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【発明の名称】 衣服の型紙作成システム
【発明者】 【氏名】坂口 嘉之

【要約】 【課題】CG画像を用いた衣服の型紙作成作業の操作性と作業効率とを向上する。

【解決手段】LCDタブレット2から入力された人体や衣服のデザイン画に基づきデータベース4を検索し、基本となる人体モデルの三次元形状画像と衣服の三次元画像及び型紙画像が設定される。これらの画像はLCDタブレット2に同時に表示され、操作者がタブレット上で3種類の画像のいずれかを変形すると、その変形情報に基づき画像変形部33で全ての画像が変形され、その画像がLCDタブレット2に再び表示される。従って、この画像変形操作を繰り返すことで衣服の型紙を簡単に作成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像を設定する人体モデル画像設定手段と、上記入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき上記第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及びその衣服に対応する型紙の二次元画像を検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙の二次元画像とを設定する衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像と上記第4の記憶手段に記憶された上記衣服の三次元形状画像とを同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表された上記型紙の二次元画像又は上記衣服の三次元形状画像を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された上記型紙の二次元画像及び上記衣服の三次元形状画像の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像及び衣服の三次元形状画像をそれぞれ上記第3,第4の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項2】 予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像を設定する人体モデル画像設定手段と、上記入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき上記第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及びその衣服に対応する型紙の二次元画像を検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙の二次元画像とを設定する衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記人体モデル画像設定手段で設定された人体モデルの三次元形状画像を記憶する第5の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像、上記第4の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及び上記第5の記憶手段に記憶された人体モデルの三次元形状画像を同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表示された上記型紙の二次元画像、上記衣服の三次元形状画像又は上記人体モデルの三次元形状画像を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及び人体モデルの三次元形状画像の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及び人体モデルの三次元形状画像をそれぞれ上記第3,第4,第5の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項3】 請求項1又は2記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像又は人体モデルの三次元形状画像の修正により作成された型紙の二次元画像を構成するデータを出力するデータ出力手段を更に備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の入力部から入力される人体及び衣服の情報は、人体及び衣服のデザイン画の画像情報であることを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項5】 請求項4記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記人体モデル画像設定手段は、上記入力手段から入力された人体のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された三次元形状画像に基づいて上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像を設定する検索部とからなり、上記衣服設定手段は、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙の二次元画像とを設定する検索部とからなることを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項6】 予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段から入力された人体のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された三次元形状画像に基づいて上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像を設定する検索部とからなる人体モデル画像設定手段と、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙の二次元画像とを設定する検索部とからなる衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を記憶する第6の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像、上記第4の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及び上記第6の記憶手段に記憶された衣服のデザイン画を同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表示された上記型紙の二次元画像、上記衣服の三次元形状画像又は上記衣服のデザイン画を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された衣服の型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画をそれぞれ上記第3,第4,第6の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項7】 請求項6記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画の修正により作成された型紙の二次元画像を構成するデータを出力するデータ出力手段を更に備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【請求項8】 請求項5又は6記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記複数の衣服は、カテゴリー別に分類されて上記第2の記憶手段に記憶されるとともに、上記衣服のカテゴリーを選択する選択手段を更に備え、上記衣服画像設定手段の検索部は、上記データ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段の上記選択手段で選択されたカテゴリーに含まれる複数の衣服の三次元形状画像を検索するものであることを特徴とする衣服の型紙作成システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服の製造工程における衣服の設計・試作・変更、型紙の試作・修正等を効率よく行うことのできる型紙作成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アパレルメーカでは、アパレル専用のCAD(computer aided design)を用いて衣服の型紙作成が行われている。このCADシステムにおいては、コンピュータの画面あるいは実型紙をデジタイザに入力して型紙の二次元画像を作成した後、その型紙画像をグレーディングと呼ばれるサイズ変更処理で修正して所望の型紙画像を作成することができるようになっている。そして、この型紙画像に付随して算出されている実寸データをCAM(computer aided manufacturing)に出力して衣服縫製用のパーツが製作できるようになっている。
