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【発明の名称】 着色飯、寿司飯、寿司、炊飯方法、炊飯器及び炊飯器の内挿釜
【発明者】 【氏名】長 博三

【要約】 【課題】特殊な方法で炊き上げた着色飯、その飯を用いて調理した寿司、並びに前記飯を炊くのに適した炊飯方法及び炊飯器に関し、醤油を付けなくても風味よく食することができる寿司や握り飯を得る。

【解決手段】米100に対し容積比で3〜10の醤油と3〜10の日本酒とを添加した水で炊き上げて着色飯を得、適宜量の酢及び塩を加えて寿司飯を得る。醤油としては溜り醤油を用いる。この発明の炊飯方法は、内側底面に加熱手段を備えた外釜と、外釜内に装脱自在な内釜とを備えた炊飯器を用い、内釜内にその底面及び周面との間に間隙を設けて内挿釜を挿入し、内釜と内挿釜との間に水を入れ、内挿釜内に米と水とを入れて加熱するというものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 米を、炊飯前の米100に対し容積比で3ないし10の醤油と3ないし10の日本酒とを添加した水で炊き上げた着色飯。
【請求項2】 請求項1の飯に適宜量の酢及び塩を加えて攪拌した、寿司飯。
【請求項3】 請求項2の寿司飯と具とを備え、更に醤油で練ったわさびを添加してなる、寿司。
【請求項4】 内側底面に加熱手段を備えた外釜(1)と、この外釜内に装脱自在な内釜(2)とを備えた炊飯器を用いる炊飯方法において、内釜(2)内にその底面及び周面との間に間隙を設けて内挿釜(5)を挿入し、内釜と内挿釜との間の間隙(6)に水を入れ、内挿釜(5)内に米と水とを入れて前記加熱手段(10)で加熱することを特徴とする、炊飯方法。
【請求項5】 内側底面に加熱手段を備えた外釜(1)と、この外釜内に装脱自在な内釜(2)と、この内釜内にその底面及び周面との間に間隔を設けて挿入される装脱自在な内挿釜(5)と、内釜(2)と内挿釜(5)との間に介在して内釜の平滑な内面に当接することにより、内釜と内挿釜との間の底面及び周面に間隔(6)を保持する保持部材(3,4)とを備えた、炊飯器。
【請求項6】 内側底面に加熱手段を備えた外釜(1)と、この外釜に装脱自在な内釜(2)とを備えた炊飯器の前記内釜に挿入される内挿釜であって、釜本体(5)とその底面外側及び上縁ないし外周面に位置して前記内釜(2)の平滑な内周面に当接することにより、内釜の底面及び内周面との間に間隔(6)を保持する保持部材(3,4)とを備えている、炊飯器の内挿釜。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特殊な方法で炊き上げて着色した飯、その飯を用いて調理した寿司飯及び寿司に関し、更に前記飯を炊くのに特に好適な炊飯方法並びに当該方法を実施するのに使用する炊飯器及び当該炊飯器の構成部材となる内挿釜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】握り寿司は、握った飯の上にわさびを付けて魚の切り身などの具を乗せたものであり、食するときは、天地逆にして具を小皿に入れた醤油に付けて食べる。ところが、この食べ方にはある程度の慣れを要し、あまり寿司を食べたことのない外国人や若者は、醤油を付ける箇所や程度が分からずに、米の中に多量の醤油を含ませて塩辛くしてしまったり、醤油を付けるときに寿司を崩してしまったりして、風味よく食べることができない。
【0003】また、現在では、炊飯のほとんどがガス炊飯器や電気炊飯器を用いて行われている。これらの炊飯器は、内側底面にガスこんろや電気ヒータなどを設けた外釜と、この外釜内に挿入される内釜とを備えており、米と水とを入れた内釜を外釜内に挿入して蓋をし、前記加熱手段で内釜を加熱することにより炊飯を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】食物は、その調理法の微妙な相違により、風味に大きな相違を生ずる。炊飯は、米を水に入れて加熱するという比較的単純な調理法であるが、米と水との割合や加熱の仕方などによって、炊き上がった飯の風味に大きな相違が生ずる。特に米は、主食として大多数の日本人に日常的に食されており、更に寿司、握り飯、混ぜ飯、丼もの、おかゆなどと炊き上がった米を食する形態もさまざまであるから、米をおいしく炊き上げることは、日本人の食生活にとって極めて大きな関心事である。
