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【発明の名称】 リストバンド
【発明者】 【氏名】小林 一幸

【要約】 【課題】人体への負担が少なく、耐久性、プリント適正に優れたリストバンドを提供する。

【解決手段】合成樹脂製のフィルム10Aの裏面に不織布10Cを貼付してリストバンド10を構成する。人体の肌に触れる側に不織布10Cが貼付されていることにより、装着した際に人体への負担が軽減される。また、表面側にはプリント適正に優れ、引き裂き、折れ強度、伸びなどに強い合成樹脂製のフィルム10Aが貼付されていることにより、汎用のプリンタを用いてプリントでき、明確なプリント像が得られるとともに、耐久性も確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に所定の情報がプリントされて、手首等に取り付けられるリストバンドにおいて、合成樹脂製のフィルムの裏面に不織布を貼付してなることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】 前記不織布は、接着後に固化する接着剤によって前記フィルムの裏面に貼付されることを特徴とする請求項1に記載のリストバンド。
【請求項3】 前記不織布はポリエチレン製であるとともに、前記フィルムはポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート製であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリストバンド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリストバンドに係り、特に病院等で患者の手首や足首等に取り付けられて患者の識別に使用するリストバンドに関する。
【0002】
【従来の技術】病院などでは、たとえば患者や新生児の管理、識別などのために、名前やバーコードなどの所定の情報をプリントしたリストバンドを患者の手首等に取り付けることがある。しかしながら、従来のリストバンドは、硬い合成樹脂で作られていたため、患者が手首等に装着した際に強い違和感があるという欠点があった。そして、このような欠点を解消すべく、特開平7−34366号公報では、リストバンドを布帛(織物、編み物、不織布等)で作ることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、布帛で作られたリストバンドは薄く、いわゆるコシがないため、汎用のプリンタを用いてプリント処理することが難しいという欠点がある。すなわち、コシがないため、印字部等への送り動作を与えることが難しく、また、切断しにくいという欠点がある。また、インクが滲みやすく、明確なプリント像を得られないという欠点もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、人体への負担が軽く、耐久性、プリント適正に優れたリストバンドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、表面に所定の情報がプリントされて、手首等に取り付けられるリストバンドにおいて、合成樹脂製のフィルムの裏面に不織布を貼付してなることを特徴とするリストバンドを提供する。
【0006】また、本発明は前記目的を達成するために、前記不織布は、接着後に固化する接着剤によって前記フィルムの裏面に貼付されることを特徴とする請求項1に記載のリストバンドを提供する。
【0007】また、本発明は前記目的を達成するために、前記不織布はポリエチレン製であるとともに、前記フィルムはポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート製であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリストバンドを提供する。
【0008】本発明によれば、人体の肌に触れる側に不織布が貼付されていることにより、手首等に装着した際に人体への負担が軽減される。また、表面側にはプリント適正に優れ、引き裂き、折れ強度、伸びなどに強い合成樹脂製のフィルムが貼付されていることにより、汎用のプリンタを用いてプリントでき、明確なプリント像が得られるとともに、耐久性も確保することができる。また、接着後に固化する接着剤によってフィルムの裏面に不織布を貼付することにより、接着剤の染みだしもなく、切断もより容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係るリストバンドの好ましい実施の形態について詳説する。
【0010】図1は、本発明に係るリストバンドの実施の形態の構成を示す斜視図である。なお、同図(a)はリストバンドを表側から見たときの斜視図であり、同図(b)は裏側から見たときの斜視図である。
