| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】坪井 心
【氏名】田中 照也
【氏名】北川 晃一
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| 【要約】 |
【課題】加熱むらを小さくして、ご飯の均一な炊きあがりを実現できる炊飯器を提供する。
【解決手段】内側共振回路16a及び外側共振回路16bの共振周波数は、それぞれ50kHz及び20kHzに設定されている。制御回路17により、内側共振回路16aと外側共振回路16bとのインピーダンスがほぼ一致する周波数領域でインバータ主回路12を駆動することにより、内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bへの供給電力を略同一とする。また、内側共振回路16aよりも外側共振回路16bのインピーダンスが大きくなる周波数領域でインバータ主回路12を駆動することにより、内側加熱コイル2aに供給する電力を大きくして、釜内中央部を加熱することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 交流入力を直流に変換出力する電源回路と、釜の加熱用に設けられる複数の誘導加熱用コイルのそれぞれに共振コンデンサを直列接続してなる複数の共振回路を互いに共振周波数が異なるように設定したものを並列接続した共振回路部と、前記電源回路の直流出力を設定された駆動周波数の交流出力に変換して前記共振回路部に出力するインバータ主回路と、前記インバータ主回路の駆動周波数を前記複数の誘導加熱用コイルに対する入力電力比設定値にしたがって設定する制御手段とを備えたことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 前記複数の誘導加熱用コイルは、環状をなすと共に前記釜の誘導加熱面に対して同心状に配置され、前記複数の共振回路は、前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定したことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 【請求項3】 前記制御手段は、炊飯行程における最大入力動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのすべてに対して通電するように設定された入力電力比に設定し、沸騰継続動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのうちの内側に位置するものに通電するように設定された入力電力比に設定して前記インバータ主回路を駆動制御することを特徴とする請求項2記載の炊飯器。 【請求項4】 前記複数の誘導加熱用コイルは、環状をなすと共に前記釜の誘導加熱面に対して同心状に配置され、前記複数の共振回路は、前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も外側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定したことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 【請求項5】 前記制御手段は、炊飯行程における最大入力動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も外側に位置するものに対して通電するように設定された入力電力比に設定し、沸騰継続動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのすべてのものに通電するように設定された入力電力比に設定して前記インバータ主回路を駆動制御することを特徴とする請求項4記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釜の下面に対向するように配置した誘導加熱用コイルにインバータ主回路から高周波電流を供給するようにした構成の炊飯器に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の炊飯器は、釜の下面部に誘導加熱用コイルを対向するように配置し、この誘導加熱用コイルと共振コンデンサとからなる共振回路にインバータ主回路から高周波電流を供給するように構成されている。これにより、釜の誘導加熱用コイルと対向する部分に誘導電流が流れ、これがうず電流損となって発熱し、これによって釜を直接加熱するものである。 【0003】一般に、おいしいご飯を炊く条件としては、炊飯中の釜内の温度が均一になるように加熱することがあげられる。このために、従来では、釜内での対流効果を積極的に利用して全体を均一な温度となるように制御している。この場合、釜の底面外周部において強い加熱を行って外周部から上部に向かう対流を発生させると共に、釜の形状を対流が起こりやすいようにすることで均一な温度となるようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来構成のものでは、次の点で加熱むらが発生することがあり、釜内の均一温度条件を満たすことが困難となる場合があった。