| 【発明の名称】 |
被覆部材の取付構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】長井 演志
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| 【要約】 |
【課題】スライド式ファスナの操作部が外観を損ね、悪戯の対象となる位置に配置されても、これらの不都合を有効に防止し得るようにした被覆部材の取付構造を提供する。
【解決手段】椅子本体Cの背凭れ4に被覆部材5を取り付けるにあたり、被覆部材5を開口縁5eを介して背凭れ4に被せ、その開口縁5eをスライド式のファスナ6によって閉止し得るように構成するとともに、ファスナ6の操作部62をスライド終端付近で差し込むことのできる差し込み部Xを背凭れ5側に設けることとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】家具本体の所要箇所に被覆部材を取り付けるためのものであって、被覆部材を開口縁を介して家具本体に被せ、その開口縁をスライド式のファスナによって閉止し得るように構成するとともに、ファスナの操作部をスライド終端付近で差し込むことのできる差し込み部を家具本体側に設けてなることを特徴とする被覆部材の取付構造。 【請求項2】被覆部材が、開口縁を家具本体の下向面近傍に位置させて取り付けられることを特徴とする請求項1記載の被覆部材の取付構造。 【請求項3】被覆部材が、開口縁を一対のファスナによって閉止し得るように構成されるものであり、両ファスナの操作部のスライド終端付近に共通の差し込み部を設け、互いに相寄る方向へスライドさせた各操作部を前記差し込み部に共に差し込めるようにしていることを特徴とする請求項1又は2記載の被覆部材の取付構造。 【請求項4】家具本体に、側縁を開放した状態でベルト部材を取り付け、その側縁に開口するベルト部材と家具本体との隙間を前記差し込み部としていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の被覆部材の取付構造。 【請求項5】家具本体が背凭れを備えたものであり、その背凭れに被覆部材を取り付けるようにしていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の被覆部材の取付構造。 【請求項6】家具本体が背凭れを備えた椅子本体であることを特徴とする請求項5記載の被覆部材の取付構造。 【請求項7】家具本体が背凭れを備えた椅子本体であり、その背凭れに被覆部材を取り付けるようにしたものであって、背凭れの下縁中央部が背支持部材に支持されており、その背支持部材を避けて両側にファスナを配置するとともに、背支持部材近傍にファスナの操作部を差し込むための共通の差し込み部を設けていることを特徴とする請求項3記載の被覆部材の取付構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、家具本体の表面を被覆部材により好適に覆って外観を整えることができるようにした被覆部材の取付構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】被覆部材によって家具本体の表面を覆うようにしたものの一例として、背凭れ付きの椅子がある。この背凭れ付きの椅子には、背凭れや座を覆う位置に被覆部材である張地を被せているものがあるが、張地の汚損や破損に速やかに対応できるようにするために、張地を開口縁を介して椅子本体に被せ、その開口縁を面ファスナやスライドファスナによって着脱可能に閉止し得るように構成しておくことが望ましい。なかでも、取付状態の安定化とコスト面を考慮した場合、ファスナにスライド式のファスナを採用することが好都合であるとされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、スライドファスナを採用すると、適用場所によっては家具の外観を損ねる事がある。例えば、上記背凭れ付きの椅子で言えば、背凭れに張地を被せる際、張地は、スライドファスナが視認されないように、開口縁を背凭れの下向面つまり下縁側に位置させて取り付けられるのが通例である。 【0004】しかしながら、このようにしても、スライドファスナを閉止した際にその操作部が背凭れの下縁から下方に垂れ下がった状態になるので、操作部が極めて目立ち易く、椅子の美観を損ねる要因となり易い問題がある。