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【発明の名称】 身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを捕捉する方法及び装置
【発明者】 【氏名】フォルカー ラッシェ

【氏名】ミヒャエル グラス

【要約】 【課題】短期間内でデータ処理を可能する一方で患者の放射線被爆量を可能な限り少なくし、可能な限り質が高い画像を実現する。

【解決手段】身体の臓器11の周期的な動きに関連する運動信号が投影データセットの捕捉と同時に測定され、動く臓器11の三次元画像データセットを捕捉する方法及び装置に関する。三次元画像データセットの形成に必要な投影データセットを一つの面におかれた異なるX線位置から連続的に捕捉し、投影データセットが三次元画像データセットの形成に要求される各X線位置において身体の臓器11の動きが小さいフェーズ中に捕捉されるようX線装置を運動信号を用いて制御し、又、動きが小さいフェーズ中に捕捉された投影データセットを上記三次元画像データセットの形成に使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源と、X線検出器とを含み、投影データセットの捕捉と同時に身体の臓器の周期的な動きに関連する運動信号を測定するX線装置を用いて患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを捕捉する方法であって、上記三次元画像データセットの形成に要求される上記投影データセットは、一つの面におかれた異なるX線位置から連続的に捕捉され、上記X線装置は、上記三次元画像データセットの形成に要求される上記投影データセットが上記各X線位置において上記身体の臓器の動きが小さいフェーズ中に捕捉されるよう上記運動信号を用いて制御され、上記動きが小さいフェーズ中に捕捉された上記投影データセットは、上記三次元画像データセットの形成に使用されることを特徴とする方法。
【請求項2】 同じ動きの量のフェーズ中に捕捉された上記投影データセットだけが選択され使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 多数の上記X線位置はX線周期に連続的に占有され、複数の上記X線周期は連続的に完結され、上記X線装置は上記各X線周期が上記身体の臓器の動きの異なるフェーズで始まるように上記運動信号を用いて制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】 上記X線装置は、上記投影データセットが上記身体の臓器の動きが小さいフェーズ中にだけ捕捉されるように上記運動信号を用いて制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】 上記X線装置は、上記身体の臓器の上記動きが小さいフェーズ中にだけ上記投影データセットが捕捉されるよう上記X線源をオンにするように上記運動信号を用いて制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】 上記患者の呼吸に依存する呼吸運動信号は運動信号として捕捉されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】 心臓運動に依存する心臓運動信号、とりわけ心電図は、運動信号として捕捉されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】 上記心臓運動信号に加えて、上記呼吸運動に依存する呼吸運動信号が捕捉され、上記呼吸運動信号は、同じ上記呼吸運動フェーズ中に捕捉された上記投影データセットだけが上記三次元画像データセットを形成するために使用されることを確実にするために使用されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】 上記呼吸運動信号は、上記三次元画像データセットの形成中、異なる上記呼吸運動フェーズにおいて捕捉された上記投影データセット、及び、上記身体の臓器の位置の移動を補正するために使用されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】 上記呼吸運動信号は、上記投影データセットの捕捉が行なわれる所望の呼吸運動フェーズに達したことを上記患者に通知するために使用されることを特徴とする請求項6、8、又は、9記載の方法。
