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【発明の名称】 柄付き束子
【発明者】 【氏名】久保田 安比古

【要約】 【課題】使用中に被摺擦面を傷付けるのを防止できると共に形崩れすることもなく、摺擦効果に優れた柄付き束子を提供すること。

【解決手段】底面部(10)とその周縁全域から連続する所定高さの周面部(11)とを具備する基台(1) と、前記底面部(10)から前記周面部(11)にかけて、全域的に包み込むように被覆させた摺擦シート(21)と、前記基台(1) の上面に連設されている柄(4) とから構成されていること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底面部とその周縁全域から連続する所定高さの周面部とを具備する基台と、前記底面部から前記周面部にかけて、全域的に包み込むように被覆させた摺擦シートと、前記基台の上面に連設されている柄とから構成されていることを特徴とする柄付き束子。
【請求項2】 請求項1に記載の柄付き束子において、前記周面部は環状周壁の外側面であり、前記摺擦シートは前記環状周壁を巻き込んだ状態に被覆されると共に、前記柄が貫通する透孔が設けられた押え板が前記環状周壁内に前記摺擦シートを介して略密嵌状態に嵌め込まれている柄付き束子。
【請求項3】 請求項2に記載の柄付き束子において、前記基台の上面に前記柄が抜止め状態に差し込まれる柄取付用筒が形成され、前記柄取付用筒の外周面に前記押え板の前記透孔の周縁部を抜け止め状態に係合させる係合凸部が設けられ、前記押え板の外周縁には、前記環状周壁の内周面に対向する環状垂下片が設けられると共に、前記環状垂下片の外周面に、前記環状周壁の内周面に被覆されている前記摺擦シートを抜止め状態に係止する係止突起が設けられている柄付き束子。
【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の柄付き束子において、前記摺擦シートと前記基台との間に、厚肉通水シートが設けられている柄付き束子。
【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の柄付き束子において、前記摺擦シートは、厚さ約3mmから5mmの不織布である柄付き束子。
【請求項6】 請求項4に記載の柄付き束子において、前記厚肉通水シートは、厚さ約10mmから15mmの不織布又はスポンジである柄付き束子。
【請求項7】 略矩形状の底面部とその周縁全域から連続する所定高さの周面部とを具備する基台と、前記底面部と、前記周面部のうち前記底面部の対向する二辺に連続する二面とを全域に渡って包み込むように被覆させた帯状の摺擦シートと、前記基台の上面に連設されている柄とから構成されていることを特徴とする柄付き束子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は柄付き束子、特に、浴槽の清掃等に用いられる柄付き束子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浴槽等を清掃する為に使用される従来の柄付き束子として、図5に示すようなものがある。これは、合成樹脂製繊維等からなる摺擦用の単繊維群(5) が矩形の基台(50)の下面に植設されて摺擦部(2) が構成されていると共に、前記基台(50)の上面に柄(4) が取り付けられた構成である。
【0003】この柄付き束子を利用すれば、浴槽内を摺擦部(2) で摺擦する際に、低く屈み込んだり浴槽内に入り込んだりする必要がなく、柄(4) を持って立ったまま楽に浴槽を清掃することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の柄付き束子では、矩形状に構成された基台(50)の下面に単繊維群(5) が植設された構成となっているため、前記基台(50)の下面のみが摺擦部(2) として機能し、この従来の柄付き束子で浴槽(30)を摺擦すると、底部(31)の周縁部やコーナ部を摺擦部(2) で摺擦する際に、基台(50)の角部や側面部が浴槽(30)の側壁(32)に不用意にぶつかり、浴槽(30)に傷が付くという不都合があった。
