| 【発明の名称】 |
ヘルメット |
| 【発明者】 |
【氏名】志田 眞之
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】外側シェル11の外部の空気を頭部保護体2内に導入する給気通路121のための給気孔部分と頭部保護体2内の空気を外側シェル11の外部に排出する排気通路122a、122bのための排気孔部分とに共通な孔としての給排気孔111a、111bを上記外側シェル11に設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】外側シェルを有する頭部保護体を備え、上記外側シェルの外部の空気を上記頭部保護体内に導入する給気通路を上記頭部保護体に設けるとともに、上記頭部保護体内の空気を上記外側シェルの外部に排出する排気通路を上記給気通路とは別に上記頭部保護体に設け、上記給気通路のための給気孔部分と上記排気通路のための排気孔部分とに共通な孔としての給排気孔を上記外側シェルに設けたことを特徴とするヘルメット。 【請求項2】上記給排気孔のうちの水平方向におけるヘルメットの中央側の一半部分が上記給気通路のための上記給気孔部分を構成し、上記給排気孔のうちの水平方向におけるヘルメットの中央側とは反対側の一半部分が上記排気通路のための上記排気孔部分を構成していることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。 【請求項3】上記給排気孔の給気孔部分とともに給気通路を構成する給気通路本体を備え、上記給気通路本体を構成するために用いられる給気通路形成部材を上記外側シェルの顎領域の内側面に配したことを特徴とする請求項1または2に記載のヘルメット。 【請求項4】内側給気口形成部を有する給気口形成部材を上記外側シェルと上記給気通路形成部材との間に配するとともに、上記内側給気口形成部の通気口を開閉するシャッタ部材を上記給気口形成部材に設けたことを特徴とする請求項3に記載のヘルメット。 【請求項5】上記給排気孔の排気孔部分とともに排気通路を構成する排気通路本体と、上記外側シェルの内側に配された衝撃吸収ライナとを備え、上記外側シェルの外側面に設けた凹部およびこの凹部に連なる開孔と上記給気通路形成部材の仕切り板部とから上記排気通路本体を構成したことを特徴とする請求項3または4に記載のヘルメット。 【請求項6】上記給排気孔を外側シェルの顎領域に左右一対設け、上記給気通路を上記頭部保護体の顎領域の水平方向におけるほゞ中央部分に設けるとともに、上記排気通路を上記頭部保護体の顎領域の左右両側部分に左右一対設け、上記左右一対の給排気孔のうちの上記水平方向における中央側の一半部分が上記給気通路のための給気孔部分を構成するとともに、上記左右一対の給排気孔のうちの上記水平方向における中央側とは反対側の一半部分が上記左右一対の排気通路のための排気孔部分を構成するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のヘルメット。 【請求項7】上記給気通路を終端から始端に向って二叉状に構成したことを特徴とする請求項6に記載のヘルメット。 【請求項8】上記頭部保護体の後部の下端面に頭部空気通路の終端を構成する空気流出口を設けるとともに、上記外側シェルの後部に括れ部を設けたことを特徴とする請求項6または7に記載のヘルメット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外側シェルを有する頭部保護体を備え、上記外側シェルの外部の空気を上記頭部保護体内に導入する給気通路を上記頭部保護体に設けるとともに、上記頭部保護体内の空気を上記外側シェルの外部に排出する排気通路を上記給気通路とは別に上記頭部保護体に設けたヘルメットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、自動二輪車のライダなどのヘルメット装着者(以下「装着者」という)の頭部に装着されるヘルメットとして、フルフェイス型ヘルメットが知られている。そして、このようなフルフェイス型ヘルメットのキャップ状頭部保護体は、通常、装着者の顔面に対向するように設けられた窓孔の下方に顎部ベンチレータ機構を備えている。そして、このような顎部ベンチレータ機構は、外側シェルの顎領域(すなわち、装着者の顎部に対向する領域)に設けられた給気孔または給気用切り込みを始端とする顎部給気通路を備えている。また、このような顎部給気通路に加えて、装着者の口部とシールド板との間に位置するように頭部保護体にブレスガードを取り付けて、装着者が吐く息によりシールド板が曇るのを防止するようにしている。 【0003】したがって、このような従来のヘルメットにおいては、シールド板の内側面の下端附近において頭部保護体内に顎部給気通路を通して外気を導入して、この導入した外気をシールド板の内側面に沿って上昇させるとともに、装着者が吐く息がシールド板に直接に向かうのをブレスガードにより防止することによって、シールド板の曇り止めを行うことができる。 【0004】しかし、このような従来のヘルメットでは、雨が降っていて湿度が非常に高いときには、装着者の吐く息などによってシールド板がどうしても曇ってしまうので、シールド板の曇り止めを良好に行うことはできなかった。このために、従来のヘルメットにおいては、衝撃吸収ライナの顎領域に左右一対の排気孔を設けるとともに、外側ライナのこれらと対応する顎領域に左右一対の排気孔を設け、さらに、ライナ側の排気孔を始端としかつ外側シェル側の排気孔を終端とする左右一対の顎部排気通路を設けることも行われている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように構成された従来のヘルメットにおいては、外側シェルの顎領域のほゞ中央部分に顎部給気通路のための給気孔を設けるとともに、外側シェルの顎領域の左右両側に左右一対の顎部給気通路のための左右一対の排気孔を設ける必要がある。このために、外側シェルに給気孔および排気孔を設ける手間が煩雑であり、また、大きな強度の外側シェルを得るのが面倒であり、さらに、外側シェルのデザイン上の制約が大きかった。 【0006】本発明は、従来のヘルメットの上述のような欠点を比較的簡単な構成により効果的に是正し得るようにしたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、外側シェルを有する頭部保護体を備え、上記外側シェルの外部の空気を上記頭部保護体内に導入する給気通路を上記頭部保護体に設けるとともに、上記頭部保護体内の空気を上記外側シェルの外部に排出する排気通路を上記給気通路とは別に上記頭部保護体に設け、上記給気通路のための給気孔部分と上記排気通路のための排気孔部分とに共通な孔としての給排気孔を上記外側シェルに設けたことを特徴とするヘルメットに係るものである。 【0008】本発明は、その第1の実施態様によれば、上記給排気孔のうちの水平方向におけるヘルメットの中央側の一半部分が上記給気通路のための上記給気孔部分を構成し、上記給排気孔のうちの水平方向におけるヘルメットの中央側とは反対側の一半部分が上記排気通路のための上記排気孔部分を構成している。 