【請求項11】 上記運動信号は、上記投影データセットが個々の選択された上記X線位置から捕捉されるように上記X線装置を制御するために使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】 上記投影データセットから患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを形成するX線源と、X線検出器と、上記身体の臓器の周期的な動きに関連し上記投影データセットの捕捉と同時に捕捉される運動信号を測定する手段とを含み、異なるX線位置から複数の投影データセットを捕捉するとりわけ請求項1記載の方法を実施するX線装置であって、上記X線装置を制御し、上記三次元画像データセットの形成に要求される上記投影データセットが一つの面におかれた異なるX線位置から連続的に捕捉されるように上記三次元画像データセットを形成する算術及び制御ユニットが設けられ、上記投影データセットは、上記三次元画像データセットの形成に要求される各上記X線位置において上記身体の臓器の動きが小さいフェーズ中に捕捉され、上記動きが小さいフェーズ中に捕捉された上記投影データセットだけが上記三次元画像データセットの形成に使用されることを特徴とするX線装置。
【請求項13】 上記運動信号を測定する手段は、心臓の動きに依存する心臓運動信号を測定するために配置されることを特徴とする請求項12記載のX線装置。
【請求項14】 上記心臓運動信号を測定する手段は、心電図記録装置又は脈酸素飽和度測定装置を含むことを特徴とする請求項12記載のX線装置。
【請求項15】 上記運動信号を測定する手段は、呼吸運動に依存する呼吸運動信号を測定するために配置されることを特徴とする請求項12記載のX線装置。
【請求項16】 所望の呼吸運動フェーズに達したことを上記患者に通知する信号装置が設けられることを特徴とする請求項15記載のX線装置。
【請求項17】 上記呼吸運動信号を測定する手段は、超音波装置、横隔膜の動きを測定する腹部用ベルト、又は、上記患者の腹部域の抵抗性を測定する抵抗測定装置を含むことを特徴とする請求項15記載のX線装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1記載の通り、X線源と、X線検出器とを含み、投影データセットの捕捉と同時に身体の臓器の周期的な動きに関連する運動信号を測定するX線装置を用いて患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを捕捉する方法、並びに、請求項12記載の通り、投影データセットから患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを形成するX線源と、X線検出器と、身体の臓器の周期的な動きに関連し投影データセットの捕捉と同時に捕捉される運動信号を測定する手段とを含み、異なるX線位置から複数の投影データセットを捕捉するとりわけ上記方法を実施するX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線装置を用いて対象物の三次元画像データセットを捕捉するためには、異なるX線位置から複数の投影データセットを捕捉する必要があり、適切な再生アルゴリズムが使用される一方でその複数の投影データから三次元データセットが計算され、このデータセットから対象物の所望の画像が形成され得る。このような画像の質は、とりわけどれだけの投影データが捕捉され得るか、つまり、捕捉が行なわれる異なるX線位置の数、撮像されるべき画像とその周囲との間のコントラストのレベル、及び、投影データセットを捕捉する間の対象物の動きの量に依存する。全ての上記要素は、形成されるべき画像において望ましくないアーチファクトを生じさせ得る。
【0003】不十分なコントラストの問題は、例えば、造影剤を用いて解決され得る。例えば、冠状脈管の画像が形成されるべきとき、造影剤がこの冠状脈管中にカテーテルによって注入され得、この造影剤は冠状脈管の中に約4秒間おかれ、この期間に捕捉される投影データセットではこれらの脈管はその周囲に対して高いコントラストを示す。しかしながら、現在では、この期間中に三次元画像データセットの捕捉に必要な全ての投影データセットを捕捉することは可能でなく、造影剤を連続して何回か注入し、複数のX線周期中に投影データセットを連続して捕捉することが必要である。しかしながら、心臓が連続的に拍動、つまり、心臓が固有の運動を実施し、更に、患者の呼吸運動により心臓が上下するといった更なる問題が生じる。身体の他の関心臓器、例えば、肝臓又は脳もとりわけ心臓の拍動及び患者の呼吸運動により周期的に運動する。その結果、捕捉された投影データは、運動の異なるフェーズにおいて検査された身体の該臓器に関する情報を含み、このような投影データセットから決定された三次元画像データセットはアーチファクトを含む。
