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【発明の名称】 容器の蓋体構造
【発明者】 【氏名】井上 博喜

【要約】 【課題】電気湯沸かし器等の容器の蓋体8において、蓋体8を閉じた時には自動的に、蓋体8を開閉するための開閉操作体(ラッチボタン21)にロックがかかり、不用意に蓋体8が開くことのない蓋体構造を有する容器を提供することを目的とする。

【解決手段】蓋体8を開くときに操作するラッチボタン21の動きを規制するラッチボタン規制部材30を設け、このラッチボタン規制部材30の操作部30aをラッチボタン規制バネ31により常に蓋体8表面外方に付勢された状態で蓋体8表面に臨ませ、前記操作部30aをラッチボタン規制バネ31の付勢力に抗して押し下げたときにのみ、ラッチボタン21による規制が解除され、蓋体8を開くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を前記枠体に回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあって前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して該蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開くときに操作して、前記ラッチと前記係合部との係合を解除するラッチボタンを備えるとともに、前記ラッチボタンの動きを規制するラッチボタン規制部材を設け、このラッチボタン規制部材の操作部をラッチボタン規制バネにより常に蓋体表面外方に付勢された状態で蓋体表面に臨ませ、前記操作部をラッチボタン規制バネの付勢力に抗して移動させたときにのみ、ラッチボタン規制部材によるラッチボタンの動きの規制が解除され、蓋体を開くことができることを特徴とする容器の蓋体構造。
【請求項2】 水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を前記枠体に回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあって前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して該蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体に設け、蓋体を開けるときに操作して、前記ラッチと前記係合部との係合を解除するラッチボタンと、ラッチボタンの操作端側に指を挿入するための指挿入口とを備え、この指挿入口をカバーするカバー部材を上下動可能にカバーバネを介して配設し、このカバー部材を上記ラッチボタンの操作端に対向するように上記カバーバネにより付勢しておく一方、蓋体を閉じている状態では前記カバー部材を押し下げることができず、且つ蓋体を開く際には前記ラッチボタンを所定角度以上回転させることにより、前記カバー部材を押し下げることができるようにして上記指挿入口を開口させてラッチボタンを操作できるようにしたことを特徴とする容器の蓋体構造。
【請求項3】 上記ラッチボタン及びカバー部材は、それぞれ一端を回動可能に且つ回動軸線が平行なるように蓋体に軸支し、それぞれの軸線の反対側縁部が対向するように構成し、ラッチボタンは上方に弧回動し、カバー部材は下方に弧回動することを特徴とする請求項2に記載の容器の蓋体構造。
【請求項4】 水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を枠体に対し回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあり前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して前記蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開ける際に操作して前記ラッチの係合を解除する開閉操作手段とを備えるとともに、前記開閉操作手段の動きをロック又はロック解除するロック手段と、このロック手段を常時ロック位置に付勢するロックスプリングと、前記ロック手段をロック解除位置に保持する保持手段とを設け、前記ロック手段がロック位置にある時は前記開閉操作手段の操作を妨げ、ロック手段がロック解除位置にある時は開閉操作手段の操作が可能となる構成とし、ロック手段がロック解除位置にある時、開閉操作手段の操作により蓋体を開くとともに前記保持手段によるロック手段の保持状態を解除し、前記ロックスプリングの付勢力によりロック手段をロック位置に戻す構成としたことを特徴とする容器の蓋体構造。
【請求項5】 前記保持手段による保持状態の解除が、直接ラッチの移動により行われることを特徴とする請求項4に記載の容器の蓋体構造。
【請求項6】 上記開閉操作手段は、蓋体の上面に回動可能に取り付けたレバー方式のラッチボタンと、このラッチボタンの円弧の動きに応動して直線運動を行うラッチボタン規制部材とからなり、前記ロック手段がロック位置にあるときはラッチボタン規制部材の動きを干渉し、前記ロック手段がロック解除位置にあるときはラッチボタン規制部材の動きを干渉しないことを特徴とする請求項4に記載の容器の蓋体構造。
【請求項7】 上記ラッチボタンは、蓋体の上部に設けた凹所に一方を回動自在に取り付けたレバー方式であり、この凹所に上記ロック手段を取り付けたことを特徴とする請求項6に記載の容器の蓋体構造。
【請求項8】 上記ロック手段は、上昇位置が開閉操作手段のロック位置で、下降位置がロック解除位置になるよう昇降可能に構成したことを特徴とする請求項7に記載の容器の蓋体構造。
【請求項9】 水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を枠体に対し回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあり前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して前記蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開ける際に操作して前記ラッチの係合を解除する開閉操作手段とを備え、前記開閉操作手段は、蓋体の上部に回動自在に設けたラッチボタンと、このラッチボタンを貫通して上下動自在に、且つラッチボタンと一体的に回動するラッチ開閉片と、このラッチ開閉片を常時上方に付勢する開閉片スプリングとからなり、前記ラッチ開閉片は、前記開閉片スプリングの付勢力に抗して押し下げた時に、前記ラッチと係合する構成とし、蓋体を開く場合に、前記ラッチ開閉片を押し下げながらラッチボタンを操作することにより、ラッチ開閉片がラッチと係合しながら回動し、前記ラッチと前記枠体の係合部との係合を解除することを特徴とする容器の蓋体構造。
【請求項10】 前記上下動自在のラッチ開閉片が、上方に位置する時は、前記開閉操作手段の回動を妨げる干渉部を形設したことを特徴とする請求項9に記載の容器の蓋体構造。
【請求項11】 前記ラッチ開閉片を押し下げた位置に保持する開閉片保持手段を設けるとともに、開閉操作手段の回動動作により前記開閉片保持手段による保持状態を解除することを特徴とする請求項10に記載の容器の蓋体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電気湯沸し器や保温ポット、また、保温式炊飯器や調理鍋等の容器の蓋体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術について、図20に基づき、保温式電気湯沸し器の例で説明する。従来、この種の保温式電気湯沸し器の蓋体100は、上端が開口した内容器101を内挿した本体上枠102の後部ヒンジ103に回動可能に取り付けられており、この取付位置と反対側の端部には、内容器101への閉塞状態を保持するためのラッチ104等からなる蓋体100のロック機構105が設けられている。このロック機構105としては、蓋体100上部に回動可能に取り付けたラッチボタン106を引き上げることにより、蓋体100と本体上枠102との係合部107の係合を解除するようにしたレバー方式が、操作性、蓋体開閉の確実性、構造のシンプル性等の観点から蓋体構造として主流となっている。
