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【発明の名称】 グリル焼網昇降装置
【発明者】 【氏名】小島 久雄

【氏名】梅原 親洋

【氏名】近澤 英雄

【要約】 【課題】被調理物の厚さによらず、被調理物の出し入れや返しを円滑に行うことができ、かつ、グリル受け皿に溜まった焼き脂を発火させることなく、短時間で被調理物を調理することが可能なグリル焼き網昇降装置を提供すること。

【解決手段】受皿26の出し入れに伴なって、焼網支持枠6bの回動作用枠6mに取り付けられたガイドローラ7がガイド部材8に形成されるテーパ状の当接部8bを滑らかに転動して案内されることで、焼網支持枠6bを回動させて焼網28をスムーズに昇降動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グリル庫内に被調理物を載置するための焼網と、該被調理物からの焼き脂を受ける受皿とが進退動自在に設けられ、該グリル庫内の後側壁面には手前側が高く奥側に向かうにつれて漸次低くなるテーパ状の当接部が形成されたガイド部材が設けられると共に、前記焼網には、該焼網と前記受皿との間に、支点を中心に回動して該焼網を昇降させる昇降部材が連繋して設けられ、該昇降部材の回動作用部には、前記受皿の押し込み途中で前記ガイド部材の当接部に当接し、押し込み力で該当接部に沿って転動するローラを備えていることを特徴とするグリル焼網昇降装置。
【請求項2】 前記受皿の押し込み終端位置では、該受皿引出し時に前記昇降部材が手前側に回動するように前記焼網を保持することを特徴とする請求項1に記載のグリル焼網昇降装置。
【請求項3】 前記グリル庫内での前記受皿の進退動のストークに対する前記焼網を昇降させるのに要するストロークが1/5以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグリル焼網昇降装置。
【請求項4】 前記受皿引き出し時の手前引出し側に、前記焼網上の前記被調理物よりしたたり落ちる焼き脂類等(煮汁)を受止する焼き脂落下防止部材が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のグリル焼網昇降装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚類などの被調理物を加熱調理する調理用グリルに関し、さらに詳しくは、その調理用グリルのグリル庫内に出し入れ自在に備えられる焼網の高さを、グリル庫より引き出した時には低く、グリル庫内に挿入した時には高くなるように昇降動させることのできる焼網の昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、魚等の被調理物を加熱調理できるグリルを備えたテーブルコンロが知られている。図5は、このようなグリルを備えたテーブルコンロの外観斜視図である。この図5において、テーブルコンロ10は、トッププレート12面にバーナ14a、14bが備えられ、各バーナ14a、14bに設けられる五徳16a、16bの上に調理鍋を載せ、テーブルコンロ10の前面に設けられたバーナ点火用ボタン18a、18bの操作により、それぞれのバーナ14a、14bが点火され、五徳16a、16b上の調理鍋が加熱される。
【0003】そして、このテーブルコンロ10に備えられるグリル20は、グリル庫22の前面開口部にグリル扉24が開閉自在に設けられ、また、グリル庫22内には、被調理物が載置される焼網28が、その被調理物よりしたたり落ちる焼き脂類等を受ける受皿26の上に支持された状態で進退動可能に配置されている。そして、テーブルコンロ10の前面に設けられるグリルバーナ点火用ボタン30の操作により、グリル庫22内の被調理物が加熱調理され、その時、テーブルコンロ10のトッププレート12の後端に設けられる排気口32よりグリル庫22内で発生する煙及び燃焼排ガス等が排出される。