【0004】米国特許第5,383,231号は、X線源及びX線検出器が患者の周りを螺旋状に走査する動作の間に投影データセットが捕捉される、計算された計算機断層撮影(CT)システムを開示する。同時に、又、同特許から独立して、患者の心電図及び投影データセットからの三次元画像データセットがが記録され、投影データセットの捕捉中の患者台の移動を考慮して心臓の運動の所与のフェーズ中に捕捉された投影データセットだけを評価するよう、上記心電図のデータがCT画像の形成中に使用される。しかしながら、そこから三次元画像データセットを実現するためには、まず投影データセットからCT画像データセットを計算する必要があり、三次元画像データセットはこのCR画像データセットから挿入アルゴリズムを用いて形成され得る。更に、心電図の捕捉とX線装置による投影データセットの捕捉との間に直接的な繋がりは設けられてなく、誤った心臓の運動フェーズ中に捕捉された一連の投影データセットは評価されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の方法及び上述のX線装置を改善する、とりわけ、このようなX線装置の構成を簡略化し短期間内でデータ処理を可能する一方で患者が曝される放射線量を可能な限り少なくし、可能な限り質が高い画像を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、X線源と、X線検出器とを含み、投影データセットの捕捉と同時に身体の臓器の周期的な動きに関連する運動信号を測定するX線装置を用いて患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを捕捉する方法、並びに、投影データセットから患者の身体の周期的に動く臓器の三次元画像データセットを形成するX線源と、X線検出器と、身体の臓器の周期的な動きに関連し投影データセットの捕捉と同時に捕捉される運動信号を測定する手段とを含み、異なるX線位置から複数の投影データセットを捕捉するとりわけ上記方法を実施するX線装置を用いて実現される。
【0007】原則として、X線位置の数及び捕捉されるべき投影データの数を減少し、個々の投影データセットを挿入されたデータと置換することが可能である。しかしながら、これは常に画像の質を劣化させ、捕捉されたデータのこのような減少は所与の最低の限界にまでだけ続けられ得、この限界以下ではデータ処理中の様々な影響、例えば、不十分なサンプル処理速度による重畳の影響が三次元画像データセットの形成を殆ど可能にしない又は不可能にさえする。従って、本発明によると、検査されるべき身体の臓器の投影データセットは三次元画像データセットの捕捉に必要な各X線位置において捕捉され、つまり、周期的に動く身体の臓器の動きが小さいフェーズ中に毎回捕捉される。同時に、周期的に動く身体の臓器は、検査されるべき身体の臓器又は検査されるべき身体の臓器と同様の周期的な動きを引き起こす身体の臓器(例えば、検査されるべき身体の臓器は、心臓と同じ期間で動くように周期的な動きが心臓の周期的な動きと関連する脳)でもよい。同時に捕捉された運動信号は、本発明によるX線装置の制御及びデータの捕捉のために使用される。投影データセットの捕捉は、連続的に占有されるX線位置のシーケンスにおいて行なわれる必要はなく、個々のX線位置、又は、全てのX線位置を数回占有し毎回対応する投影データセットを捕捉することも可能であり、又、少なくとも一つの投影データセットが各X線位置における動きが小さいフェーズ中に捕捉されることを確実にするために必要であるに過ぎない。
