| 【発明の名称】 |
角膜形状測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 徳義
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| 【要約】 |
【課題】光学性能を維持した上で、角膜表面に角膜反射像を投影・受光するための投影・受光光学系をそれぞれ最少にして、シンプル且つ低コストな角膜形状測定装置を提供する。
【解決手段】角膜投影光投影光源53bからの拡散光を被検眼角膜2に投影するための角膜投影光投影光学系53aと、被検眼角膜上で反射した角膜反射像75を光電検出手段34bに導く角膜反射像受光光学系30bとを含む光学測定部28を備え、角膜投影光投影光学系53aは、1系統の投影光学系からなり、被検眼1を照準し、且つ、被検眼1を照明し、且つ、被検眼1の角膜2形状を測定するために用いられるとともに、角膜反射像受光光学系30bは、1系統の受光光学系からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 角膜投影光投影光源(53b)からの拡散光を被検眼角膜(2)に投影するための角膜投影光投影光学系(53a)と、被検眼角膜上で反射した角膜反射像(75)を光電検出手段(34b)に導く角膜反射像受光光学系(30b)と、を含む光学測定部(28)を備え、上記角膜投影光投影光学系(53a)は、1系統の投影光学系からなり、被検眼(1)を照準し、且つ、被検眼(1)を照明し、且つ、被検眼(1)の角膜(2)形状を測定するために用いられるとともに、上記角膜反射像受光光学系(30b)は、1系統の受光光学系からなることを特徴とする角膜形状測定装置。 【請求項2】 連続したリング光を被検眼角膜(2)上に投影することを特徴とする請求項1記載の角膜形状測定装置。 【請求項3】 上記角膜形状測定装置は、さらに、光学測定部(28)が被検眼(1)に対して規定作動位置にあるか否かを検出する規定作動位置検出手段と、被検眼(1)に対する光学測定部(28)の相対的位置関係を常時検出する位置検出手段(27)と、規定作動位置検出手段からの規定作動位置情報と位置検出手段(27)からの位置情報とから、被検眼(1)に対する光学測定部(28)の規定作動位置及び実作動位置を認識する位置認識手段と、位置認識手段より得られた光学測定部(28)の実作動位置、あるいは規定作動位置と実作動位置との距離誤差を演算ファクターとして含む被検眼光学特性算出式に基づいて被検眼光学特性値を演算する演算手段とを備え、実作動位置において得られた光学特性値を距離誤差に基づいて補正して、実作動位置での補正光学特性値を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の角膜形状測定装置。 【請求項4】 角膜投影光投影光源(53b)からの拡散光を被検眼角膜(2)に投影するための角膜投影光投影光学系(53a)と、被検眼角膜上で反射した角膜反射像(75)を光電検出手段(34b)に導く角膜反射像受光光学系(30b)と、を含む光学測定部(28)と、光学測定部(28)が被検眼(1)に対して規定作動位置にあるか否かを検出する規定作動位置検出手段と、被検眼(1)に対する光学測定部(28)の相対的位置関係を常時検出する位置検出手段(27)と、規定作動位置検出手段からの規定作動位置情報と位置検出手段(27)からの位置情報とから、被検眼(1)に対する光学測定部(28)の規定作動位置及び実作動位置を認識する位置認識手段と、光学測定部(28)の実作動位置情報を検者に告知する告知手段(28a)と、を備えることを特徴とする角膜形状測定装置。 【請求項5】 上記角膜投影光投影光学系(53a)は、1系統の投影光学系からなり、被検眼(1)を照準し、且つ、被検眼(1)を照明し、且つ、被検眼(1)の角膜(2)形状を測定するために用いられるとともに、上記角膜反射像受光光学系(30b)は、1系統の受光光学系からなることを特徴とする請求項4記載の角膜形状測定装置。 【請求項6】 上記規定作動位置検出手段は、光学測定部(28)の位置に応じて被検眼(1)の合焦を判定する合焦判定手段であることを特徴とする請求項3又は4記載の角膜形状測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、角膜形状を測定する角膜形状測定装置に関し、詳しくは、被検眼の角膜上に投影される角膜投影光が拡散光である角膜形状測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記角膜形状測定装置において、被検眼角膜に対して光を照射する光源として、被検眼を照明するための照明用光源、被検眼を照準するための照準用光源、及び被検眼の角膜上に角膜形状を測定するための角膜形状測定(角膜指標)用光源の3光源が独立して光学測定部に設けられたタイプのものがある。