【0005】この発明は、寿司や米をよりおいしく食するための試行錯誤の結果なされたもので、飯に予め醤油味を付けておいて、食べるときに具に醤油を付けなくても、最も風味のよい状態で食することができ、かつ従来と同様な方法で握ったり海苔巻きにしたり握り飯にすることも可能な飯を得ること、及び特に電気炊飯器を用いたときに、米をよりふっくらした風味に炊き上げることができる技術手段を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の着色飯は、米を、炊飯前の米100に対し容積比で3ないし10の醤油と3ないし10の日本酒とを添加した水で炊き上げたものであり、醤油としては溜り醤油を用いるのが特に好ましい。またこの発明の寿司飯は、上記の着色飯に適宜量の酢及び塩を加えて攪拌したものである。またこの発明の寿司は、上記の寿司飯と具とを備え、更に醤油で練ったわさびを添加してなるものである。更に上記着色飯又は寿司飯で具を包み込んで表面に海苔や昆布を巻くことにより、海苔巻きや握り飯を作ることができる。
【0007】この発明の炊飯方法は、内側底面に加熱手段を備えた外釜1と、この外釜内に装脱自在な内釜2とを備えた炊飯器を用いる炊飯方法において、内釜2内にその底面及び周面との間に間隙を設けて内挿釜5を挿入し、内釜と内挿釜との間の間隙6に水を入れ、内挿釜5内に米と水とを入れて前記加熱手段10で加熱するというものである。
【0008】またこの発明の炊飯器は、内側底面に加熱手段を備えた外釜1と、この外釜内に装脱自在な内釜2と、この内釜内にその底面及び周面との間に間隔を設けて挿入される装脱自在な内挿釜5と、内釜2と内挿釜5との間に介在して内釜の平滑な内面に当接することにより、内釜と内挿釜との間の底面及び周面に間隔6を保持する保持部材3、4とを備えているものである。
【0009】上記炊飯器を実現するためのこの発明の炊飯器の内挿釜は、内側底面に加熱手段を備えた外釜1と、この外釜に装脱自在な内釜2とを備えた炊飯器の前記内釜に挿入される内挿釜であって、釜本体5とその底面外側及び上縁ないし外周面に位置して前記内釜2の平滑な内周面に当接することにより、内釜の底面及び内周面との間に間隔6を保持する保持部材3、4とを備えている。
【0010】保持部材3、4は内挿釜5に固定して設けてもよく、別体のものであってもよい。保持部材3、4は、内釜2と内挿釜5との間の空間を区画するようなものであってはならず、板状のものとしたときは、水や蒸気が容易に通過できるように多数の透孔や切欠3a、4aを設ける。
【0011】内挿釜5は内釜2に装脱自在であり、保持部材3、4も内挿釜5と共に装脱自在である。この発明の方法で炊飯を行うときは、内釜2内に内挿釜5を挿入して炊飯する。内挿釜5は内釜2より容積が小さくなるので、より多くの米を一度に炊飯したいときは、内挿釜5を取外して、従来方法で炊飯する。
【0012】内挿釜5を用いるこの発明の炊飯方法によると、米をよりふっくらした風味に炊き上げることができ、混ぜ飯を炊いたときも焦げにくく、飯が焦げ臭くなることがない。また、水を多くしておかゆを炊いたときも、より風味よく炊き上げることができる。
【0013】この発明の炊飯方法は、請求項5の炊飯器を用いて行われるが、請求項6の内挿釜を用いれば、既存の炊飯器でこの発明の炊飯方法を実施することができる。
【0014】この発明の着色飯、寿司飯及び寿司に用いる飯は、従来の炊飯釜で炊くことも不可能ではないが、醤油を添加した米は非常に焦げやすく、飯が焦げ臭くなりやすい。この発明の炊飯釜を用いてこの発明の方法で炊けば、米に醤油を加えて炊いても米が焦げることがなく、焦げ臭さが残ることもない。飯を炊くときに使う醤油は、白醤油や一般に広く使用されている色の薄い醤油を用いることもできるが、溜り醤油を用いると米がより黒く着色され、その風味と共に視覚的にも従来にない寿司や握り飯を作ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の炊飯器及び内挿釜の第1実施例を示した図である。外釜1は、その内側底面に電気ヒータ10を内蔵しており、内釜2は、その底面を外釜の底面に密着させた状態で外釜1内に挿入され、前記電気ヒータによって底面を加熱される。この内釜2は外釜1内に装脱自在である。従来はこの内釜2内に水と米とを入れて炊飯を行っている。
【0016】この発明の炊飯器では、内釜2内に保持部材3、4を介して内挿釜5が保持されている。内挿釜5は、材質や形状が内釜2と同様なもので、内釜2より直径及び高さが小さく、保持部材3、4によって内釜2の底面及び内周面との間に間隙6を保持した状態で内釜2内に挿入される。この発明の方法では、内釜2と内挿釜5との間の間隙6に水を入れ、内挿釜5内に米と水とを入れて炊飯を行う。