【0009】本発明および上記第1の実施態様は、その第2の実施態様によれば、上記給排気孔の給気孔部分とともに給気通路を構成する給気通路本体を備え、上記給気通路本体を構成するために用いられる給気通路形成部材を上記外側シェルの顎領域の内側面に配している。本発明の第2の実施態様は、その第3の実施態様によれば、内側給気口形成部を有する給気口形成部材を上記外側シェルと上記給気通路形成部材との間に配するとともに、上記内側給気口形成部の通気口を開閉するシャッタ部材を上記給気口形成部材に設けている。 【0010】本発明の第2および第3の実施態様は、その第4の実施態様によれば、上記給排気孔の排気孔部分とともに排気通路を構成する排気通路本体と、上記外側シェルの内側に配された衝撃吸収ライナとを備え、上記外側シェルの外側面に設けた凹部およびこの凹部に連なる開孔と上記給気通路形成部材の仕切り板部とから上記排気通路本体を構成している。 【0011】本発明および上記第1〜第4の実施態様は、その第5の実施態様によれば、上記給排気孔を外側シェルの顎領域に左右一対設け、上記給気通路を上記頭部保護体の顎領域の水平方向におけるほゞ中央部分に設けるとともに、上記排気通路を上記頭部保護体の顎領域の左右両側部分に左右一対設け、上記左右一対の給排気孔のうちの上記水平方向における中央側の一半部分が上記給気通路のための給気孔部分を構成するとともに、上記左右一対の給排気孔のうちの上記水平方向における中央側とは反対側の一半部分が上記左右一対の排気通路のための排気孔部分を構成している。 【0012】本発明の第5の実施態様は、その第6の実施態様によれば、上記給気通路を終端から始端に向って二叉状に構成している。 【0013】本発明および上記第1〜第6の実施態様は、その第7の実施態様によれば、上記頭部保護体の後部の下端面に頭部空気通路の終端を構成する空気流出口を設けるとともに、上記外側シェルの後部に括れ部を設けている。 【0014】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した一実施例を図面を参照して説明する。 【0015】(1) ヘルメット全体の説明フルフェイス型ヘルメット1は、図1および図2に示すように、装着者の頭部に装着されるフルフェイス型のキャップ状頭部保護体2と、装着者の額部と顎部との間(すなわち、顔面)に対向するように頭部保護体2の前面に形成した窓孔3を開閉し得るシールド板4と、頭部保護体2の内側にそれぞれ取り付けた左右一対の顎掛け用バンド5とからなっている。なお、シールド板4は、従来から周知のように、ポリカーボネート、その他の硬質合成樹脂などの透明または半透明の硬質材料からなり、また、左右一対の取付けねじ6により頭部保護体2に回動自在に取り付けられている。そして、このシールド板4は、図1および図2に示す復回動位置においては窓孔3を閉塞し、この復回動位置から上方へ回動した往回動位置においては窓孔3を開放し、これら両者の中間位置においては窓孔3を部分的に開放し得るように構成されている。また、図1において、符号7は、装着者がシールド板4を上方および下方に往復回動させる際に指で摘むために、シールド板4に設けた摘み部である。また、符号8は、装着者が復回動位置にあるシールド板4を上方へごく僅か往回動させる際に作動させるために、頭部保護体2に設けた作動レバーである。 【0016】頭部保護体2は、図1および図2に示すように、この頭部保護体2の外周壁を構成するフルフェイス型の外側シェル11と、この外側シェル11の下端の全周囲にわたって接着などにより取り付けた断面ほゞU字状の下端用縁部材12と、頭部保護体2の窓孔3を形成するために外側シェル11に形成した窓孔13の全周囲にわたって接着などにより取り付けた断面ほゞE字状の窓孔用縁部材14と、装着者の前頭部、頭頂部、左右両側頭部および後頭部にそれぞれ対向する前頭領域、頭頂領域、左右両側頭領域および後頭領域における外側シェル11の内周面に当接させて接着などにより取り付けた頭部用裏当て部材15と、装着者の顎部および頬部に対向する顎領域および頬領域における外側シェル11の内周面に当接させて接着などにより取り付けた顎・頬部用裏当て部材16とからなっている。 【0017】外側シェル11は、従来から周知のように、FRP、その他の硬質合成樹脂などからなる強度の大きいシェル本体の内周面に多孔性不織布などの柔軟性シートを裏張りした複合材料からなっていてよい。また、下端用縁部材12は、従来から周知のように、発泡塩化ビニール、合成ゴム、その他の軟質合成樹脂などからなっていてよい。さらに、窓孔用縁部材14は、従来から周知のように、合成ゴム、その他の可撓性に富んだ弾性材料からなっていてよい。 【0018】頭部用裏当て部材15は、図2および図6に示すように、頭部用衝撃吸収ライナ21と、この頭部用衝撃吸収ライナ21の内側面全体をほゞ覆うようにこの頭部用衝撃吸収ライナ21に取り付けた通気性の頭部用裏当てカバー22とからなっている。また、顎・頬部用裏当て部材16は、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23と、装着者の左右両頬部にそれぞれ対向する左右両頬領域における顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の内側面にそれぞれ当接させて取り付けた左右一対の頬部用ブロック状内装パッド24a、24bとからなっている。 【0019】頭部用衝撃吸収ライナ21および顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の本体部分は、それぞれ、従来から周知のように、発泡ポリスチレン、その他の合成樹脂などの適度な剛性と適度な塑性とを備えた材料からなっていてよい。また、頭部用裏当てカバー22の本体部分は、従来から周知のように、頭部用衝撃吸収ライナ21に対向する側の面(すなわち、外側面)または両側面にウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ弾性材料からなる適当な形状の層をラミネートした織布や多孔性不織布などを組み合わせたものからなっていてよい。 【0020】頭部用裏当てカバー22の本体部分の前端部および後端部には、図2および図6に示すように、前部係止部材25および後部係止部材26が縫い付け、テープ止め、接着などによりそれぞれ取り付けられている。また、頭部用衝撃吸収ライナ21の本体部分の前端部および後端部には、これらの前部および後部係止部材25、26にそれぞれほゞ対応して前部係止部材27および後部係止部材28がリベットおよびワッシャなどによる止着、接着、テープ止めなどにより取り付けられている。そして、頭部用裏当てカバー22側の前部および後部係止部材25、26にそれぞれ左右一対ずつ設けた係合突起(図示せず)を、頭部用衝撃吸収ライナ21の前部および後部係止部材27、28にそれぞれ左右一対ずつ設けた係合穴(図示せず)にそれぞれ圧入により凸凹係合させることによって、頭部用裏当てカバー22が頭部用衝撃吸収ライナ21に着脱可能に取り付けられている。 【0021】頭部用裏当てカバー22の前部および後部係止部材25、26ならびに頭部用衝撃吸収ライナ21の前部および後部係止部材27、28は、従来から周知のように、ポリエチレンなどの軟質合成樹脂などからなっていてよい。