【0003】このような構成の蓋体構造は通常の使用では問題はないが、幼児などがラッチボタン106を触って遊んでいる時に、不用意にラッチボタン106を操作してしまい、その結果蓋体100が開いたり、しかも蓋体100が開いたまま器体が倒れて内容器101内の湯が流出する可能性があった。
【0004】この対策として、例えば特開平10−155658号では、本体上枠102に設けた出湯ロックレバー108をロック側に操作することにより、本体上枠102から蓋体100内に延出した蓋体ロックアーム109が、ラッチボタン106の動きを規制し、蓋体100を閉塞状態にロックする構造のものが開示されている。また、特開平11−197021号では上記レバー方式の蓋体においてラッチボタン106の指挿入凹所110にカバーを設ける構造のものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−155658号のものは、出湯ロックレバーをロック側に操作し忘れた場合、蓋体が開いてしまうことに対する安全装置の役目を果たさない。また、蓋体と本体は後部のヒンジ部を回動中心としているため、即ちヒンジ軸が基準となってしまうため、蓋体や本体側の各部品のバラツキがヒンジ軸とは反対側の前部に集約され、特に蓋体と本体の係合部の寸法バラツキが大きくなる。従い本体側より蓋体ロックアームが蓋体内に侵入し、確実にラッチボタンの動きを規制するためには部品精度を厳しくする必要があり、また蓋体を本体に組み込まないとその動作の確認ができないため生産工程におけるロスも多かった。
【0006】また特開平11−197021号のものも、カバーをすることを忘れると簡単にラッチボタンを操作できることになり、不用意に蓋体が開いてしまうことに対する安全装置としては不十分なものであった。
【0007】上記課題を解決するために、本願発明は,蓋体を閉じた時には、蓋体を開閉するための開閉操作体(ラッチボタン)を操作しても蓋体が開かないようにした容器の蓋体構造を提供することを目的とする。また、蓋体だけで開閉操作体(ラッチボタン)の動作確認ができる構成とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本願発明は、容器の蓋体を開くための開閉操作手段であるラッチボタンをロックするロック手段を設け、ロック手段を解除することにより蓋体を開くことができ、蓋体を閉じたときに自動的にロックがかかる構成としたものであり、またその動作確認が蓋体だけで可能とする構成としたものである。
【0009】具体的に説明すると、水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を前記枠体に回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあって前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して該蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開くときに操作して、前記ラッチと前記係合部との係合を解除するラッチボタンを備えるとともに、前記ラッチボタンの動きを規制するラッチボタン規制部材を設け、このラッチボタン規制部材の操作部をラッチボタン規制バネにより常に蓋体表面外方に付勢された状態で蓋体表面に臨ませ、前記操作部をラッチボタン規制バネの付勢力に抗して移動させたときにのみ、ラッチボタン規制部材によるラッチボタンの動きの規制が解除され、蓋体を開くことができる構成としたものである。
【0010】この構成により、ラッチボタン規制部材を押し下げながらラッチボタンを操作しないと、蓋体を開くことができない。また、蓋体を閉じたときには、自動的に前記操作が必要な状態になっており、即ちラッチボタンだけを操作しても蓋体を開くことはできない。
【0011】又、容器の蓋体構造は、水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を前記枠体に回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあって前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して該蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体に設け、蓋体を開けるときに操作して、前記ラッチと前記係合部との係合を解除するラッチボタンと、ラッチボタンの操作端側に設けられ指を挿入するための指挿入口とを備え、この指挿入口をカバーするカバー部材を上下動可能にカバーバネを介して配設し、このカバー部材を上記ラッチボタンの操作端に対向するように上記カバーバネにより付勢しておく一方、蓋体を閉じている状態では前記カバー部材を押し下げることができず、且つ蓋体を開く際には前記ラッチボタンを所定角度以上回転させることにより、前記カバー部材を押し下げることができるようにして上記指挿入口を開口させてラッチボタンを操作できる構成としたものである。
【0012】この構成により、カバー部材とラッチボタンの操作要領が複雑となり、簡単に蓋体を開くことができない。また、蓋体を閉じたときには、自動的に前記操作が必要な状態になっており、即ちラッチボタン操作しただけでは蓋体を開くことはできない。
【0013】又、容器の蓋体構造は、上記ラッチボタン及びカバー部材は、それぞれ一端を回動可能に且つ回動軸線が平行なるように蓋体に軸支し、それぞれの軸線の反対側縁部が対向するように構成し、ラッチボタンは上方に弧回動し、カバー部材は下方に弧回動する構成としたものである。
【0014】この構成によれば、蓋体を開くときラッチボタンに指をかけることが容易となり、使い勝手がよくなる。
【0015】又、容器の蓋体構造は、水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、前記内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を枠体に対し回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあり前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して前記蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開ける際に操作して前記ラッチの係合を解除する開閉操作手段とを備えるとともに、前記開閉操作手段の動きをロック又はロック解除するロック手段と、このロック手段を常時ロック位置に付勢するロックスプリングと、前記ロック手段をロック解除位置に保持する保持手段とを設け、前記ロック手段がロック位置にある時は前記開閉操作手段の操作を妨げ、ロック手段がロック解除位置にある時は開閉操作手段の操作が可能となる構成とし、ロック手段がロック解除位置にある時、開閉操作手段の操作により蓋体を開くとともに前記保持手段によるロック手段の保持状態を解除し、前記ロックスプリングの付勢力によりロック手段をロック位置に戻す構成としたものである。
【0016】この構成によれば、ロック手段によりロックを解除してからでないと開閉操作手段を操作して蓋体を開くことができない。また、蓋体を閉じたときには自動的にロック手段によりロックがかかった状態になっている。
【0017】又、容器の蓋体構造は、前記保持手段による保持状態の解除が、直接ラッチの移動により行われる構成としたものである。