すなわち、上述のようにして対流を起こす場合に、加熱された米と水は、外周部で上昇され、釜内の上部中央から下降するように対流を起こすが、その最終到達点である釜底面の中央部においては上昇時の温度よりも低下するので、全体として釜底面中央部付近の温度が若干低くなる傾向となり、加熱むらの原因となっていた。 【0005】このような加熱むらを抑制するためには、釜内を全体に一気に加熱すべく、加熱コイルによる入力電力を高くすることが考えられるが、家庭用機器での使用を想定している場合には、入力電力を大きくすることにも制限があり、しかも省エネルギーの傾向にも逆行するため、簡単に採用することができない事情がある。 【0006】そこで、入力電力を大きくしないで加熱むらを低減する方法としては、例えば、釜の底面部に内側と外側に対応して同心状に加熱コイルを設けると共に、それぞれに対応してインバータ主回路を設け、釜の中央部を加熱する必要がある場合には、内側の加熱コイルにインバータ主回路により通電して加熱するようにすることが考えられる。 【0007】しかし、このように複数の加熱コイルに対してそれぞれインバータ主回路を設けることは、部品点数が増えてコストアップにつながると共に、それぞれの加熱コイルへの通電の切り替え制御も複雑になるため、採用するのに困難となる事情がある。 【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の誘導加熱用コイルを設ける構成としながら、それらに個々に対応してインバータ主回路を設けたり、切り替えスイッチなどを設けることなく複数の誘導加熱用コイルを所望の入力電力比で制御することができるようにした炊飯器を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために請求項1記載の炊飯器は、交流入力を直流に変換出力する電源回路と、釜の加熱用に設けられる複数の誘導加熱用コイルのそれぞれに共振コンデンサを直列接続してなる複数の共振回路を互いに共振周波数が異なるように設定したものを並列接続した共振回路部と、前記電源回路の直流出力を設定された駆動周波数の交流出力に変換して前記共振回路部に出力するインバータ主回路と、前記インバータ主回路の駆動周波数を前記複数の誘導加熱用コイルに対する入力電力比設定値にしたがって設定する制御手段とを備える構成としたところに特徴を有する。 【0010】このような構成によれば、各共振回路の共振周波数が異なるように設定されているので、共振回路の周波数インピーダンス特性が互いに異なることになる。したがって、インバータ主回路が特定の周波数で駆動されると、互いに異なる電流を複数の誘導加熱用コイルにそれぞれ供給するようになる。制御回路は、複数の誘導加熱用コイルに入力する入力電力比設定値にしたがって駆動周波数を設定するので、異なる電力を複数の誘導加熱用コイルのそれぞれに供給させることができる。これにより、複数の誘導加熱用コイルをひとつのインバータ主回路により所望の入力電力比で制御することができ、釜内の温度が均一になるように加熱制御することができる。 【0011】前記複数の誘導加熱用コイルを、環状をなすと共に前記釜の誘導加熱面に対して同心状に配置し、前記複数の共振回路を、前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定することが望ましい(請求項2)。 【0012】このような構成によれば、最も内側に設置された誘導加熱用コイルに対応する共振回路の共振周波数より高い周波数領域では、その共振回路のインピーダンスが、他の複数の共振回路のインピーダンスよりも低くなる周波数領域がある。すなわち、この周波数領域中の周波数を、インバータ主回路の駆動周波数として用いることにより、最も内側の誘導加熱用コイルに供給する電力を最大とすることができる。これにより釜の底面中央部を選択的に加熱でき、対流による加熱むらを解消するように加熱制御することができる。 【0013】また、前記制御手段を、炊飯行程における最大入力動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのすべてに対して通電するように設定された入力電力比に設定し、沸騰継続動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものに通電するように設定された入力電力比に設定して前記インバータ主回路を駆動制御させることが望ましい(請求項3)。 【0014】このような構成によれば、炊飯行程における最大入力動作中においては、制御手段はインバータ主回路の駆動周波数を、複数の誘導加熱用コイルのすべてに電力供給するように選定する。これにより、釜内の米及び水の温度は均一に上昇されるようになる。また沸騰継続動作中においては、制御手段は、インバータ主回路の駆動周波数を、複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものに電力供給するように選定する。これにより、釜内の底面中央部が加熱され、その温度を外周側に比較して高くすることができる。つまり炊飯行程において、外周側に比べて低くなる傾向にある底面中央部の米及び水を重点的に暖めることができ、加熱むらを少なくすることができる。 【0015】そして、請求項1記載の発明において、前記複数の誘導加熱用コイルを、環状をなすと共に前記釜の誘導加熱面に対して同心状に配置し、前記複数の共振回路を、前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も外側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定することが望ましい(請求項4)。 