| 【発明の名称】 |
超音波診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】赤羽 睦弘
|
| 【要約】 |
【課題】フロントビューに相当する超音波三次元画像を形成する場合において、物体の前後の情報も画像化されていた。
【解決手段】データ取込空間10は走査面アレイ14によって構成され、その走査面アレイ14内において三次元画像化範囲を指定可能である。具体的には開始フレーム100及び終了フレーム102を指定可能である。その範囲内において、各視線24上における各エコーデータに対する逐次的なボクセル演算が実行され、これによって三次元画像化範囲に対応する三次元画像(フロントビュー)を形成可能である。断層画像と三次元画像とが共に表示され、その場合において三次元画像化範囲内に断層画像が属するか否かの表示が行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波ビームを走査して形成される走査面を位置変更を行いながら順次形成し、これにより複数の走査面からなる走査面アレイを形成する走査制御手段と、前記走査面アレイに対してそれを貫通する方向に複数の仮想的な視線を設定し、各視線ごとに各走査面上のエコーデータを利用して画素値を演算し、これにより三次元画像を形成する演算手段と、前記走査面アレイ内において前記画素値の演算の対象となる最初の走査面から最後の走査面までの三次元画像化範囲を設定するための範囲設定手段と、を含むことを特徴とする超音波診断装置。 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記走査制御手段によって逐次形成される走査面上のエコーデータを用いて断層画像を逐次形成する断層画像形成手段と、前記断層画像及び前記三次元画像をともに表示する画像表示手段と、を含むことを特徴とする超音波診断装置。 【請求項3】 請求項2記載の装置において、前記走査面の形成に伴って断層画像を順次表示する際に、現在表示している断層画像が前記三次元画像化範囲に含まれることを示すための表示処理が実行されることを特徴とする超音波診断装置。 【請求項4】 請求項3記載の装置において、前記表示処理では、前記断層画像に所定形態をもったマーカーが付加されることを特徴とする超音波診断装置。 【請求項5】 請求項3記載の装置において、前記表示処理では、前記断層画像の濃度及び色相の少なくとも一方が変更されることを特徴とする超音波診断装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置に関し、特に、三次元画像及び断層画像を表示する超音波診断装置に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、特開平10−33538号公報には、ボリュームレンダリング法に基づく超音波画像処理方法が開示されている。この従来方法では、超音波ビームを走査することによって走査面が形成され、走査位置を移動させながら複数の走査面を順次形成することによって、複数の走査面からなる走査面アレイが形成される。その場合において、各超音波ビームに沿ってボリュームレンダリング法に基づく所定のボクセル演算がリアルタイムで実行され、その演算結果に基づいて超音波探触子から生体内を透視したような立体的な超音波画像が形成される。三次元エコーデータの画像処理方法にはその他に積算方法などがある。 【0003】ちなみに、走査面アレイの形成に当たっては、三次元データ取込用超音波探触子が利用される。そのような探触子では例えば電子走査されるアレイ振動子が機械的に揺動走査又は水平走査され、そのような超音波ビームの二方向の走査によって三次元データ取込領域(走査面アレイ)が形成される。 【0004】ところで、上記の走査面アレイに対し、それを貫通する方向に複数の仮想的な視線を設定し、各視線ごとに各走査面上のエコーデータを利用して画素値演算を実行し、これにより三次元画像(以下、フロントビュー)を構成することも可能である。すなわち、視点を走査面アレイの最初の走査面の手前側に設定し、そこから見た画像を形成するものである。なお、その場合、画素値の演算に当たっては上記の特開平10−33538号公報に記載された方法やその他の方法を利用できる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フロントビューを形成する場合に走査面アレイの全体を常に処理範囲とすると、目的物体以外の物体も画像化されてしまい、期待する三次元画像を構成できないという問題がある。 【0006】一方、走査面の移動範囲を制限することも可能であるかも知れない。しかし、その場合には、三次元画像処理と同時に、各走査面の断層画像をリアルタイムで表示する際に、画像化される空間の前後の情報を断層画像として表示することができなくなる。