【0018】この構成によれば、蓋体の係合解除に直接関与するラッチの動きにより、蓋体を閉じたときに開閉操作手段をロック状態に戻すための保持状態の解除を行うため、その動作が確実である。
【0019】又、容器の蓋体構造は、開閉操作手段は、蓋体の上面に回動可能に取り付けたレバー方式のラッチボタンと、このラッチボタンの円弧の動きに応動して直線運動を行うラッチボタン規制部材とからなり、前記ロック手段がロック位置にあるときはラッチボタン規制部材の動きを干渉し、前記ロック手段がロック解除位置にあるときはラッチボタン規制部材の動きを干渉しない構成としたものである。
【0020】この構成によれば、ラッチボタンの円弧運動をラッチボタン規制部材の直線運動に変換することにより、同じく直線運動を行うロック手段である蓋体ロックボタンとの嵌合が容易となり、ラッチボタンのロック及び解除の動作が確実となる。
【0021】又、容器の蓋体構造は、ラッチボタンは、蓋体の上部に設けた凹所に一方を回動自在に取り付けたレバー方式であり、この凹所に上記ロック手段を取り付けた構成としたものである。
【0022】この構成によれば、開閉操作手段であるラッチボタンの下方の凹部にロック手段である蓋体ロックボタンを設けており、幼児が不用意にロック手段に触れにくくしている。
【0023】又、容器の蓋体構造は、ロック手段は、上昇位置が開閉操作手段のロック位置で、下降位置がロック解除位置になるよう昇降可能に構成したものである。この構成によれば、蓋体を開くときに、ロック手段を押し下げそのまま開閉操作手段の操作ができるため、即ちロック解除操作と蓋体の開閉操作が一連の動作で可能となるため使い勝手がよくなる。
【0024】又、容器の蓋体構造は、水を入れる内容器と、この内容器を保持する枠体と、内容器の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体を枠体に対し回動自在に支持するヒンジ部と、このヒンジ部の反対側にあり前記蓋体に移動自在に設けられ、前記枠体に形成した係合部に係合して前記蓋体を閉じた状態に保持するラッチと、前記蓋体を開ける際に操作して前記ラッチの係合を解除する開閉操作手段とを備え、前記開閉操作手段は、蓋体の上部に回動自在に設けたラッチボタンと、このラッチボタンを貫通して上下動自在に、且つラッチボタンと一体的に回動するラッチ開閉片と、このラッチ開閉片を常時上方に付勢する開閉片スプリングとからなり、前記ラッチ開閉片は、前記開閉片スプリングの付勢力に抗して押し下げた時に、前記ラッチと係合する構成とし、蓋体を開く場合に、前記ラッチ開閉片を押し下げながらラッチボタンを操作することにより、ラッチ開閉片がラッチと係合しながら回動し、前記ラッチと前記枠体の係合部との係合を解除する構成としたものである。
【0025】この構成とすると、ラッチ開閉片を押しながらラッチボタンを操作しないと、蓋体を開くことができない。また、蓋体を閉じたときには、自動的に前記操作が必要な状態になっており、即ちラッチボタンだけを操作しても蓋体を開くことはできない。
【0026】又、容器の蓋体構造は、前記上下動自在のラッチ開閉片が、上方に位置する時は、前記開閉操作手段の回動を妨げる干渉部を形設した構成としたものである。
【0027】この構成とすると、蓋体が開かない場合にラッチボタンが回動するということがなくなる。つまり、ラッチボタンが回動するときは必ず蓋体を開くことができることになり操作が分かり易くなり、使い勝手がよくなる。
【0028】又、容器の蓋体構造は、前記ラッチ開閉片を押し下げた位置に保持する開閉片保持手段を設けるとともに、開閉操作手段の回動動作により前記開閉片保持手段による保持状態を解除する構成としたものである。
【0029】この構成とすると、蓋体を開くときにラッチ開閉片を押し下げながらの操作の必要性がなくなり操作性がよくなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を電気湯沸かし器を例に、その実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本説明では、電気湯沸かし器のヒンジのある方を「後」、ヒンジの反対側を「前」、また電気湯沸かし器を「前」から見た場合に左側を「左」、右側を「右」として説明する。
【0031】(実施の形態1)本願発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。図1〜図6は本実施形態に係わる電気湯沸かし器であり、図1は全体構成を示す側面断面図、図2は蓋体を開いている時の要部断面図、図3は蓋体の一部斜視図、図4は蓋体の開閉機構の主要部品の分解斜視図、図5は蓋体開閉機構部の動作を示す要部断面図、図6は蓋体を閉じる途中の状態断面図である。なお、図5(a)はラッチボタン規制部材を押し下げる前の図であり、図5(b)はラッチボタン規制部材を押し下げたときの図であり、図5(c)は図5(b)の状態からラッチボタンを操作して蓋体を開くときの図である。
【0032】1は本体で、筒状の胴体2とその上部を覆い、水などの液体を収納する内容器3を内挿する枠体4と、本体1下部を覆う底カバー5とで構成されている。枠体4の前部はくちばし部6になっており、吐出口7の上方をカバーするように前方に突出している。また、枠体4の蓋体8の前部に対向する位置にテーパー面9aを有する断面略三角形の係合部9が形成されている。
【0033】内容器3内の液体を外部に注出するための注出路10は本体1内の前部に設けられ、その始端は注出ポンプ11を介して内容器3の底部に接続され、終端は安全弁12、安全弁座12aを介して吐出口7に接続される。安全弁12の側面下方は転倒時に安全弁12が安全弁座12aの方へ移動し易いようにテーパーがついており、転倒時に素早く安全弁座12aを閉じ内容器3内の湯が吐出口から流出しないようになっている。注出ポンプ11は電動モーター13により駆動される。14は内容器3の外底面に装着された発熱体で、図示はしていないが温度センサーや温度制御装置の働きで、内容器3内の水を加熱沸騰させた後、高温度(約97℃)に保温する。
【0034】蓋体8は内容器3上部開口部を覆い、枠体4後部に設けたヒンジ部15を中心に回動自在に取付けられている。蓋体8は樹脂製の上蓋16とその下側開口を覆う樹脂製の蓋カバー17が嵌着され、さらに蓋カバー17の下面を覆うようにステンレス製の内蓋18が装着固定されている。
【0035】上蓋16上面には左右に長い凹所19を形成し、その後ろ半分は周壁20となっている。21は凹所19に設けられ、軸22を中心に回動するラッチボタンで、水平部と垂直部を有する断面略L型形状をしており、その水平部である操作ツマミ部23は上蓋16上面に臨み、垂直部である開閉片24は肩部24aと、中央付近で肩部24aより更に下方に突き出た押圧部24bとから構成されている。この押圧部24bが後述するラッチ25の連結軸25bと互いに押圧するように構成されている。また、操作ツマミ部23の下面に指Fをかけて蓋体8を開くことができるように、凹所19の周壁20と操作ツマミ部23間は指が入る程度の指挿入口19aを形成している。
【0036】ラッチ25は図4に示すように、コの字型形状を有し前後方向にスライド自在に設けられており、コの字状の上辺と下辺に相当するラッチ片25a、25aと、このラッチ片25a、25aを連結している連結軸25bとから構成されている。ラッチ片25aの前部先端部は断面三角形のテーパー面25cを有し、該テーパー面25cは、それと対向する蓋カバー17の垂直部分に設けた貫通穴29より突出するように、係合バネ27により前方に付勢されており、蓋体8を閉じた状態では枠体4の係合部9の下面と重なり合うように係合している。
【0037】また係合バネ27により連結軸25bを通じラッチボタン21には図1において時計方向の回転力が加えられており、蓋体8の閉成状態においてラッチボタン21が所定の位置で安定するように、凹所19底部から上方に伸びるストップリブ28を設けており、同時にラッチボタン21の操作時に指が蓋体8の内部に入り込まないようにしている。