【0004】そして、前記グリル扉24の左右両側縁には、図6に示すように、金属製の耳片24aが設けられ、この耳片24aに形成される係留孔24bにリンクバー34の一端が遊挿され、該リンクバー34の他端が、グリル庫22の奥側壁面に設けられた長溝孔36に挿入されている連結バー38に連結されている。
【0005】また、グリル庫22の手前側の両壁面に設けられる掛止ピン40に、引張バネ42の一端を係止し、該引張バネ42の他端を前記連結バー38に止着することにより、グリル取手26aを持って、前記受皿26を手前に引き出すときには、引張バネ42により連結バー38が長溝孔36の手前側縁部まで引き寄せられ、連結バー38に連結されたリンクバー34が手前側に押し出されるので、グリル扉24は、受皿26の進退動に連動して開かれるようになっている。
【0006】一方、受皿26をグリル庫22内に押し込む時には、受皿26が連結バー38に接触するまでは、グリル扉24が開いた状態にあるが、受皿26が連結バー36に接触した後は、受皿26を押し込むにつれて、連結バー38が引張バネ42の付勢力に抗して長溝孔36の奥側の縁部に向けて押し込まれ、リンクバー34が奥側に押し戻されるので、グリル扉24は、受皿26の進退動に連動して閉じられるようになっている。
【0007】ところで、このような従来一般に知られるグリル20において、焼網28の位置がグリル庫22の内底面から相対的に高い位置にある場合には、高温雰囲気に被調理物が置かれることになり、短時間で被調理物が加熱されるという利点がある。また、高い位置に置かれた被調理物に向けて、バーナ41をやや上向きに設けた場合には、受皿26はバーナ41の輻射熱を直接受けないので、受皿26に溜まった焼き脂が発火しにくくなり、調理に先立って受皿26に水を張ったり、調理後に排水したりする手間が省けるので使い勝手が良いという利点がある。
【0008】これに対し、焼網28の位置がグリル庫22の内底面に近い低い位置にある場合には、被調理物を載せた受皿26をグリル庫22内から出し入れする際や、焼網28上の被調理物を裏返す際に、グリル庫22の開口部上端やグリル扉24に被調理物や手が接触しにくくなり、被調理物を扱い易いという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼網28の位置がグリル庫22の内底面から高い位置にあると、被調理物の厚さが厚い場合には、被調理物の出し入れや返しの操作がやりにくいという問題があり、逆に、焼網28の位置がグリル庫22の内底面に近い低い位置にあると、高温雰囲気から遠い位置に被調理物が置かれることになるので、調理に時間がかかるという問題があった。しかし、これを回避するためにバーナ41を下向きに配置すると、受皿26に溜まった焼き脂が発火しやすくなるために、受皿26に予め水を張る必要が生じ、取り扱いが煩雑となるという問題があった。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、被調理物の厚さによらず、被調理物の出し入れや返しを円滑に行うことができ、しかも、受皿26に溜まった焼き脂の発火を生じさせることなく、短時間で被調理物を調理することが可能な器具の焼網昇降装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係るグリル焼網昇降装置は、グリル庫内に被調理物を載置するための焼網と、該被調理物からの焼き脂を受ける受皿とがが進退動自在に設けられ、該グリル庫内の後側壁面には手前側が高く奥側に向かうにつれて漸次低くなるテーパ状の当接部が形成されたガイド部材が設けられると共に、前記焼網には、該焼網と前記受皿との間に、支点を中心に回動して該焼網を昇降させる昇降部材が連繋して設けられ、該昇降部材の回動作用部には、前記受皿の押し込み途中で前記ガイド部材の当接部に当接し、押し込み力で該当接部に沿って転動するローラを備えていることを要旨とするものである。