【0003】また、型紙画像のグレーディングが衣服の形状にどのように反映されるかを視覚的に確認できるように、コンピュータの画面上に型紙画像とともに当該型紙によって作成される衣服の立体形状画像を表示させることのできるCADも知られている。このようなCADは、例えば旭化成マイクロシステム社やカナダのPADSystem technology社で商品化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のアパレルCADではコンピュータの画面上に表示された型紙画像のサイズを直接変更する操作によって型紙修正が行われるようになっているので、その修正が衣服にどのように影響するかを直感的に認識することが困難で、型紙修正操作に一定レベルの技術を要することとなっている。
【0005】型紙画像とともに当該型紙によって作成される衣服の立体形状画像を表示させるものでは、型紙修正の衣服における影響を視覚的に確認できる点で上記問題を軽減するものであるが、衣服の立体形状画像を見ながら修正箇所が生じても、実際の修正処理は型紙画像で行わなければならず、型紙修正の操作性が格段に向上し得るとは言えなかった。
【0006】また、従来のアパレルCADでは最初の型紙画像(初期画像)を作成するためのデータ入力は、一般に実際に原寸大の型紙を作成し、その寸法をデジタイザで数値データに変換してCADに入力しており、コンピュータの画面での型紙作成作業の準備に手間がかかり、必ずしも作業効率が良いとはいえなかった。また、型紙形状の修正作業も数学的な知識を必要とし、直感的な操作ができにくいものであった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コンピュータの画面上での型紙修正作業を容易に行えるとともに、型紙作成用の初期の型紙画像等を直感的かつ簡単に入力することのできる衣服の型紙作成システムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像を設定する人体モデル画像設定手段と、上記入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき上記第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及びその衣服に対応する型紙の二次元画像を検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙の二次元画像とを設定する衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像と上記第4の記憶手段に記憶された上記衣服の三次元形状画像とを同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表示された上記衣服の型紙の二次元画像又は上記衣服の三次元形状画像を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された上記型紙の二次元画像及び上記衣服の三次元形状画像の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像及び衣服の三次元形状画像をそれぞれ上記第3,第4の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えた衣服の型紙作成システムである。
【0009】上記構成によれば、入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像(立体形状画像)が設定されるとともに、入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像とその衣服の型紙の二次元画像(以下、型紙画像と言う。)とを検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像とが設定される。型紙画像と衣服の三次元形状画像とはそれぞれ第3,第4の記憶手段に記憶され、両記憶手段に記憶された2枚の画像は同一画面内に合成されて入力手段の表示部に表示される。
【0010】そして、型紙のサイズを変更するため、入力手段の入力部から表示部に表示された型紙画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された型紙画像が修正されるとともに、衣服の三次元形状画像の対応部分が修正され、その修正結果が表示部に表示される。また、入力手段の入力部から表示部に表示された衣服の三次元形状画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された衣服の三次元形状画像が修正されるとともに、型紙画像の対応部分が修正され、その修正結果が表示部に表示される。以下、操作者によりこの修正操作が繰り返され、型紙の修正処理が終了すると、所望の衣服の型紙画像が得られる。
【0011】請求項2記載の発明は、予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像を設定する人体モデル画像設定手段と、上記入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき上記第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及びその衣服に対応する型紙の二次元画像を検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙の二次元画像とを設定する衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記人体モデル画像設定手段で設定された人体モデルの三次元形状画像を記憶する第5の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像、上記第4の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及び上記第5の記憶手段に記憶された人体モデルの三次元形状画像を同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表示された上記型紙の二次元画像、上記衣服の三次元形状画像又は上記人体モデルの三次元形状画像を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及び人体モデルの三次元形状画像の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及び人体モデルの三次元形状画像をそれぞれ上記第3,第4,第5の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えたことを特徴とする衣服の型紙作成システムである。
【0012】上記構成によれば、入力手段の入力部から入力された人体の情報に基づき第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像が設定されるとともに、入力手段の入力部から入力された衣服の情報に基づき第2の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像とその衣服の型紙画像とを検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像とが設定される。型紙画像、衣服の三次元形状画像及び人体モデルの三次元形状画像はそれぞれ第3,第4,第5の記憶手段に記憶され、これらの記憶手段に記憶された3枚の画像は同一画面内に合成されて入力手段の表示部に表示される。
