| 【発明の名称】 |
医療処置用の生体組織支持装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】北村 信夫
【氏名】上村 晋一
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| 【要約】 |
【課題】弁修復を行う際、切削する患部を支持して、施術を迅速に且つ正確に行うための医療処置用の生体組織支持装置を提供する。
【解決手段】実質的に直棒状のロッド部2と、ロッド部の先端に連結された曲棒状の鉤部3と、鉤部先端に接続された支持台4とを備える。支持台は、鉤部先端部との接続部よりも膨張した形状を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 施術を補助するために生体組織の一部を支持する装置であって、実質的に直棒状のロッド部と、前記ロッド部の先端に連結された曲棒状の鉤部と、前記鉤部先端に接続された支持台とを備え、前記支持台は、前記鉤部先端部との接続部よりも膨張した形状を有することを特徴とする医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項2】 支持台の最大断面積が、接続部の断面積、または鉤部断面の平均断面積よりも大である請求項1に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項3】 ロッド部の長さ(L1)が、鉤部の伸長した長さ(L2)よりも大きい請求項1に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項4】 支持台の近傍に、生体組織を照射するための投光装置の光照射部が装着されている請求項1に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項5】 投光装置が、光照射を行う照射部と、光を供給する光供給部と、前記照射部と前記光供給部とを連絡する光ファイバーとを有し、支持台が光透過性の材質からなり、ロッド部および鉤部は連通した中空構造を有し、前記光ファイバーは前記鉤部およびロッド部の内腔に挿入されて、一端が前記ロッド部の基端側から延出して前記光供給部に連結され、他端に連結された前記照射部は前記支持台寄りの前記鉤部の先端部内腔に留置されていることを特徴とする請求項4に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項6】 支持台が、鉤部に脱着自在および/または、回動自在に接続されている請求項1〜5のいずれかに記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項7】 支持台が球体、変形球状体、プリズム状多面体、椀型、逆椀型から選択されたいずれか1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項8】 ロッド部の長さが50〜200mmであり、鉤部の伸長時長さの2倍以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項9】 施術を補助するために生体組織の一部を支持する装置であって、実質的に直棒状で中空のロッド部と、前記ロッド部の先端部側面に固定された光透過性を有する支持台と、投光装置とを備え、前記支持台の前記ロッド部基端側における表面は支持面を構成し、その支持面の面積は、前記ロッド部の断面積よりも大であり、前記投光装置は、光照射を行う照射部と、光を供給する光供給部と、前記照射部と前記光供給部とを連絡する光ファイバーとを有し、前記光ファイバーは前記ロッド部の内腔に挿入されて、一端が前記ロッド部の基端側から延出して前記光供給部に連結され、他端に連結された前記照射部は前記支持台の内腔に留置されていることを特徴とする医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項10】 支持台の内腔は、ロッド部の先端側の向きに開口しており、光ファイバーは、ロッド部の先端から一旦露出した後、その先端に連結された照射部が前記支持台の内腔に挿入されている請求項9に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項11】 支持台が略円筒状であり、その軸が、ロッド部の軸と平行である請求項9に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項12】 光供給部が、光の照射強度や照射の開始または停止を制御するための照射制御装置を含む請求項5または9に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項13】 