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【発明の名称】 電気湯沸かし器
【発明者】 【氏名】小笠原 史太佳

【氏名】島田 一幸

【要約】 【課題】容器に収納された液体の温度が設定された保温温度に速やかに近づくようにした電気湯沸かし器を提供する。

【解決手段】第1の保温発熱体4aと、前記第1の保温発熱体より抵抗値が大きい第2の保温発熱体とを有する保温発熱体4と、前記第1の保温発熱体と前記第2の保温発熱体とを切り替えて接続する切替手段9と、容器1の温度を検知する温度検知手段2とを備え、温度検知手段2で検知された温度が設定手段10で設定された保温温度よりも高いとき、制御回路8は、切替手段9により第1の保温発熱体4aから第2の保温発熱体4bに切り替えて保温発熱体4に流れる電流を制限して熱量を低減することにより、容器1に与える熱量を低減して収納された液体の温度が設定手段10で設定された保温温度に速やかに近づくように制御するとともに、平滑コンデンサCの充電に貢献しない無駄な消費電力を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を収容する容器と、前記容器の温度を検知する温度検知手段と、前記容器を加熱保温する加熱発熱体と、前記容器を保温する保温発熱体と、前記保温発熱体を介して入力する商用電源の電圧を整流する整流手段と、前記保温発熱体に流れる電流を制限して熱量を低減する制限手段と、前記整流手段により整流された電圧をオンオフして出力するスイッチ素子と、前記スイッチ素子から供給される電圧を平滑コンデンサの充放電により平滑する直流電源と、前記液体の保温温度を設定する設定手段と、全体の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記温度検知手段により検出された温度が前記設定手段で設定された保温温度より高いとき、前記制限手段により前記保温発熱体に流れる電流の大きさを制限してその発熱を低減し、前記容器に収納された液体の温度が前記保温温度に速やかに近づくように制御する電気湯沸かし器。
【請求項2】 第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体より抵抗値の大きい第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第1の保温発熱体から前記第2の保温発熱体に切り替えて前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】 第2の保温発熱体を、容器を保温しない抵抗器とした請求項2記載の電気湯沸かし器。
【請求項4】 第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体に直列接続された第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第2の保温発熱体の両端を短絡した状態から開放することにより前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1記載の電気湯沸かし器。
【請求項5】 第1の保温発熱体と第2の保温発熱体とを1つの発熱体で構成した請求項4記載の電気湯沸かし器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湯を沸かして保温する電気湯沸かし器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気湯沸かし器の電源回路は、交流の商用電源から直流定電圧電源への変換に、整流後にトランスを使用せず、抵抗による電圧ドロップ方式やコンデンサによる電圧ドロップ方式などを用いることで制御基板の低コスト化を図っている。
【0003】以下、上記従来の電気湯沸かし器について説明する。図4は、従来の電気湯沸かし器の構成を示すブロック図である。図4において、1は液体を収容する容器、2は容器1の温度を検知する温度検知手段、3は容器1に収容された液体を加熱する加熱手段であり、加熱発熱体3a、リレー3b、およびトランジスタTr5などで構成されている。4は容器1に収容された液体を任意の温度に保温する保温発熱体である。5はダイオードD1〜D4によるダイオードブリッジの整流手段、6はSCRによるスイッチ素子、7は直流電源であり、オペアンプIC、および平滑コンデンサCなどにより構成されている。8は制御回路であり、温度検知手段2からの入力によりトランジスタTr5にオンオフ信号を出力して加熱発熱体3aを制御している。
