| 【発明の名称】 |
内視鏡用生検鉗子カップの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大内 輝雄
【氏名】長峰 勝
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| 【要約】 |
【課題】板素材からプレス加工によって成形される鉗子カップに、容易にしかも精度よく刃付け加工を行うことができる内視鏡用生検鉗子カップの製造方法を提供すること。
【解決手段】板素材11に絞り加工を施した後、板素材11から鉗子カップ4になる部分を切り離す切断加工を行う際に、その切断加工自体によって鉗子カップ4の開口縁部4eを刃状に形成する刃付け加工を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】金属板素材からプレスによる絞り加工によって略スプーン状の鉗子カップを製造する内視鏡用生検鉗子カップの製造方法において、上記板素材に上記絞り加工を施した後、上記板素材から上記鉗子カップになる部分を切り離す切断加工を行う際に、その切断加工自体によって上記鉗子カップの開口縁部を刃状に形成する刃付け加工を行うことを特徴とする内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。 【請求項2】上記切断加工がプレスによる剪断加工である請求項1記載の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。 【請求項3】上記刃付け加工が、上記鉗子カップの開口縁部になる部分をその壁面に対して斜めに剪断することにより行われる請求項2記載の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。 【請求項4】上記鉗子カップの開口縁部になる部分がその周囲の上記板素材に対して曲面で繋がっていて、上記鉗子カップの開口縁部になる全ての部分が上記曲面の途中の部分で同方向に剪断される請求項3記載の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。 【請求項5】上記鉗子カップの開口縁部が鰐口状に波打った形状に形成されている請求項1、2、3又は4記載の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。 【請求項6】上記切断加工の際に、上記鉗子カップの開口縁部になる部分以外の部分では、壁面に対してほぼ垂直方向に剪断が行われる請求項1ないし5の何れかの項に記載の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通されて体腔内から生検組織標本を採取するために用いられる内視鏡用生検鉗子の鉗子カップの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】内視鏡用生検鉗子は一般に、内視鏡の鉗子チャンネルに挿脱されるシースの先端部分に一対のスプーン状の鉗子カップが配置され、シース内に挿通配置された操作ワイヤを軸線方向に進退操作することにより鉗子カップが嘴状に開閉駆動され、鉗子カップの縁部に形成された刃部分で粘膜組織をくいちぎるように切り取ることができる。 【0003】そのような鉗子カップは、以前は金属棒材から切削加工によって形成されていたが、それでは部品コストが著しく高いものになるので、板材からプレス加工によって形成されるようになってきている(特開平9−276285号、特開平10−24045号)。 【0004】そのような従来の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法では、板素材から鉗子カップになる部分をプレス成形して鉗子カップ単独の部品形状を作ったあと、その鉗子カップの開口縁部に刃付け加工を行っていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、内視鏡用生検鉗子の先端は一般に直径が2〜3mm程度の小さなものであり、鉗子カップはさらにその半分の大きさの部品なので、そのような部品を単独で正しく固定して刃付け加工を精度よく行うのは非常に難しく、手間と時間を費やしてもなかなか良好な刃に加工することができなかった。 