ロッド部の少なくとも一部分が塑性変形する材質で形成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項14】 支持台が、特定方向に光を透過し易く、それ以外の方向には光が透過し難い特性を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項15】 支持台は、ロッド部に対して回動可能なように前記ロッド部に接続され、回動により、前記ロッド部の側部に位置する状態と、前記ロッド部の先端の延長上に位置する状態とをとり得ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。 【請求項16】 高速回転するヤスリによって生体組織の部分的切削を行う施術に用いられる請求項1〜15のいずれか1項に記載の医療処置用の生体組織支持装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、心臓の弁疾患を修復するための弁形成術において、電動ヤスリの高速回転によって肥厚化した組織の一部を切削する際に、切削補助のために使用する医療処置用の生体組織支持装置に関する。 【0002】 【従来の技術】心臓の弁疾患の治療方法には、弁膜症患者の罹患心臓弁を人工弁で置き換える弁置換術と、罹患心臓弁を修復形成する弁形成術とがある。前者の弁置換術は、人工弁の発達とともに改良を重ね、臨床応用されてきた。最近では、弁置換術の手術成績は安定してきたとはいうものの、現在用いられる人工弁が理想的なものではなく、人工弁そのものに起因する合併症や術後に必須となる抗血液凝固療法を考えると、未だ完成された治療方法とは言い難い。このように弁置換術が完成された理想的な手技でない以上、弁置換術は最終的手段として残しておき、可能なかぎり自己弁を温存する術式、すなわち弁形成術(弁修復術)を第1選択とするのが、患者にとって望ましい。弁形成術においては、従来、メスによる弁切除術(以下、スライシング(Slicing)法と称する)が行われてきたが、従来の方法では手技的に困難であり、期待される弁形成ができ難く、効果も不安定であった。 【0003】そこで、本発明者らは、電動ヤスリを使用して生体組織の肥厚化部等の不要部分を切削する手技(以下、ラスピング(Rasping)法と称する)を開発した。初期段階におけるこの手技・方法については、発明者によって、手術:第44巻第8号1063〜1068頁(1990年)、肺と心:第38巻第4号282〜287頁(1991年)に開示済みである。これらに記述された実験的検討に続いて臨床応用したところ、スライシング法のみではどうしても無理であった、弁尖の中腹凹面の形成も可能となり、より安定な結果を得ることができるようになった。しかし、ラスピング法にも解決すべき問題は残っており、本手技に使用するソフト、ハードの両面からの改善が必要である。すなわち、ラスピング法においては、以下のような問題が残されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】1.切削部位による切削器具の選択および交換ラスピング法では、弁の肥厚化組織の部位、形態、硬度に応じて、切削器具の回転するヤスリ先端部(以下、ポイントともいう)の材質、形状、表面性状の適当なものを選択し、取り替えることがコツであった。しかし、その選択基準は1つのノウハウであり、施術例によって得られる経験的なものであった。従って、上述のラスピング法の適用を決めた場合に、弁肥厚化組織の部位、形態、硬度等のパラメータ等によって、それらを施術するのに最適な材質、形状、表面性状のポイント(先端部ヤスリ)を、一定の基準で選択・交換する選択手段を有するのが望ましい。 【0005】また、従来のラスピング法に使用した電動ヤスリはポイントの頻繁な交換を考慮したものではないため、交換手技が面倒であった。ところが、ラスピング法においては、迅速且つ容易な交換が必要とされる。このため、ラスピング法では、弁疾患によって交換の必要性の少ない切削器具が望まれる。或いは、交換の手間のかからない切削器具が望まれる。 【0006】2.ラスピング法を容易にするための補助手段ラスピング法では、先端部のヤスリの高速回転によって肥厚化した組織の一部を除去する。そこで、ラスピング法を実施する際に、弁等の生体組織を保持、或いは支持し、施術を容易にするための補助手段が必要となる。即ち、回転ヤスリによって患部を切削している間、切削部位が逃げたり、グラつかないように、しっかりと患部を支持(把持)できようにする必要がある。同時に、施術の必要な箇所に上記の支持装置を容易に挿入できることが必要である。 