| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐野 光宏
【氏名】浦田 隆行
【氏名】石井 隆仁
【氏名】広田 弘美
【氏名】中江 智
【氏名】弘田 泉生
【氏名】宮内 貴宏
【氏名】竹中 賢治
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、炊飯器に関するものであり、断熱性の高い真空断熱材を搭載することで保温電力量の小さい炊飯器を実現することである。
【解決手段】真空断熱材に芯材が入っていない部分を作っておき、この部分で折り曲げることにより断熱芯材が重なることなく3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、内鍋と誘導コイル間の距離が大きくならず加熱効率が下がることなく、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炊飯用の鍋を誘導加熱するコイルと、前記炊飯用の鍋の温度を検知する検知器と、前記コイルからの誘導加熱を制御する制御装置と、ガスバリアー層とシール層と保護層とを積層したラミネートフィルムからなる袋状の包装材に断熱芯材を封入し真空排気してなる真空断熱材とを有する炊飯器において、前記真空断熱材に少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有し、前記断熱芯材が封入されていない部分で折り曲げ重合させた真空断熱材を用いたことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記断熱心材が封入されていない部分のうち少なくとも一部が前記真空断熱材の外縁部である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 【請求項3】 少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は四角形である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1または2記載の炊飯器。 【請求項4】 少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は長方形であり、前記断熱心材が封入されていない部分は少なくとも前記真空断熱材の外縁部の一辺の一部を底辺とする三角形である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。 【請求項5】 少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は磁界を透過し炊飯用の鍋と前記炊飯用の鍋を誘導加熱するコイルとの間に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。 【請求項6】 少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材の構成要素であるガスバリアー層が少なくとも金属蒸着層もしくは金属酸化物蒸着層のいずれか一方である磁界を透過する真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は家庭、食堂などで食用の御飯を炊く炊飯器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】炊飯器は洗米した米と水を入れ炊飯し、御飯が炊きあがった後にそれを保温しておく電気機器である。保温中は鍋が予め設定された温度になるように、加熱が制御される。その加熱のための入力電力量(以下、保温電力量という)を小さくするために、ガラスウールなどの無機系の断熱材が使用されてきた。また、ガラスウールより性能の高い断熱材として、真空断熱材が存在する。真空断熱材は、ガスバリアー性を有するガスバリアー層と有機フィルムとを積層したラミネートフィルムからなる袋に、シリカなどの微粉末やウレタンフォームなどの成型体を充填し、内部を真空排気したものである。ガスバリアー層としては通常6〜10μmのアルミニウム箔が用いられる。真空断熱材の断熱性能はガラスウールの6倍以上で、冷蔵庫などの保冷機器に利用され、消費電力を抑えることにより、大いに省エネ化を実現している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラスウールなどの無機系の断熱材は、断熱性能が低く、炊飯器の保温電力量を大幅に低減することができないという問題がある。 【0004】さらに、炊飯用の鍋(以下、内鍋という)とそれを誘導加熱するコイル(以下、誘導コイルという)との距離が大きくなればなるほど加熱効率が落ちるため、できるだけこの間の距離は小さい方がよく、また断熱材は断熱対象物にできるだけ近い方が断熱効率が高い。ところが、通常真空断熱材は平板の状態で成形され、曲げることにより断熱対象物に適合する形に加工されるのだが、内鍋のように半球面状の3次元的な曲面に適合する形に加工すると断熱芯材が重なる部分ができるため、内鍋と誘導コイル間の距離が著しく大きくなる箇所ができるため、かえって保温電力量が大きくなるという問題があった。 【0005】多数の小さな真空断熱材を継いでいくことによって、断熱芯材が重なることなく、3次元的な曲面を覆うことは可能であるが、真空断熱材は貫通する熱量より真空断熱材表面を伝い、端面から漏れる熱量が多いため、このような方法で炊飯器に適用しても保温電力量を大幅に低減することができないという問題があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、1枚の断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材を、断熱芯材が封入されていない部分で折り曲げ重合することにより、誘導加熱方式の炊飯器に使用するとしたものである。 