【0038】ラッチボタン21の前方には、ラッチボタン21の動きを規制するラッチボタン規制部材30がコイルバネや板バネなどの弾性体からなるラッチボタン規制バネ31により上方に付勢された状態で上下動自在に設けられており、外部からラッチボタン規制部材30の操作ができるようにその操作部30aが上蓋16を貫通して外方に突出して設けられている。ラッチボタン規制部材30の左右両サイドには後方へ水平に延設した腕部32と、この腕部32の端縁から上方に延設したストッパー部33とを有し、ラッチボタン規制部材30がラッチボタン規制バネ31の付勢力により上昇位置にある時は、腕部32がラッチボタン21の肩部24aの下面に当接し、また肩部24aの背面とストッパー部33とが近接あるいは当接するように構成している。
【0039】このようにラッチボタン規制部材30が上昇位置にある時には、蓋体8を開くためにラッチボタン21を操作しようとしても、肩部24aとストッパー部33が互いに干渉し蓋体8を開くことはできない(図5(a)の状態)。操作部30aをラッチボタン規制バネ31の付勢力に抗して下方に押し下げると、ストッパー部33の位置が下がり前記肩部24aとは干渉しなくなる。即ち、ラッチボタン規制部材30が下降位置にあるときは、ラッチボタン21を操作して蓋体8を開くことができる状態にある(図5(b)の状態)。
【0040】なお、内蓋18の周縁部には断面U字の円環状でシリコンゴム製のパッキン37が装着され、また内蓋18と蓋カバー17間はネジ等の固定手段によりパッキン37を介して空隙38を有するように、且つ水密に固定されている。蓋カバー17のヒンジ部15に近い部分からは筒状のボス40を立設しており、ボス40の上面には蒸気を逃すために蒸気抜き穴42を設けている。ボス40と内蓋18間には球状のステンレス鋼からなる止水弁44が上下動自在に収納され、通常蓋体8を閉じている状態では止水弁44は内蓋18の上に着座しており蒸気抜き穴42は開放されている。器体が転倒した時に止水弁44が上方に移動し蒸気抜き穴42を閉じるように構成している。蓋体8の閉成状態では内容器3の上部開口フランジ部にパッキン37が密着し内容器3と内蓋18間は水密になっており、内容器3内の加熱蒸気は内蓋18に設けた小穴39から空隙38を通りボス40部から蒸気抜き穴42を通じて、上蓋16に設けた蒸気排出口45から排出される。
【0041】上記構成における電気湯沸かし器の動作について説明する。図1のように蓋体8の閉成状態から、内容器3内に水を入れるために図5(a)〜(c)に示す操作により蓋体8を開く。つまり先ず、ラッチボタン21の操作ツマミ部23の下部とラッチボタン規制部材30の操作部30aに指Fをかけ(図5(a))、次に操作部30aをラッチボタン規制バネ31の付勢力に抗して下降位置まで押し下げる(図5(b))とともに、ラッチ操作ツマミ部23を上方に引き上げるように操作する(図5(c))。この操作により、ラッチボタン21の肩部24aとラッチボタン規制部材30のストッパー部33の干渉が外れ、ラッチボタン21は軸22を中心に回転する。この時にラッチボタン21の押圧部24bが係合バネ27のバネ力に抗してラッチ25の連結軸25bを後方へ押し下げるため、ラッチ25が後方に移動しラッチ片25aの先端部が枠体4に設けられた係合部9下面の嵌合部から外れ蓋体8が開く。蓋体8は図2のように角度90度強開いたところで保持でき、この時蓋体8から手(指)を放すと係合バネ27やラッチボタン規制バネ31のバネ力によりラッチ25、操作ツマミ部23及びラッチボタン規制部材30は元の位置に戻る。
【0042】次に内容器3に水を入れ蓋体8を閉じる過程では、先ず、枠体4のテーパー面9aと蓋体8側のテーパー面25cが接触し(図6の状態)、ここで蓋体8の前方上部を指先Fで下向きに少し強く押し込むと、その下向きの力はテーパー面9a、25cの作用によりラッチ25を後方に移動させる力になり、その結果ラッチ25が係合バネ27のバネ力に抗して後退し、係合部9のテーパー面9aの山を乗り越えることにより係合部9下面と嵌合し、蓋体8を完全に閉じることができる(図1の状態に戻る)。再度蓋体8を開く時には、上記と同じ手順でラッチボタン規制部材30を押し下げてからラッチボタンを操作が必要である。
【0043】内容器3に水を入れた後は、電源を投入すると、水は発熱体14により加熱沸騰され、その後高温(約97℃)で保温される。加熱中の蒸気は、蒸気通路である内蓋18の小穴39から、蒸気抜き穴42を経て上蓋16の蒸気排出口45から放出される。出湯する時は、枠体4のくちばし部6上部に設けた出湯スイッチ(図示せず)を押すと電動モーター13が回転することにより注出ポンプ11が駆動し内容器3内の湯を注出路10を経て吐出口7から出湯することができる。
【0044】また、蓋体が閉じられた状態で器体が倒れた場合には、安全弁12と止水弁44が湯の注出路10と蒸気抜き穴42を閉じるため、内容器3内の湯は流出しない。
【0045】以上の説明のように本実施の形態1では、蓋体8を開くときは必ずラッチボタン規制部材30とラッチボタン21を同時に操作する必要があり、幼児などが不用意に蓋体8に触れても簡単に開くことはない。また蓋体8を閉じた時には、特別な操作をしなくても自動的にラッチボタン規制部材30による規制がかかった状態になっており、使用時における操作性を損なうことなく安全性の向上を図っている。
【0046】(実施の形態2)本願発明の実施の形態2について図面を参照して説明する。図7〜図10は本実施形態に係わる電気湯沸かし器であり、図7は蓋体付近の側面断面図、図8は蓋体を中心に見た平面図、図9はラッチの外観斜視図、図10は蓋体開閉機構部の動作を示す要部断面図であり、図10(a)はラッチボタン規制部材を押し下げる前の図であり、図10(b)はラッチボタン規制部材を押し下げたときの図であり、図10(c)は図10(b)の状態からラッチボタンを操作して蓋体を開くときの図である。実施の形態1とは特にラッチ、ラッチボタン、また凹所部分の蓋体開閉機構部分が異なっており、その他の構成は実施の形態1と同様である。従い図1〜図6と同一の部分には同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略している。
【0047】凹所19内の前方略半分のスペースには、断面略L型形状のラッチボタン48が回動自在に軸支されている。L型のラッチボタン48の水平部である操作ツマミ49は上蓋16とほぼ面一になっており、垂直部である開閉片50の下部は、ラッチ25の連結軸25bの前面と互いに押圧するように配設している。なお、このラッチボタン48のL型コーナー部に設けた回転軸51を凹所19内の前部上方で軸支しており、また操作ツマミ49にあって回転軸51とは遠い方の縁端部分である操作端49aは、蓋体8を開くときに指で操作する部分となる。また、操作ツマミ49のL型コーナー部の一部より操作端49aとは反対方向に延長した指押し部49bを設けている。
【0048】凹所19内の後方略半分のスペースには、断面略L型形状のカバー部材52が、回動自在に凹所19内の後部上方でカバー軸53により軸支されている。該カバー部材52は水平部52aと垂直部52bとでL型形状を形成し、水平部52aは後部に前記カバー軸53を有し、水平部52aの前部縁端部分より下方に垂下した垂直部52bを有し、圧縮バネやねじりコイルバネなどの弾性体からなるカバーバネ54により、カバー軸53を中心に常時上方に付勢力が働くように、凹所19内に配設されている。カバー部材52の回動範囲の上限位置(以後この位置をカバー部材52の上昇位置と呼ぶ)が、カバー部材52の水平部52aと前記操作ツマミ49とが対向して上面がほぼ面一になるように、リブや突起などのストッパー(不図示)を適宜箇所に設けている。従いカバー部材52はこの上昇位置から下方(図10で反時計方向)にしか回動できない。
