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【発明の名称】 配線保持装置
【発明者】 【氏名】高嶋 茂行

【氏名】寺口 豪

【要約】 【課題】サーバラック等の家具に縦横に配線でき、かつその配線自由度を大きくできるようにする。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】横架材に取り付けられてケーブル類を保持するものであって、横方向に延びるケーブル類を保持してその落下を防止する落下防止部と、縦方向に延びるケーブル類を保持してその横方向及び前記横架材から離間する方向への移動を規制する横ぶれ防止部と、前記横架材に取り付けるための取付部とを具備し、この横架材に前記取付部を介してその長手方向に沿って位置変更可能に取り付けられていることを特徴とする配線保持装置。
【請求項2】横架材がその長手方向に沿って延びる取付溝を具備しているものであって、取付部をこの取付溝にスライド自在に係り合うものとして、横架材に対する取付位置を無段階に変えることができるように構成している請求項1記載の配線保持装置。
【請求項3】横架材がその長手方向に沿って間欠的に設けた複数の取付凹部を具備しているものであって、取付部をこの取付凹部のいずれかに選択的に嵌まり込むものとして、横架材に対する取付位置を段階的に変えることができるように構成している請求項1記載の配線保持装置。
【請求項4】線条体を屈曲又は湾曲させて落下防止部、横ぶれ防止部、及び取付部を一体に形成してなる請求項1、2または3記載の配線保持装置。
【請求項5】横架材から離れるように略水平方向に延びる一対の水平線条体と、各水平線条体の先端から曲がって上方に延びる一対の起立線条体と、前記各起立線条体の上端部間に架け渡された連結線条体とを少なくとも具備し、落下防止部を、前記一対の水平線条体と前記一対の起立線条体とから構成するとともに、横ぶれ防止部を、前記一対の水平線条体と前記一対の起立線条体と前記連結線条体とから構成している請求項4記載の配線保持装置。
【請求項6】横架材が、対向する起立壁を有し、一方の起立壁の中央にその長手方向に沿って帯状の切り欠き部を貫通させることにより取付溝を形成してなるものにおいて、取付部を、前記水平線条体の基端から下方に屈曲させ、前記起立壁間の下部に嵌め込んだ垂下線条体と、この垂下線条体の下端から側方に曲げて上方に延ばし、上端部を前記起立壁間の上部に嵌め込んだ上昇線条体とを具備するものとし、前記水平線条体を前記切り欠き部から突出させて前記横架材に係り合うようにしている請求項5記載の配線保持装置。
【請求項7】ラックを構成しその背面に設けられた横架材に取り付けられるものである請求項1、2、3、4、5または6記載の配線保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線の引き回し等に好適に利用可能な配線保持装置に関するものであり、特に横架材に取り付けられるものに関する。
【0002】
【従来の技術】近時におけるコンピュータの急速な普及に伴って、その配線を好適に引き回し処理するために様々な工夫が凝らされている。例えば、上下に並ぶ複数の棚や天板を具備し、これら棚等にコンピュータやディスプレイを多数配置して用いるようなサーバラックにおいては、その配線量も膨大なものとなるため、その背面に設けた横架材や左右の支柱に沿って配線保持空間を設けるなどして、配線を引き回すことができるようにし、配線の便を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したような従来の配線保持空間は固定されたものであるため、配線引き回しの変更やコンピュータ等の移動に柔軟に対応することが難しい。また、この種のラックにおいて、横架材は通常複数設けられていて横配線についてはかなりの配線自由度があるものの、縦配線について言えば、左右の支柱にのみ頼ることとなるため、配線自由度が小さく、効率的な配線が難しいという難点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の不具合を解消するために、本発明にかかる配線保持装置は、横方向及び縦方向に延びるいずれの配線も保持でき、なおかつ横架材に位置変更可能に取り付けられるように構成したものであって、ラック等の家具に縦横に配線でき、かつその配線自由度を大きくできるようにすることを主たる目的としている。