【0007】さらに、不要な生体組織は切削除去しなくてはならないが、必要な他の組織は残しておかなくてはならない。そのため、弁の肥厚化部分や肉薄部分を確認しながら、除去すべき部分のみ切削できるように、弁尖の肉厚を確認する手段を有するのこと望ましい。しかし、弁の肉厚を測るために、あまり手間や時間がかかるようでは、実際の施術に不向きであるし、逆に簡便であるが、実際の肉厚を反映しないようなものでは使いものにならない。従って、迅速且つ簡便に、しかも必要程度に正確に弁の肉厚を確認できるものが、補助手段として望ましい。 【0008】本発明は、ラスピング法の実施に際して生体組織を保持、或いは支持し、施術を容易にするための、効果的な医療処置用の生体組織支持装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の基本構成の医療処置用の生体組織支持装置は、施術を補助するために生体組織の一部を支持する装置であって、実質的に直棒状のロッド部と、ロッド部の先端に連結された曲棒状の鉤部と、鉤部先端に接続された支持台とを備える。支持台は、鉤部先端部との接続部よりも膨張した形状を有する。 【0010】上記構成における、支持台の形状は、より具体的には、支持台の最大断面積が、接続部の断面積、または鉤部断面の平均断面積よりも大であるように構成される。ここで、支持台の最大断面積とは、鉤部先端部における鉤部の軸に垂直な面で支持台を切断したときにできる断面の最大断面積をいう。接続部の断面積とは、支持台と接続されている鉤部先端部を、(鉤部の)軸に垂直な面で切断したときの断面積をいう。また鉤部断面の平均断面積とは、鉤部の軸に垂直な面で鉤部の各部分を切断したの各断面の平均断面積をいう。支持台および鉤部の断面が実質的に円形であれば、上記の断面積は、断面の直径としてもよい。 【0011】ロッド部は、切削すべき生体組織が深い部位に存在する場合でも容易に挿入し施術することができるように、細長く直棒状のものが好ましい。支持装置でもって患部を裏側から持ち上げなくてはならないので、鉤部の伸長長さよりロッド部の長さが大きい方が望ましい。また、リトラクター(開胸器)にロッド基端部を固定保持することによって、術野の傍に上記支持装置を邪魔にならないように、準備することができる。釣針形状に湾曲した鉤部は、術野が狭い部位であっても、鉤部を挿入し、生体組織の切除部手前側から切除部奥側に支持台を位置させることによって、裏(奥)側から生体組織を支えることができる。さらに支持装置を手前側に軽く引張ることにより、患部が奥側から出されて、切削し易くなる。 【0012】支持台の大きさは、用途や使用方法によっても変ってくるので、特に限定されないが、心臓弁の切削時に使用する場合は、弁の隙間に挿入可能な範囲で、できるだけ大きな表面積を有する拡径した支持台が好ましい。鉤部先端部の接続部より膨張した、或いは拡径した支持台を用いれば、切削中に組織が逃げたり、患部以外を切削しないように支持することができる。また、施術し易い場所まで患部を引張り出すことができる。 【0013】さらに、支持台の近傍に生体組織膜を透過できる強度の光を照射できるような投光装置の光照射部を装着し、切削部位に光を照射することによって、肉厚を確認しながら生体組織患部を切除することができる。 【0014】好ましくは、投光装置が、光照射を行う照射部と、光を供給する光供給部と、照射部と光供給部とを連絡する光ファイバーとを有する。支持台が光透過性の材質からなり、ロッド部および鉤部は連通した中空構造を有する。光ファイバーは鉤部およびロッド部の内腔に挿入されて、一端がロッド部の基端側から延出して光供給部に連結され、他端に連結された照射部は支持台寄りの鉤部の先端部内腔に留置されている。 【0015】支持台が光透過性の材質から形成されていることにより、光照射部から照射された光は、支持台の鉤部接続面とは反対側の照射面を通過して照射される。この支持装置は生体組織をしっかりと支持(把持)するだけでなく、高速回転のヤスリで患部を切削する際、切削の程度を確認しながら施術でき、しかも目的とする箇所に挿入し易い利点を有する。 【0016】上記の構成によれば、外部にあると施術の際に邪魔になる投光装置や光ファイバーが、支持装置の内腔に挿入され、露出していない。そのため、生体組織内に支持装置を挿入し易くなる。また、支持台に載せた生体組織に対して裏面側から光を透過させることによって、透過光から切削部位の肉厚が確認できるので、削り過ぎを防止することができる。 【0017】本発明の第2の基本構成の医療処置用の生体組織支持装置は、施術を補助するために生体組織の一部を支持する装置であって、実質的に直棒状で中空のロッド部と、ロッド部の先端部側面に固定された光透過性を有する支持台と、投光装置とを備える。