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【発明の名称】 ヘルメットシールドの曇り防止装置
【発明者】 【氏名】稲垣 真

【要約】 【課題】ヘルメットシールドの曇り止めに必要とされる量の除湿空気を車両の走行速度に関わりなくヘルメットシールドに供給することができ、エネルギーを無駄にすることなく送風機を作動させることのできるヘルメットシールド用曇り防止装置を提供する。

【解決手段】除湿した空気を送風する除湿空気送風手段3と、一方及び他方の開口部5a,5a有する除湿空気通路5aとを備え、前述した一方の開口部5aを前述した除湿空気送風手段3に接続すると共に、前述した他方の開口部5aをヘルメットシールド4aの内側近傍で且つ当該ヘルメットシールド4aに向けて装備したことを特徴とするヘルメットシールドの曇り防止装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 除湿した空気を送風する除湿空気送風手段と、一方及び他方の開口部を有する除湿空気通路とを備え、前記一方の開口部を前記除湿空気送風手段に接続すると共に、前記他方の開口部をヘルメットシールドの内側近傍で且つ当該ヘルメットシールドに向けて装備したことを特徴とするヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項2】 前記ヘルメットシールドの内側に所定の間隙を形成する内側シールド部材を備え、前記内側シールド部材の両端を前記ヘルメットシールドに一体的に連結したことを特徴とする請求項1記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項3】 前記内側シールド部材の開口側端部を、前記ヘルメットシールドと反対方向に屈曲して形成したことを特徴とする請求項2記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項4】 前記除湿空気通路を管体で形成すると共に、この管体の一部をヘルメットシールドの縁部に沿って配設し、前記他方の開口部を、前記管体に所定間隔で穿設された複数の孔を設けて形成したことを特徴とする請求項1,2又は3記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項5】 前記除湿空気送風手段を、外気を導入する第1の外気導入口と、管路を介して前記第1の外気導入口から外気を吸入し除湿機構に送風する送風機と、この送風機の送風量の制御と併せて除湿機構への電力供給を制御する制御部とで構成することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項6】 前記ヘルメットシールドに所定量の外気を導入する第2の外気導入口をヘルメットに設けると共に、前記制御部にスピードに対応した外気流入量情報を出力する外気流入量情報出力手段を接続し、前記制御部が、前記外気流入量情報が予め設定された判定値に達しているか否かを判別するための外気流入量判別機能と、この外気流入量判別機能により外気の流入量が判定値に満たないと判別された場合に前記送風機及び除湿機構を駆動する送風機駆動制御機能とを有することを特徴とする請求項5記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
【請求項7】 ヘルメット装着者の視界を確保する窓を覆うヘルメットシールドを備え、前記ヘルメットシールドの内側に所定空間の密閉室を形成する内側シールド部材を前記ヘルメットシールドと一体的に形成すると共に、前記密閉室の内部を真空にすることを特徴とするヘルメットシールドの曇り防止装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘルメットシールドの曇り防止装置に関し、特に、ヘルメットシールドに除湿空気を吹き付けてヘルメットシールドの曇りを防止するヘルメットシールドの曇り防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘルメットシールド用曇り止め装置としては、ヘルメットに設けられた換気用開口部から走行風を取り入れてヘルメットシールドの曇りを解消するようにしたものが周知であり、また、最近では、ヘルメットとは別に構成された送風機からヘルメット内に強制的に外気を送り込んでヘルメットシールドの曇りを解消するものも提案されている。まず、換気用開口部から走行風を取り入れてヘルメットシールドの曇りを解消するようにしたものは、ヘルメットの外殻と内部パットとの間に空調用空気通路を形成し、オートバイやスクーター等の走行によって発生する相対的な外気の流れを利用して、外殻に穿設された空気取り入れ口から空調用空気通路に外気を取り入れ、内部パットに穿設された多数の小孔からヘルメットシールドに外気を導くことにより、ヘルメットシールドの曇りを防止している。
【0003】また、ヘルメットに前述した換気用開口部とは別に、ヘルメットとは独立させて車両側に空調ユニットを設け、空調ユニットからヘルメット内に強制的に除湿空気を送り込む構造のヘルメットシールドの曇り防止装置も提案されている。この空調ユニット内部には外気を取り込むためのブロアファンと、そのモータ及び取り込んだ外気を冷却または暖房するためのペルチェ素子等が設けられており、これらの電気部品には、電源プラグを介してオートバイやスクーター側のバッテリーから電源が供給されるようになっている。そして、空調ユニットで冷却または暖房された空気はエアホースを介してヘルメットの空調用空気通路に流れ込んでヘルメットシールドの除湿を行い、ヘルメットの排気孔から外部に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘルメットに設けられた換気用開口部から走行風を取り入れてヘルメットシールドの曇りを解消する従来のヘルメットシールド用曇り止め装置では、オートバイやスクーター等の車両の走行速度が遅い場合に十分な外気が取り込まれなくなることもあり、所望する曇り除去の効果が十分に達成されなくなるという可能性があった。