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【発明の名称】 調理用容器
【発明者】 【氏名】大橋 保

【要約】 【課題】加熱源の有効利用が可能な調理用容器を提供すること。

【解決手段】上方が開口とされて有底とした略筒状の容器本体12と、容器本体12の開口部分を覆う蓋体13とを備え、容器本体12の下方と蓋体13の上面とに加熱源を配置させて、容器本体12内の被調理物を調理することが可能な調理用容器11。蓋体13の外周縁には、上方に向かって突出する周壁部19が全周にわたって形成され、周壁部19の上端部には、下方へ凹む複数の係止凹部19aが形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上方が開口とされて有底とした略筒状の容器本体と、該容器本体の開口部分を覆う蓋体とを備え、前記容器本体の下方と前記蓋体の上面とに加熱源を配置させて、前記容器本体内の被調理物を調理することが可能な調理用容器であって、前記蓋体の外周縁には、上方に向かって突出する周壁部が全周にわたって形成され、前記周壁部の上端部には、下方へ凹む複数の係止凹部が形成されていることを特徴とする調理用容器。
【請求項2】 前記蓋体の上面には、前記周壁部より上方に向かって突出し、前記蓋体を裏返した際に前記蓋体を支持可能な脚部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の調理用容器。
【請求項3】 前記蓋体の下面の中央付近には、複数の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項2記載の調理用容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外での調理に好適な調理用容器であり、加熱源を有効利用することができる調理用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キャンプ場等、屋外での調理に使用される調理用容器としては、下記に示すような調理用容器が使用されていた。
【0003】この調理用容器は、上方が開口とされて有底とした略筒状の容器本体と、容器本体の開口部分を覆う蓋体とから構成されるものであり、蓋体の外周縁には、全周にわたって上方に向かって突出する周壁部が形成されていた。この調理用容器では、周壁部がストッパとして作用するため、蓋体の上面に炭等の加熱源を載せても、炭等が落ちない。このため、この調理用容器は、容器本体の下方の他に、蓋体の上面にも炭等の加熱源を配置させ、上下方向から同時に加熱することができて、容器本体内の肉等の被調理物を、蒸し焼き等にすることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の調理用容器では、蓋体の上に載せる加熱源は、容器内部を加熱するためだけに使用されるものであった。この加熱源から発生する熱の大部分は上方へ逃げてしまうため、容器内部を加熱するためだけに、蓋体の上に加熱源を載せることは、無駄の多いものであった。
【0005】本発明は、上記にかんがみて、加熱源の有効利用が可能な調理用容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を下記構成により解決するものである。
【0007】上方が開口とされて有底とした略筒状の容器本体と、容器本体の開口部分を覆う蓋体とを備え、容器本体の下方と蓋体の上面とに加熱源を配置させて、容器本体内の被調理物を調理することが可能な調理用容器であって、蓋体の外周縁には、上方に向かって突出する周壁部が全周にわたって形成され、周壁部の上端部には、下方へ凹む複数の係止凹部が形成されていることを特徴とする。
【0008】また、蓋体の上面には、周壁部より上方に向かって突出し、蓋体を裏返した際に蓋体を支持可能な脚部が形成されている構成とすることが、好ましい。
【0009】さらに、蓋体の下面の中央付近には、複数の凹溝が形成されている構成とすることが、好ましい。
【0010】
【発明の作用・効果】本発明の調理用容器は、周壁部に複数の係止凹部が形成されているため、調理用容器加熱時に、係止凹部に、肉、魚等の被調理物を刺した串等を立てかければ、容器本体内の被調理物を調理しつつ、蓋体の上に載せた炭等の加熱源で、串に刺した被調理物も同時に調理することができる。このため、蓋体の上に載せた加熱源を有効利用することができる。