【0005】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明に係る配線保持装置は、横架材に取り付けられてケーブル類を保持するものであって、横方向に延びるケーブル類を保持してその落下を防止する落下防止部と、縦方向に延びるケーブル類を保持してその横方向及び前記横架材から離間する方向への移動を規制する横ぶれ防止部と、前記横架材に取り付けるための取付部とを具備し、横架材に前記取付部を介してその長手方向に沿って位置変更可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0006】このようなものであれば、縦または横に延びるケーブル類のいずれも保持させることができるので効率の良い配線を実現することができる。また、横架材に沿って位置変更可能であるため、特に縦に延びるケーブル類の配置位置を自在に変えることができる。したがってコンピュータ等の電気機器の移動に柔軟に対応して、配線の引き回し状態を変化させ、最適な状態にすることが容易にできる。
【0007】無段階に横架材に対する取付位置を変えることのできる具体的実施態様としては、横架材に、その長手方向に沿って延びる取付溝を設けておき、取付部をこの取付溝にスライド自在に係り合うように構成したものが挙げられる。一方、段階的に横架材に対する取付位置を変えることのできる具体的実施態様としては、横架材にその長手方向に沿って間欠的に複数の取付凹部を設けておき、取付部をこの取付凹部のいずれかに選択的に嵌まり込むように構成したものが挙げられる。
【0008】製造が簡単でコスト的にも有利なものとするためには、線条体を屈曲又は湾曲させて落下防止部、横ぶれ防止部、及び取付部を一体に形成してなるものが好ましい。落下防止部と横ぶれ防止部とを一体に設け各部の構成要素をできるだけ兼用するようにして部材削減と構造簡単化を図るには、横架材側面から離れるように略水平方向に延びる一対の水平線条体と、各水平線条体の先端から曲がって上方に延びる一対の起立線条体と、前記各起立線条体の上端部間に架け渡された連結線条体とを少なくとも具備し、落下防止部を、前記一対の水平線条体及び前記一対の起立線条体から構成するとともに、横ぶれ防止部を、前記一対の水平線条体、前記一対の起立線条体及び前記連結線条体から構成しているものが望ましい。
【0009】横架材が、対向する起立壁を有し、一方の起立壁の中央にその長手方向に沿って帯状の切り欠き部を貫通させることにより取付溝を形成してなるものにおいて、横架材の奥行き方向の厚みを小さくすることができるようにするためには、取付部を、前記水平線条体の基端から屈曲させて下方に延ばした垂下線条体と、この垂下線条体の下端から側方に曲げて上方に延ばした上昇線条体とを具備するものとし、前記水平線条体を前記切り欠き部から突出させるとともに、前記垂下線条体を一方の起立壁の下部と他方の起立壁との間に嵌め入れ、前記上昇線条体を一方の起立壁の上部と他方の起立壁との間に嵌め入れて該横架材に係り合うようにしているものが好適である。
【0010】本発明の効果が極めて顕著に奏される実施態様としては、ラックを構成しその背面に設けられた横架材に取り付けられるものを挙げることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。図1、図2は、本実施例を適用した支柱付家具たるサーバラック100を示している。このサーバラック100は、サーバコンピュータやそれに付随するディスプレイ、あるいはキーボード等を複数収容するためのものであって、左右一対の側部支持体101を、その後端部において横架材3により連結して自立性を持たせたうえで、これら側部支持体101間に天板104や上棚105を設けてなるものである。そして、必要に応じて中間棚106や配線ダクト107等も取り付けられるよう構成してある。
【0012】具体的に説明すると、側部支持体101は、主として板金素材を塑性変形加工してなる支柱1と、この支柱1の下端を支持するベース2とからなるもので、床上に対をなして対向配置される。この支柱1は、その外側面を形成し内方に開口する薄肉の化粧材11と、その内側面を形成し外方に開口する厚肉の強度材12とを溶接してなる中空のもので、その上端面には樹脂製のキャップ13が被覆してある。
