トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 クッションパッドおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】三上 龍一

【氏名】加藤 良

【要約】 【課題】クッションパッドの裏面を形成する補強材から漏れ出たクッション材と座席を構成する金属フレーム本体との接触による異音を解消しうるクッションパッドを提供すること。さらに、簡易な操作により前記クッションパッドを製造する方法を提供すること。

【解決手段】クッションパッドの裏面全面にクッション材とともに一体化された補強層が形成されていることを特徴とするクッションパッドを、クッションパッドを成形する所定金型のクッションパッド裏面形成面に、繊維状物およびバインダーを含有してなる補強層形成材を塗布した後、前記所定の金型に発泡材を注入して発泡させて、クッション材となる発泡層と補強層を一体化することを特徴とするクッションパッドの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クッションパッドの裏面全面にクッション材とともに一体化された補強層が形成されていることを特徴とするクッションパッド。
【請求項2】 クッションパッドを成形する所定金型のクッションパッド裏面形成面に、繊維状物およびバインダーを含有してなる補強層形成材を塗布した後、前記所定の金型に発泡材を注入して発泡させて、クッション材となる発泡層と補強層を一体化することを特徴とするクッションパッドの製造方法。
【請求項3】 補強層形成材の繊維状物が、線径2d以上の化学繊維および/または天然繊維である請求項2の製造方法。
【請求項4】 補強層形成材のバインダーが、合成樹脂接着剤である請求項2または3記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクッションパッドおよびその製造方法に関する。詳しくは、本発明のクッションパッドは、バネ受けタイプの金属フレームと組み合わせて使用される座席用クッションパッドに特に有用であり、各種自動車、鉄道車両用等の乗物や家具等に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来より、バネ受けタイプのクッションパッドには、座り心地の改善、クッション材の補強、さらにはクッション材とバネ等との接触による異音の防止等の目的で、その裏面に寒冷沙、プレスフェルト、粗毛フェルト(粗毛布)、不織布等の補強材が補強層としてクッション材と一体化されている。かかる補強層を発泡材と一体化させるにあたっては、まず補強材を所定金型のクッションパッド裏面形成面の形状に合致するように型抜き、縫製等を行い、次いで当該補強材に装着穴を設け、当該装着穴と、所定金型の裏面形成面に設けた補強材装着ピンが合致するように補強材を所定金型の裏面形成面に装着した後に、所定金型内に発泡材を注入して発泡させる方法が一般的である。
【0003】しかし、前記方法では、発泡材を発泡させる際に、補強材に設けた装着穴から発泡材が一部沁み出して発泡するため、クッションパッドの裏面を形成する補強材の装着穴付近にはクッション材(発泡体)のみの部分が現れる。また、所定金型は、通常、平面でなく凹凸があるため、金型に強材を装着する際に補強材がシワ状となって隙間が生じ、その隙間から発泡材が一部沁み出して発泡することによってもクッションパッドの裏面にはクッション材のみの部分が現れる。また、金型の形状と補強材の形状の追従が悪い場合には、金型と補強材の隙間に発泡材が入り込み、クッションパッド裏面の補強材の縁部に発泡したクッション材が漏れ出る。
【0004】このようにクッションパッド裏面にクッション材のみの部分を有するクッションパッドは、これを、座席を構成するバネ受けタイプの金属フレームに適用すると、クッション材とフレーム本体のバネ等とが直接接触してしまうため、クッションパッド裏面に補強材を一体化させていても、クッション材とフレーム本体のバネ等との接触による異音の発生を完全には解消することはできていない。
【0005】また、補強材を所定金型のクッションパッド裏面形成面の形状に合致するように、それぞれに応じた型抜き、縫製等を行うのは非常に煩雑であった。
【0006】また、特開平6−31062号公報には、繊維集合体をクッションパッドの裏面形成面となる所定金型に積層・載置し、さらに裏面に対応した形状とした後に、熱処理して繊維集合体を溶融することによりクッションパッドの裏面に補強層を形成することが提案されている。しかし、この方法によっても、クッションパッドの裏面に現れるクッション材の漏れが全くなくなるわけではなく、その製造工程も複数の工程を経て実施されるため非常に煩雑であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、クッションパッドの裏面を形成する補強材から漏れ出たクッション材と座席を構成する金属フレーム本体との接触による異音を解消しうるクッションパッドを提供することにある。さらに本発明は、簡易な操作により前記クッションパッドを製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下に示す構造のクッションパッドとすることにより前記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、クッションパッドの裏面全面にクッション材とともに一体化された補強層が形成されていることを特徴とするクッションパッド、に関する。
【0010】本発明のクッションパッドは、その裏面の全面が補強層により覆われているため、これを座席を構成する金属フレーム本体と組み合わせても、クッション材と金属フレームが、接触することはないため、当該接触により異音が発生することはない。また、補強層は、座り心地、パッドの補強等の基本的な効果は従来同様に有している。
【0011】さらに、本発明は、クッションパッドを成形する所定金型のクッションパッド裏面形成面に、繊維状物およびバインダーを含有してなる補強層形成材を塗布した後、前記所定の金型に発泡材を注入して発泡させて、クッション材となる発泡層と補強層を一体化することを特徴とするクッションパッドの製造方法、に関する。