すなわち、あくまでもエコーデータの取り込みは広い範囲に亘って行いつつ、三次元画像化の範囲を制限したいという要望がある。 【0007】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、走査面アレイの中の所望範囲を三次元画像化範囲として設定できる超音波診断装置を提供することにある。 【0008】本発明の他の目的は、三次元画像化範囲を容易に識別できるようにすることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、本発明は、超音波ビームを走査して形成される走査面を位置変更を行いながら順次形成し、これにより複数の走査面からなる走査面アレイを形成する走査制御手段と、前記走査面アレイに対してそれを貫通する方向に複数の仮想的な視線を設定し、各視線ごとに各走査面上のエコーデータを利用して画素値を演算し、これにより三次元画像を形成する演算手段と、前記走査面アレイ内において前記画素値演算の対象となる最初の走査面から最後の走査面までの三次元画像化範囲を設定するための範囲設定手段と、を含むことを特徴とする。 【0010】上記構成によれば、三次元空間内に走査面アレイが形成され、その走査面アレイに対して三次元画像化範囲が設定される。そして、各視線に沿って画素値演算を行う場合には、その三次元画像化範囲内において当該演算が実行される。よって、目的物体の前後の画像化不要な情報を排除可能であるので、三次元画像の画質を向上でき、また診断上有益な情報を提供可能である。 【0011】望ましくは、前記走査制御手段によって逐次形成される走査面上のエコーデータを用いて断層画像を逐次形成する断層画像形成手段と、前記断層画像及び前記三次元画像をともに表示する画像表示手段と、を含む。この構成によれば、三次元画像によって物体の立体的な観察を行え、その際に、各断層画像により物体の各断面の詳細構造を観察できると共に、三次元画像化範囲の前後の情報も断層画像によって観察可能である。 【0012】望ましくは、前記走査面の形成に伴って断層画像を順次表示する際に、現在表示している断層画像が前記三次元画像化範囲に含まれることを示すための表示処理が実行される。このような表示処理によれば、各断層画像が三次元画像化範囲内に位置しているか範囲外に位置しているかを容易に認識でき、換言すれば、三次元画像化範囲を明確に認識でき、その設定作業も容易となる。 【0013】望ましくは、前記表示処理では、前記断層画像に所定形態をもったマーカーが付加される。望ましくは、前記表示処理では、前記断層画像の濃度及び色相の少なくとも一方が変更される。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。 【0015】図1には、本発明に係る画像処理方法の概念が示されている。 【0016】図1(A)において、符号10は、データ取込空間を示している。このデータ取込空間10は、走査面アレイ14によって構成されるものであり、その走査面アレイ14は、複数の走査面14Aによって構成される。各走査面は、アレイ振動子12によって形成される超音波ビームを電子走査することにより形成されるものである。図1には、直線状に複数の振動素子が整列してなるアレイ振動子12が示されており、そのような複数の振動素子を電子リニア走査することによって超音波ビームが直線的に走査され、これによって矩形の走査面14Aが形成される。そして、アレイ振動子12を走査面と直交する方向に移動させながら電子走査を順次繰り返し実行することにより複数の走査面14Aが形成される。そして、このようなアレイ振動子12の機械的な走査が周期的に実行される。 【0017】ちなみに、本発明は電子セクタ走査やいわゆるコンベックス走査が行われる場合にも適用可能である。また、本実施形態においてはアレイ振動子12が機械的に走査されているが、もちろんそれを手動で行うことも可能である。 【0018】図1(A)において、視点16は、トップビューに相当する三次元画像を形成するための仮想的な視点である。このような視点16が設定される場合、各超音波ビームごとにその超音波ビームに沿ってエコーデータが参照され、各エコーデータごとに所定のボクセル演算を実行することによって画素値が演算され、そのような画素値の集合として三次元画像が構成される。この場合において符号18はトップビューが投影されるスクリーンを概念的に示している。ちなみに、そのようなボクセル演算に当たっては上述した特開平10−33538号公報に記載された手法を用いるのが望ましい。 【0019】一方、符号20で示されるような位置に視点を設定すれば、いわゆるフロントビューを形成可能である。