【0006】そこで本発明は、板素材からプレス加工によって成形される鉗子カップに、容易にしかも精度よく刃付け加工を行うことができる内視鏡用生検鉗子カップの製造方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用生検鉗子カップの製造方法は、金属板素材からプレスによる絞り加工によって略スプーン状の鉗子カップを製造する内視鏡用生検鉗子カップの製造方法において、板素材に絞り加工を施した後、板素材から鉗子カップになる部分を切り離す切断加工を行う際に、その切断加工自体によって鉗子カップの開口縁部を刃状に形成する刃付け加工を行うようにしたものである。 【0008】この場合、切断加工がプレスによる剪断加工によって行われ、刃付け加工が、鉗子カップの開口縁部になる部分をその壁面に対して斜めに剪断することにより行われるようにすればよい。 【0009】そして、鉗子カップの開口縁部になる部分がその周囲の板素材に対して曲面で繋がっていて、鉗子カップの開口縁部になる全ての部分が曲面の途中の部分で同方向に剪断されてもよい。 【0010】本発明は、鉗子カップの開口縁部が鰐口状に波打った形状に形成されている場合にも適用される。また、切断加工の際に、鉗子カップの開口縁部になる部分以外の部分(即ち、刃付けの必要がない部分)では、壁面に対してほぼ垂直方向に剪断加工すればよい。 【0011】 【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図3は内視鏡用生検鉗子の先端部分を示しており、ステンレス鋼線を密着巻きして形成された可撓性のシース1内に、操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。 【0012】シース1の先端に取り付けられた先端本体3の先端部分には、一対の鉗子カップ4が支軸5を中心に回動自在に支持されており、操作ワイヤ2を手元側から遠隔的に進退操作することによって、リンク板6を介して鉗子カップ4が嘴状に開閉する。8は、操作ワイヤ2とリンク板6との間に介在する繋ぎロッドであり、リベット9によりリンク板6の後端部分に連結されている。 【0013】図4に単独で示される鉗子カップ4は、ステンレス鋼板素材からプレスによる絞り加工によって製造されており、嘴に相当する先側の半部がカップ部になっている。 【0014】一対の鉗子カップ4が閉じた時に向かい合う各鉗子カップ4の開口縁部4eは、粘膜組織を切り取ることができるように刃状に形成されており、鉗子カップ4の背面部には孔4aが形成されている。 【0015】鉗子カップ4の後半部分はリンク部4bになっており、支軸5が通される嵌合孔4cと、リンク板6と連結するためのリベット7が通される嵌合孔4dが穿設されている。 【0016】図5は、上述のような鉗子カップ4を一枚のステンレス鋼板素材から製造する際の最初の工程を示している。素材板11は平らなステンレス鋼板材であり、12は、素材板11の位置決め固定をするためのピンが通される位置決め用孔である。 【0017】図5においては、素材板11上の鉗子カップ4になる部分(鉗子カップブランク40)には斜線を施して示してあり、その外縁から一定の間隔をあけて、鉗子カップブランク40を囲む第1の切り込み13が形成されている。第1の切り込み13は、例えばプレスによる剪断加工やレーザー加工等によって形成される。 【0018】第1の切り込み13の途中には、切り込みが形成されていない部分(即ち、第1切り込み連結部)13a,13b,13cが残されていて、第1の切り込み13の外側の素材板11部分と鉗子カップブランク40とを連結している。 【0019】第1切り込み連結部13a,13b,13cは、鉗子カップブランク40の長手方向の部分に一箇所(13a)と、それに対して直交する側方部分に二箇所(13b,13c)の合計三箇所に設けられていて、互いに均等に近い間隔になる位置に形成されている。 【0020】第1の切り込み13から一定の間隔をあけて、第1の切り込み13を囲むように第2の切り込み14が形成されている。第2の切り込み14の途中にも、切り込みが形成されていない部分(即ち、第2切り込み連結部14a,14b,14c)が三箇所に残されている。 【0021】第2切り込み連結部14a,14b,14cは、互いに均等に近い間隔になる位置であって、各第1切り込み連結部13a,13b,13cに対しても均等に近い間隔になる位置に形成されている。したがって、長手方向にある第2切り込み連結部14aは、長手方向にある第1切り込み連結部13aとは反対側に位置している。 【0022】このようにして、平らな素材板11に第1の切り込み13と第2の切り込み14を形成した後で、鉗子カップブランク40部分にプレスによる絞り加工を行って鉗子カップ4を成形する。 【0023】図6は、プレスによる絞り加工により鉗子カップ4が成形された後の状態を示しており、図7はそのA−A断面を示し、図8はB−B、C−C及びD−D断面を複合して示している。 