| 【発明の名称】 |
眼科装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 楽
【氏名】小林 克彦
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| 【要約】 |
【課題】赤外域の第1波長での測定を第1波長とは異なる領域の第2波長での測定値に変換すると共に、その変換の際に補正を行うことによって測定結果の信頼性を向上させることができる眼科装置を提供する。
【解決手段】照明光学系10によって光源11から出射された赤外域の第1波長の光束が被検眼Eの網膜EMに導びかれ、受光光学系20によって網膜EMからの反射光束がCCD21に導びかれ、第2受光光学系30によって被検眼Eの前眼部からの反射光束が第2のCCD33に導びかれ、演算部25によってCCD21に受光された反射光束に基づいて網膜反射率を測定した後に第2のCCD33に受光された反射光束に基づく測定結果に対応して予め設定された補正要素によって測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性が演算され、演算部25で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼Eに提示された対象物の被検眼上での見え方がモニタ26に表示される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて網膜反射率を測定した後にその測定網膜反射率に対応して予め設定された補正要素によって測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを特徴とする眼科装置。 【請求項2】前記受光部は赤外域の第1波長の反射光束を受光し、前記演算部は赤外域の第1波長の反射光束に基づいて測定された測定網膜反射率に対応する補正網膜反射率を可視域での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。 【請求項3】光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、被検眼の前眼部からの反射光束を第2受光部に導く第2受光光学系と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて網膜反射率を測定した後に前記第2受光部に受光された反射光束に基づく測定結果に対応して予め設定された補正要素によって測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを特徴とする眼科装置。 【請求項4】前記第2受光光学系は前眼部としての被検眼の虹彩からの反射光束を前記第2受光部に導き、前記演算部は前記第2受光部に受光された虹彩からの反射光束によって虹彩の色又は反射率を検出すると共にその検出した虹彩の色又は反射率を補正要素として測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。 【請求項5】前記第2受光光学系は前眼部としての被検眼の瞼からの反射光束を前記第2受光部に導き、前記演算部は前記第2受光部に受光された瞼からの反射光束によって瞼の色又は反射率を検出すると共に検出した瞼の色又は反射率を補正要素として測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。 【請求項6】前記演算部は検出した虹彩若しくは瞼の色が濃い又は反射率が低いほど測定網膜反射率に対する補正量が少ないことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の眼科装置。 【請求項7】前記受光光学系と前記第2受光光学系とはその一部の構成を共通としたことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の眼科装置。 【請求項8】光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、前記第1波長で測定した網膜反射率と該第1波長とは異なる波長領域の第2波長で測定した網膜反射率との関係から予め設定された補正要素を入力する入力部と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて測定された測定網膜反射率に前記入力部から入力された補正要素によって補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを特徴とする眼科装置。 【請求項9】前記入力部に入力される補正要素は人種,瞼の色又は反射率,虹彩の色又は反射率,瞳の反射率の何れか一つを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の眼科装置。 