すなわち各走査面14Aを貫通する方向に沿って複数の仮想的な視線を設定し、各視線上において視点から近い位置にあるエコーデータから順番に上記のボクセル演算を実行することにより画素値を演算し、その画素値の集合として三次元画像を構成するものである。図1(A)において符号22はそのようなフロントビューが投影されるスクリーンを表している。 【0020】図1の(B)にはフロントビューに相当する三次元画像が示され、(C)にはトップビューに相当する三次元画像が示されている。 【0021】ちなみに、図1においてX方向は電子走査方向であり、Y方向はアレイ振動子12の移動方向すなわち機械走査方向であり、Z方向は超音波ビーム方向である。 【0022】従来においては、フロントビューの形成に当たって全ての走査面14Aのエコーデータが利用され、このため注目する物体の前後にある情報も三次元画像化されていた。そこで、本実施形態においては、図2に示すように三次元画像化範囲の設定を行うことが可能である。 【0023】図2には、図1と同様にデータ取込空間が示されている。上述したように、フロントビューの形成に当たっては、仮想的な視点20が設定され、その視点20から仮想的な複数の視線24が設定され、その視線24上に沿って各エコーデータに対するボリュームレンダリング法に基づくボクセル演算が逐次的に実行される。ここで、各視線ごとに投影点Pが設定され、その視線上の最終の画素値演算結果が当該投影点Pの画素値として決定される。 【0024】このような三次元画像の形成にあたって、図2に示されるように、走査面アレイ14の範囲内において三次元画像化の範囲を指定可能である。具体的には画像化に関する開始フレーム100及び終了フレーム102をユーザーにより任意に設定することが可能である。ちなみに、その設定を自動化することも可能である。 【0025】このような画像化範囲の設定が行われると、各視線24上における演算範囲は当該画像化範囲に制約される。よって、例えば物体の前後に不要なデータが存在していても、画像化範囲を適切に設定することにより、そのような不要なデータを画像化対象から除外することが可能となる。例えば、羊水中に存在する胎児の三次元画像を形成する場合においては、その羊水の外側にある胎盤などの情報を三次元画像化対象から除外可能であり、よって胎児のみの鮮明な立体的画像を形成可能である。 【0026】図3には、図2に示したデータ取込空間10を側方からみた状態が模式的に示されている。上述したように、フロントからバックにかけて所望の範囲を三次元画像化範囲として設定可能である。 【0027】図4には、四角形の走査面あるいは扇状の走査面を有するアレイ振動子を揺動走査した場合に形成されるデータ取込空間を側面からみた状態が模式的に示されている。このようなデータ取込空間に対しても開始フレーム100及び終了フレーム102を指定することにより三次元画像化範囲を所望の範囲として設定可能である。 【0028】本実施形態においては、図5〜図7に示すように、三次元画像62と共に断層画像60が表示される。具体的には、断層画像60と三次元画像62とが左右方向に並んで表示されており、ここにおいて断層画像60は現在形成されている走査面をそのまま断層画像として表示した画像であり、三次元画像62は当該断画像に相当する走査面までの三次元画像処理を実行して形成される三次元画像である。したがって、現在取込を行っている最新情報までを反映した画像がそれぞれ表示されている。ただし、三次元画像62は上記の三次元画像化範囲内においてのみ形成されるものである。 【0029】このような2つの画像表示を行う場合において、本実施形態においては各断層画像が三次元画像化範囲内に属するか否かの情報が表示される。具体的には、図5においては、断層画像60が三次元画像化範囲内に属する場合には、符号64で示すような範囲内識別マークが表示される。その範囲内識別マーク64は小さな円形のマークであり、断層画像60の近傍に表示されている。よって、観察者は範囲内識別マーク64の有無によって表示されている断層画像が三次元画像化範囲に属するか否かの情報を得ることができ、またそのような情報を利用してリアルタイムで形成される三次元画像62の現在の画像処理位置を把握可能である。断層画像60は三次元画像化範囲の前後においても表示されているため、そのような範囲内識別マーク64が表示されていない断層画像を認識することによって、三次元画像化されない情報の様子を把握可能である。 【0030】よって、観察者はそのような範囲内識別マーク64の有無を利用して三次元画像化範囲を確認できると共に、そのようなマークを基準として試行錯誤的に三次元画像化範囲を適切に設定することも可能となる。 【0031】図6に示す表示例においては、範囲内識別枠66が断層画像60の外枠に沿って表示されている。この範囲内識別枠66も当該断層画像が三次元画像化範囲内に属することを表すものである。