【0049】一方、ラッチ25の連結軸25bの上面には、図9に示すように左右方向にのびる溝25dを有しており、溝25dの後方は段差を有する土手25eとなっている。カバー部材52の前記上昇位置では、垂直部52bの下端は土手25e上面に対向して近接するように配設している。従ってこの状態では、水平部52aを下方に押しても垂直部52bと土手25eとが当接し、カバー部材52は回動できない。
【0050】上記構成において、蓋体8の開閉動作を説明する。蓋体8が閉じている状態では(図10(a)の状態)、ラッチボタン48とカバー部材52は前後方向に並んで、上蓋16の上面とともにほぼ面一に構成されている。この時には、蓋体8を開くためラッチボタン48の操作端49aに指をかけようとしても、カバー部材52が邪魔になり、このカバー部材52を押し下げようとしても垂直部52bと土手25eとが当接し押し下げることができないため操作端49aに指をかけてラッチボタン48を操作することができない。即ち、ラッチボタン48はロック状態にある。
【0051】蓋体8を開くためには、図10(b)のように、先ず指押し部49bを指Fで少し下方向に押し、回転軸51を中心にラッチボタン48を所定角度以上回転させると操作端49aが少し浮き上がるとともに、開閉片50によりラッチ25の係合軸25bが係合バネ27の付勢力に抗して後退する。従い、カバー部材52の垂直部52b下面の対向面は土手25eから溝25dになるため、カバー部材52は回動可能な状態となる。
【0052】次に、図10(c)のように、指押し部49bを指で押したまま、他の指でカバー部材52を押し下げると(下方向に弧回動)、ラッチボタン48とカバー部材52との開口が大きくなり操作端49aを容易に掴むことができるので、そのまま操作端49aを引き上げるように回転軸22を中心にラッチボタン48を回動(上方向に弧回動)させることにより、ラッチ25と枠体4の係合を解除し蓋体8を開くことができる。特に、ラッチボタン48とカバー部材52の対向する縁部が互いに反対方向に回動するため指Fを挿入するための開口が大きくとれる。
【0053】ここで、土手25eに対向している垂直部52bが、できる限り溝25dに近い構成にすることにより、ラッチ25の僅かな移動により垂直部52bの対向面が溝25d内に移動し、即ちカバー部材52が下方向に回動可能となり操作端49aが掴み易くなり、蓋体8を開くときの操作性がよくなる。
【0054】一方、指押し部49b押すことにより従動するラッチ25の移動距離は、少なくとも大人が操作しても枠体4とラッチ25の係合が外れる最小寸法t(図10(c)参照)未満でなければ、安全装置としての役目を果たさない。また、幼児の力で指押し部49bを少し押したぐらいでは、カバー部材52が下方向に回動可能にならないようにすることも必要である。そのために係合バネ27のばね定数や回転モーメントに影響する回転軸51と指押し部49bとの寸法を適宜設定して指押し部49b部分の操作力を決めればよい。また、ラッチボタン48の所定角度とはラッチ25の移動距離が図10(c)に示す寸法t未満で、且つカバー部材52が回動可能ならしめる最低角度のことを指す。
【0055】蓋体8を開いてラッチボタン48から手(指)を離すと、ラッチ25、ラッチボタン48及びカバー部材52は係合バネ27やカバーバネ54の付勢力により、元の位置に戻る。この場合、ラッチ25自身は係合バネ27の付勢力に抗して後退自在である。従って蓋体8を閉じる時には、枠体4のテーパー面9aとラッチ25のテーパー面25cを利用して上蓋16の前方を手で押すことにより蓋体8を閉じることができる。((図10(a)の状態に戻る。)以上の説明のように本実施の形態2においては、蓋体8上面はラッチボタン48とカバー部材52が上蓋16とほぼ面一になっており、凹凸部が少なくなっているため、幼児にとっては蓋体8を開くためのとっかかりが分かりづらく不用意にラッチボタン48や指押し部49bを押すこともなく、また見栄えもよく、埃などが入り込みにくく、清掃もし易すく衛生的に使用できる。なお、指押し部49bを押したとしてもラッチボタン48の操作はし難く(指押し部49bを強く押し下げながらカバー部材52も押し下げてからラッチボタン48を操作する)、蓋体8は簡単に開くことができない。
【0056】さらに、ラッチボタン48とカバー部材52の対向する縁部が反対方向に弧回動するため、指押し部49bの少ない移動距離でも操作端49aを指Fで摘む開口寸法を確保でき使い勝手がよくなる。
【0057】(実施の形態3)本願発明の実施の形態3について図面を参照して説明する。図11〜図13は本実施形態に係わる電気湯沸かし器であり、図11は平面図であり、図12は蓋体の開閉機構部分の側面断面図であり、図13(a)〜(c)は蓋体の開閉機構の動きを説明するために上蓋を取り除いた要部平面図と、ラッチボタン規制部材の側面図(図12のA矢視図)である。詳しくは、図13(a)は蓋体ロックボタンが「蓋体のロック位置」にある時の図であり、図13(b)は蓋体ロックボタンが「蓋体のロック解除位置」にある時の図であり、図13(c)は図13(b)の状態からラッチボタンを操作した時の図である。実施の形態1とは特にラッチ、ラッチボタン、また凹所部分の蓋体開閉機構部分が異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。従い図1〜図5と同一の部分には同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略している。
【0058】上蓋16の凹所19内の前半分のスペースに断面略L型形状のラッチボタン56が回動自在に軸支されている。L型のラッチボタン56の水平部である操作ツマミ56aは上蓋16とほぼ面一になっており、垂直部である開閉片56bの下部は、後述するラッチボタン規制部材57を挟んで、ラッチ25の連結軸25bの前面と互いに押圧するように配設されている。また、連結軸25bの後面部の両サイドから後方へ突出する角柱状の突出片25fを設けている。一方凹所19の後方には、上蓋16と蓋カバー17間に蓋体ロックボタン58を左右方向にスライド可能に取付けている。この蓋体ロックボタン58は、正面視逆T字で底面が開口した箱状となっており、その頂部は操作部58aとして上蓋16を貫通して蓋体8外方に突出している。蓋体ロックボタン58が左右に安定してスライドできるように、ガイドとしてスライド範囲を四角で囲んだ垂直リブ59を蓋カバー17に設けている。なお本実施例では、図11において蓋体ロックボタン58が右側にある時にはラッチボタン56の回動操作ができない「ロック位置」、左側にある時にはラッチボタン56の回動操作ができる「ロック解除位置」として説明する。通常は、ロックスプリング60の付勢力により蓋体ロックボタン58は「ロック位置」にある。
【0059】蓋体ロックボタン58の前壁61には後述するラッチボタン規制部材57と嵌合する貫通口62を設けている。保持片63は、前壁61の前方にあり、左右方向に長い短冊形状を有しその両端は前方に突き出た舌片63aを有しており、また短冊部分途中から後方に延設したシャフト63bが保持スプリング64を介して前壁61に挿通している。この構成により、保持片63は蓋体ロックボタン58とは、左右方向に一体的に動くとともに、前後方向に摺動自在となっている。この蓋体ロックボタン58と保持片63と保持スプリング64とでロック手段65を構成している。保持片63の前方には、蓋体ロックボタン58の摺動方向と平行な保持リブ66を、蓋カバー17に設けている。蓋体ロックボタン58が「ロック位置」にあるときは(図13(a)の状態)、この保持リブ66に舌片63aが当接し、保持片63は保持スプリング64の付勢力に抗して蓋体ロックボタン58側に後退している。蓋体ロックボタン58が「ロック解除位置」にある時には(図13(b)の状態)、舌片63aと対向する位置に保持リブ66の一部分を切り欠いて形成した保持溝67に、保持スプリング64の付勢力により舌片63aが嵌まり込むようにしている。また、この保持溝67は蓋体8の開閉時における前記ラッチ25の突出片25fの可動通路にもなっている。ここで、保持片63、垂直リブ59、保持リブ66とラッチ25は組立後はほぼ同一高さである。なお、図13で垂直リブ59と保持リブ66に格子状の斜線を施しているが、これは他の構成部品と区別するためのものであり、断面を示すものではない。
