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【発明の名称】 トルマリン含有毛布およびその製造方法
【発明者】 【氏名】二之宮 清道

【氏名】中村 義一

【要約】 【課題】身体を動かすことにより毛布に物理的な摩擦又は圧力が加わって毛布表面にマイナスイオンが多量に発生するため、身体の新陳代謝や血行を促進し、冷え性、肩凝りなどを改善し、安眠を誘うなど人の健康に好影響が期待されると共に、且つ耐久性および風合いにも優れた、頗る有用なトルマリン含有マイヤー毛布そしてその製造方法を提供するにある。

【解決手段】これらの課題は、毛布に(平均)粒径5〜15μm範囲のトルマリン粉末を、非イオン樹脂系のバインダーで固着せしめてなることを特徴とするトルマリン含有毛布、該毛布の少なくとも片面に前記トルマリン粉末が部分的に固着されていることを特徴とするトルマリン含有毛布、またアニオン系分散剤で分散したトルマリン粉末と、非イオン樹脂系のバインダーからなる処理液を、毛布に施与し、乾燥することを特徴とするトルマリン含有毛布の製造方法により達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 毛布に平均粒径5〜15μm範囲のトルマリン粉末を、非イオン樹脂系のバインダーで固着せしめてなることを特徴とするトルマリン含有毛布。
【請求項2】 毛布の少なくとも片面にトルマリン粉末が部分的に固着されていることを特徴とする請求項1記載のトルマリン含有毛布。
【請求項3】 トルマリン粉末の固着量:バインダーの固着量が1:0.05〜0.1であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のトルマリン含有毛布。
【請求項4】 アニオン系分散剤で分散したトルマリン粉末と、非イオン樹脂系のバインダーからなる処理液を、毛布に施与し、乾燥することを特徴とするトルマリン含有毛布の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体を動かすことにより毛布に物理的な摩擦又は圧力が加わって毛布表面にマイナスイオンが多量に発生するため、身体の新陳代謝や血行を促進し、冷え性、肩凝りなどを改善し、安眠を誘うなど人の健康に好影響が期待されると共に、且つ耐久性および風合いに優れた、頗る有用なトルマリン含有毛布およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、活性電子は生体細胞を賦活し、生体に対して好影響を与えることが注目されており、この活性電子を、例えば身体の新陳代謝や血行の促進、疲労回復の促進などに利用する研究がなされている。このような活性電子を放出する物質として、天然産のトルマリンが見出されており、このトルマリンは永久自発電気分極をしている物質で、外部電解の影響で分極のベクトルを変えず、また鉱物の中で最も強い永久分極特性を示すとともに、遠赤外線の放射も認められている。
【0003】そして、このような機能を有するトルマリンを用い、健康衣料品、寝具類などに応用する検討がなされており、例えば、特開平10−183422号公報には健康衣料品、特開平10−292201号公報には肌着、特開平10−219502号公報にはくつした、特開平10−219504号公報にはコルセットベルトが開示されており、特開平10−155622号公報には羽毛ふとんが開示されている。
【0004】これら衣料品や寝具類に用いているトルマリン含有繊維は、トルマリン微粒子を紡糸原液に分散、紡糸して得られており、例えば、特開平10−183422号公報にはトルマリン粉末を含有したアクリル繊維に関して開示されており、トルマリン粉末を、アクリルニトリル系重合体又は共重合体を溶解した紡糸原液に加え、分散又は溶解して、紡糸して得る技術が開示されている。その他、特開平9−188915号公報、特開平9−241919号公報、特開平10−121322号公報などにも技術開示が認められる。しかし、該混合による紡糸前加工方法ではトルマリンのマイナスイオン発生が満足する程度に必ずしも得られない。
【0005】またトルマリン粉末の後加工の例として特開平11−36171号にはトルマリン粉末を水溶性高分子のバインダーと混合して、綿状繊維に吹き付ける方法が開示されている。しかし、トルマリン粉末の繊維への付着ムラが生じ易く、マイナスイオンの均一な発生が必ずしも望めないし、また吹きつけし過ぎると毛布の風合いはもちろんのこと毛布の通気性、および水分・汗の毛布からの放出性などが悪くなるという欠点がある。更に、水溶性高分子のバインダーを用いるため、耐久性に劣るという欠点がある。一方、毛布にトルマリン粉末を後加工した技術開示はいまだ認められない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは、このような実情に鑑み、従来技術の欠点を改良して、身体を動かすことにより毛布に物理的な摩擦又は圧力が加わって毛布表面にマイナスイオンが多量に発生するため、身体の新陳代謝や血行を促進し、冷え性、肩凝りなどを改善し、安眠を誘うなど人の健康に優れた好影響が期待され、且つ耐久性および風合いに優れた、頗る有用なトルマリン含有マイヤー毛布そしてその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために本発明は、次の構成を取る。即ち第1番目の発明は、毛布に平均粒径5〜15μm範囲のトルマリン粉末を、非イオン樹脂系のバインダーで固着せしめてなることを特徴とするトルマリン含有毛布を要旨とし、第2番目の発明は、毛布の少なくとも片面にトルマリン粉末が部分的に固着されていることを特徴とするトルマリン含有毛布を要旨とし、第3番目の発明は、トルマリン粉末の固着量:バインダーの固着量が1:0.05〜0.1であることを特徴とするトルマリン含有毛布を要旨とし、また第4番目の発明は、アニオン系分散剤で分散したトルマリン粉末と、非イオン樹脂系のバインダーからなる処理液を、毛布に施与し、乾燥することを特徴とするトルマリン含有毛布の製造方法を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳細に説明する。本発明に記載の毛布としては、ボアーあるいはポリシャー加工のマイヤー毛布、熱ナッピング加工のマイヤー毛布、バックサイズ加工のマイヤー毛布などが挙げられ、例えば、ボアー加工のマイヤー毛布は、ダブルラッセル機を用いて作成した層構造のニットをセンターカットし、カット面を開毛、ポリッシングし、起毛面が外になるように重ねその周縁を逢着して作られる。