例えば、被検眼の中央部に対してスポット状の照準光を、被検眼の中央部に対してリング形状の角膜指標光を、及び被検眼全体に照明光を、それぞれ、独立した3光源から被検眼角膜に投影すると、前眼部像上には図1に示すような3つの角膜反射像が形成される。すなわち、図1に示すように、被検眼1の中央部には照準像72が形成され、照準像72を中心とするリング形状の角膜指標像73が形成され、照明光源反射像71が角膜指標像73の外周部の両側に形成される。また、3つの光源を用いると、3系統の投影光学系が必要となる。このように、独立した3光源を用いる場合、光学測定部の部品点数が増加するとともにその構造が複雑になるので、装置の製造コストがアップする。したがって、これまで、光学測定部の光学性能を維持した上で、製造コストのウエイトが高い光学測定部を簡略化する取り組みがなされている。 【0003】ところで、角膜形状測定用光源には、平行ビーム光出射タイプのものと拡散光出射タイプのものとがある。 【0004】平行ビーム光出射タイプの角膜形状測定用光源は、拡散光を出射する照準用光源及び照明用光源に対して、出射光のタイプが異なっているので、角膜形状測定用平行ビーム光源を上述した拡散光源と兼用することは不可能である。したがって、1つの平行ビーム光源を角膜形状測定、照準、及び照明の3用途に兼用することは原理的に不可能である。 【0005】拡散光出射タイプの角膜形状測定用光源は、光源に特殊な光学系を付加する必要がないので、投影光学系がシンプル且つ安価であるという特長を有する一方、測定装置と被検眼との間の位置ずれが測定精度に大きな影響を与えてしまう。拡散光出射タイプの角膜形状測定用光源は、独立した拡散光源を使用するが、照準用光源及び照明用光源を1つの拡散光源で兼用することは原理的に可能であり、実際、このような構成の装置が知られている。例えば、1つの拡散光源を照準用光源及び照明用光源の2用途に兼用し、角膜形状測定用光源を別途設けた構成の装置が知られている。しかしながら、この種の装置では、独立した2光源を用いているために、2系統の投影光学系が必要である。 【0006】このように、角膜形状測定装置において、角膜形状測定、照準、及び照明を行うために独立した2つの拡散光源を用いるという構成は公知である。しかしながら、1つの拡散光源を上記3用途に兼用し、1系統の投影光学系で構成された角膜形状測定装置は知られていない。 【0007】一方、被検眼からの角膜反射像を受光する受光光学系においても、角膜指標像を受光するための高倍率の角膜指標像受光光学系と、照準像を受光するための低倍率の照準像受光光学系という2系統の受光光学系から構成されたものが知られている。このように、異なった倍率の受光光学系が2系列設けられた構成では、投影光学系の場合と同様に、製造コストが高くなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の解決すべき第1の課題は、光学性能を維持した上で、角膜表面に角膜反射像を投影・受光するための投影・受光光学系をそれぞれ最少にして、シンプル且つ低コストな角膜形状測定装置を提供することである。また、本発明の解決すべき第2の課題は、拡散光を用いた角膜形状測定における測定精度を向上させることである。 【0009】 【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題を解決するために、本発明によれば、以下の構成の角膜形状測定装置が提供される。 【0010】すなわち、この角膜形状測定装置は、角膜投影光投影光源からの拡散光を被検眼角膜に投影するための角膜投影光投影光学系と、被検眼角膜上で反射した角膜反射像を光電検出手段に導く角膜反射像受光光学系と、を含む光学測定部を備えている。そして、上記角膜投影光投影光学系は、1系統の投影光学系からなり、被検眼を照準し、且つ、被検眼を照明し、且つ、被検眼の角膜形状を測定するために用いられるとともに、上記角膜反射像受光光学系は、1系統の受光光学系からなる。 