| 【発明の名称】 |
処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】西澤 幸司
【氏名】菅 和俊
【氏名】河合 俊和
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| 【要約】 |
【課題】挿通チャネルへの挿入引き抜きが容易にでき、さらに小さな曲率半径で先端を自在に湾曲できる処置具を提供する。
【解決手段】先端の処置機構部4と、中空の可撓性部材6と、これら処置機構部4と可撓性部材6との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部10とを備える処置具において、前記湾曲部10を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材8により形成し、この弾性部材8を湾曲部10の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材8が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材8を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部10の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材8の伸びを制限する手段9を前記湾曲部10に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設けることを特徴とする処置具。 【請求項2】 前記弾性部材を、中空円筒状とすることを特徴とする請求項1記載の処置具。 【請求項3】 前記弾性部材は、周方向に断続する複数の部材で中空円筒状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の処置具。 【請求項4】 前記弾性部材は、線材を周方向に配置して中空円筒状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の処置具。 【請求項5】 前記弾性部材を、コイル形状の部材とすることを特徴とする請求項1記載の処置具。 【請求項6】 前記伸びを制限する手段は、座屈もしくは撓み性を有する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材のいずれかによって形成されることを特徴とする請求項2ないし5記載のいずれかの処置具。 【請求項7】 前記伸びを制限する手段は、座屈もしくは撓み性を有する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材から形成されるものであって、両端にフランジ部を一体的に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の処置具。 【請求項8】 先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在な中空のコイル形状の部材により形成し、このコイル形状の部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、コイル形状の部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、コイル形状の部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、コイル形状の部材の伸びを制限する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材のいずれかで製作された部材を、前記コイル形状の部材の中空部内に設けることを特徴とする処置具。 【請求項9】 先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部と、前記先端の処置機構部とを操作するための操作機構部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設け、前記操作機構部は、外套と、この外套の外部から操作することによって外套内を移動自在なスライダとから構成され、このスライダと前記処置機構部とを前記中空の可撓性部材及び弾性部材の中空部内を挿通される操作力伝達手段によって接続して処置機構部を操作することを特徴とする処置具。 【請求項10】 前記伸びを制限する手段は、弾性部材の中空部内に設けることを特徴とする請求項1もしくは9記載の処置具。 