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【発明の名称】 クリーム押出容器
【発明者】 【氏名】矢部 功

【要約】 【課題】部品点数が少なく、製造が容易で異形の外観デザイン適用でき、且つ衛生的で実用的なクリーム押出容器を廉価に提供する。

【解決手段】容器本体2内に中心Pの軸心方向に導通する中空部43を有する螺軸42と容器本体2の内壁面21と摺動する押出盤5とを螺貫して設けるとともに、螺軸42の上方に操作部40を備えた回転部材4を容器本体2に固設された固定枠6に回転可能に設けるとともに、裏面にパッキン32を配設した外蓋3を取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外蓋と容器本体とからなり、該容器本体内に軸心方向に導通する中空部を有し、外周面に螺条を形成した螺軸と該螺軸に前記容器本体の内壁面と摺接する外形を有し、該内壁面を摺動する押出盤を螺貫して設けるとともに、前記螺軸の上方に操作部を備えた回転部材を前記容器本体に固設した固定枠に回転可能に設けたことを特徴とするクリーム押出容器。
【請求項2】 前記容器本体の内壁形状を断面視円形とし、該円形の中心と離れた位置に前記回転部材の回転中心を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクリーム押出容器。
【請求項3】 前記容器本体の内壁形状を断面視異形とし、該異形の内壁面と摺接する外形を有し、該内壁面を摺動する押出盤を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクリーム押出容器。
【請求項4】 前記回転部材の前記操作部と前記固定枠との取付け部において前記操作部と前記固定枠が相互に係止するとともに前記回転部材が一方向にのみ回転可能な逆転防止構造としたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のクリーム押出容器。
【請求項5】 前記螺軸に形成された前記中空部の底面に突起を設け、該突起近傍の周壁に吸入口を穿孔し、該吸入口と軸心方向に対向して導通する前記中空部の開口を吐出口としたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のクリーム押出容器。
【請求項6】 前記外蓋の裏面にリング状のパッキンを配設して、前記容器本体に前記外蓋を取り付けた状態で前記吐出口の周辺部を密封するとともに前記吐出口を凹形状としたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のクリーム押出容器。
【請求項7】 前記容器本体内の底面に凹凸形状のいずれか一方を形成するとともに該凹凸形状のいずれか一方と前記回転部材の前記螺軸下端が軸支されていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のクリーム押出容器。
【請求項8】 前記螺軸と前記操作部からなる前記回転部材を合成樹脂からなる部材で一体成形により形成したことを特徴とする請求項1から請求項4に記載のクリーム押出容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧品や医薬品及び食用品等に使用されるクリーム、軟膏、ゲル等を衛生的に適量を取り出すことができるクリーム押出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に化粧品や医薬品及び食用品等に使用されるクリーム、軟膏、ゲル状の内容物を収納するものとして開閉可能な外蓋を備えた広口びん状容器が広く知られている。
【0003】しかしながら、従来一般の広口びん状の容器では、使用者が容器内の内容物(以下、クリームと言う。)を指先で掬うように取り出して使用するも多量に取り出してクリームが残った場合、ティシュ等で拭き取って無駄となっていた。また、残ったクリームを容器内に戻すこともあり、その際、指先に付着した雑菌も一緒に混入して非衛生的でもあった。さらに、容器が広口になっているため使用時にクリームが空気に触れる面積が大きくなり、空気の酸化等によって劣化して、その効果が低下する等の欠点があった。
