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【発明の名称】 アパレルCADシステム
【発明者】 【氏名】林田 勲

【氏名】羽根田 治久

【要約】 【課題】従来のアパレルCADシステムの試作工程では、手作業によるシーチングの作業工程を必要とするために、一つのパターンが完成するまでには、多くの時間と多額の費用がかかり、早い流行の変化に対応することが困難であった。また、試作工程で実際の布地を使用して製品を制作しているために、これに使用される布地のコストも大きなものになっている。

【解決手段】本発明は、CADシステムの出力パターンを、不織布の上に出力することにより、裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるようにしてシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行うことにより、アパレル製品の試作工程の簡略化とコストの削減を実現したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】デザイナーのデザインに基ずいてそのパターンを作成し、これを出力するアパレルCAD、該アパレルCADの出力のパターンを、不織布の上に出力し裁断するプロッタ、該プロッタより出力されたパターンが裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程、よりなり、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行えるようにしたアパレルCADシステム。
【請求項2】デザイナーのデザインに基ずいてそのパターンを作成し、これを出力するアパレルCAD、該アパレルCADの出力のパターンを、不織布の上に出力すると同時に、パターン上にあらかじめCADシステムに設定されていた布地の色彩模様をプリントするカラープリンタ、該カラープリンタの出力のパターンと布地の色彩模様がプリントされた裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程、よりなり、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行えるようにしたアパレルCADシステム。
【請求項3】デザイナーのデザインに基ずいて、その組み立て時に襟や袖のように立体的な結合が行われる部分の縫い代の部分に切り込みを入れたパターンを作成し出力するアパレルCAD、該アパレルCADの出力のパターンを不織布の上に出力し裁断するプロッタ、該プロッタにより出力されたパターンが裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程、よりなり、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行えるようにしたアパレルCADシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洋服等のアパレルのパターンの出力用紙に不織布を使用するようにしたアパレルCADシステムに関する。本発明のアパレルCADシステムは、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずに、パターンの出力された不織布を裁断しパターンの組み上げのドレーピング作業を行えるようにして、アパレル製品の試作工程の簡略化とコストの削減を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のアパレルCADを使用したアパレル製品の開発のフローチャートを示したものである。洋服等のアパレル製品を開発する場合の試作工程では、デザイナーのデザインに基ずいてCADシステムによりそのパターンを作成し、これを紙に出力しアパレル製品の型紙が作成される。型紙が作成されるとこれを粗布に写し取るシーチング作業が行われる。シーチング作業では、先ずアパレル製品の生地(粗布)を選定し、これにアイロンをかけてから、布地目のチェックを行った後に、チャコで型紙を布地の上に写し取り、これを鋏により裁断する作業であり、これらの作業はすべて手作業により行われている。シーチング作業によりパターンの型紙どうりに裁断された布地は、ドレーピングの工程に移され、人台の上でピン打ちされアパレル製品の形に組み立てられる。ドレーピングの工程では、ピンの位置が繰り返し調整されてアパレル製品の形が整えられ、パターンの修正が行われる。