【0011】このリストバンド10は、たとえば病院等で使用されるもので、患者の手首、足首等に巻き付けて、患者の管理、識別に用いられる。このため、リストバンド10の表面には科名12a、病棟名12b、氏名12c、血液型12d、及び、これらの情報がコード化されたバーコード12e等の情報がプリントされている。装着時は、リストバンド10を患者の手首等に巻き付け、留め具14でリストバンド10の両端部を固定して患者の手首等に装着する。
【0012】ここで、このリストバンド10の両端部には、それぞれ留め具14が嵌め込まれるバンド穴16a、16bが形成されており、装着時は、このバンド穴16a、16bの位置を合わせて、図2に示すように、その位置合わせしたバンド穴16a、16bに留め具14を嵌め込むことにより、両端部が連結される。
【0013】なお、一方のバンド穴16b、16b、…は、リストバンド10の長手方向に沿って一定ピッチで複数形成されており、このバンド穴16bの位置を変えることにより、リストバンド10はサイズの変更ができるようにされている。
【0014】ところで、このリストバンド10は、表面へのプリント適性と、装着した際の皮膚への接触感覚性とを両立させるために2層で構成されている。すなわち、図3に示すように、表面はプリント適性を持たせるために合成樹脂製のフィルム10Aで構成されており、裏面は皮膚への接触感覚性を持たせるために不織布10Cで構成されている。そして、このフィルム10Aと不織布10Cとを接着剤(又は粘着剤)10Bで接合して構成されている。
【0015】ここで、リストバンド10の表面を構成するフィルム10Aは、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製であり、耐水性、耐アルコール性、耐汗性、耐摩擦性等の耐久性や印刷密着性が付加されている。また、その表面には印刷、熱転写、サーマル発色、レーザープリント、インクジェットなどの各種プリント方式で可変情報の印字を可能とする受像層がコートされている。なお、耐久性等を向上させるべく、オーバーコート、OPニス、ラミネート加工を施すことも可能である。
【0016】一方、リストバンド10の裏面を構成する不織布10Cは、たとえばポリエチレン製であり、高密度のポリエチレン繊維を紡糸し、分散させて熱と圧力とで繊維同士を結合させてシート状にしたものが用いられている。このような不織布10Cとしては、たとえば、デュポンジャパン社製の不織布『タイベック』があり、引張/引裂強度が大きく、軽く、また、優れた耐水性、耐薬品性、通気性、透湿性、バクテリアバリア性を有しており、人間の皮膚への刺激性及び感作性がないという特質を有している。また、連続した長繊維で作られるため、一般的な使用条件の下では殆どリント(綿クズ)が発生しないという特質を有している。
【0017】また、フィルム10Aと不織布10Cとを接合する接着剤(又は粘着剤)10Bは、溶剤系、エマルジョン系、ホットメルト系などの各種接着剤(又は粘着剤)を使用できるが、耐水性、耐アルコール性、耐汗性、耐折れ曲げ性を配慮したものを選択して使用することが好ましい。また、さらに好ましくは接着後固化する固形の接着剤(ドライラミネーション)を使用することが好ましい。このような固形の接着剤は、糊の染みだしがなく、人間の皮膚への刺激性が少ないとともに、カッター適性も優れるという効果が得られる。
【0018】次に、このリストバンド10の製造方法について説明する。
【0019】まず、所定幅、所定長さのシート状に形成されたフィルムと不織布とを接着剤又は粘着剤で貼り合わせた原反を作製する。この原反は一度に多数のリストバンドの製造を可能とするもので、最終製品であるリストバンドの数十倍の幅と長さを有するシート状に形成される。なお、フィルムと不織布との貼り合わせは粘着剤、ドライラミネートなどを使用する。
【0020】次に、上記のように形成された原反のフィルム表面に印刷機で所定の固定情報(たとえば病院名や装飾用の縁などの変わることがない情報)を印刷する。そして、フィルム表面をオーバーコートし、型抜き機において留め具用のバンド穴の抜き加工を行う。
【0021】次に、裁断機で原反を規定の幅、すなわち最終製品であるリストバンドの幅に切断し、裁断したリストバンドの連続体をロール状に巻き取る。
【0022】次に、ロール状に巻き取ったリストバンドの連続体をプリンタにセットし、フィルムの表面に可変情報(たとえば科名、病棟名、氏名、血液型、及び、これらの情報がコード化されたバーコード等の個別の情報)を印字し、カッターで単枚に切断する。
【0023】ここで、このリストバンドの連続体の表面に所定の可変情報を印字し、単枚に切断するプリンタについて説明する。図4は、このプリンタ50の構成図である。同図に示すように、このプリンタ50は、供給部53と印字部54と切断部55とから構成されている。
【0024】供給部53は、ロール状に巻き取られたリストバンドの連続体を回転可能に保持する。
【0025】印字部54は、サーマルヘッド58とプラテンローラ57とから構成されており、サーマルヘッド58はプラテンローラ57に対して進退可能に設けられている。このサーマルヘッド58とプラテンローラ57との間には、熱転写可能なインクを塗布した熱転写リボン60がリボン供給部61から案内ローラ62を介して供給される。熱転写リボン60は、リストバンドの連続体の走行に同期して供給され、案内ローラ63を介してリボン巻取部64に巻き取られる。