一方、送風機からヘルメットに強制的に外気を送り込む構成のものにおいては、除湿範囲がヘルメット内部全体であるため、ヘルメットシールドの曇りを除去するためには、大量の除湿空気を必要とし、エネルギーの無駄に繋がるという問題を生じている。さらに、この送風機からヘルメットに強制的に外気を送り込む構成のものによれば、十分な外気が取り入れられなくなるといった心配は必ずしもないが、曇り止め装置にスイッチが入っている間は送風機が定速で運転され続ける構造であるため、外気の取り込み量が容易に調整できないという難点があった。その結果、低速走行時でも十分な外気が供給されるように送風機の送風量を大き目に調整しておくと、車両の走行速度が高速になった場合、ヘルメットの換気用開口部から十分な外気が取り込まれているにも関わらず送風機からヘルメット内に強制的に外気が送り込まれることになり、全体的な送風量が過剰になるといった問題が発生する。このような現象は、送風機を駆動するエネルギーの無駄に繋がり、また、場合によっては、ヘルメットの着用者が目の乾き等の不快感を感じる可能性もある。また、これとは逆に高速走行時に快適な換気効果が得られるように送風機の送風量を小さ目に調整しておくと、車両の走行速度が低速になったときに換気用開口部からの外気の取り込み不足を送風機で補償することが困難となり、全体的な送風量が過小になるといった弊害が生じる。このような現象は、ヘルメットシールドの曇りを十分に解消することができなくなるといった問題に繋がる。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、少量の除湿空気でヘルメットシールドの曇りを防止することができると共に、ヘルメットシールドの曇り防止に必要とされる量の除湿空気を車両の走行速度に関わりなくヘルメットシールドに供給することができるヘルメットシールドの曇り防止装置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、除湿した空気を送風する除湿空気送風手段と、一方及び他方の開口部を有する除湿空気通路とを備え、前述した一方の開口部を前述した除湿空気送風手段に接続すると共に、前述した他方の開口部をヘルメットシールドの内側近傍で且つ当該ヘルメットシールドに向けて装備したという構成を採っている。
【0007】このように構成したことで、除湿空気送風手段から送付された除湿空気は、一方の開口部より除湿空気通路に流れ、他方の開口部から放出される。この放出された除湿空気は、他方の開口部がヘルメットシールドに向けられているため、ヘルメットシールドに直接吹き付けられる。この吹き付けられた除湿空気は、ヘルメットシールドを伝い、ヘルメットシールドの曇りを除去する。そして、ヘルメットシールドの曇りを除去した空気は、ヘルメット内を循環して外部に放出される。
【0008】請求項2及び3記載の発明は、請求項1記載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前述したヘルメットシールドの内側に所定の間隙を形成する内側シールド部材を備え、前述した内側シールド部材の両端を前述したヘルメットシールドに一体的に連結したという構成を採っている。
【0009】このように構成することにより、除湿空気送風手段から送風された除湿空気は、一方の開口部より除湿空気通路に流れ、他方の開口部から放出される。この放出された除湿空気は、ヘルメットシールドと内側シールド部材で形成された除湿空気通路側の開口(以下、空気導入口)よりヘルメットシールドの内側シールド部材側の壁面と内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面との間に形成された室(以下、除湿室)に流れ込み、各々の壁面の間を伝わり、各々の壁面の曇りを除去する。この各々の壁面の曇りを除去した除湿空気は、ヘルメットシールドと内側シールド部材で形成された空気導入口とは反対側の開口(以下、空気排出口)から排出され、内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面と反対側壁面を伝わり、その壁面に曇りが生じていた場合には除去する。
【0010】また、前述した内側シールド部材の開口側端部を、前述したヘルメットシールドと反対方向に屈曲して形成してもよい。
【0011】このように構成することにより、除湿空気送風手段から送風された除湿空気は、内側シールド部材の空気導入口側端部がヘルメットシールドと反対方向に屈曲しているため、一方の開口部よりより多くの除湿空気が除湿室内に流れ込み、ヘルメットシールドの内側シールド部材側の壁面と内側のシールド部材のヘルメットシールド側壁面の曇りが確実に除去される。さらに、除湿室より放出された除湿空気は、内側シールド部材の空気排出口側端部がヘルメットシールドと反対方向に屈曲しているため、その壁面に沿ってより多くの除湿空気が内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面と反対側壁面を伝わり、その壁に着いた曇りを確実に除去する。
【0012】請求項4記載の発明は、前述した請求項1,2又は3記載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前述した除湿空気通路を管体で形成すると共に、この管体の一部を前述したヘルメットのヘルメットシールドの縁部に沿って配設し、前述した他方開口部を前述した除湿空気通路の前述したヘルメットシールドの縁部に沿った部位に所定間隔で穿設された複数の孔を設けて形成したという構成を採っている。
【0013】このように構成することにより、除湿空気送風手段から送風された除湿空気は、一方の開口部より除湿空気通路に流れ、ヘルメットシールドの縁部に沿った部位に所定間隔で穿設された複数の孔からヘルメットシールドにむらなく、吹き付けられる。このため、ヘルメットシールドの全域にわたり、曇りが除去される。