【0008】本発明による方法の様々な興味深いバージョン及び本発明によるX線装置の様々な興味深い実施例は、従属項に記載される。患者の呼吸に依存する呼吸運動信号及び/又は心臓運動に依存する心臓運動信号、とりわけ心電図、が捕捉されるバージョンを使用することが特に有利である。X線装置の制御及びデータの捕捉のためにこれらの信号のうちのどちらが捕捉され使用されるかといった選択は、とりわけ検査されるべき身体の臓器の運動に何が影響を与えるかに依存する。例えば、心臓を考えると、心臓は回転的且つ並進的な運動を実施することが分かる。室が心臓から血液を収縮し放出する収縮フェーズにおける運動は、室が再び血液で徐々に充填され心臓が膨張する弛緩フェーズにおける運動よりもより明らかである。心臓のこの固有運動において、呼吸運動も重畳され、これは吸息中に心臓が患者の頭の方に移動し、後ろに僅かに傾けられる一方で呼息中に元の位置に戻るからである。
【0009】従って、本発明の更なるバージョンでは、患者の呼吸運動に依存する呼吸運動信号が捕捉され、それに基づいて、三次元画像データセットを決定するよう投影データセットが選択され、全てのこのような投影データセットは同じ呼吸運動フェーズ、例えば、呼息状態中に捕捉される。呼吸運動信号は、三次元画像データセットを形成するよう異なる呼吸運動フェーズにおいて捕捉された投影データセットを処理するために使用され得、検査されるべき身体の臓器の位置の移動は呼吸運動に基づいて補正される。これは、例えば、身体の臓器の運動又は位置が各呼吸運動フェーズにおいて既知であり、又は、モデルとして推測され得ることを意味する。
【0010】本発明の更なるバージョンでは、呼吸運動信号は、所望の呼吸運動フェーズ、例えば、呼息状態に達したことを患者に通知するために使用され得、それにより患者は、呼吸運動フェーズ中に可能な限り長い間息を止めることができ、可能な限り多くの投影データセットがこの時間の間に異なるX線位置から捕捉され得る。
【0011】本発明のバージョンにおいて捕捉されるような心臓運動信号は、三次元画像データセットを形成するよう心臓運動が収縮フェーズにおけるよりも著しく低い心臓運動の弛緩フェーズ中にだけ投影データセットを捕捉するか、心臓が弛緩フェーズ中に完全にあるときだけ投影データセットを捕捉するために使用され得る。収縮フェーズ中に捕捉された投影データセットは、更に使用されないか、全く使用されないかのいずれかであり、X線装置はこの目的に従って制御され得る。
【0012】運動信号を測定する手段の有利な実施例は、請求項13乃至17に記載される通り、運動信号を測定する手段が心臓の動きに依存する心臓運動信号及び呼吸運動に依存する呼吸運動信号を測定するために配置され、心臓運動信号を測定する手段が心電図記録装置又は脈酸素飽和度測定装置を含み、所望の呼吸運動フェーズに達したことを患者に通知する信号装置が、呼吸運動信号を測定する手段は、超音波装置、横隔膜の動きを測定する腹部用ベルト、又は、上記患者の腹部域の抵抗性を測定する抵抗測定装置を含む。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0014】図1に示すX線装置1は、X線管2と、二次元X線検出器3、例えば、画像増倍管とを有し、これらX線管及びX線検出器は、z軸について患者5の周りで回転可能となるように配置されるようCアーム4上に取り付けられ、これらX線管及びX線検出器はこのCアームに垂直に延在する軸の周りで傾けられ得る。X線装置1及びX線検出器3を用いた捕捉されたデータの処理は、制御及び算術ユニット6によって制御される。心電図記録装置8に接続された電極7は、患者の心電図を記録するために患者5の胸の上に置かれる。患者5の呼吸運動は腹部用ベルト9を用いて測定され、この腹部用ベルト9は、呼吸運動によってゆがめられ得、呼吸運動信号を形成するために呼吸運動測定装置10に接続される。心電図及び呼吸運動信号は、X線装置1の制御及びデータ捕捉中に直接的に考慮されるように心電図記録装置8及び呼吸運動測定装置10によって夫々制御及び算術ユニット6にオンラインで送られる。
【0015】示される場合において、X線装置1は、心臓11の投影データセットの捕捉のためにX線位置を占有する。同じ呼吸運動フェーズ中に三次元画像データセットの形成に要求される全ての投影データセットの捕捉を可能にするために、示される実施例には、所望の呼吸運動フェーズ、つまり、例えば、呼息状態に達したことを患者5に通知する信号装置12が設けられ、これにより患者は可能な限り長い間息を止めることができる。この期間中、心臓11の投影データセットは、患者5の呼吸運動による運動が心臓11の固有運動に重畳すること無く異なるX線位置から捕捉され得る。
