置は、前記体液状態評価機構からの情報を音声により知らせる音声出力部を有している請求項1ないし10のいずれかに記載の体液検査装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、体液、例えば血液の検査に際し、指先のような生体表面に穿刺針を穿刺して血液を採取し、検査を行う体液検査装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖値測定が推奨されてきている。自己血糖値測定には、血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙を装着し、試験紙に血液を供給させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化する血糖測定器が用いられている。この測定に先立ち、患者は、穿刺針や小刀を備えた穿刺具を用いて指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出すことが必要である。そして、穿刺具と血糖測定器が別々となっているために、出血の状態のまま穿刺具から血糖測定器に持ち替える必要があり、操作性が悪く、衛生面から見ても好ましいものではない。 【0003】そこで、従来の穿刺具と血糖測定器が一体となっているものが特開平6−339473号公報に開示されている。この血糖測定器は、ハウジング内に、穿刺手段と、体液を体液用化学試薬に移送する手段と、体液用化学試薬の光学的な測定を行い結果を表示する手段を備える。しかしながら、この血糖測定器においては穿刺を行っても出血量が不十分なため、穿刺後に指等で圧迫して体液を絞り出す必要があり、従来のものと操作性にあまり相違がない。また、血糖測定器としては特開平9−276235号公報に開示されたものもある。この血糖測定器はハウジング内に穿刺手段と、指を圧迫する圧迫帯と、体液成分を測定し表示する手段を備える。しかしながら、この血糖測定器は圧迫帯の効果により必要量の体液採取は可能としたものの、使用後、圧迫帯から指を引き抜く際に、指先に残った体液が圧迫帯に付着してしまい感染等の危険性を有している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を鑑みて、穿刺、体液採取、測定を連続に行うことができ、かつ体液の付着のおそれの極めて少ない体液検査装置を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述目的を達成するものは、皮膚を穿刺して微量の体液を採取し該体液の成分を測定するための体液検査装置であって、該体液検査装置は、ケースと、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに指先穿刺のために突出可能な穿刺針を備える穿刺部材と、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに、体液中の特定成分と反応する試薬を含む検出チップおよび該検出チップへの体液誘導路を備える検出チップ部材と、穿刺部材装着部と穿刺開始スイッチと前記穿刺部材装着部を付勢するための弾性部材とを備えるとともに、穿刺針突出部を除き実質的に気密に形成された穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構と、電動ポンプを備え、前記穿刺針駆動機構内部を吸引することにより穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構と、前記穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構の作動を検知し、該検知結果に基づいて吸引機構を作動を開始させる吸引機構作動機能ならびに吸引機構の作動停止を行う吸引機構制御機構と、該吸引機構による穿刺針駆動機構内の減圧状態を解除するための減圧状態解除機構と、体液接触後の前記検出チップの状態を検出するための検出機構と、該検出機構による検出結果より体液状態を評価する体液状態評価機構と、該体液状態評価機構による評価結果を表示する表示機構とを有する体液検査装置である。