【0007】上記発明によれば、ガラスウールの6倍以上の断熱性能のある真空断熱材を炊飯器に使用可能であり、また1枚の真空断熱材で内鍋を覆うことが出来るため、端面から漏れる熱量が小さく、さらに内鍋と誘導コイル間の距離が著しく大きくなることがないため、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0008】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、炊飯用の鍋を誘導加熱するコイルと、前記炊飯用の鍋の温度を検知する検知器と、前記コイルからの誘導加熱を制御する制御装置と、ガスバリアー層とシール層と保護層とを積層したラミネートフィルムからなる袋状の包装材に断熱芯材を封入し真空排気してなる真空断熱材とを有する炊飯器において、前記真空断熱材に少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有し、前記断熱芯材が封入されていない部分で折り曲げ重合させた真空断熱材を用いたことを特徴とする炊飯器としたもので、断熱芯材を封入させていない部分で折り曲げることにより、3次元的な曲面をもつ内鍋に真空断熱材を使用することができ、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0009】請求項2に記載の発明は、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記断熱心材が封入されていない部分のうち少なくとも一部が前記真空断熱材の外縁部である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器としたもので、断熱芯材を封入させていない部分の一部が真空断熱材の外縁部となっているため、3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、内鍋に真空断熱材を使用することができ、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0010】請求項3記載の発明は、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は四角形である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の炊飯器としたもので、1枚の真空断熱材を円筒形に加工することにより内鍋を覆うことが可能で、端面から漏れる熱量を少なくすることができ、保温電力量を非常に小さくすることができる。さらに断熱芯材を封入させていない部分で折り曲げることにより、3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0011】請求項4記載の発明は、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は長方形であり、前記断熱心材が封入されていない部分は少なくとも前記真空断熱材の外縁部の一辺の一部を底辺とする三角形である真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の炊飯器としたもので、1枚の真空断熱材を円筒形に加工することにより内鍋を覆うことが可能で、端面から漏れる熱量を少なくすることができ、保温電力量を非常に小さくすることができる。さらに断熱芯材を封入させていない部分で折り曲げることにより、3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0012】請求項5記載の発明は、少なくとも断熱心材が封入していない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材は磁界を透過し炊飯用の鍋と前記炊飯用の鍋を誘導加熱するコイルとの間に配置したことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の炊飯器としたもので、真空断熱材は磁界を透過するため保温対象物である内鍋近傍に配置可能であり、断熱芯材を封入させていない部分で折り曲げることにより断熱芯材が重なることなく3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、内鍋と誘導コイル間の距離が大きくならず加熱効率が下がらず、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。 【0013】請求項6記載の発明は、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、前記真空断熱材の構成要素であるガスバリアー層が少なくとも金属蒸着層もしくは金属酸化物蒸着層のいずれか一方である磁界を透過する真空断熱材を用いたことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の炊飯器としたもので、真空断熱材は磁界を透過するため保温対象物である炊飯用の鍋近傍に配置可能であり、断熱芯材を封入させていない部分で折り曲げることにより断熱芯材が重なることなく3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、内鍋と誘導コイル間の距離が大きくならず加熱効率が下がらず、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。 【0014】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。 【0015】図1において、1は炊飯器の本体(以下、本体という)で、炊飯用の鍋2(以下、内鍋という)を配置している。3は内鍋2を誘導加熱するためのコイル(以下誘導コイルという)である。