【0005】浴槽(30)に傷を付けない柄付き束子として、図6に示すように、摺擦部(2) 全体を不織布(20)とスポンジ(3) から構成し、その一端に柄(4) を取り付けた構成のものがある。このものでは、基台(50)に相当する柄(4) の摺擦部(2) への取付部分は浴槽(30)等の被摺擦面に触れることがないから、前記被摺擦面に傷が付くという不都合は防止できる。
【0006】しかしながら、摺擦部(2) は不織布(20)とスポンジ(3) のみから構成されていることから、摺擦部(2) 自体に腰がなく、摺擦効果に欠けるという問題がある。又、このものでは、柄(4) が取り付けられている摺擦部(2) の一端側は摺擦に使用しにくく、摺擦には専ら摺擦部(2) の先端側(2a)が使用されることとなる。このように、この種柄付き束子では、摺擦部(2) の一部分のみが集中的に使用されることにより、長期使用により摺擦部(2) の変形が著しいものとなってしまうという不都合がある。
【0007】本発明は、使用によって被摺擦面に傷を付けることなく、摺擦効果に優れ、しかも、摺擦部が型崩れしない柄付き束子を提供することを課題とする。
<1項>【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するために講じた本発明の解決手段は、『底面部とその周縁全域から連続する所定高さの周面部とを具備する基台と、前記底面部から前記周面部にかけて、全域的に包み込むように被覆させた摺擦シートと、前記基台の上面に連設されている柄とから構成されている』ことである。
【0009】上記解決手段はつぎのように作用する。基台の底面部及び周面部とを全域的に摺擦シートで被覆することにより、全体に丸みを帯びた摺擦部が構成されると共にその上面から柄が突出する態様となる。この柄を持って、前記摺擦部で被摺擦面を摺擦すると、被摺擦面に触れるのは摺擦シートが被覆されている基台の底面部及び周面部のみであり、摺擦シートを被覆させていない前記基台の上面は直接被摺擦面に触れることはない。例えば、前記基台の底面部で浴槽の底部を摺擦する際、摺擦に伴って前記基台の周面部が前記浴槽の側壁に当たり、又、基台の底面部で前記浴槽の側壁を摺擦する際には前記周面部が前記浴槽の他の側壁又は底部に当たることとなるが、これら底面部及び周面部は共に摺擦シートで覆われているから、摺擦部の摺擦姿勢にかかわらず、基台自体が前記被摺擦面に直接擦れたりぶつかったりすることはない。又、基台の周面部はある程度の高さを有するように構成されているから、周面部でも摺擦することができる。さらに、前記周面部を断面円弧状に形成したり、又は全体に厚肉の不織布を被覆させることによって、さらに丸みを帯びた摺擦部を構成することができ、浴槽のコーナ部等の曲面にも丁度対応させて摺擦することができる。
【0010】<2項>前記1項の発明において、『前記周面部は環状周壁の外側面であり、前記摺擦シートは前記環状周壁を巻き込んだ状態に被覆されると共に、前記柄が貫通する透孔が設けられた押え板が前記環状周壁内に前記摺擦シートを介して略密嵌状態に嵌め込まれている』ものでは、前記基台は浅い皿状に構成されるものとなり、全体を包み込むように摺擦シートを被覆させると共に、前記環状周壁の内周面を被覆する態様となる摺擦シートの周縁近傍部分は、押え板によって前記環状周壁の内周面に挟圧されると共に抜止め状態に保持されることとなる。又、柄は前記押え板に設けた透孔から差し込んで、基台に取り付けられる。