【0003】ドレーピングの工程で修正が行われたパターンは、デジタイザーによりCADシステムに読み込まれ、修正パターンの型紙が作成される。修正パターンの型紙により、再びシーチング作業とドレーピングの工程が実行され人台の上でピン打ちされ修正パターンのアパレル製品が形に組み立てられる。通常、一つのアパレル製品のパターンが完成するまでの試作工程では、上記のパターン出力、シーチング作業、ドレーピング作業の工程が10回から20回程度繰り返して行われ、満足するデザインが完成するまでパターンの修正が行われている。更に、同一のパターンにより異なった模様のアパレル製品を製作する場合には、そのパターンに適した模様の布地を選定するために、実際に使用される模様の数倍の模様の布地を使用してアパレル製品の製作が行われる。このために、上記のパターン出力、シーチング作業、ドレーピング作業の工程が各布地ごとに行われ、制作された異なった模様のアパレル製品を比較して最終的な模様の選定が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来のアパレルCADシステムの試作工程では、パターン出力を粗布の布地に写し取り裁断する手作業によるシーチングの作業工程を必要とするために、一つのアパレル製品のパターンが完成するまでには、複雑な作業と、多数の布地を必要とするために、多くの時間と多額の費用がかかり、早い流行の変化に対応することが困難であった。また、試作工程で実際の布地を使用してアパレル製品を制作しているために、これに使用される布地のコストも大きなものになっている。このため、簡単な作業と安いコストでアパレル製品の試作が出来るアパレルCADシステムの実現が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアパレルCADシステムは、デザイナーのデザインに基ずいてそのパターンを作成し、これを出力するCADシステムと、該CADシステムの出力のパターンを、不織布の上に出力して裁断するプロッタと、プロッタより出力されたパターンが裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程、よりなり、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行えるようにして、アパレル製品の試作工程の簡略化とコストの削減を実現したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
【実施例】図1は本発明のアパレルCADシステムの一実施例のフローチャートを示す。図1により本発明のアパレルCADシステムの動作の説明を行う。
CADシステム:洋服等のアパレル製品を開発する場合にの試作工程では、デザイナーのデザインに基ずいてアパレルCADによりそのパターンの作成が行なわれる。
パターン出力:アパレルCADによるパターンの作成は、従来のアパレルCADシステムと同一である。本発明では、作成されたパターンは、不織布の上に出力される。不織布は、繊維を紙の製造と同様の方法で漉き上げたもので、材質は布の繊維で構造は繊維のからみあった紙の構造を持っており、その特性は布と紙の特性を持っている。(不織布の具体的な特性の詳細は後に記載する。)
このため、CADシステムの出力のパターンは、紙の特性を使って不織布の上に従来の紙の上の出力されるのと同様に出力され記録が行われる。
【0007】ドレーピング工程:パターンと同時にパターン上にあらかじめCADシステムに設定されていた布地の色彩模様がプリントされた不織布は、従来の型紙と同様に裁断され、不織布の持つ布の特性を使って直ちにドレーピングの工程に移され、人台の上でピン打ちされアパレル製品の形に組み立てられる。ドレーピングの工程では、ピンの位置が繰り返し調整されてアパレル製品の形が整えられ、これによりパターンの修正が行われる。
修正パターンのデジタイザーによるCADシステムへの読み込み:ドレーピングの工程で修正が行われたパターンは、従来のアパレルシステムと同様にデジタイザーによりCADシステムに読み込まれ、修正パターンが作成される。修正パターンにより、再びドレーピングの工程が実行され人台の上でピン打ちされ修正パターンのアパレル製品が形に組み立てられる。一つのアパレル製品のパターンが完成するまでには、従来のアパレルCADシステムと同様に上記のパターン出力は10回から20回程度繰り返して行われるが、本発明のアパレルCADシステムでは、実際の布地を使用した手作業によるシーチング作業が不要なために、パターンの修正のためサイクルの時間が大幅に短縮され、又実際の布地を使用しないために粗布のコストも大きく削減できる。
【0008】カラー・インクジェットプリンタによる色彩模様のプリント:一つのアパレル製品のパターンの修正が終わりパターンが完成すると、このパターンに実際の布地と同様の色彩模様をプリントしその具体的なイメージのテストが行われる。このために本発明のアパレルCADシステムは、パターンの出力された不織布の上に、あらかじめCADシステムに設定されていた布地の色彩模様がカラー・インクジェットプリンタによりプリントされる。同一のパターンにより異なった模様のアパレル製品を製作する場合には、そのパターンに適した模様の布地を選定するために、数倍の異なった模様の布地を使用してアパレル製品の製作が行われ、異なった模様のアパレル製品を比較して最終的な模様の選定が行われているが、本発明のアパレルCADシステムに、カラー・インクジェットプリンタを使用し、あらかじめCADシステムに設定されていた布地の色彩模様を選定することにより、容易に異なった模様のアパレル製品を製作しそのイメージの比較を行うことができる。