ここで、誘導加熱とは、例えば25キロヘルツ前後の高周波電流を使い、この電流を誘導コイル3に通すと、磁束の変化で内鍋2の表面に無数の渦電流が発生する。この渦電流が内鍋2のもつ電気抵抗に逆らって通るとき、ジュール熱が発生し、加熱されるというものである。4は誘導コイル3を保持する保持体で、金属や磁石を有しているため、磁界の外部への漏れを防ぐ役割を有している。5は蓋であり、内蓋6を有しているため、蓋5の開閉により、内鍋2を内蓋6により開閉させることができる。7は内鍋2の底に接触するように配置した温度検知器である。8は制御装置であり、温度検知器7により内鍋2の温度を検出し、予め定められたプログラムに従い、誘導コイル3への通電を制御する。9は蓋5に設けられた蒸気口であり、内鍋2で発生する蒸気などを本体1の外部に逃がす役割をする。10は真空断熱材であり、内鍋2からの熱の逃げを抑える役割をする。ここで使用した真空断熱材10を図で説明する。 【0016】図2は真空断熱材の断面図を示している。真空断熱材10は断熱芯材11(以下、芯材という)と芯材11を内包した内袋12とラミネートフィルム13から構成されている。またラミネートフィルム13は、シール層14とガスバリアー層15と保護層16より構成されている。そして、芯材中の空気を真空排気後、接着部17で熱溶着により接着している。芯材11としては、通常シリカ、パーライト等の微粉末やウレタンフォーム等の成形体を用いるが、本実施例では合成シリカを使用した。合成シリカは粒子が非常に細かいため、粒子の熱伝導率が小さく、さらに10torr以下の圧力下では、圧力によらず非常に小さな熱伝導率を示すため、空気分子の運動の大きい高温条件下では、最適な材料である。シール層14は通常ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリアクリロニトリルやポリプロピレン等が使用される。本実施例では平均100℃程度の高温下で、長期間劣化無く使用できる材料として、シール層14にホモポリマーで結晶化度を上げた無延伸のポリプロピレンを使用している。 【0017】ガスバリアー層15は真空断熱材内部の真空を保持する役割をしている。真空断熱材内部の圧力(以下、内圧とする)は通常20torr以下であり、内圧の上昇にともなって、その断熱性能は劣化していく。ガスバリアー層15には、通常厚さ6〜10μmのアルミニウム箔が使用される。しかしながら、アルミニウム箔を用いた真空断熱材を誘導加熱方式の炊飯器に使用すると、アルミニウム箔が誘導加熱されてしまい、断熱材として機能しない。よって、真空断熱材を断熱対象物である内鍋2と誘導コイル3の間に配置することができないため、炊飯器の保温電力を大幅に削減することができない。 【0018】そこで、本実施例では、ガスバリアー層15に基材18に蒸着を施した蒸着層19を用いることにより、磁界を透過する真空断熱材を炊飯器に配置した。基材18としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとする)等のポリエステル系フィルムやナイロン等のアミド系フィルムが用いられるが、特にポリビニルアルコールフィルム(以下、PVAという)やエチレンビニルアルコール共重合樹脂フィルム(以下、EVOHという)やポリエチレンナフタレートフィルム(以下、PENという)を用いると、炊飯器の保温時の温度である85℃程度では、長期間蒸着層が劣化せず、真空断熱材の耐熱耐久性を非常に向上させることができるため、長期間劣化しない保温電力量の小さい炊飯器を実現できる。そこで、本実施例では基材18としてEVOHを用いた真空断熱材を炊飯器に配置した。 【0019】また、蒸着層19としては、アルミニウム等の金属を蒸着したものや、酸化アルミニウム(以下、アルミナという)や酸化珪素(以下、シリカという)等の金属酸化物を蒸着したものが使用される。 【0020】アルミニウム等の金属を蒸着したものを使用したとき、炊飯時や保温時に誘導コイル3から生じた磁界が金属部を透過するとき、金属表面上で渦電流が発生するため、電気的な損失が起こる(本実施例では、IHロス電力という)。IHロス電力は、金属部の厚さが厚いほど大きくなる傾向にある。したがって、厚い金属を真空断熱材のガスバリアー層に使用すると、IHロス電力が大きくなり内鍋2の加熱効率が下がり、かえって保温電力量が大きくなる。ところが、蒸着技術、スパッタリング技術、エッチング技術などで作製した薄い金属層は、誘導加熱により発熱せず、磁界を透過させる性質があるため、真空断熱材を介しても加熱効率がほとんど低下することがない。よって、真空断熱材を内鍋2近傍に配置することができ、保温電力量の小さい炊飯器が実現できる。特にアルミニウムを用いる場合、1μm以下の厚さにしたアルミニウムを用いることが望ましい。 【0021】一方、金属酸化物を蒸着したもの蒸着層19に用いると、IHロス電力は発生せず、特にアルミナやシリカの蒸着層を用いると、高いガスバリアー性を持つために高温でも長期間劣化せず、加熱効率が低下しない真空断熱材を作製できる。したがって、保温電力量が小さく、長期間劣化しない炊飯器が実現できる。さらにガスバリアー層にアルミニウムの蒸着層を用いた利点として、アルミニウム箔に比べて厚さが薄いため、真空断熱材自身を伝わる熱量を低減させ、保温電力量を低減した炊飯器を実現できる。そして、蒸着層を平均温度300Kで熱伝導率が273(W/m・K)のアルミニウムより熱伝導率の小さいもの、例えば平均温度300Kで熱伝導率がニッケル(90W/m・K)、チタン(20W/m・K)などの金属や、アルミナ(36W/m・K)やシリカ(1.4W/m・K)を用いると真空断熱材自身を伝わる熱量を低減させることができ、保温電力量をさらに低減した炊飯器を実現できる。 【0022】ガスバリアー層15は、厚みが0.01〜1μm程度の薄い蒸着層19を用いているため、非常に傷が付きやすく、傷が付いてしまうと真空が保持できなくなり、断熱材として機能しなくなり、炊飯器の保温電力量は増加する。