【0011】<3項>前記2項の発明において、『前記基台の上面に前記柄が抜止め状態に差し込まれる柄取付用筒が形成され、前記柄取付用筒の外周面に前記押え板の前記透孔の周縁部を抜け止め状態に係合させる係合凸部が設けられ、前記押え板の外周縁には、前記環状周壁の内周面に対向する環状垂下片が設けられると共に、前記環状垂下片の外周面に、前記環状周壁の内周面に被覆されている前記摺擦シートを抜止め状態に係止する係止突起が設けられている』ものでは、前記押え板に設けた透孔は、基台の上面に設けた柄取付用筒が挿通可能な大きさに形成されていると共に、前記柄取付用筒を前記透孔に挿通させると前記透孔の周縁が前記柄取付筒に設けた係合凸部にワンウェイ係合することとなる。これにより、押え板は環状周壁に対して密嵌状態に嵌め込まれると同時に柄取付用筒に対して抜止め状態となる。又、摺擦シートの周縁部近傍部分は、押え板の外周縁から垂下している環状垂下片の外周面と環状周壁の内周面との間に挟圧されるとともに環状垂下片の外周面に形成されている係止突起が摺擦シート内に食い込む態様となり、摺擦シートは基台から抜止め状態に固定される。基台に摺擦シートを被覆させると共に押え板を嵌め込んだ後で柄を押え板の透孔から突出している前記柄取付用筒に嵌め込むと柄付き束子が完成する。
【0012】<4項>前記1、2又は3項の発明において、『前記摺擦シートと前記基台との間に、厚肉通水シートが設けられている』ものでは、厚肉通水シートと摺擦シートの二重構造となっており、クッション性に富む摺擦部が構成されることとなる。尚、『前記摺擦シートとしては、厚さ約3mmから5mmの不織布』が採用可能であり、上記4項における『前記厚肉通水シートとしては、厚さ約10mmから15mmの不織布又はスポンジ』が採用可能である。
【0013】<5項>前述した課題を解決するために講じた本発明の第2番目の解決手段は、『略矩形状の底面部とその周縁全域から連続する所定高さの周面部とを具備する基台と、前記底面部と、前記周面部のうち前記底面部の対向する二辺に連続する二面とを全域に渡って包み込むように被覆させた帯状の摺擦シートと、前記基台の上面に連設されている柄とから構成されていることを特徴とする』ものであり、このものでは、略直方体状に構成された基台の四つの側面のうち対向する二面と底面部とが、帯状の摺擦シートで包み込まれた態様の摺擦部が形成されることとなる。尚、前記帯状摺擦シートの幅は前記二面の横幅よりも大きく設定しておくことが望ましい。通常、柄を持って前記摺擦部で被摺擦面を摺擦する場合、前記摺擦部は主に前後方向にのみ摺動されることとなり、左右方向には摺動されないから、前記基台のうち、摺擦方向となる側に前記摺擦シートを被覆させておけば、その両側部分に摺擦シートが被覆されていなくても不都合はなく、前記1項と同様な作用が生じることとなる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。柄を持ちながら前記摺擦部で浴槽等の被摺擦面を摺擦する際に、被摺擦面に接触するのは摺擦シートが被覆されている部分のみであるから、基台が直接被摺擦面に当たって前記被摺擦面が傷付くといった不都合はない。又、基台は摺擦部全体に内蔵された構成となっているから、摺擦部のどの部分においても腰のあるものとなり、摺擦効果が向上する上に、長期の使用によっても摺擦部が型崩れする心配もない。又、摺擦部は摺擦シートを巻き付けることによって全体に丸みを帯びた形状に構成されていると共に、底面部だけではなく周面部でも摺擦することができるから、例えば、浴槽の底部の周縁部分を摺擦する際には、基台の底面部、周面部、及びこれらの境界部とを、浴槽の底部、周壁、及びコーナ部に沿わせて同時に摺擦することができ、効率良く摺擦することができる。
【0015】2項のものでは、摺擦シートのうち、前記環状周壁内に巻き込んだ部分を、前記押え板の外周縁と前記環状周壁の内周面との間で抜止め状態に挟圧させる構成としたから、摺擦部のどの部分で被摺擦面を摺擦しても、摺擦シートが基台から剥れる不都合がなく、長期間使用することができる。
