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【発明の名称】 電気湯沸し器
【発明者】 【氏名】横野 政廣

【氏名】宇治野 芳行

【氏名】森本 泰史

【氏名】松田 昇

【氏名】中尾 善忠

【氏名】大藪 一

【氏名】浦田 隆行

【氏名】縄間 潤一

【氏名】清水 聡

【要約】 【課題】沸騰を検知する温度検知手段の誤動作を防止し、かつ沸騰状態を速やかに検知して、器体外に排出される蒸気の量を極力低減できる電気湯沸し器を提供することを目的とする。

【解決手段】蒸気通路14の内部を略迷路状にして、蒸気を蛇行させながら蒸気排出口へ導く電気湯沸し器としているので、その分蒸気が受感部18に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるようになる
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体内に配した液体を収容する上面開口の容器と、前記容器の開口部を覆う蓋体と、前記容器内の液体を加熱する熱源と、前記蓋体の外殻部に形成した蒸気排出口と前記容器の開口部とを連通する蒸気通路を備え、前記蒸気通路の途中に中間開口部を形成して、前記中間開口部近傍に前記本体に取り付けた温度検知手段の受感部を配し、前記蒸気通路の内部を略迷路状にして、前記蒸気を蛇行させながら前記蒸気排出口へ導く電気湯沸し器。
【請求項2】 本体内に配した液体を収容する上面開口の容器と、前記容器の開口部を覆う蓋体と、前記容器内の液体を加熱する熱源と、前記蓋体の外殻部に形成した蒸気排出口と前記容器の開口部とを連通する蒸気通路を備え、前記蒸気通路の途中に中間開口部を形成して、前記中間開口部近傍に前記本体に取り付けた温度検知手段の受感部を配し、前記容器の開口部から前記中間開口部に至る経路の途中に、前記中間開口部近傍での通路よりも高い天井部を有する箇所を少なくとも1箇所以上設けた電気湯沸し器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は収容液体を加熱・保温し、器体外へ導出する電気湯沸し器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、湯沸かし時に発生する蒸気により沸騰を検知する電器湯沸し器において湯沸かしの途中に発生する蒸気による誤検知を防止する工夫をしたものとしては、特開昭62−161326号公報に開示されているようなものがあり、即ち、図13〜図14のように、内容器101の開口部102と連結パイプ103を介して連通し、この連結パイプ103で分岐する、第1蒸気排出通路104と蒸気溜室105を配し、この蒸気溜室105に内方へ突出して中空突出部106を形成し、この突出部106内に沸騰検知器107を配設している。
【0003】ヒーター108に通電し、内容器101内の水を加熱し、水の温度が徐々に上昇してわずかに蒸気が発生するが、このときには開口部102から出る蒸気は量が少ないため、蒸気溜室105に溜まることなく外部へ流出されるので、沸騰検知器107は動作しない。
【0004】沸騰状態となって内容器101内から多量の蒸気が発生すると、その全てが第1蒸気排出通路104内へ流入し切れず、蒸気溜室105内へ侵入し、沸騰検知器107がその蒸気温度を検知してヒータ7への通電を遮断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような従来の構成では、沸騰する前に沸騰検知器が沸騰と判断して、ヒーターへの通電を遮断してしまう(以下「早切れ」と称する。)誤検知はある程度防止できるものの、沸騰の初期においては、蒸気溜り室には蒸気が侵入しにくいので、沸騰してからそれを検知するまでにある程度の時間を要する。
【0006】従って、沸騰を検知するまでに多量の蒸気が器体外に放出され、周囲に結露するといった課題があった。
【0007】本発明はこのような従来の課題を解決するもので、沸騰を検知する温度検知手段の早切れの誤動作を防止し、かつ沸騰状態を速やかに検知して、液体を確実に沸騰させつつ、その時に器体外に排出される蒸気の量を極力低減できる電気湯沸し器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は蒸気通路の途中に中間開口部を形成して、前記中間開口部近傍に、前記本体に取り付けた温度検知手段の受感部を配し、蒸気通路の内部を略迷路状にして、前記蒸気を蛇行させながら前記蒸気排出口へ導くようにした。
【0009】これにより、蒸気が受感部に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるものである。
【0010】また、多量の蒸気が器体外に放出され、周囲に結露するといったことを大幅に低減できるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、本体内に配した液体を収容する上面開口の容器と、前記容器の開口部を覆う蓋体と、前記容器内の液体を加熱する熱源と、前記蓋体の外殻部に形成した蒸気排出口と前記容器の開口部とを連通する蒸気通路を備え、前記蒸気通路の途中に中間開口部を形成して、前記中間開口部近傍に前記本体に取り付けた温度検知手段の受感部を配し、前記蒸気通路の内部を略迷路状にして、前記蒸気を蛇行させながら前記蒸気排出口へ導く電気湯沸し器としているので、その分蒸気が受感部に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。