【0014】請求項5記載の発明は、前述した請求項1,2,3又は4記載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前述した除湿空気送風手段を、外気を導入する第1の外気導入口と、管路を介して前述した第1の外気導入口から外気を吸入し除湿機構に送風する送風機と、この送風機の送風量の制御と併せて除湿機構への電力供給を制御する制御部とで構成している。
【0015】このように構成したことで、制御部からの指令により送風機及び除湿機構の電源が投入されると、送風機により第1の外気導入口より導入された外気は、除湿機構に送られる。この除湿機構で除湿された除湿空気は、一方の開口部より除湿空気通路に流れ、他方の開口部から放出される。この放出された除湿空気は、他方の開口部がヘルメットシールドに向けられているため、ヘルメットシールドに直接吹き付けられる。この吹き付けられた除湿空気は、ヘルメットシールドを伝い、ヘルメットシールドの曇りを除去する。そして、ヘルメットシールドの曇りを除去した空気は、ヘルメット内を循環して外部に放出される。
【0016】請求項6記載の発明は、前述した請求項5記載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前述したヘルメットシールドに所定量の外気を導入する第2の外気導入口をヘルメットに設けると共に、前述した制御部にスピードに対応した外気流入量情報を出力する外気流入量情報出力手段を接続し、前述した制御部が、前述した外気流入量情報が予め設定された判定値に達しているか否かを判別するための外気流入量判別機能と、この外気流入量判別機能により外気の流入量が判定値に満たないと判別された場合に前述した送風機及び除湿機構を駆動する送風機駆動制御機能とを有するこという構成を採っている。
【0017】このように構成することにより、ヘルメットを装着した運転者が二輪車等に搭乗し、走行した場合には、第2の外気導入口された外気は、ヘルメットシールドに吹き付けられる。そして、この第2の外気導入口を介してヘルメット内部に流れ込む外気の流入量が外気流入量情報出力手段から外気流入量情報として出力され、この外気流入量情報が判定値に達しているか否かを外気流入量判別機能が判別する。そして、外気の流入量が判定値に満たないと判別された場合に送風機駆動制御機能が送風機及び除湿機構を駆動する。この送風機により第2の外気導入口より導入された外気は、除湿機構に送られる。この除湿機構で除湿された除湿空気は、除湿空気通路に送られる。この除湿空気は第2の外気導入口より導入された外気と合流し、ヘルメットシールドに吹き付けられる。また、外気の流入量が判定値以上と判別された場合に送風機駆動制御機能が送風機及び除湿機構を停止させる。これにより、第2の外気導入口より導入された外気のみが除湿空気通路に導入され、ヘルメットシールドに吹き付けられる。このように、外気流入量が少ない場合にだけ、送風機及び除湿機構が駆動されるため、エネルギーの無駄がなくなる。
【0018】請求項7記載の発明は、ヘルメット装着者の視界を確保する窓を覆うヘルメットシールドを備え、前述したヘルメットシールドのヘルメットの内側に所定空間の密閉室を形成する内側シールド部材を前述したヘルメットシールドと一体的に形成すると共に、前述した密閉室の内部を真空にするという構成を採っている。
【0019】このように構成することにより、ヘルメットの内部と外部に温度差が生じても密閉室が断熱室として作用するため、その断熱効果により、ヘルメット内部に曇りを生じることがなくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、ヘルメットシールドの曇り防止装置は、例えば、図1に示すように、オートバイやスクーター等の二輪車Sの搭乗時に使用されるヘルメット等に設けられるが、これに限らず、四輪自動車や船舶の搭乗時に使用されるヘルメット等にも設けられる。このヘルメットシールドの曇り防止装置1は、ヘルメット2a内部側のヘルメットシールド4aに所定圧力の空気を吹き付けてヘルメットシールド4aの曇りを防止するものである。以下、本発明の第1の実施形態を図2乃至図10に基づいて順を追って説明する。
【0021】[ヘルメット]まず、ヘルメットシールドの曇り防止装置1が設けられるヘルメット2aについて説明する。このヘルメット2aは、図3(A)に示すように、所謂フルフェイスタイプのヘルメットであり、下部が開放された頭部全体を覆う略球殻状の殻体を有している。この殻体には、運転者P(図1参照)がこのヘルメット2aを装着した状態で、運転者Pの目前となる部分に、一定の視界を確保できる窓2aが設けられている。さらに、殻体の内面には、窓2aや運転者Pの口と鼻にあたる部分を除いてほぼ全域に衝撃を吸収する緩衝剤、所謂、パッドが装備されている。
【0022】前述した窓2aには、着脱自在のヘルメットシールド4aが装着されている。このヘルメットシールド4aは、ヘルメット2aの殻体に沿って窓2aを覆う形状とされている。このヘルメットシールド4aは、透明な樹脂製材料で形成されている。
【0023】また、ヘルメット2aには、走行風を取り入れてヘルメット2aの内部に所定量の外気を導入し、ヘルメットシールド4aの曇りを解消するための第2の外気導入口18が設けられている。この第2の外気導入口18は窓2aの下部に設けられている。第2の外気導入口18は外気導入通路を介してヘルメットシールド4aの近傍に設けられた外気送風口に接続されている。このように形成することにより、二輪車S(図1参照)が走行した際に、第2の外気導入口18から直接取り入れられた外気は、外気導入通路を通り、外気送風口からヘルメットシールド4aに吹き付けられ、ヘルメットシールド4aの曇りが解消される。
【0024】[ヘルメットシールドの曇り防止装置の概要]ヘルメットシールドの曇り防止装置1は、図2に示すように、除湿した空気を送風する除湿空気送風手段3と、この除湿空気送風手段3から送風された除湿空気をヘルメット2a内部側のヘルメットシールド4aに送風する除湿空気通路5aとを備えている。
