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【発明の名称】 スナップ装着装置用パーツフィーダ
【発明者】 【氏名】山名 寛

【要約】 【課題】スナップ装着装置に於いて雌雄本体部材を交互か一方を連続選択し、目詰まりなく供給する係止機構付きパーツフィーダーを提供する。

【解決手段】押し棒21の摺動路15に接続した複数シュート24の通路26に、先端32に勾配を付したピン31を弾性部材35と共に装着し、ボデイ12の下面に取付た天秤材37の傾動でピン後端33に対する接触乖離を行ってピンを隠顕し、顕れると本体部材2,5を捕捉して先端の勾配に沿いシュート内に移動させながら本体部材を押し棒表面22から引き離し、隠れると本体部材が移動する構成として、一方の供給を係止すると他方が解除になる係止機構39をパーツフィーダ11に備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボデイ(12)内に設けた往復運動をする押し棒(21)用摺動路(15)周囲に、部材供給用シュート(24)を接続し、部材(2,5)がシュート通路(26)内を移動してシュート出口(25)に到達し、押し棒が摺動路を後退し折り返して前進する過程で、シュート出口から摺動路に供給した部材を、押し棒先端で次工程に移動する構成とし、摺動路に接続したシュート出口を、押し棒表面(22)で閉塞した状態で、シュート内を移動した部材(2,5)が出口に到達し、押し棒表面に接触した部材の孔(3)か穴(6)の中心を基準に、シュート内寄りに中心を移しシュートと隣接するボデイ(12)に連通した孔(17,27)を開け、その両孔に先端(32)から勾配を付して順に細めたピン(31)と弾性部材(35)を組合せ、ピンを隠顕可能に挿入した後に抜け止めを施し、孔に対してピン先端が、隠れると部材がシュート内を移動し、顕れると部材の孔か穴を捕捉して部材のシュート内の移動を阻止し、捕捉された部材はぴん先端の勾配面によりシュート内部に移動し、押し棒表面から部材外縁が離れる構成とした係止機構(39,45,47)を備えることを特徴とするスナップ装着装置用パーツフィーダ。
【請求項2】 係止機構(39)に於けるピン(31)の隠顕動作が、ピン後端(33)とボデイ(12)に傾動可能に装着した天秤材(37)との接触乖離で起きる構成とし、天秤材には位置決め機構(44)を備えることを特徴とする請求項1に記載のスナップ装着装置用パーツフィーダ。
【請求項3】 係止機構(45)に於けるピン(31)の隠顕動作が、ピン後端(33)に接続したカム(46)の回転で起きる構成としたことを特徴とする請求項1に記載のスナップ装着装置用パーツフィーダ。
【請求項4】 係止機構(47)に於けるピン(31)の隠顕動作が、ピン後端(33)に接続した電磁石(48)の吸引突出による働きで起きる構成としたことを特徴とする請求項1に記載のスナップ装着装置用パーツフィーダ。
【請求項5】 位置決め機構(44)が、先端にコイルばね(42)とボール(43)を内蔵したねじ(41)を天秤材に調整可能に取り付け、ねじ先端のボールに嵌合する窪み(19)をボデイ(12)に設け、ボールと窪みが一致すると天秤材を固定する構成としたことを特徴とする請求項2に記載のスナップ装着装置用パーツフィーダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として天然か人工の布や皮等の薄い平面材料にスナップと呼ばれる止具を装着する装置用パーツフイーダに関する。
【0002】
【従来の技術】スナップは嵌合部分を備えた雌雄部品とで構成し、屋外や事務や服飾等の諸用品の合わせ目を着脱可能に接続する止具として、主に薄い金属性の板材から成形し使用に供される。用法はスナップ自体の儘で装着使用されることが多いが、プレス・スタッドと呼ぶ上下組ボタンに開けた穴に嵌め込み、化粧ボタンとして使用することもある。