【0009】本発明に用いられる毛布の繊維素材としては、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、レーヨン、ウ−ル、綿などの繊維が挙げられる。
【0010】本発明に用いられるトルマリンとしては、組成式MX3Al6(BO33Si618(O,OH,F)4(式中のMはNa又はCa,XはAl,Fe,Li,Mg又はMnである)で表される鉱石である。具体的には、組成式、NaFe3Al6(BO33Si618(OH)4で表される鉄トルマリン(ショール、Schorl)、組成式、Na(Li,Al)3Al6(BO33Si618(OH)4で表されるリチアトルマリン(エルバイト、Elbaite)、組成式、NaMg3Al6(BO33Si618(OH)4で表されるマグネシウムトルマリン(ドラバイト、Dravite)などが挙げられる。ショールは不透明で黒色、リチアトルマリンは透明〜半透明で、ピンク、緑、青、バイカラ−などの色を持ち、ドラバイトは不透明(一部半透明)で黄色、暗緑色、褐色、黒色などの色を持つ。
【0011】トルマリンの純粋なものは、宝石として用いられ、現在では人工的に結晶を合成することもできるが、本発明においては、このような人工的に得られるトルマリンも用いることができる。
【0012】トルマリンは自発永久分極を有するので、微細粒子にすれば、微細化されたそれぞれの微粒子が分極しており、活性電子の放出により効果的であるともいわれているが、本発明においては、5μm〜15μmの粒子径のものを用いる。平均粒子径が5μmを下回るとマイナスイオンの発生源である結晶体が影響を受けて発生効率が低下し、また15μmを上回ると風合いが堅くなるからである。
【0013】かかるトルマリン粉末の毛布への固着方法としては、浸漬法、パディング法等により毛布全面に固着せしめても、コーティング法等により毛布片面に固着せしめても、プリント法などにより毛布片面に部分的に固着せしめても良いが、プリント法などにより毛布片面に部分的に固着せしめる方法が、風合い、通気性、皮膚からの水分・汗の吸水性および放出性の点から特に好ましい。
【0014】本発明における毛布へのトルマリン粉末の使用量としては、10g/m2〜50g/m2となるように用いるのが好ましい。10g/m2を下回ると、トルマリンのマイナスイオンの発生が充分得られず、また50g/m2を上回ると、風合い、通気性、吸水性が不十分となり、好ましくない。
【0015】本発明において用いられるバインダーとしては、分子量約数万から数十万の非イオン樹脂系のものを用いる。非イオン樹脂系バインダーとしては、例えばアクリル酸エステル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョンなどが挙げられる。アクリル酸エステル樹脂の具体例としては、アクリル酸エチルエステル樹脂(分子量約20〜30万)、アクリル酸ブチルエステル樹脂(分子量約20〜30万)などがあり、これらの樹脂を少なくとも1種以上混合して使用され、例えば松本油脂製薬のマーポゾールM−1Kなどが挙げられる。これらの樹脂にメタアクリル酸メチルなど混合してエマルジョンとなす。
【0016】該バインダーの使用量としては、トルマリン粉末の固着量:バインダーの固着量が1:0.05〜0.1になるように用いるのが好ましい。0.05を下回るとバインダーのトルマリン粉末に対する把握力が小さくなり、加工後のトルマリンの脱落が大きくなり、また0.1を上回るとトルマリン粉末のバインダーによる被服する割合が大きくなりマイナスイオンの発生を阻害する傾向が大きくなるからである。
【0017】本発明において用いられるトルマリン粉末の分散剤としては、アニオン系分散剤を用いる。アニオン系分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸塩系分散剤、具体的には分子量約6,000のポリアクリル酸の完全ソーダ中和物、またポリスルホン酸塩系分散剤、具体的にはポリスチレンスルホン酸の完全ソーダ中和物などが挙げられる。該分散剤を使用する際、安定剤としてキサンタンガムなどの高分子化合物を組み合わせて利用すると良い。
【0018】その使用量としては、トルマリン処理液の総量を100として1〜10重量%(以下、重量%を%と表示する。)が好ましく、2〜7%が特に好ましい。
【0019】本発明においては、更にアニオン系帯電防止剤を併用するとマイナスイオンの発生量が更に増加し、好ましい。これはトルマリン粉末からのマイナスイオンの発生には、イオン及び静電気の影響が大きいからであり、アニオン系帯電防止剤によりマイナスイオン発生の効率化が図れるためである。
【0020】本発明に用いられるアニオン系帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのスルホン酸塩系帯電防止剤、アルキル硫酸エステル系帯電防止剤、アルキルリン酸エステル系帯電防止剤等があり、例えば、一般式化1、化2などに示されるアルキルリン酸エステル系帯電防止剤が挙げられる。R1、R2、R3は、同一でも異なっても良く、水素原子、炭素数8〜18のアルキル基または1価のアルカリ金属塩(Na,KもしくはLi)を示し、AOはアルキレンオキサイドを示す。また、nはアルキレンオキサイドの付加モル数を表し、1〜20である。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