【0025】[除湿空気通路]図3に示すように、ヘルメット2aの窓2aの下部のパッドには、除湿空気通路5aが設けられている。この除湿空気通路5aの開口部5a(他方の開口部)は、ヘルメットシールド4aの近傍に設けられ、且つ、ヘルメットシールド4aに向けて形成されている。この開口部5a(他方の開口部)は、先すぼみのノズル形状とされ、その先端がヘルメットシールド4aに沿う形状とされている。この除湿空気通路5aは管体で形成されている。また、図3(B)に示すように、この除湿空気通路5aの開口部5aとは反対側の開口部5a(一方の開口部)が除湿空気送風手段3に接続されている。この除湿空気送風手段3とヘルメット2aとの間の除湿空気通路5aは可撓性チューブ29で形成されている。この可撓性チューブ29は、除湿空気送風手段3及びヘルメット2aに設けられた除湿空気通路5aに対して着脱自在に形成されている。
【0026】前述した他方の開口部5aは、図4(A)に示すような形状とすることも可能である。この図4(A)の他方の開口部5aをヘルメット2aの正面から見た図が図4(B)である。図4(A),(B)に示すように、除湿空気通路5a、即ち、管体の一部をヘルメット2aの開口部下縁のパッドであって、ヘルメットシールド4aの下縁部に沿わせて配設し、除湿空気通路5aのヘルメットシールド4aの縁部に沿った部位に所定間隔で複数の孔を穿設することにより他方の開口部5aを形成している。
【0027】[除湿空気送風手段]次に、除湿空気送風手段3は、図2に示すように、外気を導入する第1の外気導入口26aと、管路を介して前記第1の外気導入口26aに接続されて所定風量で外気を供給する送風機3cと、この送風機3cにより供給された外気を除湿する除湿機構3bと、前記送風機3c及び除湿機構3bを制御する制御部3aとにより構成されている。この除湿空気送風手段3は二輪車両Sの前部に一体的に設けられている(図1参照)。この除湿空気送風手段3は車両側のバッテリを電源として使用しており、このバッテリから送風機3cを回転させるモータ12、除湿機構3bを構成するペルチェモジュール15、更には、制御部3aに電力が供給される。
【0028】[制御部]次に、図5は、制御部3aの要部及びその周辺を示すブロック図である。この制御部3aは送風機3cのケーシング5(図3(B)参照)の内部に配備されている。制御部3aは、外気流入量判別機能および送風機駆動制御機能の主要部を形成するマイクロプロセッサ6(以下、単にCPUという)と、その制御プログラムを格納したROM7および演算処理用のRAM8を備え、各要素6,7,8間はバス9を介して情報伝達可能に接続されている。また、バス9に接続された入出力回路10には、送風機3cの送風ファンのモータ12を駆動制御するモータ駆動回路13および除湿機構3bのペルチェモジュール15への電力供給をON/OFF制御するための電源スイッチ14と、CPU6の処理動作を開始させるためのスタートスイッチ16が接続されている。
【0029】この制御部3aには外気流入量情報出力手段17(図2参照)が接続されている。この外気流入量情報出力手段17は、例えば、オートバイやスクーター等の車両S側(図1参照)に配備された速度計から出力される速度情報に対応した外気流入量情報を制御部3aに出力する。そして、制御部3aでは、外気流入量情報を所定周期毎にA/D変換して入出力回路10およびバス9を介してRAM8に更新記憶することで、その値をCPU6に認識させるようにしている。オートバイやスクーター等の車両Sの走行速度は、必ずしも、単位時間あたりに第2の外気導入口18からヘルメット2aに取り込まれる外気の流入量と比例するものではないが、実用上は、車両Sの走行速度に比例する値を第2の外気導入口18からの外気流入量と見なして差し支えない。
【0030】ここで、前述した速度計の変わりに、圧力センサを第2の外気導入口18に設け、この圧力センサを外気流入量情報出力手段17に接続することも可能である。 この場合に、外気流入量情報出力手段17は、圧力センサから出力される圧力情報に対応した外気流入量情報を制御部3aに出力する。圧力情報は、必ずしも、単位時間あたりに第2の外気導入口18からヘルメット2aに取り込まれる外気の流入量と比例するものではないが、実用上は、圧力情報に比例する値を第2の外気導入口18からの外気流入量と見なして差し支えない。
【0031】[除湿機構]除湿機構3bは、図3(B)に示すように、多数のフィンを列設してなる熱交換器19,20とペルチェモジュール15とで構成されている。この除湿機構3bには開口部(第2の開口部)26aを有するダクト26が設けられ、このダクト26の開口部26a(第1の外気導入口)と除湿機構3bとの間には送風機3cが設けられている。この送風機3cは、送風ファン11の回転により開口部26aからケーシング5内に外気を送り込むように構成されている。
【0032】図6はペルチェモジュール15の作用原理を示す概念図である。ペルチェモジュール15は、N型半導体ペルチェ素子21とP型半導体ペルチェ素子22とを上接合部23(銅電極)と下接合部24(銅電極)で接合して形成されている。そして、電源25によりN型半導体ペルチェ素子21からP型半導体ペルチェ素子22の側に電流を流すと熱交換器19の側が吸熱すると共に熱交換器20の側が放熱し、また、電源25の極性を反転させてP型半導体ペルチェ素子22からN型半導体ペルチェ素子21の側に電流を流すようにすると、熱交換器19の側が放熱して熱交換器20の側が吸熱する。従って、図3(B)に示すように、ペルチェモジュール15および熱交換器19,20を除湿機構として利用する場合には、N型半導体ペルチェ素子21からP型半導体ペルチェ素子22の側に電流を流し、熱交換器19の側が吸熱側、また、熱交換器20の側が放熱側として機能するようにして電源25を接続する。すると、送風機3cの回転により外気導入ダクト26を介してケーシング5内に送り込まれた外気は、まず、冷却側の熱交換器19によって熱を奪われ、急激な温度変化によって生じる結露作用によって空気中の湿気を取り除かれる。また、このとき結露した水分はケーシング5に穿設されたドレイン27を介して排出される。そして、湿気を取り除かれた空気は、更に、加熱側の熱交換器20で加熱されて常温に戻され、可撓性の接続ホース29を介してヘルメット2aに送られ、他方の開口部2aからヘルメットシールド4aに吹き付けられる。