【0004】上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図5は、直流電源7の動作を示すタイミングチャートである。図5において、平滑コンデンサCの電圧Vuは、まず、A1時点で所定電圧VLを下回るとオペアンプICの出力はHighとなり、ツェナーダイオードZD1を介してトランジスタTr3をオフとし、これによりトランジスタTr1がオフとなる。
【0005】トランジスタTr1は、スイッチ素子6のゲートに流れ込む電流を制御する役割をしており、トランジスタTr1がオンのときには、スイッチ素子6のゲートをグランドに接続して抵抗R1からスイッチ素子6へのゲート電流を遮断していたので、トランジスタTr1がオフとなることにより、スイッチ素子6にゲート電流が供給され、スイッチ素子6はA1時点でオンとなり、ダイオードD5を介して平滑コンデンサCの充電が開始される。
【0006】つぎに、A2時点で電圧Vuが所定電圧VHを上回ると、オペアンプICの出力はLowとなる。このとき、オペアンプICの出力はヒステリシスを持った動作をするため、所定電圧VLと所定電圧VHに電位差が生じており、このため平滑コンデンサCの電圧Vu、すなわち直流電源7の出力電圧は、所定電圧VLから所定電圧VHのリップルを持った直流電圧となる。なお、制御回路8にはトランジスタTr4とツェナーダイオードZD2とにより安定化されたリップルのない一定電圧が供給される。
【0007】また、スイッチ素子6は、一旦オンとなると保持電流が流れ続けている間はオフとならないので、つぎに整流手段5による全波整流回路の出力電圧がゼロボルトとなるA3時点で保持電流がなくなるまでは、第1の保温発熱体4aを介した電流が流れ続ける。このとき、そのままでは平滑コンデンサCへの充電が継続してしまうので、図4に示したように、オペアンプICの出力により、トランジスタTr2をオンとしてA2時点からA3時点までは、平滑コンデンサCへの充電を停止している。また、このとき、ダイオードD5があるため、トランジスタTr2がオンとなっても、平滑コンデンサCに充電された電荷は、トランジスタTr2方向へと流れ出さず、電圧Vuは、直流電源7自体がオペアンプICなどで消費する電流や負荷、たとえばリレー3bや制御回路8などで消費される電流のみで低下していく。このとき、上記負荷による電流消費が多いほど平滑コンデンサCを充電する機会が増加し、保温発熱体4による加熱機会が増加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の電気湯沸かし器では、容器1内の液体の温度が目標とする温度より高くて加熱が不要な場合でも、平滑コンデンサCの充電を開始するA1時点からスイッチ素子6がオフとなるA3時点までの区間に、保温発熱体4に大きな電流が流れて容器1内の液体を加熱してしまい、目標の温度まで低下する時間が長くなってしまうと言う問題があった。
【0009】本発明は上記の課題を解決するもので、容器の温度が目標とする温度よりも高い場合に、収納された液体の温度が前記目標の温度に速やかに近づくようにした電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明は、容器の温度が設定された保温温度より高いとき、保温発熱体に流れる電流の大きさを制限手段により制限してその熱量を低減し、前記収納された液体の温度が前記保温温度に速やかに近づくように制御する電気湯沸かし器である。
【0011】本発明により、液体の温度を設定保温温度に速やかに近づけるとともに、電流を制限する間は電源回路で無駄に消費する電力を低減することもできる。
【0012】請求項2に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体より抵抗値の大きい第2の保温発熱体とを備え、制限手段により前記第1の保温発熱体から前記第2の保温発熱体に切り替えて前記保温発熱体に流れる電流を制限するようにした請求項1に係わる電気湯沸かし器である。
【0013】本発明により、請求項1に係わる本発明の効果を得ることができる。
【0014】請求項3に係わる本発明は、第2の保温発熱体を、容器を保温しない抵抗器とした請求項2に係わる電気湯沸かし器である。
【0015】本発明により、保温発熱体による加熱をなくし、設定された保温温度にさらに速やかに近づけることができる。
【0016】請求項4に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体に直列接続された第2の保温発熱体とを備え、制限手段により前記第2の保温発熱体の両端を短絡した状態から開放することにより前記保温発熱体に流れる電流を制限するようにした請求項1に係わる電気湯沸かし器である。
【0017】本発明により、請求項1に係わる本発明の効果を得ることができる。