そこで保護層16はガスバリアー層15を保護する役割があり、通常はナイロン6、ナイロン66等のアミド系が用いられる。しかしながら、真空断熱材を炊飯器に使用する場合、炊飯時140℃程度の高温にさらされる。このような場合、これらを保護層として用いると、熱劣化してしまい保護層としての機能を喪失する。したがって、PETまたはPENまたはポリイミド(以下、PIとする)またはポリフェニルサルファイド(以下、PPSとする)などの耐熱性フィルムを用いることが望ましい。 【0023】真空断熱材10の位置については、保温対象物である内鍋2に近い方が望ましく、内鍋2と誘導コイル3の間に配置することが望ましい。しかしながら、内鍋2と誘導コイル3との距離が大きくなればなるほど加熱効率が落ちるため、ある程度以上の距離になると炊飯できなくなる。この間の距離は10mm以下が望ましい。したがって、1枚の長方形状の真空断熱材を内鍋2と誘導コイル3の間に配置する場合、内鍋2の半球面状の曲面に適合する形に加工すると断熱芯材が重なる部分ができるため、内鍋と誘導コイル間の距離が著しく大きくなる箇所ができるため、かえって保温電力量が大きくなる。 【0024】そこで、多数の小さな真空断熱材を継いでいくことによって、断熱芯材が重なることなく、3次元的な曲面を覆うことは可能であるが、真空断熱材は貫通する熱量より真空断熱材表面を伝い、端面から漏れる熱量が多いため、このような方法で炊飯器に適用しても保温電力量を大幅に低減することができない。ゆえに、図3のように、断熱芯材を封入させていない部分を作っておく。芯材の入っていない部分の三角形の大きさや形や数については特に限定はない。そこで、この部分で折り曲げることにより断熱芯材が重なることなく3次元的な曲面に適合する形に容易に折り曲げ加工が可能であるため、内鍋と誘導コイル間の距離が大きくならず加熱効率が下がらず、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。そこで、本実施例では内鍋2と誘導コイル3の間に配置した。 【0025】以下、本実施例の動作を説明する。内鍋2に洗米を行った米と水を入れた後に通電すると、内鍋2内の温度は温度検知器7により計測され、その信号が制御装置8に送られ、制御装置8は誘導コイル3への通電を開始する。通電された誘導コイル3は磁界を発生し、この磁界は誘導コイルの周りに広がり、内鍋2に到達し、内鍋2に渦電流を発生させる。この渦電流が内鍋2のもつ抵抗に逆らって流れることにより、ジュール熱を発生させ、内鍋2を発熱させる。内鍋2への加熱は予め設定されたプログラムに従い行われ、米が炊きあがると自動的に蒸らされ、保温される。御飯を取り出すときは、蓋5を開き、上部から取り出す。また保温中も温度検知器7によって、内鍋2の温度を計測し、制御装置8で誘導コイル3への通電を制御し、内鍋2をある一定温度に保つ。 【0026】以下、各種真空断熱材の断熱性および耐熱耐久性の実験例を示す。 【0027】(実験例1)図3に示すように芯材11を内袋12に詰めたものを、長方形状のラミネートフィルム13の3辺を熱溶着することで袋状にしたもの(本実施例では、3方袋という)に真空封入し、1つの真空断熱材を作成した。これを、図4に示すように円筒形にし、内鍋2に巻き付け、内鍋2の底面部の半球面状の3次元的な曲面(以下、R部という)部分では、図5に示すように芯材11を封入させていない部分で折り曲げることにより、真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIPという)を用意した。 【0028】また、長方形状の内袋12に心材11を詰めたものを、3方袋に真空封入し、1つの真空断熱材を作成した。これを、図4に示すように円筒形にし、内鍋2に巻き付け、内鍋2の底面部の半球面状の3次元的な曲面(以下、R部という)部分では、図6に示すように芯材11を折り曲げることにより、真空断熱材10を内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、1枚VIPという)を用意した。 【0029】そして、長方形状の内袋12に心材11を詰めたものを、3方袋に真空封入し、真空断熱材を7つ作成した。このうち6つを継ぐことで内鍋2のR部を覆い、それ以外の内鍋2の胴の部分に残り1つを円筒形状にして巻き付けることで、真空断熱材10を内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、7枚VIPという)を用意した。 【0030】ここで、本実験例1で使用した真空断熱材のガスバリアー層15はどれも、基材18にEVOHを用い、アルミニウムを蒸着したものであり、保護層16はPETを使用したものである。 【0031】さらに、真空断熱材10の代わりにガラスウールを配置した炊飯器(本実施例では、ガラスウールという)と真空断熱材10を配置していない炊飯器(本実施例では、断熱材無しという)とを用意した。 【0032】これらをそれぞれ雰囲気温度20℃の恒温漕に入れ、炊飯し、炊飯直後に御飯をほぐし、その後12時間以上経過してから保温電力量を測定した。実験結果を(表1)に示す。 【0033】 【表1】