【0017】第1実施例の保持部材は、内挿釜の底面を保持する保持台3と、内挿釜5の半径方向の位置を保持する保持鍔4とで形成されている。保持台3は板金製で、皿を天地逆にしたような形状であり、その周縁に多数の切欠3aを設けて保持台3の内外を水や蒸気が自由に通過できるようにしてある。
【0018】この保持台3は、内釜2及び内挿釜5とは別体で、内挿釜5を挿入するときに内釜2の底面に設置する。保持鍔4は、内挿釜5の上縁に一体に設けた矩形の突片を外側に折り曲げた一体構造のもので、その外周縁が内釜2の内周面に当接することにより、内挿釜5を内釜2の中心に保持している。内釜2の内面に当接する保持台3の周縁部及び保持鍔4の外周部は、円弧状に屈曲して内釜2の内面を傷つけない構造にしてある。
【0019】外釜1には従来の炊飯器と同様な蓋7が設けられており、必要な各種の操作スイッチ、例えば電源オフ、保温、炊飯などの押しボタンスイッチ8が設けられている。また、内挿釜5には、従来の内釜に設けられていたと同様な、米や水を入れる量の目安となる目盛9を適宜設けることができる。
【0020】図2は保持鍔4の第2実施例を示す。この第2実施例の保持鍔は、上面視で円環状の板金製で、外周部と内周部は円弧状に屈曲しており、その外周面は内釜2の内周面に当接し、内周部の比較的大きめな円弧状屈曲部の外側を向いた端縁は、内挿釜5の上縁内周面に当接している。この保持鍔4は、内挿釜とは別体で、上下方向は内挿釜5の上辺で支えられ、半径方向は内釜2の内周面で保持されるので、内挿釜5は内釜2の中心に保持できる。この場合の保持鍔4の上平面部には、多数の透孔4aが設けられる。
【0021】図3は保持台3の第2実施例を示した図で、高さの低い円筒形の台の周面に透孔3aを設けたものである。
【0022】この発明の炊飯器は、内挿釜5とこれを内釜内に保持する保持部材3、4を備えている点のみが従来の炊飯器と異なっており、従ってこれらの部材を提供すれば、既存の炊飯器をこの発明の炊飯器に改造することができる。
【0023】上記構造の炊飯器は、水を入れた内釜2を外釜1に挿入し、内釜2の底に保持台3を置き、水と米とを入れた内挿釜5を内釜2内に挿入し、蓋7をして外釜1の電気ヒータで内釜2の底面を加熱することにより、炊飯する。内釜(内釜と内挿釜との間)に入れる水の量は、炊飯が終了したときに水が残っている程度の量である。
【0024】上記実施例の炊飯器で通常のご飯、寿司飯、混ぜ飯、おかゆなどを調理した結果、これらのすべてのものにおいて、米がふっくらと風味よく炊き上がった。この発明の炊飯器及び炊飯方法は、米の風味が問題となる料理店や寿司店などに好適であるが、一般家庭においても、日常的に炊飯する米の量より容量の大きな炊飯器を備えている家庭が大多数であるので、内挿釜のみを準備することにより日常的に米を炊くときに実施できる。
【0025】次にこの発明の飯、寿司飯及び寿司の実施例について説明する。米5合と、溜り醤油60cc及び日本酒60ccに米を炊くときに通常用いる水の量からこれら醤油及び日本酒の量を引いた量の水を加えたものを内挿釜5に入れ、内釜2と内挿釜5との間に水を入れて蓋をし、通常の方法で炊飯する。炊き上がった飯に糠から作った寿司酢95cc、一般家庭で用いられている酢5cc及び塩少量を加えて、空気で冷やしながら攪拌して寿司飯を調整する。
【0026】一方、わさびを醤油で練ったものを準備し、従来と同様な方法で寿司飯11を握り、醤油で練ったわさび12を乗せ、生魚の切り身などからなる具13を乗せて握り寿司14を作る。また、広げた海苔の上にこの発明の寿司飯を広げ、かんぴょう、卵焼き、ほうれん草などの具15を巻き込んで海苔巻き16とすることもできるし、梅干し17、鮭18、かつお節19などを入れて握って握り飯20とすることもできる。海苔巻きや握り飯にするときは、日本酒や溜り醤油の量を上記実施例のものより少なめにするのがよい。
【出願人】 【識別番号】500070558
【氏名又は名称】長 博三
【出願日】 平成12年2月16日(2000.2.16)
【代理人】 【識別番号】100078673
【弁理士】
【氏名又は名称】西 孝雄
【公開番号】 特開2001−224501(P2001−224501A)
【公開日】 平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願番号】 特願2000−38384(P2000−38384)