【0012】上記構成を有する本発明に係る請求項1に記載のグリル焼網昇降装置によれば、グリル庫内で被調理物を焼網上で加熱調理した後、この焼網を手前側に引き出すときに、支点を中心に回動して焼網を支持して昇降させる昇降部材の回動作用部に設けられたローラが、グリル庫の後側壁面に設けられるガイド部材のテーパ状の当接部に沿って転動しながら上方に案内されることで、該昇降部材を手前側に回動させて焼網を下降させ、焼網上の被調理物は、低い位置でグリル庫より引き出される。
【0013】逆に、焼網に被調理物を載せてグリル庫内に押し込んだ時には、前記ローラが前記当接部に当接し、押し込み力で当接部に沿って転動しながら下方に案内されることで、昇降部材を回動させて焼網を上昇させ、被調理物は高い位置でグリル庫内に収められる。従って、被調理物の厚みが厚くてもグリル庫内へ出し入れがスムーズに行うことができる。
【0014】また、請求項2に記載のグリル焼網昇降装置によれば、前記受皿の押し込み終端位置では、受皿引出し時に前記昇降部材が手前側に回動するように、焼網を保持する。このようにすれば、受皿を引き出すと同時に、焼網等の自重により昇降部材は自動的に手前側に回動して焼網を下降させることができる。つまり、受皿引出し時に昇降部材を手前側に回動させる為の手段を別途設ける必要もなくなり、スムーズに引き出すことができる。
【0015】さらに、請求項3に記載のグリル焼網昇降装置によると、焼網を昇降させるのに要するストロークが、受皿の進退動の全ストークに対して1/5以内であるとしているが、これは、受皿の出し入れに連動してグリル扉を開閉する機構を備えた従来の焼網昇降手段では、出し入れのタイミングによっては、昇降する焼網上の被調理物が連動して開閉するグリル扉に接触することがあった。本発明では、ローラを設けることで、そのローラがガイド部材に形成されるテーパ状の当接部を滑らかに転動して案内される。つまり、転動により摩擦の抵抗が少ないのでスムーズに押し込むことができ、かつ、当接部のテーパの傾斜角度を大きくとれて、従来よりも短いストロークで焼網を昇降することが可能になり、扉のほぼ閉め切り位置から焼網を昇降させることができる。これにより、被調理物が、連動するグリル扉に接触することなく出し入れすることができる。
【0016】そして、請求項4に記載のグリル焼網昇降装置によれば、受皿引き出し時の手前引出し側に、焼網上の被調理物よりしたたり落ちる焼き脂類等(煮汁)を受止する焼き脂落下防止部材が設けられるので、受皿より手前側にはみ出た焼網の下部覆う焼き脂落下防止部材によって、被調理物からの焼き脂や煮汁等が取手の上や床面に落ちてしまうということを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施例に係るグリル焼網昇降装置の概略構成を示す側面断面図、図2はその焼網昇降装置の動作を示す側面断面図、図3は本実施例に係るグリル焼網昇降装置の分解斜視図を示し、図4は図3の支持板近傍を拡大した分解斜視図を示したものである。
【0018】この図1に示されるグリルは、グリル庫22内に上下左右に燃焼ガスを燃焼させて被調理物を加熱する表面燃焼式のバーナ41と、中間位置に被調理物を載せる焼網28とが設けられ、焼網28を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿26が載置されている。この受皿26は、被調理物から落下する焼き脂を受けるための浅い皿である。
【0019】また、グリル庫22の正面には、受皿26を手前に引き出すグリル取手26aと、受皿26を引き出す時に連動して開閉するグリル扉24とが設けられる。このグリル扉24は、グリル庫22前部の入口部に回動自在に軸支され、かつ着脱可能に取り付けられ、受皿26の出し入れと連動するリンクバー34が可動自在に連結され、受皿26をグリル庫22から出し入れする際に、連動して開閉されるようになっている。前述のとおり、金属製の耳片24aが設けられ、この耳片24aに形成される係留孔24bにリンクバー34の一端が遊挿され、該リンクバー34の他端が、グリル庫22の奥側壁面に設けられた長溝孔36に挿入されている連結バー38に連結されている。また、グリル庫22の手前側の両壁面に設けられる掛止ピン40に、引張バネ42の一端を係止し、該引張バネ42の他端を前記連結バー38に止着している。