【0011】上記構成によれば、角膜形状測定装置の光学測定部において、拡散光源が、被検眼照明用、被検眼照準用、及び角膜形状測定用の3用途に兼用されているとともに、角膜投影光投影光学系及び角膜反射像受光光学系がそれぞれ1系統で構成されている。すなわち、角膜形状測定装置の光学測定部は、拡散光源と、1系統の投影及び受光光学系によって構成されている。したがって、製造コストのウエイトが高い光学測定部が極めてシンプルに構成されているので、角膜形状測定装置の製造コストを大幅に低減することができる。 【0012】角膜投影光投影光源としては、複数のスポット光がリング状に配置されたタイプのものを用いることができるが、連続したリング光が出射されるタイプのものが好ましい。 【0013】上記構成によれば、連続したリング光は、複数のスポット光をリング状に配置したものより、測定ポイント数が多いので角膜形状の測定精度を向上させることができる。 【0014】拡散光を用いた角膜形状測定では、実作動距離(被検眼の光学特性を実測したときの、光学測定部の基準面から被検眼の基準面までの距離)が、規定作動距離(光学測定部が被検眼に対して特定の位置関係にあるときに意図した光学測定原理が利用できるように設計的に規定された距離)と等しいときには正確な角膜曲率半径を求めることができる。しかしながら、拡散光を用いた角膜形状測定では、検者の熟練度差で、実作動距離が規定作動距離と異なることが多く、作動距離(光学測定部の基準面から被検眼の基準面までの距離)調整の誤差の影響を受けてしまう。そのために、測定した角膜曲率半径値は、誤差を含んでおり、平行ビーム光源の場合と比較して、角膜形状の測定精度が低くなる。拡散光を用いた角膜形状測定における測定精度を向上させるために、測定装置に種々の機構、例えばオートフォーカス機構を設けることができるが、以下に示す構成の測距システムを設けることが好ましい。 【0015】すなわち、測距システムは、被検眼の光学特性を測定する光学測定部と、光学測定部が被検眼に対して規定作動位置にあるか否かを検出する規定作動位置検出手段と、被検眼に対する光学測定部の相対的位置関係を常時検出する位置検出手段と、規定作動位置検出手段からの規定作動位置情報と位置検出手段からの位置情報とから、被検眼に対する光学測定部の規定作動位置及び実作動位置を認識する位置認識手段と、位置認識手段より得られた光学測定部の実作動位置、あるいは規定作動位置と実作動位置との距離誤差を演算ファクターとして含む被検眼光学特性算出式に基づいて被検眼光学特性値を演算する演算手段とを備える。そして、この測距システムは、実作動位置において得られた光学特性値を距離誤差に基づいて補正して、実作動位置での補正光学特性値を求めるものである。 【0016】上記構成の測距システムを用いると、検者が、光学測定部を被検眼に対する規定作動位置に位置決めすべく光学測定部を前後に動かすときに、位置検出手段によって被検眼に対する光学測定部の相対的位置が常時検出されるとともに、光学測定部が規定作動位置にあるか否かが作動位置検出手段によって認識される。ある位置が規定作動位置であると検者が判断して被検眼の測定を開始した瞬間、その瞬間での実作動位置が位置検出手段によって検出される。これらの光学測定部の規定作動位置と実作動位置とは位置認識手段によって認識され、規定作動位置に対する実作動位置の距離誤差が算出される。実作動位置での角膜曲率半径は、距離誤差を加味して角膜曲率半径算出式に従って演算手段によって算出され、距離誤差に基づいて補正される。したがって、距離誤差を考慮しない場合より、角膜曲率半径の測定値の精度を向上させることができるとともに、オートフォーカス機構といった複雑な機構を付加する場合より、低コスト化を図ることができる。 【0017】規定作動位置検出手段としては、種々の検出手段を用いることもできるが、光学測定部の位置に応じて被検眼の合焦を判定する合焦判定手段を用いることが好ましい。 【0018】角膜形状測定装置においては、被検眼の状態をモニターするための前眼部観察光学系が必ず設けられており、モニター上に表示された前眼部像を合焦判定像として利用することができる。そして、合焦判定手段は、光学測定部が被検眼に対して規定作動位置になったときに被検眼が合焦するように予め光学設計されている。被検眼の光学特性を測定する際に、検者は光学測定部を前後に動かして被検眼が合焦するように位置決め操作を行う。被検眼が合焦すれば、この合焦位置が規定作動位置となり、前眼部像を合焦させるという通常の測定操作から規定作動位置を簡単に検出することができる。そして、合焦判定手段は、既存の光学系を利用することができるので、コストアップにはならない。 