【0018】請求項5に係わる本発明は、第1の保温発熱体と第2の保温発熱体とを1つの発熱体で構成した請求項4に係わる電気湯沸かし器である。
【0019】本発明により、請求項1に係わる本発明の効果とともに、保温発熱体の構成を簡単なものとすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1に係わる本発明は、液体を収容する容器と、前記容器の温度を検知する温度検知手段と、前記容器を加熱保温する加熱発熱体と、前記容器を保温する保温発熱体と、前記保温発熱体を介して入力する商用電源の電圧を整流する整流手段と、前記保温発熱体に流れる電流を制限して熱量を低減する制限手段と、前記整流手段により整流された電圧をオンオフして出力するスイッチ素子と、前記スイッチ素子から供給される電圧を平滑コンデンサの充放電により平滑する直流電源と、前記液体の保温温度を設定する設定手段と、全体の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記温度検知手段により検知された温度が前記設定手段で設定された保温温度より高いとき、前記制限手段により前記保温発熱体に流れる電流の大きさを制限してその発熱を低減し、前記容器に収納された液体の温度が前記保温温度に速やかに近づくように制御する電気湯沸かし器である。
【0021】本発明において、温度検知手段は、容器の温度を検知する手段であるが、内部に収納された液体の温度を検知する手段としてもよいことは言うまでもない。また、制限手段は、保温発熱体に流れる電流の大きさを制限して熱量を低減する手段であり、実現手段については限定されるものではない。たとえば、保温発熱体の抵抗値を変えてもよいし、また、半導体により導通を制御する手段であってもよい。また、直流電源は、商用電源を整流手段により整流した電圧から直流電圧を得る手段であり、スイッチ素子を介して出力される整流電圧を平滑コンデンサの充放電により平滑するが、実施例では、オペアンプにより直流電圧が所定電圧VHと所定電圧VLとの間に納まるように前記平滑コンデンサを充放電させる構成としている。このとき、前記制限手段は、前記平滑コンデンサの充電に貢献しない電流による容器の加熱を排除する。なお、前記オペアンプはコンパレータであってもよく、また、保温発熱体が整流手段の後に設けられる構成であってもよい。
【0022】請求項2に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体より抵抗値の大きい第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第1の保温発熱体から前記第2の保温発熱体に切り替えて前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1に係わる電気湯沸かし器である。
【0023】本発明において、第2の保温発熱体は、第1の保温発熱体よりも抵抗値が大きく、したがって発熱量が小さい。また、制限手段は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体とを切り替える切替手段により実現され、制御回路の制御により前記第1の保温発熱体から前記第2の保温発熱体に切り替えて、保温発熱体に流れる電流を制限し、結果として保温発熱体による熱量を低減する。
【0024】請求項3に係わる本発明は、第2の保温発熱体を、容器を保温しない抵抗器とした請求項2に係わる電気湯沸かし器である。
【0025】本発明において、第2の保温発熱体を単なる抵抗器とし、容器の加熱に関与しないように配置することで実現できる。
【0026】請求項4に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体に直列接続された第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第2の保温発熱体の両端を短絡した状態から開放することにより前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1に係わる電気湯沸かし器である。
【0027】本発明において、保温発熱体を第1の保温発熱体と第2の保温発熱体との直列で構成し、制限手段は、前記第2の保温発熱体の両端を開閉するスイッチとして構成し、第2の保温発熱体を短絡から開放して保温発熱体の抵抗値を大きい値に変えることにより保温発熱体に流れる電流を制限し、結果として保温発熱体の熱量を低減する。
【0028】請求項5に係わる本発明は、第1の保温発熱体と第2の保温発熱体とを1つの発熱体で構成した請求項4に係わる電気湯沸かし器である。
【0029】本発明において、保温発熱体の中間に制限手段への接続点を設けることで実現できる。