【0033】図7は外気流入量判別機能および送風機駆動制御機能としてのCPU6によって実施される送風量調整処理の概略を示すフローチャートである。
【0034】運転者によるスタートスイッチ16の操作を検知して送風量調整処理を開始したCPU6は、まず、RAM8に記憶されている車両走行速度の最新の値、要するに、単位時間あたりに第2の外気導入口18から取り込まれる外気の流入量Vrの現在値を読み込み(ステップa1)、その値が予め設定された判定値Vthに達しているか否かを判別する(ステップa2)。判定値Vthは、第2の外気導入口18からの外気の取り込みのみによってヘルメットシールド4aの曇りを解消するか、または、第2の外気導入口18からの外気の導入に加え、送風機3を用いた外気の強制導入を併用してヘルメットシールド4aの曇りを解消するかの何れか一方を選択するための判別基準となる判定値である。
【0035】ステップa2の判別結果が真となった場合、要するに、第2の外気導入口18からの外気の流入量が十分であって送風機3cによる外気の強制導入が不必要であると判定された場合には、CPU6は、モータ駆動フラグFがセットされているか否か、つまり、現時点で送風ファン11のモータ12が駆動されているか否かを判別する(ステップa3)。
【0036】そして、ステップa3の判別結果が真となってモータ駆動フラグFがセットされていることが明らかになった場合、つまり、現時点でモータ12が駆動されていることが明らかとなった場合には、CPU6は、モータ駆動回路13にモータ停止指令を出力してモータ12の駆動を停止させると共に、電源スイッチ14にOFF指令を出力してペルチェモジュール15への電力供給を停止させる(ステップa4)。次いで、CPU6はモータ駆動フラグFをリセットして送風機3cを非作動状態としたことを記憶し(ステップa5)、再びステップa1の処理に移行する。一方、ステップa3の判別結果が偽となった場合は、既にモータ12が停止していることが明らかであるので、CPU6はステップa4およびステップa5の処理をスキップし、モータ12およびペルチェモジュール15の非作動状態を保持したままステップa1の処理に移行する。
【0037】また、ステップa2の判別結果が偽となった場合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流入量が不充分であって送風機3による外気の強制導入が必要であると判定された場合には、CPU6は、モータ駆動フラグFがリセットされているか否か、つまり、現時点で送風ファン11のモータ12が停止しているか否かを判別する(ステップa6)。そして、モータ12が停止していれば、つまり、モータ駆動フラグFがリセットされていれば、CPU6は、モータ駆動回路13にモータ駆動指令を出力してモータ12の駆動を開始させると共に、電源スイッチ14にON指令を出力してペルチェモジュール15への電力供給を開始させる(ステップa7)。次いで、CPU6は、モータ駆動フラグFをセットして送風機3を作動状態としたことを記憶し(ステップa8)、再びステップa1の処理に移行する。一方、ステップa6の判別結果が偽となった場合には、既にモータ12が駆動されていることが明らかであるので、CPU6はステップa7およびステップa8の処理をスキップし、モータ12およびペルチェモジュール15の作動状態を保持したままステップa1の処理に移行する。
【0038】以下、第2の外気導入口18から取り込まれる外気の流入量Vrと判定値Vthとの大小関係の判別結果に応じて、前記と同様の処理が繰り返し実行されることになる。
【0039】その結果、第2の外気導入口18から取り込まれる外気の流入量Vrが不足気味(Vr<Vth)のときには、送風機3が連続的に作動して第2の外気導入口18からの外気の導入による換気不足を補い、ヘルメット2a内の空気を強制的に換気してヘルメットシールド4の曇りを防止する。また、第2の外気導入口18から取り込まれる外気の流入量Vrが十分(Vr≧Vth)な場合には送風機3cの駆動が自動的に停止されるので、車両の走行速度に関わりなく送風ファン11を定常的に回転させていた従来のこの主の曇り止め装置と比較して、電気エネルギーを大幅に節約することができる。これと共に、必要以上の強制換気が行われることも防止されるので、過剰な換気による不快感、例えば、目の乾きといった不快感をヘルメット2の着用者が感じるといった問題も解消することができる。
【0040】図8は、外気の流入量Vr(車両の走行速度)の変化に応じて送風ファン11のモータ12がどのようにON/OFF制御されるか、また、実際にヘルメット2a内に送風される外気の総和Q′がどのように変化するかの一例について示す概念図であり、送風機3で送風される外気の量はQmax(一定)として示している。
【0041】まず、車両発進時t0の時点ではモータ駆動フラグFは初期のリセット状態に保持されており、かつ、Vr<Vthであるので、CPU6は、まず、第2の外気導入口18からの外気の流入量Vrを読み込んでステップa2およびステップa6の判別処理を実行した後、ステップa7の処理でモータ12の駆動を開始してステップa8の処理でモータ駆動フラグFをセットする。モータ駆動フラグFがセットされる結果、次周期以降の処理ではモータ12の駆動を維持したままステップa1,ステップa2,ステップa6の処理だけが繰り返し実行されることになり、この状況は、t1の時点でVr=Vthとなるまで継続する。よって、t0からt1の区間で実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′は、Q′=Qmax+Vrとなる。
