| 【発明の名称】 |
介護用ズボン |
| 【発明者】 |
【氏名】中原 サナヱ
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| 【要約】 |
【課題】おむつの交換等の介護処理時において、被介護人から完全に介護用ズボンを脱がす必要がなく、露出度が小さく、しかも容易に介護処理を行うことが可能な介護用ズボンを提供する。
【解決手段】対となる足挿入部11と、足挿入部11の上端に一体となって連続して身頃部12とを有するズボンにおいて、身頃部12の背部を左右方向に分離し、使用にあっては重ね合わせ可能な対となる重合部14を設けると共に、対となる重合部14の上側部分15にそれぞれ基端を発する紐部材19を設け、しかも、股部前側には前覆い部16を有すると共に、対となる重合部14の切り開き部17は身頃部12の股下基部13から更に下方に延長されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対となる足挿入部と、該足挿入部の上端に一体となって連続して身頃部とを有するズボンにおいて、前記身頃部の背部を左右方向に分離し、使用にあっては重ね合わせ可能な対となる重合部を設けると共に、該対となる重合部の上側部分にそれぞれ基端を発する紐部材を設け、しかも、股部前側には前覆い部を有すると共に、前記対となる重合部の切り開き部は前記身頃部の股下基部から更に下方に延長されていることを特徴とする介護用ズボン。 【請求項2】 請求項1記載の介護用ズボンにおいて、前記切り開き部の開始位置は前記身頃部の股下基部から下方5〜20cmの範囲にあることを特徴とする介護用ズボン。 【請求項3】 請求項1又は2記載の介護用ズボンにおいて、前記対となる重合部の上側部分にそれぞれ基端を発する紐部材は、一本の紐材からなって前記身頃部の上端部に設けられている紐通し孔に挿通して設けられていることを特徴とする介護用ズボン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきりの人や、病気、けが等で体が動かせない人達に使用する介護用ズボンに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、介護用ズボンとしては、介護用ズボンの足挿入部が上下方向に切り開かれたものや、身頃部の側部が切り開かれたものがある。これらの切り開き部には、その切り開き部を合わせ、被介護人に介護用ズボンを着用させる、例えば、ボタンやファスナー等が形成されている。このように、足挿入部が上下方向に切り開かれていることで、寝たきりの人や、病気、けが等で体が動かせない人達は、介護用ズボンの着脱を容易に行うことが可能となる。また、身頃部の側部が切り開かれていることで、介護用ズボンを完全に脱ぐことなくおむつの交換等の介護処理を受けることが可能となった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した介護用ズボンには、以下の問題がある。まず、切り開き部に形成されたボタンやファスナー等が、被介護人の体とベッドの間に存在する場合、被介護人、特に体を大きく動かすことができない人は、その状態を維持したままとなる。従って、被介護人は、ベッドに寝ている間中、ボタンやファスナー等が被介護人の体にあたることで発生する身体的苦痛を伴うこととなる。また、身頃部の側部が切り開かれた介護用ズボンを着用した被介護人は、おむつの交換等の介護処理時に、完全に介護用ズボンを脱ぐことなく、介護人の介護処理を受けることができる。しかし、身頃部の側部が切り開かれているため、身頃部を被介護人から脱がしただけでは介護処理を行いにくく、介護処理の度に介護用ズボンを、ある程度被介護人から脱がせ、介護処理を行わなければならない。このように、介護用ズボンを、ある程度被介護人から脱がさなければ、介護用ズボンが汚れる等の衛生上の問題が発生する。なお、この場合、被介護人から介護用ズボンを脱がすため、介護人はある程度の力が必要となり、しかも介護処理の作業性が悪い。一方、被介護人は介護用ズボンを脱ぐことで露出度が大きくなることによる心的苦痛と、体を動かすことによる身体的苦痛を伴うこととなる。