【0030】以下、本発明の実施例について説明する。
【0031】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の電気湯沸かし器の実施例1について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1ないし請求項3に係わる。
【0032】図1は、本実施例の構成を示す回路ブロック図である。なお、従来例と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。また、図示していないが、リレー3bを駆動するコイルやトランジスタTr5などを図4に示した従来例と同様に備えている。
【0033】図1において、4aは第1の保温発熱体、4bは第1の保温発熱体4aよりも抵抗値が大きくて発熱量が小さい第2の保温発熱体、9は第1の保温発熱体4aと第2の保温発熱体4bとを切り替えて整流手段5に接続する切替手段である。また、10は複数個の保温温度の中から所望の保温温度を設定できる設定手段である。
【0034】上記構成における動作について説明する。図2は、本実施例の動作を示すタイミングチャートである。いま、制御回路8は、温度検知手段2により検知した温度が設定手段10で設定された保温温度より高いと判断したとする。このとき、制御回路8は、容器1内の液体の温度が設定された保温温度に速やかに近づくように、切替手段9により発熱量がより少ない第2の保温発熱体4bに切り替える。
【0035】平滑コンデンサCの電圧Vuは、まず、A1時点で所定電圧VLを下回ると、電圧Vuを抵抗R7と抵抗R8とで分割したオペアンプICへの負の入力(−)は、一定電圧が入力されている正の基準電圧入力(+)を下回り、オペアンプICの出力はHighとなる。オペアンプICの出力がHighとなるとトランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3へのベース電流の供給が停止し、トランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3がそれぞれオフとなる。トランジスタTr1がオフとなることにより、スイッチ素子6にゲート電流が供給され、スイッチ素子6はA1時点でオンとなり、ダイオードD5を介して平滑コンデンサCの充電が開始される。
【0036】つぎに、A2時点で電圧Vuが所定電圧VHを上回ると、電圧Vuを抵抗R7と抵抗R8とで分割して得たオペアンプICへの負の入力(−)は、一定電圧が入力されている正の基準電圧入力(+)を上回り、オペアンプICの出力はLowとなる。このとき、オペアンプICの出力に接続された抵抗R5と抵抗R6の働きで、電圧Vuを分割しているオペアンプICへの負の入力(−)は、ヒステリシスを持った動作になっている。オペアンプICの出力がLowとなるとトランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3はオンとなる。トランジスタTr2のオンにより、平滑コンデンサCへの充電が停止される。トランジスタTr1のオンによりスイッチ素子6のゲート電流が供給されないため、この状態が継続すれば全波整流回路の出力電圧がゼロボルトとなるA3時点でスイッチ素子6はオフとなる。
【0037】ここで、平滑コンデンサCを充電しているA1時点からA2時点までの区間をt1とする。この区間t1では、第1の保温発熱体4aと第2の保温発熱体4bとの違いによる容器1に与える熱量の差はあまりない。それは、保温発熱体に流れる電流値と平滑コンデンサCを充電する時間とが反比例の関係にあるので、発熱量の大きい第1の保温発熱体4aが接続されているときには流れる電流は大きく発熱量も大きいが、充電に要する時間が短くなり、逆に、発熱量の小さい第2の保温発熱体4bが接続されているときには流れる電流値は小さく発熱量も小さいが、充電に要する時間が長くなるためである。
【0038】一方、A2時点からA3時点までの区間t2は平滑コンデンサCの充電に使われない区間ではあるが、この区間t2においてもスイッチ素子6がオンとなっているため、平滑コンデンサCの充電を行うときと同じだけ発熱体に電流が流れる。この区間t2の長さは、発熱体の電流に依存せずランダムに発生するので、発熱体の違いによる容器1に与える熱量の差が出る。
【0039】本実施例では、切替手段9により第2の保温発熱体4bに切り替えることにより、区間t2で容器1に与える熱量が少なくなり、容器1内の液体の温度を設定された保温温度により速やかに近づけることができる。さらに、区間t2は平滑コンデンサCを充電せずに電力を無駄に消費する区間であり、その消費電力は電流値に比例する。したがって、発熱量の少ない第2の保温発熱体4bに切り替えることにより、流れる電流値も低くなり無駄な消費電力を抑えることもできる。また、第2の保温発熱体4bに流れる電流値が低いため、直流電源7に供給する電流値も低く、平滑コンデンサCの充電に要する時間が増え、充放電の周期は僅かながら長くなり、無駄な電力を消費する区間t2が発生する割合も減少し、電源回路の消費電力をより低減することができる。
