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【発明の名称】 マニキュア保護具
【発明者】 【氏名】宮本 哲士

【要約】 【課題】指への装脱着が容易で、使用時に指の腹を要する作業をすることが可能であり、製造が容易で安価でコンパクトである。さらには、装着する指径の差に関係無く使用でき、ねじれや上下倒れこみおよび回転などにも強い装着後の固定保持が得られ、蒸せたり発汗することがなく、関節が完全に固定されない。

【解決手段】断面が下部開口の略C形である弾性を利用し指に装着される挟持体と、該挟持体の上部に設置される挟持体の開口手段である一対のレバーと、爪表面から間隔を置いて上方から横方に位置し、接続片を介して該挟持体に設置される保護カバーより成り、これらが射出成形により一体に形成される
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面が下部開口の略C形である弾性を利用し指に装着される挟持体と、該挟持体の上部に設置される挟持体の開口手段である一対のレバーと、爪表面から間隔を置いて上方から横方に位置し接続片を介して該挟持体に設置される保護カバーより成り、これらが射出成形により一体に形成されることを特徴とするマニキュア保護具。
【請求項2】 前記接続片が前記一対のレバーであり、レバー操作の際に保護カバーが変形し易いように、前記保護カバーはレバー間の一部分に切込部を有する請求項1記載のマニキュア保護具。
【請求項3】 前記挟持体は、開口端縁部の外側に指を挿入ガイドする案内部と内側に装着後に指を押圧する押圧部を有する請求項1あるいは2記載のマニキュア保護具。
【請求項4】 前記挟持体の上部の一部分と開口端縁部が、装着軸方向に突出している請求項3記載のマニキュア保護具。
【請求項5】 前記挟持体の開口端縁部が装着軸方向に大きく突出し第1関節の運動を弾性を利用して制御する請求項4記載のマニキュア保護具。
【請求項6】 前記挟持体は巾が1〜10mmであり、開口端縁部が装着軸の前方(指先方向)に大きく突出している請求項5記載のマニキュア保護具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、爪に塗布したマニキュアを、乾燥するまでの間、保護するためのマニキュア保護具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マニキュアは爪の美化や保護のために利用されているが、塗布して乾燥するまでの間は、その表面に他のものや指などが触れると傷などが入り仕上り不良となるので、手や指を動かさずにじっと待機する必要があった。
【0003】そこでこの問題に対処するために、特開平10−137030号、特開平10−151021号、特開平11−46843号公報などの方法が知られている。
【0004】しかしながら、特開平10−137030号によれば、マニキュアを保護するための手段が指先の周囲を覆うため本を読むなどの指の腹部を用いる作業が困難となり、乾燥するまでの間の作業できる内容が大きく制限される。また、外観的に大きく重厚感がありスマートな印象を与えないなどの問題がある。
【0005】また、特開平10−151021号によれば、先端が曲面のものなどが保護カバーの先端に向かい当れば保護カバーが跳ね上がりマニキュアに接触する。また、複数の部品から成るので、組立て調整や品質管理などが煩雑であり、コンパクトな形態にすれば特に嵌合部の剛性や機能に問題が生じたり、コスト高になるなどの問題がある。
【0006】また、特開平11−46843号によれば、保護カバーが挟持体から先端方向に延びて設置されるので挟持体が開閉し難い。そのため装脱着するのが容易でなく痛みを感じたりする。仮に弾性の高い素材あるいは形状で対処すると装着後の固定保持が弱くなり問題である。また、親指から小指および個人差による指径の差に適応することは現実的に無理であり、強いては、サイズの違う挟持体を多種用意し使用者に合ったものを任意に選択してもらうなどの方法が考えられるが製造や使用時に煩雑である。さらに、このような挟持体の場合、特にねじれや上下ズレや回転などにも強い装着後の固定保持を得るために挟持体の巾が必然的に長くなり、挟持体と指との接触面が広くなるために蒸せたり発汗し易くなり、不快感を覚えたりマニキュアが乾き難くなったりする。