| 【発明の名称】 |
スポーツ用ヘルメット |
| 【発明者】 |
【氏名】梅津 徹
|
| 【要約】 |
【課題】着用者の頭部の周囲の長さや被る深さに合わせて、内装体の寸法を容易に微調整することができ、従って着用者の着用感改善の問題と共に在庫管理の問題を解決できる、新規な構造を有するスポーツ用ヘルメットを提供する。
【解決手段】本発明のスポーツ用ヘルメットは、繊維強化合成樹脂からなるアウターシェルの内側に衝撃吸収ライナを設け、着用者頭部の周囲と接触する頭周部内装体を内装体連結材を介して該アウターシェルの下端部に折り返し可能に固着すると共に、着用者頭頂部を該衝撃吸収ライナの内面との接触から保護する頭頂部内装体を、該頭頂部内装体の周端に設けた複数の結合手段を介して該頭周部内装体に結合したヘルメットにおいて、該結合手段の少なくとも1以上が該頭周部内装体との結合位置を変更できるものであることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維強化合成樹脂からなるアウターシェルの内側に衝撃吸収ライナを設け、着用者頭部の周囲と接触する頭周部内装体を内装体連結材を介して該アウターシェルの下端部に折り返し可能に固着すると共に、着用者頭頂部を該衝撃吸収ライナの内面との接触から保護する頭頂部内装体を、該頭頂部内装体の周端に設けた複数の結合手段を介して該頭周部内装体に結合したヘルメットにおいて、該結合手段の少なくとも1以上が該頭周部内装体との結合位置を変更できるものであることを特徴とするスポーツ用ヘルメット。 【請求項2】 前記結合手段は、着用者頭頂部に接する中心部位に対して略回転対称的部位に設けてなる、請求項1に記載のスポーツ用ヘルメット。 【請求項3】 前記結合手段の少なくとも1組は、前記頭周部内装体の前後の対称的位置に対応する部位に設けてなる、請求項2に記載のスポーツ用ヘルメット。 【請求項4】 前記結合手段の少なくとも1組は、前記頭周部内装体の左右の対称的位置に対応する部位に設けてなる、請求項2又は3に記載のスポーツ用ヘルメット。 【請求項5】 前記結合手段は、面状ファスナを利用したものである、請求項1乃至4のいずれかに記載のスポーツ用ヘルメット。 【請求項6】 前記頭周部内装体は、一部に設けた長さ調節手段により周長が可変に構成してなる、請求項1乃至5のいずれかに記載のスポーツ用ヘルメット。 【請求項7】 前記頭頂部内装体及び前記頭周部内装体の少なくとも一方は、高強度繊維からなる低伸長性の織布と弾性スポンジ体との複合体で形成してなる、請求項1乃至6のいずれかに記載のスポーツ用ヘルメット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスポーツ用ヘルメットに関し、更に詳しくはスキー、スケート、ローラースケート、或いは2輪車等のレジャー又は競技スポーツなどにおいて着用する頭部保護用のヘルメットに関する。 【0002】 【従来の技術】スポーツ用ヘルメットは、着用者が転倒し或いは衝突したときなどにおいて、頭部が障害物等に接触して負傷することを防止するために利用されるが、その一方で軽量であって頭部にフィットし、動作に使用を与えないことが望まれる。そのため従来のスポーツ用ヘルメットは、例えば繊維強化合成樹脂性のアウターシェルの内側に、硬質乃至半硬質の合成樹脂発泡体層などの内張り層を設けた上、軟質弾性材料を利用した保護緩衝部材などを、頭部の周囲や頭頂部に対応する位置等に取り付けて、着用者の頭部の形や大きさに内装体の寸法を合わせたものを製作し、着用するようにしていた。 【0003】しかし、着用者の頭部の径や高さに合うように、アウターシェルのサイズや内張り層の厚さをそれぞれ選択し、更に保護緩衝部材の厚さを調整して取り付けることで、受注に応じてヘルメットを組み立てるのは、日数が掛かるばかりでなくコストも嵩む不利がある。従って従来は、予め需要を見込んで種々のサイズのヘルメットを製作しておき、注文があったときに在庫品の中から着用者にフィットする製品を探す、というようにしていたため、サイズの数が多いと在庫管理の費用が嵩み、またサイズの数が少ないと着用者の違和感が大きくなるという問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、着用者の頭部の周囲の長さや被る深さに合わせて、内装体の寸法を容易に微調整することができ、従って着用者の着用感改善の問題と共に在庫管理の問題を同時に解決できる、新規な構造を有するスポーツ用ヘルメットを提供することを目的とした。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のスポーツ用ヘルメットは、繊維強化合成樹脂からなるアウターシェルの内側に衝撃吸収ライナを設け、着用者頭部の周囲と接触する頭周部内装体を内装体連結材を介して該アウターシェルの下端部に折り返し可能に固着すると共に、着用者頭頂部を該衝撃吸収ライナの内面との接触から保護する頭頂部内装体を、該頭頂部内装体の周端に設けた複数の結合手段を介して該頭周部内装体に結合したヘルメットにおいて、該結合手段の少なくとも1以上が該頭周部内装体との結合位置を変更できるものであることを特徴としている。 【0006】かかる本発明のスポーツ用ヘルメットにおいて、前記結合手段は、着用者頭頂部に接する中心部位に対して略回転対称的部位に設けてなり、またその結合手段の少なくとも1組が、前記頭周部内装体の前後の対称的位置に対応する部位に設けてなるものであると、安定した着用ができ、更に前記結合手段の少なくとも1組は、前記頭周部内装体の左右の対称的位置に対応する部位に設けてなるものであると、一層その効果が確実となるので更に好ましい。 【0007】また、結合手段が、面状ファスナを利用したものであると、極めて簡単にしかも精度良く着用深さを調整することができる。