【0040】なお、本実施例では保温発熱体を2つとしたが、3つ以上を備えた構成としても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、本実施例では、オペアンプICを用いた構成としたが、オペアンプICの代わりにコンパレータを用いた構成としても同様の効果を得られることは言うまでもない。また、第1の保温発熱体4a、第2の保温発熱体4b、および切替手段9を整流手段5の1次側に接続した構成としたが、整流手段5の2次側に接続した構成としても同様の効果を得られる。さらに、第2の保温発熱体4bを容器1への加熱を行わない抵抗器とすることにより、直流電源7が平滑コンデンサCを充電する区間t1においても容器1に熱量を与えることもなく、より速やかに容器1内の液体の温度を設定された温度に近づけることが可能となる。
【0041】(実施例2)以下、本発明の電気湯沸かし器の実施例2について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1と、請求項4ないし請求項5に係わる。
【0042】図3は、本実施例の構成を示す回路ブロック図である。なお、実施例1と同じ構成要素には同一符号を付与している。また、図示していないが、リレー3bを駆動するコイルやトランジスタTr5などを図4に示した従来例と同様に備えている。
【0043】図3において、4aは第1の保温発熱体、4bは第2の保温発熱体、9は第2の保温発熱体4bの両端の間に設けられた接続点と整流手段5との接続を切り替える切替手段である。
【0044】上記構成における動作について説明する。なお、本実施例の動作は図2に示したタイミングチャートと同じである。図2および図3において、いま、制御回路8は、温度検知手段2により検知した温度が設定手段10により設定された温度より高いと判断したとする。このとき、制御回路8は、容器1内の液体の温度が設定された温度に速やかに近づくように、切替手段9により第1の保温発熱体4aに第2の保温発熱体4bが直列接続されるように切り替えて、第1の保温発熱体4aの発熱量を抑える。
【0045】平滑コンデンサCの電圧Vuは、まず、A1時点で所定電圧VLを下回ると、電圧Vuを抵抗R7と抵抗R8とで分割したオペアンプICへの負の入力(−)は、一定電圧が入力されている正の基準電圧入力(+)を下回り、オペアンプICの出力はHighとなる。オペアンプICの出力がHighとなるとトランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3へのベース電流の供給が停止し、トランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3がそれぞれオフとなる。トランジスタTr1がオフとなることにより、スイッチ素子6にゲート電流が供給され、スイッチ素子6はA1時点でオンとなり、ダイオードD5を介して平滑コンデンサCの充電が開始される。
【0046】つぎに、A2時点で電圧Vuが所定電圧VHを上回ると、電圧Vuを抵抗R7と抵抗R8で分割して得たオペアンプICへの負の入力(−)は、一定電圧が入力されている正の基準電圧入力(+)を上回り、オペアンプICの出力はLowとなる。このとき、オペアンプICの出力に接続された抵抗R5と抵抗R6の働きで、電圧Vuを分割しているオペアンプICへの負の入力(−)は、ヒステリシスを持った動作になっている。オペアンプICの出力がLowとなるとトランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr3はそれぞれオンとなる。トランジスタTr2のオンにより、平滑コンデンサCへの充電は停止される。トランジスタTr2のオンによりスイッチ素子6のゲート電流が供給されないため、この状態が継続すれば全波整流回路の出力電圧がゼロボルトとなるA3時点でスイッチ素子6はオフとなる。
【0047】ここで、平滑コンデンサCが充電されるA1時点からA2時点までの区間をt1とする。この区間t1では、発熱量の違いによる容器1に与える熱量の差はあまりない。それは発熱体に流れる電流値と平滑コンデンサCを充電する時間が反比例の関係にあるので、発熱量が大きいときには流れる電流は大きく発、充電に要する時間が短くなり、逆に発熱量の小さいきには流れる電流値は小さく、充電に要する時間が長くなり、すなわち、発熱している時間が長くなるためである。