なお、図2および図6において、符号31、32、33、34は、前部係止部材25、27および後部係止部材26、28にそれぞれ適当数ずつ設けた通気用開口である。 【0022】左右一対の頬部用ブロック状内装パッド24a、24bは、互いに左右対称的な形状であるから、右頬部用ブロック状内装パッド24bについて図2を参照して詳細に説明し、左頬部用ブロック状内装パッド24aについての詳細な説明は省略する。 【0023】右頬部用ブロック状内装パッド24bには、図2に示すように、装着者の右耳部に対応する耳領域が欠除されるように切り込み部35が形成されているので、この内装パッド24bは、装着者の右頬部およびその近傍(たゞし、右耳部を除く)に対応した形状を有している。そして、切り込み部35には、左側の顎掛け用バンド5が挿通されている。また、内装パッド24bは、従来から周知のように、ウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ1個または複数個の弾性材料から構成した厚板状のクッション部材(図示せず)と、このクッション部材のほゞ全体を袋状に覆っている袋状部材29とからなっていてよい。 【0024】図5は、左右対称的な形状を有する顎・頬部用衝撃吸収ライナ23を中央縦断線40で縦断して得られた左側の一半部分の正面図およびを横断面図である。なお、顎・頬用衝撃吸収ライナ23の本体部分の内側面には、図5(B)に示すように、左右一対の支持部材41が接着などにより取り付けられている。また、支持部材41には、係合穴を構成する丸型ホックの雌型部分(すなわち、雌型ホック)42が適当数取り付けられている。さらに、内装パッド24bの外側面には、係合突起を構成する丸型ホックの雄型部分(すなわち、雄型ホック)が適当数取り付けられている。そして、上記雄型ホック(図示せず)を雌型ホック42にそれぞれ圧入により凹凸係合させることによって、頬部用ブロック状内装パッド24bが顎・頬部用衝撃吸収ライナ23に着脱自在に取り付けられている。 【0025】図5(B)において、符号43、44は、顎掛け用バンド5を挿通させるために、衝撃吸収ライナ23の本体部分および支持部材41にそれぞれ設けた開口である。また、図5(A)および(B)において、符号45は顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の本体部分の前面のほゞ中央部分に設けた中央凹部または前面凹部であり、符号46はこの前面凹部45に連なるライナ側の排気孔である。なお、これらの前面凹部45およびライナ側排気孔46については、後に詳細に説明する。 【0026】頭部保護体2には、顎・頬部用裏当て部材16の顎領域に対応する顎部ベンチレータ機構51と、頭部用裏当て部材15に対応する頭部ベンチレータ機構52とがそれぞれ設けられている。したがって、以下において、顎部ベンチレータ機構51および頭部ベンチレータ機構52について項分け記載して説明する。 【0027】(2)顎部ベンチレータ機構51の説明顎部ベンチレータ機構51は、図3および図4に示すように、給気通路形成部材53、シャッタ部材54および給気口形成部材55からなる3種類の顎部ベンチレータ構成部材を備えている。なお、これら3種類の顎部ベンチレータ構成部材53〜55は、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABS、ナイロン、その他の合成樹脂などの適度な弾性と適度な剛性とをそれぞれ有する材料からなっていてよい。 【0028】給気通路形成部材53は、図1、図2、図3および図4に示すように、外側シェル11の窓孔13にほぼ沿って水平方向においてほぼ円弧状に弯曲して延びる部材本体56を備え、この部材本体56の中央の下部には、下端から上方に向って切り込まれたほぼ四角形状の開口57が形成されている。また、部材本体56の左右両側の上部の前面には、左右一対の取り付けボス部58a、58bが設けられている。そして、部材本体56の上端には、ほぼ前方に屈曲している屈曲部59が設けられ、開口57の外周囲には、ほぼ前方に屈曲している逆U字状の屈曲部60が設けられている。また、部材本体56の左右両側部は、斜め前方に多少屈曲していて左右一対の屈曲部61a、61bを構成し、上記左右一対の取り付けボス部58a、58bは、これら左右一対の屈曲部61a、61bの上部の前面にそれぞれ設けられている。 【0029】図3および図4に示すように、給気通路形成部材53の部材本体56の前面の左右両側には、複数本づつのガイド板部が突設されている。なお、図示の実施例においては、部材本体56の前面の左側および右側には、中央側から左右両側に向って次第に短かくなる長短3本ずつのガイド板部62a、63a、64aおよび62b、63b、64bがそれぞれ形成されている。また、逆U字状屈曲部60の左右両側部60a、60bも、同様にガイド板部として機能する。したがって、給気通路形成部材53の前面の左側には、1) 逆U字状屈曲部60の左側部60aとガイド板部62aとの間、2) ガイド板部62aとガイド板部63aとの間、3) ガイド板部63aとガイド板部64aとの間、において、整流給気通路65a、66a、67aがそれぞれ形成される。また、給気通路形成部材53の前面の右側にも、同様に3つの整流給気通路65b、66b、67bがそれぞれ形成される。さらに、給気通路形成部材53の部材本体56のうちの開口57の左側および右側に位置する部分(すなわち、部材本体56の左右両下部)56a、56bは、上端から下端にかけて後方へ円弧状に突出するように多少弯曲している。また、給気通路形成部材53の部材本体56には、屈曲部59の近傍において、左右一対の係止突起68a、68bが設けられている。さらに、逆U字状屈曲部60の上側突条部60cの左右両側附近には、ほぼ上方に突出する係止板部69a、69bがそれぞれ設けられている。 【0030】図4に示すように、ガイド板部62a〜64aおよび62b〜64bのうちで最も長い左右一対のガイド板部62a、62bの上端附近には、切り欠きにより段部70がそれぞれ形成され、これらの段部70には、後述する給気口形成部材55の部材本体71の下端が位置保持される。また、最も短い左右一対のガイド板部64a、64bは、部材本体56の左右両下部56a、56bの屈曲部61a、61bまでは延びていないので、この部分は、後述のように顎部給気通路121と顎部排気通路122a、122bとを区分する仕切り板部として機能するだけでなく、空気流を中央側から左右外方側に偏向させるそらせ板部95a、95bとしても機能する。 【0031】給気口形成部材55は、図1、図2、図3および図4に示すように、左右両端附近にねじ挿通孔72a、72bを有しかつ給気通路形成部材53の部材本体56にほゞ沿って水平方向においてほゞ円弧状に弯曲して延びる部材本体71を備えている。そして、この部材本体71の前面の中央部分は外側面(すなわち、前面)に向って突出していて突出面部73を構成し、この突出面部73の内側面(すなわち、後面)はくぼみになっている。また、部材本体71の前面の上半分は下半分に較べて肉薄になっていて肉薄部71aを構成し、上記下半分の左右両端附近に上記ねじ挿通孔72a、72bが形成されている。 