| 【発明の名称】 |
撮像対象支持装置および磁気共鳴撮像装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】今井 明
|
| 【要約】 |
【課題】撮像対象の本来の活動状態に近い状態で撮像を行う磁気共鳴撮像装置、および、そのような磁気共鳴撮像装置のための撮像対象支持装置を実現する。
【解決手段】少なくとも上体が起きた状態で被験者31を支持し、この状態で磁気共鳴撮像を行う。そのために、撮像対象支持手段43にRFコイル33を取り付ける。RFコイル33は頭部出し入れのために開閉可能となっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも上体が起きた状態である撮像対象を支持する支持手段と、前記撮像対象の頭部を収容する筒状のRFコイルと、前記支持手段に取り付けられ前記撮像対象の背後にあって前記RFコイルを支持するコイル支持手段と、を具備することを特徴とする撮像対象支持装置。 【請求項2】 前記RFコイルは水平方向に開閉可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像対象支持装置。 【請求項3】 前記RFコイルは垂直方向に開閉可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像対象支持装置。 【請求項4】 前記RFコイルは垂直方向に移動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像対象支持装置。 【請求項5】 撮像空間において少なくとも上体が起きた状態である撮像対象を支持する支持手段と、前記撮像対象の頭部を収容する筒状のRFコイルと、前記支持手段に取り付けられ前記撮像対象の背後にあって前記RFコイルを支持するコイル支持手段と、前記撮像空間に静磁場を形成する静磁場形成手段と、前記撮像空間に勾配磁場を形成する勾配磁場形成手段と、前記撮像空間に高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記撮像空間から前記RFコイルを通じて磁気共鳴信号を測定する測定手段と、前記測定した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、撮像対象支持装置および磁気共鳴撮像装置に関し、特に、撮像対象を少なくとも上体が起きた状態で支持する撮像対象支持装置、および、撮像対象を少なくとも上体が起きた状態で撮像する磁気共鳴撮像装置に関する。 【0002】 【従来の技術】磁気共鳴撮像装置では、静磁場を形成した撮像空間内に撮像対象を搬入し、勾配磁場および高周波磁場を印加して撮像対象内に磁気共鳴信号を発生させ、その受信信号に基づいて断層像を生成する。撮像対象は患者であることが多いので、撮像空間には横臥状態で搬入され、その状態で撮像される。 【0003】磁気共鳴撮像の高速化にともなってリアルタイム(real time)撮像が可能となり、患者ばかりでなく、学術研究のために健康な被験者について、活動中の脳を撮像することも行われる。すなわち、感覚的刺激に対応する脳の活動または身体各部の自発運動に対応する脳の活動を撮像することにより、脳の機能を解明する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】通常の人間の活動は上体が起きた状態で行われることが多いので、脳活動状態研究のための撮像を横臥状態で行うと、本来の脳の活動状態を必ずしも正確に撮像できるとは限らないという問題があった。 【0005】本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、撮像対象の本来の活動状態に近い状態で撮像を行う磁気共鳴撮像装置、および、そのような磁気共鳴撮像装置のための撮像対象支持装置を実現することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決するための第1の観点での発明は、少なくとも上体が起きた状態である撮像対象を支持する支持手段と、前記撮像対象の頭部を収容する筒状のRFコイルと、前記支持手段に取り付けられ前記撮像対象の背後にあって前記RFコイルを支持するコイル支持手段とを具備することを特徴とする撮像対象支持装置である。 【0007】(2)上記の課題を解決するための第2の観点での発明は、前記RFコイルは水平方向に開閉可能であることを特徴とする(1)に記載の撮像対象支持装置である。 【0008】(3)上記の課題を解決するための第3の観点での発明は、前記RFコイルは垂直方向に開閉可能であることを特徴とする(1)に記載の撮像対象支持装置である。 【0009】(4)上記の課題を解決するための第4の観点での発明は、前記RFコイルは垂直方向に移動可能であることを特徴とする(1)に記載の撮像対象支持装置である。 