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【発明の名称】 クッション
【発明者】 【氏名】村上 智一

【氏名】西村 加代子

【要約】 【課題】製造しやすく、使い心地も良好で、なおかつ折り曲げるべき部分の強度を他の部分に比べて減少させにくいクッションを提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】起倒式のベッドや椅子、あるいはマットレス等の家具を構成する折り曲げることが可能なものであって、折り曲げるべき所定の折り目線上に、1又は複数の凹部をスポット的に開口させてなることを特徴とするクッション。
【請求項2】折り目線の一部又は全部が、屈曲又は湾曲するように設定している請求項1記載のクッション。
【請求項3】凹部の開口を、少なくとも折り曲げるべき谷側の面に形成するようにしている請求項1又は2記載のクッション。
【請求項4】凹部が有底のものであって、開口から奥にいくにつれその横断面積が小さくなるように構成している請求項1、2又は3記載のクッション。
【請求項5】凹部が、厚み方向に貫通している請求項1、2又は3記載のクッション。
【請求項6】凹部を除く部分が、略等しい厚みを有する板状のものである請求項1、2、3、4又は5記載のクッション。
【請求項7】角度変更可能な屈曲部分を有している家具本体に対し、その屈曲部分に前記折り目線を対応させて取り付けている請求項1、2、3、4、5又は6記載のクッション。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起倒式のベッドや椅子等を構成するものであって、その屈曲部分に沿って折り曲げて設けられるクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、起倒式のベッドや椅子等の屈曲部分に沿って、クッションを設ける場合には、その屈曲部分においてクッションを分離し、クッションカバーによって連結するようにして、その分離部分で折り曲げられるように構成したり、クッションに溝を設け、この溝に沿ってクッションを折り曲げられるように構成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように、クッションを分離したり溝を設けたりするのは、工程上負担がかかる場合が多く、また使用時に、その分離部分や溝部分において凹み感等の違和感を生じる場合もある。さらには、折り曲げる部分の強度が他の部分に比べかなり弱くなるので、特に起倒式ベッドのように、頻繁に折り曲げ・伸張動作を繰り返すものの場合には、その折り曲げ部分における経時損傷が顕著になる恐れがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した不具合を一挙に解決すべく、クッションが、他の部分に比べてわずかでも曲げやすい部分を有していれば、折り曲げた場合に、折り目がその部分を通るという性質に着目してなされたものであって、折り曲げる部分にスポット的に凹部を設けるようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明に係るクッションは、起倒式のベッドや椅子、あるいはマットレス等の家具を構成する折り曲げることが可能なものであって、折り曲げるべき所定の折り目線上に、1又は複数の凹部をスポット的に開口させてなることを特徴とする。
【0006】このようなものであれば、スポット的に凹部を設けるだけであるので、従来のように溝を設けたものやクッション分離式のものと比べ、工程上負担が小さくなるうえ、使用時に凹み感等の違和感を生じにくくなる。さらに、折り曲げるべき部分の強度を、他の部分の強度と大きく変わらないように構成することもできるため、特に起倒式ベッドのように、頻繁に折り曲げ・伸張動作を繰り返すものの場合に、折り曲げ部分において損傷しにくい好適なものとすることができる。ここで、「スポット的に凹部を開口させる」とは、面方向からみてある程度の面積を有する閉じた形状をなす凹部を開口させる、という意味である。
【0007】スポット的な凹部という特徴を活かした好適な実施態様としては、折り目線の一部又は全部を、屈曲又は湾曲するように設定しているものを挙げることができる。
【0008】折り曲げに好適な凹部の実施態様としては、凹部の開口が、少なくとも折り曲げるべき谷側の面に形成されているものを挙げることができ、特に好ましくは、凹部が有底のものであって、開口から奥にいくにつれその横断面積が小さくなるように構成しているものを挙げることができる。