【0016】3項のものでは、押え板は環状周壁の内周面に密嵌状態に嵌め込まれると共に柄取付用筒に抜止め状態に係合する構成としたから、基台に対して押え板はその姿勢を安定させた状態で確実に固定されることとなる。又、このように基台に対して抜止め状態に固定されている押え板の環状垂下片に前記摺擦シートが抜止め状態に係合する構成としたから、摺擦シートの基台への取り付けがより一層確実なものとなる。さらに、使用者が柄を前記柄取付用筒に嵌め込んで、基台と柄とを一体化することができるから、流通段階においては、基台と柄とを分離した状態で流通させることができるから、流通段階の嵩を低くすることができ、在庫の保管に場所を取らず、運搬も容易となる。
【0017】4項のものでは、厚肉通水シートを摺擦シートで包み込んで二重構造することにより、クッション性に富む摺擦部を提供できると共に、摺擦部は、底面から側面にかけて一層丸みを帯びた形状となる。よって、例えば、浴槽のコーナ部等の曲面部や凹面部にも確実に対応させることができ、さらに優れた摺擦効果を期待することができる。
【0018】5項のものでは、略矩形状の基台に帯状の摺擦シートを巻き付けるだけの構成としたから、生産コストを減縮させることができる上に、製造が容易であるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。本発明実施の形態の柄付き束子は、主に浴槽清掃用に使用されるものとし、図1は本発明実施の形態の柄付き束子の柄(4) の一部を省略した摺擦部(2) の縦断面図である。
【0020】基台(1) は、合成樹脂により、略長方形状の底板部(10)と底板部(10)の周縁全域に連続する環状周壁(11)とからなり、全体に上方に開放する浅い略矩形皿状に構成されている。そして、底板部(10)の上面(10a) の中央には柄取付用筒(12)が一体的に設けられている。柄取付用筒(12)は、底板部(10)の上面(10a) に対して直角に延びた筒状体を前記環状周壁(11)を越えた位置で、前記底板部(10)の一方の長辺側に屈曲させた構成であり、その屈曲部よりも基端部側の外周面の所定位置に、後述する押え板(13)を抜止め状態に係合させる為の、断面略直角三角形状の係合凸部(14)が突設されている。
【0021】底板部(10)の下面(10b) はフラットに形成されており、前記下面(10b) から環状周壁(11)の前記外周面にかけては自然な円弧によって連続するように形成されている。そして、基台(1) の底板部(10)の上面(10a) を除いた範囲全域に、厚肉不織布(21)と薄肉不織布(22)の二重構造からなる摺擦シートを被覆させる。
【0022】厚肉不織布(21)としては、10mmから15mm程度の肉厚で、且、前記基台(1) の展開図の形状に略一致する大きさ形状に裁断されたものが採用可能であり、底板部(10)の下面(10b) と環状周壁(11)の外周面とを全体的に被覆できるように設定されている。薄肉不織布(22)としては、3mmから5mm程度の肉厚で、且、基台(1) に被覆させた厚肉不織布(21)を外側から包み込んだ上で環状周壁(11)の内周面をも被覆できる大きさ及び形状に設定されているものとする。
【0023】基台(1) に厚肉不織布(21)と薄肉不織布(22)とを被覆させるには、図2に示すように、薄肉不織布(22)の中央に厚肉不織布(21)を載置すると共に、厚肉不織布(21)の中央に基台(1) を載置する。そして、図1に示すように、基台(1) の底板部(10)の下面(10b) のみを厚肉不織布(21)の上面に接着剤(40)で接着させると共に、この接着域とほぼ同じ範囲において、薄肉不織布(22)の上面を厚肉不織布(21)の下面に同様な接着剤(40)によって接着させる。
【0024】その後、薄肉不織布(22)を、厚肉不織布(21)と共に基台(1) 側へ折り曲げることにより、厚肉不織布(21)は環状周壁(11)の外周面を全域的に包囲する上に、薄肉不織布(22)のうち、厚肉不織布(21)よりも外側に位置する部分が環状周壁(11)内に巻き込まれ、環状周壁(11)の内周面が被覆されることとなる。