また装着される部位を考えると、第1関節と第2関節間での装着の場合、第1関節の運動が確保され指先を自由に使えるが第1関節を曲げた際には爪部が保護カバーから大きく離れるので保護しているとは言い難い。第1関節の前方に装着した場合、挟持体が爪に接触するので不可である。よって事実上、第1関節にまたがり装着する必要がある。その場合、挟持している部位においては第1関節が一番太いので挟持体は第1関節を主に押圧しており、第1関節より細い前方部は関節を曲げると挟持体から容易に離脱することがある。そこで、装着時に指が痛くなるが挟持体の締付力を上げたり、射出成形金型を複雑化するなどして挟持体形状を第1関節の前方などを特異的に挟持する範囲を広げた形状にするなどの方法により対処しても、第一関節とその前方が完全に固定されるために関節を全く曲げる事ができなくなり長時間に及ぶ装着なので使用者が不自由や苛立ちを覚えるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、指への装脱着が容易で、使用時においては指の腹を要する作業をすることができ、製造が容易で安価でコンパクトである。さらには、装着する指径の差に関係無く使用でき、ねじれや上下倒れこみおよび回転などにも強い装着後の固定保持が得られ、蒸せたり発汗することがなく、関節を完全固定しないマニキュア保護具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のマニキュア保護具は、断面が下部開口の略C形である弾性を利用し指に装着される挟持体と、該挟持体の上部に設置される挟持体の開口手段である一対のレバーと、爪表面から間隔を置いて上方から横方に位置し接続片を介して該挟持体に設置される保護カバーより成り、これらを射出成形により一体に形成する。
【0009】また、前記挟持体の開閉運動を考えれば、前記接続片が前記一対のレバーであり、前記保護カバーは、レバー操作の際に保護カバーが変形し易いように、レバー間の一部分に切込部を有することが好ましい。
【0010】また、装脱着や装着後の固定保持および太さの違う指への適応などを考えれば、前記挟持体は、開口端縁部の外側に指を挿入ガイドする案内部と内側に装着後に指を押圧する押圧部を有することが好ましい。
【0011】また、挟持体の巾の短縮などを考えれば、前記挟持体の上部の一部分と開口端縁部が、装着軸方向に突出することが効果的である。
【0012】また、装着時における関節の固定と運動などを考えれば、前記挟持体の開口端縁部が装着軸方向に大きく突出し第1関節の運動を弾性を利用し制御することが好ましい。
【0013】さらには、第1関節の自由な運動の確保などを考えれば、前記挟持体は巾が1〜10mmであり、開口端縁部を装着軸前方に大きく突出させれば、第1関節の前方に挟持体を装着することもでき、第1関節の前方に挟持体を装着した場合は関節の自由な運動が確保できるので好ましく、使用者が(マニキュアが乾燥する間の作業内容や装着する指の適性あるいは好みによって)挟持体の装着位置を任意に選択することができ効果的である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のマニキュア保護具は、形状的には、美的でコンパクトな外観を持たせ、かつ高い生産効率を得るために射出成形での一体成形においてはスライドコアなどの複雑な金型構造は極力避け単純な金型構造で生産できるようにする。素材的には、挟持体の繰り返し曲げに適応し、耐薬品性に優れ溶出物などが無く長時間皮膚に装着しても影響が無く、保護カバーを介してマニキュアが目視できる透明性の良好なものが好ましい。詳細について、実施例をもとに説明する。
【0015】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1から図4に本発明の実施形態を示し、図5および図6は本発明の別の実施形態例を示す。図1は本発明の斜視図、図2は指に装着した側面図、図3は特に細い指での装着部断面図、図4は特に太い指での装着部断面図、図5は挟持体突出部および開口端縁突出部の別形態例、図6は本発明の別形態での斜視図である。