【請求項11】 前記操作機構部の処置機構部側端部に、操作力伝達手段と中空の可撓性部材との相対的な長さの差を変える手段を設けることを特徴とする請求項9に記載の処置具。 【請求項12】 先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材の中空内に湾曲部の伸びを制限する手段を設けるとともに、弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、前記湾曲部の伸びを制限する手段によって制限された長さより短く、前記弾性部材が最も圧縮された時の長さ以上の長さの弾性部材の圧縮を制限する手段を前記湾曲部に設け、弾性部材をこの伸びを制限する手段及び圧縮を制限する手段との間で伸縮自在にすることを特徴とする処置具。 【請求項13】 前記中空の弾性部材を、弾性チューブとすることを特徴とする請求項12記載の処置具。 【請求項14】 前記圧縮を制限する手段を、処置機構部もしくは中空の可撓性部材のいずれかに取り付けられた柱状突起とすることを特徴とする請求項12記載の処置具。 【請求項15】 前記圧縮を制限する手段を、処置機構部もしくは中空の可撓性部材のいずれかに取り付けられた環状突起とすることを特徴とする請求項12記載の処置具。 【請求項16】 先端の処置機構部と、この処置機構部を操作するための操作部材と、これら処置機構部と操作部材との間にあって前記処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設けることを特徴とする処置具。 【請求項17】 前記伸びを制限する手段を、前記弾性部材の中空部内に設けることを特徴とする請求項16記載の処置具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガイド器具、たとえば内視鏡などの挿通チャネルに進退自在に挿通され、先端を自在に湾曲させることができる処置具に関する。 【0002】 【従来の技術】可撓性のある挿通チャネルをもつ内視鏡(もしくは可撓性のある中空の挿入部をもつガイド器具など)は、体腔内部の比較的大きな空間で、先端に取り付けた湾曲部を湾曲させることができ、挿通チャネル内に挿通した処置具を湾曲させることができるようになっている。 【0003】内視鏡に挿通して使用される従来の処置具は、たとえば特開平6−254041号公報に記載されるように、密巻きコイルで長い湾曲部を構成し、挿通チャネルの湾曲に合わせて、長い湾曲部を湾曲させるものである。プッシュロッドを押し引きすることで把持部のリンク機構部に操作力を伝達して操作する際に、先端の湾曲部を構成する密巻きコイルは、プッシュロッドの「押し」もしくは「引き」の操作力では伸縮しない程度の剛性を持っている。 【0004】また、特開平8−332189号公報には、軸方向への伸縮性が小さく、任意方向に屈曲する屈曲自在部を有する内視鏡用処置具が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】処置具の挿通された内視鏡を、脳手術などの場合のように、重要組織の密集した狭い空間内で正確で緻密な治療を求められる手術に用いる時、微細治療の安全性と作業性とを高めるため、ガイド器具の先端が狭い空間内部で、小さな曲率半径でかつ大きな角度の湾曲を行ない、内部に挿通されている処置具を患部へ正確に誘導できることが必要となる。ところが、内視鏡などのガイド器具に挿入して使用する従来の処置具の湾曲部は小さな曲率半径での大きな角度の湾曲を行なうことまでは考慮されていない。したがって、小さな曲率半径での大きな角度の湾曲を行なえる術具が必要であった。 【0006】小さな曲率半径で大きな角度の湾曲を実現するためには、湾曲部自体の長さは短く、湾曲した時に湾曲の内側は短く縮み、湾曲の外側では長く伸びるような動きが必要である。さらに、それぞれの縮み量、伸び量が大きい方が好ましい。 【0007】特開平6−254041号公報に記載される処置具のような場合、開閉の操作力を伝達するプッシュロッドにより湾曲部が伸縮しないように大きな剛性を持ち、また、伸びを拘束しているため、大きな曲率半径の湾曲は可能であるが、小さな曲率半径で大きな角度の湾曲を行うようには配慮されていない。 【0008】また、特開平8−332189号公報記載の処置具も、小さな曲率半径で先端を湾曲させることに対しては配慮されていない。 【0009】たとえば、複数の節輪を90度対向で連結し、任意方向への屈曲を可能とする場合、一組の節輪での首振り角度は小さいため、大きな首振り角度を可能とするためには複数組の節輪を必要とする。この結果、屈曲自在部にはある程度の長さが必要となり、長い屈曲自在部全体で首振りを行うと、曲率半径が大きくなってしまう。 