【0004】しかし、近年、回転操作により容器内のクリームを適量取り出すことができるクリーム押出容器が種々登場した。そうしたクリーム押出容器の中で本発明に最も近いと思われる従来例1を図10乃至図12を用いて説明する。図10は、従来のクリーム押出容器の外蓋を外した状態を示す中央縦断面図、図11は、同図10におけるZ矢視図、図12は、同図10におけるB−B線に沿う断面図である。
【0005】図10に示すように従来例1のクリーム押出容器201は、円筒状の容器本体202と外蓋203とからなり、互いに螺合する雌雄の螺条により着脱可能に締結される。また、容器本体202の内壁上方には、溝202aが周設されている。そして、回転部材204を構成する回転盤205の外周縁205aが回転可能に溝202aに嵌合されている。また、回転盤205の上方には、回転操作のための操作ツマミ206が突設されている。
【0006】また、回転盤205の中央下方には、螺条を形成した螺軸207が垂設されている。さらに、螺軸207には、押出板208が螺条孔208aを螺貫して取り付けられている。そして回転部材204と押出盤208により形成された内部空間が収納部209を成し、該収納部209にクリームCが充填されている。
【0007】また、図11に示すように回転盤205には、クリームCが吐出される吐出口210が穿孔されている。さらに、図12に示すように容器本体202の内壁には、押出盤208の回転を防ぐ回止キー202kが軸心方向に突設されている。回止キー202kは、押出盤208の外端に切り欠かれた凹部208aに掛止されている。
【0008】上記の如く構成された従来例1のクリーム押出容器201は、下記の如く使用される。外蓋203を容器本体202から取り外して後、回転盤205の操作ツマミ206を指で摘み、予め設定された回転方向に回転させると回転盤205とともに螺軸207が回転する。そして、螺軸207の回転力が押出盤208の螺条孔208aに伝達し、押出盤208を回転しようとするも、凹部208aに掛止されたキー202kによって、回転が阻止される。しかし、該阻止力に抗して回転盤205をさらに回転させると該回転力が直線運動に変換されて押圧盤207は、上昇する。この際、螺軸207と押出盤208の螺条孔208aの螺条とは、螺軸207の正転に対して押出盤208が上昇するように形成されている。
【0009】そして、回転部材204の回転操作により、上昇する押出盤208は、収納部209に充填されたクリームCを押圧する。そして押圧されたクリームCは、回転盤205の吐出口210より、容器外に吐出される。また、吐出されるクリームCの吐出量は、回転盤205の操作ツマミ206の回転量を変えることにより、使用者が必要とする任意の量を吐出できる。
【0010】また、他の従来例として特開平1−256910号公報(出願人:ドリト・ショムロン)に開示されたものがある。該公報に記載された図1及び図2をそれぞれ従来例2及び従来例3とする。従来例2の構成は、上記公報に記載の如くであるが、()内に上記公報に記載の符号の説明を付して要約するならば、円筒形の容器本体(びん11)の内壁に螺条(ねじ山13)を形成し、螺条(ねじ山13)と螺合する螺条(ねじ山15)を外周に形成した押出盤を兼ねた回転部材(円形板14)に操作ツマミ(部材16、17)を突設し、操作ツマミ(部材16、17)を回転することにより回転部材(円形板14)が下降を始め、容器本体(びん11)内と回転部材(円形板14)とにより形成される空間に収納されたクリーム(クリーム19)を押圧して吐出口(穴18)から押し出される。
【0011】同様に、従来例3のクリーム押出容器(容器)の構成は、容器本体(下部31)内に円筒形の固定部材(円筒形スリーブ35)を螺着し、固定部材(円筒形スリーブ35)に形成された螺条と外蓋(上部32)とが、互いの螺条(ねじ山33)により取り外し可能に締結される。