【0013】そして、型紙のサイズを変更するため、入力手段の入力部から表示部に表示された型紙画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された型紙画像が修正されるとともに、衣服の三次元形状画像の対応部分が修正され、その修正結果が表示部に表示される。また、入力手段の入力部から表示部に表示された衣服の三次元形状画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された衣服の三次元形状画像が修正されるとともに、型紙画像の対応部分が修正され、その修正結果が表示部に表示される。また、入力手段の入力部から表示部に表示された人体モデルの三次元形状画像を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された人体モデルの三次元形状画像が修正されるとともに、衣服の三次元形状画像と型紙画像の対応部分が修正され、その修正結果が表示部に表示される。以下、操作者によりこの修正操作が繰り返され、型紙の修正処理が終了すると、所望の衣服の型紙画像が得られる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像又は人体モデルの三次元形状画像の修正により作成された型紙の二次元画像を構成するデータを出力するデータ出力手段を更に備えたものである。
【0015】この構成によれば、所望の衣服の型紙画像が得られると、データ出力手段によりその型紙画像を構成するデータをアパレルCADやCAM等の外部処理装置に出力することができる。従って、外部処理装置で型紙画像を構成するデータに基づき実寸サイズの型紙もしくは衣服のパーツを自動的に作成することができる。
【0016】なお、請求項1〜3のいずれかに記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の入力部から入力される人体及び衣服の情報は、人体及び衣服のデザイン画の画像情報とするとよい(請求項4)。
【0017】この場合、上記人体モデル画像設定手段は、上記入力手段から入力された人体のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換手段で変換された三次元形状画像に基づいて上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像を設定する検索部とで構成し、上記衣服設定手段は、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙の二次元画像とを設定する検索部とで構成するとよい(請求項5)。
【0018】上記構成によれば、入力手段の入力部から人体と衣服のデザイン画が入力され、人体のデザイン画に基づいて第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像が設定される。また、衣服のデザイン画に基づき第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服の型紙画像とを検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像とが設定される。
【0019】具体的には、データ変換部で人体のデザイン画が三次元形状画像に変換され、検索部でこの三次元形状画像に基づいて第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像が検索される。そして、デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像が設定される。
【0020】また、データ変換部で衣服のデザイン画が三次元形状画像に変換され、検索部でこの衣服の三次元形状画像に基づいて第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像が検索される。そして、デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙画像とが設定される。
【0021】請求項6記載の発明は、予め作成された複数の人体モデルの三次元形状画像が記憶された第1の記憶手段と、上記人体モデルに対応して予め作成された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服を構成する型紙の二次元画像とが記憶された第2の記憶手段と、表示部とこの表示部の画面上に設けられ、当該表示部に表示された画像に対して直接、情報を入力可能な入力部とを備えた入力手段と、上記入力手段から入力された人体のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された三次元形状画像に基づいて上記第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像を設定する検索部とからなる人体モデル画像設定手段と、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を三次元形状画像に変換するデータ変換部と、このデータ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像を検索し、上記デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像に対応する型紙の二次元画像を設定する検索部とからなる衣服画像設定手段と、上記衣服画像設定手段で設定された型紙の二次元画像を記憶する第3の記憶手段と、上記衣服画像設定手段で設定された衣服の三次元形状画像を記憶する第4の記憶手段と、上記入力手段から入力された衣服のデザイン画を記憶する第6の記憶手段と、上記第3の記憶手段に記憶された型紙の二次元画像、上記第4の記憶手段に記憶された衣服の三次元形状画像及び上記第6の記憶手段に記憶された衣服のデザイン画を同一画面内に合成して上記入力手段の表示部に表示する表示制御手段と、上記入力手段の入力部から上記入力手段の表示部に表示された上記型紙の二次元画像、上記衣服の三次元形状画像又は上記衣服のデザイン画を変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて上記表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画の変更箇所を修正する表示画像修正手段と、上記表示画像修正手段により修正された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画をそれぞれ上記第3,第4,第6の記憶手段に更新的に記憶させる記憶制御手段とを備えたものである。
【0022】上記構成によれば、入力手段の入力部から入力された人体のデザイン画に基づき第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像を検索して基本となる人体モデルの三次元形状画像が設定される。すなわち、データ変換部で人体のデザイン画が三次元形状画像に変換され、検索部でこの三次元形状画像に基づいて第1の記憶手段に記憶された複数の人体モデルの三次元形状画像が検索される。そして、デザイン画から作成された人体の三次元形状画像と相関性の最も高い人体モデルの三次元形状画像が設定される。
【0023】また、入力手段の入力部から入力された衣服のデザイン画に基づき第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像とその衣服の型紙画像とを検索して基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像とが設定される。すなわち、データ変換部で衣服のデザイン画が三次元形状画像に変換され、検索部でこの衣服の三次元形状に基づいて第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像が検索される。そして、デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙画像とが設定される。衣服の型紙画像、三次元形状画像及びデザイン画はそれぞれ第3,第4,第6の記憶手段に記憶され、これらの記憶手段に記憶された3枚の画像は同一画面内に合成されて入力手段の表示部に表示される。