【0010】本発明の目的は、挿通チャネルへの挿入引き抜きが容易にでき、さらに小さな曲率半径で先端を自在に湾曲できる処置具を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る処置具の発明の構成は、先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設けるものである。 【0012】そして好ましくは、前記弾性部材を、中空円筒状とするものである。 【0013】また好ましくは、前記弾性部材は、周方向に断続する複数の部材で中空円筒状に形成したものである。 【0014】さらにまた、好ましくは、前記弾性部材は、線材を周方向に配置して中空円筒状に形成したものである。 【0015】さらにまた、好ましくは、前記中空の弾性部材を、コイル形状の部材とするものである。 【0016】さらにまた、好ましくは、前記伸びを制限する手段は、座屈もしくは撓み性を有する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材のいずれかによって形成されるものである。 【0017】さらにまた、好ましくは、前記伸びを制限する手段は、座屈もしくは撓み性を有する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材から形成されるものであって、両端にフランジ部を一体的に形成したものである。 【0018】上記目的を達成するため、本発明に係る処置具の他の発明の構成は、先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在な中空のコイル形状の部材により形成し、このコイル形状の部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、コイル形状の部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、コイル形状の部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、コイル形状の部材の伸びを制限する天然繊維素材,合成素材もしくは超弾性を有する金属素材のいずれかで製作された部材を、前記コイル形状の部材の中空部内に設けるものである。 【0019】上記目的を達成するため、本発明に係る処置具のさらに他の発明の構成は、先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部と、前記先端の処置機構部とを操作するための操作機構部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設け、前記操作機構部は、外套と、この外套の外部から操作することによって外套内を移動自在なスライダとから構成され、このスライダと前記処置機構部とを前記中空の可撓性部材及び弾性部材の中空部内を挿通される操作力伝達手段によって接続して処置機構部を操作するものである。 【0020】そして好ましくは、前記伸びを制限する手段は、中空の弾性部材の中空部内に設けるものである。 【0021】また好ましくは、前記操作機構部の処置機構部側端部に、操作力伝達手段と中空の可撓性部材との相対的な長さの差を変える手段を設けるものである。 【0022】上記目的を達成するため、本発明に係る処置具のさらに他の発明の構成は、先端の処置機構部と、中空の可撓性部材と、これら処置機構部と可撓性部材との間にあって処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材の中空内に湾曲部の伸びを制限する手段を設けるとともに、弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、前記湾曲部の伸びを制限する手段によって制限された長さより短く、前記弾性部材が最も圧縮された時の長さ以上の長さの弾性部材の圧縮を制限する手段を前記湾曲部に設け、弾性部材をこの伸びを制限する手段及び圧縮を制限する手段との間で伸縮自在にするものである。 【0023】そして好ましくは、前記中空の弾性部材を、弾性チューブとするものである。また好ましくは、前記圧縮を制限する手段を、処置機構部もしくは中空の可撓性部材のいずれかに取り付けられた柱状突起とするものである。 【0024】さらにまた、好ましくは、前記圧縮を制限する手段を、処置機構部もしくは中空の可撓性部材のいずれかに取り付けられた環状突起とするものである。 【0025】上記目的を達成するため、本発明に係る処置具のさらに他の発明の構成は、先端の処置機構部と、この処置機構部を操作するための操作部材と、これら処置機構部と操作部材との間にあって前記処置機構部の首振りを行うための湾曲部とを備える処置具において、前記湾曲部を伸縮自在で柔軟な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記湾曲部に設けるものである。 