トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 食事用エプロン
【発明者】 【氏名】宇野 勝男

【氏名】山本 春美

【要約】 【課題】本発明は、食卓上を容易に移動しない食器載置面を有する食事用エプロンを提供すること。

【解決手段】使用者に対して食事用エプロンを取り付けるための装着部110と、使用者を汚れから守るための保護部120と、食卓140上に配置するための食器載置面130と、この食器載置面が前記食卓上を容易に移動しないための滑り止め面と、を備えるように食事用エプロンを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用者に対して食事用エプロンを取り付けるための装着部と、使用者を汚れから守るための保護部と、食卓上に配置するための食器載置面と、この食器載置面が前記食卓上を容易に移動しないための滑り止め面が、前記食器載置面の裏面に設けられていることを特徴とする食事用エプロン。
【請求項2】 前記滑り止め面が発泡樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の食事用エプロン。
【請求項3】 前記発泡樹脂がアクリル発泡樹脂又はウレタン発泡樹脂により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の食事用エプロン。
【請求項4】 前記食器載置面と前記発泡樹脂との境界面とに撥水加工が施されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の食事用エプロン。
【請求項5】 前記食器載置面及び前記保護部が撥水加工された生地より形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項6】 前記生地が細い糸を密度濃く織ってあると共に、縦糸と横糸の数が略同数程度に織ってあることを特徴とする請求項5に記載の食事用エプロン。
【請求項7】 前記生地がナイロン織、ポリエステル織又は綿織のいずれかの一つの織により成る平織若しくは編物より成ることを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項8】 前記食器載置面と前記保護部との境界部若しくはその近傍に凹状収容部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項9】 前記凹状収容部が、前記保護部の前記境界部若しくはその近傍側縁に設けられた収縮部によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の食事用エプロン。
【請求項10】 前記収縮部が弾性体により成ることを特徴とする請求項9に記載の食事用エプロン。
【請求項11】 前記食器載置面が前記保護面より幅広に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項12】 前記食器載置面の周縁部には、この食器載置面の内側と外側を区別するバリア部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の食事用エプロン。
【請求項13】 前記バリア部が、前記食器載置面の周縁部に設けられたパイピング部により構成されていることを特徴とする請求項12に記載の食事用エプロン。
【請求項14】 前記バリア部は、前記食器載置面の周縁部が前記パイピング部により起立させられて形成されることを特徴とする請求項13に記載の食事用エプロン。
【請求項15】 前記装着部には、使用者の首周りに対応した略円形の開口部が設けられていると共に、この開口部の使用者側には伸縮性のあるテープ状部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項16】 前記食器載置面の表面に、食器が載置面上を容易に移動しないための滑り止め面が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項17】 前記食器載置面の表面及び/又は裏面の少なくと一部に凸状の突起部が複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の食事用エプロン。
【請求項18】 前記突起部がアクリル樹脂又はウレタン樹脂により形成されていることを特徴とする請求項17に記載の食事用エプロン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳幼児や要介護者等が食事をする際に、自己の衣服等を汚れ等から守るための食事用エプロンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の食事用エプロン、特にテーブルクロス機能付き食事用エプロン10は、図13に示すように構成されていた。すなわち、テーブルクロス機能付き食事用エプロン10は、使用者30の首に紐等によって取り付けると、この食事用エプロン10のエプロン部11が、使用者30の前面に被さるように配置されることになる。そして、このエプロン部11に続いて設けられているテーブルクロス部12は、テーブル20の表面に図13に示すように配置されることになる。この状態で、前記テーブルクロス部12の上に食器等が置かれたトレイ(図示せず)が載置され、使用者30は、トレイ上の食器内に収容された食物を食べることになる。このように、食事用エプロン10を用いることで、使用者30が誤って食物をこぼしてもテーブルが汚れずに済むテーブルクロスの機能を発揮することになる。また、使用者30が食事中に食物を自己の服の上に落としても、使用者30の前面には、エプロン部11が設けられているため、このエプロン部11によって使用者30の服が汚れないというエプロンとしての機能も発揮することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなテーブルクロス機能付き食事用エプロン10は、全体として1枚の生地により構成されているため、使用者30が食事中に動いたりすると、前記エプロン部11とテーブルクロス部12も動き、テーブルクロス部12が前記トレイを載せた状態で、テーブル20上を滑り、食器内の食物等がこぼれてしまうという問題があった。特に液状の食物をこぼした場合、こぼれた食物が前記食事用エプロン10の脇から外へこぼれ落ち易いという問題もあった。また、使用者30が動かない場合でも、この食事用エプロン10上に、比較的重い食物を落とした場合は、その重さによって、食事用エプロン10の生地が撓り、前記トレイを載せた食事用エプロン10のテーブルクロス部12が、テーブル20上を滑り、食器内の食物等がこぼれてしまうという問題があった。
【0004】本発明は、以上の点に鑑み、食卓上を容易に移動しない食器載置面を有する食事用エプロンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的は、請求項1の発明によれば、使用者に対して食事用エプロンを取り付けるための装着部と、使用者を汚れから守るための保護部と、食卓上に配置するための食器載置面と、この食器載置面が前記食卓上を容易に移動しないための滑り止め面が、前記食器載置面の裏面に設けられている食事用エプロンにより、達成される。前記構成によれば、前記食事用エプロンには、前記食器載置面と、前記食卓上を容易に移動しないための滑り止め面が前記食器載置面の裏面に設けられている備えられているため、この食器載置面が前記食卓上を滑るのを未然に防止することができる。