また、スライドファスナがこのような状態に置かれると、子供の悪戯の対象ともなるので、張地が不慮に剥がされて管理が煩雑になる等の不都合も生じ易い。これに対して、スライドファスナをロック機能付きのものにしたり、被覆部材の開口縁同士を重合させてスライドファスナを隠すように構成することも考えられるが、このような対策はコスト高となり、好ましくない。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、スライドファスナの操作部が外観を損ね、悪戯の対象となる位置に配置されても、これらの不都合を簡素な構成によって有効に防止し得るようにした被覆部材の取付構造を提供しようとするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】そのために、本発明に係る被覆部材の取付構造は、家具本体の所要箇所に被覆部材を取り付けるにあたり、被覆部材を開口縁を介して家具本体に被せ、その開口縁をスライド式のファスナによって閉止し得るように構成するとともに、ファスナの操作部をスライド終端付近で差し込むことのできる差し込み部を家具本体側に設けてなることを特徴とする。 【0007】このような取付構造であれば、ファスナの操作部が垂れ下がり、或いは悪戯の対象となる場所に配置されても、その操作部を差し込み部に差し込むことによって、その差し込み部内に安定に隠蔽、保持しておくことができる。このため、適用場所に影響を受けずに、スライドファスナを採用した被覆部材によって家具本体を好適に隠蔽することができ、ファスナな被覆部材に特殊なものを用いることも不要にすることができる。 【0008】特に本発明は、被覆部材が、開口縁を家具本体の下向面近傍に位置させて取り付けられるケースに適用して有用となる。 【0009】被覆部材が、開口縁を一対のファスナによって閉止されるように構成される場合に、ファスナの操作部のスライド操作を簡単に行えるようにするためには、両ファスナの操作部のスライド終端付近に共通の差し込み部を設け、互いに相寄る方向へスライドさせた各操作部を前記差し込み部に共に差し込めるようにしておくことが望ましい。 【0010】差し込み部を簡単に構成するためには、家具本体に、側縁を開放した状態でベルト部材を取り付け、その側縁に開口するベルト部材と家具本体との隙間を前記差し込み部としていることが好ましい。 【0011】本発明の好適な適用例としては、家具本体が背凭れを備えたものであり、その背凭れに被覆部材を取り付けるようにしているもの、例えば背凭れ付きの椅子本体等を挙げることができる。 【0012】特に好ましい態様としては、家具本体が背凭れを備えた椅子本体であり、その背凭れに被覆部材を取り付けるようにしたものであって、背凭れの下縁中央部が背支持部材に支持されており、その背支持部材を避けて両側にファスナを配置するとともに、背支持部材近傍にファスナの操作部を差し込むための差し込み部を設けているものが挙げられる。 【0013】 【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。 【0014】図1は、この実施例が適用される家具本体たる背凭れ付きの椅子本体Cを示している。このものは、十字に組み合わされたベース1の各端部より上方に向けて前支柱21、後支柱22及び側支柱23を起立させ、それらの支柱21、22、23に座3及び背凭れ4を支持させてなるものである。 【0015】具体的に説明すると、前支柱21はその上端部が座3にほぼ等しい高さ位置にあり、後支柱22及び一対の側支柱23はそれらの上端部が通常の肘掛け位置とほぼ等しい高さ位置にあって、前支柱21の上端部近傍と、後支柱22及び側支柱23の各々対応する高さ位置との間は、前記ベース1に準じて十字に組み合わされた座受部24によって連結され、円盤状をなす座3はこの座受部24に回転可能に支持されている。また、後支柱22及び側支柱23は座3から更に上方に突出し、その端部に背凭れ4を取り付けている。背凭れ4は、座3の周縁に沿ってほぼ180°に亘る領域に部分円弧状をなして連続しているもので、図2に一部を破砕して示すように、芯材41の前面側にクッション材42を貼り、これら芯材41及びクッション材42を表面材43で覆った構造のものである。そして、この背凭れ4の背面を前記後支柱22及び側支柱23の前面に当てがい、その位置で支柱22、23の後方から差し込んだねじvを背凭れ4の対応位置において芯材41に背面からねじ止めすることによって、背凭れ4をこれらの支柱22、23に支持させている。