【0016】まず図1において説明すれば、本発明のマニキュア保護具は、挟持体1と、挟持体1の開口手段である一対のレバー2と、一対のレバー2に設置された保護カバー3が射出成形により一体に形成されて成る。射出成形金型のパーティング面を図の位置にすればスライドコアが無いシンプルな金型構造になり、品質も安定した高い生産効率を得ることができる。
【0017】ここで、図6のように保護カバー3が接続片4を介して挟持体1に設置されても良いが、このような形態にすれば、挟持体1は開閉運動を行うので挟持体1に接続片4などの構造物を設置すると挟持体1の構造的弾性が低下するので、挟持体1には接続片4を一片のみ設置し保護カバー3を連結設置することになり、結果として保護カバー3の保護能力が(特に横方向からの耐衝撃が)弱くなる傾向となる。また、側面も広範囲に保護する保護カバー3を得るためにはスライドコアを有する金型構造にする必要があるので、一対のレバー2を接続片4として利用することが好ましい。
【0018】保護カバー3は、一対のレバー2に設置されるので横方向からの衝撃やねじれにも強く剛性が高い。また、本発明のマニキュア保護具は一対のレバー2を手で摘むことにより挟持体1の開口部6を開かせその状態を保持しながら指の上方から挿入装着されるので、保護カバー3は、レバー操作の際には保護カバー3が容易に変形するようにレバー2間の箇所に切込部5を設けてレバー2の運動を妨げないようにすることが好ましい。なお、保護カバー3の天面部形状は、レバー操作では変形し易くそれ以外の外部の力には強固であるために、指方向に中心軸を持つ曲面が良い。
【0019】挟持体突出部10および開口端縁突出部11の設置は、突出部が指に適度な食込みを起こし、ねじれや上下倒れこみや回転などにも強い装着後の固定保持を得ることができるので好ましく、さらには、挟持体1の巾の短縮が実現でき効果的である。
【0020】次に図2において説明すれば、上記方法でマニキュア保護具は第1関節の後方に装着される。保護カバー3は物を押さえたりして指先が反っても接触しないだけの間隙を保ち上方に位置し、(長爪の人も居るので)その先端は指先より充分長くなるようにする。また、指の側面も保護するのが好ましいが、マニキュア保護具を使用する場合は5本の指全てに装着するのが通常なので、爪の後方部側面だけの保護でも横からの保護はほぼ達成されることになり必ずしも爪の側面も保護させる必要は無く、むしろ爪の側面は完全に保護しないほうが空気の流れが良くマニキュアの乾燥に適し、デザイン的にスマートなのでよい。なお、爪の後方部側面の保護は指の中心まで下方にあれば、横から過大な衝撃や力が加わった場合でも保護カバーが指の側面に当り衝撃を吸収し保護カバー3の横ズレやねじれを防止するので好ましい。
【0021】レバー2はコンパクトかつ摘みやすい形状にする。またレバー2は、挟持体1を開口させる力を伝達するための手段であることと、弾性が求められる挟持体1に設置されることを考慮すれば、その肉厚はレバー操作で撓らない必要最低限が好ましい。
【0022】挟持体突出部10は、レバー2の付根部に設置することが挟持体1の構造的な弾性を損なわないので好ましい。また、開口端縁突出部11は第1関節を越え10数mm以上あればよく、突出部の先端部位を確実に保持するが第1関節を曲げる際に開口端縁突出部が下方に撓ったりするなどの適度な弾性と粘りをもって関節運動を阻止するので、(第1関節を完全に固定する窮屈なものではなく)感覚的に自然な第1関節の運動制御がなされるため長時間の装着でも苛立つ事が無く好ましい。なお、挟持体突出部10および開口端縁突出部11は必ずしも指の軸方向前後に突出させる必要は無く図5のように各々片側方向だけでも前記の効果は望める。
【0023】また、前記挟持体1の巾を10mm以下にし開口端縁部を装着軸前方に大きく突出させれば第1関節の前方に装着しても爪に接触しないようにすることができる(ただし1mm以下では挟持体1が指に食込み刺激が強く挟持体1のねじれ剛性も低いので好ましくない)。その結果、第1関節の自由な運動を確保しながら爪を保護することができるので効果的である。但し、まれに第1関節から指先にかけて急激に先細りする指(特に親指が多い)の人も居られ、このような指に第1関節の前方に装着すれば挟持体1が指先方向にずれ爪に接触する危惧があるので第1関節の後方に装着するのが無難である。そのため、この形態においては第1関節の後方装着をあくまで基本とするが、使用者が、マニキュアが乾燥する間の作業内容や装着する指の適性あるいは好みによって装着位置を任意に選択し対処できるようになるので効果的である。