【0016】このような構成によれば、最も外側に設置された誘導加熱用コイルに対応する共振回路の共振周波数より高い周波数領域では、その共振回路のインピーダンスが、他の複数の共振回路のインピーダンスよりも低くなる周波数領域がある。すなわち、この周波数領域中の周波数を、インバータ主回路の駆動周波数として用いることにより、最も外側の誘導加熱用コイルに供給する電力を最大とすることができる。これにより釜の底面外周側のみを選択的に加熱でき、強い対流を発生させて対流最終到達点での温度低下を抑制し、加熱むらを解消するように加熱制御することができる。 【0017】また、上記請求項4記載の発明において、前記制御手段を、炊飯行程における最大入力動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのうちの最も外側に位置するものに対して通電するように設定された入力電力比に設定し、沸騰継続動作中は前記複数の誘導加熱用コイルのすべてのものに通電するように設定された入力電力比に設定して前記インバータ主回路を駆動制御することが望ましい(請求項5)。 【0018】このような構成によれば、炊飯行程における最大入力動作中においては、制御手段は、インバータ主回路の駆動周波数を、複数の誘導加熱用コイルのうちの最も外側に位置するものに電力供給するように選定する。これにより、釜内の外周側が加熱され、その温度を底面中央部に比較して高くすることができ、対流による加熱むらを解消することができる。また沸騰継続動作中においては、制御手段は、インバータ主回路の駆動周波数を、複数の誘導加熱用コイルのすべてに電力供給するように選定する。これにより、釜内の米及び水の温度は均一に上昇されるようになる。つまり炊飯行程において、外周側に比べて低くなる傾向にある底面中央部の米及び水についても温度が低下しないように暖めることができ、加熱むらを少なくすることができる。 【0019】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図2は第1実施例となる、釜1と,これを加熱する誘導加熱用コイルとしての内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bと,温度センサ3との配置関係を縦断面図で示している。釜1は、例えばステンレス材とアルミニウム材とを接合した板材をプレス成形するなどして形成されるもので、内部に収容する米及び水を加熱するときに、外周側から中央部へ対流が発生しやすいように底面中央部が隆起した形状に形成されている。また、釜1の底面部に対して、内側加熱コイル2aが内側に位置し、外側加熱コイル2bが外側に位置するように同心円状に配設されていると共に、温度センサ3が釜1の温度を検出するように設けられている。内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bから釜1に渦電流を誘導させて加熱が行われるようになっている。 【0020】また、図1は電気的構成図を示している。商用交流電源4の両端子は、全波整流回路5の交流入力端子に接続されており、全波整流回路5の直流出力端子は、直流母線6及びGND7に接続されている。直流母線6とGND7との間には、チョークコイル8及び平滑コンデンサ9が直列に接続されている。そして全波整流回路5、直流母線6、GND7、チョークコイル8、及び平滑コンデンサ9により、この発明でいう電源回路が構成されている。 【0021】平滑コンデンサ9の両端子間には、上アーム側のNPN形のトランジスタ10及び下アーム側のNPN形のトランジスタ11からなるハーフブリッジ形のインバータ主回路12が接続されている。トランジスタ10及び11のコレクタ、エミッタ間には、フライホイールダイオード13及び14がそれぞれ接続されている。 【0022】インバータ主回路12の出力端子12aとGND7との間には、内側加熱コイル2a及び内側共振コンデンサ15aからなる内側共振回路16a、外側加熱コイル2b及び外側共振コンデンサ15bからなる外側共振回路16bが並列に接続されている。内側共振回路16a及び外側共振回路16bにより共振回路部16が構成される。これら内側共振回路16aと外側共振回路16bとの夫々の周波数インピーダンス特性を図3に示す。ここで、内側共振回路16aの共振周波数は、例えば50kHz程度に設定されている。また、外側共振回路16bの共振周波数は、例えば20kHz程度に設定されている。 【0023】制御手段としての制御回路17は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、これには図示しない操作スイッチや温度センサ3が接続されると共に、インバータ主回路12の各トランジスタ10,11のベースに制御出力を与えるように接続されている。そして、使用者のキー(図示せず)操作及び温度センサ3の検出温度に応じて炊飯行程を制御するようにあらかじめプログラムが記憶されている。また制御回路17は、内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bの入力電力比を炊飯行程の動作に対応して設定する。