【0009】山折り、谷折りのいずれにも対応できるようにするには、凹部が、厚み方向に貫通しているものが好ましい。
【0010】所定の折り目線上に沿って確実に折れ曲がるようにするには、凹部以外の他の部分の強度が均一であることが望ましいが、このことを容易に実現してなおかつ具体的な使用態様に合うものとするには、凹部を除く部分が略等しい厚みを有する板状のものであることが好ましい。
【0011】本発明の効果がより顕著に奏される実施態様としては、角度変更可能な屈曲部分を有している家具本体に対し、その屈曲部分に折り目線を対応させて取り付けているものを挙げることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
【0013】図1は、本実施例における家具たる介護用ベッド2を示す全体斜視図である。このベッド2は、家具本体たるベッド本体5と、このベッド本体5上に載せてなるマットレス6とを具備するものである。
【0014】簡単に各部を説明すると、ベッド本体5は、門形をなす一対の脚体51同士を長手方向に沿って延びる一対の連結材52により連結した自立構造体53と、これら連結材52によって回動可能に支持され長手方向に沿って並ぶように配置した3枚の支持枠材54a、54b、54cと、これら支持枠材54a、54b、54cが全体として側面視直線状となる平伏姿勢、及び屈曲部分たる各支持枠材54a、54b、54c間の継ぎ目部分4が屈曲して側面視波形となる傾斜姿勢の間で起倒させ得る起倒機構55とを具備するものである。しかして脚体51は、一対の脚51aと、これら脚51aの上端部間を連結する上部結合材51bと、各脚51aの下端にそれぞれ取り付けられたキャスタ51dとを具備するものである。連結材52は、長手方向に沿って隣接する各脚51aの中間部間にそれぞれ架け渡された角パイプ状のものである。支持枠材54a、54b、54cは、平面視矩形状をなす枠541間に、複数の細い金属棒542を縦横網目状に架け渡してなるものである。起倒機構55は、支持枠材54a、54b、54cに関連付けて、これらの下方に、長手方向に沿って延ばした図示しないねじ送り手段を、足側の脚体に取り付けたハンドルによって正逆回転させることにより、これら支持枠材54a、54b、54cを平伏姿勢と傾斜姿勢との間で起倒させ得るものである。
【0015】一方、マットレス6は、前記3枚の支持枠材54a、54b、54c上に載せられるもので、等厚矩形板状をなすクッション1と、このクッション1を覆うカバー61とからなり、支持枠材54a、54b、54cの姿勢変更に応じて、その継ぎ目部分4に対応する部分が折れ曲がるように構成したものである。クッション1は、例えば細い樹脂線条体をランダムに絡み合わせて定形性及び弾性をもたせた既知のものである。カバー61は、例えば可撓性を有する布製のものである。なお、このクッション1のおもて面1aに、ウレタンフォーム等からなり、凹凸面を有した補助クッションを貼り合わせるなどして、厚み方向に複数のクッション体あるいは補助クッション体を積層した積層クッション体を構成し、この多層クッション体をカバー61で覆うようにしても構わないし、クッション1に他の素材を適用することも可能である。
【0016】しかして本実施例では、図1〜図5に示すように、このクッション1の折り曲げるべき折り目線L上であって谷側の面に、2つの凹部3をスポット的に開口させている。すなわち、頭部側の支持枠材54aと中間の支持枠材54bとの継ぎ目部分4に対応する折り目線L上には、おもて面1aに2つの凹部3を開口させており、足側の支持枠材54cと中間の支持枠材54bとの継ぎ目部分4に対応する折り目線L上には、うら面1bに2つの凹部3を開口させている。
【0017】各凹部3は、開口が円形をなす有底穴状のもので、この開口から奥にいくにつれ、徐々に横断面積が小さくなるようにしてある。なお、本実施例では、縦断面が概略二等辺三角形をなすように構成し、底面積が0近傍にまで小さくなるように設定している。また、この凹部3は、本実施例では、型成形により凹部のないクッション中間体を形成した後、熱源等によりその素材を熱変形させて設けているが、型成形により一挙に形成しても構わない。
【0018】したがって、このようなものであれば、スポット的に凹部3を設けるだけよいので、従来のように溝や分離するものと比べ、工程上負担が小さくなるうえ、使用時に凹み感等の違和感を生じにくくなる。また、凹部3がスポット的なものであるため、折り曲げるべき部分の強度が、他の部分の強度と大きく変わらない。したがって、特に本実施例の起倒式ベッド2のように、頻繁に折り曲げ・伸張動作が行われるものの場合に、折り曲げ部分において損傷が生じにくい長寿命のものとすることができる。