【0012】また、逆カップ形状をした回転部材(部材34)が固定部材(円筒形スリーブ35)を螺貫して回転可能に保持されている。回転部材(部材34)は、押出盤(底部材37)と螺条(ねじ山38)により互いに螺回可能に螺合される。押出盤(底部材37)と容器本体(下部31)とは、ばねからなる弾性部材(ばね39)を介して互いに結合されている。また、回転部材(部材34)の中心には、吐出口(穴40)が穿孔されている。さらに回転させるための操作部は、回転部材(部材34)の上面に凹部(図示せず)または、突起(図示せず)が形成されている。
【0013】また、回転部材(部材34)を回転させることにより、弾性部材(ばね39)に付勢されながら結合している押出盤(底部材37)の螺条(ねじ山38)が螺回して上昇を始める。そして、回転部材(部材34)と押出盤(底部材37)とにより形成される空間(内部の空間41)に収納されたクリームが押圧されて吐出口(穴40)から押し出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例1乃至従来例3のクリーム押出容器にあっては、下記の如く欠点を有していた。従来例1のクリーム押出容器201は、クリームCを取り出す際、吐出口210が、操作ツマミ206とともに回転するため吐出量を把握しづらく、回転操作中に手に付着する等その実用性は、極めて低い。また、容器本体202の内壁に回止キー202kを突設するため、製造が難しくコストが高くなる等の欠点を有していた。
【0015】従来例2のクリーム押出容器は、回転部材(円形板14)を回転させて、クリーム(クリーム19)を取り出すが、該クリーム(クリーム19)の残量が少なくなった場合に、回転部材(円形板14)が容器本体(びん11)の底部まで下降するため、操作ツマミ(部材16,17)を掴みにくくなり、実用的でなかった。また、容器本体(びん11)内壁に螺条(ねじ山13)を形成するため、容器本体(びん11)の形状が円形以外の形状が適用できず、外観デザインが制約されていた。
【0016】従来例3のクリーム押出容器は、工場等においてクリーム充填作業を行う場合、回転部材(部材34)を裏返して作業をする必要があり、クリームを充填した後も押出盤(底部材37)を螺設し、さらに弾性部材(ばね39)を介装して、回転部材(円筒形スリーブ35)に取り付ける等、組み立て作業に多くの要員を必要とした。また、従来例3のクリーム押圧容器は、構成部品が多く、その多くは、高い加工精度を必要としたため製造コストが高くなり、一般に普及することは殆どなかった。また、回転操作部材(部材34)と押出部材(底部材37)とは、螺条(ねじ山33)を形成するため、上記従来例2と同様、容器本体(下部31)の形状が円形以外の形状が適用できず、外観デザインが制約されていた。
【0017】本発明は、上記の欠点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、クリームを取り出す際の操作性が良く、衛生的であって多様な外観デザインが適用でき、且つシンプルな構造を有するとともに低コストで製造できる実用性の高いクリーム押出容器を廉価に提供することを主たる目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、外蓋と容器本体とからなり、該容器本体内に軸心方向に導通する中空部を有し、外周面に螺条を形成した螺軸と該螺軸に前記容器本体の内壁面と摺接する外形を有し、該内壁面を摺動する押出盤を螺貫して設けるとともに、前記螺軸の上方に操作部を備えた回転部材を前記容器本体に固設した固定枠に回転可能に設けたことを特徴とする。
【0019】また、請求項2の発明は、前記容器本体の内壁形状を断面視円形とし、該円形の中心と離れた位置に前記回転部材の回転中心を設けたことを特徴とする。
【0020】また、請求項3の発明は、前記容器本体の内壁形状を断面視異形とし、該異形の内壁面と摺接する外形を有し、該内壁面を摺動する押出盤を設けたことを特徴とする。
【0021】また、請求項4の発明は、前記回転部材の前記操作部と前記固定枠との取付け部において前記操作部と前記固定枠が相互に係止するとともに前記回転部材が一方向にのみ回転可能な逆転防止構造としたことを特徴とする。
【0022】また、請求項5の発明は、前記螺軸に形成された前記中空部の底面に突起を設け、該突起近傍の周壁に吸入口を穿孔し、該吸入口と軸心方向に対向して導通する前記中空部の開口を吐出口としたことを特徴とする。