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、おむつの交換等の介護処理時において、被介護人から完全に介護用ズボンを脱がす必要がなく、露出度が小さく、しかも容易に介護処理を行うことが可能な介護用ズボンを提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に係る介護用ズボンは、対となる足挿入部と、足挿入部の上端に一体となって連続して身頃部とを有するズボンにおいて、身頃部の背部を左右方向に分離し、使用にあっては重ね合わせ可能な対となる重合部を設けると共に、対となる重合部の上側部分にそれぞれ基端を発する紐部材を設け、しかも、股部前側には前覆い部を有すると共に、対となる重合部の切り開き部は身頃部の股下基部から更に下方に延長されている。これにより、介護用ズボンを寝たきりの人や、病気、けが等で体が動かせない人達に使用した場合、介護用ズボンの身頃部の背部を左右方向に分離し、足は対となる足挿入部に挿入した状態で、おむつの交換等の介護処理を行うことが可能となる。また、おむつの交換等の介護処理時に、介護人は被介護人を持上げる必要が無く、一方、被介護人は、大きく体を動かす必要が無くなる。更に、介護用ズボン着用後は、前覆い部により、被介護人に着用したおむつ等は露出することがなくなる。 【0005】ここで、本発明に係る介護用ズボンにおいて、切り開き部の開始位置は身頃部の股下基部から下方5〜20cmの範囲にあることが好ましい。これにより、被介護人の足を対となる足挿入部に挿入した状態で、介護人は、被介護人の露出度を小さく、しかも容易におむつの交換等の介護処理を行うことが可能となる。本発明に係る介護用ズボンにおいて、対となる重合部の上側部分にそれぞれ基端を発する紐部材は、一本の紐材からなって身頃部の上端部に設けられている紐通し孔に挿通して設けられていることが好ましい。これにより、介護用ズボンの身頃部に適度なシワを形成させることが可能となるので、介護用ズボンのサイズを細かく設定することなく、太り気味の人から痩せ気味の人まで広い範囲に同じ大きさの介護用ズボンを使用することが可能となる。 【0006】 【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る介護用ズボンの背面図、図2は同介護用ズボンの正面図、図3は同介護用ズボンの股下基部を中心として対となる足挿入部をそれぞれ反対方向に広げた状態の説明図、図4は同介護用ズボンの着用方法の説明図、図5は同介護用ズボンの着用時の説明図、図6は同介護用ズボンの着用時の側断面図、図7は同介護用ズボンの着用時に介護処理を受けている状態の説明図、図8は同介護用ズボンの変形例に係る紐部材の説明図である。 【0007】図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る介護用ズボン10は、対となる足挿入部11と、足挿入部11の上端に一体となって連続して身頃部12とを有するズボンである。この介護用ズボン10は、身頃部12の背部を左右方向に分離し、使用にあっては重ね合わせ可能な対となる重合部14を設けると共に、対となる重合部14の上側部分15にそれぞれ基端を発する紐部材を設け、しかも、股部前側には前覆い部16を有すると共に、対となる重合部14の切り開き部17は身頃部12の股下基部13から更に下方に延長されている。以下、詳しく説明する。 【0008】この介護用ズボン10は、例えば布製であり、対となる足挿入部11の下端部18が、被介護人(図示しない)の着用時に被介護人の足首近傍に位置する程度の長さを有している。身頃部12の幅は、対となる重合部14が、使用にあっては重ね合わせ可能な程度の幅、即ち被介護人を覆うことが可能な程度の幅(例えば70〜120cm程度)を有する。従って、被介護人が介護用ズボン10を着用した場合、被介護人の腹部(腹部の背後にある背中部分を含む)は介護用ズボン10に完全に覆われ、外部に露出しないように構成されている。 【0009】対となる重合部14の上側部分15にそれぞれ基端を発する紐部材は、一本の紐材19からなって身頃部12の上端部20に設けられている紐通し孔21に挿通して設けられている。この紐材19は、例えば布製であり、被介護人に介護用ズボン10を着用させた場合に、被介護人の腹部に紐材19が喰い込まない程度の幅、例えば2〜5cm程度の幅を有することが好ましい。従って、この紐材19の幅に応じて紐通し孔21の幅を決定することが好ましい。また、この紐材19の長さは、被介護人の腹部を2周し、この紐材19の両端部24を結ぶことができる程度の長さを有することが好ましいので、例えば1.5〜2.5m程度とすることが好ましい。 【0010】なお、この紐材19は、紐材19の一方を引っ張ることで、紐材19の他方が紐通し孔21の中に入り込む恐れがある。