【0016】図2は、線A−A’について取られた断面図である。同図は、半円の弓形上に置かれ対応する投影データセットを捕捉するようにX線管2によって連続的に占有されるX線位置p乃至p16を象徴的に示す。心臓の所望の表示、例えば、冠状脈管の個々の横断面画像又は画像が形成され得る三次元画像データセットを得るためには、示される各X線位置p乃至p16において対応する投影データセットを捕捉することが必要であり、示されるX線位置の数は簡略化のため少なく選択される。
【0017】心臓11が投影データセットの捕捉中に固有運動を実施することを考慮するために、本発明の一実施例では、図3に示すような心電図Hが投影データセットの捕捉と同時に運動信号として測定される。個々の瞬時t、t、……、t16は、心電図Hの下に示されるタイムベース上に記され、X線管はこれらの瞬時にX線位置p、p、……、p16に置かれ、これらのX線位置において対応する投影データセットD、D、……、D16が捕捉される。図3に明確に示すように、毎回2つの投影データセット(D、D;D、D…)が動きが小さいフェーズH(弛緩フェーズ)で捕捉され、毎回2つの他の投影データセット(D、D;D、D…)が動きが大きいフェーズH(収縮フェーズ)で捕捉される。心臓の画像をアーチファクトの無い高い質のものに確実にするためには、動きが大きいフェーズH中に捕捉された投影データセット(D、D;D、D…)が三次元画像データセットの捕捉のために使用され得ない。しかしながら、残留する、使用可能な投影データセット(D、D;D、D…)は、十分な質の三次元データセットの再構成には十分でない。従って、全てのX線位置p乃至p16は、対応するX線周期中、数回連続的に占有され、各X線周期、図4を参照して説明するように心周期内で異なる瞬時に始まる。
【0018】第1のX線周期R(図4の第3のタイムベースを参照)の間、まずX線位置p乃至p16が連続的に占有され、動きが小さいフェーズH中に捕捉された投影データセットD、D、D、D……、D16だけが使用可能である。第1のX線周期Rは、動きが小さいフェーズHの始まりにおける瞬時tで始まる。時間隔、例えば、X線装置が再び元の位置に移動するのに必要な時間の後、第2のX線周期Rが動きが大きいフェーズHの始まりに略対応する瞬時t’で始まる。瞬時t’におけるX線位置pでは、X線管は再び動きが小さいフェーズHにおかれ、この瞬時に捕捉された(第1のX線周期R中に捕捉されないか捕捉されても使用できない)投影データセットDは、三次元画像データセットを形成するように使用され得る。同様のことが第2のX線周期R中に捕捉された更なる投影データセットD、D、D、D10…、にも考えられ、このときこれらの投影データセットは、全て動きが小さいフェーズH中に捕捉される。個々のX線周期の始まりにおけるこのような制御は、全てのX線位置において動きが小さいフェーズH中に捕捉され三次元画像データセットを得るのに適切である投影データセットD乃至D16が2つのX線周期後に利用可能となることを確実にする。
【0019】個々のX線周期R及びR中における投影データセットの捕捉は、対応する投影データセットD乃至D16がX線源によって占有される各X線位置p乃至p16で捕捉されるようにして実施され得、このとき動きが小さいフェーズH中に捕捉された投影データセット(第1のX線周期では、D、D、D、D…、第2のX線周期ではD、D、D、D…)だけが使用される。しかしながら、選択的なバージョンでは、全てのX線位置p乃至p16は連続的に横切られるにもかかわらず投影データセットが動きが小さいフェーズHにおいてだけ捕捉されるよう配置されてもよい。つまり、例えば、第1のX線周期において位置p及びpは動きが大きいフェーズHでX線管によって占有されるが、例えば、X線管がこれらのX線位置においてオフにされたままであるため、このフェーズ中に投影データセットは捕捉されない。図4の最も下のタイムベースより、本発明の本実施例ではX線管が動きが小さいフェーズH中にだけオンにされ、動きが大きいフェーズH中はオフにされていることが分かる。このようなX線管のオン及びオフの切換は、心電図Hに基づいて制御される。これは、動きが大きいフェーズH中に患者が不必要にX線に曝されないといった利点を提供する。
【0020】図4を参照して説明される本発明による方法のバージョンでは、全ての必要な投影データセットD乃至D16は、2つのX線周期内で捕捉され得る。しかしながら、これは必ずしもそうでなくてもよく、動きが小さいフェーズHの持続時間対動きが大きいフェーズHの持続時間との比に依存して多数のX線周期が要求されてもよい。例えば、動きが小さいフェーズHは非常に短く、高い運動フェーズHが非常に長いとき、2つの以上のX線周期が確実に要求される。