【0025】厚肉不織布(21)は、上記したように基台(1) の展開図のとおりに裁断されているものであるから、厚肉不織布(21)が基台(1) の底板部(10)の周縁に沿って上方へ折り曲げられると、基台(1) の底板部(10)の下面(10b) 及び環状周壁(11)の外周面が全域的に厚肉不織布(21)によって被覆されることとなる。そして、この外側から薄肉不織布(22)が被覆される。薄肉不織布(22)の周縁部分は環状周壁(11)の内周面にまで延びることにより、薄肉不織布(22)は厚肉不織布(21)ごと基台(1) を包み込む態様となる。この状態で薄肉不織布(22)が固定されるように、押え板(13)を環状周壁(11)内に嵌め込む。
【0026】押え板(13)は、図1及び図2に示すように、合成樹脂により、全体が前記環状周壁(11)内に略密嵌状態に収容できる大きさ形状の蓋板(23)とその周辺全域から垂下する環状垂下片(33)とからなる下方開放の皿状体であり、蓋板(23)の中央には、柄取付用筒(12)が挿通可能な筒部(34)が下方に延長するように形成されているとともにその底部には、前記柄取付用筒(12)の外径に略一致する直径の透孔(35)が形成されている。尚、筒部(34)の内径は、係合凸部(14)の頂部が接触する程度に設定されているものとする。
【0027】又、環状垂下片(33)の外周面には、前記係合凸部(14)と相似の断面形状を有する係止突起(36)が千鳥状に複数個設けられており、係止突起(36)の頂部が環状周壁(11)の内周面に接触する程度に押え板(13)の大きさを設定しておく。
【0028】この押え板(13)を、厚肉不織布(21)及び薄肉不織布(22)を被覆させた状態の基台(1) に、透孔(35)に柄取付用筒(12)を挿通させながら、環状周壁(11)内に上方から嵌め込む。柄取付用筒(12)の屈曲部を透孔(35)が通過させると共にさらに柄取付用筒(12)の基端部側に挿通させていくと、柄取付用筒(12)に設けられた係合凸部(14)によって、透孔(35)の直径は強制的に拡大させられながら、係合凸部(14)を越えて行き、係合凸部(14)の頂点を越えた時点で、透孔(35)の周縁が弾性復帰し、透孔(35)の周縁部が係合凸部(14)の下端の水平面部にワンウェイ係合することとなる。これにより、前記押え板(13)は柄取付用筒(12)に対して抜止めとなる。
【0029】これと同時に、押え板(13)の環状垂下片(33)は、薄肉不織布(22)で包囲された状態の環状周壁(11)内に強制的に嵌め込まれることとなり、環状垂下片(33)が環状周壁(11)内に薄肉不織布(22)を介して略密嵌状態に嵌ることにより、押え板(13)は、環状周壁(11)内に固定されることとなる。これが、本発明実施の形態の柄付き束子の摺擦部(2) の完成状態である(図3参照)。
【0030】押え板(13)は、柄取付用筒(12)の係合凸部(14)にワンウェイ係合すると共に、環状周壁(11)の内周面に略密嵌状態に嵌め込まれることによって、基台(1) に対して抜止め状態に取り付けられた態様となると共に、環状周壁(11)の内周面を被覆させている薄肉不織布(22)の周縁近傍部分は、環状垂下片(33)の外周面と環状周壁(11)の内周面との間で挟圧されると共に、環状垂下片(33)の外周面に形成されている係止突起(36)が薄肉不織布(22)の繊維に絡みついて抜止めとなり、薄肉不織布(22)は押え板(13)と環状周壁(11)との間から外れる不都合はない。
【0031】又、環状垂下片(33)の高さを、基台(1) の上面(10a) から環状周壁(11)の上端までの高さに略一致するように設定しておけば、環状垂下片(33)の下端部が底板部(10)の上面(10a) に当接するまで、押え板(13)を環状周壁(11)内に嵌め込んだ状態が最終嵌め込み状態となり、押え板(13)の姿勢を安定させた状態で基台(1)に取り付けることができる。