【0042】そして、t1の時点でVr=Vthとなると、CPU6はVrを読み込んでステップa2およびステップa3の判別処理を実行した後、ステップa4の処理でモータ12の駆動を停止してステップa5の処理でモータ駆動フラグFをリセットする。モータ駆動フラグFがリセットされる結果、次周期以降の処理ではモータ12の駆動を停止したままステップa1,ステップa2,ステップa3の処理だけが繰り返し実行されることになり、この状況は、t2の時点でVr<Vthとなるまで継続する。よって、t1からt2の区間で実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′は、Q′=Vrとなる。
【0043】そして、t2の時点でVr<Vthとなると、CPU6はVrを読み込んでステップa2およびステップa6の判別処理を実行した後、ステップa7の処理でモータ12の駆動を開始してステップa8の処理でモータ駆動フラグFをセットする。モータ駆動フラグFがセットされる結果、次周期以降の処理ではモータ12を駆動したままステップa1,ステップa2,ステップa6の処理だけが繰り返し実行されることになり、この状況は、少なくともt7の時点まで継続する。よって、t2以降の区間で実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′は、Q′=Qmax+Vrとなる。なお、t3からt4の区間およびt7以降の区間では車両は実質的に停止しており第2の外気導入口18からの外気の流入量Vr=0となっているので、実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′は送風ファン12による送風量Qmaxに等しい。
【0044】次に、前述した送風機3のON/OFF制御に加え、第2の外気導入口18からの外気の取り込み量Vrの変化に応じて送風機3の送風量Qを変化させる処理を行うことで外気供給量の総和Q′を可能な限り望ましい値に維持するようにするように制御することも可能である。ハードウェアの構成に関しては前述したものと概ね同様であるが、モータ駆動回路13がCPU6からの速度指令値に基づいてモータ12の速度制御を行う点が前述した実施形態と相違する。なお、ここでは一例として、ヘルメット2の着用者にとって望ましい外気供給量の総和Q′の値がQmaxであるものとして説明を進める。
【0045】次に、図9は送風ファン12の送風量Qを変化させて最適な外気供給量Qmaxを維持するためにCPU6が実施する送風量調整処理の概略を示すフローチャートである。
【0046】送風量調整処理を開始したCPU6は、まず、RAM8に記憶されている車両走行速度の最新の値、要するに、単位時間あたりに第2の外気導入口18から取り込まれる外気の流入量Vrの現在値を読み込み(ステップb1)、その値が予め設定された判定値Vthに達しているか否かを判別する(ステップb2)。判定値Vthは、第2の外気導入口18からの外気の取り込みのみによってヘルメットシールド4の曇りを解消するか、または、第2の外気導入口18からの外気の導入に加え、送風機3を用いた外気の強制導入を併用してヘルメットシールド4の曇りを解消するかの何れか一方を選択するための判別基準となる判定値である。
【0047】ステップb2の判別結果が真となった場合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流入量が十分であって送風機3cによる外気の強制導入が不必要であると判定された場合には、CPU6は、送風量設定レジスタQに0をセットし(ステップb5)、送風機3からの送風量を0とするための速度指令をモータ駆動回路13に出力すると共に、電源スイッチ14にOFF指令を出力してペルチェモジュール15への電力供給を停止させる(ステップb4)。従って、先に述べた実施形態の場合と同様、車両走行速度が上昇してVr≧Vthとなった状態ではモータ12の回転およびペルチェモジュール15の作動は完全に停止され、第2の外気導入口18からの外気の取り込みのみが行われることになる。
【0048】一方、ステップb2の判別結果が偽となった場合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流入が不充分であって送風機3cによる外気の強制導入が必要であることが明らかとなった場合には、CPU6は、Q=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式を実行し、第2の外気導入口18の換気不足を補って外気供給量の総和Q′を望ましい値Qmaxに近似させるために必要とされる送風機3cの送風量Qの値を求め、その値を送風量設定レジスタQにセットする(ステップb3)。
【0049】Q=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式から明らかなように、車両停止等で第2の外気導入口18の換気機能が実質的に無効となっているVr=0の状況下ではQ=Qmax・1=Qmaxとなり、送風機3の送風作用のみによって、必要とされる送風量Q′=Q+Vr=Qmax+0=Qmaxが達成される。また、車両走行速度の上昇により第2の外気導入口18から取り込まれる外気の量Vrが判定値Vthに達してVr=Vthとなった段階ではQ=Qmax・0=0となって送風機3の送風動作が完全に停止する。このとき、Vr=Vthであるから、ヘルメット2内には第2の外気導入口18の換気作用だけで判定値Vthと同等量の外気、即ち、Q′=Q+Vr=0+Vth=Vthが供給されることになる(但し、Vth=Qmaxとは限らない)。なお、判定値Vthと望ましい送風量Qmaxとを必ずしも同じ値に設定する必要はないが、仮にVth=Qmaxと設定するなら、Vr=0の場合にはQ′=Q+Vr=Qmax+0=Qmaxが達成され、また、Vr=Vthの場合にも、Q′=Q+Vr=0+Vth=Qmaxが達成されることになる。
【0050】前述したQ=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式では、第2の外気導入口18からの外気の取り込み量Vrの値に送風機3cの送風量Qを反比例させることによって外気流入量の総和Q′=Q+Vrの値を略一定に保持するようにしているが、Q=Qmax−Vr等の単純な演算式を利用してヘルメット2内に流れ込む外気の流入量Vrと送風機3の送風量Qとの和を略一定にすることも可能である。