さらに、図7に示す例においては、範囲内識別着色68が施された断層画像60が示されており、すなわち三次元画像化範囲内に属する断層画像については特別な着色が施されている。よって、ユーザーはそのような画像処理によって断層画像の三次元画像化範囲内の続否を認識可能である。 【0032】次に、図8を用いて本実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。 【0033】三次元プローブ70は、図1及び図2に示したアレイ振動子12を有するものであり、その三次元プローブ70は更にアレイ振動子12を機械走査する走査機構及びその走査位置を検出するエンコーダなどを有している。 【0034】機械走査制御部74は、アレイ振動子の機械走査を制御する手段であり、送受信部72は三次元プローブ70に対して送信信号を供給するとともに、三次元プローブ70から出力される受信信号に対して所定の処理を行う手段である。ちなみに、この送受信部72は電子走査制御部の機能も有している。それらの送受信部72及び機械走査制御部74は図示されていない主制御部によって制御されている。 【0035】演算範囲設定部80は、トラックボールやキーボードなどの入力装置で構成されるものであり、その演算範囲設定部80によって三次元画像化範囲の開始フレーム及び終了フレームがユーザーにより設定される。その三次元画像化範囲の情報はボクセル演算部76及び演算範囲表示制御部82に送られている。ここで、演算範囲表示制御部82は三次元画像化範囲内に属するか否かの情報を識別表示処理部86に出力している。 【0036】ボクセル演算部76は図2に示したように各視線ごとにその視線上に沿って各エコーデータを参照し、各エコーデータごとにボクセル演算を逐次的に実行し、最終的に各視線に対応した画素値を決定する回路である。但し、そのボクセル演算は演算範囲設定部82によって設定された三次元画像化範囲内においてのみ実行されており、具体的には開始フレーム上のエコーデータから終了フレーム上のエコーデータまでの範囲内において演算を実行している。 【0037】三次元画像作成部78は、各視線ごとに演算された画素値により三次元画像を構成する回路である。その三次元画像は画像表示制御部88に出力されている。 【0038】一方、断層画像作成部84は、各走査面の断層画像を形成する手段であり、具体的には各エコーデータの大きさに輝度値を対応させて白黒断層画像を作成している。識別表示処理部86は、各走査面に対応する断層画像に対してそれが三次元画像化範囲に属する場合には特別な処理を施す手段である。具体的には図5〜図7に示したいずれかの表示処理が適用される。そして、そのような表示処理がなされた断層画像が画像表示制御部88に出力される。画像表示制御部88は、断層画像と三次元画像とを1つの表示画像として合成し、それを表示部90に出力する回路である。表示部90には図5〜図7に示したようないずれかの表示画像が表示される。 【0039】上述したように、アレイ振動子の機械走査は1方向に向けて繰り返し実行され、その都度三次元画像が形成される。表示部90に表示される三次元画像は、アレイ振動子12の走査位置にしたがって徐々に成長形成されるものであり、その際において各走査面の位置に対応する断層画像がリアルタイムで表示される。したがって、観察者はそのような断層画像と三次元画像とを併せてみることにより、目的物体の詳細情報とその全体の状態とを併せて認識することができ、さらに三次元画像化されない情報も三次元画像化範囲の前後の断層画像を利用して把握することが可能である。よって総合的な物体の診断が可能となる。 【0040】もちろん、三次元画像化の設定が適切でないと判断される場合には、図8に示した演算範囲設定部80を利用してその画像化範囲を適宜変更可能であり、繰り返し表示される断層画像や三次元画像を確認しながらその設定範囲を容易に適正化できる。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、走査面アレイの中の所望範囲を三次元画像化範囲として設定することが可能である。また、本発明によれば三次元画像化範囲を容易に識別することが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390029791 【氏名又は名称】アロカ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月14日(1999.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−79003(P2001−79003A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−260097 |
|