【0023】本発明における毛布へのアニオン系帯電防止剤の使用量としては、その処理水溶液の総量を100として0.5〜7.0%が好ましい。
【0024】本発明のトルマリン含有毛布の製造方法としては、例えば、マイヤー毛布面を、まずアニオン系帯電防止剤水溶液の入った浴槽に浸漬し、その後マングルにて絞り率80〜100%の条件で絞り、更に100℃〜125℃、3〜10分の条件で乾燥機により乾燥し、固着する。次に、予め、粒径5〜15μmのトルマリン粉末を、アニオン系分散剤、非イオン樹脂系エマルジョンバインダー、キサンタンガムなどの高分子多糖類と適量の水からなる処理液に均一混合してトルマリン処理液を調製し、かかる処理液を前記マイヤー毛布に、浸漬法、パディング法、特に好ましくはコーティング法およびプリント法などにより毛布に施与し、その後乾燥することによりトルマリンを毛布に固着する方法などが挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0026】実施例1マイヤー毛布の製造方法4インチバイアスカットのアクリル短繊維を前紡工程にて1.4ゲレンの粗糸となし、かかる粗糸2本を引き揃えてチーズに捲取り、精紡工程用の粗糸玉を作製した。次に、該粗糸玉を精紡機のクリールに仕掛け引き出した2本1組の粗糸を単一のドラフト域に供給してダブルロービング方式の精紡機を用いて28番手(梳毛式)の合撚糸を得た。これをパイル糸に用い、200デニール48フィラメントのポリエステルフィラメント糸を鎖糸に、340デニール48フィラメントのポリエステルフィラメント糸を挿入糸に用いて両地粗織を編成した(16ゲージ カールマイヤ機使用)。次いで、該両地組織間の中央でパイル糸をカットして経編カットパイル生地を得た。
【0027】かかる生地を染色、熱処理、乾燥を行った後、5本シリンダー方式の針布起毛機に回掛け起毛処理を行い、シャーリングしてマイヤー毛布を得た。
【0028】次に、まず、トリホスフェート系帯電防止剤(商品名;エフコール77、松本油脂製薬製)5%水溶液を浴槽に調製し、そこに前記マイヤー毛布を浸漬し、その後マングルにて絞り(100%の絞り率)、120℃で5分、タンブラー乾燥機にて乾燥した。帯電防止剤の付着量は約5g/m2であった。その後、予め、粒径10〜15μmに粉砕したトルマリン粉末(AT−1 リチア)16.67%をアニオン系分散剤[分子量約6000のポリアクリル酸の完全ソーダ中和物(1.44%)とポリスチレンスルホン酸の完全ソーダ中和物(1.44%)]2.88%と、非イオン樹脂エマルジョンバインダー[アクリル酸エチルエステル樹脂およびアクリル酸ブチルエステル樹脂混合体(マーポゾールM−1K)+メタアクリル酸メチル(TEB−3K)、松本油脂製薬製]1.17%(トルマリン粉末固着量:非イオン系バインダー固着量=1:0.07となる)と、キサンタンガム0.22%と、水79.06%からなる処理液に分散、均一混合してトルマリン処理液を調製し、かかる処理液を上記のマイヤー毛布にスクリーン捺染機を用い、150メッシュにてマイヤー毛布の裏面(グランド部分)にドット状(直径5mm)に5mm間隔でプリント施与(180ml/m2)して、乾燥、固着(トルマリンの固形分付量が30g/m2となる。)し、実施例1のトルマリン含有毛布を得た。
【0029】なお、得られた毛布のマイナスイオン量をイオン測定器(シグマテック製;イオンカウンターSC−50)により測定した結果、1,500個/C.C AIR(空気中)であった。実施例1で得られた製品は充分なマイナスイオンを発生しており、しかも風合い、毛布の通気性、および毛布からの水分・汗の放出性とも良好なものであった。
【0030】比較例1〜2実施例1において非イオン樹脂系バインダーに変えて、カチオン樹脂系バインダー(アクリル酸エステル第4級アンモニウム塩型バインダー、比較例1)、アニオン樹脂系バインダー(アクリル酸エステルカルボン酸塩型バインダー、比較例2)を用い、トルマリン粉末固着量:バインダー固着量=1:0.07となるように樹脂系バインダーの使用量を調整した以外は、全て実施例1に準じて実施し、比較例1および2の製品を得た。その結果、表1に示すように比較例1および2で得られた製品は、表1に示すようにマイナスイオンの発生が低かった。
【0031】
【表1】