【0012】本発明の請求項2記載の発明は、本体内に配した液体を収容する上面開口の容器と、前記容器の開口部を覆う蓋体と、前記容器内の液体を加熱する熱源と、前記蓋体の外殻部に形成した蒸気排出口と前記容器の開口部とを連通する蒸気通路を備え、前記蒸気通路の途中に中間開口部を形成して、前記中間開口部近傍に前記本体に取り付けた温度検知手段の受感部を配し、前記容器の開口部から前記中間開口部に至る経路の途中に、前記中間開口部近傍での通路よりも高い天井部を有する箇所を少なくとも1箇所以上設けた電気湯沸し器としているので、蒸気はの中間開口部近傍での通路よりも高い天井部全てにに満たされたのち、受感部に達するので、その分蒸気が受感部に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。
【0013】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実施例について説明する。図1は、本発明の一実施例の概略構成図であり、1は本体、2は本体1内に配された上面開口の容器、3は容器2の開口部を覆う蓋体、4は容器内の液体を加熱する熱源であるところの電気式のヒーターである。
【0014】5は容器2内の液体を器体外へ導出する手段であるところの電動式のポンプで、吸込口6より液体を吸い込み、ポンプ5の吐出口7と、器体外への導出口8とを連通する水管9を介して液体を器体外へ導出するものである。
【0015】蓋体3は、容器2の開口部に対する開閉のための回動を行う際の回転中心となるヒンジ部10、閉時に本体1の爪受け部11に係合するロック部材12、蒸気排出口13、容器2の開口部と蒸気排出口13とを連通する蒸気通路14、本体1を転倒させたときに容器2内の液体が流出するのを防止するための転倒流水防止弁15などから構成される。
【0016】蒸気通路14には、その途中に中間開口部16が形成されており、その近傍には温度検知手段17(以下「センサーユニット」と称す)の受感部18が、本体1に取り付けられて配されている。
【0017】容器2内の液体をヒーター4で加熱し、湯沸かしを行ない沸騰させると、それによって発生する蒸気が、蒸気通路14内へ流入し、蒸気排出口13へ至る途中で、中間開口部16より、センサーユニット17の受感部18へ当たり、その温度を上昇させる。この温度の上昇速度あるいは絶対温度により、沸騰を検知して、ヒーター4への通電を遮断する。
【0018】このようにして蒸気が器体外部へ排出される経路を通常経路と称し、図1および図3に実線の矢印で示す。
【0019】図2及び図3は、蓋体3、容器2の開口部、センサーユニット17周辺の構成を示したもので、蒸気通路14の途中には、天面と左右側面とからなる断面が略コの字型、あるいは略への字型、もしくは略円弧状の案内部19が形成されており、その端部は、センサーユニット17の受感部18の方へ伸びている。
【0020】その案内部19の近傍の、蒸気排出口13の下方には穴部20が形成されており、蒸気が、蒸気通路14内を通過する際に、中間開口部16に至る前に、蒸気排出口13に抜けるバイパス経路51、換言すれば蒸気の短絡経路を形成している。
【0021】これにより、湯沸かしの途中での蒸気量が少なく、その流速が遅い場合には、蒸気はバイパス経路51を経て蓋体3に形成した蒸気排出口13より器体外に排出されて、センサーユニット17の受感部18にはほとんど到達しないので、沸騰したと誤検知することはない。なお、バイパス経路51を流れる蒸気の流れを破線の矢印で示している。
【0022】また、沸騰に達して蒸気の量が多くなりその流速が速くなると、蒸気は案内部19によってセンサーユニット17の受感部18へ導かれて、受感部18の温度を急激に上昇せしめて、速やかに沸騰を検知し、ヒーター4への通電を遮断する。なお、蒸気の流れを実線の矢印で示している。
【0023】蒸気の迂回経路は、穴でなく、切欠き形状でもよく、その蒸気通路全体における蒸気の流れのバランスによって適切なものを選択すればよい。案内部19の断面形状が図4に示すように略コの字形状の場合は、案内された蒸気が、左右の側壁21、22によって整流され、途中で案内部19を外れることが少なく、受感部18へ導かれるのである。
【0024】案内部19の断面形状が図5及び図6に示すように略ヘの字型、もしくは略円弧状の場合は、案内部の壁面に平面がほとんどないので、蒸気によって壁面に結露しても流れ落ちるので、蒸気通路14内へ溜まる結露水の量を減らすことができる。
【0025】また、図2〜図3において、23は容器2内で発生した蒸気通路の入口24に流入した後、これを一度、蒸気排出口13に対して略反対方向に案内するための迂回用リブで、蒸気通路14の内壁と迂回用リブ23とで略迷路状態になっている。
【0026】これによって、蒸気を意図的に蛇行させながら蒸気排出口13へ導くため、その分蒸気が受感部18に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの早切れの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。
【0027】また、25は容器2の開口部から蒸気通路14の中間開口部16に至る経路の途中にある、中間開口部16近傍での通路よりも高い天井部であり、蒸気はこの部分にに満たされたのち、受感部18に達するので、その分、蒸気が受感部18に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの早切れの誤動作の防止と、沸騰検知までの、蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。また、26は本体1に形成された凸部で、受感部18の根元を囲んでいる。
