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【発明の名称】 X線吸収用のグリッド
【発明者】 【氏名】ペーター フリシコウスキ

【氏名】シュテファン シュナイダー

【氏名】ヨーゼフ ラオター

【氏名】ヘルフリート カルル ヴィチョレク

【要約】 【課題】本発明は、散乱放射を低減させ、簡単で頑強に製造され、大面積の散乱防止グリッドに対しても満足にいく散乱防止グリッドを提供することを目的とする。

【解決手段】耐久性と散乱放射減衰の質を増大させるため、くし形ラメラ(11)がそのくし形ラメラ(11)を支える関連くし形基部面を横に延在するように、電磁放射を吸収し、かつ、グリッドを形成することを目的とする、くし形要素(12)のあるグリッド(3)を構築する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁放射を吸収し、グリッドを形成させることを目的とするくし形要素を具備するグリッドであって、くし形ラメラは前記くし形ラメラを支える関連くし形基部面を横に延在することを特徴とするグリッド。
【請求項2】 くし形要素は二重のくし形構造を有し、二次元のグリッドを形成するようにラメラを交互に配設されることを特徴とする請求項1に記載のグリッド。
【請求項3】 くし形要素のくし形構造は焦点スポットに集束することを特徴とする請求項1又は2に記載のグリッド。
【請求項4】 くし形要素は端部の溝によりフレームに固着されることを特徴とする請求項1又は2に記載のグリッド。
【請求項5】 くし形要素は溝で接着されていることを特徴とする請求項4に記載のグリッド。
【請求項6】 くし形要素はX線を吸収することを特徴とする請求項1に記載のグリッド。
【請求項7】 請求項1に記載されたX線吸収用のグリッドを具備する検出器。
【請求項8】 X線を吸収するように検出器の前に配設させた、請求項1に記載のグリッドを具備するX線装置。
【請求項9】 電磁放射を吸収するくし形要素を有するグリッドの製造方法であって、くし形ラメラを支える関連くし形基部面を横に延在するくし形ラメラのあるくし形要素は二次元のグリッドを形成するように配設されることを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁放射を吸収し、グリッドを形成する目的であるくし形要素を具備するグリッドに関する。
【0002】
【従来の技術】上記種類のグリッドは、検査される組織の減衰特性を変化させて生じる、特性X線信号がX線検出器に入射する前に、患者の組織にて生じる散乱放射を吸収する散乱防止グリッドとして、X線技術では利用されている。
【0003】米国特許第5,099,134号には、コリメータ(散乱防止グリッド)とかかるコリメータの製造方法が開示されている。そのコリメータはX線を吸収するフレームにより構成されており、第一の及び第二の区分プレートが配設されている。各区分プレートはその区分プレートの長手方向に延在するスリットを備えており、そのスリットにより第一の区分プレートは適切な角度で第二の区分プレートに挿入されている。矩形フレームの内部側には区分プレートの各端部を収納する働きがあるスリットが設けられている。
【0004】区分プレートの複雑な構造により、かかる散乱防止グリッドの製造に一定の制限が課かる。例えば、大規模面積の検出器に利用される大きな寸法の散乱防止グリッドの製造は、困難であることが判明している。なぜならば、大きな区分プレートの湾曲により、区分プレートのスリットの簡単で、かつ、正確なメッシュの邪魔になるからである。
【0005】大規模面積の散乱防止グリッドは、例えば、マルチラインコンピュータ制御X線断層撮影(以下、「CT」という)装置に利用される。その場合、検出器の長さはすこぶる長い。コンピュータ制御X線断層撮影のX線源により発せられたX線は、患者を横行し、被検査組織若しくは骨の厚さ及び化学的組成の変化に応じて減衰する。同時に、X線信号は散乱放射する。被形成一次X線画像を曲げるかかる散乱放射を低減させるために、X線は放射源の焦点スポットに集束する散乱防止グリッドを横行する。
【0006】このようにして、照射対象物の減衰の特徴であるX線量子のみが、X線量子の検出中に検出されることが達成される。