支持台のロッド部基端側における表面は支持面を構成し、その支持面の面積は、ロッド部の断面積よりも大である。投光装置は、光照射を行う照射部と、光を供給する光供給部と、照射部と光供給部とを連絡する光ファイバーとを有する。光ファイバーはロッド部の内腔に挿入されて、一端がロッド部の基端側から延出して光供給部に連結され、他端に連結された照射部は支持台の内腔に留置されている。 【0018】この構成において、支持台の内腔は、ロッド部の先端側の向きに開口しており、光ファイバーは、ロッド部の先端から一旦露出した後、その先端に連結された照射部が支持台の内腔に挿入されている構成とすることができる。 【0019】また好ましくは、支持台が略円筒状であり、その軸が、ロッド部の軸と平行である。 【0020】上記の構成の生体組織支持装置において好ましくは、光供給部が、光の照射強度や照射の開始または停止を制御するための照射制御装置を含む構成とする。光供給部が照射部とは離れた位置にあり、光の照射強度や照射の開始・停止をコントロールできる制御装置を含むものであれば、術者が手元で光照射をオン・オフでき、さらに術野の必要に応じて光の強さを変えられるので、使い易く便利である。或いは、生体組織やその肉厚が見やすいように、光の色や種類まで変更できるようにすることもできる。光供給部は、術者が手元で操作できるように、簡便で嵩張らないものが好ましい。 【0021】以上の構成において好ましくは、ロッド部の少なくとも一部分が塑性変形する材質で形成された構成とする。 【0022】また好ましくは、支持台が、特定方向に光を透過し易く、それ以外の方向には光が透過し難い特性を有する構成とする。 【0023】また好ましくは、支持台を、ロッド部に対して回動可能なようにロッド部に接続する。そして、回動により、ロッド部の側部に位置する状態と、ロッド部の先端の延長上に位置する状態とをとり得るように構成する。 【0024】上記の医療処置用の生体組織支持装置を使用して、修復すべき生体組織の一部を切削する施術方法は、支持装置を生体患部に挿入し、患部近傍の生体組織と支持装置の支持台とを当接せしめ、生体組織を切削部位裏面側から支持した状態で、切削部位を高速回転するヤスリによって削り取ることにより実施することができる。それにより、容易に且つ確実に目的とする箇所を高速回転ヤスリで切削することが可能になる。 【0025】また好ましくは、支持装置に投光装置を設け、生体組織の一方の表面側から光を照射し、もう一方の表面から透過してくる透過光によって、生体組織の肉厚を確認しながら、生体組織の切削部位を高速回転するヤスリによって削り取る。それにより、削り過ぎや切削不足が防止される。 【0026】 【発明の実施の形態】本発明の好ましい種々の実施の形態における医療処置用の生体組織支持装置について、以下に図面とともに説明する。 【0027】(実施の形態1)図1は、実施の形態1における医療処置用の生体組織支持装置を示す。この装置は、支持具1と投光装置5とを有する。支持具1は、直棒状のロッド部2と、釣針状の鉤部3と、鉤部3に脱着自在に嵌め込まれた支持台4とから形成される。投光装置5は、光照射を行う照射部6と、光を発生し供給する光供給部7と、照射部6に光供給部7からの光を伝達するための光ファイバー8とを有する。照射部6は、伝達された光を光ファイバー8外に照射する部位であり、光を透過する材質で形成される。レンズ等のように、集光機能を有するように形成しても良い。照射部6は、支持台4の近傍に装着されている。 【0028】図2は、図1の装置を分解して示した図である。(a)は投光装置5を、(b)は支持具1を示す。(c)は、支持台4の表面である照射面15の形状を示す。 【0029】図2(b)に示すように、支持台4は嵌合部14を有する。鉤部先端部13は中空に形成されており、そこに嵌合部14を挿入し嵌合させることによって、鉤部3に支持台4を脱着可能に、しかも回動可能に接続することができる。支持台4を脱着可能にすることによって、目的や患部の状態に応じて後述するような種々の形態の支持台を取付け、また交換できる。さらに、支持台4を鉤部3に対して回動自在とすることによって、別の部位を支持したり、患部の支持状態を変更することが可能となる。支持台4が鉤部3に対して脱着可能、あるいは回動可能であることが好ましくない場合には、いずれかを防止するようにしても良い。例えば、回動防止手段を設けるとか、脱離防止手段を設けるなどによって、いずれかの機能を防止または制限することができる。 【0030】支持台4の大きさは、用途や使用方法によっても変ってくるので、特に限定されないが、例として、以下に心臓弁の切削術に使用するために望ましい態様について説明する。図20に示すように、支持装置1は、心臓弁19同士の隙間18から鉤部先端部を挿入して使用するので、挿入し易さから言うと、支持台4が小さい方が好ましい。