【0060】ラッチボタン規制部材57はL型形状であり、ラッチ25上に載置され、一端のL型の垂下部分は前述の如く開閉片56bとラッチ25の連結軸25bの前面との間に挟まれ、他端は前記貫通口62と挿脱可能な形状である突出部57aを設け、前壁61と対向するように構成されている。なお、ラッチボタン56とラッチボタン規制部材57とで開閉操作手段を構成している。
【0061】ここで、蓋体ロックボタン58が「ロック解除位置」にある時には、突出部57aと貫通口62とが対向する位置にあり、ラッチボタン56を操作すればラッチボタン規制部材57の突出部57aが貫通口62に挿通しラッチボタン規制部材57の後退は可能であるが、蓋体ロックボタン58が「ロック位置」ある時には、突出部57aは前壁61の壁面と対向しており、ラッチボタン規制部材57の後退はできないのでラッチボタン56を操作して蓋体8を開くことはできない。なお、貫通口62と突出部57aとの挿入クリアランスは、少なくとも「ロック解除位置」への操作方向側にはクリアランスS(図13(b)参照)を大きく設けている。本実施例では舌片63aの幅とクリアランスSとほぼ同じ寸法にしている。
【0062】上記構成において、蓋体8の開閉動作について説明する。通常、蓋体8を閉じている時には、蓋体ロックボタン58はロックスプリング60の付勢力により「ロック位置」にある(図13(a))。この状態の時には、ラッチボタン規制部材57の突出部57aと前壁61とは対向しており、ラッチボタン規制部材57は後方への移動ができない。従って、ラッチボタン56の操作ツマミ56aの回動操作ができないため蓋体8を開くことができない。
【0063】蓋体8を開く時には、先ず、蓋体ロックボタン58の操作部58aをロックスプリング60の付勢力に抗して「ロック位置」から「ロック解除位置」にスライド操作する。この時、蓋体ロックボタン58と連動して保持片63の舌片63aが、保持リブ66に設けた保持手段としての保持溝67と対向する位置までスライド移動し、この時保持スプリング64の付勢力により、舌片63aは保持溝67に嵌まり込んでしまうため、蓋体ロックボタン58は「ロック解除位置」に保持される。保持溝67に嵌まりこんだ舌片63aの先端とラッチ25の突出片25fの先端部とは、ほぼ近接している。この状態の時には、ラッチボタン規制部材57の突出部57aは前壁61に設けた貫通口62と対向する位置にある。つまり、突出部57aが貫通口62に挿通することによりラッチボタン規制部材57は後方への移動が可能な状態になっている。(図13(b))次に図13(c)のように、ラッチボタン56の操作ツマミ56aを操作すると、開閉片56bの回転力がラッチボタン規制部材57とラッチ25を係合バネ27の付勢力に抗して後方へ押すことになり、その結果蓋体8と枠体4の係合を解除して、蓋体8を開くことができる。この場合、ラッチ25の円弧運動をラッチボタン規制部材57の直線運動に変えており、所謂2次元の動きとなり、突出部57aと蓋体ロックボタン58の貫通口62との良好な嵌合状態が得やすく動作が確実になる。尚また同時に、ラッチ25の後方への移動に伴いラッチ25の突出片25fが、保持片63の舌片63aと当接しながら後方へ押し下げ、蓋体8を開くことができる位置、即ちラッチ25と枠体4との係合が解除される位置では、舌片63aは保持溝67から抜け出る。保持溝67から抜け出た舌片63aはロックスプリング60の付勢力により前記クリアランスSだけ「ロック位置」方向に戻り、舌片63aは保持リブ66に当接し、保持溝67に戻ることはない。(図13(c)の点線部分)蓋体8を開いて、操作ツマミ56aから手を離すと、ラッチ25、ラッチボタン規制部材57とラッチボタン56は係合バネ27の付勢力により元の位置に戻り、また舌片63aも保持溝67から抜け出ているので、ロックスプリング60の付勢力により蓋体ロックボタン58も元の「ロック位置」に戻る。またこの時には、ラッチ25自身は係合バネ27の付勢力に抗して後退自在である。従って蓋体8を閉じる時には、枠体4のテーパー面9aとラッチ25のテーパー面25cを利用して上蓋16の前方を手で押すことにより蓋体8を閉じることができる。
【0064】なお、蓋体8を開いている時に「ロック位置」にある蓋体ロックボタン58を「ロック解除位置」にしても、蓋体8を閉じるときにはラッチ25が後退移動し保持状態を解除するため、蓋体ロックボタン58は必ず「ロック位置」に戻る。即ち、蓋体8の開閉時に移動するラッチ25により、直接保持状態を解除する構成になっており、蓋体8を開いているときに蓋体ロックボタン58が「ロック位置」にあろうとも「ロック解除位置」にあろうとも、蓋体8を閉じたときには蓋体ロックボタン58は必ず「ロック位置」にある。以上の説明のように、本実施例では蓋体8を閉じると自動的にロックがかかり、蓋体ロックボタン58を操作しない限り蓋体8を開くことができない。即ち、ロック操作の忘れがなく安全に使用できる。
【0065】なお、ロック手段65としては、蓋体ロックボタン58と保持片63と保持スプリング64とで構成しているが、この形態に限定されるものでなく、例えば蓋体ロックボタンと保持片を合成樹脂で一体的に成型し保持スプリングの機能は樹脂のたわみ性を利用すれば一つの成型品でロック手段を得ることもできる。
【0066】(実施の形態4)本願発明の実施の形態4について図面を参照して説明する。図14(a)〜(c)は本実施形態に係わる電気湯沸かし器の蓋体開閉機構部の部分断面図と、上蓋を取り除いた蓋体の開閉機構主要部の一部断面した平面図であり、図14(a)はロック手段が「ロック位置」にある時の図であり、図14(b)はロック手段が「ロック解除位置」にある時の図であり、図14(c)は図14(b)でラッチボタンを操作した時の図である。なお実施の形態3とは特にロック手段、保持片、保持溝部分が大きく異なっており、その他の構成は実施の形態3と同様である。従い図11〜図13と同一の部分には同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略している。
【0067】上蓋16の凹所19内の前半分のスペースに断面略L型形状のラッチボタン56が回動自在に軸支されている。L型のラッチボタン56の水平部である操作ツマミ56aは上蓋16とほぼ面一になっており、垂直部である開閉片56bの下部は、ラッチボタン規制部材57を挟んで、ラッチ25の連結軸25bの前面部と互いに押圧するように配設している。また、連結軸25bの後面部の両サイドから後方へ突出する角柱状の突出片25fを設けている。
【0068】ラッチボタン56の操作ツマミ56aの下方位置で凹所19と蓋カバー間に、ロック手段としての蓋体ロックボタン70が上下動自在に取付けられている。蓋体ロックボタン70は下向きに開口したボックス形状を有し、上部は操作部70aとして凹所19を貫通して外方に突出するようにロックスプリング71により上方に付勢されている。蓋体ロックボタン70の上昇位置は、操作部70aの頂部と操作ツマミ56a間に少なくとも指が入る隙間を有するよう上昇限度としてストッパー(不図示)が設けられている。この上昇位置を「ロック位置」とする。また、蓋体ロックボタン70の左右側面側に上下動のガイドとして、コの字型の垂直リブ74を蓋カバー17に設けている。
