| 【発明の名称】 |
擬似毛髪 |
| 【発明者】 |
【氏名】森田 健一
【氏名】伊藤 隆司
【氏名】谷 智江
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| 【要約】 |
【課題】人の頭髪に良好に調和し、特に頭部の薄毛部分の隠蔽用に好ましく用いることのできる擬似毛髪、及び繊維を人の頭部毛髪に調和する色彩及び艶を有するように染色することができ、薄毛部分の隠蔽性に優れた擬似毛髪を簡易且つ効率的に製造することができる擬似毛髪の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の擬似毛髪は、セルロース系繊維を、反応性染料、直接染料及び建染染料から選ばれる染料を含む染料組成物で、該セルロース系繊維100重量部に対し該染料が0.01〜45重量部となるようにして染色してなる。本発明の擬似毛髪の製造方法は、前記染料組成物中に前記セルロース系繊維を浸漬し、温度40〜100℃の下に10〜100分間処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セルロース系繊維を、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含む染料組成物で、該セルロース系繊維100重量部に対し該染料が0.01〜45重量部となるようにして染色してなる擬似毛髪。 【請求項2】 前記染料組成物は、黒系染料及び赤系染料を含み、両染料の配合割合が、前記セルロース系繊維100重量部に対して、該黒系染料5〜40重量部、該赤系染料1〜20重量部である請求項1記載の擬似毛髪。 【請求項3】 前記染料組成物が、黒系染料、赤系染料及び黄系染料を含み、これらの染料の配合割合が、前記セルロース系繊維100重量部に対して、該黒系染料5〜40重量部、該赤系染料1〜20重量部、該黄系染料1〜20重量部である請求項1記載の擬似毛髪。 【請求項4】 前記セルロース系繊維が、繊維長0.1〜5mm、繊維径0.5〜30デニールである請求項1〜3の何れかに記載の擬似毛髪。 【請求項5】 噴射器により、人の頭部における薄毛部分等の所望の部位に噴射剤と共に噴射され、該部位に被着される請求項1〜4の何れかに記載の擬似毛髪。 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の擬似毛髪の製造方法であって、前記染料組成物中に前記セルロース系繊維を浸漬し、温度40〜100℃の下に10〜100分間処理することを特徴とする擬似毛髪の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、頭髪になじみ易く、頭部の薄毛隠し用に適した擬似毛髪に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】頭髪の薄くなった部分を隠す方法として、粉状物や繊維状物を薄毛部分に被着させる方法が知られていが、従来の擬似毛髪は、自然な艶感や質感の点等において周囲の地毛との調和性に劣るものが多かった。また、通常、化粧品で使われる酸性染料や酸化染料で着色した擬似毛髪は、褪色する虞があり、また、衣服等に色移りする場合があった。 【0003】従って、本発明の目的は、色の堅牢性に優れ、人の頭髪(黒毛/茶毛/ブロンド毛等)に自然な艶感や質感により良好に調和する、頭部の薄毛部分の隠蔽用に適した擬似毛髪及びその製造方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、セルロース系繊維を、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含む染料組成物で、該セルロース系繊維100重量部に対し該染料が0.01〜45重量部となるようにして染色してなる擬似毛髪を提供することにより、上記の目的を達成したものである。また、本発明は、擬似毛髪の製造方法であって、前記染料組成物中に前記セルロース系繊維を浸漬し、温度40〜100℃の下に10〜100分間処理することを特徴とする擬似毛髪の製造方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の擬似毛髪及び擬似毛髪の製造方法について詳細に説明する。本発明の擬似毛髪は、セルロース系繊維を特定の染料組成物で染色して得られる。セルロース系繊維としては、綿やレーヨン等が用いられ、特に頭髪に調和する自然な艶感を得る観点から、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン等の各種のレーヨン繊維が好ましい。