【請求項10】測定網膜反射率,補正網膜反射率,変換網膜反射率は、各反射率に対応する測定点像強度分布,補正点像強度分布,変換点像強度分布であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の眼科装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、赤外域の第1波長の光束で実際に測定された網膜反射率を第1波長とは異なる波長領域の第2波長で測定した場合の網膜反射率に変換して被検眼の光学的特性を演算する眼科装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の眼科装置には、被検眼の網膜からの反射光束に基づく点像強度分布(PSF=Point Spread Function)から被検眼の光学的特性を測定するものがある。 【0003】この際、可視域の光束で測定を行った場合、像が鮮鋭に現れることから測定結果の精密性は確保されるものの、被験者が眩しくて不快を感じることや、瞳孔が縮んでしまうなどの不具合が生じていた。 【0004】このため、図9に示すように、赤外域の光束を用いて被検眼の光学的特性に由来する点像強度分布を測定する眼科装置が多く採用されている(例えば、特開平7−100107号公報参照)。 【0005】この図9に示した眼科装置において、1は被検眼Eの光学的特性に由来する点像強度分布を測定する測定手段、2は点像強度分布を重ね合わせて積分する画像処理手段を有するコンピュータ、3はコンピュータ2を介して検者によって操作されて所定の検眼用指標を被検眼Eに提示する指標提示装置、4は指標提示装置3の視準光軸O1上に配置されてコンピュータ2を介して検者によって操作される被検眼Eの屈折度を矯正する矯正レンズ、5は指標提示装置3と矯正レンズ4との間の視準光軸O1上に配置された斜設ハーフミラーである。 【0006】測定手段1は斜設ハーフミラー5によって視準光軸O1と同軸とされる反射光軸O2上に配置されている。測定手段1は、点像のパターン(赤外点光源)を被検眼Eに投影する投影光学系と、被検眼Eの眼底ER上でのパターン像の点像強度分布を検出する受光装置の受光面を有する受光光学系とを備えている。 【0007】このような構成において、被検眼Eは矯正レンズ4を介して検眼用指標3を視準する。このとき、被検眼Eの眼底ER上には検眼用指標1の像が結像する。 【0008】測定手段1は、赤外光束をハーフミラー5、矯正レンズ4及び被検眼Eの光学系を通して眼底ER上に投影する。この際、赤外光束は矯正レンズ4及び被検眼Eの光学系によって変調されて特有の光点像強度分布を持つ点像となる。この点像は被検眼Eの光学系、矯正用レンズ系4及びハーフミラー5を介して再び測定手段1の受光装置の受光面に結像され、コンピュータ2内で補正されて点像強度分布関数として取り込まれる。 【0009】さらに、コンピュータ2内では検眼用指標3を現す画像信号に対して点像強度分布関数が重ね合わせて積分されて被検眼Eの眼底ER上に結像しているのと同じ像状態の検眼用指標の像がシミュレートされる。 【0010】コンピュータ2の表示部2aには、シミュレートされた像の画像2bが表示される。この際、表示部2aには、上述したパターン像の点像強度分布に対応する点像強度分布データ及び所定の指標に対応する指標データに基づいて、その被検眼Eによって所定の指標を観察した場合の見え具合の指標像が表示される。 【0011】ところで、このような赤外光束を用いた測定では、被検者が通常見ている波長条件と違うことや、網膜上でにじむ等の問題が生じていた。 【0012】一方、論文(Vol.14,No.5/May1997/J.Opt.Soc.Am.A)では、異なる波長を用いて測定することによって、各波長による特性が確認されている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】そこで、過去の各波長域での測定結果の蓄積を利用し、実際の測定には被検眼への負担の少ない赤外光束で行い、その結果を可視光束での測定値に変換することによって信頼性の高い測定結果を得るという考えに至った。 【0014】しかしながら、このような変換を行う際には、個人差や人種の違い、或は、瞼や虹彩の色や反射率によって網膜の反射率が変化することから、網膜上でのにじみ量も変化してしまうため、測定結果も変わってしまうという新たな問題が発生した。 【0015】本願発明は、赤外域の第1波長での測定を第1波長とは異なる領域の第2波長での測定値に変換すると共に、その変換の際に補正を行うことによって測定結果の信頼性を向上させることができる眼科装置を提供することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】その目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて網膜反射率を測定した後にその測定網膜反射率に対応して予め設定された補正要素によって測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを要旨とする。 