【0010】(5)上記の課題を解決するための第5の観点での発明は、撮像空間において少なくとも上体が起きた状態である撮像対象を支持する支持手段と、前記撮像対象の頭部を収容する筒状のRFコイルと、前記支持手段に取り付けられ前記撮像対象の背後にあって前記RFコイルを支持するコイル支持手段と、前記撮像空間に静磁場を形成する静磁場形成手段と、前記撮像空間に勾配磁場を形成する勾配磁場形成手段と、前記撮像空間に高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記撮像空間から前記RFコイルを通じて磁気共鳴信号を測定する測定手段と、前記測定した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。 【0011】(6)上記の課題を解決するための第6の観点での発明は、前記RFコイルは水平方向に開閉可能であることを特徴とする(5)に記載の磁気共鳴撮像装置である。 【0012】(7)上記の課題を解決するための第7の観点での発明は、前記RFコイルは垂直方向に開閉可能であることを特徴とする(5)に記載の磁気共鳴撮像装置である。 【0013】(8)上記の課題を解決するための第8の観点での発明は、前記RFコイルは垂直方向に移動可能であることを特徴とする(5)に記載の磁気共鳴撮像装置である。 【0014】(9)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記RFコイルはヒンジによって開閉可能であることを特徴とする(2)に記載の撮像対象支持装置である。 【0015】(10)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記RFコイルはレールによって開閉可能であることを特徴とする(2)に記載の撮像対象支持装置である。 【0016】(11)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記RFコイルはヒンジによって開閉可能であることを特徴とする(6)に記載の磁気共鳴撮像装置である。 【0017】(10)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記RFコイルはレールによって開閉可能であることを特徴とする(6)に記載の磁気共鳴撮像装置である。 【0018】(12)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像空間において少なくとも上体が起きた状態である撮像対象を支持し、前記撮像対象の頭部を収容する筒状のRFコイルに収容し、前記支持手段に取り付けられたコイル支持手段により前記撮像対象の背後で前記RFコイルを支持し、前記撮像空間に静磁場を形成し、前記撮像空間に勾配磁場を形成し、前記撮像空間に高周波磁場を形成し、前記撮像空間から前記RFコイルを通じて磁気共鳴信号を測定し、前記測定した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成することを特徴とする磁気共鳴撮像方法である。 【0019】(作用)本発明では、少なくとも上体が起きた状態で撮像対象の頭部の磁気共鳴撮像を行う。また、少なくとも上体が起きた状態で撮像対象を支持する支持手段にRFコイルを設けて頭部の撮像を容易にする。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮像装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。 【0021】図1に示すように、本装置はマグネットシステム(magnet system)11を有する。マグネットシステム11は主磁場コイル部101および勾配コイル部105を有する。これら各コイル部は概ね円筒状の外形を有し、互いに同軸的に配置されている。マグネットシステム11のボア(bore)の方向は垂直方向となっている。そこで、これを縦型ボアマグネットシステムという。 【0022】マグネットシステム11の内部空間に、撮像対象である被験者31が座席43に着座して搬入される。座席43に着座することにより被験者31は上体を立てた状態となる。座席43は、本発明における支持手段の実施の形態の一例である。なお、支持手段は座席に限るものではなく、被験者31を起立状態で支持するものでも良く、要するに少なくとも上体が起きた状態で支持するものであれば良い。被験者31が着座した座席43は座席駆動部111で駆動され垂直方向に進退する。 【0023】被験者31の頭部は、座席43の背もたれ部分の上部に取り付けられたRFコイル(radio frequency coil)部33の中に収容されている。RFコイル部33は、例えばTEMレゾネータ(transverse electromagnetic mode resonator)型のRFコイルを用いて構成される。なお、RFコイルはTEMレゾネータ型のものに限らず、例えば、バードケージ(birdcage)型コイルやサドル(saddle)型コイル等、適宜のRFコイルであって良い。 【0024】RFコイル部33も概ね円筒状の外形を有し、マグネットシステム11の内部空間に主磁場コイル部101および勾配コイル部105と同軸的に配置される。