また、セルロース系繊維は、頭髪に調和する、優れた質感を得る観点から、その繊維長が0.1〜5mm、その繊維径が0.5〜30デニールであることが好ましい。 【0006】染料組成物としては、反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料から選ばれる染料を含むものを用いる。反応性染料、直接染料、建染染料及び硫化染料は、一種を単独で用いても良いし、複数種を組み合わせて用いても良い。これらの染料を用いることにより、褪色や色移りの生じ難い擬似毛髪を得ることができる。ここで、反応性染料とは、繊維と化学的に結合して堅牢な染色を与える染料をいう。 【0007】反応性染料としては、従来公知の各種の反応性染料を一種単独又は複数組み合わせて用いることができるが、ビニルスルフォニル系又はトリアジン系の染料が好ましく用いられ、特にビニルスルフォニル系の染料が好ましく、他にも、キノキザリン系、ピリミジン系の染料等を用いることができる。ビニルスルフォニル系又はトリアジン系の染料を用いると、特に色彩及び艶が人の頭髪に似た擬似毛髪を得ることができ、また、褪色や色移りの特に生じ難い擬似毛髪が得られる。以下に、反応性染料の例を示す。 ・レマゾール ブラック B(Remazol Black B,黒系染料) ・シバクロン レッド G−E(Cibacron Red G-E ,赤系染料) ・シバクロン イエロー R−A(Cibacron Yellow R-A,黄系染料)・シバクロン ブルー TGR−E(Cibacron Blue TGR-E,青系染料)・シバクロン ブラウン 5R−E(Cibacron Brown 5R-E,茶系染料) 【0008】直接染料としては、従来公知の各種の直接染料を一種単独又は複数を組み合わせて用いることができ、例えば以下の直接染料を用いることができる。 ・シリウス ブラック G(Sirius Black G ,黒系染料) ・カヤルス レッド F5B(Kayarus Red F5B,赤系染料) ・カヤセロン イエロー C−2RL(Kayacelon Yellow C-2RL ,黄系染料)・カヤルス スープラ ブルーBCL(Kayarus Supra Blue BCL ,青系染料) ・カヤセロン ブラウン 3B−FS(Kayacelon Brown 3B-FS,茶系染料)【0009】建染染料〔インダンスレン(Indanthren)系染料を含む〕としては、従来公知の各種の建染染料を一種単独又は複数を組み合わせて用いることができ、例えば以下の建染染料を用いることができる。 ・ミケスレン オレンジ RRTS(Mikethren Orange RRTS,橙系染料)・ニホンスレン ブルー BC(Nihonthren Blue BC ,青系染料)・インダンスレン イエロー 4GF(Indanthren Yellow 4GF,黄系染料)【0010】硫化染料としては、従来公知の各種の硫化染料を一種単独又は複数を組み合わせて用いることができ、例えば以下の硫化染料を用いることができる。 ・カヤク サルファー ブルー RC(Kayaku Sulphur Blue RC ,青系染料) ・カヤク サルファー ブラック 3B(Kayaku Sulphur Black 3B,黒系染料) ・カヤク サルファー ダークブラウン FR(Kayaku Sulphur Dark Brown FR)【0011】セルロース系繊維の染色は、セルロース系繊維100重量部に対し上記染料が0.01〜45重量部、好ましくは1〜40重量部となるようにして行う。即ち、染色浴中の染料組成物の量及び染料の濃度、該染色浴に浸漬される繊維の量等を調節して、染色の際のセルロース系繊維と染料との割合が上記範囲内となるような条件の下に染色を行う。染料の配合割合が、セルロース系繊維100重量部に対して0.01重量部未満であると、染色の程度が不充分となり易く、頭髪に近い色彩を得るのが困難となり、45重量部超であると、染色は十分行われるが、反応浴に余剰の染料が残留し製造コストが増大する。 【0012】特に黒髪用の擬似毛髪を得る場合、黒系染料及び赤系染料を含む染料組成物を用いて染色することが好ましく、両染料の配合割合は、前記セルロース系繊維100重量部に対して、該黒系染料5〜40重量部、該赤系染料1〜20重量部であることが好ましい。黒系及び赤系の染料を上記の割合で用いることにより、色彩の点で特に黒髪に調和する擬似毛髪を得ることができる。 