【0069】この蓋体ロックボタン70の前壁70bには貫通口72を、後壁70cには留め穴73を設けており、また蓋体ロックボタン70の後方には平面視コの字状の保持片75が保持スプリング76を介して前方に付勢された状態で取付けられている。舌片75aはコの字状の保持片75の上辺と下辺に相当し、垂直リブ74の左右の壁を挟むように配設され、保持片75を前後方向に滑らかに摺動させている。また、保持片75の中央部には保持手段として前方に突出した留めボス77を設け、蓋体ロックボタン70が「ロック位置」にある時には、留めボス77の先端は保持スプリング76の付勢力により蓋体ロックボタン70の後壁70cに当接している。(図14(a)の状態)蓋体ロックボタン70を押し下げたときに、留めボス77の先端に対向する位置に前述の留め穴73が位置するよう配設している。従って、蓋体ロックボタン70を押し下げていくと保持スプリング76の付勢力により留めボス77が留め穴73に挿通し、その位置で蓋体ロックボタン70が保持される。この下降位置を「ロック解除位置」とする。(図14(b)の状態)一方、一端がラッチ25とラッチボタン56の開閉片56bに挟まれ、他端が突出部68を有するラッチボタン規制部材57は、蓋体ロックボタン70が「ロック位置」にある時には、突出部68は蓋体ロックボタン70の前壁に対向して近接しており、「ロック解除位置」にある時には突出部68と前述の貫通口72と対向する位置関係にある。
【0070】また、ラッチ25の両サイドに設けた突出片25fは保持片75の舌片75aとは対向しており、垂直リブ74の左右の壁を挟むように摺動自在に形成され、蓋体ロックボタン70が「蓋体のロック解除位置」にある時には、舌片75aの先端と突出片25fの先端は、近接又は、ほぼ接触するように形成されている。
【0071】上記構成において、蓋体8の開閉動作について説明する。通常、蓋体8を閉じている時には、図14(a)のように蓋体ロックボタン70はロックスプリング71の付勢力により「ロック位置」にあり、この状態の時はラッチボタン56を操作しようとしてもラッチボタン規制部材57の突出部68が蓋体ロックボタン70の前壁により動きが阻まれ、ラッチ25が移動しないため蓋体を開くことができない。
【0072】蓋体8を開く時には、先ず蓋体ロックボタン70をロックスプリング71の付勢力に抗して「ロック位置」から「ロック解除位置」まで指Fで押し下げると、保持片75の留めボス77が保持スプリング76の付勢力により前進して蓋体ロックボタン70の留め穴73に嵌合し、蓋体ロックボタン70はその位置に保持される。この状態の時には、ラッチボタン規制部材57の突出部68は貫通口72と対向する位置にあるため、突出部68が貫通口72を挿通しながら後方への移動可能となる。また、保持片75の舌片75aがラッチ25の突出片25fに近接または、当接した状態にある。(図14(b)の状態)次に図14(c)のように、ラッチボタン56の操作ツマミ56aを回動操作すると、開閉片56bの回転力がラッチボタン規制部材57とラッチ25を係合バネ27の付勢力に抗して後方へ押すことになり、その結果蓋体8と枠体4の係合を解除して、蓋体8を開くことができる。また、同時にラッチ25と一体の突出片25fも後方へ移動するに従って舌片75aも保持スプリング76の付勢力に抗して後方へ移動する。このため舌片75aと一体の留めボス77も後退し、留め穴73との嵌合が外れた状態となる。
【0073】蓋体8が開いて、ラッチボタン56から手を離すと係合バネ27の付勢力によりラッチ25、ラッチボタン56、ラッチボタン規制部材57は元の位置に戻り、また蓋体ロックボタン70も留めボス77の嵌合が外れているのでロックスプリング71の付勢力により元の「ロック位置」に戻る。なお、この状態のときはラッチ25自身は後退自在である。従って蓋体を閉じる時は、枠体4のテーパー面9aとラッチ25のテーパー面25cを利用して上蓋16の前方を手で押すことにより蓋体8を閉じることができる。なお、実施の形態3と同様、貫通口72と突出部68との挿入クリアランスは、少なくとも「ロック解除位置」への操作方向側にはクリアランスS(図14(c)参照)を大きく設けて、蓋体を開いたときに留めボス77が留め穴73に戻ることなく、蓋体ロックボタン70のが確実に「ロック位置」に戻るようにしている。
【0074】以上の説明のように、本実施例では蓋体を閉じると自動的にロックがかかり、蓋体ロックボタン70を操作しない限り蓋体を開くことができない。即ち、ロック操作の忘れがなく安全に使用できる。しかも、蓋体ロックボタン70が凹所19内に隠れたように存在しており、幼児が目につきにくく、蓋体ロックボタン70に触れにくくしており、不用意に蓋体8を開いてしまう可能性を少なくしている。さらに、凹所内でラッチ操作ツマミ下方にある蓋体ロックボタン70を下方向に押すことによりロック解除できるので、実際の蓋体の開閉操作としては、指の甲で蓋体ロックボタン70を押し下げそのまま同じ指の反対側である腹側で操作ツマミを操作できる。つまり、蓋体開閉操作に必要な2段操作が、一連の操作で可能となり、使い勝手がよくなる。
【0075】(実施の形態5)本願発明の実施の形態5について図面を参照して説明する。図15は本実施形態に係わる電気湯沸かし器の蓋体上部の側面断面図であり、図16はその平面図であり、図17(a)〜(c)は本実施形態に係わる電気湯沸かし器の蓋体の開閉機構の動きを説明するための側面断面図とラッチ機構部のAA要部断面図である。詳しくは図17(a)は蓋体を閉じている時の蓋体ロックボタンが「ロック位置」にある時の図であり、図17(b)は蓋体ロックボタンを「ロック解除位置」に押しこんだ時の図であり、図17(c)は図17(b)の状態から蓋体を開くためにラッチを操作している時の図である。なお実施の形態1とは特にラッチボタンとラッチボタン規制部材の部分が大きく異なっており、その他の構成は実施の形態1と同様である。従い図1〜図6と同一の部分には同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略している。
【0076】上蓋16の凹所19内の前半分のスペースに断面略L型形状のラッチボタン80が回動自在に軸支されている。L型のラッチボタン80は水平部である操作ツマミ80aと、その前端縁から垂下した垂直壁80bとで構成され、L型のコーナー部には左右方向に水平な回転軸81を有する。上下動可能なラッチ開閉片82は略直方体形状を有し、上部は操作ツマミ80aに設けた角穴83を貫通し外方に突出するように、コイルバネや板バネなどの弾性体からなる開閉片スプリング84により常時上方に付勢されている。この位置を上昇位置と呼ぶ。(図17(a)の状態)
このラッチ開閉片82の前面部は垂直壁80bの内面とほぼ近接しており、操作ツマミ80aを操作すると、ラッチボタン80とラッチ開閉片82とは回転軸81を中心に一体となって回動する。ラッチ開閉片82を開閉片スプリング84の付勢力に抗して押し下げた時に、ラッチ25の連結軸25bの前面とラッチ開閉片82の下部後面とが対向するような形で係合するように配設している。この位置を下降位置と呼ぶ。(図17(b)の状態) 従い、ラッチ開閉片82を押し下げたまま操作ツマミ80aを操作すると、ラッチ開閉片82も回転するため連結軸25bが後方へ押され、ラッチが後退する。通常ラッチ開閉片82は開閉片スプリング84の付勢力により、所定の上昇位置になるように位置決めリブ85を設けている。ここで、所定の上昇位置とは、操作ツマミ80aを操作した時に連動するラッチ開閉片82がラッチ25の連結軸25bに触れない位置である。上記ラッチボタン80とラッチ開閉片82とで開閉操作手段を構成している。
【0077】上記構成において、蓋体8の開閉動作について説明する。通常、蓋体8を閉じている時には、図17(a)のようにラッチ開閉片82は所定の上昇位置にあり、この状態の時は蓋体8を開くために操作ツマミ80aを操作しても、ラッチボタン80とラッチ開閉片82が共に回転するだけで空回りの状態となり、ラッチ25が後方に移動しないため、蓋体8と枠体4は係合したままであり、蓋体8を開くことができない。