RFコイル部33および座席43については後にあらためて説明する。 【0025】RFコイル部33は、本発明におけるRFコイルの実施の形態の一例である。座席43の背もたれ部分は、本発明におけるコイル支持の実施の形態の一例である。座席43、背もたれ部分およびRFコイル部33からなる部分は、本発明の撮像対象支持装置の実施の形態の一例である。本支持装置の構成によって、本発明の撮像対象支持装置に関する実施の形態の一例が示される。 【0026】主磁場コイル部101はマグネットシステム11の内部空間に静磁場を形成する。主磁場コイル部101は、本発明における静磁場形成手段の実施の形態の一例である。静磁場の方向は垂直方向である。主磁場コイル部101は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成しても良いのはもちろんである。 【0027】勾配コイル部105は静磁場強度に勾配を持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場は、スライス(slice)勾配磁場、リードアウト(read out)勾配磁場およびフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場の3種であり、これら3種類の勾配磁場に対応して勾配コイル部105は図示しない3系統の勾配コイルを有する。 【0028】RFコイル部33は静磁場空間に被験者31の体内のスピン(spin)を励起するための高周波磁場を形成する。高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信という。RF励起信号の送信は、RFコイル部33とは別の送信専用のRFコイルで行うようにしても良い。RFコイル部33は、また、励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号を受信する。 【0029】勾配コイル部105には勾配駆動部131が接続されている。勾配駆動部131は勾配コイル部105に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配コイル部105および勾配駆動部131からなる部分は、本発明における勾配磁場形成手段の実施の形態の一例である。勾配駆動部131は、勾配コイル部105における3系統の勾配コイルに対応する図示しない3系統の駆動回路を有する。 【0030】RFコイル部33にはRF駆動部141が接続されている。RF駆動部141はRFコイル部33に駆動信号を与えてRF励起信号を送信し、被験者31の体内のスピンを励起する。RFコイル部33およびRF駆動部141からなる部分は、本発明における高周波磁場形成手段の実施の形態の一例である。 【0031】RFコイル部33にはデータ収集部151が接続されている。データ収集部151はRFコイル部33が受信した受信信号を取り込み、それをディジタルデータ(digital data)として収集する。RFコイル部33およびデータ収集部151からなる部分は、本発明における測定手段の実施の形態の一例である。 【0032】座席駆動部111、勾配駆動部131、RF駆動部141およびデータ収集部151には制御部161が接続されている。制御部161は、座席駆動部111ないしデータ収集部151をそれぞれ制御する。 【0033】データ収集部151の出力信号はデータ処理部171に入力される。データ処理部171は、データ収集部151から取り込んだデータを図示しないメモリ(memory)に記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。データ空間は2次元フーリエ(Fourier)空間を構成する。データ処理部171は、これら2次元フーリエ空間のデータを2次元逆フーリエ変換して被験者31の頭部の断層像を再構成する。データ処理部171は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例ある。 【0034】データ処理部171は制御部161に接続されている。データ処理部171は制御部161の上位にあってそれを統括する。データ処理部171には、表示部181および操作部191が接続されている。表示部181は、データ処理部171から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部191は、操作者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部171に入力する。 【0035】図2および図3に、マグネットシステム11の外観を待機状態にある被験者31とともに示す。図2は斜視図、図3は一部を断面で表した側面図である。同図に示すように、マグネットシステム11は、床面FLに設けられた四本の支柱13によって支持されている。 【0036】マグネットシステム11の下の床面FLには、ピット(pit)21が設けられている。ピット21内には、床面から下る階段51が設けられている。