しかし、心臓弁19の裏側に支持台を当て、表側の切削部位17を回転ヤスリで切削するときは、支持台が小さいと押え手段として有効に機能しない。また、広範囲の患部を切削する場合、その度に支持する位置を変えなくてはならず、面倒である。そのため、心臓弁の切削時に使用する場合は、弁の隙間18に挿入可能な範囲で、できるだけ大きな表面積を有する拡径した支持台が好ましい。支持台の最大断面積を、接続部の断面積に対する比によって規定する場合、(支持台の最大断面積)/(接続部の断面積)は、2〜40が好ましく、5〜20の範囲が更に好ましい。 【0031】(実施の形態2)図3は、実施の形態2における医療処置用の生体組織支持装置を示す。本実施の形態においては、ロッド部2および鉤部3の内腔に光ファイバー8が挿通され、鉤部先端13の近傍に、光ファイバー8の先端に形成された光照射部6が配置されている。光ファイバー8の基端は、光供給部7と結合している。光供給部7は、光源であるとともに制御手段としての機能も備え、光照射・停止や照射強度を調節することができる。 【0032】このような構成にするためには、ロッド部2および鉤部3を、図2に示すように中空構造とし、その両者の内腔を連通させる。これらの両内腔に投光装置5を構成する要素である光ファイバー8を挿入する。ロッド部2の基端側から照射部6の形成された光ファイバー8の先端部を挿入し、支持台4近傍に照射部6を到達させる。ロッド部2内腔に光ファイバー8を挿入していくと、照射部6はロッド部2から鉤部3を通って、最終的に鉤部先端部13に嵌合している支持台4に突き当たって停止する。その結果、照射部6は鉤部先端側13の内腔に留置される。 【0033】支持台4は光透過性の材質から形成されている。従って、照射部6から照射された光は、支持台4の嵌合部14とは反対側になる照射面17を通過して照射される。 【0034】光ファイバー8や照射部6を支持具1の内腔に挿通すると、支持台4で生体組織を支持しながら、支持台4の直下から光照射できるので、支持台に載せた生体組織に対してその裏面側から光を照射し、表面に透過してくる透過光によって、生体組織の肉厚を確認し、切削の程度を確認しながら施術できる。また、光ファイバー8や照射部6を配置するための場所を特別に取る必要がないので、装置をコンパクトにでき、目的とする箇所に挿入し易い。ずなわち、投光装置5が外部にあると施術の際に邪魔になるが、支持具の内腔に挿入され露出していないので、生体組織内に支持装置を挿入し易くなる。 【0035】透過光によって肉厚を確認する手段については、必要に応じて適宜選択すれば良い。肉眼で確認するのが最も簡便であり、適用範囲も広いが、相対的或いはファジーな確認手段となる。しかし、肉厚確認手段として特別なものが必要になると、却って導入しにくくなるので、実用的であって且つ客観的な判断ができる手段が望ましい。このように透過光によって、生体組織の肉厚を確認しながら切削すると、切削不足や削り過ぎによる事故を防止でき、調整が容易になる。 【0036】支持台4の光透過性に関しては、特定方向または特定表面のみ光が透過し易くなるようにし、それ以外の方向には透過し難くなるようにすると、切削すべき生体組織にのみ光を集中して照射することができるので、肉厚等の確認がし易くなる。 【0037】上述のように、光供給部7が照射部6とは離れた位置にあり、光の照射強度や照射の開始・停止をコントロールできる制御装置を含むものであれば、術者が手元で光照射をオン・オフでき、さらに術野の必要に応じて光の強さを変えられるので、使い易く便利である。あるいは、生体組織やその肉厚が見やすいように、光の色や種類を変更できるようにすることもできる。光供給部7は術者が手元で操作できるように、簡便で嵩張らないものが好ましい。例えば、投光装置として、単3の乾電池を挿入した円筒状の光供給部に、直径2〜3.5mmの光ファイバーを接続し、光ファイバーの先端部に光を照射する照射部の形成されたものを用いることができる。この装置には、光供給部の上部に、回動させることにより、光の強弱の制御、及び照射のオン・オフを切り替えることのできるスイッチを設ける。この投光装置の照射部および光ファイバーを、中空の支持具に挿入できるように、またはし易いように、両者の形状および寸法を設計する。 【0038】本発明の医療処置用の生体組織支持装置は、上記のような形態に限定されるものではないが、上記の理由で、支持具の内腔に光ファイバーが挿入されることが好ましい。本実施の形態では、ロッド部2と鉤部3は中空の金属製導管により構成される。支持具1は、挿入時や施術時に生体組織を載置して引張った状態で使用するので、このような使用により容易に変形してしまうような剛性の小さいものでは具合が悪い。