【0026】そして好ましくは、前記伸びを制限する手段は、前記弾性部材の中空部内に設けるものである。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。 【0028】図1は、本発明の第1の実施例に係る処置具の縦断面図で、処置具先端の把持機構部及び湾曲部を示す。図2は、処置具の操作機構部の縦断面図である。 【0029】同図に示すように、処置具は、基本的には、先端の把持機構部4と、湾曲部10と、把持機構部1を操作するための操作機構部11と、これら湾曲部10と把持機構部4との間にあってこれらを接続している可撓性を有するシース6とから構成されている。 【0030】図1において、1は把持部で、対象物を把持するためのものであり、2はリンク部で、支点2a,2bで支持されてリンク機構が構成され、把持部1と一体になっていて把持部1の先端を開閉させるためものである。このリンク部2は、詳細な図示を省略しているが、後述のプッシュロッドを図示左方向へ押し込む(移動させる)と開き、図示右方向へ引く(移動させる)と閉じる公知のリンク機構で構成されている。3は基部で、リンク部2が開閉動作可能なように保持されている。これら把持部1と、リンク部2及び基部3とによって処置機構部4が構成されている。 【0031】5はプッシュロッドで、可撓性を有し、リンク部2に把持部1とは反対側の端部に取り付けられており、後述する操作機構部11の操作力を把持機構部4へ伝えるためのものである。6はシースで、チューブ状の可撓性部材(直径:概ね1mm)で形成され、プッシュロッド5が挿通されている。なお、このシース6は、密巻きコイルなどで構成してもよい。7は端板で、シース6の端部に固定されている。 【0032】8は弾性部材で、柔軟なコイル形状の部材から構成されており、前記基部3とシース6の端板7との間に介在している。9は湾曲部長さ制限ワイヤ(座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段)で、前記プッシュロッド5が挿通するための中空状の天然繊維素材で形成され、一端は前記基部3に固定され他端は端板7に固定されている。この湾曲部長さ制限ワイヤ9は、前記弾性部材8によって構成される湾曲部10が所定の長さ以上へ伸長することを制限するものである。なお、弾性部材8は、合成素材(合成繊維素材・合成シート素材など),超弾性を有する金属素材から構成してもよい。 【0033】この湾曲部10は、処置具の先端を意図する方向へ向けるための部位であり、湾曲部10の内部には、処置具の構造により、処置具先端の術具部分に本実施例のような操作力、変位のほかにエネルギなどを伝達する手段が通っている場合もある。また、湾曲の曲率半径が小さくなれば、屈曲の表現が適切な場合もあるが、本実施例では、湾曲はこの屈曲も含み、湾曲動作を、「首振り」と称する。 【0034】また、伸縮自在で柔軟とは、処置具先端を駆動するために伝達される操作力、たとえば、把持部1を開閉させるためのプッシュロッド5の押し出しによって伸びが発生するような弾性を有することを意味する。 【0035】次に、図2によって、操作機構部について説明する。 【0036】11は操作機構部で、基本的に、一端にキャップ12、他端に端板13が取り付けられ、スリット孔14aを有する外套14と、こ外套14内を移動自在なスライダ15と、このスライダ15を外套14外から操作する操作部16とから構成されている。 【0037】また、キャップ12には、プッシュロッド5が貫通する孔13aが形成されており、この孔13aを通してプッシュロッド5が前記スライダ15に固定されている。 【0038】さらに、操作部16は、スリット孔14aの上限14b,下限14cによってストロークが制限され、ストローク限界を有している。 【0039】図3によって、把持部1の把持(開閉)動作について説明する。 【0040】まず、操作者が操作部16を介してスライダ15を図示左方向へ移動させ、プッシュロッド5を押し込む。湾曲部10ではプッシュロッド5の押し出される操作力により弾性部材8が伸ばされる。この時、弾性部材8の長さは湾曲部長さ制限ワイヤ9により、伸びが制限され、プッシュロッド5の力はリンク部2を駆動し、把持部1が開く。 【0041】プッシュロッド5を引くと弾性部材8が圧縮される。弾性部材8はコイルが密着した状態で圧縮は制限され、プッシュロッド5の操作力はリンク部2を駆動し、把持部1を閉じることができる。 