この入力電力比の設定方法としては、インバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースに与える制御信号の駆動周波数により設定するようになっている。 【0024】この場合、内側共振回路16a及び外側共振回路16bのインピーダンスがほぼ一致するところは図3中のA領域の周波数範囲であり、このA領域の周波数でインバータ主回路12を駆動することにより、内側共振回路16a及び外側共振回路16bにはほぼ同じ電流が供給される。これにより、結果的に内側加熱コイル2aと外側加熱コイル2bとに供給される電力は略同一の値となり、釜1の底面全面がほぼ一様に加熱される。 【0025】また、図3中にB領域として示す約60kHz以上の周波数範囲においては、外側共振回路16bのインピーダンスが内側共振回路16aのインピーダンスに比べて高くなる。このB領域の周波数でインバータ主回路12を駆動することにより、外側共振回路16bには電流がほとんど供給されない状態にすることができる。内側加熱コイル2aに供給される電流は外側加熱コイル2bに供給される電流に対して多くなり、B領域の周波数範囲では釜1の底面中央部を外周側に比較して多く加熱することができる。 【0026】上述したようにA領域の周波数範囲においては釜1の底面全面がほぼ一様に加熱され、B領域の周波数範囲においては釜1底面中央部がその外周側に比較して多く加熱される。このような加熱特性について、発明者らが実際に測定したデータを図4に示す。測定位置を示す図4(b)において、釜1の底面中央の隆起した位置を測定位置S1とし、釜1の内面に沿って2cm単位で外部に向かって8箇所の測定位置S1ないしS8を選んだ。インバータ主回路12の駆動周波数は、内側共振回路16a及び外側共振回路16bの共振周波数である20kHz,50kHzの2条件としている。各条件で加熱を開始して五分経過後の釜1の各測定位置S1ないしS8の温度上昇の状況を示している。このとき、インバータ主回路12を20kHzで駆動した場合は釜1内の外周側の温度上昇度が大きく、インバータ主回路12を50kHzで駆動した場合は釜1の中央部の温度上昇度が大きいことがわかる。この結果から、インバータ主回路12をA領域、B領域の周波数で駆動することにより、図4(a)の2つの条件の中間的な加熱パターンとしたり、50kHz駆動に近い加熱パターンに設定できることがわかる。 【0027】炊飯行程及びむらし行程中における動作について述べる。図5は炊飯行程及びむらし行程中の加熱制御パターンを示している。ひたし行程などの炊飯行程の前処理(図示せず)の終了後、炊飯行程が開始されると、制御回路17は最大入力動作を実施する。ここでは、内側共振回路16a及び外側共振回路16bの夫々に与える入力電力比は、釜1内の中央部と外周側の温度を均一に上昇させるため、入力電力がほぼ同じとなる比の値に設定される。制御回路17は、その入力電力比に応じた駆動周波数の信号をインバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースに与える。ここでは、最大入力動作中におけるインバータ主回路12の駆動周波数を図6中のA領域内の例えば40kHzとするので、上述したように内側加熱コイル2aと外側加熱コイル2bとに供給する電力を略同一の値とすることができ、釜1底面全面をほぼ一様に加熱することができる。 【0028】釜1内の温度が約100℃になり、温度センサ3がこれを検知すると、沸騰継続動作に移行し、内側共振回路16a及び外側共振回路16bに与える入力電力比を、釜1内の中央部の温度を上昇させるように設定する。ここでは、内側共振回路16aへの入力電力が外側共振回路16bへの入力電力を上回るように設定する。また、この沸騰継続動作では、制御回路17は順次温度センサ3の検出温度を監視し、釜1内の温度を約100℃に保持するように加熱制御する。上記した入力電力比に応じた駆動周波数として、制御回路17は、インバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースにB領域の例えば80kHzを設定する。この周波数では、外側共振回路16bのインピーダンスが高いため、外側共振回路16bにはほとんど電流は供給されず、上述したように釜1中央部が外周側に比較して多く加熱される。 【0029】沸騰継続動作を実行するうちに、釜1内の水分がほとんどなくなり、約105℃のドライアップ温度( 図示せず)が温度センサ3により検知されると、制御回路17は炊き上げ動作に移行する。制御回路17は、沸騰継続動作中と同様にインバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースにB領域の例えば80kHzを設定する。さらに釜1内が加熱されると、温度センサ3があらかじめ定められた約113℃の温度を検知し、制御回路17は炊飯行程を終了する。 【0030】炊飯行程が終了されると、むらし行程に移行する。尚、むらし行程では、釜1内の水分がほとんどなくなっているため、制御回路17は、インバータ主回路12を間欠的に動作させる。これにより、釜1内の温度をほぼ一定に保持させることになる。 