【0032】給気口形成部材55の部材本体71の肉薄部71aの上端には、図3および図4に示すように、ほぼ後方ではあるが後方に向って多少斜め上方に屈曲するように突出した状態で上記上端に沿ってほゞ水平方向に延びる内側給気口形成部74が設けられ、この内側給気口形成部74は前方にまで延びていて突条部74aを形成している。また、内側給気口形成部74は櫛歯状になっていて、その後端側には、多数の切り込み75が設けられているので、これらの切り込み75の間に多数の突起76が形成されている。そして、切り込み75によって例えば左右3個ずつの内側給気口が形成される。また、多数の突起76のうちの中央の突起76aに最も隣接している左右一対の突起76b、76cの後面には、給気通路形成部材53の左右一対の係止突起68a、68bがそれぞれ嵌合する係止孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。 【0033】図4に示すように、給気口形成部材55の部材本体71の中央部分には、ほぼU字状の下垂部77が一体に形成されているので、部材本体71と下垂部77との間には、開口部78が形成されている。また、下垂部77の後面には、開口部78をほぼ水平に横切るように波形形状のばね部79が一体に形成されているので、開口部78は上側開口部78aと下側開口部78bとに二分割されている。そして、上側開口部78aの上部および左右両側部の前面には、逆U字状の突条部80が形成され、下垂部77の下端には、そのほぼ中央に沿って条溝(図示せず)を有する屈曲部81が後方に屈曲するように上記下端に沿って一体に形成されている。また、ばね部79は、縦断面がほぼL字状であって、外側面(すなわち、前面)に段部79aを有している。 【0034】シャッタ部材54は、図3および図4に示すように、給気口形成部材55の部材本体71にほゞ沿って水平方向においてほゞ円弧状に弯曲して延びる部材本体82を備えている。そして、シャッタ部材54の部材本体82の上端には、ほゞ後方ではあるが後方に向って多少斜め上方に屈曲するように突出した状態で上記上端に沿ってほゞ水平方向に延びている開閉シャッタ部83が設けられている。また、開閉シャッタ部83は櫛歯状になっていて、その後端附近には、給気口形成部材55の切り込み75に対応して多数の切り込み84が設けられているので、これらの切り込み84の間に多数の突起85が形成されている。そして、切り込み84によって例えば5個の通気口が形成され、突起85によって例えば6個の遮蔽部が形成される。 【0035】図4に示すように、シャッタ部材54の部材本体82の下端のほゞ中央部分には、下方に延びるほゞ四角形状の下垂部86が一体に形成され、この下垂部86の下端のほゞ中央部分には、係合突起87が一体に突設されている。また、下垂部86の前面の上端附近には、縦断面がほゞL字状の連結部88が一体に形成されている。なお、連結部88は、下垂部86から、前方ではあるが前方に向ってやゝ斜め下方に屈曲するように突出した状態でほゞ水平方向に延びた後に、ほゞ下方ではあるが下方に向ってやゝ斜め前方に屈曲するように突出した状態でほゞ垂直方向に延びている。 【0036】シャッタ部材54の連結部88の下端には、図4に示すように、この下端から前方および下方にそれぞれ向うように斜めに延びている摘み部89が一体に形成されている。そして、この摘み部89の先端には、必要に応じて、装着者の指で摘み易くするための切り込み90が設けられている。また、摘み部89の下面には、必要に応じて、外側シェル11の外側面に沿って摺動し易くするための突起91が一体に形成されている。 【0037】上述のように構成された3種類の顎部ベンチレータ構成部材53〜55は、図3に示すように、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の前面において頭部保護体2に組み込まれる。このために、衝撃吸収ライナ23の前面には、図3および図5に示すように、給気通路形成部材53の形状にほゞ対応した逆U字状の前記前面凹部45が形成されている。そして、衝撃吸収ライナ23の前面凹部45に囲まれる領域は衝撃吸収ライナ23の本来の厚みを有する凸部92となっている。 【0038】顎・頬部用衝撃吸収ライナ23には、図3および図5に示すように、前面凹部45および凸部92の下方において、ほゞ水平方向に延びる比較的浅い凹部94が形成されている。なお、この凹部94は、図5の中央縦断線40を対称軸として左右対称的な形状であって、ほゞT字状で衝撃吸収ライナ23の下端にまで達している。そして、凹部94の上端の左右両側部分は前面凹部45に連がっている。したがって、前面凹部45附近に溜ろうとする雨水などは、このT字状凹部94を通って衝撃吸収ライナ23の下端から下方に向って外部に放出される。 【0039】図3および図5に示すように、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23には、前面凹部45の下部の左右両側部分45a、45bに隣接して、左右一対の側方凹部または排気通路用凹部93a、93bが設けられている。そして、これらの排気通路用凹部93a、93bは、前面凹部45の中央縦断線40側とは反対の左側および右側(すなわち、前面凹部45の下部左側部分45aおよび下部右側部分45b)において、前面凹部45に連がっている。 【0040】左右一対の排気通路用凹部93a、93bは、図5の中央縦断線40を対称軸として左右対称的な形状であるから、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の左側の一半部分に設けた左側の排気通路用凹部93aについて図3および図5を参照して詳細に説明し、右側の排気通路用凹部93bについての詳細な説明は省略する。 【0041】排気通路用凹部93aは、図5に示すように、その始端としての前記排気孔46を備えている。また、この排気孔46から左方(すなわち、中央縦断線40側とは反対側、換言すれば、水平方向外方または左右方向外方)に向って排気通路用凹部93aが延びており、この排気通路用凹部93aの上面101および下面102ならびに後面103は、後述する顎部排気通路122aを構成するのに用いられる。また、上記排気通路用凹部93aの後面103と対向する前方側の側面(すなわち、前面)は、後述するように、既述の給気通路形成部材53のそらせ板部兼用の仕切り板部95aの後面によって構成される。したがって、排気通路用凹部93aと仕切り板部95aとによって、後述する顎部排気通路122aの大半部分である顎部排気通路本体が構成され、顎部排気通路122aは、この顎部排気通路本体と、外側シェル11の左側の給排気孔111aの中央縦断線40側とは反対側の一半部分とからなっている。 【0042】図5に示すように、排気通路用凹部93aの後面103は、排気孔46から左方(すなわち、中央縦断線40側とは反対側)に向って多少後方に傾斜する傾斜面となっている。なお、この傾斜角度θ1 は、図示の実施例の場合には約2°であるが、実用性の観点から言って一般的に、0.5〜5°であるのが好ましく、1〜3°であるのがさらに好ましい。また、上記排気通路用凹部93aの後面103と対向する前面を形成する仕切り板部95aの後面は、少なくともそれらの左端附近では、排気孔46から左方(すなわち、中央縦断線40側とは反対側)に向って多少前方に傾斜する傾斜面となっている。