そして、前記穿刺部材と前記検出チップ部材とは一体となったチップ穿刺針組立体を構成し、チップ穿刺針組立体は、穿刺針の刃先の上方に指先に密着可能な環状開口部を備え、前記体液誘導路の一端開口部は該環状開口部内に突出し他端は前記チップまで延びているものであることが好ましい。 【0006】さらに、前記吸引機構制御は、前記検出機構により検出される検出チップの状態変化信号を用いて、吸引機構の作動を停止するものであることが好ましい。また、前記減圧状態解除機構は、前記吸引機構により減圧される減圧形成空間と該減圧形成空間の外部とを連通する微量吸気口であることが好ましい。また、前記減圧状態解除機構は、前記吸引機構により減圧される減圧形成空間と該減圧形成空間の外部とを連通可能な弁であってもよい。そして、前記体液検査装置は、前記吸引機構により減圧される穿刺針駆動機構内の圧力を検知するための圧力検知部を備えていることが好ましい。さらに、前記体液接触後の前記検出チップの状態を検出するための検出機構は、検出チップに光を照射するための発光素子と検出チップからの反射光を受光するための受光素子を備えるものであることが好ましい。そして、前記体液検査装置は、前記吸引機構制御機構および前記体液状態評価機構を備える制御部と、該制御部に電気的に接続された穿刺針駆動機構内部の圧力を検知するための圧力センサ、穿刺針による穿刺開始を検知するための穿刺開始検出センサおよび表示部を備えていることが好ましい。また、前記体液検査装置は、該体液状態評価機構による評価結果を記憶する記憶部を備えていてもよい。さらに、記体液検査装置は、前記体液状態評価機構による評価結果を記憶する記憶部および該記憶部に記憶された評価結果データを外部装置へ出力するための外部出力部を備えていることが好ましい。さらに、前記体液検査装置は、前記体液状態評価機構からの情報を音声により知らせる音声出力部を有していることが好ましい。また、前記ケースは、開閉可能な蓋部材を備えていてもよい。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の体液検査装置を図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の体液検査装置の一実施例の外観図、図2は、図1に示した体液検査装置より保護カバーを取り外した状態の平面図、図3は図1に示す体液検査装置のケース部分を破断した内部構造説明図である。本発明の体液検査装置1は、皮膚を穿刺して微量の体液を採取し体液の成分を測定するための体液検査装置である。体液検査装置1は、ケース2と、ケース2に着脱可能に装着されるとともに開口部8内に指先穿刺のために突出可能な穿刺針を備える穿刺部材16と、ケース2に着脱可能に装着されるとともに、体液中の特定成分と反応する試薬を含む検出チップ25および検出チップ25への体液誘導路を備える検出チップ部材と、穿刺部材装着部と穿刺開始スイッチと穿刺部材装着部を付勢するための弾性部材18とを備えるとともに、穿刺針突出部を除き実質的に気密に形成された穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構10と、電動ポンプ12aを備え、穿刺針駆動機構内部を吸引することにより穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構12と、穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構10の作動を検知し、この検知結果に基づいて吸引機構12を作動を開始させる吸引機構12の作動開始ならびに吸引機構12の作動停止を制御する吸引機構制御部と、吸引機構12による減圧状態を解除するための減圧状態解除機構31と、体液接触後の検出チップ25の状態を検出するための検出機構と、検出機構104,105による検出結果より体液状態を評価する体液状態評価機構と、体液状態評価機構による評価結果を表示する表示機構5とを備えている。 【0008】この実施例の体液検査装置1は、ケース2とケース2内に収納された内部機構からなる。ケース2は、図1ないし図5に示す実施例では、ケース本体2aとケース本体2aに一端部が回動可能に取り付けられた蓋部材2bからなる。蓋部材2bは、指先を挿入可能な開口部8と、開口部8側面に装着されるカバー4を備えている。なお、蓋部材はなくてもよく、さらに、蓋部材としては、指先を挿入可能な開口部などを備えず、後述するチップ穿刺針組立体の装着部を単に被包可能に、ケース本体2aに一端部が回動可能に取り付けられたものであってもよい。