従って、紐材19の中心を、紐通し孔21の中心部22で、縫い止め等により固定することが好ましい。これにより、紐材19が、紐通し孔21の内部に入り込む恐れが無くなる。そして、身頃部12の上端部20外側には、紐通し孔21から出てきた紐材19を相通可能とする乳(紐などを通すために付けた小さな輪)23が複数個(本実施の形態においては4個)設けられている。これにより、紐通し孔21から出てきた紐材19を乳23に通すことが可能となるので、身頃部12の上端部20から紐材19がずれる恐れが無くなる。従って、被介護人がベッド(図示しない)上で動いても、被介護人から介護用ズボン10はずれない。 【0011】また、股部前側に備えられた前覆い部16は、被介護人に介護用ズボン10を着用させた場合、被介護人の股部を覆い、例えば被介護人が着用したおむつ等を覆い隠すことが可能な長さに構成されている(図1参照)。なお、被介護人の股部を覆うことが可能であれば、必要に応じて前覆い部16の長さを長くすることも、短くすることも可能である。そして、図3に示すように、対となる重合部14の切り開き部17は、身頃部12の股下基部13から更に下方に延長され、切り開き部17の開始位置17aは、身頃部12の股下基部13から下方、例えばL=5〜20cmにする。従って、身頃部12の背部は大きく開かれた構成となっている。なお、ここでは、Lを5〜20cmとしたが、被介護人の体の露出度、及びおむつの交換等の介護処理の行いやすさ等を考慮し、5〜15cm、更には5〜10cmとすることが好ましい。 【0012】次に、本発明の一実施の形態に係る介護用ズボン10を用いて、介護用ズボン10を被介護人に着用する方法、及び介護処理の一例であるおむつ25、25a(図6、図7参照)の交換方法について説明する。まず、被介護人に、介護用ズボン10を着用する場合であるが、図2に示すように、対となる重合部14の切り開き部17が、仰向けの状態となった被介護人の背後にくるように、介護用ズボン10を配置する。次に、介護人は、介護用ズボン10の足挿入部11を必要に応じてたぐり寄せ、被介護人の両足にそれぞれ挿通する。介護人は被介護人の両足に、足挿入部11をそれぞれ挿通した後、介護用ズボン10を被介護人の着用可能な位置まで引上げる。 【0013】介護人は、介護用ズボン10を引上げた後、介護用ズボン10の身頃部12が、被介護人の腹部を覆うように配置する。このとき、前覆い部16が、被介護人の股部を覆うように配置し、更に、図4に示すように、身頃部12に設けられた対となる重合部14を被介護人の背後に廻し、重合部14を重ね合わせ、被介護人の腹部を覆うように配置する。ここで、紐材19を、被介護人の背側で交差させ、被介護人の腹部を周回するように身頃部12の上端部20に設けられた複数の乳23に通して、仰向けの状態となった被介護人の前方にくるように配置する。この被介護人の前方にきた紐材19を、被介護人の腹部のサイズに合わせて身頃部12の上端部を絞りながら被介護人の前側腹部で結ぶ。上記した方法により、図5、図6に示すように、介護人は、被介護人に介護用ズボン10を着用させることが可能となる。 【0014】続いて、おむつ25、25aの交換方法について説明する。まず、仰向けの状態となった被介護人の腹部で結んだ紐材19をほどき、被介護人の背後が開放状態となるように、被介護人を覆っていた対となる重合部14を左右方向に開く。次に、図7に示すように、被介護人を覆っていた身頃部12を、被介護人の腹部から足方向に下げる。これにより、おむつ25が現れる。このとき、介護用ズボン10に形成された切り開き部17の開始位置17aは、身頃部12の股下基部13から更に下方に5〜20cmの範囲にあるため、介護用ズボン10を汚すことなく、しかも容易におむつ25を被介護人から脱がすことが可能となる。被介護人からおむつ25を脱がした後は、必要に応じて被介護人の消毒等を行い、新しいおむつ25aをつける。 【0015】介護人が、被介護人におむつ25aを付けた後、介護用ズボン10の身頃部12を被介護人の腹部に覆うように配置する。このとき、前覆い部16が、被介護人の股部を覆うように配置し、身頃部12に設けられた対となる重合部14を、被介護人の背後に廻し、被介護人の腹部を覆うように配置する(図4参照)。ここで、紐材19を、被介護人の腹部を周回するように配置し、仰向けの状態となった被介護人の前方にくるように配置する。この前方に配置された紐材19を、被介護人の前側腹部で結ぶ(図5、図6参照)。上記の方法で示したように、介護人は、被介護人のおむつ25、25aの交換を容易に行うことが可能となる。 