【0034】1枚VIPは、内鍋2のR部が図6に示すように芯材11を折り曲げたことで、心材の重なり部分ができ、この部分の厚みが大きくなっているため、内鍋2と誘導コイル3の隙間が大きくなり、誘導加熱の加熱効率が落ちたため、ご飯を十分保温できなかったため、保温電力量は測定できなかった。 【0035】したがって、(表1)より、図3に示すような芯材を詰めていない部分を持つ1枚の真空断熱材を円筒形にして、内鍋2に巻き付け、さらに内鍋2のR部で図5に示すように芯材11を封入させていない部分で折り曲げることにより、真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器は、他のものと比較して保温電力量を減少させることができた。 【0036】(実験例2)図3に示すように芯材11を内袋12に詰めたものを、ガスバリアー層15にアルミニウム箔を用いたラミネートフィルムから作製した3方袋に真空封入し、1つの真空断熱材を作成した。これを、図4に示すように円筒形にし、内鍋2に巻き付け、内鍋2のR部では、図5に示すように芯材11を封入させていない部分で折り曲げることにより、真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIP箔内という)と図7のように、真空断熱材10を内鍋2と誘導コイル3の外側に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIP箔外という)を用意した。 【0037】同様に、ガスバリアー層15にアルミニウム蒸着を用いたラミネートフィルムから作製した真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIPアルミVM内という)と図7のように、真空断熱材10を内鍋2と誘導コイル3の外側に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIPアルミVM外という)を用意した。 【0038】さらに、ガスバリアー層15にシリカ蒸着を用いたラミネートフィルムから作製した真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIPシリカVM内という)と図7のように、真空断熱材10を内鍋2と誘導コイル3の外側に配置した炊飯器(本実施例では、切り欠き1枚VIPシリカVM外という)を用意した。 【0039】これらをそれぞれ雰囲気温度20℃の恒温漕に入れ、炊飯し、炊飯直後に御飯をほぐし、その後12時間以上経過してから保温電力量を測定した。実験結果を(表2)に示す。 【0040】 【表2】
【0041】切り抜き1枚VIP箔内は、ガスバリアー層15のアルミニウム箔が、炊飯中に発火したため、保温電力量を測定することができなかった。 【0042】したがって、(表2)より、ガスバリアー層にシリカ蒸着を使用したラミネートフィルムを用い、図3に示すような芯材を詰めていない部分を持つ1枚の真空断熱材を円筒形にして、内鍋2に巻き付け、さらに内鍋2のR部で図5に示すように芯材11を封入させていない部分で折り曲げることにより、真空断熱材10を内鍋2に密着させて内鍋2と誘導コイル3の間に配置した炊飯器は、他のものと比較して保温電力量を大幅に減少させることができた。 【0043】 【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、炊飯用の鍋を誘導加熱するコイルと、前記炊飯用の鍋の温度を検知する検知器と、前記コイルからの誘導加熱を制御する制御装置と、ガスバリアー層とシール層と保護層とを積層したラミネートフィルムからなる袋状の包装材に断熱芯材を封入し真空排気してなる真空断熱材とを有する炊飯器において、前記真空断熱材に少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有し、前記断熱芯材が封入されていない部分で折り曲げ重合させた真空断熱材を用いたことを特徴とする炊飯器としたもので、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0044】また、請求項2に記載の発明によれば、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、特に、前記断熱心材が封入されていない部分のうち少なくとも一部が前記真空断熱材の外縁部である真空断熱材を用いたことにより、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0045】また、請求項3記載の発明によれば、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、特に、前記真空断熱材は四角形である真空断熱材を用いたことを特徴とすることにより、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0046】また、請求項4記載の発明によれば、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、特に、前記真空断熱材は長方形であり、前記断熱心材が封入されていない部分は少なくとも前記真空断熱材の外縁部の一辺の一部を底辺とする三角形である真空断熱材を用いたことにより、保温電力量が非常に小さい炊飯器を実現できる。 【0047】また、請求項5記載の発明によれば、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。 【0048】また、請求項6記載の発明によれば、少なくとも断熱心材が封入されていない部分を有する真空断熱材において、特に、前記真空断熱材の構成要素であるガスバリアー層が少なくとも金属蒸着層もしくは金属酸化物蒸着層のいずれか一方である磁界を透過する真空断熱材を用いたことにより、保温電力量を非常に低減させた炊飯器を実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月26日(2000.1.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−204622(P2001−204622A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月31日(2001.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−16729(P2000−16729) |
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