【0024】そして、型紙のサイズを変更するため、入力手段の入力部から表示部に表示された型紙画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された型紙画像が修正されるとともに、衣服の三次元形状画像とデザイン画の対応部分がそれぞれ修正され、その修正結果が表示部に表示される。また、入力手段の入力部から表示部に表示された衣服の三次元形状画像のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された衣服の三次元形状画像が修正されるとともに、衣服の型紙画像とデザイン画の対応部分がそれぞれ修正され、その修正結果が表示部に表示される。また、入力手段の入力部から表示部に表示された衣服のデザイン画のサイズを変更する操作情報が入力されると、当該操作情報に応じて入力手段の表示部に表示された衣服のデザイン画が修正されるとともに、衣服の型紙画像と三次元形状画像の対応部分がそれぞれ修正され、その修正結果が表示部に表示される。以下、操作者によりこの修正操作が繰り返され、型紙の修正処理が終了すると、所望の衣服の型紙画像が得られる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項6記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記入力手段の表示部に表示された型紙の二次元画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画の修正により作成された型紙の二次元画像を構成するデータを出力するデータ出力手段を更に備えたものである。
【0026】この構成によれば、所望の衣服の型紙画像が得られると、データ出力手段によりその型紙画像を構成するデータをアパレルCADやCAM等の外部処理装置に出力することができる。従って、外部処理装置で型紙画像を構成するデータに基づき実寸サイズの型紙もしくは衣服のパーツを自動的に作成することができる。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項5又は6記載の衣服の型紙作成システムにおいて、上記複数の衣服は、カテゴリー別に分類されて上記第2の記憶手段に記憶されるとともに、上記衣服のカテゴリーを選択する選択手段を更に備え、上記衣服画像設定手段の検索部は、上記データ変換部で変換された衣服の三次元形状画像に基づいて上記第2の記憶手段の上記選択手段で選択されたカテゴリーに含まれる複数の衣服の三次元形状画像を検索するものである。
【0028】この構成によれば、選択手段で衣服のカテゴリーが選択された後、入力手段の入力部から衣服の情報としてデザイン画が入力されると、このデザイン画が三次元形状画像に変換され、この衣服の三次元形状画像に基づいて第2の記憶手段に記憶された複数の衣服の三次元形状画像のうち、選択されたカテゴリーに含まれる衣服の三次元形状画像が検索される。そして、デザイン画から作成された衣服の三次元形状画像と相関性の最も高い衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙画像とが設定される。
【0029】選択手段で予め衣服のカテゴリーが絞り込まれた後、デザイン画に基づいて衣服の三次元形状画像と型紙画像とが検索されるので、操作者の設定したい基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像の検索率が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る衣服の型紙作成システムの一実施形態を示すブロック構成図である。
【0031】同図に示す衣服の型紙作成システムは、表示装置の画面上に衣服の三次元形状画像、その衣服を製作するための型紙の二次元画像(以下、型紙画像という。)及び衣服のデザイン画(デザイナーがフリーハンドで描いた二次元画像)を表示させ、表示装置の画面上でこれらの画像を用いて所望の形状、サイズ等を有する衣服を作成可能にするとともに、その作成された衣服の型紙画像に基づいて実際の型紙作成データを出力可能にしたものである。
【0032】具体的には、この衣服の型紙作成システムでは表示装置に表示された衣服の三次元形状画像、型紙画像及び衣服のデザイン画のいずれかの一部を変形させると、他の画像の対応する部分も変形するようになされ、最初に設定された基本となる型紙画像(初期画像)を修正して所望の型紙画像を得るに当たり、衣服の三次元形状画像、型紙画像及びデザイン画のいずれかの画像の修正作業によって型紙画像の修正作業(すなわち、衣服の修正作業)が簡単にできるようになっている。
【0033】図1において、型紙作成システム1は入力装置2、中央演算処理装置3、データベース4、記憶装置5及び出力I/F6から構成されている。
【0034】入力装置2は、例えばLCD(liquid crystal display)等からなる表示部21の表示画面上に平板状の座標入力部22(以下、タブレット部22という。)が一体的に構成されたLCDタブレットからなり、表示部21に表示された画像をスタイラス・ペンで直接、触れることにより所要の情報(本実施の形態では特に作業メニューの選択内容や表示画像に対する画像変形の内容等)を入力することができるようになっている。入力装置2(以下、この入力装置2をLCDタブレット2という。)内のVRAM(video random access memory)23は表示部21に表示すべき画像を格納するバッファメモリである。
【0035】また、表示制御部24はVRAM23へ格納すべき画像を制御するものである。表示制御部24の動作制御は制御部31により行われる。表示制御部24は型紙作成作業における各種のメニュー画面の画像を所定の表示フォーマットに従って作成し、表示部21に表示させる。また、操作者が表示画像を変形して衣服の補正を行う作業においては、中央演算処理装置3で作成された型紙画像(型紙画像記憶部324に記憶されている。)、衣服の三次元形状画像(衣服立体画像記憶部325に記憶されている。)及びデザイン画(デザイン画記憶部323に記憶されている。)を所定の表示フォーマットに従い同一画面内に表示されるように合成して表示部21に表示させる。なお、衣服の三次元形状画像は人体モデルの三次元形状画像(人体モデル画像記憶部326に記憶されている。)に着せ付けられた状態で表示部21に表示される。
【0036】中央演算処理装置3は画像処理によって衣服の型紙作成処理を行う装置であり、マイクロコンピュータからなる。中央演算処理装置3は、後述する衣服の型紙作成処理を行うための処理部として、制御部31、画像設定部32及び画像変形部33を備えている。
【0037】制御部31は中央演算処理装置3内の各処理部の動作とLCDタブレット2、データベース4、記憶装置5及び出力I/F6の動作とを制御して型紙作成の一連の処理を制御するものである。制御部31内のカテゴリー判定部311は、LCDタブレット2内のタブレット部22から入力される衣服のカテゴリーに関する情報の内容を判定するものである。
【0038】本実施形態に係る衣服の型紙作成システム1は、後述するように操作者がLCDタブレット2のタブレット板上にスタイラスペンで衣服のデザイン画を描くことにより作成したい衣服の画像を入力できるようになっている。具体的にはCG画像を用いての型紙作成処理における処理対象となる最初の基本的な衣服は、LCDタブレット2から入力される衣服のデザイン画に基づいてデータベース4に予め記憶された複数の標準的な衣服の三次元形状画像及びその衣服の型紙画像からその衣服のデザイン画に最も近い衣服の三次元形状画像及びその衣服の型紙画像を選択することで設定されるが、本実施形態では衣服の画像データ(三次元形状画像及び型紙画像)は、予め衣服のカテゴリー(ワンピース、ジャケット等のカテゴリー)に分類されてデータベース4に記憶されており、衣服のデザイン画を入力する前に操作者が衣服のカテゴリーを設定できるようになっている。
【0039】カテゴリー判定部311はLCDタブレット2のタブレット部22から入力された衣服のカテゴリー情報に基づいて検索すべき衣服の画像データのカテゴリーを判定するものである。これによりデザイン画による衣服の画像データの検索範囲が狭くなり、検索速度の高速化が可能になるとともに、検索精度も向上する。
【0040】なお、衣服のカテゴリーを入力するに際し、LCDタブレット2に表示部21には、例えば図2に示すような大分類された衣服のカテゴリーを選択するためのメニュー画面が表示され、操作者はこのメニュー画面の中から所望のカテゴリーを選択することができるようになっている。本実施形態では、女性の衣服のカテゴリーとしてワン・ピース、ジャケット、ブラウス、スカート、パンツの5種類を選択することができるようになっている。
【0041】衣服の大分類された各カテゴリーは更に図3(a)〜(e)に示すにようにそれぞれ3種類の小分類に分類されており、図2に示すメニュー画面でいずれかのカテゴリーが選択されると、更に図3に示す小分類のカテゴリーを選択するためのメニュー画面が表示され、操作者がこのメニュー画面の中から所望の形状の衣服を選択することにより衣服のカテゴリーに関する情報が入力される。なお、図2,図3では女性用衣服のカテゴリーの選択例を示しているが、男性の衣服のカテゴリーについても同様のメニュー画面(図略)によって選択される。