【0019】また、角膜形状測定装置は、角膜投影光投影光源からの拡散光を被検眼角膜に投影するための角膜投影光投影光学系と、被検眼角膜上で反射した角膜反射像を光電検出手段に導く角膜反射像受光光学系とを含む光学測定部と、光学測定部が被検眼に対して規定作動位置にあるか否かを検出する規定作動位置検出手段と、被検眼に対する光学測定部の相対的位置関係を常時検出する位置検出手段と、規定作動位置検出手段からの規定作動位置情報と位置検出手段からの位置情報とから被検眼に対する光学測定部の規定作動位置及び実作動位置を認識する位置認識手段と、光学測定部の実作動位置情報を検者に告知する告知手段と、を備える。 【0020】そして、告知手段としては、例えば、装置に通常設けられているモニター等の画像表示手段によって検者が視覚的に認識できる構成にしたり、ブザー又はチャイム等の音あるいは具体的な意味のある言葉が発せられる発音手段によって検者が聴覚的に認識できる構成にしたり、又はその両手段を含む構成にすることができる。 【0021】上記構成によれば、規定作動位置検出手段は、光学測定部が被検眼に対して規定作動位置にあるか否かを検出するとともに、位置検出手段は、被検眼に対する光学測定部の相対的位置関係を常時検出している。位置認識手段は、規定作動位置情報と位置情報とから、被検眼に対する光学測定部の位置が規定作動位置にあるか否かについて認識する。告知手段は、位置認識手段から光学測定部の実作動位置が規定作動位置にあるか否かについて検者に告知する。実作動位置情報について告知された検者は、実作動位置情報に基づいて、光学測定部の実作動位置が規定作動位置になるように位置決めを行う。したがって、熟練度の低い検者であっても、告知された実作動位置情報に基づいて、光学測定部を規定作動位置に位置決めすることによって、角膜曲率半径の測定値の精度を向上させることができるとともに、オートフォーカス機構といった複雑な機構を付加する場合より、低コスト化を図ることができる。 【0022】上記角膜投影光投影光学系は、1系統の投影光学系からなり、被検眼を照準し、且つ、被検眼を照明し、且つ、被検眼の角膜形状を測定するために用いられるとともに、上記角膜反射像受光光学系は、1系統の受光光学系からなる構成にすることができる。 【0023】上記構成によれば、上述したのと同様に、製造コストのウエイトが高い光学測定部が極めてシンプルに構成されているので、角膜形状測定装置の製造コストを大幅に低減することができる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な一実施形態を図2〜図9にしたがって詳細に説明する。 【0025】図2は、角膜形状及び眼屈折力の両方を測定することができるケラト・レフラクトメータを示す側面図である。ケラト・レフラクトメータは、被検眼固定手段としての被検者固定フレーム23と、光学測定部28を内蔵する本体21と、本体21と一体化されているとともにベース22に対して前後に移動自在の移動台24と、移動台24を可動に支持するための土台であってテーブル等の台上に据え置かれるベース22とから構成されている。 【0026】図2に示した移動台24は、被検者固定フレーム23に対して前後、左右に移動自在の移動機構を内蔵しており、その上面には操作ボタン26aを有するジョイスティック26を備え、検者はモニター28aを見ながらジョイスティック26を動かして照準及び合焦の操作ができるように顎乗せ台25に対して光学測定部28の位置調整操作を行う。 【0027】移動台24の下面には、位置検知手段としての不図示のポテンショメーターが設けられている。移動台24がベース22に対して前後に動くと、ポテンショメーター内部に設けられたプーリーが回転することに伴ってポテンショメーターの可変抵抗器の抵抗値が変化する。ポテンショメーターの抵抗値変化をモニターすることで、移動台24の移動量を検知することができる。 【0028】図2に示すように、本体21は、角膜曲率半径及び眼屈折力等の光学特性を測定するための光学測定部28と、光学測定部28から得られた画像信号を受信するとともに、各種データに基づいて角膜曲率半径及び眼屈折力等の測定値を演算する不図示の演算手段と、レチクルマークが写し出されているとともに、被検眼反射像及び眼科測定値といった種々の情報を表示するモニター28aと、位置情報と合焦情報とから規定作動位置及び実作動位置をそれぞれ認識する不図示の位置認識手段とを備えている。 