被験者31が着座した座席43は、座席昇降機構41によりピット21の底まで降下した状態にある。座席43および座席昇降機構41は、後述するモーター等を除き非磁性材料を用いて構成される。 【0037】被験者31の前には、楽器等のキーボード(keyboard)45が設置されている。キーボード45は撮像時に被験者31に操作させるものである。キーボード45は座席と一体化されている。被験者31がキーボード45およびその周囲を目視できるように、RFコイル部33内には図示しない鏡が設けられている。 【0038】なお、被験者31に操作させるものは楽器等のキーボードに限るものではなく、実験の目的に応じて、例えば情報機器のキーボードやその他の操作具、筆記具、工具等、手で操作する各種の器具であって良い。あるいは、実験の目的によっては足で操作する器具を用いるようにしても良い。 【0039】支柱13のうちの1つには、操作者35が操作する昇降操作スイッチ(switch)47が設けられている。昇降操作スイッチ47は操作部191の一部を構成する。昇降操作スイッチ47の操作に基づく指令は、データ処理部171および制御部161を通じて座席駆動部111に与えられる。なお、昇降操作スイッチ47の信号は座席駆動部111に直接与えるようにしても良い。 【0040】座席駆動部111は、指令に応じて座席昇降機構41を介して座席43を昇降させる。すなわち、撮像時には図4に示すように座席43を上昇させて被験者31をRFコイル部33とともに撮像空間に搬入し、撮像終了が終了したら図1および図2に示した待機位置まで下降させる。座席昇降機構41については後にあらためて説明する。 【0041】撮像時のマグネットシステム11と被験者31およびRFコイル部33の相互関係を図5に示す。同図に示すように、被験者31の頭部およびRFコイル部33が、マグネットシステム11の中心すなわちマグネットセンタ(magnetcenter)の撮像領域に位置する。 【0042】図6に、座席昇降機構41の模式的構成を座席43との関係において示す。同図に示すように、本機構はネジ棒401を有する。ネジ棒401は、両端が図示しない軸受けで支持されて垂直方向に延在している。ネジ棒401の長さは、座席43の所定の昇降距離よりやや長くなっている。 【0043】ネジ棒401の下端部にはプーリー(pulley)403が固定され、このプーリー403にベルト(belt)405を介してプーリー407の回転が伝えられる。プーリー407は方向変換器409を介して結合されたモーター(motor)411で駆動されて回転する。モーター411は正逆両方向に回転可能なものである。 【0044】ネジ棒401にはナット(nut)413が螺合している。ナット413の側面は座席43の背面に固定されている。座席43は、腰掛け部431、足載せ部433および背もたれ部435を一体化したものとなっている。腰掛け部431は、足載せ部433からの高さが調節可能になっている。背もたれ部435の上部にRFコイル部33が取り付けられている。 【0045】座席43は、図示しないガイド(guide)機構により可動方向が垂直方向に限定されている。このため、モーター411でネジ棒401をその螺旋の後退方向に回転させることにより座席43を上昇させることができ、螺旋の進行方向に回転させることにより座席43を下降させることができる。 【0046】図7に、RFコイル部33の模式的構成を示す。同図において互いに垂直な3方向をx,y,zとする。x方向は被験者31の顔面が向く方向、y方向は被験者31の左右方向、z方向は被験者31の体軸方向である。z方向は、また、RFコイル部33の軸方向でありかつ静磁場の方向でもある。以下の各図においても同様である。 【0047】同図に示すように、RFコイル部33は両端が開口した円筒状の外形を有する。円筒の軸はz方向である。RFコイル部33は円筒の壁面に沿って形成された図示しない所定のコイルパターン(coil pattern)を有する。 【0048】RFコイル部33は、前部構造301および後部構造303の2部分からなる。前部構造301は被験者31の顔面と対向する。後部構造303は被験者31の後頭部と対向する。後部構造303の背面は座席43の背もたれ部435の上部に取り付けられている。 【0049】前部構造301および後部構造303は、ヒンジ(hinge)部305およびコネクタ(connector)部307で結合されている。ヒンジ部305およびコネクタ部307は、円筒の両側にz方向に沿ってそれぞれ設けられている。コイルパターンの連続性は、ヒンジ部305およびコネクタ部307を通じて確保される。 【0050】このような構成により、RFコイル部33は、コネクタ部307の接続を外せば、図8に示すように、前部構造301を横に開くことができる。そこで、被験者31を座席43に着座させるときは、予め前部構造301を横に開いておくことにより、着座にともなって後頭部が自ずから後部構造303の内側に入る。そこで、その状態で前部構造301を元通りに閉じてコネクタ部307で接続すれば、頭部がRFコイル33の内部に収容される。 