【0017】また、請求項2に記載の発明は、前記受光部は赤外域の第1波長の反射光束を受光し、前記演算部は赤外域の第1波長の反射光束に基づいて測定された測定網膜反射率に対応する補正網膜反射率を可視域での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを要旨とする。 【0018】請求項3に記載の発明は、光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、被検眼の前眼部からの反射光束を第2受光部に導く第2受光光学系と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて網膜反射率を測定した後に前記第2受光部に受光された反射光束に基づく測定結果に対応して予め設定された補正要素によって測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを要旨とする。 【0019】請求項4に記載の発明は、前記第2受光光学系は前眼部としての被検眼の虹彩からの反射光束を前記第2受光部に導き、前記演算部は前記第2受光部に受光された虹彩からの反射光束によって虹彩の色や反射率を検出すると共にその検出した虹彩の色や反射率を補正要素として測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを要旨とする。 【0020】請求項5に記載の発明は、前記第2受光光学系は前眼部としての被検眼の瞼からの反射光束を前記第2受光部に導き、前記演算部は前記第2受光部に受光された瞼からの反射光束によって瞼の色や反射率を検出すると共に検出した瞼の色や反射率を補正要素として測定網膜反射率に補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算することを要旨とする。 【0021】請求項6に記載の発明は、前記演算部は検出した虹彩若しくは瞼の色が濃い又は反射率が低いほど測定網膜反射率に対する補正量が少ないことを要旨とする。 【0022】請求項7に記載の発明は、前記受光光学系と前記第2受光光学系とはその一部の構成を共通としたことを要旨とする。 【0023】請求項8に記載の発明は、光源から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼の網膜に導く照明光学系と、網膜からの反射光束を受光部に導く受光光学系と、前記第1波長で測定した網膜反射率と該第1波長とは異なる波長領域の第2波長で測定した網膜反射率との関係から予め設定された補正要素を入力する入力部と、前記受光部に受光された反射光束に基づいて測定された測定網膜反射率に前記入力部から入力された補正要素によって補正を施すと共にその補正網膜反射率を前記第1波長とは異なる波長領域の第2波長での網膜反射率に変換した上でその変換網膜反射率から被検眼の光学的特性を演算する演算部と、該演算部で演算された被検眼の光学的特性に基づいて被検眼に提示された対象物の被検眼上での見え方を表示する表示部とを備えていることを要旨とする。 【0024】請求項9に記載の発明は、前記入力部に入力される補正要素は人種,瞼の色又は反射率,虹彩の色又は反射率,瞳の反射率の何れか一つを含んでいることを要旨とする。 【0025】請求項10に記載の発明は、測定網膜反射率,補正網膜反射率,変換網膜反射率は、各反射率に対応する測定点像強度分布,補正点像強度分布,変換点像強度分布であることを要旨とする。 【0026】 【発明の実施の形態】次に、本発明の眼科装置の実施の形態を、被検眼の光学的特性に由来する点像強度分布を測定する自覚式検眼装置に適用し、図面に基づいて説明する。 【0027】図1乃至図8は本発明の眼科装置の実施の形態を示す。 【0028】[補正の考え方]図4の点像強度分布では照明光源の波長が変化すると網膜での反射率が変化することが示されている。ここで、図4の実線で示した可視光での点像強度分布の関数をV(x)、同じく破線で示した赤外光での点像強度分布の関数をI(x)とそれぞれ正規化した値として示す。可視光と赤外光を比べると可視光で鮮鋭な点像強度分布となり、赤外光ではにじみも大きくなることが判る。そのため、赤外光による点像強度分布の測定の場合、可視光の分布に近づけるよう補正する必要がある。可視光と赤外光の違いをQ(x)という関数でまとめると、赤外光の測定値から可視光での値に補正する場合、V(x)=IY(x)*QY(x)…(1) の式で求めることができる。また、この(1)式のモデルとして、図5(A),(B)が考えられる。 【0029】一方、被検眼の網膜での反射率(又は密度)は、例えば、被検眼の虹彩の色が黒系(黒人系)・茶系(東洋人系)・青系(白人系)であるように、虹彩,瞼,瞳又は肌の色や反射率が人種によって異なることから明らかなように、個人差がある。 