【0009】図2は、本発明のアパレルCADシステムによる洋服のパターン出力の一部の例を示したものである。図2において、1は洋服の襟のパターンを示し、2は洋服の袖のパターンを示す。3は洋服の襟と袖の結合される身頃のパターンを示し、31はその縫い代である。32,33は縫い代31の一部に設けられた切り込みである。本発明のアパレルCADシステムのパターン出力は、図2の3に示すように、その組み立て時に。襟や袖のように立体的な結合が行われる部分の縫い代31に切り込み32,33を入れるように構成されている。この切り込み32,33は、不織布が普通の布に比べてしなやかさや伸縮性が劣るという特性を補正するために設けたものである。この切り込み32,33により、襟や袖のように立体的な結合が行われる部分のドレーピングの工程がやりやすくなり、人台の上でピン打ち作業が容易になる。
【0010】本発明のアパレルCADシステムでは、このドレーピングの作業に使用されるパターン同士の結合素子は、従来ピンだけでなく、不織布の紙の特性を利用して、両面接着テープ、糊等を使用することも可能である。パターン同士の結合素子を適切に選択することにより、ドレーピングの作業自体も効率化することが可能になる。本発明のアパレルCADシステムは、CADシステムの出力のパターンを、不織布の上に出力することにより、出力されたパターンを裁断された不織布を使用して直ちにアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程に入ることができるため、パターン出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を使用せずにドレーピング作業を行えるので、アパレル製品の試作工程が大幅に簡略化されコストも削減できる。
【0011】また、本発明のアパレルCADシステムでは、同一のパターンにより異なった模様のアパレル製品を製作する場合には、その模様をCADシステムに設定するだけで、異なった模様の布地のパターンが出力されるので同一のパターンにより異なった模様のアパレル製品を製作する場合にも、模様の選定作業が短時間でしかも低いコストで行うことが出来る。現在、不織布は使用される繊維やその厚さ等により各種の異なった特性の製品が実用化されているが、本発明のアパレルCADシステムの出力に使用した不織布の物性は、次のようなものである。
坪量 55.5g/m厚み 389μm密度 0.143g/mまた、この不織布の強度の測定結果は破断強度タテ 12.8kg/5cm破断強度ヨコ 6.2kg/5cm破断伸度タテ 16.8%破断伸度ヨコ 37.8%比引き裂き強度タテ 0.586kg/g/m比引き裂き強度ヨコ 0.716kg/g/mであった。
【0012】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明は、デザイナーのデザインに基ずいてそのパターンを作成し、これを出力するCADシステムと、CADシステムの出力のパターンを、不織布の上に出力し裁断するプロッタと、プロッタより出力されたパターンが裁断された不織布を使用してアパレル製品の形に組み立てるドレーピング作業工程、よりなり、パターンの出力を布地に写し取り裁断するシーチングの作業工程を必要とせずにドレーピング作業を行えるようにしたアパレルCADシステムを実現したものである。このため、本発明によれば、パターンの出力を粗布の布地に写し取り裁断する手作業によるシーチングの作業工程が不要になるために、一つのアパレル製品のパターンが完成するまでの時間と費用が大幅に削減することが出来るだけでなく、早い流行の変化に対応することが可能になる。又、同一のパターンにより異なった模様のアパレル製品を製作する場合には、本発明のアパレルCADシステムでは、カラー・インクジェットプリンタを使用し、あらかじめCADシステムに設定されていた布地の色彩模様を選定することにより、容易に異なった模様のアパレル製品を製作しそのイメージの比較を行うことにより、試作工程で実際の布地を使用して製品を制作する必要が無くなるので、これに使用される布地のコストも削減出来るので簡単な作業と安いコストでアパレル製品の試作を行うことが可能になる。
【出願人】 【識別番号】500146738
【氏名又は名称】株式会社 ユカアンドアルファ
【識別番号】391013863
【氏名又は名称】国際チャート株式会社
【出願日】 平成12年3月30日(2000.3.30)
【代理人】 【識別番号】100066924
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 信助
【公開番号】 特開2001−279513(P2001−279513A)
【公開日】 平成13年10月10日(2001.10.10)
【出願番号】 特願2000−92808(P2000−92808)