すなわち、この椅子は、背凭れ4が通常人の背幅より遙かに幅広なものであり、背凭れ4の一部に凭れたときに、その側方に開放されている背凭れ4の上縁4aを肘掛けとして利用し得るものである。 【0016】このような構成において、本実施例は、前記背凭れ4に、被覆部材5を着脱可能に取り付けるようにしている。この被覆部材5は、一部に開口が存在するようにして部分袋状に縫製されたもので、具体的には、図2に示すように、背凭れ4の上縁4aを覆う位置に配置される上被覆部5aと、背凭れ4の前面4b及び背面4cを覆う位置に配置される前被覆部5b及び後被覆部5cと、背凭れ4の端部4dを覆う位置に配置される端被覆部5dとを具備してなり、上被覆部5a、前被覆部5b、後被覆部5c及び端被覆部5dの集合部分を背凭れ4の端部上コーナー部分を抱くように部分袋状に縫製するとともに、端被覆部5dの下端と前被覆部5b及び後被覆部5cの各下縁とを背凭れ4の端部下コーナー部分を抱くように部分袋状に縫製し、これよりも中央よりの前被覆部5bの下縁と後被覆部5cの下縁とを開放して、これらを本発明の開口縁5eとしている。そして、後被覆部5cの開口縁5eのうち、後支柱22及び側支柱23に対応する部分を一部切除して被覆部材5の干渉を避ける凹部5fを設け、これら凹部5f以外の部位において、前被覆部5b及び後被覆部5cに相互に噛み合うファスナ要素61を設けて、後被覆部5c側にそれらファスナ要素61同士を選択的に結合、解除させる操作部62を付帯させて、ファスナ6を構成している。このファスナ6はロック機能等を有しない通常の簡素なものである。つまり、この被覆部材5を開口縁5eを介して背凭れ4に被せ、開口縁5eを椅子本体Cの下向面の一つである前記背凭れ4の下縁4e近傍に配した状態で、本発明の背支持部材である後支柱22を避けて両側にファスナ6を構成するファスナ要素61及び操作部62を位置づけ、このファスナ6の操作部62を図4→図5→図6のように背凭れ4の端部4d側から中央部に向かって互いに相寄る方向にスライド操作することによって、背凭れ4の下縁4eに沿って開口縁5e同士を閉止し、被覆部材5によって背凭れ4全体を包み込むことができるようにしている。 【0017】その際、本実施例は、ファスナ6の操作部62をスライド終端付近で差し込むことのできる差し込み部Xを前記背凭れ4に設けている。 【0018】詳述すると、背凭れ4には、その幅方向中央に位置させて図2及び図3に示すようなベルト部材7が取り付けてある。このベルト部材7は、背凭れ4を各支柱22、23に取り付ける前段階で、一端71が背凭れ4の背面4cであって上縁4aに近い位置にタッカ等によって固定され、中間部72が背凭れ4の前面4b側に巻き回され、他端73が背凭れ4の背面4cであって下縁4eに近い位置にタッカ等によって固定されているものである。そして、このベルト部材7のうち固定されていない前記中間部72の側縁72aに開口する該ベルト部材7と背凭れ4との隙間を差し込み部Xとして、この差し込み部Xに図3に矢印Aで示すように両側縁72aから部材の進入を許容し得るようにしている。 【0019】すなわち、この実施例は、背凭れ付き椅子Cの背凭れ4に被覆部材5を取り付けるにあたり、被覆部材5を開口縁5eを介して背凭れ4に被せ、その開口縁5eをスライド式のファスナ6によって閉止し得るように構成した上で、そのファスナ6の操作部62を摘んで図4→図5→図6のように操作し、スライド終端付近でその操作部62を進行方向に対して進み側に倒して背凭れ4に設けた差し込み部Xに差し込んでおくことができるものである。 【0020】このような取付構造であれば、図7に示すように、ファスナ6の操作部62を差し込み部X内に安定に隠蔽、保持することができ、図8に示すように背凭れ4に水平方向に横たわる下縁4eから垂れ下がって外部から視認されることを有効に防止することができる。このため、安価で取り付け状態の良好となるスライド式のファスナ6を使用して、被覆部材5をその開口縁5eを背凭れ4の下縁4e近傍に位置させて取り付けても、被覆部材5によって背凭れ4を着脱可能な状態で好適に隠蔽して外観を向上させることができる。また、このように操作部62が隠蔽されることで、使用者の体が不慮に触れてファスナ6が緩んだり、子供などが悪戯で操作部62を操作すること等も防止して取付状態に確実性を期することができる。更に、操作部62にロック機能を有する高価なものを用いたり、被覆部材5の開口縁5eを重合させる必要がないので、椅子のコスト削減に有効に寄与し得るものとなる。 