【0030】図6は同じ光源(赤外光)を使用している場合であっても網膜からの反射率が個人差によって変化することから、点像強度分布が個人差や人種等の違いで異なった一例を示している。この際、図6の実線で示した網膜からの反射率が低い人の点像強度分布の関数をIB(x)、一点鎖線で示した網膜からの反射率中位の人の点像強度分布の関数をIY(x)、破線で示した網膜からの反射率が高い人の点像強度分布の関数をIW(x)として比較すると、網膜からの反射率が低い人の方に順ににじみが少ないことが判る。図7は、この図6で示した各段階毎の点像強度を正規化した値として示したものである。 【0031】従って、赤外光による点像強度分布に基づいて被検眼の光学的測定(屈折力)を測定する際、可視光の点像強度分布に基づく被検眼の光学的特性の測定値を求めるためには、赤外光による点像強度分布IB(x),IY(x),IW(x)を求めた後、基準以外の点像強度分布(例えば、IY(x),IW(x))を基準の点像強度分布(例えば、IY(x))に変換(補正)する必要がある。このときの補正関数をPB(x),PW(x)とすると、IY(x)=IB(x)*PB(x)…(2) IY(x)=IW(x)*PW(x)…(3) により基準の点像強度分布変換(補正)することができる。 【0032】図8は、網膜からの反射率が高い場合、中位の場合、低い場合の3段階とすると共に、網膜からの反射率が高い場合を黒人系(虹彩色が黒系)、中位の場合を東洋人系(虹彩色が茶系)、低い場合を白人系(虹彩色が青系)というように人種で振り分けた補正を行う際の補正率の概略の一覧表である。尚、網膜からの反射率の高い場合と中位の場合との間、並びに、中位の場合と低い場合との間での補正を可能とした5段階とするなど、補正例は各種要素を考慮したものとすることができる。 【0033】ここで、網膜からの反射率が基準と異なる被検眼に測定に用いる第1波長の光束(赤外光)を照射した際の点像強度分布(IB(x)又はIW(x))を測定する。 【0034】測定された点像強度分布には、網膜からの反射率の相違による要素が含まれているため、被検眼の瞼,虹彩,肌の色又は反射率に応じた補正関数(PB(x),PW(x))を選択し、(2)式又は(3)式を利用して基準の網膜反射率の場合の点像強度分布に変換する。 【0035】そして、第1波長とは異なる第2波長で測定した場合の点像強度分布に(1)式を用いて変換する。尚、上述では、網膜からの反射率が基準と異なる被検眼に測定に用いる第1波長の光束(赤外光)を照射した際の点像強度分布(IB(x)又はIW(x))を、一旦被検眼の瞼,虹彩,肌の色又は反射率に応じた補正関数(PB(x),PW(x))を選択し、(2)式又は(3)式を利用して基準の網膜反射率の場合の点像強度分布に変換し、その後、第1波長とは異なる第2波長で測定した場合の点像強度分布に(1)式を用いて変換している。また、網膜からの反射率が基準と異なる被検眼に測定に用いる第1波長の光束(赤外光)を照射した際の点像強度分布(IB(x)又はIW(x))に、被検眼の瞼,虹彩,肌の色又は反射率に応じた補正関数(PB(x),PW(x))を選択し、さらに、第1波長とは異なる第2波長で測定した場合の点像強度分布に変換する補正関数QYを(1)式を用いて変換している。 【0036】しかし、網膜からの反射率が基準と異なる被検眼に測定に用いる第1波長の光束(赤外光)を照射した際の点像強度分布(IB(x)又はIW(x))に、被検眼の瞼,虹彩,肌の色又は反射率に応じた補正関数(PB(x),PW(x))及び第1波長とは異なる第2波長で測定した場合の点像強度分布に変換する補正関数QY(x)を用い、V(x)=PB(x)*QY(x)*IB(x)…(4) V(x)=PW(x)*QY(x)*IW(x)…(5) で第2波長で測定した場合の点像強度分布V(x)を直接に求めるようにしても構わない。 【0037】 【実施例1】図1は本発明の眼科装置の実施例1を示し、被検眼Eの眼底ERの反射率に応じて補正を行う場合の光学系の説明図である。この図1において、ECは被検眼Eの角膜、EIは被検眼Eの虹彩、ELは被検眼Eの水晶体、EMは被検眼Eの網膜、3は検者の操作によって所定の検眼用指標を被検眼Eに提示する指標提示装置である。 【0038】眼科装置は、光源11から出射された赤外域の第1波長の光束を被検眼Eの網膜EM上の微小な領域(眼底ERの一部)に導く照明光学系10と、網膜EMからの反射光束を受光部としてのCCD21に導く受光光学系20とを有する。 【0039】照明光学系10は、光源11、コリメータレンズ12、リレーレンズ13、斜設ハーフミラー14、対物レンズ15をこの順に有する。光源11と網膜EMとは共役となっている。対物レンズ15には複数種類の屈折矯正用レンズの任意のものが用いられている。リレーレンズ13又は光源11からリレーレンズ13に至る光学部品のユニットは、図示を略す移動手段によって照明光軸O4に沿って移動可能となっている。 