【0042】生地判定部312はLCDタブレット2の入力部22から入力された衣服の生地情報を判定するものである。生地情報も、型紙作成処理を実行するに際し、LCDタブレット2の表示部21に図4に示すようなメニュー画面が表示され、操作者がこのメニュー画面の中から所望の生地を選択することにより生地情報が入力される。
【0043】なお、本実施形態では、衣服の生地としてウール(毛)、コットン(綿)、ポリエステル、ナイロン、シルク(絹)の5種類の生地を選択することができるようになっている。メニュー画面の右側には各生地の見本画像Q1が表示されている。メニュー画面の左側の枠内が選択画面で、「Wool」、「Cotton」、「Polyester」、「Nylon」及び「Silk」の文字表示Q2をスタイラス・ペンで押すことにより生地が選択される。図4はウールが選択されている状態を示し、文字表示Q2の左側には選択された生地の見本画像Q3が表示されている。この表示状態でスタイラス・ペンにより「ENTER」のスイッチ表示Q4が押されると、表示部21に表示されている生地(図4ではウール)が入力される。
【0044】画像設定部32は、LCDタブレット2の表示部21に衣服の型紙画像(二次元画像)、衣服の三次元形状画像及び衣服のデザイン画を表示させてCG画像上で衣服の補正作業を行うための表示すべき初期の基本的な衣服の型紙画像、三次元形状画像及びデザイン画を設定するものである。
【0045】画像設定部32はデータ変換部321、検索部322、デザイン画記憶部323、型紙画像記憶部324、衣服立体画像記憶部325及び人体モデル画像記憶部326を備えている。
【0046】本実施形態に係る衣服の型紙作成システム1では、LCDタブレット2の表示部21に衣服の型紙画像(二次元画像)とともに、当該衣服の三次元形状画像も表示させるが、この衣服の三次元形状画像は、LCDタブレット2に描かれた人体のデザイン画(図5を参照)に基づいて人体モデルの三次元形状画像を設定するとともに、その人体のデザイン画に重ねて描かれた衣服のデザイン画(図6を参照)に基づいて当該衣服を構成する衣服の型紙画像を設定し、両画像を用いて作成されるようになっている。
【0047】人体モデルの三次元形状画像は、LCDタブレット2に描かれた人体のデザイン画(二次元画像)を三次元形状画像(ラフな三次元形状画像)に変換し、データベース4に予め記憶された複数の標準的な人体モデルの三次元形状画像の中からそのラフな人体の三次元形状画像に最も近似した三次元形状画像を選択することにより設定される。同様に衣服の三次元画像及び型紙画像は、LCDタブレット2に描かれた衣服のデザイン画(二次元画像)をラフな三次元形状画像に変換し、データベース4に予め記憶された複数の標準的な衣服の三次元形状画像及び型紙画像の中からそのラフな衣服の三次元形状画像に最も近似した衣服の三次元形状画像及び型紙画像を選択することにより設定される。
【0048】データ変換部321は、LCDタブレット2に描かれた人体のデザイン画(二次元画像)を三次元形状画像に変換するものである。また、LCDタブレット2に人体のデザイン画に重ねて描かれた衣服のデザイン画(二次元画像)を三次元形状画像に変換するものである。
【0049】データ変換部321では、例えば公知文献「Teddy:A Sketching Interface for 3D Freeform Design」(Takeo Igarashi, Satoshi Matsuoka, Hidehiko Tanaka, Computer Graphics Proceedings, Annual Conference Series, pp.409-416,1999)に示されたスケッチ画(平面画像)を三次元形状画像に変換する技術を用いて人体及び衣服のデザイン画が三次元形状画像に変換される。
【0050】なお、ここでは本公知文献に記載されたスケッチ画の三次元形状画像への変換方法の詳細説明は省略するが、新規作成における基本的なアルゴリズムは以下のようなものである。
【0051】例えば図7に示すように、二次元の閉じた手書き曲線Pが描かれた場合(同図(a))、まず、この曲線Pについて芯線Sが算出される(同図(b))。LCDタブレット2に曲線Pが手書きされると、その曲線Pは折れ線で近似された多角形として入力される。従って、芯線Sは、まず、曲線Pについて、折れ線の始点と終点とを結び、更に各線分の長さを均一にする前処理を行って得られる閉二次元多角形について算出される。
【0052】例えば前処理によって図8(a)に示すような閉二次元多角形が得られた場合、この閉二次元多角形に対して、まず、制限付き「ドローネ三角形分割(CDT)」を適用して閉二次元多角形を三角形に分割する(図8(b))。この分割処理により閉二次元多角形は、外辺を2個有する三角形(Terminal三角形T1)と外辺を1個有する三角形(Sleeve三角形T2)と外辺を1個も有しない三角形(Junction三角形T3)とで構成されることになる。
【0053】次に、三角形分割により閉二次元多角形内に形成される内辺の中点を結んで芯線の一種であるChordal Axis Rが生成され(図8(c))、更にこのChordal Axis Rの枝刈りが行われて(図8(d)(e))、芯線Sが生成される。ChordalAxis Rの枝刈りは、各Terminal三角形T1から閉二次元多角形の内側に向かって所定の停止条件を満たす内辺が見つかるまで、各内辺を順次除去して行くことにより行なわれる。この停止条件とは、対象とする内辺について当該内辺を直径とする円を作成し、当該内辺とTerminal三角形T1との間にある頂点のうち、1個以上がその円の外側となる条件である。従って、全ての頂点が円内にある場合は対象とする内辺は削除され、上記停止条件を満たす内辺が見つかると、その内辺の中点と各頂点を結ぶことによって新たに三角形(Fan三角形T4、図8(d)参照)を生成して枝刈り処理は停止される。
【0054】そして、Chordal Axis Rの枝刈りによって図8(e)に示すように三角形の分割と芯線Sが生成されると、最後に残った四角形を三角形分割して芯線Sの生成処理を終了する(図8(f)。
【0055】芯線Sが生成されると、続いてその芯線Sを元の曲線Pに対して所定の距離dだけ垂直方向の上方に移動させて稜線S’が生成される(図7(c)参照)。このときの移動距離dは、芯線S上の各点(折れ線が連結されている点)から曲線Pの外周に向かって伸びる内辺の長さの平均に比例している。そして、図9(a)に示すように各内辺Uを持ち上げて曲線U’(この曲線U’は楕円の4分の1を構成するような曲線である)を生成した後、同図(b)に示すようにこの曲線U’と稜線S’で囲まれた部分に三角形のポリゴンメッシュを作成することにより三次元形状画像P’が作成される(図7(d)参照)。
【0056】図1に戻り、検索部322は、データベース4に記憶された複数の標準的な人体モデルの三次元形状画像を検索し、データ変換部321で作成されたラフな人体の三次元形状画像に最も近似した標準的な人体モデルの三次元形状画像を設定するとともに、データベース4に記憶された複数の標準的な衣服の三次元形状画像を検索し、データ変換部321で作成されたラフな衣服の三次元形状画像に最も近似した標準的な衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙画像とを設定するものである。
【0057】なお、標準的な人体モデルの三次元形状画像は本発明の基本となる人体モデルの三次元形状画像に相当し、標準的な衣服の三次元形状画像は本発明の基本となる衣服の三次元形状画像に相当するものである。
【0058】衣服の型紙画像は型紙画像記憶324に記憶され、衣服の三次元画像は衣服立体画像記憶部325に記憶される。また、人体モデルの三次元形状画像は人体モデル画像記憶部326に記憶される。
【0059】ラフな人体の三次元形状画像から標準的な人体モデルの三次元形状画像の検索方法、若しくはラフな衣服の三次元形状画像から標準的な衣服の三次元形状画像の検索方法は、京都大学工学部情報工学科修士論文「曲率フローを用いた人体形状モデルの対応付け」(川端章裕 指導教官 美濃導彦教授 平成11年2月12日)に示された2つの人体モデルのモデル間での点の対応付けの手法を基礎技術としたものである。
【0060】この論文には、異なる体型の2つの人体モデルA,Bがあるとき、まず、両人体モデルA,Bの形状を両者に共通する基本的な形状に単純化し、次に曲率を特徴量として両者の対応関係を評価する点(特徴点)を抽出し、次に各特徴点について両人体モデルA,B間のユークリッド距離を算出し、この距離の総和を評価値として両人体モデルA,Bの対応具合を評価する方法が示されている。