【0032】実施例2〜4、比較例3〜4実施例1においてトルマリンの平均粒径を表2に変えた以外は、全て実施例1に準じて実施し、実施例2〜4、比較例3〜4の製品を得た。その結果、表2に示すように平均粒径1μmの比較例3では、マイナスイオンの発生が低く、平均粒径20μmの比較例4においては、マイナスイオンの発生が低いのみならず、風合いの点でもトルマリンを加工した毛布の裏面の表面が堅くなったり、ゴツゴツ感があったりで良くなかった。それに対し実施例2〜4は、マイナスイオンの発生量は充分であり、風合いの点でも良好であった。
【0033】
【表2】

【0034】実施例5〜6、比較例5〜6トルマリン粉末(AT−1 リチア)の固着量に対する非イオン樹脂系バインダー(実施例1に同じ)の固着量の比を、0.01(比較例5)、0.05(実施例5)、0.10(実施例6)、0.15(比較例6)とした以外は、全て実施例1に準じて実施し、実施例5〜6、比較例5〜6の製品を得た。その結果、表3に示すように比較例5〜比較例6は、マイナスイオンの発生が低かったのに対し、実施例5〜6は充分、満足すべきマイナスイオンの発生量であった。
【0035】また、5回繰り返しの水洗いによる洗濯耐久性についても調べた所、比較例5〜6は、耐久性が悪く、とくに比較例6は著しかった。それに対し、実施例1および5〜6は、耐久性の点でも優れていた。
【0036】
【表3】

【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により得られたトルマリン含有毛布は、身体を動かすことにより毛布に物理的な摩擦又は圧力が加わって毛布表面にマイナスイオンが多量に発生するため、身体の新陳代謝や血行を促進し、冷え性、肩凝りなどを改善し、安眠を誘うなど人の健康に好影響が期待されると共に、且つ耐久性および風合いにも優れて、頗る有用である。また、本発明のトルマリン含有毛布は、簡素な製造方法で製造できるため、工業的に頗る有用である。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【識別番号】596154239
【氏名又は名称】カネボウ合繊株式会社
【出願日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−204611(P2001−204611A)
【公開日】 平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願番号】 特願2000−15567(P2000−15567)