さらに、蓋部材としては、装着部に後述するチップ穿刺針組立体が装着された状態では、蓋部材を完全に閉じることができないようになっていてもよい。ケース本体2a内に収納された内部機構は、穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構10と、穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構12と、吸引機構12による減圧状態を解除するための減圧状態解除機構31と、体液接触後の検出チップ25の状態を検出するための検出機構104,105と、検出機構による検出結果より体液状態を評価する体液状態評価機構と、体液状態評価機構による評価結果を表示する表示機構5とを備えている。 【0009】そして、この体液検査装置1では、使用時には、開口部8内への指先穿刺のために突出可能な穿刺針を備える穿刺部材16と、体液中の特定成分と反応する試薬を含む検出チップ25および検出チップ25への体液誘導路を備える検出チップ部材とが装着される。そして、この実施例では、穿刺部材16と検出チップ部材とが一体となったチップ穿刺針組立体22が用いられており、チップ穿刺針組立体22は、体液検査装置の組立体装着部7に着脱可能に装着される。このチップ穿刺針組立体22は、検査毎に交換される。また、図3に示すように、蓋部材2b内部には、予備用のチップ穿刺針組立体22を複数収納できる収納部15を備えるとともに、蓋部材2bの上面には、図2に示すように未使用のチップ穿刺針組立体22の残数確認用の小窓17が設けられており、外部よりチップ穿刺針組立体残数を確認可能となっている。 【0010】チップ穿刺針組立体22は、穿刺部材(ランセット)16と、この穿刺部材16を移動可能に収納する筒状部材と、筒状部材の先端部が固定された組立体本体部材を備える。組立体は、穿刺部材16の穿刺針の刃先の上方に位置し、指先に密着可能な環状開口部26と検出チップ25を備え、さらに、一端開口部が環状開口部26内に突出し他端がチップ25付近まで延びる体液誘導路を備えている。このため、穿刺部材16により穿刺されることにより生じた出血による血液は、誘導路を通り、検出チップ25に送られる。誘導路は、その断面形状および長さは測定に必要とする体液量により異なるが体液の残存量を少なくなるよう設計するのが望ましい。具体的には、断面形状としては管状、V字溝、長方形溝でも構わないが、体液の残存量を少なくできるため薄型の長方形が好ましい。厚みは0.05〜0.5mm程度、幅は0.5〜3mm程度が好ましい。長さは、5mm〜15mm程度が適当である。 【0011】チップ穿刺針組立体22の環状開口部(吸引口)26は、例えば指先、上腕、腹部、大腿部、耳たぶのような生体表面に接する部位である。この吸引口26は性別、年齢等の個人差や穿刺部位にかかわらず良好に吸引採血が行えるように、その開口径(開口面積)が調整されている。具体的には吸引口26の開口径は4〜10mmが好ましく、特に、穿刺部位が指や耳たぶの場合は4〜6mmがより好ましい。チップ穿刺針組立体22の吸引口26部外周縁は、生体表面(皮膚)に押し当てたときに穿刺部周辺を刺激し穿刺時の痛みを和らげる効果を発揮するのに適した形状となっている。また、穿刺器具11内が減圧状態であるときに、チップ穿刺針組立体22と生体表面との間から空気が穿刺器具11へ流入することを阻止するのに適した形状となっている。環状開口部26の誘導路の縁には、体液導入ガイド部を設けることが望ましい。体液導入ガイド部は、そこに体液が接触すると誘導路開口まで体液を導く機能を有する。体液誘導ガイド部としては、誘導路開口の周縁の左右両方にレール状のガイドを突出させるよう設けたものが好適である。体液導入ガイド部の大きさは、幅は1〜3mm程度、高さは0.5〜3mm程度、長さは1〜3mm程度が望ましい。そして、チップ穿刺針組立体22は内部の視認性を確保するため、特に穿刺後の出血状態を目視確認できるように、透明または着色透明な材料で構成されているのが望ましいが半透明または不透明であってもよい。 【0012】検出チップ25は、目的とする体液検査に適したものが使用され、例えば、血液中のグルコースを測定する場合には、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼと呈色試薬が担持されている。