【0023】また、請求項6の発明は、前記外蓋の裏面にリング状のパッキンを配設して、前記容器本体に前記外蓋を取り付けた状態で前記吐出口の周辺部を密封するとともに前記吐出口を凹形状としたことを特徴とする。
【0024】また、請求項7の発明は、前記容器本体内の底面に凹凸形状のいずれか一方を形成するとともに該凹凸形状のいずれか一方と前記回転部材の前記螺軸下端が軸支されていることを特徴とする。
【0025】また、請求項8の発明は、前記螺軸と前記操作部からなる前記回転部材を合成樹脂からなる部材で一体成形により形成したことを特徴とする。
【0026】上記のように構成された請求項1の発明によれば、回転部材の操作部を所定の方向に回転させることにより、回転部材の回転中心と軸心方向に導通する螺軸に形成された中空部の開口から回転量に応じて適量のクリームが回転することなくスムーズに吐出される。
【0027】また、請求項2の発明によれば、容器本体の内壁形状が断面視円形であっても、該円形の内壁面を摺動する押出盤の中心と押出盤に螺貫して設けられた回転部材の回転中心とが偏心して設けられているため、回転部材の螺軸が回転しても押出盤は回転せず容器本体内に回止キーを特に設ける必要がない。
【0028】また、請求項3の発明によれば、容器本体の内壁形状が断面視異形であっても押出盤が内壁面と摺接する外形を有して摺動可能であれば、回転部材の構造及び容器全体の構成部品数を変えることなく、外観デザインを自由な形状にできる。従って、クリーム押出容器のデザインの幅が大きく広がった。
【0029】また、請求項4の発明によれば、吐出口より吐出したクリームを使用した後もクリームが中空部内に逆戻りすることなく操作部材の回転と同時にクリームが吐出口より吐出される。
【0030】また、請求項5の発明によれば、操作部材の回転と同時に容器本体内に充填されたクリームが螺軸の吸入口から中空部へ押し込まれ、突起により導かれるように、吐出口まで僅かな操作力でスムーズに押し出される。
【0031】また、請求項6の発明によれば、クリーム押出容器の使用後に操作部材の吐出口から露出するクリームが外蓋の裏面に溝設したリング状のパッキンによって密封されるので、外気に長時間触れずに済み衛生的で酸化による劣化を防止できるばかりか吐出口を凹形状としたことで吐出するクリームを指またはスプーンで取り易くなった。
【0032】また、請求項7の発明によれば、回転部材における螺軸の軸心が偏ることなく回転できる。従って、回転操作がスムーズにでき、実用性の高いクリーム押出容器が提供可能となった。
【0033】また、請求項8の発明によれば、主要部材である螺軸を含む回転部材が低コストで、且つ高精度に製造可能となるばかりかクリーム押出容器が最小限の組み立て要員で容易に組み立て可能となった。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態である実施例1について図1乃至図8に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例1におけるクリーム押出容器の一部破断した状態を示す斜視図、図2は、同クリーム押出容器の一部破断をした状態を示す分解斜視図、図3は、同クリーム押出容器の回転部材と固定枠の一部破断をした状態を示す斜視図、図4は、同クリーム押出容器の外蓋を外した状態を示す中央縦断面図、図5は、同図4におけるX矢視図、図6は、同図4におけるA−A線に沿う断面図、図7は、同逆転防止構造を示す一部破断した状態を示す部分斜視図、図8(a)は、同逆転防止構造の回転状態を示す作動図、図8(b)は、同逆転防止構造の係止爪が係止された状態を示す作動図である。
【0035】図1乃至図2に示すように本発明に係わるクリーム押出容器1は、容器本体2と開閉可能な外蓋3を備え、容器本体2の内部に回転部材4を螺貫した押出盤5を摺嵌し、容器本体2内の上部に固設された固定枠6に回転部材4を回転可能に取付けて大略構成されている。