【0011】また、蓋体上面に、周壁部より上方に向かって突出して形成される脚部を形成した構成とすれば、蓋体を裏返して、脚部で蓋体を支持させつつ炭等の加熱源の上に直接蓋体を置くことができる。このため、裏返した状態として、裏返す前段階での蓋体の下面側、即ち、蓋体の裏面側に肉等の被調理物を載せて、その蓋体の裏面側で肉等の被調理物を調理することができ、蓋体単独で調理用皿としても使用することができる。
【0012】さらに、蓋体の下面の中央付近に、複数の凹溝が近接して形成されている構成とすれば、蓋体を裏返して肉等の被調理物を載せて調理する際に、肉等の被調理物から出る油等を、凹溝に逃がすことができ、被調理物をおいしく調理することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】本発明の一実施形態である調理用容器を図1、2に示す。調理用容器11は、上方が開口とされて有底とした略円筒状の容器本体12と、容器本体12の開口部分を覆う略円形の蓋体13とを備える構成である。容器本体12と蓋体13とは、それぞれ、鋳鉄等の鋳物で一体的に形成されている。そして、容器本体12の底面の外周縁付近には、下方に向かって突出する棒状の脚部15が3箇所に、それぞれ、正三角形の頂点を構成するように、配置されている。また、容器本体12の上端には、蓋体13の外周縁の下面を支持できるように、略全周にわたって水平外側に突出するフランジ部18が形成されており、容器本体12の中心に対して対向する位置には、それぞれ、把手取付部16、16が、フランジ部18から外側に突出して形成されている。各把手取付部16、16には、把手取付穴部16aが2個ずつ形成されており、略円弧状に形成された別体からなる棒状の把手17が、両端を把手取付部16、16の把手取付穴部16a、16aに挿通させるように係止させ、水平面から垂直面に回動可能に、配置されている。
【0015】蓋体13の外周縁には、上方に向かって突出する周壁部19が全周にわたって形成され、周壁部19の上端部には、複数の係止凹部19a(図例では8個)が、それぞれ略半円状に切り欠かれて形成されている。そして、周壁部19の上端部における各係止凹部間19a、19aには、それぞれ、略円弧状に切り欠かれて、複数の通気凹部19b(図例では8個)が形成されている。また、蓋体13の上面側の外周縁付近には、周壁部19よりも上方に向かって突出する棒状の脚部20が3箇所に、それぞれ、正三角形の頂点を構成するように、配置されている。そして、蓋体13の上面側の略中央付近には、上方に向かって突出する逆U字形状の把手部21が形成されている。なお、把手部21の略中央における下面側には、後述する蓋体移動具31の係合部33aに係合される係合凹部21aが形成されている。
【0016】蓋体13の下面側には、中央付近に、下方へ突出する複数のリブ23が、近接して配置されて、リブ23間で複数の凹溝25が形成されている。なお、リブ23は、図3においては、上方へ突出して図示されている。
【0017】そして、蓋体13のリブ23形成側の外周縁付近には、全周にわたって嵌合凹部24が形成されている。この嵌合凹部24端面に、容器本体12のフランジ部18を当接させて、蓋体13を容器本体12に嵌合させれば、図2に示すように、蓋体13が容器本体12内部を密閉することができる。
【0018】また、蓋体13は、鋳鉄等から形成されており、重く、かつ、調理中には熱くなっているが、図5に示すように、蓋体移動具31を用いて、容易に移動させることができる。この蓋体移動具31は、略棒状で、一端に形成される把持部32と、他端に形成される係止部33とを備えている。係止部33は、把手部21に形成された係合凹部21aに係合する略U字状の係合部33aと、係合部33aの下端付近から、係合部33aに対して略直交するように両側方に延設されて、係合部33aを係合凹部21aに係合させた際に、把手部21の蓋体13と連結する部位付近に当接する当接部33bとを備えている。そして、蓋体移動具31の把持部32を、当接部33bが手前側にくるように手で握り、係止部33の係合部33aを係合凹部21aに係合させる。そして、把持部32を手前に引くようにして、当接部33bを把手部21の蓋体13と連結する部位付近に当接させる。次いで、当接部33bを把手部21に当接させたまま、把持部32ごと上に引き上げれば、蓋体13を容易に持ち上げて移動させることができる。