【0051】ステップb5またはステップb3の処理で送風機3cの送風量Qを求めたCPU6は、送風量Qを達成するために必要とされる速度指令をモータ駆動回路12に出力し(ステップb4)、再びステップb1の読み込み処理に移行して前記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0052】図10は、図9の処理を実施した場合に外気の流入量Vr(車両の走行速度)の変化に応じて送風機3cの送風量Qがどのように変化するか、また、実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′がどのように変化するかの一例について示す概念図である。
【0053】前述した通り、第2の外気導入口18からの外気の流入量Vrが十分であって送風機3cによる外気の強制導入が不必要であると判定された場合には送風機3cが完全に非作動とされるので、外気の送風量の総和Q′は第2の外気導入口18からの外気の流入量Vrの影響のみを受けて変化する。従って、Vth<Vrとなる図10のt1からt2の区間で生じる変化は、先に述べた単純なON/OFF制御による実施形態の図8のt1からt2の区間で生じる変化と全く同一である。また、図10のt3からt4の区間および図10のt7以降の区間ではVrの値が0となっているので、モータ12は最大の送風量Qmaxを達成すべく回転する。従って、Vr=0となるt3からt4の区間およびt7以降の区間に関しても、送風量の総和Q′の状況に関しては、先に述べた実施形態の図8のt3からt4の区間および図8のt7以降の区間と全く同様である。
【0054】これに対し、図10のt0からt1の区間および図10のt2からt3の区間や図10のt4からt7の区間のように0<Vr<Vthとなる状況下では、前述したステップb3の処理によりQ=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式、または、Q=Qmax−Vrの演算式で送風機3cの送風量Qが自動的に調整されるので、外気流入量の総和Q′は概ねQmaxと等しい値に保持され、図8で示した実施形態に見られるようなQ′の不連続的な変化を取り除くことができる。モータ12を用いた送風量の最大値はQmaxであるから、モータ12の回転速度を調整することによってVr<Qmaxの範囲のVrの変動に対処して外気流入量の総和Q′の値を概ね望ましい値Qmaxに保持することが可能である。
【0055】[作用]本発明の実施形態の作用を図3及び図4により簡単に説明する。まず、制御部の外気流入量判別機能が、第2の外気導入口を介してヘルメット内部に流れ込む外気の流入量がが判定値に達しているか否かを判別し、外気の流入量が判定値に満たないと判別した場合に送風機駆動制御機能が送風機3cを駆動する。そして、送風機駆動制御機能が送風機3cを駆動することにより送風ファン11が回転し、開口部26aから外気が取り入れられる。この取り入れられた外気は除湿機構3bに送られ、この除湿機構3bで除湿される。この除湿された除湿空気は、一方の開口部5aより除湿空気通路5aに流れ、他方の開口部5aから放出される。この放出された除湿空気は、他方の開口部5aがヘルメットシールド4aに向けられているため、ヘルメットシールド4aに直接吹き付けられる。この吹き付けられた除湿空気は、ヘルメットシールド4aを伝いながら、ヘルメットシールド4aの曇りを除去する。このように、除湿空気が直接ヘルメットシールド4aに吹き付けられるため、少ない除湿空気量でヘルメットシールドの曇りを除去可能であるため、エネルギーの無駄が解消される。
【0056】また、他方の開口部5aがヘルメットシールド4aの縁部に沿って複数の孔で形成されている場合には、除湿空気がヘルメットシールド4aにむらなく、吹き付けられるため、ヘルメットシールド4aの全域にわたり、曇りが除去される。そして、ヘルメットシールド4aの曇りを除去した空気は、ヘルメット2a内を循環してヘルメット2aの外部に放出される。
【0057】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形態を図11に基づいて説明する。まず、図11(A)に示すように、前述した第1の実施の形態とは、ヘルメットシールド4bの内側に内側シールド部材4cが、その両端で一体的に連結されている点で異なる。さらに詳細には、内側シールド部材4cは、ヘルメットシールド4bより少し小さい板状部材の長手方向の両端を同一方向に屈曲させることにより、略断面コ字状とすることで、シールド部4cの両端に壁部4cが形成されている。この内、シールド部4cはヘルメットシールド4bど略同一形状とされている。壁部4cの端面はヘルメットシールド4bに一体成形又は接着可能な形状とされている。
【0058】そして、このように形成することで、ヘルメットシールド4bの内側シールド部材側4c側の壁面と内側シールド部材4cのヘルメットシールド4b側壁面との間に除湿室4dが形成されている。さらに、ヘルメットシールド4bと内側シールド部材4cの除湿空気通路側(図11(A)おいて下方向)には空気導入口4dが形成されている。また、ヘルメットシールド4bと内側シールド部材4cの除湿空気通路5bとは反対側(図11(A)おいて上方向)には、空気排出口4dが形成されている。ここで、内側シールド部材4cは、空気吸入口4b及び空気排出口4b側端部を内側シールド部材4cと反対方向に屈曲させて形成する事も可能である。
【0059】さらに、第1の実施形態と同様に、ヘルメット2bの窓2bの下部のパッドには除湿空気通路5bが設けられている。この除湿空気通路5bの開口部5b(他方の開口部)は、ヘルメットシールド4bの近傍であって、ヘルメットシールド4bの空気導入口4dに向けて形成されている。