【0042】図3は、湾曲部10を湾曲させた状態を示すもので、湾曲する弾性部材8の内側は柔軟に縮み、外側は柔軟に伸ばされる。湾曲部10内の湾曲部長さ制限ワイヤ9は繊維質なので柔軟に撓み、湾曲の妨げになることはない。 【0043】したがって、従来の処置具のように、伸縮性のない湾曲部を持つ処置具を湾曲させた時に比べて、小さな曲率半径の湾曲を行うことが可能となる。すなわち、湾曲部10が発生する反力や抵抗を低く抑え、湾曲の曲率半径を小さくすることが可能になる。 【0044】湾曲部10の湾曲方向は任意なので、たとえば、この処置具を後述する内視鏡の挿通チャネル内の挿入部内で回転させれば、挿通チャネルの湾曲方向に対して、処置機構部4の開閉する向きを任意方向に変えることができる。 【0045】図4,図5及び図6によって、この処置具を内視鏡の挿通チャネルに挿入する場合を例にとって、「挿入」「首振り」「開閉」「引き抜き」のそれぞれの状態について説明する。 【0046】内部が中空になっている挿通チャネル19の先端には関節部20が取り付けられており、この関節部20は図4に示すように、実線矢示19a方向に首振り自在になっている。また、挿通チャネル19は、実線矢示19b方向に回転自在で、かつ、実線矢示19c方向に並進自在になっている。この挿通チャネル19へは、図4に示すように、駆動部21の挿入口22から挿入される。 【0047】図5及び図6によって、関節部20の動作を説明する。 【0048】駆動部20は、関節先端部20a及び関節基部20bとから構成され、支点23によって首振り自在に結合されている。24は首振り側駆動ワイヤで、一端が関節先端部20aに取り付けられ、他端は駆動部21に取り付けられて引っ張られるようになっている。同様に、25は戻し側駆動ワイヤで、一端が関節先端部20aに取り付けられ、他端は駆動部21に取り付けられて引っ張られるようになっている。 【0049】駆動部21が、首振り側駆動ワイヤ24を引っ張ることによって関節先端部20aは首振り状態となり、戻し側駆動ワイヤ25を引っ張ることによって元に戻され、実線矢示19a方向の首振りを行う。また、駆動部21は、挿通チャネル19に対し実線矢示19b方向の回転及び実線矢示19c方向の並進を行なう機能も有し、関節部20の首振りと併せて3自由度の機能を有する。 【0050】また図5は、挿通チャネル19に処置具を挿入し、関節先端部20aから把持部1及びリンク部2が突き出ている状態を示している。 【0051】処置具を挿入する時、挿通チャネル19内では図7に示すように、処置具の処置機構部4やシース6と挿通チャネル19の内壁とが接触し、摩擦が生じる。この摩擦により湾曲部10には弾性部材8を圧縮する力が発生する。弾性部材8は最小長さまで縮むと湾曲部10の長さが固定された状態になる。湾曲部長さ制限ワイヤ9は繊維素材から構成されているので、湾曲部10の縮みに応じて自由に撓むことができるため、湾曲部10が縮む時に抵抗になることはなく、撓んだ後に、塑性変形が残ることもない。また、最も圧縮された状態でも湾曲部10内部に一定量の空間が確保されているため、湾曲部長さ制限ワイヤ9の接合部などの圧迫による破損を回避できる。 【0052】この時、湾曲部10の圧縮に応じてプッシュロッド5は押し下げられるが、手元の操作機構部11でプッシュロッド5と連結されたスライダ15が滑ることで、プッシュロッド5自体に大きな力がかかることはない。 【0053】以上のように、湾曲部長さ制限ワイヤ9を繊維素材から構成することで、処置具を挿通チャネル19内部に容易に挿入することが可能となり、挿入時の座屈,撓みなどにより塑性変形の影響が残ることもない。湾曲部10が圧縮された時も、湾曲部内部にある接合部分などが圧迫により破損することを回避できる。 【0054】また、本実施例の湾曲部は首振りに対して反発する力が少ないため、操作する者の意図する通りにスムーズに処置具の先端の処置機構部4を誘導できる。 【0055】このとき、湾曲部長さ制限ワイヤ9は、経路が短くなる場合は自然に撓むが、湾曲部10が伸ばされる側はいっぱいに引っ張られている。よって、プッシュロッド5の操作力をリンク部2へ伝達できるため、首振りを行った状態でも把持部1の開閉が可能である。 【0056】引き抜きの時、図示していないが、挿入時と同様に処置具と挿通チャネル19の内壁との間で摩擦が生じることがある。この時、湾曲部10を伸ばされる方へ力が発生するが、湾曲部長さ制限ワイヤ9により、一定以上の長さに伸ばされることがないため、湾曲部の破損を防ぐことができる。 【0057】以上説明するように、本実施例により、処置具の挿通チャネル19への挿入及び引き抜きが容易にでき、さらに従来より小さな曲率半径で先端を自在に湾曲させることが可能である。 