【0028】この凸部26によって受感部18の周囲に溜まる水滴を少なくすることができるので、溜まった水滴によって、蒸気による受感部18の温度上昇が妨害されて、沸騰検知が遅くなる(遅切れ)のを防止できるのである。
【0029】なお、図1〜図3において通常経路(実線矢印)とバイパス経路(破線矢印)とは器体外へ排出される排出口が一つになっているが、器体への排出口を別々に設けても構わない。
【0030】また、センサーユニット17の主な構成部品は、受感部18の外殻としての金属カバー27と、金属カバー27の内面形状と略相似形状の突起部28を有する取り付け部材29、温度検知素子30からなり立っており、取り付け部材29には溝部31が形成してあり、溝部31に温度検知素子30が配され、金属カバー27に略密着状態となっている。金属カバー27と、取り付け部材29との隙間には、非硬化材質からなる充填剤32が充填してある。
【0031】この、温度検知素子30を、金属カバー27に略密着状態にすることと、溝部31に温度検知素子30を配することにより、その位置を安定させることができ、かつ、温度検知素子30の周囲の空間を充填剤で満たすことにより、その部分の空気を排除でき、蒸気によって金属カバー27が受けた熱を速やかに温度検知素子30に伝えることができる。
【0032】しかも、充填剤32を非硬化材質とすることにより、センサーユニット17を本体1に取り付けたときなどに外部応力が加わって、金属カバー27と、取り付け部材29の相対位置が初期のそれより変化した場合、即ちその隙間が変化しても、充填剤32が変化する隙間に追従して移動し、その隙間への、空気の侵入を防止でき、熱の伝達性能を維持できる。
【0033】図7は、取り付け部材33を、弾性に富む材質で形成したもので、本体1と金属カバー27との隙間を覆うシール部34が形成されている。これによって、上記隙間から本体1内部への水の浸入を防止するためのシール部材が不要となる。
【0034】図8は、温度検知素子30の両端から伸びるリード線35、36の両方を、少なくとも金属カバー27の露呈の範囲において、蒸気の流れに相対する側に配したもので、リード線35、36から温度検知素子30に伝わる熱をより多くすることができ、速やかな沸騰検知を行うことができるのである。
【0035】(参考例1)次に、本発明の第1の参考例について説明する。図9において、37は蒸気通路38中の、容器2の開口部39から、センサーユニット17の受感部18近傍に形成された中間開口部40に至る経路の途中に、蒸気通路38と一体に形成されたした熱交換部で、通路内壁には、蒸気の熱を奪うための吸熱部41が、通路外壁にはその熱を放出するための放熱部42が形成されている。
【0036】この熱交換部37により蒸気の熱を奪って結露させることで、その分、沸騰を検知するまでに器体外に放出される蒸気の量を低減することができる。
【0037】また、熱交換部37を、容器2の開口部から、中間開口部40に至る経路の途中に配することにより、湯沸かしの途中での蒸気量が少ない場合には、受感部18に至るまでにその大部分が結露し、受感部18の温度をほとんど上昇させないので誤検知しない。
【0038】さらには、熱交換部37を蒸気通路38を形成する部材と一体とすることにより、目的とする性能を発揮しつつ、構成部品を削減できるのである。
【0039】(参考例2)次に、本発明の第2の参考例について説明する。図10において、43は、蒸気通路44中の、センサーユニット17の受感部18近傍に形成された中間開口部45から、蒸気排出口13に至る経路の途中に配された熱交換部で、蒸気通路44を形成する部材と別体で、かつ熱伝導の良好な材質で形成したものである。
【0040】この位置に熱交換部43を配することにより、沸騰時において受感部18に検知に十分な蒸気を送りつつ、そこから蒸気排出口13に至るまでに蒸気を結露させて、器体外に排出される蒸気の量を低減できるものである。
【0041】また、熱交換部43を、かつ熱伝導の良好な材質で形成することにより、熱交換部43をより小型化でき、その結果、蒸気通路44を含む蓋体3を小型化することができる。
【0042】(参考例3)次に、本発明の第3の参考例について説明する。図11及び図12において、センサーユニット17は、蒸気通路46の中間開口部47近傍で、かつ、蓋体3の、容器2の開口部に対する開閉時の、回動軸48の中心49から左右方向にずれた位置に配されている。
【0043】これにより、蓋体3開閉時に、蓋体3の容器2の開口部に対峙した面50に付着する水滴が落下して、受感部18に付着する可能性を大幅に減らして、誤動作を招くのを防止できる。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、蒸気が受感部に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。
【0045】請求項2記載の発明によれば、蒸気は中間開口部近傍での通路よりも高い天井部全てに満たされたのち、受感部に達するので、その分蒸気が受感部に至るのを遅らせることができ、蒸気が少ないときの誤動作の防止と、沸騰検知までの蒸気の器体外への放出量を低減できるのである。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成8年6月6日(1996.6.6)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−299589(P2001−299589A)
【公開日】 平成13年10月30日(2001.10.30)
【出願番号】 特願2001−95773(P2001−95773)