【0040】光源11から出射された赤外域の第1波長の照明光束は、コリメータレンズ12によって平行光束とされた後、リレーレンズ13を透過して斜設ハーフミラー14によって対物レンズ15の主光軸O3へと反射され、対物レンズ15によって被検眼Eの網膜EMへと導かれる。 【0041】受光光学系20は、対物レンズ15、斜設ハーフミラー14、斜設ハーフミラー22、リレーレンズ23、結像レンズ24、CCD21をこの順に有する。 【0042】網膜EMとCCD21の受光面とは共役となっている。リレーレンズ23又はリレーレンズ23からCCD21に至る光学部品のユニットは、図示を略す移動手段によって上記照明光学系10のリレーレンズ13又はリレーレンズ13を含むユニットと互いの共役関係を保ちながら図示を略す移動手段によって受光光軸O5に沿って移動可能となっている。 【0043】網膜EMで反射された照明光学系10からの赤外反射光束は、対物レンズ15並びに斜設ハーフミラー14を透過した後、斜設ハーフミラー22によって受光光軸O5に向けて反射され、リレーレンズ23を透過して結像レンズ24によってCCD21に受光される。 【0044】CCD21に受光された反射光束に基づく第1信号は演算部25へと出力される。演算部25では、(a)第1信号によって網膜EMの反射率(測定網膜反射率)を測定する。 (b)第1信号によって網膜EMの反射率に対応する補正要素を求める。 (c)(a)で演算した測定網膜反射率を(b)で求めた補正要素で補正して補正網膜反射率とする。 (d)(c)で求めた補正網膜反射率を光源11の第1波長の光束とは異なる第2波長としての可視域での網膜反射率に変換して変換網膜反射率を求める。 (e)(d)で求めた変換網膜反射率から被検眼Eの光学的特性(屈折力)を演算する。 【0045】即ち、赤外光束で測定された点像強度分布I(x)において眼底ERのにじみの大きさに応じたフィルタリング処理を行うことで点像強度分布I(x)を補正する。ここでいうフィルタリング処理とは、(1)式の補正要素QY(x)と同じ役割を持つことから、点像強度分布I(x)に補正要素Q(x)で補正を行った後に、(1)式の点像強度分布V(x)を算出して被検眼Eの光学的特性を演算する。また、図示を略す計算機(マイクロコンピュータ)によって、フィルタリングによるにじみを取り除くための画像処理を行う。 【0046】この、画像処理されたものは、被検眼Eの屈折力に対応して被検眼Eに提示された指標提示装置3からの所定の検眼用指標における被検眼Eでの見え方として表示部としてのモニタ26に表示される。 【0047】このように、測定網膜反射率(に対応する測定点像強度分布)に補正を施して補正網膜反射率(に対応する補正点像強度分布)とした上で、赤外域の光束とは異なる可視域での変換網膜反射率(に対応する変換点像強度分布)に変換した状態で被検眼Eの光学的特性(屈折力)を演算すると共に、その演算結果に基づく見え方をモニタ26に表示することにより、赤外光束での測定時に人種等の違いに起因するにじみ量の差(反射率の差)を解消した信頼性の高い測定値を求めることができる。 【0048】 【実施例2】図2は、本発明の眼科装置の実施例2を示し、上記実施例1の照明光学系10並びに受光光学系20のほか、補正要素を求めるための第2受光光学系30を設けたものである。 【0049】第2受光光学系30は、被検眼Eの前眼部を可視域の照明光束で照明する照明光源(図示せず)、対物レンズ15、斜設ハーフミラー14、斜設ハーフミラー31、結像レンズ32、第2受光部としてのCCD33をこの順に備えている。尚、対物レンズ15と斜設ハーフミラー14とは各光学系10,20,30で共用していると共に、主光軸O3上の斜設ハーフミラー14,22の間に斜設ハーフミラー31を配置したことから、受光光学系20においても斜設ハーフミラー31を共用している。 【0050】被検眼Eの前眼部で反射された反射光束は、対物レンズ15及び斜設ハーフミラー14を透過した後、斜設ハーフミラー31によって第2受光光軸O6に向けて反射され、結像レンズ32によってCCD33に受光される。 【0051】CCD33は、その受光された反射光束に基づく第2信号を演算部25に出力する。また、演算部25は、その第2信号を考慮して第1信号に応じた補正を施した上で第1波長の光束とは異なる第2波長の光束での被検眼Eの光学的特性を演算する。 【0052】この際、第2信号の基となる反射光束は、被検眼Eの前眼部としての虹彩EIや瞼(図示せず)等からの反射光束が考えられる。尚、図2では角膜ECの頂点とCCD33の受光面とが共役となっているが、実際には上述した虹彩EIや瞼等の補正要素の判断基となる部位とCCD33の受光面とが共役となる。 【0053】虹彩EIからの反射光束を補正要素とする場合、測定時に眼底ERでの点像強度分布の測定を行う受光光学系20とは別に、第2受光光学系30によって虹彩EIの反射率を測定し、その反射率に基づいて虹彩EIの色の違い(黒系・茶系・青系)からにじみの度合を判別して(2),(3)式のPB(x),PW(x)を選択し、測定された測定点像強度分布を補正すればよい。 