なお、この傾斜角度θ2 (図示せず)は、図示の実施例の場合には約2°であるが、実用性の観点から言って一般的に、0.5〜5°であるのが好ましく、1〜3°であるのがさらに好ましい。 【0043】外側シェル11の顎領域(すなわち、装着者の顎部に対向する領域)には、図1および図3に示すように、左右一対の給排気孔111a、111bが設けられている。そして、これらの給排気孔111a、111bは、ほゞ横長であるが、中央縦断線40側からその反対側(すなわち、左右方向外方)に向って多少上方に傾斜している。なお、これらの給排気孔111a、111bには、必要に応じて、防塵用などのネットが張られていてよい。また、これらの給排気孔111a、111bの中央縦断線40側の一半部分には、給気通路形成部材53の左右両下部56a、56bがそれぞれ対向し、給排気孔111a、111bの中央縦断線40側とは反対側の一半部分(すなわち、他半部分)には、排気通路用凹部93a、93bがそれぞれ対向する。そして、外側シェル11のほぼ中央部分には、図5(A)に示すように、上端から下方に切り込まれた切り込み部112が設けられている。さらに、この切り込み部112は、給気口形成部材55の突出面部73、逆U字状突出部80および上側開口部78aを合計した大きさとほゞ同じ大きさを有している。 【0044】3種類の顎部ベンチレータ構成部材(すなわち、給気通路形成部材53、シャッタ部材54および給気口形成部材55)を頭部保護体2に組み込むには、つぎの(i)項〜(iv)項に記載する工程を順次行えばよい。 (i)まず、シャッタ部材54を給気口形成部材55に取り付ける。この取り付けに際しては、シャッタ部材54の摘み部89を給気口形成部材55の上側開口部78aに内側から外側に向かって挿入する。そして、シャッタ部材54の突起85および給気口形成部材55の波形形状のばね部79の弾性を利用してシャッタ部材54の係合突起87に波形形状のばね部79を内側面から外側面まで乗り越えさせてから、この係合突起87を波形形状のばね部79の段部79a上に当接させる。この状態において、シャッタ部材54を給気口形成部材55に対してほゞ水平方向に移動させると、シャッタ部材54は、中央位置および左右両側位置のスリーポジションにおいて、その係合突起87が波形形状のばね部77の凹部にそれぞれ嵌合して位置保持される。また、シャッタ部材54のほゞ水平方向の移動は、連結部88が給気口形成部材53の上側開口78aの左右両側面に当接することによって規制される。 (ii)ついで、シャッタ部材54を取り付けた給気口形成部材55を給気通路形成部材53に仮止めにより取り付ける。この取り付けに際しては、給気通路形成部材53の係止突起68a、68bを給気口形成部材55の突起76b、76cの後面に設けた前記係止孔に嵌合させる。この場合、突起76b、76cまたは上記係止孔に必要に応じて接着剤を塗布しておけば、両者の結合を比較的確実にかつ比較的強固に行うことができる。これと同時に、給気口形成部材55の屈曲部81の前記条溝に給気通路形成部材53の上側突条部60cを相対的に嵌合させる。 (iii)ついで、シャッタ部材54を取り付けた給気通路形成部材53を外側シェル11の顎領域の内側面に取り付ける。この取り付けに際しては、図5(A)に示すように外側シェル11に左右一対設けたねじ挿通孔113に外側面から内側面に向かって取り付けねじ(図示せず)をそれぞれ挿通し、ついで、これらの取り付けねじを給気口形成部材55の左右一対のねじ挿通孔72a、72bに挿通してから、給気通路形成部材53の左右一対の取り付けボス部58a、58bにそれぞれねじ込めばよい。この場合、外側シェル11の切り込み部112には、給気口形成部材55の突出面部73および逆U字状突出部80がそれぞれ挿入され、また、シャッタ部材54の連結部88の下部および摘み部89が切り込み部112の前方に突出する。そして、給気口形成部材55の部材本体71(たゞし、肉薄部71aを除く)、突条部74aおよび下垂部86ならびに給気通路形成部材53の逆U字状屈曲部60、左右一対の屈曲部61a、61bの中央縦断線40側とは反対側の側端部、左右両下部56a、56bの下端部(場合によっては、ガイド板部61a〜64aおよび61b〜64bの上端部分の全部または一部をさらに含む)が外側シェル11の内側面に当接する。また、図3に示すように、給気通路形成部材53の部材本体56の左右両下部56a、56bが外側シェル11の左右一対の給排気孔111a、111bの中央縦断線40側の一半部分にそれぞれ対向する。 (iv)ついで、外側シェル11の内側面に顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の外側面を当接させて接着などにより取り付ける。この取付けに際しては、図3に示すように、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の凸部92が給気通路形成部材53の開口57に嵌め込まれるようにする。また、給気通路形成部材53のほぼ全体が衝撃吸収ライナ23の前面凹部45に相対的に嵌め込まれるようにする。この結果、図3に示すように、左右一対の排気通路用凹部93a、93bが外側シェル11の左右一対の給排気孔111a、111bの中央縦断線40側とは反対側の一半部分にそれぞれ対向する。この場合、図1および図2に示すように、従来から周知のブレスガード114を顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の外側面(すなわち、前面)と外側シェル11および給気通路形成部材53の内側面(すなわち、後面)との間に挟み込んで頭部保護体2に取り付けることができる。 【0045】以上の(i)項〜(iv)項に記載した工程によって、3種類の顎部ベンチレータ構成部材53〜55を頭部保護体2に組み込むことができる。そして、この組み込み状態においては、顎部ベンチレータ機構51は、以下に述べる顎部給気通路121および左右一対の顎部排気通路122a、122bをそれぞれ備えている。 【0046】顎部給気通路121は、始端から終端まで、1) 外側シェル11の左右一対の給排気孔111a、111bの中央縦断線40側の一半部分、2) 給気通路形成部材53の左右両下部56a、56bの外側面と外側シェル11の内側面との間に形成されかつ整流給気通路65a〜67aおよび65b〜67bの下方部分を含む左右一対(すなわち2つ)の空隙、3) 給気通路形成部材53の外側面と給気口形成部材55の内側面およびシャッタ部材54の内側面との間に形成されかつ整流給気通路65a〜67aおよび65b〜67bの上方部分を含む1つの空隙、4) シャッタ部材54の切り込み84および給気口形成部材55の切り込み75、によって順次構成されている。そして、顎部給気通路121の始端は、外側シェル11の左右一対の給排気孔111a、111bの中央縦断線40側の一半部分の外側面によって形成され、これらの外側面は給気通路121の空気流入口を構成している。また、顎部給気通路121の終端は、給気口形成部材55の切り込み75の上端によって形成され、これらの上端は給気通路121の空気流出口を構成している。このために、顎部給気通路121は、終端から始端に向って二叉に分離している。