【0003】スナップと呼ばれる止具は取付手段により形状が多少異なる。毛糸や痛み易い材料が対象の時は取付面に糸孔を持つタイプを使用して縫製で対応するが、それ以外の材料ではスナップの雌雄部品を夫々本体と爪付き座金の二部材に構成したタイプで、装着対象物の両面を挟み加締手段で一体化して使用する。
【0004】スナップの取付作業は、縫製では装置と言うよりも人手への依存度が高く、加締めでは装置に依存し生産量により手動機,半自動機,自動機から選択する。然し、服飾分野に於ける生産は多品種小量が多く、特に化粧ボタンの使用には方向性も考慮が必要となる等の制限が伴うので、自動機の使用よりも、人手への依存度が高い器械(手動機)か、操作を人手に依存する動力付きの半自動機を使用することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願では、加締前を本体と座金の二部材とし加締後を部品として説明する。スナップの取付に夫々部材を組合せて雌雄部品とする二工程が欠かせず、形状とサイズへの対応も必要で、複数の装置を要し設備投資も小額では済まない。然し、この分野の加工業者は零細企業が多く資金負担に堪えることが難しく、廉価でマルチ機能の加工機を望む声があるが実現が難しい。
【0006】通常の装置主要部は、手動機では加締用金型部分のみであり、半自動機では加締用金型部分だけか本体部材の格納用ホッパーとシュートと金型に本体部材を送る押し棒からなるパーツフィーダと加締用金型部分とで構成する場合がある。半自動機では一方の金型に本体部材を自動供給し、他方の金型に座金部材を人手供給し、金型を自動で閉じて一体化し部品とする。
【0007】ホッパーとシュートは、同番手の雌雄本体部材には共用出来るが、部材を混用することは識別を要することから出来ない。従って、一組のホッパーとシュートの場合は所要量の処理後に、本体部材を交換して次の加工に移ることになる。然し、装着対象物が多いと雌雄何れかに片寄った半製品が溜まり、少ないと部材交換を頻繁に行う手間の必要に迫られることになる。
【0008】スナップを使用する装着対象物が少量の時、作業手順から見ると一台の装置で雌雄部材の取付が交互に出来ることが望ましい。この様な用途のパーツフィーダを構成するには、本体部材を供給するシュートの数が一本か二本以上として対処することになるが、一本は正確度の保証が難しく、二本以上は本体部材を押し棒で加締用金型に送り込む際に起きる次の課題の解決が必要になる。
【0009】押し棒はシュート出口に沿って往復運動し、後退時にシュート出口から摺動路に押し出された本体部材を前進時に移動する。動力なしで本体部材を押し棒先端に送り込む手段は、重力を有効に利用するので強い傾斜付きのシュートを使用するので、シュート内の本体部材の全重量がシュート出口に作用することになり、押し棒表面に強い圧力を加わえ正常な働きを妨げることがある。
【0010】この押し棒表面に加わる圧力障害の起こり易さは、シュートと押し棒が1対1で対応する時は比較的少なく、複数シュートを一本の押し棒が対応する時、複数箇所で圧力を受けることになる為に起こり易い。また、本体部材の安定供給にはシュート出口の開閉機構が欠かせず装置を複雑にする。その他に、シュート断面と本体部材の嵌合状態如何で、シュート出口で圧力による本体部材同士の干渉が起こり、目詰まりし易くなり安定供給が望めない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、スナップ取付時の上記課題を解決し、複数シュートを使用し雌雄本体部材を交互か何れかを選択して連続供給する係止機構を備えたスナップ装着装置用パーツフィーダの提供を目的とする。
