| 【発明の名称】 |
キャリブレーション要否報知方法およびX線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀内 哲也
【氏名】柳田 弘文
|
| 【要約】 |
【課題】キャリブレーションが必要なことを速やかに報知する。
【解決手段】ウォームアップスキャンの一部として特定のスキャン条件で空気をスキャンして検出器のチャネル番号i,ビュー番号jごとの空気データAir warmup.(i,j)を収集する(ステップST1)。次いで、ビュー方向平均データAir warmup.(i)を算出し(ステップST2)、予め記憶している同条件のビュー方向平均データAir ref.(i)との差分が大きければ(ステップST3〜ST5)、「キャリブレーション促進メッセージ」を表示する(ステップST6)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線管をウォームアップするウォームアップスキャン中に特定のスキャン条件で空気をスキャンして空気データを収集し、その空気データと予め記憶している同条件での空気データとを比較し、その比較結果に基づいてキャリブレーションの要否を判定し、キャリブレーションが必要なら報知することを特徴とするキャリブレーション要否報知方法。 【請求項2】 X線管をウォームアップするX線管ウォームアップ手段と、前記ウォームアップ中に特定のスキャン条件で空気をスキャンして空気データを収集する空気データ収集手段と、前記空気データと予め記憶している同条件での空気データとを比較しその比較結果に基づいてキャリブレーションの要否を判定するキャリブレーション要否判定手段と、キャリブレーションが必要なら報知する報知手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、キャリブレーション(calibration)要否報知方法およびX線CT(Computed Tomography)装置に関し、さらに詳しくは、キャリブレーションが必要になったことを速やかに報知できるキャリブレーション要否報知方法およびX線CT装置に関する。 【0002】 【従来の技術】X線CT装置におけるキャリブレーションは、検出器列のチャネル(channel)ごとの感度のバラツキを検出して、これを補正するキャリブレーションデータを求める作業である。このようなキャリブレーションを行うことで、リングアーチファクト(ring artifact)等の発生を抑制できる。 【0003】図5は、感度補正係数のキャリブレーションの手順を示すフロー図である。ステップJ1では、最初のスキャン条件を設定する。最初のスキャン条件は、例えば、低,中,高の3段階あるX線管電圧を“低”に設定し、1〜10mmの範囲で設定されるスライス厚を“1mm”に設定するスキャン条件である。ステップJ2では、空気をスキャンし、空気データを収集する。ステップJ3では、前記空気データから感度補正係数を算出する。 【0004】ステップJ4では、水ファントムをスキャンし、水ファントムデータを収集する。ステップJ5では、上記ステップJ3で算出した感度補正係数により水ファントムデータを補正する。ステップJ6では、上記ステップJ5で補正された水ファントムデータからその他の補正係数(例えばビームハードニング補正係数等の前処理用の補正係数)を算出する。 【0005】ステップJ7では、規定の全スキャン条件でのスキャンを行ったか否か判定する。規定の全スキャン条件とは、例えばX線管電圧を“低,中,高”とするスキャン条件と、スライス厚を“1mm,2mm,3mm,5mm,7mm,10mm”とするスキャン条件との組み合わせの全てである。この場合、空気と水ファントムのそれぞれについて18通りのスキャンを行うので、合計36回のスキャンが必要となる。全スキャン条件でのスキャンを行ったらキャリブレーションを終了し、そうでなければステップJ8へ進む。ステップJ8では、次のスキャン条件を設定する。その後、上記ステップJ2に戻る。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記感度補正係数のキャリブレーションは、例えば1ヶ月に1回程度の比較的低い頻度で行われている。これは、キャリブレーションに比較的長い処理時間を要するため、頻繁に行えないからである。このため、検出器の感度変動などが通常より早く生じた場合に、次のキャリブレーションが行われるまで不適正な感度補正係数で処理が続けられて、その期間の画像上にアーチファクトが発生するなどの不都合を生じる問題点がある。そこで、本発明の目的は、キャリブレーションが必要になったことを速やかに報知することが出来るキャリブレーション要否報知方法およびX線CT装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明は、X線管をウォームアップするウォームアップスキャン中に特定のスキャン条件で空気をスキャンして空気データを収集し、その空気データと予め記憶している同条件での空気データとを比較し、その比較結果に基づいてキャリブレーションの要否を判定し、キャリブレーションが必要なら報知することを特徴とするキャリブレーション要否報知方法を提供する。上記第1の観点によるキャリブレーション要否報知方法では、日々のルーチンワークとして行うウォームアップスキャン中に特定のスキャン条件の空気データを収集し、予め記憶している同条件での空気データと比較することで、キャリブレーションの要否を判定するので、キャリブレーションが必要になった場合に、これを速やかに報知することが出来る。なお、上記構成において、特定のスキャン条件は、1つでもよいし,複数でもよい。 【0008】第2の観点では、本発明は、X線管をウォームアップするX線管ウォームアップ手段と、前記ウォームアップ中に特定のスキャン条件で空気をスキャンして空気データを収集する空気データ収集手段と、前記空気データと予め記憶している同条件での空気データとを比較しその比較結果に基づいてキャリブレーションの要否を判定するキャリブレーション要否判定手段と、キャリブレーションが必要なら報知する報知手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。上記第2の観点によるX線CT装置では、上記第1の観点によるキャリブレーション要否報知方法を好適に実施でき、キャリブレーションの要否を的確に報知することが出来る。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100を示すブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル8と、走査ガントリ9とを具備している。