【0013】また、同様の観点から、黒系染料と赤系染料の配合割合は重量比〔黒系/赤系〕で、1/0.8〜1/0.1、特に1/0.7〜1/0.2が好ましい。 【0014】また、上記の黒系染料及び赤系染料に加え、更に黄系染料を含む染料組成物を用いることが好ましい。この場合、黄系染料の配合割合は、前記セルロース系繊維100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましい。黒系、赤系及び黄系の染料を含む染料組成物を用いることにより、日本人等の黒髪に特に調和し、薄毛部分をより自然に隠蔽し得る擬似毛髪が得られる。この場合、染料組成物中における黒系の反応性染料と黄系の反応性染料の重量比〔黒系/黄系〕は、1/0.5〜1/0.01、特に1/0.3〜1/0.1が好ましい。 【0015】染料組成物は、各染料及び所望により配合される他の添加剤等を、通常公知の方法によって溶媒に溶解させることにより得られる。溶媒としては通常水が用いられ、溶媒への溶解は、加熱装置付きの撹拌装置等、通常公知の各種の装置や手段を用いて行うことができる。ビニルスルフォニル系染料を用いる場合には、染料組成物に、Na2 CO3 等の反応促進剤を、セルロース系繊維100重量部に対して100〜1000重量部含有させることが好ましい。 【0016】本発明の擬似毛髪は、上述した染料組成物を用いて、セルロース系繊維を染色することにより製造することができる。染色の方法としては、繊維の染色方法として公知の各種の方法を特に制限なく用いることができるが、好ましくは次の方法により染色する。 【0017】即ち、本発明の擬似毛髪の製造方法においては、セルロース系繊維を、温度40〜100℃の条件下で、上述した染料組成物中に10〜100分間浸漬処理して染色する。処理温度を40〜100℃とするのは、染料を十分に浸透させるためであり、斯かる観点から、より好ましい処理温度は50〜70℃である。また、処理時間を10〜100分間とするのは、十分に染料を浸透させると共に、セルロース系繊維との反応を十分行わせるためであり、より好ましい処理時間は20〜80分間である。 【0018】尚、本発明の擬似毛髪の製造方法においては、セルロース系繊維を最終的な擬似毛髪の長さに切断した後に染色しても良いし、染色後に適当な長さに切断して擬似毛髪としても良いが、染色工程の簡略化等の観点から、所定の長さに切断した後に染色することが好ましい。また、繊維の染色は、連続的に行ってもバッチ式で行っても良い。尚、本発明の擬似毛髪についての説明は、本発明の擬似毛髪の製造方法にも適宜適用される。また、染色に関し、特に説明しない点については、従来の染色方法と同様にして行うことができる。また、必要に応じて、染色後、ソーピング、分散処理等の処理を行う。 【0019】本発明に係る擬似毛髪は、従来公知の各種の方法によって頭部の所望の部位に被着させて使用することができる。被着させる方法としては、擬似毛髪を頭部に振りかけても良いが、噴射器により噴射剤と共に噴射させ、薄毛部位等の所望の部位に吹き付けるようにすることが好ましい。吹き付け用の噴射器としては、例えば、特開平10−249249号公報に記載された吹き付け装置を好ましく用いることができる。この吹き付け装置は、擬似毛髪を格納した容器内に、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射用ガス(噴射剤)を噴射することによって、該容器内に該容器を水平方向に横切るような直線状のガス流を形成し、該ガス流にのせて擬似毛髪を外部に噴射するようにしたものである。本発明の擬似毛髪は、噴射器により噴射させる際に、良好に噴射させ得るという点においても優れたものとなっている。 【0020】 【実施例】(実施例1)黒系の反応性染料及び赤系の反応性染料を含む染料組成物を収容した繊維染浴中に、レーヨン繊維を、該レーヨン繊維100重量部に対する、黒系の反応性染料の配合割合が10重量部となり、赤系の反応性染料の配合割合が4重量部となるように浸積させ、温度60℃の下に20分間染色処理した。そして、通常の染色方法と同様の後処理(乾燥等)を行い擬似毛髪を得た。 【0021】(実施例2)染料組成物に、更に黄系の反応性染料を含有させ、該レーヨン繊維100重量部に対し黄系の反応性染料が2重量部となるようにした以外は、実施例1と同様にして擬似毛髪を得た。 【0022】(実施例3)黒系の反応性染料のみを実施例1と同じ割合で含む染料組成物を用いて染色した以外は、実施例1と同様にして擬似毛髪を得た。 