【0036】容器本体2は、断面視円(真円)形状の内壁21と底面部22とからなり、内壁21の上方には、溝23が周設されている。また、底面部22には、凹部24が形成されている。さらに、容器本体2の外壁面の上方には、螺条25が形成されている。また、該螺条25と螺設して締結する螺条31が外蓋3内に形成されている。また、外蓋3の裏面にリング状のパッキン32が配設されている。
【0037】また、図3乃至図4に示すように回転部材4には、外周面に滑り止めを施したしたダイヤル状の操作部40の下方外周に外径Dを成す溝41が周設されている。また、操作部40の下方側に螺軸42が一体に突設されている。該螺軸42は、外周面に螺条を設けるとともに中心Pの軸心方向に導通する中空部43が形成されている。また、中空部43の底面44には、突起44aが突設されている。
【0038】螺軸42の軸端45は、球面凸形状をなし、容器本体2の底面部22に凹設した球面凹形状の凹部24と嵌合して中心Pを軸心に回転可能に軸支されている。さらに、底面44に連なる螺軸42の下方には、吸入口43Aが穿孔されている。そして、吸入口43Aの中心Pの軸心方向に対向する中空部43の開口端が凹状に形成された凹部43Cを成し、該凹部43Cに吐出口43Bが貫設されている。
【0039】また、吐出口43Bは、外蓋3を取り付けた場合、外蓋3の裏面に配設されたパッキン32によって凹部43Cの外方が密封される。従って、吐出口43Bからはみ出たクリームCは、空気に触れる状態を最小限に押さえることができ酸化等による劣化防止が可能となる。
【0040】次に、図2及び図6に示すように中心P1を有する円形の押出盤5は、中心P1から距離Lだけ離れた位置に螺軸42の中心Pと同軸心をなす環状の保持環51が設けられいる。また、保持環51の内壁面には、螺条52が形成されている。そして螺条52に回転部材4の螺軸42が螺貫されている。
【0041】また、図2及び図4に示すように押出盤5の外周縁には、リップ53が形成され、容器本体2の内壁21に密着して摺動可能に摺嵌されている。リップ53は、図4に示すように外周縁が断面視で二股状に湾曲し、内壁21に弾性を有して付勢されている。さらに、押出盤5の上面には、保持環51から外周のリップ53に向かって放射線状にリブ54が複数形成されている。該リブ54は、押圧に抗する補強となっている。また、押出盤5の裏面によってクリームCが押圧される。
【0042】また、図2乃至図5に示すように中心P1を有する円輪形の固定枠6の外周縁には、円周状の係合凸部60が突設され、容器本体2の内壁21に周設された溝23と係合させ接着剤等を塗布して固設される。また、図5乃至図8に示すように固定枠6、(6−1)に回止凹部7を設け、容器本体2の内壁21の上方に周設された溝23に回止凸部8を突設し、回止凹部7と係合させて回転しないように容器本体2に固設してもよい。この場合、回止凹部7と回止凸部8は、クリーム押出容器1を組み立てる際、位置決めの役割をも果たすことになる。
【0043】また、図4に示すように固定枠6には、螺軸42の中心Pと同心を成し、内径D1を有する孔61が穿孔されている。そして、孔61と回転部材4の周溝41とが遊嵌されるとともに周溝41の外径Dと孔61の内径D1は、D1>Dの関係式にある。従って、回転部材4は、中心Pを中心に回転可能となる【0044】また、クリーム押出容器1には、操作性を向上すべく逆転防止構造を設けることが好ましく、図7乃至図8に逆転防止構造の一例を示す。上記回転部材4と同様の構成を有する回転部材4−1は、操作部40に周設された外径D2を有する溝41に複数のスリットSを設けることにより、複数の係止片46が形成される。スリットSにより形成された個々の係止片46は、中心P方向に弾性を有している。また、係止片46は、先端部46aと係止端46bとで中心Pからの寸法差tを有して形成されている。
【0045】次に、外縁に円周状の係合凸部60が突設された円輪形の固定枠6−1には、内径D3を有する孔61−1と段差t1を有する係止爪61Aが突設された渦巻き状の孔61−2とが段状に穿孔されている。そして、固定枠6−1の孔61−1と回転部材4−1に周設された溝41とが遊嵌されるとともに溝41の外径D2と孔61−1の内径D3は、D2<D3の関係式にあるため、回転部材4−1は、中心Pを中心に回転可能となる。また、上記した寸法差tと段差t1とは、t<t1の関係式にある。