【0032】この実施の形態の柄付き束子の摺擦部(2) の場合、略矩形皿状の基台(1) を、その展開図に応じた形状の厚肉不織布(21)で包むと共に、さらにその上から厚肉不織布(21)よりも大きな略長方形状の薄肉不織布(22)で包む構成としたから、全体に丸みを帯びた形状の摺擦部(2) が形成されることとなる。又、薄肉不織布(22)の各コーナ部分は、基台(1) に沿わずに余剰部分が生じることとなるが、強制的に環状周壁(11)内に折り込まれて、押え板(13)により抜止め状態に固定してしまうことによって、何ら不都合は生じず、又、美観を損なうこともない。
【0033】又、環状周壁(11)は底板部(10)から円弧状に連続すると共に所定の高さを有するように構成されているから、それに厚肉不織布(21)と薄肉不織布(22)との二重の摺擦シートで被覆させた構成の完成状態の摺擦部(2) は、図3に示すように、その側面部及び底部側はそれぞれフラット面からなり、各コーナ部分は角のない丸みを帯びた厚肉状に構成されることとなる。
【0034】尚、押え板(13)の筒部(34)からは、柄取付用筒(12)が斜めに突出する態様となっており、この柄取付用筒(12)に柄(4) を嵌め込めば、摺擦部(2) に対して、柄(4) が斜めに取り付けられている柄付き束子が完成する。
【0035】この実施の形態における柄(4) は、柄取付用筒(12)の内径に略一致する直径の小径軸部(41)と、これに連続し且柄取付用筒(12)の外径に略一致する直径を有する大径軸部(42)とからなり、小径軸部(41)を柄取付用筒(12)内に強制的に嵌め込むと共に、小径軸部(41)と大径軸部(42)との境界部分の段部(43)が、柄取付用筒(12)の上端面に当接するまで嵌め込む。これにより、柄取付用筒(12)に柄(4) が抜止め状態に取り付けられることとなり、柄取付用筒(12)の外径と大径軸部(42)の直径を一致させたことにより、柄取付用筒(12)の外周面と大径軸部(42)の外周面とが面一となり、押え板(13)の中央部から1本の柄(4) が斜めに突出しているように見えるため、美観の美しいものとなる。
【0036】尚、柄取付用筒(12)内に嵌め込まれる前記小径軸部(41)の長さは、柄取付用筒(12)の屈曲部から開放端部魔での長さに略一致する程度に設定されているものとする。このように、柄(4) は、柄取付用筒(12)に嵌め込むだけで摺擦部(2) に取り付けることができるから、流通段階では柄(4) と摺擦部(2) とを別個にしておき、需要者が、使用する際に柄取付用筒(12)に柄(4) を取り付けて、柄(4) と摺擦部(2) とを一体的に構成するようにしても良い。この場合、流通段階の嵩を低くすることができるので、在庫管理及び運搬の際に便利である。
【0037】柄(4) は、柄取付用筒(12)に嵌め込むだけであるが、柄付き束子の使用中には、柄(4) を柄取付用筒(12)側に押し込む力のみがかかることとなり、柄取付用筒(12)から引き抜く力は生じることがないから、柄(4) が不用意に柄取付用筒(12)から抜け落ちる不都合はない。
【0038】この実施の形態の柄付き束子の柄(4) を持って、摺擦部(2) で浴槽(30)を摺擦する場合、図1に示すように、浴槽(30)の底部(31)や側壁(32)の平らで広い範囲は、フラットに形成された基台(1) の底板部(10)の下面(10b) に被覆されている二重の摺擦シートで摺擦することができる。このように、浴槽(30)の底部(31)や側壁(32)のフラット面には、摺擦部(2) のフラット部分を対応させることにより、前記浴槽(30)の底部(31)や側壁(32)は効率よく且確実に摺擦することができる。
【0039】そして、底部(31)の4つのコーナ部や底部(31)と側壁(32)との境界部等の曲面部分は、上記したように丸く構成されている摺擦部(2) の各コーナ部分が対応することとなるから、磨き残しを生じさせることがなく、又、浴槽(30)の底部(31)の周縁部分を基台(1) の底板部(10)の下面(10b) で摺擦すると同時に、浴槽(30)の側壁(32)を環状周壁(11)の外周面で摺擦することができ、効率良く且容易に摺擦することができる。