測定目的とする成分は、ブドウ糖(血糖値)に限らず、例えばたんぱく質、コレステロール、尿酸、クレアチニン、アルコール、ナトリウム糖の無機イオン、ヘモグロビン(潜血)等であってもよい。また、検出チップ基材としては、吸液性(親水性)のある紙、膜、不織布などが用いられる。そして、体液検査装置1の内部機構の蓋部材2b内に露出する部分7は、上記のチップ穿刺針組立体22の装着部7となっており、装着部7は側面の4つの角が面取りされ、かつ上面の中央部から斜めに削られた四角柱形状となっており、側面にチップ穿刺針組立体22の内面に密着するガスケットが設けられている。 【0013】穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構10は、筒状ハウジング27と、このハウジング27内部を摺動するプランジャー28と、プランジャー28の後端に固定されたシャフト21と、このシャフト21の後端側を被包するようにハウジング27の後端部に取り付けられた調整カバー30と、弾性部材(ばね部材)18と、ハウジング27の側面開口部27aを覆う開口部カバー9と、穿刺開始スイッチ部材3を備える。プランジャー28は、側面にハウジング27の側面開口部27a内に侵入する係止用爪部19と、先端にチップ穿刺針組立体22の筒状部材内に侵入可能かつ先端に穿刺部材16の穿刺針ハブを保持可能な筒状の穿刺針ホルダー部20を備えている。弾性部材18は、一端(先端)がプランジャー28の後端(シャフト21との接続部)に固定され、シャフトの先端部分を被包し、後端は、ハウジング27の中央部に形成された内側に突出する弾性部材固定部29に固定されている。このため、図7に示すような、プランジャー28の係止用爪部19がハウジング27の開口部と係合する状態では、弾性部材18は、プランジャー28の後端とハウジング27の弾性部材固定部29間により圧縮された状態となっている。また、シャフト21には、後端部にリブ21aが、また調整カバー30は、その中間部に上記リブ21aと当接可能に設けられたリブ30aを備えている。この調整カバーの位置を調整することにより穿刺針の突出量が調整される。 【0014】また、弾性部材18は、図9に示すように、プランジャー28の係止用爪部19がハウジング27の開口部と係合しない状態では、穿刺針の刃先がチップ穿刺針組立体22の開口部より突出しないような長さのものとなっている。このため、穿刺終了後に指先を引き抜く際に、穿刺針が指先に引っかかることがない。プランジャー28の係止用爪部19は、一端(後端)がプランジャー28に固定され、先端が自由端となっている所定長さの棒状形状を備え、かつ、先端は外方に若干突出している。このため、この爪部19は、ハウジング27に設けられた係合用爪侵入用開口部27aに容易に侵入し、侵入することにより両者(爪部の先端面と開口部の先端内面)が当接し、係合する。また、側面開口部27aは、外側が開口部カバー9により覆われており、さらに、その外側には穿刺開始スイッチ部材3が設けられている。スイッチ部材3は、押圧操作部3aと係合解除用チップ部3bを備え、係合解除用チップ部3bは、ハウジング27の側面開口部部分(開口部に侵入した爪部の先端部)を開口部カバー9の外側より押圧可能となっている。このため、スイッチ部材3を押圧することにより、穿刺針は、図8に示すように圧縮されたばねの圧縮解除により付勢され、組立体22より突出し指23を穿刺する。チップ穿刺針組立体22は、穿刺部位を限定せずに穿刺が行える。 【0015】なお、このような構成に限定されるものではなく、例えば、穿刺の開始は、チップ穿刺針組立体22が前後に可動できるように構成し、チップ穿刺針組立体22と体液検査装置1(ケース2)の接合部にマイクロスイッチ等の機械式センサを備え、穿刺部位をチップ穿刺針組立体22に当てた状態で少し押し込むことにより穿刺が開始されるようにしてもよい。また、この実施例の体液検査装置1は、チップ穿刺針組立体22の試薬部分や体液が点着した部分を触れることなくチップ穿刺針組立体22を取り外すための機械式のチップ穿刺針組立体リリースレバー6を有している。リリースレバー6は露出する突起6aを備えており、リリースレバー6を図4の矢印方向に移動させると突起6aにより押されて、チップ穿刺針組立体22は装着部7より離脱する。 