【0048】一方、A2時点からA3時点までの区間t2は、平滑コンデンサCの充電に使われない区間ではあるが、この区間t2においてもスイッチ素子6がオンとなっているため、平滑コンデンサCを充電するときと同じだけ発熱体に電流が流れる。この区間t2の長さは、発熱体の電流に依存せずランダムに発生するので、発熱体の発熱量の違いによる容器1に与える熱量の差が出る。
【0049】本実施例では、切替手段9により第1の保温発熱体4aの発熱量を抑えることにより、容器1に与える熱量が少なくなり、容器1内の液体の温度を設定された保温温度により速やかに近づけることができる。さらに、区間t2では平滑コンデンサCを充電せず、電力を無駄に消費する区間であり、その消費電力は電流値に比例する。第2の保温発熱体4bを直列に接続することにより、流れる電流値も低くなり無駄な消費電力を抑えることもできる。また、発熱体に流れる電流値が低いため、直流電源7に供給する電流値も低く平滑コンデンサCの充電に要する時間が増え、充放電の周期は僅かながら長くなり、無駄な電力を消費する区間t2が発生する割合も減少し、より電源回路の消費電力を低減することができる。
【0050】なお、本実施例では、オペアンプICを用いた構成としたが、オペアンプICの代わりにコンパレータを用いた構成としても同様の効果を得られることは言うまでもない。また、第1の保温発熱体4a、第2の保温発熱体4b、および切替手段9を整流手段5の1次側に接続した構成としたが、整流手段5の2次側に接続した構成としても同様の効果を得られる。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係わる本発明は、液体を収容する容器と、前記容器の温度を検知する温度検知手段と、前記容器を加熱保温する加熱発熱体と、前記容器を保温する保温発熱体と、前記保温発熱体を介して入力する商用電源の電圧を整流する整流手段と、前記保温発熱体に流れる電流を制限して熱量を低減する制限手段と、前記整流手段により整流された電圧をオンオフして出力するスイッチ素子と、前記スイッチ素子から供給される電圧を平滑コンデンサの充放電により平滑する直流電源と、前記液体の保温温度を設定する設定手段と、全体の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記温度検知手段により検知された温度が前記設定手段で設定された保温温度より高いとき、前記制限手段により前記保温発熱体に流れる電流の大きさを制限してその発熱を低減し、前記容器に収納された液体の温度が前記保温温度に速やかに近づくように制御する電気湯沸かし器とすることにより、液体の温度を設定保温温度に速やかに近づけることができるとともに、電流を制限する間は電源回路で無駄に消費する電力を低減することもできる。
【0052】請求項2に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体より抵抗値の大きい第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第1の保温発熱体から前記第2の保温発熱体に切り替えて前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1に係わる電気湯沸かし器とすることにより、請求項1に係わる本発明の効果を得ることができる。
【0053】請求項3に係わる本発明は、第2の保温発熱体を、容器を保温しない抵抗器とした請求項2に係わる電気湯沸かし器とすることにより、保温発熱体による加熱をゼロとして、設定された保温温度により速やかに近づけることができる。
【0054】請求項4に係わる本発明は、第1の保温発熱体と、前記第1の保温発熱体に直列接続された第2の保温発熱体とを備えた保温発熱体と、前記第2の保温発熱体の両端を短絡した状態から開放することにより前記保温発熱体に流れる電流を制限する制限手段とを備えた請求項1に係わる電気湯沸かし器とすることにより、請求項1に係わる本発明の効果を得ることができる。
【0055】請求項5に係わる本発明は、第1の保温発熱体と第2の保温発熱体とを1つの発熱体で構成した請求項4に係わる電気湯沸かし器とすることにより、請求項1に係わる本発明の効果を得るとともに、保温発熱体の構成を簡単なものとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年6月2日(2000.6.2)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−340221(P2001−340221A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−165495(P2000−165495)