【0054】即ち、演算部25では、点像強度分布I(x)に、虹彩EIに焦点を合わせたCCD33において虹彩EIの像を撮影してその虹彩反射率から人種を特定した補正要素PB(x),PW(x)で補正を行った後に、(1)式の点像強度分布V(x)を算出して被検眼Eの光学的特性を演算する。また、図示を略する計算機(マイクロコンピュータ)によって、フィルタリングによるにじみを取り除くための画像処理を行う。 【0055】この、画像処理されたものは、被検眼Eの屈折力に対応して被検眼Eに提示された指標提示装置3からの所定の検眼用指標における被検眼Eでの見え方として表示部としてのモニタ26に表示される。 【0056】瞼からの反射光束を補正要素とする場合、測定時に眼底ERでの点像強度分布の測定を行う受光光学系10とは別に、第2受光光学系30によって被検眼Eの瞼の反射率を測定し、その反射率に基づいて瞼の色の違い(黒人系・東洋人系・白人系)から人種を判別して(1)式のPB(x),PW(x)を選択し、測定された点像強度分布を補正すればよい。 【0057】すなわち、演算部25では、点像強度分布I(x)に、瞼に焦点を合わせたCCD33において瞼の像を撮影して、その瞼反射率から人種を特定した補正要素PB(x),PW(x)で補正を行った後に、(1)式の点像強度分布V(x)を算出して被検眼Eの光学的特性を演算する。また、図示を略す計算機(マイクロコンピュータ)によって、フィルタリングによるにじみを取り除くための画像処理を行う。 【0058】この、画像処理されたものは、被検眼Eの屈折力に対応して被検眼Eに提示された指標提示装置3からの所定の検眼用指標における被検眼Eでの見え方として表示部としてのモニタ26に表示される。 【0059】ところで、この実施例2では、点像強度分布で補正・変換処理を行うものとして説明したが、網膜反射率で補正・変換処理を行っても良い。 【0060】 【実施例3】図3は、本発明の眼科装置の実施例3を示し、上記実施例1の照明光学系10並びに受光光学系20の光学系自体は同一であるが、装置本体に設けられた選択スイッチ等からなる入力部40から演算部25に直接補正要素を入力するようにしたものである。 【0061】検者は被検者の屈折力を測定する際には、人種や虹彩EIの色の濃さなどの補正要素となり得る情報を直接得ることができる。そこで、測定する際に予め被験者の人種や虹彩EIの色の濃さ等を入力部40から直接入力することにより補正要素を人為的に選択し、受光光学系10で測定された点像強度分布に対して補正を行う。 【0062】即ち、点像強度分布I(x)に、予め指定入力された人種や虹彩EIの色の濃さに対応した補正要素PB(x),PW(x)で補正を行った後に、(1)式の点像強度分布V(x)を算出して被検眼Eの光学的特性を演算する。また、図示を略す計算機(マイクロコンピュータ)によって、フィルタリングによるにじみを取り除くための画像処理を行う。 【0063】この、画像処理されたものは、被検眼Eの屈折力に対応して被検眼Eに提示された指標提示装置3からの所定の検眼用指標における被検眼Eでの見え方として表示部としてのモニタ26に表示される。 【0064】ところで、この実施例2では、点像強度分布で補正・変換処理を行うものとして説明したが、網膜反射率で補正・変換処理を行っても良い。 【0065】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の眼科装置にあっては、眼底からの反射光束に基づく点像強度分布を測定すると同時に、反射率の差に応じた補正要素で補正を施した上で被検眼の光学的特性を求めるようにしたので、赤外域の第1波長での測定を第1波長とは異なる領域の第2波長での測定値に変換すると共に、その変換の際に補正を行うことによって測定結果の信頼性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220343 【氏名又は名称】株式会社トプコン
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| 【出願日】 |
平成11年10月28日(1999.10.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082670 【弁理士】 【氏名又は名称】西脇 民雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−120504(P2001−120504A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−306886 |
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