【0013】横架材3は、角パイプの後起立壁34の中央に、その長手方向に沿って延びる帯状の切り欠き部を設けて取付溝31を形成してなるチャネル状のもので、本実施例では上棚105、中間棚106、天板104の略後方に位置する3本と、さらにその下方に1本の計4本が上下に並ぶように前記支柱1の後端部間に横架させてある。なお、強度上の都合から、下から2本の横架材3は、その対応する端部同士をそれぞれ縦連結材109で連結してあり、正面視口の字型の枠体102を形成している。
【0014】しかして、支柱1の内側面後端寄りには、前記強度材12を一部屈曲させることにより、上端部から下端部に亘って連続して上下に延びる第1の溝M1が形成してある。この第1の溝M1を形成する前壁には、横長のスリット孔14が所定ピッチで上下に設けられている。前記横架材3は、その両端部に設けた図示しないフック爪をこれらスリット孔14に係り合わせた後、補助金具108を利用することにより、ねじ止めすることなく支柱1に強固に取り付けられている。
【0015】しかして、本実施例では、縦横に延びるケーブル類CL2、CL1のいずれをも保持できる配線保持装置4を、前記横架材3にスライド自在に取り付けている。この配線保持装置4は、金属製の線条体を屈曲又は湾曲させて一体に形成してなるものであって、横架材3の後起立壁34から後方に離れるように延びる一対の水平線条体44と、各水平線条体44の先端から直交するように曲がって上方に延びる一対の起立線条体45と、各起立線条体45の上端間に架け渡された連結線条体46と、各水平線条体44の基端から直交するように曲がって下方に延びる一対の垂下線条体47と、各垂下線条体47の下端から外側方に曲がって上方に延びる一対の上昇線条体48とを具備するものである。
【0016】そしてこのうち、一対の水平線条体44及び一対の起立線条体45が、落下防止部41を形成する。この落下防止部41は、横架材3と協働して横方向に延びるケーブル類CL1を保持し、その落下防止を行うものである。また、前記一対の水平線条体44、一対の起立線条体45、及び連結線条体46が、横ぶれ防止部42を形成する。この横ぶれ防止部42は、横架材3とともに平面視閉じた矩形枠を形成し、縦方向に延びるケーブル類CL2を周囲から囲い込んで水平方向への移動を規制するものである。
【0017】一方、垂下線条体47及び上昇線条体48は、この配線保持装置4を横架材3に取り付けるための取付部43を構成する。具体的には、垂下線条体47が、取付溝31を構成する下起立壁32と他方の起立壁35との間に嵌まり込むとともに、上昇線条体48が横架材3の上起立壁33と他方の起立壁35との間に嵌まり込んで、横架材3に対しその長手方向に沿ってスライド移動自在に係り合う。なお本実施例では、上昇線条体48を、その上端に後方に向かって曲げ延びる延長体49を設けてなるものとしている。したがって、水平線条体44等が下方に倒れ込もうとする力により、この延長体49の先端が上起立壁33の内面に当たるとともに、垂下線条体47の下端部が他方の起立壁35の内面に当たって、この配線保持装置4が横架材3に保持される。しかして、この延長体49の長さ寸法を、取付溝31の深さ寸法と略等しくすることによって、上昇線条体48が他方の起立壁35の内面に略沿った鉛直姿勢となり、水平線条体44が略水平に延びるように構成してある。
【0018】本実施例では、このような配線保持装置4を、上2本の横架材3にそれぞれ複数取り付け、下の2本の横架材3には配線ダクト107を取り付けている。かかる構成の配線保持装置4によれば、縦及び横に延びるケーブルCL2、CL1のいずれも保持することができるので、これを用いることにより、例えば図9に示すように、ラック背面に縦横に交差する極めて効率の良い配線を実現することができる。また、横架材3に沿って位置変更可能であるため、特に縦に延びるケーブルCL2の配置位置を自在に変えることができる。したがってコンピュータやディスプレイに代表される電気機器PCの移動や撤去、増設等に柔軟に対応して、配線の引き回し状態を変化させ、最適な配線状態を実現することが容易にできる。
【0019】さらに、この配線保持装置4は、ケーブル類CL1、CL2の引き回しに関して、その他に種々の使い方を提供できる。その一例を示せば、図9に示すように、左右一対の配線保持装置4間にケーブルCL1を巻き付けループ部Rを形成して、その余剰分を吸収することができる。特に本実施例のものは左右にスライド可能であるため、余剰長さに応じて配線保持装置4間の距離を最適なものに変化させて、この巻き付けたケーブルCL1が、だらしなく垂れ下がったりすることを防止できる。