前記操作コンソール1は、操作者の指示や情報などを受け付ける入力装置2と、スキャン処理や補間処理や画像再構成処理などを実行する中央処理装置3と、制御信号などを撮影テーブル8や走査ガントリ9へ出力する制御インタフェース4と、走査ガントリ9で取得したデータを収集するデータ収集バッファ5と、画像などを表示するCRT6と、各種のデータやプログラムを記憶する記憶装置7とを具備している。前記撮影テーブル8は、被検体を乗せて体軸方向に移動する。前記走査ガントリ9は、ファンビーム方式のX線管11,コリメータ12および検出器13と、被検体の体軸の回りにX線管11や検出器13などを回転させる回転部コントローラ15と、X線照射のタイミングや強度を調整するX線コントローラ10と、データ収集部14とを具備している。 【0010】図2は、上記X線CT装置100による基準空気データ収集処理を示すフロー図である。この基準空気データ収集処理は、通常のキャリブレーション(図5参照)に続いて実行される。ステップS1では、特定のスキャン条件で、空気をスキャンし、その空気データを基準空気データAir ref.(i,j)として収集する(基準空気データスキャン)。特定のスキャン条件は、例えばX線管電圧を“中”とし、スライス厚を“3mm”とするスキャン条件である。なお、(i,j)は基準空気データの番号を表しており、このうちiはチャネル番号を表し、jはビュー(view)番号を表す。ステップS2では、検出器13の各チャネルi(i=1,2,…,max_ch)に対応して全てのビュー方向の空気データの平均を基準空気ビュー方向平均データAir ref. (i)として算出する。max_chは、チャネル番号の最大値で、チャネルの総数に等しい。ステップS3では、基準空気ビュー方向平均データAir ref.(i)を記憶装置7に記憶する。 【0011】図3は、上記X線CT装置100によるキャリブレーション要否報知処理を示すフロー図である。このキャリブレーション要否報知処理は、運転開始前のルーチンワークとして行うウォームアップスキャンの一部として行う。例えば、ウォームアップスキャンでは、X線管11および検出器13を何回か回転させ、その間にX線管11の出力を上げていくが、その最後の回転でキャリブレーション要否報知処理を行う。ステップST1では、図2のステップS2と同じ特定のスキャン条件で空気をスキャンして、空気データを比較空気データAir warmup.(i,j)として収集する(比較空気データスキャン)。このスキャンをウォームアップスキャンの最終局面で行う理由は、X線管11の予熱がほぼ完了し、X線を安定に放射できるからである。 【0012】ステップST2では、検出器13の各チャネルiに対応して全てのビュー方向の空気データの平均を比較空気ビュー方向平均データAir warmup.(i)として算出する。 【0013】ステップST3では、記憶装置7に記憶した基準空気ビュー方向平均データAir ref.(i)を読み出し、δAir(i)=|Air warmup (i)−Air ref (i)|により、差分データδAir(i)を算出する。また、 により積算差分データ△Airを算出する。 【0014】ステップST4では、検出器13のいずれかのチャネルiに対応する差分データδAir(i)が所定値より大きいか否か判定する。いずれかの差分データδAir(i)が所定値より大きければキャリブレーションを要すると判定してステップST6へ進み、そうでなければステップST5へ進む。 【0015】ステップST5では、積算差分データ△Airが閾値Thを越えているか否か判定する。積算差分データ△Airが閾値Thを越えていればキャリブレーションを要すると判定してステップST6へ進み、越えていなければキャリブレーション要否報知処理を終了する。なお、前記閾値Thは、リングアーチファクトが発生し始める積算差分データ△Airとし、経験的に決定される。ステップST6では、CRT6の画面上に「キャリブレーション促進メッセージ」を表示し、キャリブレーションを要する旨を操作者に報知する。その後、キャリブレーション要否報知処理を終了する。 【0016】図4は、キャリブレーション後の経過日数と,積算差分データ△Airとの関係を模式的に示すグラフである。積算差分データ△Airは、キャリブレーション直後には“0”であるが、経過日数が多くなるにつれて増大する。経過日数p〜(p+1)の間に積算差分データ△Airが閾値Thを越える場合、経過日数(p+1)の時点で、上記「キャリブレーション促進メッセージ」が表示される。これを契機としてキャリブレーションが実行され、積算差分データ△Airが“0”の状態に戻る(これに対し、従来は点線で示す如く増大し続け、画質が低下するなどの不都合を生じていた)。 【0017】なお、上記実施形態を次のように変更してもよい。 (1)図3のキャリブレーション要否報知処理では、キャリブレーションが不要の場合にはメッセージ表示を行わないが、「キャリブレーション不要メッセージ」を表示してもよい。 (2)キャリブレーション後の経過日数ごとの積算差分データ△Airを統計的に処理してそのトレンドを表示したり、該トレンドを使用して次のキャリブレーションを行う必要が生じる時期の予測結果や該時期の接近を表示してもよい。これにより、操作者は、撮影スケジュールなどを考慮して、早めにキャリブレーションを行うか否かを決定でき、運転効率を向上できる。 【0018】 【発明の効果】本発明のキャリブレーション要否報知方法およびX線CT装置によれば、運転前の準備処理として日常的に実行されるウォームアップスキャンの度にキャリブレーションの要否を判定するため、キャリブレーションが必要なことを速やかに報知することが出来る。このため、必要な時期にキャリブレーションを実行でき、常に高画質のCT像を得られるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000121936 【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月6日(1999.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095511 【弁理士】 【氏名又は名称】有近 紳志郎
|
| 【公開番号】 |
特開2001−70297(P2001−70297A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月21日(2001.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願平11−251588 |
|