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【発明の名称】 滑り止め用基材及び該滑り止め用基材を使用した複合材料
【発明者】 【氏名】仲田 晃

【要約】 【課題】滑りやずれを起さない滑り止め用基材及び該滑り止め用基材を使用した複合材料を提供する。

【解決手段】軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔1を貫設したシート状に形成してなる滑り止め用基材Aと、該滑り止め用基材Aを用いた複合材料B〜Fを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設したシート状に形成してなることを特徴とする滑り止め用基材。
【請求項2】 軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設してシート状の滑り止め用基材を形成し、該滑り止め用基材を各種異なる素材のシート材料に貼り合せて一体に形成したことを特徴とする滑り止め用基材を使用した複合材料。
【請求項3】 軟質ポリオレフィンは、酢酸ビニルの含有率が25%以上のエチレン/酢酸ビニル共重合体、またはエチレンメチルアクリルポリマー、または非晶質アルファポリオレフィン、またはポリプロピレン/エチレンプロピレンラバーの共重合体、またはスチレンブタジエンエラストマー、またはスチレンエチレンブチレンエラストマー、またはこれらの任意の組み合わせからなる混合物である請求項1記載の滑り止め用基材又は請求項2記載の滑り止め用基材を使用した複合材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設したシート状に形成される滑り止め用基材と、該滑り止め用基材を各種異なる素材のシート材料に貼り合わせて一体に形成される複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、テーブルや合板の床面上には直接織物・編物製のテーブルクロスや絨毯、マットなどが置かれ使用されているが、これらテーブルクロスまたは絨毯、マットとその下のテーブルまたは床面との間の摩擦抵抗は小さく、非常に滑り易い。そこで、例えばテーブルクロスに不用意に手を付いて滑らせ、テーブルクロスの上面に乗る湯飲みのお茶を零したり、または湯飲みをテーブルから落して割ってしまうといったことが有り、また絨毯にあっては、該絨毯に足を掛けた瞬間滑らせ転倒して大怪我をするといった課題が有った。
【0003】これら点に鑑み、近時、繊維製のネットの表面を発泡性塩化ビニルで被覆し、または前記ネットを発泡アクリルポリマーの液に漬けて形成され、テーブルクロスまたは絨毯、マットなどテーブルまたは床面との間に介装させることにより、テーブルクロスまたは絨毯、マットなどの滑りを防止するようにした滑り止め用基材が開発されている。しかしながら、前記滑り止め用基材は、塩化ビニル中の可塑剤がテーブルまたは床面の塗装を浸して変色させることがあった。また、古くなって廃棄する場合、焼却時にダイオキシンが発生して環境を汚染するといった重大な課題が残るものであった。更に、前記発泡性アクリルポリマーは経時劣化が激しく耐久性に難が有り、長期使用に向かないという課題も有る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設したシート状に形成することにより、テーブルや床面の変色を無くし、更には焼却時にダイオキシンが発生することがなく環境にやさしい滑り止め用基材、及び該滑り止め用基材を各種異なる素材のシート材料に貼り合せて一体に形成され汎用性に優れた滑り止め用基材を使用した複合材料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明に係る滑り止め用基材は、軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設したシート状に形成される。
【0006】また、滑り止め用基材を使用した複合材料は、軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設してシート状の滑り止め用基材を形成し、該滑り止め用基材を各種異なる素材のシート材料に貼り合せて一体に形成される。
【0007】前記いずれの場合も、軟質ポリオレフィンは、酢酸ビニルの含有率が25%以上のエチレン/酢酸ビニル共重合体、またはエチレンメチルアクリルポリマー、または非晶質アルファポリオレフィン、またはポリプロピレン/エチレンプロピレンラバーの共重合体、またはスチレンブタジエンエラストマー、またはスチレンエチレンブチレンエラストマー、またはこれらの任意の組み合わせからなる混合物であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る滑り止め用基材及び該滑り止め用基材を使用した複合材料の実施の形態を図面と共に説明する。本実施の形態にあっては、滑り止め用基材として酢酸ビニルの含有率が25%以上のエチレン/酢酸ビニル共重合体を使用する。これは原料コストが安い。なお、他にエチレンメチルアクリルポリマー、または非晶質アルファポリオレフィン、またはポリプロピレン/エチレンプロピレンラバーの共重合体、またはスチレンブタジエンエラストマー、またはスチレンエチレンブチレンエラストマー、またはこれらの任意の組み合わせからなる混合物が好ましいが、他の軟質ポリオレフィンであっても良い。これらに列記したものは全体に耐水性に優れ水に濡れても防滑係数が大きく、滑らない。また、耐候性も良く経時劣化が少ない。更には可塑剤の移行による塗料への侵害がないなどのメリットを有している。しかも、例えばスチレンブタジエンエラストマーやスチレンエチレンブチレンエラストマーは耐熱性に優れる。よって、使用目的、使用条件などによってこれらを適宜選択または配合して滑り止め用基材を形成する。