【0061】人体モデルの形状の基本的な形状への単純化は、曲率フローを用いた平滑化処理により行なわれる。曲率フローによる平滑化処理とは、例えば図10に示すように閉曲線Fがある場合、閉曲線F上の各点を内側の法線方向(図10の矢印で示す方向)に曲率の大きさ(図10において、矢印の長さで示す。)の速さで移動させて閉曲線F’に変形する処理である。同図に示すように曲率が大きいほど、点の移動量(図10の矢印の長さ)が大きくなるので、閉曲線F’では閉曲線Fの凸凹が滑らかになっている。従って、曲率フローによる平滑化を繰り返すことにより閉曲線Fは次第に凸凹がなくなり、閉曲線F”のように曲率の小さい閉曲線(すなわち、基本的な形状を表す閉曲線)にすることができる。
【0062】なお、以下の説明では、「平滑化の程度」を「スケール」と称し、平滑化の程度の大きいモデルをスケールの大きいモデル、平滑化の程度の小さいモデルをスケールの小さいモデルという。
【0063】曲率フローによる平滑化処理を人体モデルの平滑化処理に適用する場合、人体モデルは閉曲面で構成され、人体モデルを構成する各格子点に対して当該格子点を含む曲面の曲率は1個だけではないので、各格子点に対する曲率としては平均曲率が用いられる。
【0064】なお、曲面上のある点における平均曲率とは、その点の法線を含む全ての平面を考え、それらの平面による曲面の切口である複数個の曲線の曲率を相加平均したものである。従って、人体モデルでは、各格子点を平均曲率の大きさの速さで法線方向に移動させて人体モデルの平滑化が行なわれる。
【0065】図11は、曲率フローを用いて人体モデルの平滑化を行った場合の一例を示す図である。同図において、スケールは右側に行くほど大きくなっており、平滑化が進むにつれて人体モデルの最も凸凹した頭や手足の部分はなくなり、胴体部分の形状が残っていく。
【0066】特徴点の抽出は、ガウス曲率によって人体モデルの各曲面の形状を凸型、凹型、鞍形の3種類の分類するとともに、ガウス曲率の絶対値によってその形状の大きさを分類し、ガウス曲率の絶対値が極大となる格子点を特徴点として抽出するものである。従って、各格子点におけるガウス曲率が特徴点を抽出するための特徴量となっている。
【0067】なお、ガウス曲率は、上述した各格子点で考えられる複数個の曲線の曲率を互いに積算したものである。また、各曲線の曲率は法線のある向きに対して曲面が凸であるか凹であるかによって正負の符号が付され、ガウス曲率にも正負の符号が付くため、各曲面の形状の大きさを表す特徴量としてガウス曲率の絶対値を用いている。
【0068】2つの人体モデルの各特徴点は、曲面の形状の分類が同一で、且つ、ガウス曲率の絶対値の差が小さい特徴点同士が対応付けられる。この特徴点同士の対応付けは、図12に示すようにスケールの大きいモデルを優先して行なわれる。
【0069】図12は、2つの人体モデルをそれぞれ平滑化し、各モデルの特徴点を抽出して対応付けを行う処理手順を示す図である。
【0070】同図は、右側の人体モデルAを本型紙作成システムのデータベース42に記憶された標準的な人体モデルとし、左側の人体モデルBをスケッチ画から作成されたラフな人体モデルとしている。
【0071】両人体モデルA,Bは、上述したように曲率フローによる平滑化方法により比較的スケールの大きいモデルA3,B3に平滑化し、これらのモデルA3,B3について特徴点の抽出を行い、その特徴点について対応付けが行なわれる。モデルA3,B3では特徴点b,b’が抽出され、両特徴点b,b’同士で対応付けが行なわれる。モデルA3,B3では対応する特徴点が1個しかないので、更にスケールを小さくしたモデルA2,B2やA1,B1が作成され、これらのモデルについて対応する特徴点が抽出される。モデルA2,B2では新たに特徴点a,a’が抽出され、両特徴点a,a’同士で対応付けが行なわれ、モデルA1,B1では更に特徴点c,c’が抽出され、両特徴点c,c’同士で対応付けが行なれる。
【0072】そして、特徴点同士の対応付けの後、特徴点以外の格子点の対応付けが行なわれる。特徴点以外の格子点d,eの対応付けは、既に対応付けられている格子点(a,a’),(b,b’),(c,c’)を用いて内挿計算を行うことにより格子点d,eとこれに対応する格子点d’,e’を算出することにより行なわれる。
【0073】図13は、2つの人体モデルにおける特徴点及び特徴点以外の格子点の対応付けの一例を示す図である。同図では、図12に示す特徴点の対応付けの処理により人体モデルA,Bにおいて、それぞれ3個の特徴点a’〜c’,a〜cが抽出され、人体モデルBの特徴点a,b,cがそれぞれ人体モデルAの特徴点a’,b’,c’に対応付けられている。また、人体モデルBの特徴点以外の格子点d,eが算出され、それぞれ人体モデルAの特徴点以外の格子点d’,e’に対応付けられている。
【0074】特徴点の対応付けが終了すると、対応付けられた点同士(a,a’),(b,b’),(c,c’),(d,d’),(e,e’)について、それぞれユークリッド距離が算出され、更にこれらの距離の総和が評価値として算出される。そして、この評価値に基づき人体モデルBに最も近似した標準人体モデルAの検索が行なわれる。
【0075】なお、衣服の型紙画像の検索においても人体モデルの三次元形状画像の検索と同様の方法で、ラフな衣服の三次元形状画像と標準的な衣服の三次元形状画像とを比較して検索が行われる。従って、データベース4には、標準的な人体モデルの各三次元形状画像について曲率フローによる平滑化されたモデルが予め算出されて記憶されている。また、衣服の三次元形状画像についても曲率フローによる平滑化されたモデルが予め算出されて記憶されている。
【0076】デザイン画記憶部323はLCDタブレット2から入力された衣服のデザイン画を記憶するものである。また、衣服立体画像記憶部325は、検索部322で設定された標準的な衣服の三次元形状画像を記憶するものである。また、人体モデル画像記憶部326は、検索部322で設定された標準的な人体モデルの三次元形状画像を記憶するものである。
【0077】画像変形部33はLCDタブレット2のタブレット部22から入力された衣服を補正する情報(表示部21に表示された衣服の型紙画像、三次元形状画像及びデザイン画のいずれかを変形した際の変形量、変形方向等の情報)に基づいて型紙画像、衣服の三次元形状画像及びデザイン画の変形処理を行うものである。
【0078】画像変形部33は変形データ作成部331と3個の変形演算部332,333,334を備えている。変形データ作成部331はLCDタブレット2のタブレット部22から入力された衣服を変形する情報に基づいて衣服の型紙画像、三次元形状画像及びデザイン画の変形後の画像データを作成するものである。変形演算部332,333,334は変形データ作成部331で作成された画像データに基づいてそれぞれ衣服の三次元形状画像、型紙画像、デザイン画の変形処理を行うものである。変形演算部332,333,334は各画像の変形処理を行った後、その画像を再度、衣服立体画像記憶部325、型紙画像記憶部324、デザイン画記憶部323に記憶する。これらの変形後の各画像は表示制御部24により読み出され、同一画面内に配置された型紙作成処理用の画面に合成された後、VRAM23に更新的に格納され、表示部21に表示される。これにより操作者はLCDタブレット2で衣服の三次元形状画像、型紙画像又はデザイン画のいずれかについてスタイラス・ペンにより画像の一部変形を指示すると、衣服の三次元形状画像、型紙画像及びデザイン画の全てについて変形された画像を略同時に視認することができ、フリーハンドで衣服に関する画像を用いて簡単に補正処理を行うことができる。
【0079】データベース4は衣服の三次元形状画像の作成処理に必要な人体モデルの三次元形状画像と、衣服の三次元形状画像及びそれに対応する型紙画像とを記憶したものである。上述したように操作者はLCDタブレット2に人体と衣服のデザイン画を描くことによりCG画像上の人体モデルと衣服の画像とを入力することができるが、ここで入力される画像はかなりラフな画像であり、演算によりCG画像上での衣服の補正処理を行わせることはできないので、補正処理に使用可能な複数の人体モデルの三次元形状画像と複数の衣服の三次元形状画像及び型紙画像とが予め設定され、データベース4に記憶されている。
【0080】人体モデルの三次元形状画像は人体モデルデータベース41に記憶され、衣服の三次元形状画像及び型紙画像は型紙データベース42に記憶されている。
【0081】なお、衣服の三次元形状画像は、例えば特開平8−44785号公報(衣服の立体形状形成方法)や特開平9−223247号公報(衣服の動きのシミュレーション方法)に開示された方法を用いて作成されている。