【0012】本発明は、ボデイ内に設けた往復運動をする押し棒用摺動路周囲に、部材供給用シュートを接続し、部材がシュート通路内を移動してシュート出口に到達し、押し棒が摺動路を後退し折り返して前進する過程で、シュート出口から摺動路に供給した部材を、押し棒先端で次工程に移動する構成とし、摺動路に接続したシュート出口を、押し棒表面で閉塞した状態で、シュート内を移動した部材が出口に到達し、押し棒表面に接触した部材の孔か穴の中心を基準に、シュート内寄りに中心を移しシュートと隣接するボデイに連通した孔を開け、その両孔に先端から勾配を付して順に細めたピンと弾性部材を組合せ、ピンを隠顕可能に挿入した後に抜け止めを施し、孔に対してピン先端が、隠れると部材がシュート内を移動し、顕れると部材の孔か穴を捕捉して部材のシュート内の移動を阻止し、捕捉された部材はぴん先端の勾配面によりシュート内部に移動し、押し棒表面から部材外縁が離れる構成とした係止機構を備えることを特徴とするスナップ装着装置用パーツフィーダである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、ベースとベースカバーで構成するボデイに、複数のホッパーとシュートを接続し、往復運動をする押し棒を内蔵する構成に、本体部材を選択供給する係止機構を取付て、本体部材を次工程(例えば加締用金型)に移動するスナップ装着装置用パーツフィーダに関して説明する。
【0014】パーツフィーダは、シュート内の本体部材をシュート出口に、取り込みが必要な時には移動を妨げず、必要でない時には移動を妨げると共に、押し棒表面に圧力が加わらないように隙間を保つ係止機構を備え、装置使用時にシュート出口の目詰まりが起らず、形状の異なる本体部材の混ざりもなく円滑に供給できる。
【0015】この係止機構は、スナップの雌雄本体部材が略中央に備える孔か穴を対象として、傾斜を付し徐々に細めた先端形状のピンに弾性部材を組合せて、シュートとベースに連接する孔にピンを隠顕可能に挿入し、先端がシュート内に顕れると本体部材の孔か穴を捕捉して移動を阻止し、次いで、先端の勾配に沿い本体部材を移動し自然にシュート内に後退させ押し棒表面から引き離す構造である。
【0016】複数シュートを備えるスナップ装着装置では、何れか一つのシュート出口を開放し他の出口の閉鎖が必要な為、ベースに軸回りに傾き動く天秤材を取付て、天秤材がピン後端を押すと先端が顕われ、離すと弾性部材が先端を隠し、本体部材を交互か何れか一つを選択し次工程に供給する。この天秤材の機能はピン毎に、位相を変えたカムと組合せるか、電磁石を組合せ電磁石の一つが作動時に他の電磁石が停止する構成に置き換えてもよい。
【0017】
【作用】本発明のパーツフィーダは、ピン先端が本体部材を捕捉して係止するか解除する動きで、シュート内の本体部材の必要な種類を選択して加締用金型に送り、他の種類を係止して押し棒表面から引き離す。
【0018】
【実施例1】スナップの取付作業は、本体2,5と爪付き座金7の二部材で夫々構成した加締形スナップの雌雄部品1,4を、装着対象物8を挟むようにして対峙させ座金の爪を貫通させて、本体部材に爪を押し込み加締めて仕上げる。図1(A)から(D)は本体と座金の両部材を加締用金型9,10にセットし、金型間に装着対象物を置き雌部品1とする成形過程を、図1(E)は成形した雄部品4を、図1(F)は雌雄部品1,4を嵌合した状態を夫々示した。
【0019】図2から4は、スナップ装着装置用パーツフィーダ11で動力装置は図示していない。図2は平面を、図3は側面を、図4は図1のa−a線に沿うシュートの部分断面を含む正面を夫々示した。図2から4に示す様に、ボデイ12を構成するベースカバー13とベース14の中に形成した押し棒21の摺動路15を挟む様にしてシュート24を設置し、その上方にホッパー(図示せず)を接続する。シュートは雌雄の区別なく使用できるようにT字形の通路26を持つ。
【0020】シュート出口25の押し棒表面22〔図5(B)参照〕に接する本体部材2の中心を基準に、シュート内寄りに中心を移して穿した孔27に連通して段付きの孔17をベース14に穿し、その両孔に先端32を円錐状に仕上げ後部に鍔34を付したピン31と弾性部材35として予圧したコイルばねとの組合せを挿入し抜け止め18を付ける。ピンは孔の段と鍔の間に挿入したコイルばねの働きで、常時は孔の中に隠れピンに外力が作用すると顕れる。