【0019】次に、調理用容器11の使用態様について説明する。本実施形態の調理用容器11は、図6に示すように、容器本体12内に肉等の被調理物(図示せず)を入れて蓋体13で覆い、容器本体12の下方と、蓋体13の上とに炭S等の加熱源を配置し、周壁部19に形成された係止凹部19aに、魚等の被調理物Cを刺した串Kを立てかけることによって、容器本体12内部の被調理物(図示せず)と、串Kに刺した被調理物Cとの両方を同時に調理することができる。このとき、容器本体12は、上下方向から同時に加熱されるため、容器本体12内部で蒸し焼き等のオーブン調理をすることができ、パン等を焼くこともできる。また、蓋体13の下面側には、全周にわたって嵌合凹部24が形成されており、この嵌合凹部24端面に、容器本体12のフランジ部18を当接させて、蓋体13を容器本体12に嵌合させ、容器本体12内部を密閉する構成である。このため、本実施形態の調理用容器11は、容器本体12内部の密閉状態を強固に保つことができ、かつ、内部温度も高温に保つことができる。なお、容器本体12の底面には、下方に向かって突出する脚部15が形成されている。このため、脚部15で容器本体12を支持させつつ、炭等の加熱源の上に直接容器本体12を置いて使用することができる。また、蓋体13には、上方に突出する周壁部19が形成されており、この周壁部19がストッパとして作用するため、蓋体13の上面に炭S等の加熱源を載せても、炭S等が落ちない。
【0020】また、図4に示すように、蓋体13を、単独で調理用皿として使用することもできる。この場合は、裏返してリブ23形成側を上側にして、脚部20で蓋体13を支持させつつ、炭S等の加熱源の上に直接蓋体13を置いて使用する。そして、リブ23の上に肉等の被調理物Cを載せて、調理する。このとき、リブ23の上に肉等の被調理物Cを載せて調理することによって、肉等の被調理物Cから出る油等をリブ23間に形成される凹溝25に逃がすことができ、被調理物Cをおいしく調理することができる。また、周壁部19には、複数の通気凹部19bが形成されているため、炭Sへの通気性も良好で、燃焼不良を起こさない。
【0021】なお、上記実施形態では、容器本体12及び蓋体13に形成される脚部15、20は、棒状で、3箇所に配置されているが、脚部15、20の形状及び数はこれに限られるものではなく、例えば、脚部として、板状のものを複数個配置させたり、筒状のものを配置させてもよい。しかし、容器本体12または調理用皿として使用する際の蓋体13の下方へ配置される炭への通気性の見地からは、脚部15、20として棒状のものを配置させることが好ましい。また、脚部15、20の形成数も3個に限らないが、地面に置いた際のバランス等の見地からは3点支持とすることが好ましいため、それぞれ正三角形の頂点を構成する等のように、3箇所に配置することが好ましい。さらには、脚部15、20を備えていない構成でもよいが、脚部を備えていれば炭等の加熱源の上に直接置くことができるため、脚部を備えた構成とすることが好ましい。
【0022】また、係止凹部19aの形状も、上記実施形態では、略半円状であるが、串等を係止できる構成であれば、形状はこれに限られるものではなく、例えば、略矩形状や、略楔状等に形成してもよい。さらに、係止凹部19aの数も、上記実施形態に限られるものではなく、任意である。さらにまた、通気凹部19bは形成しなくてもよいが、蓋体13を調理用皿として使用する場合に、炭Sへの通気性が良好となるため、形成することが好ましく、その形状も、略円弧状に限らず、凹状に形成されていれば任意である。
【0023】さらに、容器本体12の形状も、上記実施形態では、上方が開口とされて有底とした略円筒状であるが、形状はこれに限られるものではなく、例えば、容器本体を上方が開口とされて有底とした略角筒状にし、蓋体を略矩形状に形成してもよい。
【出願人】 【識別番号】500122835
【氏名又は名称】大橋 保
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−258745(P2001−258745A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−76809(P2000−76809)