【0012】かかる製造方法によれば、前記クッションパッドを容易に実現でき、金属フレームのバネ等との接触により発生する異音を解消できる。得られたクッションパッドは、補強層形成材によりクッションパッドの裏面全面が覆われているため、補強材の装着ミスや金型と補強材の隙間からのクッション材のはみ出しがない。
【0013】また、かかる製造方法によれば、補強層が補強層形成材を塗布することにより形成されるため、クッションパッド裏面形成面に合わせて補強材を個別に型抜き、縫製等を行う必要がなく操作が容易である。また、設計、試作を繰り返す必要がなく、開発に費やす時間を短縮できる。たとえば、従来、補強材の形状は、クッションパッド裏面に応じて設計と試作を繰り返して作製していたが、本発明の製造方法によれば、生産ライン上で、補強材の形状に応じてティーチングを適宜に変えることにより、設計を容易に変更できる。
【0014】また補強層が補強層形成材を塗布することにより形成されるため、型抜き等では再現が難しいような、凹凸等を有する形状的に複雑な部分についても、ムラなく、容易に補強層を形成できる。
【0015】さらには、補強層を補強層形成材を塗布することにより形成するため、限られたタクト内での補強材の装着が不要になり、作業環境が向上する。
【0016】前記補強層形成材に用いられる繊維状物としては、線径2d以上の化学繊維および/または天然繊維が好ましい。これら繊維状物は、座り心地、パッドの補強等の補強層形成に有効である。
【0017】また補強層形成材に用いられるバインダーとしては、合成樹脂接着剤が好ましい。これらバインダーは速乾性バインダーであり、生産性がよい。
【0018】
【発明の実施の形態】所定金型のクッションパッド裏面形成面に塗布する補強層形成材は、繊維状物およびバインダーを含有してなる。繊維状物およびバインダーは、従来より補強材として用いられている不織布等の原材料を使用できる。
【0019】繊維状物としては、レーヨン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の化学繊維や、綿、パーム材等の天然素材があげられる。
【0020】また、バインダーとしては特に制限はないが、たとえば、合成樹脂接着剤として、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム等のゴム系バインダー等があげられる。
【0021】これらバインダーは熱融着させてもよく、溶液またはエマルジョンであってもよい。これらのなかでも、第四石油類を溶剤として用いる速乾燥性バインダーが好ましい。繊維状物およびバインダーの使用量は、補強層が不織布等と同様な状態になるような割合で適宜に調整できる。
【0022】所定金型のクッションパッド裏面形成面への補強層形成材の塗布方法は特に制限されず、各種方法を採用できるが、エアーガン、スプレーガン等の連続噴射ができるものが好ましい。これらの方法を用い、自動制御により任意の部所へ補強層形成材を塗布する。塗布により所定金型クッションパッド裏面形成面に補強層となる塗膜が形成される。
【0023】前記塗膜形成の条件は特に制限されないが、30〜70℃程度で、30〜300秒程度の処理を行うのが好ましい。
【0024】補強層形成材を所定金型のクッションパッド裏面形成面に塗布した後は、次いで、所定の金型に発泡材を注入して発泡させて、クッション材となる発泡層と補強層を一体成形する。
【0025】発泡材としては、所望するクッション材に応じて各種クッションパッドに用いられているものを適宜に選択して使用することができる。発泡材としては、たとえば、ポリウレタンフォームの配合原料となるものがあげられる。具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等の高分子ポリオールとトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート等に、さらに発泡剤、整泡剤等の添加剤を含むものがあげられる。
【0026】所定の金型は、クッションパッドに合わせたものを使用できる。通常、上型と下型からなるものを合わせ、それに発泡材を注入し、発泡させる。補強層の形成は上型または下型のいずれか行い、これをクッションパッドの裏面形成面とする。
【0027】発泡条件は特に制限されないが、各種発泡材の種類に応じて決定できるが、通常、30〜100℃程度で、7〜10分程度である。
【0028】発泡後に、脱型して得られるクッションパッドは、発泡層となるクッション材とともに一体化された補強層が裏面全面に形成されている。
【0029】
【実施例】以下、更に本発明の詳細を実施例をまじえて説明するが、本発明は各実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1ポリプロピレン(繊維状物)とアクリル系樹脂(バインダー)を含有する補強層形成材(第四石油類の溶液)を、クッションパッドを成形する所定金型の上型(または下型)に、スプレーガンにより、塗布したのち、65℃で60秒間乾燥して上型(または下型)上に補強層を形成した。次いで、下型(または上型)にウレタンフォーム配合原料(ポリマーポリオールとトリレンジイソシアネート)を所定量に注入し、蓋締めを行った後、65℃で7分間キュアーしてから脱型してクッションパッド裏面に補強層が一体化された本発明のクッションパッドを作製した。
【0031】比較例1補強材として不織布(タフネルTST545・三井石油化学製)を用い、上型(または下型)の装着ピンに装着し補強層を形成した。次いで、実施例1と同様にしてクッションパッドを作製した。
【0032】上記、実施例、比較例にて作製した各座席用クッションパッドについて、以下の評価を行った。
【0033】異音の発生:組付けテストによる異音の発生を確認した。比較例では異音の発生が認められたが、実施例では異音の発生はなかった。その他、実施例では製品形状の再現性が実施例は良好であった。
【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【代理人】 【識別番号】100092266
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇生 (外4名)
【公開番号】 特開2001−190365(P2001−190365A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−5141(P2000−5141)