【0016】ここで、本実施の形態に係る介護用ズボンの紐部材の変形例について説明する。図8に示すように、変形例に係る紐部材は、対となる重合部14の上側部分15の端部に、それぞれ一本ずつ縫い込まれた例えば布製の紐材28からなっている。この場合、身頃部12の上端部20に設けられている紐通し孔21には、被介護人の体に喰い込まない程度の幅及び長さを有するゴム材29を挿通し、このゴム材29の端部30を、それぞれ紐通し孔21の端部に固定する。これにより、介護用ズボンを被介護人に容易に取付けることができると共に、介護用ズボンを被介護人の腹部を圧迫することなく、確実に着用させることができるようになる。 【0017】前記したように、従来では、介護人は、寝たきりの人が着用している介護用ズボンをある程度脱がしてから、おむつの交換等の介護処理をしなければならなかった。しかし、本発明の介護用ズボンを使用することで、介護人は、寝たきりの人が着用している介護用ズボンを完全に脱がさなくても、おむつの交換等の介護処理を容易に行うことができる。また、介護用ズボンをはいている被介護人にとっても、無駄な動作をしなくてよくなるため、心身の安らぎも大きい。更に、介護用ズボン着用後は、前覆い部によりおむつ等の露出がなくなるため、被介護人の心的苦痛は解消されることとなる。 【0018】以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、介護用ズボンをねまきや肌着等に使用することも可能である。この場合、介護用ズボンは、それぞれの用途に応じた素材(例えば、吸湿性が高い素材、防寒性に優れた素材等)で製造することが好ましい。 【0019】 【発明の効果】請求項1〜3記載の介護用ズボンにおいては、介護用ズボンを寝たきりの人や、病気、けが等で体が動かせない人達に使用した場合、介護用ズボンの身頃部の背部を左右方向に分離し、足は対となる足挿入部に挿入した状態で、おむつの交換等の介護処理を行うことが可能となる。また、おむつの交換等の介護処理時に、介護人は被介護人を持上げる必要が無く、一方、被介護人は、大きく体を動かす必要が無くなる。更に、介護用ズボン着用後は、前覆い部により、被介護人に着用したおむつ等は露出することがなくなる。従って、介護処理に労力を必要としないため、介護人1人でも、容易に介護処理を行うことが可能となる。一方、被介護人は、安静な状態を保ったまま、介護処理を行ってもらうことが可能となる。また、介護用ズボン着用後のおむつ等の露出がなくなることで、被介護人の心的苦痛がなくなる。 【0020】特に、請求項2記載の介護用ズボンにおいては、被介護人の足を対となる足挿入部に挿入した状態で、介護人は、被介護人の露出度を小さく、しかも容易におむつの交換等の介護処理を行うことが可能となる。従って、被介護人は、介護用ズボンを脱ぐことで露出度が大きくなることによる心的苦痛と、体を動かすことによる身体的苦痛を伴うことなく、介護人に介護処理を行ってもらうことが可能となる。また介護処理に要する時間を短縮できるため、介護人の作業性が良好である。請求項3記載の介護用ズボンにおいては、介護用ズボンの身頃部に適度なシワを形成させることが可能となるので、介護用ズボンのサイズを細かく設定することなく、太り気味の人から痩せ気味の人まで広い範囲に同じ大きさの介護用ズボンを使用することが可能となる。従って、多くのサイズの介護用ズボンを製造する必要がないため、経済性が良好である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500252578 【氏名又は名称】中原 サナヱ
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| 【出願日】 |
平成12年5月31日(2000.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090697 【弁理士】 【氏名又は名称】中前 富士男
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| 【公開番号】 |
特開2001−336006(P2001−336006A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−162746(P2000−162746) |
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