【0020】バーナ41は、グリル庫22の上部左右側面に設けられ、このバーナ41からの燃焼排ガスをグリル庫22内にこもらせて被調理物を加熱する。バーナ41は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有する全1次空気式のバーナ41で、燃焼面は、その法線方向が水平よりやや上向きとなるように配設されている。
【0021】グリル庫22内底面に設けられる受皿26には、受皿26の出し入れに伴なって焼網28の載置面を移動させる昇降部材6が設けられると共に、グリル庫22後側壁面には、ガイド部材8が設けられる。この昇降部材は、受皿26上の前後位置でそれぞれ回動する一対の焼網支持枠6a、6bを備え、これらの焼網支持枠6a、6b上に焼網28が着脱時自在に載置される。
【0022】この昇降部材6について図3及び図4を用いてさらに詳しく説明すれば、昇降部材6は、方形枠状の屈曲形成されたベース枠6cが、受皿26のフランジ面に位置決めされて配置される。このベース枠6c上の前後端左右4ヶ所にL字状の支持板6eが溶接され、所定の間隔で固定される。その支持板6eには焼網支持枠6a、6bを回動自在に支持する立設面6dが左右向かい合うように形成されている。立設面6dには、焼網支持枠6a、6bの回動の中心となる支点切欠孔6fと、切欠孔6iとが形成される。後側支持板6eには、焼網支持枠6a、6bの回動を所定角度に規制するストッパー部6g、6hが設けられる。このように左右に向かい合う立設面6dを一対として、受皿26のフランジ面上の前後に、一対づつの立設面6dが形成される。また、手前側の支持板6e、6eには、受皿26引出し時に受皿26より手前側にはみ出た焼網28の下部を覆うように焼き脂落下防止部材30が支持板6e、6eと一体的に設けられている。これは、取手26a上や床面に、焼網28上に載置された被調理物からの焼き脂や煮汁等の落下を防止するための板状の部材で、受止された焼き脂類等が受皿26に案内されるよう奥行き方向に下向き傾斜状に形成されている。この場合、この焼き脂落下防止部材30は、受皿26または取手26a等に設けても良い。
【0023】左右に向かい合う手前側の立設面6d間には、方形枠状の屈曲形成された焼網支持枠6aが回動自在に保持され、後側の立設面6d間には焼網支持枠6bが同様に保持される。手前側の焼網支持枠6aは、上方に凸状に屈曲されて焼網28を受止する段部6j、6jが左右に形成し、曲げ加工により立設面6d、6dの内側から支点切欠孔6f、6fを挿通され、立設面6d、6dの外側でコの字状に曲げられ、焼網支持枠6aの下部である回動作用枠6kが切欠孔6i、6iに挿通されている。また後側の焼網支持枠6bも同様に、上方に凸状に屈曲されて焼網28を受止する段部6j、6jが左右に形成し、曲げ加工により立設面6d、6dの内側から支点切欠孔6f、6fを挿通され、立設面6d、6dの外側でコの字状に曲げられ、焼網支持枠6bの下部である回動作用枠6mが切欠孔6i、6iに挿通されている。
【0024】さらに、この回動作用枠6mには後述するガイド部材8の当接部8aに沿って転動可能な筒状のガイドローラ7が取り付けられている。また、回動作用枠6mには、左右の立設面6dの内側の水平部分に連動アーム6nの端部がカーリングされ、他方の端部も同様に、手前側焼網支持枠6aの回動作用枠6kにカーリングされて連結される。この連動アーム6nにより、焼網支持枠6a、6bは同じ方向及び同じ角度で回動するように連動される。また、回動作用枠6k、6mのガイドローラ7の取付部及び連動アーム6nのカーリング部には、軸方向に移動しないように、図示しない止め輪等のすべり止め手段が設けられて、ガイドローラ7及び連動アーム6nは位置決めされる。