【0058】図8は、本発明の第2の実施例に係る処置具の操作機構部の縦断面図である。 【0059】本実施例は操作機構部の処置機構部側端部にプッシュロッド5の長さを調整する手段を設けたものである。 【0060】詳細には、シース6の端部にはネジ部26が形成され、このネジ部26は、外側ネジ部26a及び内側ネジ部26bの2個所に形成されている。このネジ部26が形成されているシース6の端部と、操作機構部27の外套14に回転自在に嵌め合わされている回転アダプタ28の凹部との間には弾性ばね29が挟み込まれており、また、プッシュロッド5が挿通される孔13aが形成されている。回転アダプタ28は2部材(28a,28b)から構成されており、部材28a部分の凹部内壁にはネジ部30が形成されている。 【0061】上記構成により、回転アダプタ28のみを回転させ、ネジ部26aとネジ部30とを締め合わせる。アダプタ28の部材28aがシース6側のネジ部26aもしくは26bと締め合わされると、それぞれのネジ部26a、26bの位置により、操作機構部27からのシース6の長さを変えることができる。 【0062】たとえば、ネジ部26aとネジ部30とを締め合わせると、シース6の長さは短くなり、シース6の長さに比べてプッシュロッド5の長さが長くなるため、スライダ15は後方へ移動しストローク下限15bに近づく。また、プッシュロッド5がシース6に比べて長くなるため、湾曲部10では、プッシュロッド5が押し込まれた状態となる。 【0063】湾曲部10の伸びは有限であり、かつ、操作部16のストロークにも下限14cがある。よって、ネジ部26aとストローク下限14cとの位置関係は、ネジ部26aとネジ部30とを締め合わせた時に、湾曲部10が所定の余裕分の伸びを残して伸ばされた状態となり、かつ、操作部16がストローク下限14cに接触する状態となるように位置決めして構成する。 【0064】この時、処置機構部4を開閉するために必要な操作力を湾曲部10を伸ばす力より強くすることで、湾曲部10が伸びきるまで処置機構部4の開閉は行なわれない。スライダ15はそれ以上に引かれることはないので、結果として、湾曲部10の弾性部材材8が伸ばされた状態で固定される。これにより、処置機構部4の開閉に伴う湾曲部10の伸びもしくは縮み動作がなくなり、実施例1で示した操作機構部11を使用した時よりも処置機構部4の開閉がスムーズに行なえる。よって、処置機構部4の開閉動作の操作性をより高めることができる。 【0065】次に、ネジ部26bとネジ部30とを締め合わせると、シース6の長さは長くなり、シース6の長さに比べてプッシュロッド5の長さが短くなるため、スライダ15は前方へ移動しストローク上限14bに近づく。また、プッシュロッド5がシース6に比べて短くなるため、湾曲部10では、プッシュロッド5が引かれた状態となる。 【0066】湾曲部11の圧縮量は有限であり、かつ、操作機構部11のストロークも上限14bがある。よって、ネジ部26bとストローク下限15aとの位置関係は、ネジ部26bとネジ部30とを締め合わせた時に、湾曲部10がちょうど圧縮しきった状態となり、かつ、操作機構部15がストローク上限14bに接触するような状態となるように位置決めして構成する。 【0067】この時、先端の湾曲部10の弾性部材材8が圧縮された状態で固定される。これにより、処置具の挿入及び引き抜きに伴う湾曲部10の伸びもしくは縮み動作がなくなり、実施例1で示した操作機構部11を使用した時よりも挿通チャンネル19への処置具の挿入もしくは引き抜きがスムーズに行なえる。よって、処置具の挿入及び引き抜き時の操作性をより高めることができる。また、挿入及び引き抜きのたびに発生する湾曲部11の伸びもしくは縮みが抑制され、さらに、プッシュロッド5にかかる余計な力を軽減できるので、製品寿命を伸ばす効果も期待できる。 【0068】湾曲部長さ制限ワイヤ9の素材は、上記したように、合成樹脂素材でも、超弾性を有する金属素材でもよい。たとえば、図には示していないが、超弾性を有する金属素材を用いることで、実施例1に示すように天然繊維素材を用いた時に比べ、耐久性を伸ばすことが可能であることに加え、柔軟な曲げに対応することが可能であり、かつ、小さな曲率半径で湾曲部10を首振りさせた時にも、湾曲部長さ制限ワイヤ9に塑性変形を残すことがない。 【0069】図9は、本発明の第3の実施例に係る処置具の湾曲部の縦断面図である。 【0070】湾曲部長さ制限ワイヤ31は、図10に示すように、一体的に形成されている。すなわち、基部3及びシース6に接するフランジ部31a,31b及びワイヤ部31cを一体的に形成したものであって、ワイヤ部31cは伸びがなく、かつ、柔軟な素材(たとえば、天然繊維素材もしくは合成樹脂など)のもので形成されている。 