【0051】図9に、RFコイル部33がTEMレゾネータ型コイルである場合のコネクタ307の配置例を示す。同図に示すように、コネクタ307は、半円筒の縦断面に相当する部分に4対のコネクタ371,373,375,377を有する。他の型のRFコイルについても適宜のコネクタが用いられる。 【0052】この構成は、前部構造301が水平に開閉するので、前部構造301の開状態を保つのに特に係止手段を必要としないという利点がある。あるいは、係止手段を設けるにしても係止力の小さなもので十分であるという利点がある。 【0053】前部構造301は、図10に示すように、2つの部分301,301’で構成して両者をコネクタ部307で接続し、ヒンジ部305,305’で後部構造303とそれぞれ結合するようにしても良い。このようにすることにより、図11に示すように、前部構造301,301’を両開きにすることができる。この構成も上記と同様な利点がある。 【0054】前部構造301は、図12に示すように、後部構造303よりもやや小経に構成して両者を両側のコネクタ部307,307’で接続するとともに、後部構造303の下縁に沿って設けたレール309上を摺動可能な構成にしても良い。このようにすれば、図13に示すように、前部構造301を後部構造303の内側に回り込ませることにより、円筒の前面を開くことができる。 【0055】そこで、被験者31を座席43に着座させるときは、前部構造301を予め後部構造303の内側に回り込ませておくことにより、着座にともなって後頭部が自ずから後部構造303の内側に入る。そして、その状態で前部構造301を元の位置に戻せば頭部がRFコイル33の内部に収容される。この構成も上記と同様な利点がある。前部構造301は縦に2分割して左右に回り込ませるようにしても良いのはもちろんである。 【0056】前部構造301と後部構造303は、図14に示すように、両側に設けたスライド(slide)部311,311’で結合するようにしても良い。コイルパターンの連続性はスライド部311,311’を通じて確保される。 【0057】被験者31を座席43に着座させるときは、図15に示すように、前部構造301を上にスライドさせておく。前部構造301はこの位置で係止可能になっている。これにより、着座にともなって後頭部が自ずから後部構造303の内側に入る。そして、その状態で前部構造301を下ろせば、頭部がRFコイル33の内部に収容される。 【0058】前部構造301と後部構造303は、図16に示すように、両側に設けたコネクタ部307,307’およびヒンジ部313,313’で結合するようにしても良い。ヒンジ部313,313’は円筒の上部に設けられる。コイルパターンの連続性はコネクタ部307,307’を通じて確保される。 【0059】被験者31を座席43に着座させるときは、図17に示すように、前部構造301を上に開いておく。前部構造301はこの位置で係止可能になっている。これにより、着座にともなって後頭部が自ずから後部構造303の内側に入る。そして、その状態で前部構造301を下ろせば、頭部がRFコイル33の内部に収容される。 【0060】RFコイル部33は、図18に示すように、スライド機構315で支持するようにしても良い。スライド機構315は座席43の背もたれ部435の上部に設けられる。スライド機構315は、RFコイル部33をコイル軸方向に移動可能なように支持する。 【0061】被験者31を座席43に着座させるときは、一点鎖線で示すように、RFコイル部33を上に上げておく。RFコイル部33はこの位置で係止可能になっている。そして、着座後にRFコイル部33を元通りに下ろせば、頭部がRFコイル33の内部に収容される。 【0062】本装置の動作を説明する。操作者35は、先ず、ピット21内に下降している座席43に被験者31を着席させ、その頭部をRFコイル部33内に収容する。次に、スイッチ47を操作して座席昇降機構41を作動させ、座席43を上昇させ、図5に示した撮像位置まで搬送する。 【0063】次に、操作者35は操作部191を操作して撮像を開始する。撮像は制御部161による制御の下で進行する。図19に、磁気共鳴撮像に用いるパルスシーケンス(pulse sequence)の一例を示す。このパルスシーケンスは、スピンエコー(SE:Spin Echo)法のパルスシーケンスである。 【0064】すなわち、(1)はSE法におけるRF励起用の90°パルスおよび181°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、90°パルスおよび181°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。 【0065】同図に示すように、90°パルスによりスピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。90°励起から所定の時間後に、180°パルスによる180°励起すなわちスピン反転が行われる。このときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスについての選択的反転が行われる。 