【0082】すなわち、図14に示すように各型紙Dの画像(二次元画像)が人体モデルM(三次元形状画像)に着せ付けられるように変形され、その後、衣服の縫製条件に基づいて型紙Dの画像同士を結合することにより、人体モデルMに着せ付けられた衣服Cの三次元形状画像が作成される。 各型紙Dの変形処理は、人体モデルMの回りの所定位置に各型紙Dを配置し、上記特開平9−223247号(衣服の動きのシミュレーション方法)に示される画像の変形演算をすることにより行なわれる。すなわち、バネ力で当該バネ力が所定の閾値以下になるまで各型紙Dを互いに引き寄せたときの各型紙Dと人体モデルMとの衝突及び型紙D同士の衝突を生地の力学特性に基づいて演算することにより行われる。
【0083】人体モデルの三次元形状画像は少ないデータ数で人間の標準的な体型を正確に表現し得るように三角パッチによるサーフェースモデルで構成されている。このサーフェースモデルの形状は、例えば三次元形状計測装置により実際の人間もしくはマネキン等を測定して得られる三次元距離データを用いて作成されている。衣服の三次元形状画像も三角パッチによるサーフェースモデルで構成されている。
【0084】衣服の型紙画像は、上述したように衣服のカテゴリー毎に、当該カテゴリーの衣服を作成するための複数のパーツの画像で構成されている。各型紙画像は、型紙面の規則格子(四角格子を整然と並べてなる格子)により滑らかで均一に分割した際の当該格子点のデータにより構成されている。また、各型紙画像毎に実際の外形寸法のデータが対応づけて記憶されている。
【0085】記憶装置5は型紙作成処理に必要な各種の処理プログラムや固有データを記憶したり、型紙作成の演算処理を実行するために必要なデータの一時的な記憶を行うものである。記憶装置5はROM(read only memory)51とRAM(randomaccess memory)52とからなり、ROM51には型紙作成処理に必要な各種の処理プログラムや固有データが記憶されている。衣服の生地に対応した力学特性(引張り特性及び曲げ回復特性等)もROM51に記憶されている。RAM52は型紙作成の演算処理を行うためのメモリである。型紙作成システム1が起動されると、ROM51から所定の処理プログラムがRAM52に読み出され、その処理プログラムに従って型紙作成処理が実行される。この処理手順については後述する。
【0086】出力I/F6はCG画像を用いて作成された型紙の実際の外形寸法のデータを外部接続されたアパレルCADやアパレルCAM(computer aided manufacturing)等の所定の外部処理装置に出力するものである。従って、外部処理装置としてアパレルCAMが接続されていると、型紙作成システム1から入力された型紙の寸法データに基づいて紙や生地を裁断することにより型紙や衣服のパーツを自動的に作成することができる。また、外部処理装置としてアパレルCADが接続されていると、当該CADにより本型紙作成システム1で作成された型紙データを用いて新たに別の衣服の型紙を簡単に作成することができる。
【0087】次に、図15に示すフローチャートを用いて型紙作成の処理手順について説明する。
【0088】型紙作成システム1を起動すると、図16に示すメインメニューが表示される(ステップS1)。このメインメニューは衣服のカテゴリー選択、衣服の生地、衣服モデル及び人体モデルの入力を行うためものである。メニュー画面には中央に人体や衣服のデザイン画を入力するための描画領域Aが設けられ、この描画領域Aの左側と下側に各種項目を選択するためのスイッチ表示B1〜B10(図16では箱型の図形)が表示されている。
【0089】各スイッチ表示B1〜B10は、スイッチB1:型紙作成処理の開始を指示スイッチB2:人体モデルのデザイン画の入力スイッチB3:衣服のデザイン画の入力スイッチB4:既に作成した型紙画像の読出スイッチB5:作成した型紙のデータの出力スイッチB6:衣服のカテゴリーの選択スイッチB7:衣服の生地の選択スイッチB8:衣服の色/柄の選択スイッチB9:選択した内容の確定スイッチB10:型紙作成処理の終了の処理を指示するためのスイッチである。
【0090】操作者はスタイラス・ペンでスイッチ表示を押すことにより型紙作成処理に必要な条件の入力項目を選択し、その入力項目について所望の条件を設定する。
【0091】衣服の生地項目が選択されると(ステップS2)、図4に示す生地メニュー画面が表示され(ステップS3)、この生地メニュー画面で予め設定された複数の生地の中からいずれかの生地を選択し、「ENTER」を入力することにより衣服の生地情報が入力される(ステップS4)。また、衣服のカテゴリー項目が選択されると(ステップS5)、図2に示すカテゴリーメニュー画面が表示され(ステップS6)、このカテゴリーメニュー画面で予め設定された5種類の衣服の中からいずれかが選択されると(ステップS7)、更に図3に示す選択されたカテゴリーに対応するサブメニュー画面が表示され(ステップS8)、このサブメニュー画面で予め設定された複数の形状の中からいずれかの形状を選択し、「ENTER」が入力されると、衣服のカテゴリーに関する情報が入力される(ステップS9)。
【0092】続いて、「人体モデル入力」が選択されると(ステップS10)、描画領域Aでのデザイン画の作成が可能になり、この描画領域Aに操作者がスタイラス・ペンで、例えば図5に示す人体のデザイン画を描き、「ENTER」を入力すると(ステップS11)、このデザイン画に基づいて衣服の三次元形状画像を作成するための人体モデルの三次元形状画像が設定される(ステップS12)。すなわち、人体のデザイン画に基づいて人体の三次元形状画像が作成され、この三次元形状画像に基づいて人体モデルデータベース41が検索され、人体のデザイン画に最も近似した標準体型を有する人体モデルの三次元形状画像が人体モデル画像記憶部326に記憶される。
【0093】また、「衣服モデル入力」が選択されると(ステップS13)、LCDタブレット2の表示部21に描かれた人体のデザイン画に重ねて衣服のデザイン画像の作成が可能になり、操作者がスタイラス・ペンで、例えば図6に示す衣服のデザイン画を描き、「ENTER」を入力すると(ステップS14)、このデザイン画がデザイン画記憶部323に記憶されるとともに、このデザイン画に基づいて衣服の三次元形状画像及び型紙画像が設定される(ステップS15)。すなわち、衣服のデザイン画に基づいてラフな衣服の三次元形状画像が作成され、この三次元形状画像に基づいて型紙データベース42が検索され、衣服のデザイン画に最も近似した衣服の三次元形状画像とその衣服に対応した型紙画像とがそれぞれ衣服立体画像記憶部325と型紙画像記憶部324とに記憶される。
【0094】ここに、設定された衣服の三次元形状画像と型紙画像は、基本となる衣服の画像を補正して所望の衣服の画像を作成する際の基本となる画像で、例えばデザイン画によって入力された衣服がワンピースであるとき、基本画像として、図17に示すように人体モデルに着せ付けられたワンピースの三次元形状画像が設定され、図18に示すようにワンピースの型紙画像が設定される。
【0095】衣服の三次元形状画像と型紙画像とが設定されると、これらの画像とデザイン画とが同一画面に配列された、例えば図19に示すような画像補正作業用の画面が表示される(ステップS16)。図19に示す画面は、画面上部に衣服のデザイン画G1(正面、背面、左側面の3枚からなる。)と三次元形状画像G2(正面、背面、左側面の3枚からなる。)とが表示され、画面下部の左側に衣服の型紙画像G3が表示されている。衣服の型紙画像G3の右側に表示されたイメージ画G4は、操作者が作成しようとしている衣服をモデルが着ている状態のイメージ画である。
【0096】なお、図19の例では衣服の三次元形状画像についても正面、背面、左側面の3枚の画像を表示させるようにしているが、三次元形状画像では任意の方向から見た画像を作成できるので、操作者が表示方向を変更できるようにして衣服の三次元形状画像を1枚だけ表示させるようにし、その表示画像において画像の変形を行えるようにしてもよい。
【0097】画像G1,G2,G3の表示領域は、スタイラス・ペンでその一部を押え、その状態でスタイラス・ペンを滑らせることで、最初に押さえられた位置を最後に押さえられている位置に変更するための情報(座標の変更情報)が入力できるようになされており、操作者はいずれかの画像に対して直接画像を修正する操作を行うことで、その画像の変形情報を簡単に入力することができる。