【0024】最後に図3および図4において説明すれば、挟持体1の内側形状は女性の小指の平均的な直径寸法より若干小さい円の下方を切断した形状にすればよく、切断する程度は後述の円形に突出させた開口端縁部7どうしが接触しないように若干の間隙ができる程度(つまりは開口部6)にする。挟持体1の開口端縁部7は、外側に突種した曲面状の案内部8を設けることで、挟持体1を指に装着する際に、仮にレバー2の摘み具合が小さいため挟持体1の開口寸法が指巾より小さくても上方からの挿入時に挟持体1を開かせ容易に装着できるようになるので好ましい。また、内側に突種した曲面状の押圧部9を設けることで、装着する指径に関係無く部分的に指を押圧するので、特に装着後における挟持体1の回転ズレやねじれを起こし難く、かつ、指径の差に関係無く装着後のしっかりした固定保持を得ることにも効果が大きく好ましい。具体的な形状としては、金型加工や成形も容易であるので開口端縁部7を挟持体1の肉厚より大きい円形にすればよい。
【0025】また、指径の差に適応し、かつ適正な装着(ズレなど起こさず強固であるが指をきつく締めつけない)を得るために、まず形状的には、レバー操作で容易に挟持体1の開口部6が開くことと挟持体1が撓ることが求められるため、一対のレバー2の付根間距離を挟持体1が容易に開く必要最低限確保しレバー2付根から開口端縁部7までの寸法を最大限とるようにする。具体的には、各レバー2の付根と挟持体1の中心がつくる角度が60度前後となるのが好ましい。なお、皮膚と接触する箇所をマット調にすれば肌触りも良く密着感もうすらぎ汗ばみ難いのでよい。次に素材としては弾性を有し繰返し曲げに強く、レバー2を摘み挟持体1を開いた後もレバー2を離せば元の形状に直ぐに復元することが求められるので、特にポリプロピレンが望ましい。また、ポリプロピレンは耐薬品性が良好で、不飽和炭化水素なので長時間にわたる装着でも皮膚に影響を及ぼさず、薄肉成形品なら高い透明度も得ることができるので良い。
【0026】一対のレバー2は摘みやすいように上方に開いた形で挟持体1に設置されるのが好ましい。また保護カバー3の側面部は特に太い指への装着も考えれば若干下方に開いた形が好ましい。また、各々の開いた頂点間距離は22mm以下とし、装脱着性や使用時の作業性を良いものにし、かつコンパクトでスマートなイメージを得る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマニキュア保護具は、挟持体を開閉できる機能設置により指の太さに関係無く装脱着が容易に行え、射出成形により一体に形成されるのでコンパクトで安定した品質のものを低コストで製造できる。また、装着時においては指先の腹部が露出するので本を読んだりするなどの作業も無理なく行える。
【0028】また、前記挟持体の上部と下部(開口端縁部)に突出部、および開口端縁部に押圧部と案内部を設けることにより、ねじれや上下倒れこみおよび回転などにも強い装着後の固定保持を確実に得ることができ、その結果、マニキュア保護能力の向上や、該挟持体の巾の短縮が可能となるため指との接触面での発汗や不快感が生じず、異径の指への装着適応力を確実に得ることができる。また、該挟持体の開口端縁部を装着軸方向に大きく突出させることにより第一関節が完全に固定されずに、開口端縁突出部が下方に撓ったりするなどの適度な弾性と粘りをもって感覚的に自然な第1関節の運動制御がなされるため長時間の装着においても苛立つことがなく、さらには、挟持体の巾が1〜10mmであり開口端縁部を装着軸前方に大きく突出させれば、使用者が挟持体の装着位置を(マニキュアが乾燥する間の作業内容や装着する指の適性あるいは好みによって、第1関節の後方あるいは前方装着を)任意に選択することができ、その結果、第1関節の前方に挟持体を装着すれば関節の自由な運動が確保でき効果的である。
【出願人】 【識別番号】591199039
【氏名又は名称】ベス工業株式会社
【出願日】 平成11年7月12日(1999.7.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−17230(P2001−17230A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願平11−198155