【0021】特に、この実施例では、後支柱22と干渉しないように、被覆部材5が、開口縁5eをその後支柱22を避けた位置に一対に設けたファスナ6によって閉止されるようにしているが、その後支柱22の近傍に共通の差し込み部Xを設け、両ファスナ6の操作部62を互いに相寄る方向へスライドさせて、そのスライド終端付近で各操作部62を前記差し込み部Xに共に差し込めるようにしているため、左右のファスナ6の操作部62を両手で摘んで図4→図5→図6に示すように中央まで引き寄せ、差し込み部Xに差し込めば作業が完了し、片手で背凭れ4や張地5の適宜位置を支えながら操作するといった不便さが伴わないばかりか、両ファスナ6の閉止操作を一挙に完了することができるため、作業性を良好にすることができるという効果が奏される。このような効果は、ファスナ6の操作部62を開方向に操作する際にも全く同様に得られるものである。 【0022】特に、背凭れ4に、側縁72aを開放した状態でベルト部材7を取り付け、その側縁72aに開口するベルト部材7と背凭れ4との隙間を前記差し込み部Xとしているため、各ファスナ6ごとに差し込み部を構成する必要がなく、この点でも椅子のコストダウンに貢献し得るものとなる。 【0023】本実施例は、以上のような構成であるから、上記椅子本体C以外にも被覆部材の開口縁からファスナが垂れ下がり易い種々の背凭れ付き家具に適用して有用なものとなる。 【0024】なお、各部の具体的な構成は、図示実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。 【0025】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0026】すなわち、本発明に係る被覆部材の取付構造は、被覆部材を家具本体の所要箇所に被せ、スライド式のファスナによってその開口縁を閉止するに際して、ファスナの操作部をスライド終端付近で差し込むことのできる差し込み部を家具本体側に設けるようにしたものである。このため、安価で取り付け状態の良好なスライドファスナの特性を損なうことなく、操作部を好適に隠蔽して家具本体の外観の棄損を防ぎ、また不慮に外れることを防止して管理の便を向上させることが可能となる。 【0027】特に、このような効果は、被覆部材が、開口縁を家具本体の下向面近傍に位置させて取り付けられる背凭れ付き椅子などにおいて顕著なものとなる。 【0028】被覆部材が、中央にファスナと干渉する部材が存在するため開口縁をその部材を避けて一対のファスナによって分割して閉止しなければならないといった事情がある場合に、両ファスナの操作部のスライド終端付近である前記部材付近に共通の差し込み部を設け、互いに相寄る方向へスライドさせた各操作部を前記差し込み部に共に差し込めるようにしておけば、操作部の部品点数が僅かに増えることは否めないものの、ファスナの開閉操作が簡単となり、作業効率を有効に向上させることができる。 【0029】家具本体に、側縁を開放した状態でベルト部材を取り付け、その側縁に開口するベルト部材と家具本体との隙間を前記差し込み部としておけば、特に上記のような分割構造において差し込み部を共用することによるコストダウン等を図ることができる。 【0030】本発明は、以上のような構成であるから、家具本体が背凭れを備えたものであり、その背凭れに被覆部材を取り付けるようにしているもの、例えば背凭れ付きの椅子本体等に適用して極めて有用な効果を奏するものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001351 【氏名又は名称】コクヨ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085338 【弁理士】 【氏名又は名称】赤澤 一博
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| 【公開番号】 |
特開2001−204591(P2001−204591A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月31日(2001.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−19481(P2000−19481) |
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