【0060】また、他方の開口部5bは、図12(A)に示す形状とすることも可能である。この図12(A)の他方の開口部をヘルメット2bの正面から見た図が図12(B)である。図11(A),(B)に示すように、除湿空気通路5b、即ち、管体の一部をヘルメット2bの開口部下縁のパッドであって、ヘルメットシールド4bの下縁部に沿わせて配設し、除湿空気通路5bのヘルメットシールド4bの縁部に沿った部位に所定間隔で複数の孔を穿設することにより他方の開口部5bを形成している。
【0061】このようにすることで、除湿空気送風手段3から送風された除湿空気は、一方の開口部5bより除湿空気通路5bに流れ、他方の開口部5bから放出される。この放出された除湿空気は、空気導入口4dより除湿室4dに流れ込み、ヘルメットシールド4bの内側シールド部材4c側壁面と内側シールド部材4cのヘルメットシールド4b側壁面を伝わり、各々の壁面の曇りを除去する。この各々の壁面の曇りを除去した除湿空気は、除湿室4dの空気排出口4dから排出され、内側シールド部材4cのヘルメットシールド4b側壁面と反対側壁面を伝わり、この側壁面に曇りが生じていた場合には除去する。
【0062】ここで、内側シールド部材4cの空気導入口4d側端部を内側シールド部材4cと反対方向に屈曲させた場合には、除湿空気送風手段3から送風された除湿空気は、空気導入口4dよりより多くの除湿空気が除湿室4d内に流れ込み、ヘルメットシールド4bの内壁面の曇りが確実に除去される。また、内側シールド部材4cの空気排出口4d側端部をヘルメット2bの内部方向に屈曲させた場合には、除湿室4dより放出された除湿空気は、内側シールド部材4cのヘルメットシールド4bの反対側壁面を伝わり、この内側シールド部材4cの外壁に曇りを確実に除去する。
【0063】さらに、他方の開口部5bがヘルメットシールド4bの縁部に沿って複数の孔で形成されている場合には、除湿空気がヘルメットシールド4bにむらなく、吹き付けられるため、ヘルメットシールド4bの全域にわたり、曇りが除去される。そして、ヘルメットシールド4bの曇りを除去した除湿空気は、ヘルメット2a内を循環してヘルメット2aの外部に放出される。
【0064】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形態を図13に基づいて説明する。図13に示すように、ヘルメットシールド4eのヘルメット2c内部側壁面との間に所定空間の密閉室4gを形成する内側シールド部材4fをヘルメットシールド4eと一体的に備えている点で異なる。そして、前記密閉室4gの内部は真空にされている。
【0065】このようにすることで、密閉室4gが断熱層として作用し、断熱効果によりヘルメット2c内部の結露が解消される。このため、前述した第1及び第2の実施形態のように、除湿空気送風手段等を装備することなく、簡易な手段でヘルメットシールド4eの曇りを防止することが可能となる。また、この密閉室は、真空にすることなく、断熱効果を有するガスを封入することも可能である。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の発明は以上のように構成され機能するため、これによれば、除湿空気通路の他方の開口部がヘルメットシールドに向けられているため、ヘルメットシールドに吹き付けられる。この吹き付けられた除湿空気は、ヘルメットシールドを伝い、ヘルメットシールドの曇りを除去するため、少ない除湿空気量でヘルメットシールドの曇りを除去可能であるため、エネルギーの無駄が解消される。
【0067】請求項2記載の発明によれば、内側シールド部材で除湿室が形成されていることにより、除湿範囲が除湿室に限定されるため、エネルギーの無駄が解消される。また、除湿効率が大きくなるため、除湿装置の小型化が可能である。
【0068】請求項3記載の発明によれば、内側シールド部材の空気導入口側端部がヘルメットシールドの反対方向に屈曲しているため、一方の開口部よりより多くの除湿空気が除湿室内に流れ込み、ヘルメットシールド内側シールド部材側の壁面と内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面の曇りが確実に除去されると共に、除湿空気が直接顔面に当たることがないため快適である。さらに、除湿室より放出された除湿空気は、内側シールド部材の空気排出口側端部がヘルメットシールドの反対方向に屈曲しているため、より多くの除湿空気が内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面と反対側壁面を伝わり、その壁に着いた曇りを確実に除去できる。
【0069】請求項4記載の発明によれば、除湿空気通路の他方の開口部がヘルメットシールドの縁部に沿った部位に所定間隔で穿設された複数の孔からなるため、除湿空気がヘルメットシールドにむらなく吹き付けられる。このため、ヘルメットシールドの曇りが全域にわたり確実に除去される。
【0070】請求項5記載の発明によれば、制御部で除湿機構及び送風機を適切に制御することにより、除湿機構及び送風機を操作する煩わしさが解消されると共に、エネルギーの無駄も解消される。
【0071】請求項6記載の発明によれば、外気流入量検出部で推定された外気の流入量が判定値に達しているか否かを外気流入量判別機能が判別し、この判別に応じて、送風機駆動制御機能により送風機及び除湿機構が駆動される。このため、外気流入量が少ない場合にだけ、送風機及び除湿機構が駆動されるため、エネルギーの無駄がなくなる。
【0072】請求項7記載の発明によれば、真空の密閉室が断熱層として作用するため、その断熱効果により、簡易で且つ安価に、ヘルメットシールドの内側に曇りを生じることがなくなる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成11年8月10日(1999.8.10)
【代理人】 【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
【公開番号】 特開2001−55617(P2001−55617A)
【公開日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願番号】 特願平11−226823