【0066】90°励起とスピン反転の間の期間に、リードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gpが印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのディフェーズ(dephase)が行われる。フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。 【0067】スピン反転後、リードアウト勾配Grでスピンをリフェーズ(rephase)してスピンエコーMRを発生させる。スピンエコーMRは、エコー中心に関して対称的な波形を持つRF信号となる。中心エコーは90°励起からTE(echo time)後に生じる。スピンエコーMRはデータ収集部151によりビューデータ(view data)として収集される。このようなパスルシーケンスが周期TR(repetition time)で64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。 【0068】磁気共鳴撮像用パルスシーケンスの他の例を図20に示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)法のパルスシーケンスである。 【0069】すなわち、(1)はGRE法におけるRF励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。 【0070】同図に示すように、α°パルスによりスピンのα°励起が行われる。αは90以下である。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。 【0071】α°励起後、フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、リードアウト勾配Grにより先ずスピンをディフェーズし、次いでスピンをリフェーズして、グラディエントエコーMRを発生させる。グラディエントエコーMRは、エコー中心に関して対称的な波形を持つRF信号となる。中心エコーはα°励起からTE後に生じる。 【0072】グラディエントエコーMRはデータ収集部151によりビューデータとして収集される。このようなパスルシーケンスが周期TRで64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。 【0073】図19または図20のパルスシーケンスによって得られたビューデータが、データ処理部171のメモリに収集される。なお、パルスシーケンスはSE法またはGRE法に限るものではなく、例えばファーストスピンエコー(FSE:Fast Spin Echo)法やエコープラナーイメージング(EPI:Echo Planar Imaging)等、他の適宜の技法のものであって良いのはいうまでもない。 【0074】データ処理部171は、ビューデータを2次元逆フーリエ変換して被験者31の頭部の断層像を再構成する。再構成画像は表示部181により可視像として表示される。 【0075】このような撮像を被験者31に所定のキーボード操作を行わせながら行い、得られた画像に基づいて被験者31の脳の機能を調べる。被験者31は上体が起きた状態でキーボード操作を行うので、人間が通常に行動するのと同様な状態で操作をすることができる。これによって、通常行動時の脳の機能を正しく撮像することができる。 【0076】なお、被験者31が上記のような手指の操作を行う場合ばかりでなく、例えば、言語発音や歌唱あるいは想念の想起等を行うときの脳の状態を撮像する場合も、通常行動時の脳の機能を正しく撮像することができる。さらに、上記のような被験者31の自発行動ばかりでなく、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚等の感覚器官の刺激に対する脳の振る舞いを撮像する場合も同様である。 【0077】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、撮像対象の本来の活動状態に近い状態で撮像を行う磁気共鳴撮像装置、および、そのような磁気共鳴撮像装置のための撮像対象支持装置を実現することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000121936 【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年10月8日(1999.10.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085187 【弁理士】 【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−104280(P2001−104280A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−287945 |
|