【0007】CT検査装置の構造は、放射源が患者の周辺で回転するガントリーにある検出器に対向して設置され、その患者はフラットベッドによりゆっくりと変位される。散乱防止グリッド及びX線検出器へ移動する際のガントリーの振動は、被形成画像の質に負の効果をもたらす。かかる負の効果を真似ることができず、その後の画像加工中にかかる画像を変形させる効果を限られた程度に低減させることができる。
【0008】迅速なX線手順を達成させるために、X線ビーム幅を増大させる。したがって、被検査対象物の大きな面を単一走査にてスキャンし、さらに大きな体積をスキャンする。しかしながら、これには散乱放射成分が増大するという欠点が存在する。かかる増大する散乱放射成分を低減させるために、散乱防止グリッドの高さを高くする。しかしながら、公知の散乱防止グリッドは、上記目的のために十分な研究がなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、散乱放射を低減させ、簡単で耐久性があるように製造され、大面積の散乱防止グリッドに対しても申し分のない散乱防止グリッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、電磁放射を吸収し、グリッドを形成させることを目的とするくし形要素を具備するグリッドであって、くし形ラメラは前記くし形ラメラを支える関連くし形基部面を横に延在することを特徴とするグリッドにより達成される。
【0011】散乱防止グリッドは、一次X線がグリッドを介して下に配設された各検出器に入射するように、X線検出器上に配設される。
【0012】その散乱防止グリッドは、X線を吸収し、くし構造を有し、フレームに固定された複数のくし形要素からなる。そのくし形要素は、好ましくは矩形基本形を有し、基部プレートの面から形成されたくし形基部面へ横に延在するくし形ラメラを具備する。上記くし形ラメラはくし形構造を形つける。そのくし形ラメラは放射源の焦点スポットに集束し、くし形要素の頂部にあるくし形ラメラ間の距離は底部にあるものの距離よりも短い。複数のかかるくし形要素は、くし形ラメラが基部面境界を横に延在し、関連くし形基部面により最も近接するくし形要素と接するように配設される。これにより、ニ次元のグリッド構造になる。くし形ラメラとくし形ラメラの深さとの間の距離は、散乱防止グリッドの解像度を決める。上記二次元グリッドのグリッド開口部は、入射X線の方向に配向している。
【0013】個々のくし形要素の側面は、溝によりフレームに固着されている。リンクされるべきくし形要素の数は、利用されるX線検出器の寸法により決まる。CT装置の場合、X線検出器の長さは、通常、その幅の数倍に達する。そのくし形要素はうまく頑丈で、かつ、安定しているので、数多くのくし形要素がフレームに配設され、よって大面積のX線検出器をカバーする大面積の散乱防止グリッドを形成する。
【0014】X線露光の場合、検査した領域に特徴的であるX線は、X線検出器にて変換され、例えば、感光センサにより読取られる、又はフィルムに露光するように利用される光に変換される。
【0015】デジタルX線検出器の場合、画像形成はセンサにより読取られる。上記の個別の露光では、画素に画像化される関連検査ゾーンのX線量子は、関連検出器素子のみで変換され、下に位置する対応するセンサにのみ検出されることが重要である。検出器の解像度に対応する検査ゾーンに特徴的であるX線量子は、散乱防止グリッドの関連グリッド開口部を介して、直接関連検出器素子に達する。検出器の解像度に対応する検査ゾーンに特徴的であるX線量子は、散乱防止グリッドの対応するグリッド開口部を介して、関連検出器素子に直接導かれる。横方向に散乱した放射は、散乱防止グリッドのグリッド構造により吸収される。
【0016】別の実施態様での散乱防止グリッドは、二重のくし形構造と平面ラメラとを有するくし形要素からなる。そのくし形要素は、基部プレートの両側の基部プレートの横方向に延在するくし形ラメラを有する。上記二重のくし形要素のくし形ラメラは、基部プレートの両側へ二つのくし形基部面を横に延在する。散乱防止グリッドでは、二重のくし形要素と平面ラメラは、いつでも交互にリンクしている。これによりグリッドになる。その二重のくし形要素とラメラはフレームにより保持される。
【0017】くし形要素のくし形ラメラは配向して放射源の焦点スポットに集束する。X線は所定の角度で散乱防止グリッドに入射する。直接のX線は妨害無しに散乱防止グリッドを通り、グリッドの配向は放射角度に適合させなければならない。この目的のため、くし形要素の頂部にあるラメラ間の距離は、くし形要素の底部にあるくし形ラメラ間の距離よりも短い。