【0009】図1は、滑り止め用基材の一部の斜視図、図2は同製造装置の概略図である。図中、Aは滑り止め用基材であり、適宜大きさの多数の亀甲形の孔1を貫設してシート状に形成される。次に、その製造方法を図2の製造装置M1に基づき説明する。図中、2は押出機、3は該押出機2のTダイ4と対向配置される成型ロール、5は成型ロール3の外周面であってTダイ4とほぼ対向して前記成型ロール3と接するように配置される剥離ロールである。
【0010】そこで、軟質ポリオレフィンである酢酸ビニルの含有率が25%以上のエチレン/酢酸ビニル共重合体を押出機2の内部で加熱溶融して押し出し、これを先端に設けたTダイ4のスリットから亀甲模様の凹型を賦型した成型ロール3の表面にドクターナイフ6を介して供給し、更に剥離ロール5により成型ロール3から剥離させ冷却後にロール状に巻き取る。これにより図1に示すような滑り止め用基材Aが形成される。この滑り止め用基材Aは、図示は省略するが、例えばテーブルの上面に敷くテーブルクロスまたは合板の床面に敷く絨毯、マットなどの裏面にあらかじめ接着剤などで接着することにより使用されるが、そのまま介在させるようにしても良い。これにより、テーブルクロスまたは絨毯、マットなどの滑り防止が図られる。
【0011】次に、前記滑り止め用基材Aを使用して該滑り止め用基材Aを各種異なる素材のシート材料に貼り合せて一体に形成した複合材料について説明する。該複合材料はそのまま製品となるもの、または基材として更に他のシート材料と貼り合わせて利用できるものなど用途に合わせて選択できる。図3は滑り止め用基材Aをシート材料である不織布7の片面に貼り合わせて一体に形成される複合材料Bを示す。この複合材料Bは図4に示す製造装置M2により製造される。なお、前記製造装置Mと同一部位は同一番号を付して説明は省略する。図中、8は成型ロール3の外周面であってTダイ4とほぼ対向する位置に設けられる加圧ロールである。そして、図4に示すように成型ロール3の上方から該成型ロール3の周面に不織布7を供給し、加圧ロール8の加圧により滑り止め用基材Aと不織布7とを圧着させ加熱接着させる。その後これを剥離ロール5により剥離させ、冷却後にロール状に巻き取る。これにより、複合材料Bを効率よく連続製造することができる。前記不織布7としてはPE/PET/PE,PE/PP/PE,PE/PA/PE又はPE,PP,PET,PAなどの合成樹脂が使用される(上記記号中PE:ポリエチレン,PET:ポリエステル,PP:ポリプロピレン,PA:ポリアミドをそれぞれ示す。)また、前記不織布7としてPE,PP,PET,PA繊維などの織物・編物を用いると、テーブルクロスとして使用することができる。
【0012】図5は滑り止め用基材Aをシート材料であるポリエチレンの発泡シート9の片面に張り合わせて一体に形成される複合材料Cを示す。この複合材料Cは図4に示す製造装置M2で製造することができ、例えば緩衝材として、又、プラスチック製のパレットに滑り止め用基材Aを表側にして接着し、その上面に乗る荷物などの滑り止めとして使用される。なお、前記発泡シート9としては、他に、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの発泡樹脂が有る。
【0013】図6は滑り止め用基材Aをシート材料としてのパイルテキスタイルシート10の片面に貼り合わせて一体に形成されるシート状の複合材料Dを示す。この複合材料Dは、保温性、クッション性を必要とする個所に利用される。
【0014】図7は、ハニカム構造体を有するポリプロピレン繊維シート11の片面にホットメルトシート12を重合し、更にその上面に滑り止め用基材Aを貼り合わせて一体に形成した複合材料Eを示すものである。このような構造の複合材料Eは例えば図8に示すような製造装置M3で製造される。すなわち三個の供給ロール13,14,15にそれぞれ前記滑り止め用基材A,ホットメルトシート12,ポリプロピレン繊維シート11を巻回しておき、これらから引き出されるシート状物を成型ロール16に重ねるようにして供給し、加圧ロール17で加熱・加圧しながら接着し、成型ロール16の外周面で加圧ロール17と対向する位置に配設された剥離ロール18で剥離させて冷却後にロール状に巻き取られる。この複合材料Eは、例えば浴室、プールサイド、洗濯場など水を使用する場所に適している。なお、前記繊維シート11は他にポリエステルなどの合成樹脂が有る。
【0015】図9は、滑り止め用基材Aをシート材料としてのラバーシート19の片面に貼り合わせて一体に形成される複合材料Fを示す。これは、基材として利用され、これに更に各種の異なる素材のシートを貼着して使用できる。
【0016】図示は省略するが、その他にポリスチレンまたはハイインパクトポリスチレン、またはポリエステル、またはポリプロピレンなどの合成樹脂のプレートの片面に滑り止め用基材Aを貼り合わせて一体に形成する複合材料が有る。この複合材料は、例えば床面に滑り止め用基材Aを下面にして敷けば、荷物をその上面を滑らせて移動でき、しかも極めて楽であり、また床面にキズが付くことがない。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る滑り止め用基材は、軟質ポリオレフィンにより適宜大きさの多数の孔を貫設したシート状に形成したので、テーブルクロスや絨毯、マットなどの滑り止め用として使用でき、しかもテーブルや床面の塗料の変色もなく、摩擦後は焼却時にダイオキシンを発生させることもなく環境にやさしい。更には、経時劣化も少なく耐水性、耐候性に優れ、特に濡れたときの防滑係数が大きく滑らないので風呂場、プールサイドなどのマットに最適である。
【0018】また、前記滑り止め用基材は、各種異なる素材のシート材料に張り合わせ複合材料として一体に形成することにより、広い範囲ですべり止めとして使用でき、極めて汎用性に優れるという産業上有益な効果を有する。
【出願人】 【識別番号】591061596
【氏名又は名称】有限会社トーワ
【出願日】 平成11年11月9日(1999.11.9)
【代理人】 【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
【公開番号】 特開2001−128837(P2001−128837A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−318484