さらに、上記2)項および3)項にそれぞれ記載の3つの空隙は、給気用空隙をそれぞれ構成している。したがって、3種類の顎部ベンチレータ構成部材53〜55と外側シェル11の顎領域とによって顎部給気通路121の大半部分である顎部給気通路本体が構成され、顎部給気通路121は、この顎部給気通路本体と前記1)項に記載した給排気孔111aの一半部分とからなっている。 【0047】装着者がフルフェイス型ヘルメット1を装着して自動二輪車に乗って走行すれば、ほゞ正面から上記1)項に記載した給排気孔111a、111bに外気(すなわち、外部空気)が相対的に流入する。したがって、給排気孔111a、111bの中央縦断線40側の一半部分は、給気通路121の給気孔部分として機能する。そして、上記外部空気は、図2および図3に示すように、上記2)項に記載した2つの空隙および上記3)項に記載した1つの空隙を通って上記4)項に記載した切り込み84、75からシールド板4の内側面の下端附近に流れ込む。よって、顎部給気通路121により外部空気を頭部保護体2内に導入することができる。なお、上記外部空気は、上記2)項および上記3)項にそれぞれ記載した3つの空隙をそれぞれ上昇する際に、整流給気通路65a〜67aおよび65b〜67bによって整流される。また、シールド板4の内側面の下端附近(すなわち、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23のほゞ中央部分の上方でかつブレスガード114の上方)に流れ込んだ外部空気は、シールド板4の内側面に沿って上昇してシールド板4の内側面の上端附近に至る。したがって、装着者が吐く息などによりシールド板4が曇るのを上記外部空気流によって効果的に防止することができる。 【0048】上記顎部給気通路121は、シャッタ部材54を操作することによって、遮蔽させることができる。すなわち、シャッタ部材54の係合突起87が波形形状のばね部79の3つの係合凹部のうちの真中の係合凹部に係合しているときには、シャッタ部材54の突起(すなわち、遮蔽部)85が給気口形成部材55の切り込み(すなわち、空気流出口)75を遮蔽する。そして、シャッタ部材54の摘み部89を摘んで左方または右方に移動させることによりシャッタ部材54の係合突起87を波形形状のばね部79の真中以外の係合凹部に係合させると、シャッタ部材54の突起85が給気口形成部材55の切り込み75からずれて突起76にほゞ重なるので、給気口形成部材55の空気流出口75が開放される。したがって、シャッタ部材54を操作して係合突起87を波形形状のばね部79の真中の係合凹部に係合させることによって、上記顎部給気通路121を遮蔽してこの顎部給気通路121による給気を中止させることができる。 【0049】左右一対の顎部排気通路122a、122bは、図5の中央縦断線40を対称軸として互いに左右対称的な構成であるから、左側の顎部排気通路122aについて図3、図4および図5を参照して詳細に説明し、右側の顎部排気通路122bについての詳細な説明は省略する。 【0050】左側の顎部排気通路122aは、始端から終端まで、1) 顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の左側の一半部分の排気孔46、2) 顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の左側の一半部分の排気通路用凹部93aの上面101、下面102および側面103と給気通路形成部材53の左側のそらせ板部兼用の仕切り板部95aとによって囲まれる空間、3) 外側シェル11の給排気孔111aの中央縦断線40側とは反対側の一半部分(すなわち、他半部分)、によって順次構成されている。そして、左側の顎部排気通路122aの始端は、衝撃吸収ライナ23の左側の一半部分の排気孔46の内側面によって形成され、この内側面は、左側の顎部排気通路122aの空気流入口を構成している。また、左側の顎部排気通路122aの終端は、外側シェル11の給排気孔11aの中央縦断線40側とは反対側の一半部分の外側面によって形成され、この外側面は左側排気通路122aの空気流出口を構成している。さらに、上記2)項に記載の空間は、排気用空間を構成している。 【0051】装着者がフルフェイス型ヘルメット1を装着して自動二輪車に乗って走行すれば、上述のようにほゞ正面から上記3)項に記載した給排気孔111aの他半部分に外部空気が相対的に流入するだけでなく、外側シェル11の外側面の顎領域の中央部附近に当る外部空気が外側シェル11の外周面に沿って水平方向外方(すなわち、中央縦断線40側からこれとは反対側の左方)に偏向されて後方に流れて行く。この場合、ほゞ正面から上記3)項に記載した給排気孔111aの他半部分に相対的に流入する外部空気は、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の左側の一半部分の排気通路用凹部93aの前面103によって塞(せ)き止められ、場合によってはこの前面103の傾斜角度θ1 が機能したり、また、後述のように負圧が生じたりして、水平方向外方へと偏向される。さらに、外側シェル11の外周面に沿って水平方向外方に偏向される外部空気のうちで上記3)項に記載した給排気孔111aの中央縦断線40側の一半部分に流入する外部空気は、図3に示すように、上記2)項に記載したそらせ板部95aによって水平方向外方に偏向される。したがって、上記外部空気は、上記3)に記載した給排気孔111aの中央縦断線40側の一半部分から外部に流出して、その他半部分の前方を外側シェル11の外周面に沿って水平方向外方に向って流れ去る。よって、排気通路用凹部93aの外側端附近や上記3)項に記載した給排気孔111aの他半部分付近に負圧が生じる。 【0052】したがって、ブレスガード114の下方で上記1)項に記載した排気孔46の近傍における顎・頬部用衝撃吸収ライナ23内の空気(すなわち、衝撃吸収ライナ23の顎領域の上下方向における中間位置附近の装着者の吐く息を含む内部空気)は、この排気孔46内に流入してから、上記2)項に記載した空間を通って上記3)項に記載した給排気孔111aの他半部分に至り、この他半部分から外側シェル11の外部に流れ出す。このために、給排気孔111aの中央縦断線40側とは反対側の一半部分は、顎部排気通路122aの排気孔部分として機能する。よって、顎部排気通路122aにより頭部保護体2内の空気を外部に排出することができるので、装着者が吐く息などによりシールド板4が曇るのをさらに効果的に防止することができる。 【0053】(3)頭部ベンチレータ機構52の説明頭部ベンチレータ機構52は、図2および図6に示すように、頭部用衝撃吸収ライナ21の内側面(すなわち、内周面)の左右方向におけるほゞ中央部分を前端から後端まで(換言すれば、前頭領域から頭頂領域および後頭領域をそれぞれ通って首筋領域まで)ほゞ半円形状に延びる1本または複数本(図示の実施例の場合は左右一対)の通気用条溝131を備えている。なお、これらの通気用条溝131は、頭部空気通路として機能するものであって、始端から前頭領域附近までは幅広で頭頂領域までに幅狹になっている。また、頭部ベンチレータ機構51は、既述のように頭部用衝撃吸収ライナ21の内側面の全体をほゞ覆っている頭部用裏当てカバー22を備えている。