【0023】(比較例1)非反応性染料(表1に示す酸性染料)を含む染料組成物を収容した繊維染浴中に、レーヨン繊維を、該レーヨン繊維100重量部に対する各染料それぞれの配合量(重量部)が表1に示す値となるように浸積させて染色処理した以外は実施例1と同様にして擬似毛髪を得た。表1に示す数値は、各種繊維100重量部に対する染料の配合量(重量部)を示したものである。 (比較例2)レーヨン繊維に代えてナイロン繊維を用いた以外は、実施例2と同様にして擬似毛髪を得た。 【0024】(艶感の評価)得られた各擬似毛髪それぞれについて、艶感の観点から、頭髪との調和性について評価した。艶感は、下記の方法及び基準により評価し、その結果を表1に示した。 ・艶感の評価方法;黒髪の被験者1名のつむじ部に各擬似毛髪を吹きつけ、擬似太陽光(キセノンランプ)下で第3者(エキスパート)に目視観察させた。 ・艶感の評価基準;艶感の点で頭髪との調和性が大変良い場合を◎、良い場合を○、あまり良くない場合を△とした。 【0025】(堅牢性の評価)得られた各擬似毛髪それぞれについて、色の堅牢性を下記の方法及び基準により評価し、その結果を表1に示した。 ・堅牢性の評価方法;綿布に所定量の擬似毛髪を吹きつけ、その上に一定量の水を滴下し、30分放置後、綿布への色移りの程度を目視観察した。 ・堅牢性の評価基準;色移りが全くない場合を◎、殆どない場合を○、少しある場合を△とした。 【0026】(黒髪に対する隠蔽性の評価)実施例にて得られた擬似毛髪について、黒髪に対する自然な隠蔽性を下記の方法及び基準により評価し、その結果を表1に示した。 ・隠蔽性の評価方法黒髪の被験者5名のつむじ部に、擬似毛髪を吹き付け、各被験者に自己の黒髪との調和性を目視観察させた。そして、黒髪と擬似毛髪とが色及び質感の点で違和感なく調和しているか否かを回答させた。 ・隠蔽性の評価基準周囲の黒髪と擬似毛髪とが色や質感の点において良好に調和していると回答した被験者が5名全員の場合を◎、3又は4名の場合を○、1又は2名の場合を△、0名の場合を×とした。 【0027】 【表1】
【0028】尚、実施例及び比較例1においては、繊維径3デニールのレーヨン繊維を用い、これを切断して繊維長0.5mmとした後に、染色処理を行った。また、実施例1〜3及び比較例2においては、反応性染料として下記のビニルスルフォニル系染料を用い、各染料組成物中には、更に反応促進剤(Na2 CO3 )及び均染剤(Na2 SO4 )を繊維100重量部に対して順に800重量部及び200重量部となるように含有させた。 ・黒系ビニルスルフォニル系染料レマゾール ブラック〔Remazol Black(C.I.Reactive BK-5,14,3の混合物) 〕 ・黄系ビニルスルフォニル系染料レマゾール ゴールデン イエロー〔Remazol Golden Yellow(C.I.Reactive Yellow 17) 〕 ・赤系ビニルスルフォニル系染料スミフィックス オレンジ〔Sumifix Orange(C.I.Reactive Orange 16)〕 【0029】表1に示す結果から、本発明に係る擬似毛髪(実施例)は、艶感及び堅牢性に優れており、人の頭部毛髪(特に黒髪)に調和するものであり、頭部の薄毛部分の隠蔽用に適していることが判る。これに対して、比較例の擬似毛髪は、色の堅牢性や頭部毛髪への調和性に劣っており、頭部の薄毛部分の隠蔽用には適さないものであることが判る。尚、実施例3の擬似毛髪は、青味を帯びており、黒髪に対する調和性にやや劣るものであった。 【0030】 【発明の効果】本発明の擬似毛髪によれば、人の頭部毛髪(特に日本人の黒髪)に自然な艶感をもって調和し、特に頭部の薄毛部分の隠蔽用に好ましく用いることのできる擬似毛髪を提供することができる。また、本発明の擬似毛髪の製造方法によれば、繊維を人の頭部毛髪に調和する色彩及び艶を有するように染色することができ、薄毛部分の遮蔽性に優れた擬似毛髪を簡易且つ効率的に製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【識別番号】591096026 【氏名又は名称】京都パイル繊維工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月13日(2000.3.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−254216(P2001−254216A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−68564(P2000−68564) |
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