【0024】なお、次の切断工程によって剪断と同時に刃付けをされる部分(鉗子カップ4の開口縁部4eになる部分)4pはその周囲の板素材11に対して曲面で繋がり、刃付けされない部分(リンク部4bの縁部)4qはその周囲に対して直角に折り曲がった状態で繋がるように成形されている。 【0025】図6に示されるように、絞り部分に向かって素材板11が引き込まれるので、第1の切り込み13と第2の切り込み14が各々口を広げた状態に変形し、両切り込み13,14の間の帯状部15は、第2切り込み連結部14a,14b,14c以外の部分が内側に引っ張られた状態に変形している。 【0026】このように、均等に近い間隔で配置された第1切り込み連結部13a,13b,13cと第2切り込み連結部14a,14b,14cの合計六箇所の連結部により鉗子カップブランク40が素材板11に連結された状態で絞り加工を行うことにより、鉗子カップブランク40の位置が正確に定まった状態で絞り加工を行うことができると共に、絞り加工時の引き込みが均等に行われ、鉗子カップ4を高精度に成形することができる。 【0027】絞り加工が済んだら、必要に応じて穴あけ加工等を行った後、素材板11から鉗子カップ4を切り落とす工程に移る。図9はその時のA−A断面を示し、図10はB−B、C−C及びD−D断面を複合して示している。 【0028】図9及び図10に示されるように、鉗子カップ4の切断線に沿う形状に形成された雌型21に素材板11を載せ、雌型21の輪郭形状に内接する輪郭形状の雄型22をプレス機で押圧して、鉗子カップ4を素材板11から剪断加工により切断する。 【0029】この時、鉗子カップ4の開口縁部になる部分4pにおいては、図1に拡大して示されるように、その曲面の途中の位置に雌型21が当接する状態で、雄型22により全領域において同方向に剪断加工が行われる。 【0030】したがって、鉗子カップ4の開口縁部になる部分4pはその壁面に対して斜めに剪断されるので、切断後は、図2に示されるように、鉗子カップ4の開口縁部4eが全周にわたって鋭い刃状になり、鉗子カップ4を素材板11から切り落とすための剪断加工よって同時に開口縁部4eに対する刃付け加工が行われる。 【0031】なお、鉗子カップ4の開口縁部になる部分4pをその壁面に対して斜めに剪断すれば、図11に示されるように、剪断部分が平面板状であっても刃付けがなされる。 【0032】一方、刃付けの必要のない部分4qにおいては、図12に拡大して示されるように、板壁が直角に曲がっている部分に雌型21をピッタリと当接させた状態で、壁面に対してほぼ垂直方向に剪断加工を行うので、切断面が鋭くならない。なお、図13に示されるように雄型22によって横方向に剪断加工を行っても同様である。 【0033】本発明による刃付け加工は、図14に示されるような、鉗子カップの開口縁部が鰐口状に波打った形状に形成されたいわゆる鰐口鉗子等に適用することもできる。 【0034】その場合には、図15に示されるように、切断前のプレス加工の際に、開口縁部になる部分4pを鰐口形の波形状に合わせて曲面部ごと波打たせた形状にすることにより、雌型21と雄型22による剪断面を真っ直ぐにして、波の高い位置4hと低い位置4iとの間に横ぶれがない状態で精度よく刃付けをすることができる。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、板素材に絞り加工を施した後、板素材から鉗子カップになる部分を切り離す切断加工を行う際に、その切断加工自体によって鉗子カップの開口縁部を刃状に形成する刃付け加工を行うので、極めて容易にしかも精度よく鉗子カップに刃付けを行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】旭光学工業株式会社 【識別番号】592129486 【氏名又は名称】株式会社長峰製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月7日(1999.10.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091317 【弁理士】 【氏名又は名称】三井 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−104318(P2001−104318A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−286238 |
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