【0029】図3は、本発明の一実施形態に係る角膜形状測定装置の光学測定部28の光学系を示す図である。図3に示すように、光学測定部28は、角膜投影光投影光源53bから出射された角膜投影光53を被検眼1の角膜2に投影する角膜投影光投影光学系53aと、眼底指標光50を眼底3に対して投影する眼底指標光投影光学系50aと、角膜反射像75を角膜反射像受光用2次元センサ34b上に結像させる角膜反射像受光光学系30bと、眼底指標像を眼底指標像受光用2次元センサ34a上に結像させる眼底指標像受光光学系30aとを備える。 【0030】角膜投影光投影光学系53aは、角膜投影光投影光源53bと拡散板60とを備えてなり、接眼レンズ67の近傍に設けられている。角膜投影光投影光源53bから出射された光は、拡散板60を介して被検眼1の角膜2上にリング状指標像として投影されて、角膜反射像75が角膜2上に形成される。角膜反射像75は、接眼レンズ67、ダイクロイックミラー61、フィールドレンズ66、ビームスプリッタ65、絞り32及び結像レンズ33からなる角膜反射像受光光学系30bによって角膜反射像受光用2次元センサ34b上に導かれて、角膜反射像受光用2次元センサ34b上で結像する。 【0031】眼底3に眼底指標光50を投影して眼底3で反射した眼底指標像を受光する投影光学系50a及びその受光光学系30aは、以下のように構成されている。すなわち、眼底指標光投影光学系50aにおいて、眼底指標光投影光源50bから出射した細く絞られたビーム光の眼底指標光50が、マスク62を通過することによって測定パターンの指標光になる。この眼底指標光50は、穴開きミラー63、ダイクロイックミラー61、接眼レンズ67を経て、被検眼1に投影され、被検眼1の眼底3で反射して眼底指標像を形成する。眼底指標像は、接眼レンズ67、ダイクロイックミラー61、穴開きミラー63、及び結像レンズ33からなる眼底指標像受光光学系30aによって眼底指標像受光用2次元センサ34aに導かれて、眼底指標像受光用2次元センサ34a上で結像する。 【0032】図4は、本発明の一実施形態に係る角膜形状測定装置のシステム図である。図4に示すように、2次元センサ34a,34b上のそれぞれで結像した眼底反射像及び角膜反射像75の画像信号を受信するとともに、各種データに基づいて眼屈折力及び角膜曲率半径等の眼科測定値を演算するための演算手段としてのCPU35が本体21に設けられている。CPU35には、角膜反射像受光用2次元センサ34bからの信号を受け取って前眼部像及び角膜反射像75をモニター28aに出力するビデオ回路47と、投影・受光光学系49を介して被検眼1に対して投影する眼底指標光投影光源50b及び角膜投影光投影光源53bを制御する制御出力信号、及び入力装置としてのジョイスティック26の入力信号の入出力端子であるI/Oポート48と、ポテンショメータ27からのアナロクデータをデジタル化するためのA/D変換回路36と、システム制御のプログラムが書き込まれたROM45と、システムのワークエリアとして使用されて角膜反射像75、眼底指標像、及び位置データの各実測値を一時的に記憶する位置記憶手段としてのRAM44と、ビデオ回路47からの信号を直接CPU35に伝えるダイレクトメモリアクセス回路46とが接続されている。 【0033】角膜反射像75の結像した角膜反射像受光用2次元センサ34bから出力された電気信号は、ビデオ回路で映像信号に変換される。画像表示デバイスとしてのモニター28a上には、図5に示すような前眼部像が表示される。すなわち、前眼部像の中央部において、連続したリング形状の角膜反射像75が映った前眼部像が表示される。角膜投影光53は、拡散光であるとともに角膜反射像75の輝度が高いので、前眼部全体を照明する照明光として用いることができる。したがって、照明用光源及び照明用投影光学系を別体で設ける必要がない。 【0034】角膜反射像75は、前眼部像より輝度が高いので、照準像として用いることができる。すなわち、検者は、角膜反射像75の中心がモニター28aに表示された円形レチクルパターンの中心と一致するように、すなわち被検眼1と測定光学部28との光軸が一致するように、モニター28aを見ながらジョイスティック26を操作することによって、移動台24を左右に動かして角膜反射像75を合照準させる。そして、移動台24を前後に動かして角膜反射像75のリングが細く鮮明になったとき、すなわち、角膜反射像75の輝度が最も高くなったときが合焦状態となる。角膜反射像75を合照準及び合焦することによって容易にアライメントすることができるので、照準用光源及び照準用投影光学系を別体で設ける必要がない。