しかし、患部や術野に合わせてロッド部2を曲げて調整することもあるため、ロッド部2の一部分が人力によって塑性変形する程度の剛さであっても良い。その場合、人力で形状変更できる程度の曲げ応力であることが望ましい。塑性変形する応力がこれより小さいと、施術中に変形する可能性があり、好ましくない。従って、ロッド部2或いは鉤部3は用途によってステンレス製のものを選んだり、人力で塑性変形の可能なアルミニウム、その他の金属製のものを選ぶことができる。また、支持具の肉厚によって、重量や塑性変形を調整しても良い。 【0039】図15に示すロッド部2の長さL1は、曲線の鉤部を真直ぐにした伸長時長さL2よりも長いことが望ましく、2×L2≦L1≦3×L2であることが更に好ましい。支持台4はアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート樹脂、酢酸ビニル樹脂等の光透過性の優れた材質で形成されることが好ましいが、その他、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン樹脂等の光透過性を改善した樹脂成形物を用いても良い。 【0040】図3に示したロッド部2や鉤部3の形状・寸法は、本発明の一例に過ぎず、治療すべき生体組織や術者の好みに合わせて適宜変更することができる。 【0041】(実施の形態3)上記の実施の形態において示した支持台4の形状は、目的や対象に応じて、図4〜図10に示すように、種々のものを選択できる。 【0042】図4に示す支持台4aは、偏平球(俵型)状の形状を有する。図4(a)は正面形状を、(b)は側面形状を示す。この支持台4aは、心臓弁の側部を切削する場合に最も一般的に使い易いものである。比較的広範の患部を支持でき、且つ切削できるので、たいへん便利である。 【0043】図5に示す支持台4bは、お椀型の形状を有する。図5(a)は側面形状を、(b)は平面形状を示す。この支持台4bは、切削すべき患部の肥厚化部分の肉厚が大きく、円状に形成された場合に使用すると、便利である。 【0044】図6に示す支持台4cは、プリズム型の形状を有する。図6(a)は側面形状を、(b)は平面形状を示す。この支持台4cは、弁尖端部を切削する場合に、狭い箇所でも支持し易く便利である。 【0045】図7に示す支持台4dは、洋梨型の形状を有する。図7(a)は側面形状を、(b)は底面形状を示す。この支持台4dは、前述の肥厚化部分が小さい場合の切削に便利である。近傍の正常な組織を誤って切削する恐れが少なくなる。また、上記のような形状であると、患部が複雑な形状であっても適応できる。 【0046】図8に示す支持台4eは、単なる球状の形状を有する。この支持台4eは、肥厚化部分が小さく、また患部が支持台に追従し易い場合に使用する。 【0047】図9に示す支持台4eは、逆お椀型の形状を有する。この支持台4eは、患部を薄くなるまで切削したい場合に使用すると、便利である。 【0048】図10に示す支持台4gは、瓢箪型の形状を有する。この支持台4gは、支持台が平面や単純な球面では生体組織に追従できない場合に使用することができる。図10(a)は瓢箪型支持台4gを上方(ロッド側)から見た平面図、図10(b)は、支持台4gの側面図である。 【0049】いずれにしても、支持台は、高速回転しているヤスリが切削している際に、(切削面の裏側からの)当て部材となるように機能し、しっかりと生体組織が支持でき、生体組織が逃げないように施術できる形状・寸法とする。 【0050】(実施の形態4)図11は、実施の形態4における医療処置用の生体組織支持装置を示す。図11(a)は一部断面で示した正面図、(b)は平面図である。但し、(b)は、(a)のA−Aにおいて上部を取り去った状態を示す。 【0051】支持具は、直棒状で中空のロッド部20と、その先端部に固定された支持台21とから形成されている。投光装置は、図3に示した実施の形態2と同様の構成であり、ロッド部20の内腔に挿通された光ファイバー22と、その光ファイバー22の先端に形成された光照射部6と、光ファイバー22の基端に接続された光供給部7とを有する。 【0052】支持台21は、略円筒形のプリズムから構成され、その周面部23においてロッド部20に固定されている。支持台21の中心軸は、ロッド部20の軸と平行であり、支持台21の上面24は平坦である。25はファイバー挿入孔であり、ファイバー挿入孔25は開口部26により外部と通じている。支持台21の上面は支持面を構成し、その面積は、ロッド部20の断面積よりも大である。 【0053】光ファイバー22は、開口26を通ってファイバー挿入孔25に挿入され、先端の光照射部6が光照射に適した位置に配置されている。光ファイバー22は開口部26において、支持台21から容易に外れることがないように係止されている。 