【0031】このような第1の実施形態によれば、内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bのそれぞれにより構成される内側共振回路16a及び外側共振回路16bを共振周波数が異なるように設定し、これらを並列に接続して共振回路部16を形成し、制御回路17により、インバータ主回路12に対して入力電力比に対応した駆動周波数で駆動させるようにしたので、内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bの切り替え接続などをおこなうことなく1つのインバータ主回路12により設定した入力電力比で駆動することができるようになる。 【0032】また、内側加熱コイル2aの共振周波数を外側加熱コイル2bの共振周波数よりも大きい値となるように設定しているので、内側共振回路16aのインピーダンスが低くなる周波数領域をインバータ主回路12の駆動周波数として用いることにより、内側加熱コイル2aに供給する電力を大きくすることができ、そのため釜1の底面内側を選択的に加熱でき、釜の底面中央部の温度をその外周側よりも高くするように加熱制御できる。 【0033】さらに、制御回路17により、最大入力動作中においては、内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bの両方に電力供給するように入力電力比を設定し、釜1内全体を均一に暖める加熱制御を行い、また、沸騰継続動作中においては、内側加熱コイル2aに供給される電力が大きくなるように入力電力比を設定し、外周側温度より低くなる傾向にある釜1の中央部を重点的に暖めることができる。つまり炊飯の全行程において、釜内の加熱むらを少なくすることができ、これによっておいしい御飯を炊くことができる。 【0034】(第2の実施の形態)図6及び図7は、本発明の第2の実施形態を示すものである。ここでは、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。 【0035】内側共振回路16aと外側共振回路16bとの夫々の周波数インピーダンス特性を図6に示す。内側共振回路16aの共振周波数は、例えば20kHz程度に設定されている。また、外側共振回路16bの共振周波数は、例えば50kHz程度に設定されている。その他の構成は図1及び図2と同様であるので、その説明を省略する。 【0036】第2実施形態の炊飯行程及びむらし行程における動作を説明する。内側共振回路16a及び外側共振回路16bのインピーダンスがほぼ一致するところは、図6中のA領域の周波数範囲である。制御回路17により、内側共振回路16a及び外側共振回路16bの共振周波数(約20kHz、約50kHz)の間の周波数であるA領域の周波数範囲でインバータ主回路12を駆動すると、釜1底面全面がほぼ一様に加熱される。 【0037】また、図6中の約60kHz以上となるB領域の周波数範囲では、内側共振回路16aのインピーダンスが非常に高くなる。したがって、制御回路17がB領域の周波数でインバータ主回路12を駆動すると、内側共振回路16aには電流がほとんど供給されず、外側共振回路16bに供給される電流が多くなる。すなわち、制御回路17がB領域の周波数を用いてインバータ主回路12を駆動することにより、釜1内に大きな対流が発生し、釜1内は米及び水の温度を均一に保つように加熱される。 【0038】図7は炊飯行程及びむらし行程の加熱制御パターンを示している。ひたし行程などの炊飯行程の前処理(図示せず)の終了後、炊飯行程が開始される。制御回路17は、最大入力動作では、内側共振回路16a及び外側共振回路16bに与える入力電力比を、外側共振回路16bへの入力電力が内側共振回路16aへの入力電力を上回るように設定する。また制御回路17は、その入力電力比に応じた駆動周波数の信号をインバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースに与える。最大入力動作中におけるインバータ主回路12の駆動周波数は図6中B領域の例えば80kHzとされ、これによって上述したように大きな対流を発生させることができ、釜1の底面中央部でもほとんど温度が低下しないようにすることで、釜1内の温度が均一に保たれながら加熱される。 【0039】釜1内の温度が約100℃になり、温度センサ3が約100℃を検知すると、沸騰継続動作に移行する。ここでは、制御回路17は、内側共振回路16a及び外側共振回路16bに与える入力電力比を、釜1内の中央部と外周側との温度を均一に上昇させるように、つまり内側共振回路16a及び外側共振回路16bへの入力電力をほぼ同一となる比に設定する。制御回路17は、その入力電力比に応じた駆動周波数の信号をインバータ主回路12のトランジスタ10及び11のベースに与える。沸騰継続動作中におけるインバータ主回路12の駆動周波数はA領域の例えば40kHzとされ、これによって上述したように内側加熱コイル2aと外側加熱コイル2bとに供給される電力は略同じとなるため、釜1の底面全面がほぼ一様に加熱され、沸騰継続動作中は、釜1内の中央部が温度低下しないように加熱される。 【0040】釜1内の温度が約100℃以上になり、温度センサ3は約105℃のドライアップ温度を検知すると、炊き上げ動作に移行する。制御回路17は、内側共振回路16a及び外側共振回路16bに与える入力電力比はそのまま続けて設定する。これにより、上述したように釜1底面中央部が外周部に比較して多く加熱される。さらに釜1内が加熱されると、温度センサ3があらかじめ定められた約113℃の温度を検知し、制御回路17は炊飯行程を終了し、前述同様にして、むらし行程を実施する。 