【0098】例えば操作者がデザイン画を修正すると(ステップS18でYES)、その修正情報が変形データ作成部33に入力され、この修正情報に基づいて当該デザイン画が修正されるとともに、衣服の三次元形状画像及び型紙画像の対応箇所も修正され(ステップS19)、これらの修正後の画像がLCDタブレット2の表示部21に直ちに表示される(ステップS16)。これにより操作者はデザイン画をフリーハンドで適当に修正するだけで基本の型紙画像を簡単に修正することができる。同様に操作者が衣服の三次元形状画像もしくは型紙画像を修正すると(ステップS18でYES)、その修正情報が変形データ作成部33に入力され、この修正情報に基づいて当該衣服の三次元形状画像もしくは型紙画像が修正されるとともに、デザイン画の対応箇所も修正され(ステップS19)、これらの修正後の画像がLCDタブレット2の表示部21に直ちに表示される(ステップS16)。このとき、型紙画像に付随された実際の外形寸法も修正される。
【0099】そして、LCDタブレット2でのCG画像による衣服の補正作業が終了し、操作者がスタイラスペンでスイッチ表示B9を押して「ENTER」が入力されると(ステップS17でYES)、そのときの型紙画像のデータがRAM42の所定の記憶領域に保存され(ステップS20)、型紙作成処理を終了する。
【0100】図20は、作成されたワンピースの型紙画像の一例を示す図で、(a)は前側のパーツの型紙画像であり、(b)は後側のパーツの型紙画像である。この型紙画像には実際の寸法データが付随しており、操作者はメインメニュー画面でスイッチ表示B5(図16参照)を押すことによりその型紙画像のデータを外部処理装置に出力させることができる。
【0101】上記のように、本実施形態に係る型紙作成システム1ではLCDタブレット2に衣服の三次元形状画像、型紙画像及びデザイン画を表示させ、いずれかの画像をタブレット上で修正すると、当該修正画像だけでなく他の画像についても対応箇所を修正するようにしているので、従来の型紙画像だけを修正する方法に比して修正内容を衣服の三次元形状画像やデザイン画で容易に視認でき、CG画像上での型紙作成作業の操作性及び作業効率が向上し、簡単かつ容易に型紙を作成することができる。
【0102】なお、上記実施形態ではLCDタブレット2に衣服の三次元形状画像、型紙画像及びデザイン画の3種類の画像を表示させるようにしているが、型紙画像とデザイン画もしくは型紙画像と衣服の三次元形状画像を表示させ、いずれかの画像をタブレット上で修正すると、当該画像だけでなく他の表示画像についても対応箇所を修正するようにしてもよい。
【0103】また、上記実施の形態では、描画感覚で衣服の修正を可能にするため、衣服の三次元形状画像や型紙画像を直接変形させるようにしているが、衣服の三次元形状画像や型紙画像の変形箇所を指定し、変形量を数値で入力することにより当該画像を変形させるようにしても良い。
【0104】また、上記実施の形態では、衣服の三次元形状画像、型紙画像及びデザイン画の何れかを変形させて衣服の補正を行うようにしているが、衣服が着せ付けられている人体モデルの三次元形状画像を変形させても衣服の補正ができるようにしてもよい。
【0105】この場合は、図1のブロック構成において、画像変形部33に人体モデルの三次元形状画像に対する変形演算部を追加し、変形データ作成部331でタブレット部22から人体モデルの三次元形状画像の特定部位を変形する操作情報に基づいて当該人体モデルの三次元形状画像の変形データを作成するとともに、その特定部位に対応する衣服の部位を算出し、衣服の三次元形状画像と型紙画像のその部位に対応する箇所の変形データを作成するようにすればよい。
【0106】なお、衣服の三次元形状画像は人体モデルの三次元形状画像に着せ付けるように作成されているので、CG画像上で人体モデルの部位と衣服の部位とは対応関係が取れており、タブレット部22から人体モデルの三次元形状画像の特定部位を変形する操作情報が入力されると、その特定部位に対応する衣服の部位を算出することができる。
【0107】従って、変形データ作成部331で衣服の三次元形状画像と型紙画像のその部位に対応する箇所の変形データを作成することができ、変形データ作成部331で作成された変形データに基づき変形演算部で人体モデルの三次元形状画像、衣服の三次元形状画像及び型紙画像の変形処理をすることにより、LCDタブレット2の表示部21に表示された人体モデルの三次元形状画像、衣服の三次元形状画像及び型紙画像が変形される。
【0108】なお、人体モデルの三次元形状画像を衣服が着せられない程、大きく変形させると、衣服の三次元形状画像に局所的に大きな伸びが生じることになるが、この場合は、その伸びが発生する衣服の部位を算出するとともに、その算出結果に基づき衣服の型紙画像の対応箇所を算出し、その位置を表示させるようにすればよい。ユーザは型紙画像のその位置を直接、変形させることで所望の型紙修正を行うことができる。
【0109】また、上記のように、型紙作成処理における基本の型紙画像及び衣服の三次元形状画像を設定するに当たり、人体のデザイン画と衣服のデザイン画を入力させ、これらのデザイン画から人体モデル及び型紙のデータベース4を検索して基本の型紙画像及び衣服の三次元形状画像を設定するようにしているので、入力操作が極めて簡単である。
【0110】特に型紙画像の検索では別途入力させたカテゴリーの情報を用いて検索範囲を絞り込むようにしているので、検索効率及び検索精度が向上する。なお、人体モデルの検索についても人体モデルのサイズ等を別途入力可能にし、検索範囲を絞り込むようにするとよい。
【0111】上記実施形態ではデザイン画を描くことによって基本となる衣服の型紙画像と人体モデルの三次元形状画像とを入力できるようにしているが、入力装置がデザイン画を入力できないタイプであるときは、人体モデルや衣服の型紙のサイズや形状等を入力することによって人体モデルの三次元形状画像及び衣服の型紙画像を設定するようにしてもよい。
【0112】また、上記実施形態ではスタンドアローン型の型紙作成システムについて説明したが、言うまでもなく上述した入力装置2、中央演算処理装置3、データベース4、記憶装置5等の全て若しくは一部をネットワーク上に分散位置し、ネットワークを通してこれらを結合することにより本発明に係る衣服の型紙作成システムを構成することもできる。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、型紙の二次元画像とこの型紙によって作成される衣服の三次元形状画像とを同時に表示させ、いずれか一方の画像について修正を行うと、他方の画像の対応部分の修正を行うようにしたので、いずれか修正が行い易い方の画像を用いて簡単に型紙修正ができ、型紙作成の作業効率が向上する。
【0114】また、更に衣服が着せ付けられる人体モデルの三次元形状画像を表示させ、人体モデルの三次元形状画像を修正することによっても衣服の三次元形状画像及び型紙画像の対応部分の修正をできるようにしたので、型紙画像の修正作業が更に容易となり、型紙作成の作業効率がより向上する。
【0115】また、作成された型紙画像を構成するデータを外部処理装置に出力可能にしたので、そのデータを用いて外部処理装置で直接、衣服の型紙もしくはパーツを自動的に作成することができる。
【0116】また、入力手段の入力部で人体のデザイン画と衣服のデザイン画を入力すると、これらのデザイン画を用いて人体モデルの三次元形状画像と衣服の三次元形状画像とそれに対応する型紙画像とを自動的に設定するようにしたので、操作者はデザイン画を描くだけで簡単に基本となる衣服の三次元形状画像と型紙画像とを入力することができ、操作性が向上する。
【0117】また、衣服のデザイン画と衣服の三次元形状画像と型紙画像とを同時に表示させ、表示画面上で何れか1の画像の修正を行うと、他の画像の対応部分の修正を行えるようにしたので、修正の行い易いいずれかの画像を用いて簡単に型紙修正ができ、型紙作成の作業効率がより向上する。特にデザイン画を修正対象としているので、操作者はデザイン画を手描きする感覚で簡単に型紙修正ができ、型紙作成の操作性も向上する。
【0118】また、デザイン画から衣服の三次元形状画像及び型紙画像を設定する際、予め分類された衣服のカテゴリーに従ってデザイン画の該当するカテゴリーを選択させ、そのカテゴリー内でデザイン画に対応する衣服の三次元形状画像及び型紙画像を検索して所望の画像を設定するようにしたので、検索処理の効率が向上するとともに、検索のヒット率も向上する。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2001−262416(P2001−262416A)
【公開日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【出願番号】 特願2000−73668(P2000−73668)