【0054】この実施の形態によれば、患部に支持具を挿入し易く、光ファイバーの支持具への挿入・抜去も簡単にできる。また、構造も簡単なため、製造が容易である。 【0055】ロッド部20の寸法は実用的には、外径が3.5〜8mm、内径が3〜6mm、長さが150〜300mmである。肉厚は、素材に関連するが、0.5〜2.0mmであればよい。 【0056】支持台21の上面24は、弁リンを支持できる大きさがあれば良いが、その他の条件も考慮して、適宜設定すればよい。支持台21の寸法は、一例として、直径10〜20mmの円筒状とすればよい。厚みについては特に機能上の条件はなく、製造の便宜等を考慮して設定すればよい。また、支持台21の形状としては、円筒形以外でも、方形状の縁を角落としした形状や、長円形状も実用的である。 【0057】光ファイバー22としては、外径2〜3.5mm、長さ300mm以上のものを用いる。 【0058】支持台21に対する光ファイバー22の係止は、固着であっても、あるいは着脱自在であってよく、使い方に応じた係合の仕方を適宜用いればよい。例えば光ファイバー22の形に対して開口部26の形を適切に設定することにより、光ファイバー22に対して働く摩擦力で係止する構造とすることができる。 【0059】ロッド部20の長さは適宜決めればよいが、先端部の約20mmの部分については、フレキシブルであることが望ましい。あるいは塑性変形が可能なように構成すれば、使用に際して最適な形状に調節できて便利である。その場合、塑性変形に対して十分な耐久性を有することが望ましい。それらの場合に、ロッド部20全体がフレキシブル、あるいは塑性変形可能としてもよいし、先端部を別材料で形成することにより、先端部のみにそれらの性質を持たせても良い。 【0060】図12および図13に、図11の支持装置の変形例を示す。図12はプリズムからなる支持台31を示し、(a)が平面図、(b)が正面図である。(a)の平面図から判るように、支持台31の平面形状は長円形である。その周縁部32aは角が落とされて滑らかになっている。側面には保持用係合溝33が形成されている。下部にはファイバー挿入口34が設けられている。 【0061】図13は、プリズムクリップ35を有するロッド部20を示す。支持台31は、このロッド部20と組み合わせて用いられる。図13(a)は正面図、(b)は平面図である。ロッド部20自体の構造は図11に示したものと同様である。プリズムクリップ35の平面形状は、一部切り欠きを有する長円環であり、ロッド部20に対して溶接等により固定されている。プリズムクリップ35は、図12に示した支持台31の保持用係合溝33と係合する形状・寸法を有する。支持台31がプリズムクリップ35に係合した状態を図13(c)に示す。支持台31の下部には、ロッド部20を貫通して配置された光ファイバー22が挿入されている。このような構造によれば、支持台31の脱着が容易である。 【0062】上記の説明では、プリズムクリップ35がロッド部20に固定された例を示したが、プリズムクリップ35とロッド部20を相対移動可能なように結合してもよい。例えば、図14(a)に示すように、ロッド部20の先端に軸受け36を設け、プリズムクリップ37の連結部37aが軸受け36に支持される構造とする。これにより、軸受け36と連結部37aが蝶番として機能し、図14(b)、(c)に示すように、支持台31が回動可能となる。図14(b)の状態から支持台31を下方に90°回動させて図14(c)の状態にすることにより、ロッド部20の先端延長上に支持台31を位置させることが可能である。この状態では、図14(b)の状態に比べて、支持装置の先端部分における断面積が小さい。従って、図20に示したように心臓弁19同士の隙間18から先端部を挿入して使用する際には、挿入が容易である。そして挿入後には、支持台31を図14(b)に示す状態に戻せば、十分な支持機能を得ることができる。 【0063】回動可能とする角度は、支持台の形状等に応じて適宜設定し、それに応じて回動可能とするための機構も適切のものを用いる必要がある。 【0064】支持台31を回動させるための駆動力は、光ファイバー22により付与することが可能である。すなわち、光ファイバー22と支持台31の結合を十分な強度とし、光ファイバー22をロッド部20基端から引き出す力を付与することにより、支持台31は下方に回動して図14(c)の状態になり、押し込む力を付与することにより反対向きに回動して図14(b)の状態に復帰させることができる。 【0065】このように相対移動可能な構成を用いた場合に、支持台31とロッド部20の相互の位置関係は、少なくとも図14(b)に示した状態を保持可能なようにすることが望ましい。