【0071】湾曲部10の最小長さは、弾性部材8によって制限されるため、ワイヤ部31cとフランジ部31a,31bとの接合が圧縮により破損することはない。 【0072】本実施例によれば、一体的に形成することによって、ワイヤ部31cがフランジ部31a,31bに確実に固定され、安全性を高めることができるとともに、組み立てが容易になる、という効果がある。 【0073】図11は、本発明の第4の実施例に係る処置具の湾曲部の縦断面図である。 【0074】32は中空の弾性部材で、柔軟で伸縮性を有し、薄い弾性チューブ状のものから製作されており、端部が基部3及びシース6に固定されている。33は柱状突起で、基部3に取り付けられており、湾曲部10を圧縮した時に弾性部材32の最小長さを規定する作用を有している。なお、突起33は、シース6側に取り付けてもよい。図12は、圧縮した時の状態を示している。 【0075】本実施例によれば、図1に示す実施例と同様の効果が得られる。 【0076】図13は、本発明の第5の実施例に係る処置具の湾曲部の縦断面図である。 【0077】34は筒状部材で、柔軟で伸び率が低く、かつ、座屈もしくは撓みを生じ易い材料から製作されており、端部が基部3及びシース6に固定されている。この筒状部材34の材料は、図1の実施例で、湾曲部10の伸びを制限する手段として使用した天然繊維素材などを筒状に編み、もしくは湾曲部10の円周上に複数本筒状に並べて構成する。35は環状突起で、基部3及びシース6に固定されており、湾曲部10の圧縮を制限するためのものである。 【0078】なお、図13で示す処置具は、単体で使用すると先端が撓んでしまうため、図4で示す挿入チャネル等のガイド機器に挿入して使用することが必要である。 【0079】図14に、湾曲部10を圧縮した時の状態を示す。 【0080】本実施例によれば、図1に示す実施例と同様、撓みに対して柔軟であるため、任意方向への小さな曲率半径の首振りが可能である。 【0081】また、筒状部材34は柔軟でありながら、伸びが制限されているため、図1の実施例で必要とした湾曲部10の伸びを制限する手段を必要としない。 【0082】さらに、環状突起35は、図10で示す柱状突起に比べて外力に対し破損を生じにくいため、安全性と耐久性の向上に効果がある。 【0083】図15は、把持機構を持たない処置具の第6の実施例の縦断面図である。 【0084】処置具の先端には、針状部材36が基部3の端部に取り付けられている。37は湾曲部長さ制限ワイヤで、一端が基部3に取り付けられ、他端がワイヤ固定部材38に取り付けられている。39は操作ワイヤ(操作部材)で、ワイヤ固定部材38に取り付けられている。 【0085】操作者は操作ワイヤ39を用いて、処置具の挿入もしくは引き抜きを行う。この処置具は、図4に示す内視鏡挿通チャネルに挿入し、針先を操作者の意図する位置に小さな曲率半径で正確に誘導することができる。 【0086】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、湾曲部を伸縮自在な中空の弾性部材により形成し、この弾性部材を湾曲部の軸線方向に伸ばした時に、弾性部材が弾性限界に達する時の湾曲部の長さより短く、弾性部材を圧縮限界まで圧縮した時の湾曲部の長さより長く、座屈もしくは撓み性を有し、弾性部材の伸びを制限する手段を前記弾性部材の中空部内に設けることにより、従来の処置具より、より小さな曲率半径で先端を自在に湾曲させることができる処置具を提供することができる。 【0087】また、圧縮された時でも湾曲部内部に設けた湾曲部の長さを制限する手段により、湾曲部自体の伸びが弾性限界に達する危険を回避することが可能となることから、柔軟で伸縮性の高い湾曲部を持ちながら、挿通チャネルへの挿入もしくは引き抜きが容易にでき、耐久性,安全性及び実用性の高い処置具を提供することができる。 【0088】さらに、挿入もしくは引き抜きのたびに発生する湾曲部の伸び縮みが抑制され、プッシュロッドにかかる余計な操作力を軽減できるので、製品寿命を伸ばすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年11月17日(1999.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068504 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−137251(P2001−137251A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−327390 |
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