【0018】さらに、湾曲したX線検出器の場合、散乱防止グリッドはX線検出器の曲率に適合させる必要がある。この目的のために、くし形ラメラの深さはくし形要素の低部に向かって増し、その結果X線検出器の曲率に対応する湾曲が、複数のくし形要素を組立てた際に得られる。
【0019】くし形要素が固着されているフレームは、X線検出器の形に適合させる。溝がそのフレームの内部面に設けられる。溝の厚さ(深さ)はくし形要素の壁の厚さに対応しており、溝の形により保持される。また、そのくし形要素は前記溝に接着されている。
【0020】また、本発明の目的は、X線吸収用のグリッドを有する検出器によっても達成される。
【0021】さらに、本発明の目的は、その検出器の前に配設されたX線吸収用のグリッドを具備するX線装置により達成される。
【0022】本発明の目的は、また、電磁放射を吸収するくし形要素を具備するグリッドの製造方法により達成され、くし形ラメラを支える関連くし形基部面に垂直に延在するくし形ラメラのあるくし形要素は、二次元グリッドを形成するように配設される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施例は、図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【0024】図1は、放射源2が設置されたガントリー1を具備するコンピュータ制御X線断層撮影装置を示す。上に配設された散乱防止グリッド3のあるX線検出器8を設置して、放射源2に対面している。テーブル6上の患者5は、ビーム経路4に導入される。ガントリー1は患者5の周辺で回転する。検査ゾーン7は全面から照射される。患者5は水平方向に、回転ガントリーを通して滑動し、体積画像を複数の断面画像により入手する。一回転中に走査されたゾーンは、シングルラインX線検出器の場合よりは、二次元X線検出器8の場合の方が実質的に大きい。結果として、患者5はガントリー1を速く滑動することができる。
【0025】図2乃至図5は、片側くし形要素12を、数図にて表わす。図2は、片側くし形要素12の平面図である。この片側くし形要素12は、X線を吸収する材料からなり、例えば、真鍮、モリブデン、タングステンなどである。くし形要素12のくし形構造は、基部プレート10を横に延在するくし形ラメラ11により構成される。くし形要素12の高さは特定の応用に応じて変化する。この点に関する決定的な基準は、1回走査により照射される表面積である。散乱放射に対する有用な放射の割合は、走査当りのX線により照射される表面の幅が増すにつれ、悪くなる。通常、くし形要素12は、略2乃至6cmの高さを有する。全体の信号に散乱放射が含まれれば含まれるほど、散乱防止グリッドを高くしなければならない。くし形要素12、若しくはさらに基部プレート10の幅は、X線検出器8の幅により支配される。かかるくし形要素12から構築された散乱防止グリッド3は、X線検出器8を完全にカバーしなければならない。大面積のフラットX線検出器の場合、したがって、くし形要素12は、コンピュータ制御X線断層撮影にて利用されるより狭いマルチライン若しくは二次元X線検出器8の場合よりも、幅が広い。くし形ラメラ11の深さと個々のラメラ11間の距離Dとにより、かかる散乱防止グリッド3の画素サイズが決まる。コンピュータ制御X線断層撮影装置の二次元X線検出器8の場合、画素サイズは略1x1乃至2x5mmに達する。
【0026】複数のくし形要素12は、X線がくし形ラメラ11と基部プレート10とにより形成されたグリッド開口部を通過するように、入射X線に対して配向する。
【0027】X線は焦点スポットにてX線源から発せられ、上記スポットから放射角度で発散する。効果的なフィルターリング、又は可能な限り一次放射を透過させるために、くし形ラメラ11は基部プレート11に配設され、上記焦点スポットに向かって配向させる、又は上記焦点スポットに集束される。これを図4に示す。基部プレート10の上端部のくし形ラメラ11間の距離Dは、基部プレート10の低端部のくし形ラメラ11間の距離Dよりも短い。
【0028】コンピュータ制御X線断層撮影装置のX線検出器8は曲率に適合するので、したがって、散乱防止グリッド3を適合させる必要がある。図3は、基部プレート10の上端部でのくし形ラメラ11の深さは、基部プレート10の下端部のそれよりも小さいことを示している。長いX線検出器の場合に、小さな散乱防止グリッドセグメントを断片毎に組立ることは可能である。