そのためには例えば、光ファイバー22をロッド部20基端に係止する機構を設ければよい。あるいは支持台31とロッド部20にそれぞれ形成した凹部と凸部の嵌合による係止等、通常用いられるどのような手段を用いても良い。 【0066】以上の各実施の形態のように構成した支持装置は、生体患部に挿入され、生体組織の切削部位裏面側に対して支持装置における支持台が当接させられ、生体組織を切削部位裏面側から施術中に逃げないように支持した状態で、切削部位を削取る。また、ロッド部および鉤部は支持台よりも細く、また必要に応じて滑らかになるようにしているため、生体の目的とする部位に挿入するのが、容易である。このように、本発明の医療処置用の生体組織支持装置を使用することによって、高速回転のヤスリを使用した生体組織の切削が容易に、しかも正確に実施できる。 【0067】 【実施例】(実施例1)以下に、本発明の医療処置用の生体組織支持装置の一実施例の形状・寸法について、図15を参照して示す。ロッド部2の長さL1は150mm、鉤部3の伸長時長さL2は60mmとし、ロッド部2と鉤部3ともにφ3.5×φ5.0のステンレス製(SUS304、SUS316)の中空管で形成した。鉤部3の各部位の曲率は、ロッド部2との連結部9がR30、第1中間部10がR25、第2中間部11がR8、先端側曲部12がR15とした。先端側局部12の接線と鉤部先端部13の軸に平行に引いた直線とのなす角度α1は45°とした。 【0068】鉤部先端部13に嵌合された支持台4は、図16〜18に示すようなプリズム型か、あるいは図19に示すような俵型とした。 【0069】図16は、プリズム型の支持台4hを正面裏側からみた図である。図17は、側面からみた図ある。図18は、支持台を上方(ロッド部基端部側)からみた平面図である。図16に示すように、支持台4hには嵌合部14が形成され、中空の鉤部先端13に脱着可能に嵌め込まれている。各部位の寸法は、L3=20.0mm、L4=10.0mm、L5=7.0mm、L6=22.4mm、L7=3.5mmφ、L8=4.0mmである。支持台4および嵌合部14ともに材質はアクリル樹脂であり、優れた光透過性を有する。 【0070】支持台の別の実施例として、図19に示すような俵型支持台4を作製した。図19(a)は正面図であり、図19(b)は側面図である。各部位の寸法は、L9=10.0mm、L10=5.0mm、L11=3.5mmφ、L12=4.0mmである。 【0071】(実施例2)図11に示した形状の支持装置を作成した。ロッド部20の長さは250mm、外径は5.0mm、内径は3.0mmとした。投光装置としては、既存の尿管ファイバーを用い、光ファイバー22の直径は2.3mmであった。支持台21のプリズムは脱着して交換可能とし、長径20mm、短径10mmの長円形平面で、高さ14mmとした。ファイバー挿入孔25の直径は3.1mm、深さは8.0mmとした。 【0072】以上の実施例は、各部の寸法の一例であり、例示された各寸法は、相当の余裕を持って適宜調整可能であることは、言うまでもない。 【0073】 【発明の効果】本発明の医療処置用の生体組織支持装置を使用することにより、施術者の経験や技術に頼ることなく、迅速且つ正確な生体組織修復術が実施できる。また、切削部を確認しながら施術することができるので、施術者は過剰な切削を気にしなくても済む。つまり、施術者の勘に頼らなくて良い。また、本装置を使用することにより、修復術が簡便となるため、施術者の負担が軽減できる。本発明の支持装置を使用した治療法は、より低侵襲な治療が可能とし、患者の生体組織を利用する温存療法であるため、抗血栓療法等の生体のメカニズムと敵対することなく実施できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153030 【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
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| 【出願日】 |
平成12年7月27日(2000.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095555 【弁理士】 【氏名又は名称】池内 寛幸 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−104320(P2001−104320A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−226886(P2000−226886) |
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