そして、この頭部用裏当てカバー22には、多数の通気用開口141が形成され、これらの通気用開口141は、それらの形成部位やヘルメットの使用状態(すなわち、後述のシャッタ部材143、145の開閉状態など)に応じて給気用開口または排気用開口として機能する。さらに、頭部ベンチレータ機構52は、通気用条溝131に沿ってそれぞれ設けられている額部ベンチレータ部分132、前頭部ベンチレータ部分133、後頭部ベンチレータ部分134および首筋部ベンチレータ部135を備えている。したがって、以下において、これらの額部ベンチレータ部分132、前頭部ベンチレータ部分133、後頭部ベンチレータ部分134および首筋部ベンチレータ部分135について図2および図5を参照しかつ項分け記載して説明する。 【0054】(i)額部ベンチレータ部分132の説明額部ベンチレータ部分132は、既述のように頭部用裏当てカバー22の前部係止部材25に設けた通気用開口31と頭部用衝撃吸収ライナ21の前部係止部材27に設けた通気用開口32とをそれぞれ備えている。そして、通気用開口31は通気用開口32を通して通気用条溝131に連がっている。 【0055】したがって、既述のように顎部給気通路121を通して頭部保護体2内に導入されてシールド板4の内側面の上端附近に至った外部空気は、通気用開口31、32を通して通気用条溝131内に流れ込み、これらの通気用条溝131内を前頭部ベンチレータ部分133に向って流動する。 【0056】(ii)前頭部ベンチレータ部分133の説明前頭部ベンチレータ部分133は、外側シェル11にそれぞれ取り付けられた左右一対の給気孔形成部材142と、これらの給気孔形成部材142にそれぞれ取付けられたシャッタ部材143とをそれぞれ備えている。したがって、これらの左右一対ずつの給気孔形成部材142およびシャッタ部材143は、図1に示すように、左右一対の給排気孔111a、111bにそれぞれデザイン的に対応している。また、外側シェル11の前頭領域および頭部用衝撃吸収ライナ21の前頭領域には、給気孔がそれぞれ形成され、これらの給気孔には、給気孔形成部材142の筒状の給気孔部142aがそれぞれ嵌合している。そして、頭部用衝撃吸収ライナ21の前頭領域に設けた給気孔は、通気用条溝131に連なり、上記給気孔には、頭部用裏当てカバー22に設けた前記通気用開口141が通気用条溝131を通して対向している。さらに、シャッタ部材143は、給気孔形成部材142の給気孔部142aの外側端を選択的に開放および遮蔽し得るように、給気孔形成部材142に摺動自在に取り付けられている。 【0057】したがって、通気用条溝131を頭部保護体2の額領域から前頭領域に向って流動してきた第1の空気流は、シャッタ部材143が開放状態であれば、外部から給気孔部142aを通して通気用条溝131に流れ込む第2の空気流と合流し、シャッタ部材143が遮蔽状態であれば、単独で通気用条溝131内を後頭領域に向ってさらに流動する。なお、第1の空気流に第2の空気流が合流したときには、この合流した空気の一部(主として第2の空気流分)は、頭部用裏当てカバー22の通気用開口141を通して頭部保護体2の前頭領域附近の内部に流れ込む。 【0058】(iii)後頭部ベンチレータ部分134の説明後頭部ベンチレータ部分134は、外側シェル11にそれぞれ取り付けられた左右一対の排気孔形成部材144と、これらの排気孔形成部材144にそれぞれ取付けられたシャッタ部材145とをそれぞれ備えている。したがって、これら左右一対ずつの排気孔形成部材144およびシャッタ部材145は、図1に示すように、左右一対ずつの給気孔形成部材142およびシャッタ部材143ならびに左右一対の給排気孔111a、111bにそれぞれデザイン的に対応しているので、外側シェル11を見る人にスッキリした感じを与える。また、外側シェル11の後頭領域および頭部用衝撃吸収ライナ21の後頭領域には、排気孔がそれぞれ形成され、これらの排気孔には、排気孔形成部材144の筒状の排気孔部144aがそれぞれ嵌合している。そして、頭部用衝撃吸収ライナ21の後頭領域に設けた排気孔は、通気用条溝131に連なり、上記排気孔には、頭部用裏当てカバー22に設けた前記通気用開口141が通気用条溝131を通して対向している。さらに、シャッタ部材145は、排気孔形成部材144の排気孔部144aの外側端を選択的に開放および遮蔽し得るように、排気孔形成部材144に摺動自在に取り付けられている。 【0059】したがって、通気用条溝131を頭部保護体2の前頭領域から後頭領域に向って流動してきた第1の空気流は、シャッタ部材145が開放状態であれば、頭部用裏当てカバー22の内部から通気用条溝131および排気孔部144aを通して外部へと流れ出す第2の空気流に多少合流し、シャッタ部材145が遮蔽状態であれば、ほゞ全体が通気用条溝131内を後頭領域に向ってさらに流動する。 【0060】(iv)首筋部ベンチレータ部分135の説明首筋部ベンチレータ部分135は、図6に拡大して示されている。図6において、頭部用裏当てカバー22の本体部分は、ウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ弾性材料からなる適当な形状の弾性ブロック146を接着などにより取り付けた多孔性不織布147からなっている。また、上記本体部分の弾性ブロック146側には、既述のように後部係止部材26が取り付けられている。また、後部係止部材26の通気用開口33は、頭部用衝撃吸収ライナ21の後部係止部材28の通気用開口34を通して通気用条溝131に連なっている。 【0061】頭部用衝撃吸収ライナ21の後部の下端面には、排気口形成部材151がテープ止め、接着などにより取り付けられている。なお、排気口形成部材151は、頭部保護体2の後部の下端面を構成している基板部151aと、この基板部151aの左右一対の一部分を、縦断面がほゞ三角形状になるように袋状に膨出させることにより構成した左右一対の排気口部151bとからなっている。そして、これらの排気口部151bは、それらの前方側の壁部にスリット状に多数形成された内側排気孔152と、上記排気口部151bの下端の全体を開孔させることにより形成されている外側排気孔153とをそれぞれ備えている。そして、外側排気孔153は、内側排気孔152を通して通気用条溝131に連なっている。したがって、外側排気孔153の外側端は通気用条溝(すなわち、頭部空気通路)131の終端を構成している。 【0062】外側シェル11は、その後部である首筋領域の外側面においてほゞ水平方向に延びる括(くび)れ部11aを有している。そして、この括れ部11aは、図示の実施例においては、外側シェル11の左右方向における中心線上において、外側シェル11の後部の下端よりも約9mm(下端用縁部材12の後部の下端よりも約10mm)だけ前方に括れている。また、この括れ部11aの上記中心線上ににける曲率半径は、約15mmである。このために、外側シェル11(ひいては、下端用縁部材12)の後部の下端附近は、図6に示すように、上記中心線上において、上方から下方に向って後方に傾斜している。なお、この傾斜角度θ3 は、約30°である。また、括れ部11aは、外側シェル11の後部の上記中心線上で最も大きく括れ、左側または右側に沿って前方へ向うに従って括れが次第に小さくなっている。