【0046】上記のように構成された逆転防止構造は、図7に示すように操作部40を正転方向に回転させると複数のスリットSにより分割された個々の係止片46も同時に回転を始める。そして図8(a)に示すように固定枠6−1に突設された係止爪61Aにより、係止片46−1は、先端部46aから係止端46bにかけて回転させると、中心Pからの寸法差tにより中心P方向に弾性を有して押圧される。
【0047】そして、図8(b)に示すように、係止爪61Aに次の係止片46−2の先端部46aが位置した時、係止片46−1は、段差t1に係合するように復元して係止爪61Aと係止され逆転を防止できる。また、スリットSの分割数によりクリームCの吐出量が微調整できる。
【0048】次に、図4を用いて上記した実施例1のクリーム押圧容器1の使用(操作)方法を説明する。まず、外蓋3を容器本体2から取り外して後、回転部材4の操作部40を指で摘み、所定の方向に回転させることにより、回転部材4の回転力が螺軸42と螺貫された押出盤5の保持環51の内壁面に設けた螺条52を介して押出盤5を回転させようとするも、図6に示すように押出盤5の中心Pと螺軸42の中心P1とが距離L分だけ偏心しているため容器本体2内では回転しない。
【0049】そして、回転部材4に回転力をさらに加えると押出盤5は、容器本体2内の内壁面21を摺動するように下降を始める。この時、容器本体2と押出盤5の間に充填されたクリームCに押圧力が加わり、クリームCは、底面部22に押し付けられることになる。そしてクリームCは、さらに加圧すると逃げ場を求めるが如く螺軸42の下方に設けた吸入口43Aより中空部43に吸入され上昇して吐出口43Bより吐出されて使用される。
【0050】また、押出盤5は、上面に設けたリブ54により押圧力に抗することができ、従って変形せず、またリップ53の先端形状が二股状に湾曲し、且つ弾性を有して容器本体2の内壁21を摺動するためクリームCが洩れることはない。さらに中空部43の底面44に突設した突起44aにより複数の吸入口43Aより吸入されたクリームCが吐出口43Bにスムーズに上昇する。また、突起44aの形状は、半円球形状に限定することなく円錐形状であってもよく、吸入口43Aは、一箇所にみ設けてもよい。
【0051】(実施例2)以下、本発明の実施の形態である実施例2について図9に基づいて説明する。図9は、本発明の実施形態2におけるクリーム押出容器の一部破断した状態を示す分解斜視図である。
【0052】クリーム押出容器の実施例2にあっては、上記した実施例1との重複を避け同一構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施例で言う異形とは、円(真円)形以外の全ての形状を言う。図9に示すように本発明に係わる異形である断面視略ハート型の外形を有するクリーム押出容器101は、容器本体102に着脱可能な外蓋103を備え、容器本体102の内壁121に回転部材4を螺貫した押出盤105を摺嵌し、容器本体102に固設された固定枠106に回転操作部材4を回転可能に取付けて大略構成されている点は、実施例1と同様である。
【0053】また、容器本体102は、内壁121と底面部122とからなり、底面部122には、凹部124が形成されている。さらに、容器本体102の外壁面の上方には、係合部125が段設されている。また、係合部125と嵌合するように外蓋103の内壁面が嵌合形状に段設されている。また、外蓋103の裏面には、リング状のパッキン32が配設されている。
【0054】また、回転部材4の構成は、実施例1と同一であるため詳細な説明を省略する。即ち、回転部材4は、操作部40の外周に溝41が周設されている。また、操作部40の下方に螺軸42が一体に突設されている。さらに螺軸42の外周面に螺条を設けるとともに、軸心方向に導通する中空部43が形成されている。そして中空部43の底面44に突起44aが突設されている。また、螺軸42の軸端45は、容器本体102の底面部122に凹設した凹部124と嵌合し、中心Pを軸心として回転可能に軸支されている。また、底面44に連なる螺軸42の下方には、吸入口43Aが穿孔されている。該吸入口43Aの対向する中空部43の開口端に凹部43Cが形成されている。そして凹部43Cの中央に吐出口43Bが貫通している。