【0016】次に、穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構12および吸引機構12による減圧状態を解除するための減圧状態解除機構31について説明する。吸引機構12は、吸引ポンプ(電動ポンプ)12aと、この吸引ポンプ12aと穿刺針駆動機構10の筒状ハウジング27とを接続するチューブ12bと、吸引ポンプ12aに接続された排気管12cとを備え、減圧状態解除機構31は、チューブ12bの途中に設けられた減圧解除弁により構成されている。このため、穿刺針駆動機構10の筒状ハウジング27内は、穿刺針16が突出する開口部26(使用時に指により閉鎖される部分)を除き実質的気密に構成されており、吸引手段により、穿刺針駆動機構10の筒状ハウジング27内が減圧されることにより、開口部に密着される指の部位を吸引可能となっている。吸引ポンプ(電動ポンプ)としては、直線運動式(ピストン形、ダイヤフラム形)、回転運動式、摺動運動式などの電動式吸引ポンプが用いられる。減圧状態解除機構31は、吸引ポンプに直接もしくは穿刺針駆動機構10の筒状ハウジング27に設けてもよい。 【0017】減圧解除弁としては、機械式、電磁式、機構的に流量制御または圧力制御を行うことができるものであればどのようなものでもよい。例えば、絞り弁、流量調整弁、電磁弁などが挙げられる。また、絞り弁としては、微少細管を用いたものが好適であり、図示する実施例では、微少細管からなる絞り弁(低量吸気弁)が用いられている。この微少細管の口径(内径)は電動式ポンプの排気速度と細管からの気体の流量より決定される。なお、減圧状態解除機構としては、上記のような特別な構成を設けることなく、穿刺針駆動機構10の筒状ハウジング27の気密性の程度を若干低いものとすることにより達成してもよい。具体的には、ハウジング27の側面に細孔を設けること、ハウジング27と調整カバー30の固定部間に僅かな隙間を設けることなどが考えられる。これらの細孔、低量吸気弁などが形成する微量吸気口により穿刺針駆動機構10に減圧状態解除機構を付与することができる。 【0018】次に、穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構10の作動を検知し、検知結果に基づいて吸引機構12を作動を開始させる吸引機構作動機能ならびに吸引機構12の作動停止を行う吸引機構制御部および体液接触後の検出チップ25の状態を検出するための検出機構について説明する。この実施例の体液検査装置1は、体液接触後の検出チップ25の状態を検出するための検出機構として、検出チップ25に光を当てるための発光素子104と発光素子104より照射され検出チップ25にて反射される反射光を受光するための受光素子105を備え、受光素子からはその受光光量に応じたアナログ信号が出力され、増幅部106により増幅された後、AD変換器107にてデジタル信号に変換され、後述する制御部100に入力される。発光素子および受光素子を用いた反射光量の測定(検出チップ25の検出)は、制御部から測定終了の判断がなされるまで一定時間間隔(例えば、1秒ごと)で継続して行われる。 【0019】また、この実施例の体液検査装置1は、チップ穿刺針組立体装着監視センサ103、蓋開閉センサ115を備え、体液検査装置1の休止状態から測定可能な状態までを検知可能となっている。具体的には、蓋開閉センサ115により蓋部材2bの開放が検知され、かつ、チップ穿刺針組立体装着監視センサ103によりチップ穿刺針組立体の装着が確認されたことにより、定可能な状態であることを検知する。蓋開閉センサ115としては、機械式が好ましいが電気式、光式でもよい。体液検査装置1は、検出チップ25での反応を光学的に測定する際、ケース2の蓋部材2bおよびこの蓋部材2bに設けられた保護カバー4により、検出チップ25への外光の侵入を阻止し、測定精度を向上させている。 【0020】図10に、この実施例の体液検査装置1の電気的構成部分のブロック図を示す。体液検査装置1は、発光素子104、受光素子105と受光素子105のための増幅部106ならびに増幅部106より出力される信号を返還するAD変換器107からなる受光信号形成部、電源部(電池)114、蓋開閉検出センサ115、穿刺針駆動機構内部の圧力を検知するための圧力センサ108、吸引ポンプ12a、穿刺開始検出センサ110、チップ穿刺針組立体装着監視センサ103、表示部5、音声出力部113、メモリ112、外部出力部111を備えており、それらは、制御部100に電気的に接続されている。