【0040】本発明の実施の形態の柄付き束子の摺擦部(2) は、柄(4) を持って浴槽(30)を摺擦する際に、摺擦中に浴槽(30)内のすべての面に接触する部分は、すべて不織布が被覆された部分となり、柄(4) の基端部が挿通しており且不織布が被覆されていない押え板(13)は浴槽(30)に直接触れることはない。よって、摺擦中に、浴槽(30)が摺擦部(2) の一部分によって傷付けられるといった不都合はない。
【0041】又、この実施の形態のものでは、柄(4) は、摺擦部(2) の上面中央から突出するように取り付けられているから、摺擦部(2) の底面部及び側面部の全ての部分が摺擦のために使用可能となり、不織布に無駄が生じない。
【0042】さらに、摺擦部(2) 全体に、樹脂製の基台(1) が内蔵された構成となっているから、使用によって、摺擦部(2) は腰のあるものとなり、高い摺擦効果が期待できる上に、摺擦部(2) 自体が形崩れすることもないから、長期の使用にも堪え得るものとなる。
【0043】図4に示すものは、他の実施の形態の柄付き束子の柄の一部を省略した完成状態の斜視図である。このものでは、上記実施の形態で採用したものと同様の基台(1) の略長方形状の底板部(10)の下面(10b) とその対向する長辺に連続する一対の側壁部(15)とを全域に渡って、前記底板部(10)の長辺長さよりも大きな幅の帯状の不織布シート(24)で包んだ構成としてある。この不織布シート(24)としては、前記厚肉不織布(21)と同程度の肉厚を有するものを採用しており、これを前記側壁部(15)を外方から包み込むことにより、側壁部(15)の内方にまで被覆させる。そして、上記実施の形態と同様に、押え板(13)によって環状周壁(11)の上方開放部を閉塞させると共に不織布シート(24)を抜止め状態に固定させる。
【0044】この実施の形態のものでは、基台(1) の底板部(10)の短辺に連続する他の側壁部(16)側には不織布シート(24)が被覆されておらず、基台(1) が露出した状態となっているが、前記側壁部(15)の一方側に傾くように柄(4) を取り付けておくことにより、略直方体状の摺擦部(2) の摺擦方向は、前記側壁部(15)に対して直角方向となり、不織布シート(24)を被覆させている基台(1) の底板部(10)の下面(10b) と前記側壁部(15)とが摺擦面として機能することとなる。よって、摺擦面として機能しない他の側壁部(16)側に不織布シート(24)を被覆させなくても摺擦作業に支承を来すことはない。又、側壁部(15)の長辺長さよりも、不織布シート(24)の幅を大きく設定してあるから、他の側壁部(16)は、不織布シート(24)の両側縁よりも内方に埋もれた態様となり、摺擦部(2) での摺擦中に、側壁部(16)側が被摺擦面に近づくことがあっても、側壁部(16)が直接前記被摺擦面に接触することがない。よって、被摺擦面に傷が付くこともない。
【0045】上記各実施の形態のものでは、摺擦部の表面に被覆させる摺擦シートとして、薄肉不織布(22)を採用したが、これに代えて、ワイピングクロスを採用しても良い。又、厚肉不織布(21)に代えて、スポンジを採用しても良い。
【出願人】 【識別番号】591169928
【氏名又は名称】久保田 安比古
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100076912
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 好博 (外1名)
【公開番号】 特開2001−120483(P2001−120483A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−306985