なお、眼屈折力測定時においては、角膜投影光53が角膜3上に投影され、この角膜投影光53が照明光及び照準光として用いられる。 【0035】リング形状の角膜反射像75は、近軸理論により角膜曲率半径の半分のところにできることが知られており、光軸7に対する角膜反射像75の高さから角膜曲率半径が求められる。したがって、角膜反射像75を角膜反射指標像として用いることができる。以上説明したように、角膜投影光投影光源53bは、3つの用途、つまり照明用、照準用、及び角膜形状測定用の光源に兼用されている。 【0036】また、被検眼1の角膜2上に投影された角膜反射像75は、以下に説明する信号処理を施すことによって、合焦状態を判定するための合焦判定像として使用される。 【0037】規定作動位置検出手段としての合焦判定手段は、光学測定部28が被検眼1に対して規定作動位置になったときのみに合焦するように光学設計されており、角膜反射像受光用2次元センサ34bとCPU35とを少なくとも備える。合焦判定手段は、角膜反射像受光用2次元センサ34b上で受光された合焦判定像としての角膜反射像75のコントラストが最も高くなったときに、光学測定部28が合焦状態、すなわち判定規定作動位置であると判定する。 【0038】測定操作を行っている間、合焦判定像の積算値及び光学測定部28の位置データが常時検出されている。検者がピント合わせするために、検者がジョイスティック26を操作しながら移動台24を前後に動かすと、各位置での位置データと合焦判定像の積算値とが得られる。各位置での位置データと積算値とに対して、位置データを横軸に、積算値を縦軸にとると、山型曲線のグラフとなる。検者が移動台24を前後に動かすと積算値は合焦判定像の合焦位置で最大になるので、山型曲線の頂点が合焦位置となる。 【0039】位置認識手段は、図4に示すように、角膜反射像受光用2次元センサ34bと、CPU35と、ポテンショメータ27と、モニター28aと、位置記憶手段としてのRAM44とを少なくとも備える。ポテンショメータ27からの位置情報と、角膜反射像受光用2次元センサ34bとCPU35とを少なくとも備える合焦判定手段からの合焦情報とが、それぞれ、所定のタイミングで、RAM44に一時的に蓄えられる。これらの位置情報と合焦情報とを常時モニターすると、上述した山型曲線が得られる。そして、山型曲線の頂点が合焦状態の位置であると判定され、その瞬間での光学測定部28の合焦位置が規定作動位置として認識され、その位置での位置データがRAM44に蓄えられる。また、検者は、モニター28a上の角膜反射像75から現在の位置が合焦位置であると判断したときに測定開始ボタンを押す。この瞬間に角膜投影光又は眼底指標光が被検眼1に投影されるとともに、その瞬間での光学測定部28の位置が実作動位置として認識され、その位置での位置データがRAM44に蓄えられる。 【0040】角膜の曲率半径rは、以下に示す(1)式で求めることができる。 r=2・h2・{2・h2・D±h1・(h12+D2-4・h22)0.5}・(h12-4・h22) --(1)ここで、Dは実作動距離、h1は光軸7からの角膜投影光投影光源53bの高さ、h2は光軸7からの角膜反射像75の高さである。 【0041】位置認識手段より得られた実作動位置に基づいて被検眼光学特性算出式を補正する補正手段は、図4に示すCPU35である。例えば、角膜形状測定の場合、角膜投影光を実際に投影した瞬間の、角膜反射像75の高さh2、及び実作動距離Dを、それぞれ、(1)式に示す算出式に従ってCPU35で演算処理することによって、補正された角膜曲率半径が算出される。このようにして得られた角膜曲率半径値は、モニター28a上に表示されるか、あるいは不図示のプリンタで印字される。 【0042】角膜形状測定に続いて、眼屈折力測定が行われる。 【0043】すなわち、図3に示すように、眼屈折力を測定するための眼底指標光投影光学系50aにおいて、眼底指標光投影光源50bから出射した細く絞られたビームの眼底指標光50が、マスク62を通過してリングパターンの眼底指標光になる。この眼底指標光50は、穴開きミラー63、ダイクロイックミラー61、接眼レンズ67を経て、被検眼1に投影されると、被検眼1の眼底3で反射して眼底指標像を形成する。眼底指標像は、接眼レンズ67、ダイクロイックミラー61、穴開きミラー63、及び結像レンズ66からなる眼底指標像受光光学系30aによって眼底指標像受光用2次元センサ34aに導かれて、眼屈折力受光光学系用2次元センサ34a上で結像する。