そして、制御部100、増幅部ならびに増幅部より出力される信号を返還するAD変換器、メモリは、基板24上に取り付けられている。 【0021】制御部100は、マイクロコンピュータで構成され、受光素子105からの信号(正確には、受光信号形成部より出力される信号)に基づいて目的とする例えば血糖のような血中成分を算出する演算機能を有する。さらに、制御部100は、発光素子、吸引ポンプ、表示部、音声出力部、メモリ、外部出力部を制御する。表示部は、制御部100からの信号に基づいて体液検査結果などを表示するためのものであり、液晶ディスプレイが好適に使用される。また、音声出力部は、制御部100(体液状態評価機構)からの信号に基づいてブザー音または体液検査結果を音声により出力するものである。外部出力部111は、メモリ(記憶部)き記憶された体液検出結果(例えば、血糖値等のデータ)をパソコンのような外部装置へ出力するためのものである。この場合、外部出力部111は、例えばRS232Cのような通信ドライバーを内蔵している。また、赤外線通信を行う場合には、外部出力部111は、赤外線発光素子およびその駆動回路が用いられる。メモリは、体液検出結果(例えば、血糖値等のデータ)を測定時間とともに記憶するためのものである。 【0022】チップ穿刺針組立体装着監視センサ103は、穿刺具が穿刺可能な位置まで、押し込まれているか検知するためのものであり、磁気式センサ、機械式センサ、光式センサいずれでもよいが、磁気センサが好適である。なお、このチップ穿刺針組立体装着監視センサ103を設けず、発光素子104と受光素子105により、未使用チップ穿刺針組立体の反射光を受光することにより、チップ穿刺針組立体の装着を確認するものでもよい。穿刺開始検出センサは、穿刺が開始したことを検出するセンサであり、穿刺開始スイッチに直接もしくは穿刺針駆動機構10の穿刺時に駆動する部位に設けられる。穿刺過開始検出センサとしても、磁気式センサ、機械式センサ、光式センサいずれでもよい。また、圧力センサ108は、吸引ポンプと穿刺針駆動機構内部とを連通するチューブ内に設けられている。圧力センサとしては、例えば、半導体型圧力センサが好適に使用される。なお、圧力センサは、穿刺針駆動機構内部に設けてもよい。この圧力センサを設けることにより、ポンプ作動時の体液吸引が正しく行われているか監視することができる。具体的には、指23とチップ穿刺針組立体22の開口部との接触が正しく行われずリークが起きていることが検知でき、これを制御部100により表示部による警告表示もしくは音声出力部によりエラーメッセージを出力することができる。 【0023】次に体液検査装置1を用いた体液の採取、測定をする際の各部の操作について説明する。体液検査装置1のケース2の蓋部材2bが開かれると、蓋が開かれたことを蓋開閉センサ115が制御部100に伝え、チップ穿刺針組立体22取り付けの指示を表示部5に表示する。次にチップ穿刺針組立体22をチップ穿刺針組立体装着部7にセットし、プランジャー28の係止用爪部19がハウジング27の開口部と係合する状態まで押し込む。これにより、図7に示す状態となり、ばね18は圧縮状態で保持される。この状態において、受光素子は作動しており、検出された信号は変換器で変換され制御部に入力され、チップ穿刺針組立体22が取り付けられたことを制御部が判断する。同時にチップ穿刺針組立体装着監視センサ103により、穿刺具が穿刺可能な位置まで、押し込まれているか検知し、検知結果は制御部に入力される。チップ穿刺針組立体22が穿刺可能な位置まで押し込まれたことが確認されると、表示部5に穿刺開始可能状態の表示を行う。 【0024】次に、図6のようにチップ穿刺針組立体22先端の吸引口26を指等の穿刺部位に押し当て穿刺開始スイッチ部材3を図7の矢印方向に押すと、開始ボタンの係合解除用チップ部3bにより、ハウジング27の係合用爪侵入用開口部部分(開口部に侵入した爪部の先端部)を開口部カバー9を介して押圧し、プランジャー28の係止用爪部19のハウジング27の開口部との係合を解除する。これにより、弾性部材18が圧縮状態から解放されランセット16と穿刺針ホルダー部20は加速前進し、ランセット16の刃先による皮膚への穿刺が行われる(図8)。