【0020】加えて、この配線保持装置4の取付部43が、垂下線条体47の先端を側方、すなわち横架材3の長手方向に沿って曲げ、上向きにして上昇線条体48を形成してなるものであるため、例えば垂下線条体47の先端部を、奥行き方向に沿って曲げたものと比べ、この取付部43の奥行き方向の寸法を、垂下線条体47と上昇線条体48との曲げ代に拘わらずその直径程度にまで小さくすることができる。したがって、この取付部43に係り合う横架材3の奥行き寸法を可及的に小さくすることができ、その設計自由度を拡大することができる。
【0021】なお、各部の具体的な構成は、上述した実施例のみに限定されるものではない。例えば、本発明はサーバラックに限られるものではなく、デスク等の横架材を具備する家具に適用して同様の効果を奏し得る。また、配線保持装置は、金属線条体を素材とするものに限らず、樹脂成形品を用いるなどしてもよい。さらにその形状についても、例えば上記実施例においては、一対の水平線条体44及び一対の起立線条体45をそれぞれ所定距離離間させて互いに平行をなすように構成していたが、これらを、平行をなさず、例えばハの字状に広がるように構成してもよい。また、上昇線条体を、垂下線条体から内側方に曲がるようなものとしても構わない。
【0022】加えて、横架材に所定間隔で孔等の取付凹部を複数設ける一方、配線保持装置にはこの孔に嵌まり込む取付部を設けて、その位置を段階的に変え得るようにすることも考えられる。その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明に係る配線保持装置は、縦及び横に延びるケーブル類のいずれも保持することができるので、これを用いて効率の良い配線を実現することができる。また、横架材に沿って位置変更可能であるため、特に縦に延びるケーブル類の配置位置を自在に変えることができる。したがってコンピュータ等に代表される電気機器の移動等に柔軟に対応して、配線の引き回し状態を変化させ、最適な状態にすることが容易にできる。
【0024】横架材がその長手方向に沿って延びる取付溝を具備するものであって、取付部がこの取付溝にスライド自在に係り合うものであれば、無段階に取付位置を変更できる。また横架材が間欠的に設けた複数の取付凹部を具備しているものであって、取付部がこの取付凹部のいずれかに選択的に嵌まり込むものであれば、段階的に取付位置を変更でき、その位置での確実な固定が図れる。
【0025】線条体を屈曲又は湾曲させて一体に形成してなるものであれば、製造が簡単でコスト的にも負担の少ないものとすることができる。横架材から離れるように略水平方向に延びる一対の水平線条体と、各水平線条体の先端から曲がって上方に延びる一対の起立線条体と、前記各起立線条体の上端部間に架け渡された連結線条体とを少なくとも具備し、落下防止部を、前記一対の水平線条体及び前記一対の起立線条体から構成するとともに、横ぶれ防止部を、前記一対の水平線条体、前記一対の起立線条体及び前記連結線条体から構成しているものであれば、落下防止部と横ぶれ防止部との構成要素を兼用できるので、部材削減と構造簡単化を図ることができる横架材が、対向する起立壁を有し、一方の起立壁の中央にその長手方向に沿って帯状の切り欠き部を貫通させることにより取付溝を形成してなるものにおいて、取付部を、前記水平線条体の基端から下方に屈曲させ、前記起立壁間の下部に嵌め込んだ垂下線条体と、この垂下線条体の下端から側方に曲げて上方に延ばし、前記起立壁間の上部に嵌め込んだ上昇線条体とを具備するものとし、前記水平線条体を前記切り欠き部から突出させて前記横架材に係り合うようにしているものであれば、上昇線条体が垂下線条体から側方に曲げて上方に延ばしたものであるため、取付部の奥行き方向の厚みをその曲げ代に拘わらず線条体の径と略同一にできる。したがってこの取付部が挿入される横架材の奥行き方向の厚みを可及的に小さくできる。
【0026】横架材が、ラックの構成要素であり、その背面に設けられたものであれば、本発明の効果を極めて顕著に奏させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【識別番号】000162054
【氏名又は名称】共栄工業株式会社
【出願日】 平成11年10月4日(1999.10.4)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
【公開番号】 特開2001−104072(P2001−104072A)
【公開日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【出願番号】 特願平11−283598