眼屈折力受光光学系用2次元センサ34a上の眼底指標像は、角膜形状測定の場合と同様に、眼底指標光50を実際に投影した瞬間の、眼底指標像の高さ情報、及びそのときの位置情報を、それぞれ、所定の算出式に従ってCPU35で演算処理することによって、補正された眼屈折力値が算出される。このようにして得られた眼屈折力値は、モニター28a上に表示されるか、あるいは不図示のプリンタで印字される。 【0044】本発明に係る他の実施形態の角膜形状測定装置は、少なくとも、上述した光学測定部28と、光学測定部28が被検眼1に対して規定作動位置にあるか否かを検出する規定作動位置検出手段と、被検眼1に対する光学測定部28の相対的位置関係を常時検出する位置検出手段と、測定データに基づいて角膜曲率半径等を演算する不図示の演算手段と、位置情報と合焦情報とから被検眼1に対する光学測定部28の実作動位置を認識する不図示の位置認識手段と、光学測定部28の実作動位置情報を示すインジケータ等が表示された告知手段としてのモニター28aと、を備えている。 【0045】位置認識手段は、上述したように、少なくとも、角膜反射像受光用2次元センサ34bと、CPU35と、ポテンショメータ27と、モニター28aと、位置記憶手段としてのRAM44とから構成される。合焦判定手段は、角膜反射像受光用2次元センサ34bとCPU35とを少なくとも備えている。上記と同様の方法で、ポテンショメータ27からの位置情報と、合焦判定手段からの合焦情報とを常時モニターすることによって、上述した山型曲線が得られ、その山型曲線の頂点が合焦位置となる。 【0046】光学測定部28の実作動位置が規定作動位置にあるか否かについて、あるいはそのずれ量については、視覚的又は聴覚的に、定量的又は定性的に、告知手段によって検者に告知される。具体的には、光学測定部28の実作動位置に基づいて、モニター28a上に表示されたインジケータ(例えば、矢印や記号といった抽象的な表示体、又は数字や文字等の具体的な表示体)が変化する構成にしたり、測定装置に設けられた不図示のスピーカーから音あるいは言葉等が発せられたり変化する構成にしたりすることができる。検者は、このような告知手段によって告知された内容に基づいて光学測定部28を前後に動かして、光学測定部28が規定作動位置になるように位置決めし、光学測定部28が規定作動位置になったと判断したときに測定開始ボタンを押す。この瞬間に角膜投影光が被検眼1に投影されて、被検眼1の角膜2の曲率半径が所定の曲率半径算出式から算出される。 【0047】角膜反射像75は、図6〜図9に示すような様々な形状にすることができる。 【0048】すなわち、図6は、本装置の光軸7を中心として角膜を覆う多重リングの角膜反射像75を示し、各リングが角膜の中心部から周辺部まで延在するによって、角膜の複数箇所の曲率半径を同時に求めることができる。図7は、単リングの外方に2本の縦線を180度の角度で対向配置した角膜反射像75を示し、単リングが照準像及び角膜反射指標像として使用されるとともに、2本の縦線が照準像として使用される。図8は、4個の輝点が装置の光軸7を中心とするリング上に略均等に配置された角膜反射像75を示し、輝点リングの半径から角膜曲率半径を求めることができる。図9は、8個の輝点が装置の光軸7を中心とするリング上に略均等に配置された角膜反射像75を示し、図8と同様に、角膜曲率半径を求めることができる。 【0049】なお、図4に示した角膜形状測定装置では、眼底指標像受光光学系30a及び角膜反射像受光光学系30bのそれぞれにおいて、眼底指標像受光用2次元センサ34a及び角膜反射像受光用2次元センサ34bを用いているが、低コスト化を図るために、1つの2次元センサを角膜反射像用と眼底指標像用とに兼用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390000594 【氏名又は名称】隆祥産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月27日(1999.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−120503(P2001−120503A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−305350 |
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