【0026】切断部55は、カッタ66と一対の繰出ローラ65、65とから構成されており、印字部54の下流側に設けられている。印字部54で表面に所定の可変情報が印字されたリストバンドは、リストバンド同士の継ぎ目の部分をカッタ66で切断され、その後、一対の繰出口ーラ65、65によって排出口56から排出される。
【0027】前記のごとく構成されたプリンタ50の作用は次のとおりである。供給部53にセットされたロール状のリストバンドの連続体は、案内ローラ59によって印字部54へと供給される。そして、その印字部54において、表面に科名、病棟名、氏名、血液型、及び、これらの情報がコード化されたバーコード等の可変情報が印字される。
【0028】印字部54で可変情報が印字されたリストバンドの連続体は、切断部55において、リストバンド同士の継ぎ目の部分を切断され、単枚のリストバンド10となって排出口66から排出される。
【0029】以上のようにして単枚に切断されたリストバンド10は、患者の手首等に巻き付け、手首等の太さに合わせてバンド穴、16a、16bの位置を調整したのち、留め具14をバンド穴16a、16bに嵌め込んで固定する。
【0030】患者の手首等に装着されたリストバンド10は、皮膚に触れる側に不織布10Cが貼付されているため、肌への刺激が少なく、長時間装着していても患者に不快感を与えることがない。
【0031】一方、表面側には合成樹脂性のフィルム10Aが貼付されているため、リストバンド全体は容易に引き裂かれたりすることがなく、折れや伸びに対しても耐えることができる。
【0032】また、合成樹脂性のフィルム10Aを貼付することにより、リストバンド10は適度な固さを持つことができ、上述したプリンタ50等において、容易にその表面に所定の情報をプリントできるとともに、容易に切断することができる。また、プリント像も滲んだりすることがなく、明確なものが得られる。
【0033】このように、本実施の形態のリストバンド10によれば、合成樹脂製のフィルム10Aと不織布10Cとの2層で構成することにより、プリント適性と皮膚への接触感覚性とを両立させることができる。
【0034】なお、本実施の形態では表面層を構成するフィルム10Aとしてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを例示しているが、フィルム10Aの材質は、これらに限定されるものではなく、耐水性、耐アルコール性、耐汗性、耐摩擦性等の耐久性や印刷密着性に優れた材質のものを適宜選択して用いることができる。同様に本実施の形態では裏面層を構成する不織布10Cとしてポリエチレンを例示しているが、不織布10Cの材質は、これに限定されるものではなく、引張/引裂強度が大きく、軽く、また、優れた耐水性、耐薬品性、通気性、透湿性、バクテリアバリア性を有し、人間の皮膚への刺激性及び感作性がない材質のものを適宜選択して用いることができる。
【0035】また、本実施の形態では、病院で患者の識別等に利用されるリストバンドを例に説明したが、本発明は、その他の分野で使用されるリストバンドにも同様に適用することができる。なお、病院での使用に際しては、感染を防ぐために抗菌処理を施すようにしてもよい。
【0036】さらに、本実施の形態では、留め具14を用いてリストバンド10の両端を連結するように構成しているが、連結方法はこれに限定されるものではなく、たとえば、裏面粘着剤や図5に示すように両面テープ20を用いて連結するようにしてもよい。すなわち、リストバンド10の裏面一端に両面テープ20を貼付し、使用に際しては、その両面テープ20に仮着されている保護シート22を外して、両面テープ20でリストバンド10の両端を連結する。
【0037】また、リストバンド10の表面にプリントする情報も適宜変更して使用することが好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、肌に触れる側に不織布が貼付されていることにより、手首等に装着した際に人体への負担が軽減される。また、表面側にはプリント適正に優れ、引き裂き、折れ強度、伸びなどに強い合成樹脂製のフィルムが貼付されていることにより、汎用のプリンタを用いてプリントでき、明確なプリント像が得られるとともに、耐久性も確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000130581
【氏名又は名称】株式会社サトー
【出願日】 平成12年5月10日(2000.5.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−316921(P2001−316921A)
【公開日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【出願番号】 特願2000−136589(P2000−136589)