【0041】このような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様に、炊飯行程中の釜1の底面中央部の温度低下を抑制し、全体を均一に加熱しておいしい御飯を炊くことができる。 【0042】(他の実施形態)本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。A領域のインバータ主回路12の駆動周波数の範囲としては、原理的には内側共振回路16a及び外側共振回路16bの共振周波数間の範囲とすることができるが、好ましくは内側共振回路16aのインピーダンス及び外側共振回路16bのインピーダンスが一致する周波数を含んでいる周波数の範囲とすることが望ましい。 【0043】また、B領域のインバータ主回路12の駆動周波数の範囲としては、第1の実施形態では外側共振回路16bにほとんど電流が供給されないインピーダンスを持つ周波数範囲であることが望ましく、第2の実施形態では、内側共振回路16aに電流が供給されないインピーダンスを持つ周波数範囲であることが望ましい。 【0044】また、上述した実施形態では内側加熱コイル2a及び外側加熱コイル2bの2つの誘導加熱用コイルを用いて説明を行ったが、3以上の誘導加熱用コイルを用いることもできる。 【0045】尚、実施例では最大入力動作中、沸騰継続動作中(炊き上げ動作中も含む)、むらし行程中において、入力電力比は夫々の共振回路に同一の入力電力比が与えられるように説明を行ったが、1又は複数の温度センサによる検出温度に応じて任意の時間に変更することもできる。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の炊飯器によれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、請求項1記載の炊飯器によれば、複数の誘導加熱用コイルのそれぞれにより構成される共振回路を共振周波数が異なるように設定し、これらを並列に接続して共振回路部を形成し、制御手段により、インバータ主回路に対して入力電力比に対応した駆動周波数で駆動させるようにしたので、複数の誘導加熱用コイルを切り替え接続などをおこなうことなく1つのインバータ主回路により設定した入力電力比で駆動することができる。 【0047】請求項2記載の炊飯器によれば、複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定しているので、最も内側の誘導加熱用コイルに対応する共振回路のインピーダンスが最も低くなる周波数領域がある。すなわち、この周波数領域をインバータ主回路の駆動周波数として用いることにより、最も内側の誘導加熱用コイルに供給する電力を最大とすることができ、そのため釜の最も内側が最も暖められ、釜の底面中央部の温度をその外周側よりも高くするように加熱制御できる。 【0048】請求項3記載の炊飯器によれば、制御手段により、最大入力動作中においては、複数の誘導加熱用コイルのすべてに電力供給するように入力電力比を設定し、釜内全体を均一に暖めることができ、また、沸騰継続動作中においては、複数の誘導加熱用コイルの中で最も内側の前記誘導加熱用コイルに供給される電力が最大となるように前記入力電力比を設定し、外周側温度より低い釜の中央部を重点的に暖めることができる。つまり炊飯の全行程において、釜内の加熱むらを少なくすることができる。 【0049】請求項4記載の炊飯器によれば、複数の誘導加熱用コイルのうちの最も内側に位置するものの共振周波数を最も大きい値となるように設定しているので、最も外側の誘導加熱用コイルに対応する共振回路のインピーダンスが最も低くなる周波数領域がある。すなわち、この周波数領域をインバータ主回路の駆動周波数として用いることにより、最も外側の誘導加熱用コイルに供給する電力を最大とすることができ、そのため釜の最も外側が最も暖められ、釜の底面中央部の温度をその中央部側よりも高くするように加熱制御できる。 【0050】請求項5記載の炊飯器によれば、制御手段により、最大入力動作中においては、複数の誘導加熱用コイルの中で最も外側の前記誘導加熱用コイルに供給される電力が最大となるように入力電力比を設定でき、釜内の外側から内側へ大きく対流を起こすことができ、また、沸騰継続動作中においては、複数の誘導加熱用コイルのすべてに電力供給するように入力電力比を設定し、釜内全体を均一に暖めることができる。つまり炊飯の全行程において、釜内の加熱むらを少なくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成12年6月16日(2000.6.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071135 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 強
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| 【公開番号】 |
特開2001−353063(P2001−353063A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【出願番号】 |
特願2000−181519(P2000−181519) |
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