【0021】選択的に、X線装置は、個々のX線位置p乃至p16が連続的に個別に占有されるように制御され得、各X線位置において運動信号に基づきその瞬時に動きが小さいフェーズが関連するか否かが試験され、正の場合投影データセットが捕捉され負の場合動きが小さいフェーズの発生がこのX線位置において待たされ、このとき投影データセットは、このような動きが小さいフェーズに到達したときだけこのX線位置で捕捉される。X線位置の占有及び投影データの捕捉は、全ての投影データセットが運動フェーズ内の同じ瞬時に捕捉されるようX線源が運動フェーズ内の固定された瞬時に新しいX線位置に常に存在し、補正データセットが同時に捕捉されるように運動信号に基づいてトリガされ得る。
【0022】図5は、腹部用ベルト9(図1参照)及び呼吸運動測定装置10を用いて捕捉される呼吸運動信号Bを示すタイミングチャートを示す。同図は、患者5の横隔膜の運動をz方向に示す。横隔膜の運動も周期的であり、呼息状態B及び吸息状態Bでは、比較的動きが小さいフェーズが達成され、吸息状態と呼息状態との間では比較的動きが大きいフェーズBが生じることが分かる。この呼吸運動信号は、例えば、投影データセットが動きが小さいフェーズ中Bにだけ捕捉されX線装置がそれに従って制御されるように図3及び図4を参照して説明された心臓運動信号Hと同様の方法で使用され得る。更に、心臓の動きが小さいフェーズH中及び呼吸運動の動きが小さいフェーズB及びB中に捕捉された投影データセットだけを評価するためにこのような呼吸運動信号は、心臓運動信号に加えて捕捉され得る。吸息状態及び呼息状態において検査されるべき対象物の異なる位置に対するしばしば困難な(不正確さにつながる)補正を夫々回避するために、同じ呼吸運動フェーズ、例えば、全て呼息状態中に捕捉された投影データセットが選択されることが好ましい。X線装置は、異なるX線位置からまだ得られていない投影データセット或いは運動の誤ったフェーズ中に捕捉された投影データセットを捕捉するために、個々のX線位置が占有されるよう呼吸運動信号及び心臓運動信号を基礎として故意に制御され得る。
【0023】該当する適用法に依存して、検査されるべき身体の臓器とその近傍との間に十分なコントラストを実現するために、投影データセットの捕捉前に患者に対して造影剤を簡単に投与することが必要となり得る。これは、例えば、冠状脈管の検査の場合に必要である。しかしながら、造影剤が検査されるべき身体の臓器中に所与の期間、例えば、冠状脈管において約4秒間だけおかれ、単一のX線周期の持続時間が既に長い(例えば、患者の周りに180°の角度の範囲で配分されたX線位置の場合において6乃至9秒)ため、且、造影剤が患者に対してしばしば表わす負荷によりこの造影剤が任意に投与され得ないため、このような適用法に対して、必要な投影データセットの捕捉が可能な限り短期間で行なわれるように本発明による方法を構成することが必要である。しかしながら、上述のバージョンのいずれを選択するかは、方法が使用される適用法と、対応する適用法に対する三次元画像データセットの形成に要求される投影データセットの数と、個々の投影データセットの捕捉速度若しくは個々のX線位置に到達し得る速度と、動きが小さいフェーズの持続時間対動きが大きいフェーズの持続時間の比とに本質的に依存する。
【0024】図1に示すような心臓運動信号及び呼吸運動信号を測定する手段は、単に例によって与えられる。例えば、心臓運動信号は、脈酸素飽和度測定装置を用いて間接的に測定され得、呼吸運動信号の測定は、超音波装置又は患者の腹部域の電気抵抗性を測定する抵抗測定装置を用いて実施され得る。他の手段もこれに関して実行可能である。X線管及びX線検出器も異なる構成又は異なるように配置されてもよい。画像増倍管の代わりに、平坦な二次元ディジタルX線検出器が使用されてもよく、X線管及びX線検出器を具備するCアームの代わりに本発明に従って構成される計算機断層撮影装置を使用することも原則的に可能である。
【出願人】 【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【出願日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−128961(P2001−128961A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願2000−289382(P2000−289382)