そして、この括れ部11aの前後方向の長さは約50mmに及び、また、左右方向の長さは約16cmに及んでいる。さらに、頭部用衝撃吸収ライナ21も、外側シェル11と同様に括れ部21aを有し、この括れ部21aは、外側シェル11の括れ部11aにほゞ密着している。 【0063】したがって、外側シェル11の外周面の後部に沿って相対的に流動する空気流は、括れ部11aにおいて急激に後方へと偏向されるので、排気口形成部材151の外側排気孔153の下方附近が負圧になる。このために、通気用条溝131を首筋領域に向って流動してきた第1の空気流と、頭部保護体2の内部から多孔性不織布147、後部係止部材26の通気用開口33および後部係止部材28の通気用開口34をそれぞれ通って通気用条溝131に流れ込む第2の空気流とが排気口形成部材151の内側排気孔152を通して外側排気孔153から外部に効果的に流れ出す。よって、首筋部ベンチレータ部分135により通気用条溝131における空気の流れを良好にすることができる。 【0064】括れ部11aは、実用性の観点から言って一般的に、つぎの1)項〜5)項に記載する条件を1つまたはそれ以上有しているのが好ましい。 1) 外側シェル11の左右方向における中心線上において、外側シェル11の後部の下端よりも4〜16mm(さらに好ましくは、6〜12mm)の範囲あるいは下端用縁部材12の後部の下端よりも5〜17mm(さらに好ましくは、7〜13mm)の範囲で前方に括れていること、2) 上記中心線上における曲率半径は、6〜25mm(さらに好ましくは、10〜20mm)の範囲であること、3) 外側シェル11または下端用縁部材12の後部の下端附近は、上記中心線上において、上方から下方に向って20〜40°(さらに好ましくは、25〜35°)の範囲で後方に傾斜していること、4) 前後方向の長さは、25〜100mm(さらに好ましくは、35〜75mm)の範囲であること、5) 左右方向の長さは、8〜32cm(さらに好ましくは、12〜24cm)の範囲であること、【0065】なお、上述の実施例においては、顎部ベンチレータ機構51の顎部給気通路121は、外側シェル11の給排気孔111a、111bと、3種類の顎部ベンチレータ構成部材53〜55とによって構成し、顎部ベンチレータ機構51の顎部排気通路122a、122bは、外側シェル11の給排気孔111a、111bと、顎・頬部用衝撃吸収ライナ23の排気孔46および排気通路用凹部93a、93bと、給気通路形成部材53のそらせ板部兼用の仕切り板部95a、95bとによって構成した。しかし、上記顎部排気通路122a、122bも、別に左右一対設けた例えば筒状の顎部ベンチレータ構成部材と、外側シェル11の給排気孔111a、111bとによって構成してもよい。 【0066】また、上述の実施例においては、外側シェル11の顎領域に左右一対の給排気孔111a、111bを設けるとともに、これらの給排気孔111a、111bの中央側の一半部分を給気孔部分とし中央側とは反対側の一半部分を排気孔部分としたが、必ずしもこのように構成する必要はなく、例えば、外側シェル11の顎領域の左右方向におけるほゞ中央に1つの給排気孔を設けるとともに、この給排気孔のうちのほゞ中央の部分を給気孔部分としこの給排気孔のうちの上記の給気孔部分の左右両側部分を左右一対の排気孔部分としてもよい。 【0067】また、上述の実施例においては、シャッタ部材54の開閉シャッタ部83が給気口形成部材55の内側給気口形成部74の下面に沿って摺動するようにしたが、上面に沿って摺動するようにしてもよい。 【0068】また、上述の実施例においては、頭部用衝撃吸収ライナ2の内周面に頭部空気通路を構成するために縦断面が開ループ状の通気用条溝131を設けたが、縦断面が開ループ状の条溝131に代えて縦断面が円形などの閉ループ状の長孔を設けてもよい。この場合、頭部用衝撃吸収ライナ21を外側シェル11側の外側ライナ部分と外側シェル11側とは反対側の内側ライナ部分とに2分割するとともに、外側ライナ部分の内側面と内側ライナ部分の外側面とに互いに対向する縦断面が開ループ状の条溝を設けて、これら一対の条溝により縦断面が閉ループ状の通気用長孔を構成することができる。 【0069】また、上述の実施例においては、本発明を顎部ベンチレータ機構51に適用したが、本発明は頭部ベンチレータ機構52の前頭部ベンチレータ部分133などの他の機構または部分に適用することもできる。 【0070】さらに、上述の実施例においては、本発明をフルフェイス型ヘルメット1に適用したが、ジェット型、セミジェット型、顎部分が上昇可能なジェット型兼用のフルフェイス型などの他のタイプのヘルメットにも本発明を適用することができる。 【0071】 【発明の効果】本発明によれば、外側シェルの外部の空気を頭部保護体内に導入する給気通路と、頭部保護体内の空気を外側シェルの外部に排出する排気通路とを互いに別々にかつ互いに隣接させて頭部保護体に設けたから、頭部保護体内の所定の領域の給気および排気を同時に行うことにより上記所定領域を良好に換気することができる。また、外側シェルに給気通路用の給気孔と排気通路用の排気孔とを個別に独立させて設ける必要がないから、外側シェルに給気通路用の給気孔部分と排気通路用の排気孔部分との両方を設ける手間が比較的簡単であり、また、大きな強度の外側シェルを得るのが比較的簡単であり、さらに、外側シェルのデザイン上の制約を比較的小さくすることができる。 【0072】また、請求項3、4および5に記載の発明によれば、給気通路を比較的簡単な構造にすることができるとともに、給気通路における外気の流動状態を良好にすることができ、さらに、請求項5に記載の発明によれば、排気通路も比較的簡単な構造にすることができる。 【0073】また、請求項6および7に記載の発明によれば、頭部保護体内の顎領域の給気および排気を同時に行うことにより上記顎領域を良好に換気することができるから、雨が降っていて湿度が非常に高いときでも、装着者の吐く息などによってシールド板が曇るのを効果的に防止することができる。 【0074】さらに、請求項9に記載の発明によれば、頭部保護体内の空気を頭部空気通路の空気流出口から効果的に流出させることができるので、頭部保護体内をさらに良好に換気することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390005429 【氏名又は名称】株式会社シヨウエイ
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| 【出願日】 |
平成12年5月9日(2000.5.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065950 【弁理士】 【氏名又は名称】土屋 勝
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| 【公開番号】 |
特開2001−316929(P2001−316929A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−135776(P2000−135776) |
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