穿刺後ランセット16と穿刺針ホルダー部20は、弾性部材18の減衰運動によりケース2内に収納される(図9)。 【0025】また、穿刺開始センサにより穿刺開始が検知されると、制御部100は、電動式ポンプ12aを動作させ、穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するために穿刺針駆動機構内部を吸引する。なお、穿刺開始センサを設けることなく、穿刺開始スイッチにより、直接吸引手段が作動するようにしてもよい。また、吸引ポンプの作動開始のタイミングは穿刺が行われたと同時に行われても、若干遅れて作動するようにしてもよい。吸引ポンプによる圧力は陰圧で、200mmHg〜600mmHgが好ましく、特に400mmHg以上が好ましい。これにより、短時間で必要量の血液を穿刺部位より流出させることができる。皮膚上に出血した体液はチップ内壁の溝を伝って試験紙に染み込む。この状態で測定が開始し、その結果が表示部5に表示される(図6)。測定終了後はチップ穿刺針組立体リリースレバー6によりチップ穿刺針組立体22を装着部7から外し、測定が終了する。 【0026】そして、この実施例の体液検査装置1では、制御部を備え、制御部は、検出機構により検出される検出チップ25の状態変化信号を用いて、吸引機構12の作動が停止するように制御するものである。このため、制御部100は、デジタル信号として入力される受光素子の電圧変化により、検出チップ25に体液が吸引されたことを判断可能であり、これを用いて吸引ポンプの作動終了を制御する。なお、このような方法に限らず、予め設定した時間により自動的に吸引ポンプを停止するように制御してもよい。そして、検出チップ25に体液が供給されると、体液中の成分(例えば、グルコース)と試験紙に含まれる試薬とが反応し、色の変化が生じこれを発光素子および受光素子を用いて変化程度を検知し、これより体液性状(例えば、血糖値)を演算する。 【0027】 【発明の効果】本発明の体液検査装置は、皮膚を穿刺して微量の体液を採取し該体液の成分を測定するための体液検査装置であって、該体液検査装置は、ケースと、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに指先穿刺のために突出可能な穿刺針を備える穿刺部材と、該体液検査装置に着脱可能に装着されるとともに、体液中の特定成分と反応する試薬を含む検出チップおよび該検出チップへの体液誘導路を備える検出チップ部材と、穿刺部材装着部と穿刺開始スイッチと前記穿刺部材装着部を付勢するための弾性部材とを備えるとともに、穿刺針突出部を除き実質的に気密に形成された穿刺針の一時的な突出を行うための穿刺針駆動機構と、電動ポンプを備え、前記穿刺針駆動機構内部を吸引することにより穿刺針による指先の穿刺部位を含む周辺部位を吸引するための吸引機構と、前記穿刺開始スイッチを含む穿刺針駆動機構の作動を検知し、該検知結果に基づいて吸引機構を作動を開始させる吸引機構作動機能ならびに吸引機構の作動停止を行う吸引機構制御機構と、該吸引機構による穿刺針駆動機構内の減圧状態を解除するための減圧状態解除機構と、体液接触後の前記検出チップの状態を検出するための検出機構と、該検出機構による検出結果より体液状態を評価する体液状態評価機構と、該体液状態評価機構による評価結果を表示する表示機構とを有している。特に吸引手段を備えるため体液採取を確実に行うことができ、かつ減圧状態解除機構を備えることにより、過剰な減圧状態の持続を防止でき穿刺部位への負担も少なく、さらに、体液の装置内部への付着も極めて少ない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月16日(1999.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089060 【弁理士】 【氏名又は名称】向山 正一
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| 【公開番号】 |
特開2001−170031(P2001−170031A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−357656 |
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