そしてまた、前記頭周部内装体は、一部に設けた長さ調節手段により周長が可変に構成してなるものであると、頭周部内装体を、頭部の周りの長さに精度良く合わせることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明のスポーツ用ヘルメットを、図に示す例によって説明する。図において、1は、例えばガラスファイバー強化ポリエステル樹脂などによって形成されたアウターシェルであり、1aはその耳覆い部である。このアウターシェル1の内側には、例えば発泡ポリスチレン樹脂などで形成された衝撃吸収ライナー2が、層状に接着して設けられており、またアウターシェル1の縁部には、安全性を高めるために、その全周にわたって弾性ゴム製の縁カバー3が嵌着されている。 【0009】また衝撃吸収ライナー2の内側には、例えば発泡ポリウレタン等の弾性スポンジ体からなる緩衝材を、例えばポリエステル繊維等の高強度繊維で織成された低伸長性の織布などで包み込んだ構造の、弾性を有する帯状の複合体などからなる頭周部内装体4が、頭部の周りを1周するように設けられる。そして、その頭周部内装体4の両端部の合わせ目は、例えばベルクロ等の面状ファスナを用いた長さ調節手段4aによって結合し、頭周部内装体4が環状となるように構成してある。従って、この面状ファスナの結合位置を変更することにより、頭周部内装体4の周長を着用者の頭の周りの長さに合わせて調整できるものである。 【0010】更に、この頭周部内装体4の下側の端縁からは、緩衝材を包んでいる織布の一部が更に延設され、内装体連結材4bを形成している。そして、この内装体連結材4bは、衝撃吸収ライナー2の下端面に沿って外側方に向かい、衝撃吸収ライナー2とアウターシェル1の下縁部内面との間に、その先端部分が挟み込まれて接着固定されている。従って、頭周部内装体4は内装体連結材4bのみによってアウターシェル1に結合しており、柔軟な内装体連結材4bを介して頭周部内装体4を表裏反転させ、且つアウターシェル1の外に引き出すことができるようになっている。 【0011】更にこの頭周部内装体4の外側面、即ち衝撃吸収ライナー2と対向する面には、頭頂部内装体5の周端に設けた複数の結合部5a、5aのいずれかに対応する複数の結合手段6が設けられている。この結合手段6は、その一部は縫い付けなどの固着構造であってもよいが、少なくともその一部は、一対の結合部材6aと結合部材6bとを組み合わせた、着脱可能な構造を有していて結合位置を変更できるものであることが必要である。かかる結合手段6としては、例えば面状ファスナーなどが好ましく、特にベルクロなどの名称で市販されている面状ファスナーが適当である。 【0012】本例では、頭周部内装体4の外側面にベルクロの鉤材からなる結合部材6aが縫い付けてあり、結合部5aの先端内側面に同じく環材からなる結合部材6bが縫い付けてある。このような結合手段6は、結合部材6aと結合部材6bとを向かい合わせ、圧着することにより任意の位置で両部材を結合することができ、剪断方向の張力に対して大きな抵抗力を発揮するので、頭頂部内装体5は、頭周部内装体4に対する取付位置を任意に調整できるものである。 【0013】一方、頭周部内装体4に対して結合手段6を介して結合される頭頂部内装体5は、頭周部内装体4と同様な、例えば発泡ポリウレタン等の弾性スポンジ体からなる緩衝材を、例えばポリエステル繊維等の高強度繊維で織成された低伸長性の織布などで包み込んだ構造の、弾性を有する帯状の複合体などを用いて、例えば4個の結合部5a、5a・・を四方に向かって突設した形状や、6個の結合部5a、5a・・を六方に向かって突設した形状に形成されたものである。そしてこれらの結合部5a、5a・・は、着用者の頭頂部に接する中心部位に対して略放射状に延設されており、従って結合部5aの先端に位置する結合手段6は、略回転対称的部位に、前頭方向と後頭方向とが釣り合い、また左側頭方向と右側頭方向とが釣り合うように配設されているので、頭周部内装体4と頭頂部内装体5の取付位置を、着用者の頭のサイズや形に適合するように、容易に調整することができ、ヘルメットを快適に装用することができるものである。 【0014】このように構成された本発明のスポーツ用ヘルメットは、アウターシェル1としてどの様なデザインを有するものを用いてもよく、またその大きさも何ら限定されるものではない。そして更に、外れ止め手段として顎紐7などを用いる他、任意の部品を組み合わせて用いることができることは、言うまでもない。 【0015】 【発明の効果】本発明のスポーツ用ヘルメットは、アウターシェルの内側に衝撃吸収ライナを設け、その衝撃吸収ライナの下端部の内側に沿って、周長を調整できる頭周部内装体が設けてあるうえ、頭頂部内装体には頭周部内装体からの深さを調整できる結合手段を設けた結合部が、略回転対称的に設けてあるので、着用者の頭の大きさや形に適合した着用感のよいヘルメットが、容易に得られる効果がある。従ってまた、着用者の好みなどに応ずるために、デザインの異なる多種のアウターシェルの品揃えが望まれる場合でも、少ないサイズ数で多数の着用者に適合するヘルメットが得られるので、ヘルメットの製造や在庫管理のコストを節減でき、経済的にスポーツ用ヘルメットを提供できるという効果もある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】599118838 【氏名又は名称】ムーン・クラフト株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年8月24日(1999.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081455 【弁理士】 【氏名又は名称】橘 哲男
|
| 【公開番号】 |
特開2001−64821(P2001−64821A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−236526 |
|