【0029】図6は、複数の片側くし形要素12の連接状態を示す。(図3の)上端部及び下端部でのくし形ラメラ11の異なる深さのため、散乱防止グリッド3はX線検出器8の曲率に容易に適合させることができる。散乱防止グリッド3の曲率は、フレーム13にある溝14の配置により、さらに課される。
【0030】図7は、X線シャドーを発生させる、フレーム13の複数の片側くし形要素12の配置を示す。フレーム13の内部には、図8に示す溝14が設けてある。その溝14は、複数の片側くし形要素の基部プレート10の側面を受ける。そのくし形要素12は、いずれかの実行可能な方法で接着又は固着される。くし形要素12を押圧することによる機械的固定も実行可能である。散乱防止グリッド3は、複数の片側くし形要素12を連接させることにより形成される。一つの基部プレート10のくし形ラメラ11は、隣接基部プレート10の後側に近接する。かかる散乱防止グリッド3の長さは、くし形要素12の数の選択により増大する。
【0031】散乱防止グリッド3の別の実施例を、以下、詳細に説明する。図9乃至図12は両側くし形要素15と、かかる要素及びラメラ19から組立てられた散乱防止グリッド3を示す。図9は、二重のくし形構造のある両側くし形要素15を示す。それは、ラメラ16及び18を備えた基部プレート17からなる。くし形ラメラ16及び18は、基部プレート17の両側に配設され、基部プレート17により形成されたくし形基部面を横に延在する。片側くし形要素12の集束のための上記構造は、上記両側くし形要素15にも利用できる。さらに、X線検出器8の曲率をまねるために、くし形ラメラ16及び18は、基部プレート17の上端部のくし形ラメラ16及び18よりも、基部プレート17の低端部でより深い。
【0032】図11は、平面ラメラ19(図10)と両側くし形要素15の組立体を示す。両側くし形要素15及びラメラ19は。フレーム13に交互配置で取付けられ、散乱防止グリッド3を構成する、くし形ラメラ16及び18は各隣接ラメラ19と近接する。散乱防止グリッド3の長さは、利用する両側くし形要素15とラメラ19の数を増やすことにより増大する。
【0033】散乱防止グリッドはコンピュータ制御X線断層撮影だけでなく、放射線医学にも利用される。その場合、散乱防止グリッド3は湾曲している必要はない。なぜならば、X線検出器8は平坦であるからである。かかる散乱防止グリッドは、通常、今までに説明したグリッド以外の寸法を有する。しかしながら、上記分野の応用では、振動はほとんど発生しない。上記の散乱防止グリッドのフレームは大きく、さらに利用すべきくし形要素12又は15もさらに大きい。くし形要素15の高度な固有安定性のため、散乱防止グリッドのかかる実施例は、広範囲な応用に適する。
【0034】かかるくし形要素15の製造には、幾つかの方法が利用可能である。散乱防止グリッドの解像度又は画素サイズに依存するが、くし形要素12又は15は、例えば、ミリング、焼結又は射出成形により作られる。射出成形法の場合、X線を吸収する材料を基礎の材料の添加することもできる。
【0035】さらに、散乱防止グリッド3は、ラメラ19を配置させなくても両側くし形要素15を連接させることにより形成させることも可能である。
【0036】フレーム13を利用する代わりに、散乱防止グリッドを形成させるように、空間を利用しながら、くし形要素12又は15を配設させることも可能である。
【0037】かかる散乱防止グリッドは、くし形要素のくし形ラメラ間の距離を変化させることにより、特別な応用に適合させることが可能である。例えば、散乱防止グリッドの内部若しくはコア領域に対して高解像度を実現させることも可能である。これはすこぶる微細なメッシュを有するグリッドにより達成できる。解像度は、散乱防止グリッドによりカバーされるX線検出器の端部領域にて低く、散乱防止グリッドのグリッド開口部は大きい。
【出願人】 【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−137234(P2001−137234A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願2000−298017(P2000−298017)