【0021】ピン31の動作は、ベース14下面のブラケット16に、軸36で傾動可能に装着した天秤材37の端部がピン後端33に接触乖離して生まれ、シュート出口25の本体部材2の動きを制御する係止機構39として役立つ。図3(B)は同(A)のb部を拡大した天秤材傾動量の規制用位置決め機構44で、天秤材にコイルばね42とボール43を内蔵するねじ41を調整可能に螺合し、ブラケット面の窪み19を組合せて位置決めする。天秤材は把手38でも操作できる。
【0022】ピン31の働きを図5(A)から(D)を使用して説明する。図5(A)に示す様に、押し棒が後退しピンが隠れている時は、シュート24内の本体部材2はシュート出口25から摺動路15に出て、押し棒先端23で次工程に送られる。図5(B,C)に示す様に、押し棒21が前進し本体部材2の左外縁と押し棒表面22が接する状態で、シュート出口寄りの本体部材の孔3中心に対しピン中心が内側に位置するが、ピン先端32外縁(図の右上肩)が孔3の内側に止まり、ピン先は容易に孔3を捕捉できる。本体部材5の孔6とも同じ関係になる。
【0023】図5(D)に示す様にピン31がより顕れると、本体部材2の孔3内縁がピン先端32の勾配に沿いピンの根元方向に動き、勾配に相当する距離だけシュート内側に移動してシュート出口25から離れ、押し棒表面22に力が加わらず部材同士の目詰まりも解消する。天秤材37が逆方向に傾くとピンが隠れて本体部材に対する係止を解除する。この様に、係止機構39は複数シュートに対して一方の本体部材を係止すると他方を解除する選択動作で、交互か一方を連続して次工程に送ることが出来る。
【0024】押し棒21とシュート出口25の位置関係は、本体部材2(または5)がシュート出口に確実に到達する構成ならば本図に限定されることはない。例えば、シュート出口を押し棒の片側だけに配置してもよく、押し棒の方向が制限されることもない。この係止機構39付きのスナップ装着装置は一台で少なくとも二台の役割を担うことができるので設備コストの節減に寄与する。
【0025】
【実施例2】図6は別形態のピン係止機構45を示し、その他の部分は実施例1で示した構成と同じである。本例は実施例1の天秤材37に代えて、ピン31にカム46を接触させカムが動くと隠顕する構造である。複数のカムを使用する時は夫々の位相を変えて軸で結び回転装置と組合せて使用する。この隠顕動作は人手か動力装置の何れで操作してもよく効果も同じである。
【0026】
【実施例3】図7は別形態のピン係止機構47を示し、その他の部分は実施例1で示した構成と同じである。本例は実施例1の天秤材37に代えて、ピン31に電磁石48を装着し電磁石の動きで隠顕する構造とした。複数のピンに対して適用する場合は、電磁石の一つが作動中の時、残り電磁石を非作動とする制御回路と組合せて使用する。
【0027】
【発明の効果】■請求項1の発明により、ピンがシュート内の本体部材を確実に捕捉係止して、押し棒表面と供給しない部材の接触を防止し、部材同士によるシュート目詰まりを起さない。
■請求項2,3の発明により、複数シュートを使用する装置で部品を選択供給できるので、スナップ装着装置の効果的な使用を可能にした。
■請求項4の発明により、複数シュートを使用する装置で部品を選択供給できるので、自動化をより進めたい装置に適用すると、一段とスナップ装着装置の効果的な使用を可能にした。
■請求項5の発明により、天秤材は固定を解除しない限り動かないので、装置の使用中に部材が混じる心配がない。
【出願人】 【識別番号】591141463
【氏名又は名称】有限会社山名製作所
【出願日】 平成12年6月8日(2000.6.8)
【代理人】 【識別番号】100062498
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓
【公開番号】 特開2001−348717(P2001−348717A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−171745(P2000−171745)