【0078】蓋体8を開く時は、ラッチ開閉片82を下降位置まで指Fで押し下げながら(図17(b)の状態)操作ツマミ80aを操作すると、ラッチボタン80とラッチ開閉片82が共に回転軸81を中心に回転し、それに伴いラッチ開閉片82が連結軸25bを後方へ押すのでラッチ25が後退し(図17(c)の状態)、その結果蓋体8と枠体4の係合が解除され、蓋体8を開くことができる。
【0079】蓋体8を開いて操作ツマミ80aから手を離すと、ラッチ開閉片82は開閉片スプリング84の付勢力により元の上昇位置に戻る。また、このときはラッチ25自身は後退自在である。従って蓋体8を閉じる時は、枠体4のテーパー面9aとラッチ25のテーパー面25cを利用して上蓋16の前方を手で押すことにより蓋体8を閉じることができる。
【0080】以上の説明のように本実施の形態5では、特別な安全操作をしなくても蓋体8を開くときは必ず開閉操作手段であるラッチボタン80とラッチ開閉片82を同時に操作する必要があり、幼児などが不用意に蓋体8に触れても簡単に開くことができない。
【0081】(実施の形態6)本願発明の実施の形態6について図18を参照して説明する。図18は本実施形態に係わる電気湯沸かし器における蓋体開閉機構部の部分断面図である。詳しくは、図18(a)は蓋体を閉じているときの図であり、図18(b)はラッチ開閉片を押し下げたときの図であり、図18(c)は図18(b)の状態から操作ツマミを操作したときの図である。なお、実施の形態5とは特にラッチ開閉片の動作関連部分のみ形状が異なっており、その他の構成は実施の形態5と同様である。従い図17と同一の部分には同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略している。
【0082】ラッチ開閉片82から後方に突設した位置決めリブ85の後部に当接するように、ストップリブ28から前方に向かって突起90を設けている。また、ラッチ開閉片82を押し下げた下降位置で保持できるように、開閉片保持手段としてラッチ開閉片82の下部に引掛り部91と、それと嵌合する爪92を蓋カバー17に設けている。この構成により、通常蓋体8を閉じている状態で、ラッチボタン80である操作ツマミ80aを回動操作しようとしても、位置決めリブ85が突起90に当接しており回動操作できないため、蓋体8を開くことはできない(図18(a))。このように、位置決めリブ85と突起90とで干渉部を形成し、ラッチボタン80の空回り状態をなくして、使い勝手をよくしている。つまり、ラッチボタン80が動かないときは蓋体8が開かず、ラッチボタン80が回動するときは蓋体8が開くため操作が分かり易く使い勝手がよくなる。
【0083】蓋体8を開く時には、ラッチ開閉片82を押し下げると引掛り部91が樹脂の弾性を利用して爪92を乗り越えて嵌合保持される。(図18(b)の状態)このように引掛り部91と爪92とで開閉片保持手段を形成している。次に図18(c)のように、ラッチボタン80である操作ツマミ80aを操作すると、ラッチ開閉片82も回転軸81を中心に爪92の引掛りから外れる方向に回動するとともに、ラッチ25も後退しその結果蓋体8と枠体4の係合が解除され、蓋体8を開くことができる。
【0084】蓋体8を開いた後、操作ツマミ80aから手を離すとラッチ開閉片82は、引掛り部91と爪92との保持状態が解除されているので開閉片スプリング84の付勢力により元の上昇位置に戻る。ラッチ25も係合バネ27の付勢力により元の位置に戻る。また、ラッチ25自身は後退自在である。従って蓋体8を閉じる時は、枠体4のテーパー面9aとラッチ25のテーパー面25cを利用して上蓋16の前方を手で押すことにより蓋体8を閉じることができる。
【0085】本構成により、蓋体8を閉じると自動的にロックがかかり、ラッチ開閉片82を操作しない限り蓋体8を開くことができない。即ち、ロック操作の忘れがなく安全に使用できる。さらに、ラッチ開閉片82を押し下げながら操作ツマミ80aを回動操作する異方向への同時操作の必要がなく、操作が楽になるとともに、ラッチ開閉片82の押し下げ距離の不足などにより、蓋体8を開くことができないといった不具合の発生がなく確実な操作ができる。
【0086】次に実施の形態6の変形例に係わる電気湯沸かし器の蓋体開閉機構部の部分断面図を図19に示す。詳しくは、図19(a)は蓋体を閉じているときの図であり、図19(b)はラッチ開閉片を押し下げたときの図であり、図19(c)は図19(b)の状態から操作ツマミを操作したときの図である。実施の形態6とは開閉片保持手段部分だけが異なっている。つまり、開閉片保持手段として、ラッチ開閉片82を押し下げた下降位置でラッチ開閉片82と連結軸25bの相対する面にそれぞれ水平の三角リブ95、95を設けており、ラッチ開閉片82を押し下げた時に互いに三角リブ95、95の山を乗り越えて嵌合しその下降位置で保持するように形成されている。三角リブ95の山を乗り越える時には、連結軸25bが山の高さ分、係合バネ27の付勢力に抗して一旦後退して嵌合する。この後退する寸法は僅かであり、これにより蓋体8と枠体4の係合が解除される心配はない。
【0087】上記構成における蓋体8の開閉動作については実施の形態6と殆ど同じであるため簡単に説明する。通常蓋体8を閉じている状態では干渉部である位置決めリブ85が突起90に当接しているために、操作ツマミ80aを操作できないため蓋体8を開くことはできない。(図19(a))蓋体8を開く場合には、ラッチ開閉片82を押し下げると、上述のように開閉片保持手段である三角リブ95同士により下降位置に保持される。(図19(b)の状態)次にラッチボタン80である操作ツマミ80aを回動操作すると、ラッチ開閉片82も一体に回動し、同時に連結軸25bが後退するため三角リブ95の嵌合が外れる(図19(c)の状態)とともにラッチ25も後退しその結果蓋体8と枠体4の係合が解除され、蓋体8を開くことができる。本変形例では開閉片保持手段である三角リブ95の嵌合は係合バネ27のバネ性を利用しているため、前記実施の形態6の無理嵌め嵌合に比べて操作感がよくなる。
【0088】なお、以上に述べた発明の実施の形態の説明中では特に触れなかったが、本実施の形態1から実施の形態6に係わる電気湯沸かし器において、蓋体8のロック動作の確認は本体に組み込まなくても可能である。基本的な確認方法は以下の通りである。
(1)開閉操作手段であるラッチボタンの操作確認(ラッチが動かないことの確認)
(2)開閉操作手段のロック解除操作を行いラッチボタンを操作してラッチが動くことを確認(3)ラッチの先端を指で後方へ押して後退することと初期の状態に戻っていることの確認上記(1)から(3)まで確認できれば蓋体8の動作は問題がない。つまり、生産工程で本体に組み込んでから蓋体のロック動作不良が発見されると生産工程のロスが大きいが、一般的には別ラインで組み立てた蓋体のうち良品だけを生産工程に投入できるためロスの軽減が図れる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれば、電気湯沸かし器の蓋体を開くための開閉操作手段をロックするロック手段を設けており、ロック手段を操作してロックを解除しない限り開閉操作手段を操作できなくしており、また蓋体を閉じた時には必ずロックがかかるのでロック操作の忘れがなく、特に幼児が開閉操作手段に触れても不用意に蓋体が開いて容器内の湯が流出することがなくなるという優れた効果を奏する。加えて蓋体組品単独でロック機構の動作確認ができるので器体組立後の蓋体開閉機構の動作不良をなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100102277
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 晴康 (外2名)
【公開番号】 特開2001−258748(P2001−258748A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−71530(P2000−71530)