【0025】焼網支持枠6a、6b上に載置される焼網28は、金属棒を方形枠状に屈曲形成した矩形枠28aに、多本数の同じく金属棒を等間隔に配置し溶接止めしたものであり、この焼網28の四隅には、焼網支持枠6a、6bの段部6jに摺動自在に当接する受部28bが下向きに屈曲形成され、受部28bが焼網支持枠6a、6bの段部6gに載置されて、焼網28は前後左右に位置決めされる。このようにして焼網28は、連動する焼網支持枠6a、6bの回動により段部6jから脱落することなく、水平状態を保ったまま支持される。
【0026】そして、グリル庫後側壁面には、受皿26の押し込み時に、後側の焼網支持枠6bの回動作用枠6mに取り付けられたガイドローラ7に当接するガイド部材8が設けられる。このガイド部材8には、溶接により後壁面に固定される固定部8aと、受皿26の押し込み時に後側の焼網支持枠6bの回動作用枠6mに取り付けられたガイドローラ7に当接して押し込むにつれてガイドローラ7を転動させながら焼網支持枠6bを回動させて焼網28を上方へ移動させるテーパ状の当接部8bと、押し込み終端付近で焼網支持枠6bの回動を止めて水平方向に案内する水平案内部8cとが形成される。
【0027】次に、このようなグリルにおける受皿26の引き出し、押し込み時の動作について、図1及び図2を用いて説明する。図1(A)及び図2(A)は引き出す前の受皿26の押し込み終端位置での昇降部材6の状態である。図示されるように焼網支持枠6bは回動支点からの鉛直方向に対してやや手前に傾斜しており、このとき回動支持枠6mは立設面6dのストッパー部6hとガイド部材8の水平案内部8cとの間にあり、ガイドローラ7はその水平案内部8cに当接している。
【0028】ここで、グリル取手26aをつかんで受皿26をグリル庫22より引き出すと、受皿26がグリル庫22内底面をスライドして、載置された焼網28が同時に引き出される。後側の焼網支持枠6bは、前述のとおり回動支点からの鉛直方向に対してやや手前に傾斜しているので、自重により引き出すにつれて手前側に回動し始める。つまり、回動作用枠6mに取り付けられたガイドローラ7がガイド部材8の水平案内部8cからテーパ状の当接部8bに当接しながら転動して手前側上方に案内されることで、焼網支持枠6bは滑らかに反時計方向に回動する。従って、連動アーム6nにより焼網支持枠6a、6bは連動するので、焼網28の載置面は、水平に保たれたまま低くなりながら手前に移動する。一方グリル扉24は、受皿26を引き出すと同時に、連結バー38に働く引張バネ42の付勢力により、受皿26に当接する連結バー38が長溝孔36に沿って引き戻され、連結バー38に連結されたリンクバー34が手前側に押し出されるので、掛止ピン24cを支点として開き始める(図2(A)→(B))。
【0029】そしてさらに受皿26を引き出すと、ガイドローラ7がガイド部材8のテーパ状の当接部8bに当接しながら転動して手前側上方にさらに移動して、焼網支持枠6bは、回動支点を中心にしてストッパー部6gに規制される角度になるまで回動する。これにより、焼網28の載置面は、同様に連動アーム6nにより焼網支持枠6a、6bは連動するので、水平に保たれながら手前側に移動して低くなり、焼網28の降下の動作は終了する。このとき、グリル扉24は、同様に引張バネ42の付勢力により、リンクバー34が手前側に押し出されるので、掛止ピン24cを支点として、さらに開く(図2(B)→(C))。
【0030】その後、さらに受皿26を引き出すと、ガイドローラ7はガイド部材8のテーパ状の当接部8bから離れ、焼網28は低くなったまま引き出され、一方のグリル扉24は、連結バー38が長溝孔36の手前側終端位置まで引き戻されるまで開いて全開となり、その開動作を終了する(図2(C)→(D))。そして、さらに引き出すことによって、受皿26は当接していた連結バー38から離れ、図1(B)に示すように、焼網28は低い位置の状態で受皿26と一体的にグリル庫22から引き出される。
【0031】次に、押し込み時の動作について説明する。受皿26を引き出した状態からグリル取手26aを押し込むと、受皿26の後部がグリル庫22の後方寄り位置で、図2(D)に示すように連結バー38に当接する。さらにこのまま、引張バネ42の付勢力に抗しながらグリル庫22の奥方向に受皿26を押し込むと、受皿と共に連結バー38が後退して、グリル扉24は掛止ピン24cを支点として閉じ始める(図2(D)→(C))。