【0055】ハート型の異形の外形を有する押出盤105は、任意の位置に螺軸42が螺貫する環状の保持環151を突設している。該保持環151の内壁面に螺条152が形成され回転部材4の螺軸42が、回転可能に螺貫されている。
【0056】また、実施例1と同様に押出盤105の外周縁には、実施例1のリップ53と断面視で同様の形状を有するリップ153が形成されている。そしてリップ153が容器本体102の内壁121に密着して摺動可能に摺嵌されている。さらに押出盤105の上面には、押圧に抗する補強として実施例1と同様にリブ154が複数形成されている。また、押出盤105の裏面がクリームを押圧する押圧面を形成している。
【0057】また、異形の固定枠106の外周縁は、上記容器本体102の内壁121に周設された段部123と係合し、接着剤または、咬合構造(図示せず。)により、容器本体102に固設されている。また、固定枠106には、実施例1と同様に孔161が穿孔されている。そして、孔161と回転部材4の溝41とが遊嵌される。従って、回転操作部材4は、実施例1と同様に回転可能となる。
【0058】次に上記の如く構成された実施例2のクリーム押圧容器101の使用(操作)方法を説明するが基本的には、実施例1と同様の構造のため重複を避け差異のみを説明する。即ち、外蓋103を容器本体102から取り外して後、操作部材4の操作部40を指で摘み、所定の方向に回転させると操作部材4と一体に設けられた螺軸42が同時に回転する。そして螺軸42の回転力が螺貫された押出盤105の保持環151の内壁面に設けた螺条152を介して押出盤105を回転させようとするも押出盤105は、外形が異形で容器本体102の内壁121に摺嵌されているため容器本体2内では回転しない。
【0059】そして、回転部材4に回転力をさらに加えると押出盤105は、容器本体102内の内壁面121を摺動するように下降を始めることになる。この時、容器本体102内と押出盤105との間に充填されたクリームCに押圧力が加わり、クリームCは、底面部122に押し付けられることになる。しかしクリームCは、さらに加圧すると逃げ場を求めるが如く螺軸42の下方に設けた吸入口43Aより中空部43に吸入され上昇し吐出口43Bより吐出されて使用されることは、実施例1と同様である。
【0060】尚、実施例1においてクリーム押出容器1は、容器本体2の中心P1と回転部材4の中心Pとを同軸にしても本発明と同様の効果を得られるが、この場合、従来例1と同様に容器本体2の内壁21に回止キーを突設し、一方、押出盤5に回止凹部を凹設することによって可能となることは言うまでもない。また、回止キーと回止凹部は、逆に設けてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るクリーム押出容器1、101によれば、回転部材4をいくら回転しようとも回転部材4が軸心方向に移動せず操作性が向上した。また、回転部材4の中心Pに吐出口43Bを形成したためクリームCの吐出量が把握し易く、実用性が向上する効果があった。
【0062】また、回転部材4は、樹脂材を用いて射出成形等で一体に形成することにより、低コストで容易に製造可能となったばかりか、組立作業において回転部材4を容器本体2、102に組み込む際、容器本体2、102を裏返すことなく組立可能となり組立作業性が向上する等の効果もあった。
【0063】また、クリーム押出容器101によれば、容器本体102の外観デザインを円(真円)形以外の外観デザインを容易に適用でき外観デザインの幅が広がり、さらに外蓋3、103の裏面に配設したパッキン32によりクリームCがいつも衛生的に保たれる等の効果もあった。
【出願人】 【識別番号】398001997
【氏名又は名称】有限会社ジャストインターナショナル
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−299445(P2001−299445A)
【公開日】 平成13年10月30日(2001.10.30)
【出願番号】 特願2000−161206(P2000−161206)