【0019】また、凹部3が有底のものであるため、最も強度が小さくなる部分は、底面部分31となるが、この凹部3を開口から奥にいくにつれその横断面積が小さくなるように構成しているため、最も面積が小さく点的な底面31を通るように折り目線Lが形成されることとなる。したがって、底面31の面積を大きくしたものと比べ、折り目線Lを再現性よく正確に設定することができる。
【0020】加えて、本実施例では、クッション1を、凹部3以外の他の部分の厚みを、略等しくし、前記他の部分の強度が均一であって凹部3よりも大きくなるように構成しているうえ、直線である折り目線Lに沿って複数の(2個の)凹部3を間欠的に設けているので、クッション1に折り曲げ力が作用した際に、折り目線Lに沿って確実にクッション1が折れ曲がることとなる。
【0021】なお、本発明は、前記実施例に限られるものではない。例えば、凹部は、一の折り目線上に一箇所のみ設けてもよい。この場合は、その折り目線の中央に凹部を設けておくことがバランス上望ましい。また、凹部は2個に限られず、3個以上設けてもよい。この場合には、各凹部を直線状に並べるだけでなく、凹部をジグザグに配置するなどして、屈曲あるいは湾曲した折り目線に沿ってクッションを折り曲げ得るように構成することもできる。
【0022】さらに、この凹部を、厚み方向に貫通させたものとしてもよい。このようにすれば、例えばおもて面を、谷側にも山側にもなるように折り曲げることができる。また、凹部の開口面積や深さ、あるいはその形状等を変更可能であるのは言うまでもないし、このように構成したクッションを、ベッドに限られず、椅子の背座や、マットレス単体、あるいはその他種々の家具に用いることができるのはもちろんである。
【0023】その他本発明は上述した図示例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0024】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明によれば、スポット的に凹部を設けるだけよいので、従来のように溝を設けたりやクッション分離式のものと比べ、工程上負担が小さくなるうえ、使用時に凹み感等の違和感を生じにくくなる。さらに、凹部の占める面積を小さくして、折り曲げるべき部分の強度を、他の部分の強度と大きく変わらないように構成することもできるため、特に起倒式ベッドのように、頻繁に折り曲げ・伸張動作が行われるものの場合に、折り曲げ部分において損傷しにくい好適なものとすることができる。
【0025】折り目線の一部又は全部を、屈曲又は湾曲するように設定しているものであれば、スポット的な凹部という特徴を特に活かすことができる。すなわち、従来であれば、このように折り目線が直線でない場合、あるいは折り目線に直線でない部分が含まれている場合には、溝等をその形状に合わせたものとすべく、金型から変更しなければならなかったが、本構成のものであれば、凹部の配置あるいは数のみの変更で、極めて容易に実現できる。
【0026】凹部の開口が、少なくとも折り曲げるべき谷側の面に形成されているものであれば、折り曲げを好適に行うことができる。
【0027】特に凹部が有底のものであって、開口から奥にいくにつれその横断面積が小さくなるように構成しているものであれば、最も面積の小さくなる底面において強度が最も小さくなり、その底面を折り目線が通ることとなるので、折り目線を正確に設定することができる。
【0028】一方、凹部が厚み方向に貫通しているものであれば、山折り、谷折りのいずれにも対応することができる。
【0029】凹部を除く部分が、略等しい厚みを有する板状のものであれば、凹部以外の他の部分の強度が均一となり、所定の折り目線上に沿って確実に折り曲げることができるうえ、具体的な使用態様に合うものとすることができる。
【0030】角度変更可能な屈曲部分を有している家具本体に対し、その屈曲部分に折り目線を対応させて取り付けているものであれば、使用にあたって、頻繁に折り曲げ・伸張動作が行われると考えられることから、上述した折り曲げ部分において損傷しにくいという本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
【公開番号】 特開2001−245754(P2001−245754A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−57794(P2000−57794)