【0032】さらに受皿26を押し込むと、その押し込み力によって、回動作用枠6mに取り付けられたガイドローラ7がガイド部材8のテーパ状の当接部8bに当接しながら転動して奥側下方に移動するので、焼網支持枠6bは滑らかに時計方向に回動し始める。連動アーム6nにより焼網支持枠6a、6bは連動するため、焼網28の載置面は、水平に保たれまま高くなりながら奥側に移動する(図2(C)→(B))。
【0033】そして、受皿26が押し込み終端位置まで押し込まれると、ガイドローラ7はガイド部材8のテーパ状の当接部8bから水平案内部8cに転動しながら案内されて、連動する焼網支持枠6bを時計方向に回動させる動作を終了する。一方グリル扉24は、連結バー38が長溝孔36の奥側終端位置まで押し込まれることで全閉となり、その閉動作を終了する(図2(B)→(A))。このようにして、焼網28は高い位置の状態で受皿26と一体的にグリル庫22に収納され、保持される。
【0034】以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、バーナ41は、被調理物を裏返す必要のない両面焼き用のバーナであっても良く、他の燃焼方式のバーナであっても良いし、熱気をグリル庫22内にこもらせて加熱調理するのではなく、バーナの輻射熱によって、直接、被調理物を加熱調理するグリルであっても良い。また、受皿の出し入れに連動してグリル扉を開閉する機構を備えないで、グリル扉と取手が一体化されたタイプのものにも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の好適な一実施形態にかかるグリル焼網昇降装置によれば、焼網上に被調理物を載せてグリル庫内に受皿を収納すると、引出し時には低い位置にあった焼網は、被調理物全体がグリル庫の上部側に形成される高温雰囲気内に入るのに充分な高さまで押し上げられるので、厚みのある調理物でも効率よく加熱調理できる。しかも、高い位置に置かれた被調理物に向けて、バーナをやや上向きに設けた場合には、バーナの輻射熱により直接受皿が加熱されないので、受皿に溜まった被調理物からの焼き脂等が発火することがなくなるため、調理に先立って受皿26に水を張ったり、調理後に排水したりする手間が省けるので使い勝手が良くなる。
【0036】また、ガイドローラがガイド部材に形成されるテーパ状の当接部を滑らかに転動して案内されることで、スムーズに押し込み及び引き出しを行うことができ、かつ、転動による摩擦が少ないので当接部のテーパの傾斜角度を大きくとれて、グリル扉を開閉するのに要するストロークに比べて、短いストロークで焼網を昇降動させることが可能になる。これにより、グリル扉のほぼ閉め切り位置から焼網を昇降動させることが可能となり、被調理物が連動するグリル扉に接触することなく出し入れすることができる。
【0037】そして、受皿を引き出し時は、焼網等の自重により焼網支持枠を自動的に手前側に回動させるようにしているので、焼網支持枠を手前側に回動させる為の手段を別途設ける必要もなく、簡易な構造で実施可能となっている。さらには、焼き脂落下防止部材30により、焼き脂や煮汁等が取手の上や床面に落ちてしまうということも防ぐことができる。従って、以上のことから、グリルの使用感を格段に向上させることが可能となり、その産業上奏する効果は大きい。
【出願人】 【識別番号】000112015
【氏名又は名称】パロマ工業株式会社
【出願日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【代理人】 【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
【公開番号】 特開2001−258755(P2001−258755A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−77533(P2000−77533)