【0006】好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記滑り止め面が発泡樹脂により形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記滑り止め面が発泡樹脂により形成されているので、この発泡樹脂の弾力性により前記滑り止め面の摩擦力が大となる。特に、前記食器載置面の裏面に前記滑り止め面が設けられているので、この食器載置面上に載置される食器等の重みで,前記発泡樹脂が前記食卓上に押し付けられるので、より摩擦力が大きくなり、前記食器載置面の前記食卓上の滑りをさらに有効に防止することができる。一方、前記食器載置面上に食器等が載置されない場合は、前記発泡樹脂が前記食卓上に押し付けられないので、摩擦力が比較的小さくなり、この食器載置面が食卓上をある程度は移動可能な状態となる。したがって、この食器載置面が食卓上に張り付いて使用者の動作を拘束することはなくなる。また、前記発泡樹脂が変形すると、クッション効果で食器等の破損も未然に防ぐことができる。
【0007】好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項2の構成において、前記発泡樹脂がアクリル発泡樹脂又はウレタン発泡樹脂により形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記発泡樹脂がアクリル発泡樹脂又はウレタン発泡樹脂により形成されているので、このアクリル発泡樹脂又はウレタン発泡樹脂の変形によって摩擦力を有効に生じさせることができる。
【0008】好ましくは、請求項4の発明によれば、請求項2又は請求項3の構成において、前記食器載置面と前記発泡樹脂との境界面とに撥水加工が施されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面と前記発泡樹脂との境界面とに撥水加工が施されているので、この食器載置面上にこぼれた例えば液状の食物等が食卓上にこぼれるを防ぐとともに、この生地に前記発泡樹脂が漏れ出すのを防ぐことができる。
【0009】好ましくは、請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかの構成において、前記食器載置面及び前記保護部が撥水加工された生地より形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面及び前記保護部が撥水加工された生地より形成されているので、これら食器載置面や保護部に例えば液状の食物等がこぼれても、液状の食物等が食事用エプロンの生地に染み込むことがない。
【0010】好ましくは、請求項6の発明によれば、請求項5の構成において、前記生地が細い糸を密度濃く織ってあると共に、縦糸と横糸の数が略同数程度に織ってある食事用エプロンである。前記構成によれば、前記生地が細い糸を密度濃く織ってあるので、使用者に対して柔らかい手触りをもたらすようになっている。また、前記生地の縦糸と横糸の数が略同数程度に織ってあるので、例えば織り目の間から発泡樹脂がこの生地側に染み込むのを防ぐことができる。
【0011】好ましくは、請求項7の発明によれば、請求項5又は請求項6のいずれかの構成において、前記生地がナイロン織、ポリエステル織又は綿織のいずれかの一つの織により成る平織若しくは編物より成る食事用エプロンである。前記構成によれば、前記生地がナイロン織、ポリエステル織又は綿織のいずれかの一つの織により成る平織若しくは編物により前記生地を形成することができる。
【0012】好ましくは、請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれかの構成において、前記食器載置面と前記保護部との境界部若しくはその近傍に凹状収容部が形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面と前記保護部との境界部若しくはその近傍に凹状収容部が形成されているので、使用者の食べこぼし等を食事用エプロンの外側に落下させることなく、この凹状収容部内に保持させることができる。
【0013】好ましくは、請求項9の発明によれば、請求項8の構成において、前記凹状収容部が、前記保護部の前記境界部若しくはその近傍側縁に設けられた収縮部によって形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記凹状収容部が、前記保護部の前記境界部若しくはその近傍側縁に設けられた収縮部によって形成されているので、この凹状収容部を容易に形成することができる。
【0014】好ましくは、請求項10の発明によれば、請求項9の構成において、前記収縮部が弾性体により成ることを特徴とする請求項9に記載の食事用エプロン。前記構成によれば、前記収縮部が弾性体により成るので、この収縮部を容易に形成することができる。
【0015】好ましくは、請求項11の発明によれば、請求項1乃至請求項10のいずれかの構成において、前記食器載置面が前記保護面より幅広に形成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面が前記保護面より幅広に形成されているので、この食器載置面に大きな例えばトレー等を載置することができる。また、前記食器載置面の裏面に滑り止め面が設けられているので、この食器載置面の大きさに比例して滑り止め効果がより大になる。
【0016】好ましくは、請求項12の発明によれば、請求項1乃至請求項11のいずれかの構成において、前記食器載置面の周縁部には、この食器載置面の内側と外側を区別するバリア部が設けられている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面の周縁部には、この食器載置面の内側と外側を区別するバリア部が設けられているので、使用者が例えば液状の食物等をこぼした場合にも、液状の食物等がこのバリア部の内側に止まることになる。したがって、液状の食物等が食事用エプロンの外側に出るのを防止することができる。
【0017】好ましくは、請求項13の発明によれば、請求項12の構成において、前記バリア部が、前記食器載置面の周縁部に設けられたパイピング部により構成されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記食器載置面の周縁部にパイピング部を設けることにより前記バリア部が形成されるので、このバリア部を容易に形成することができる。
【0018】好ましくは、請求項14の発明によれば、前記バリア部は、前記食器載置面の周縁部が前記パイピング部により起立させられて形成されることを特徴とする請求項13に記載の食事用エプロン。前記構成によれば、前記バリア部は、前記食器載置面の周縁部が前記パイピング部により起立させられて形成されるので、使用者が例えば液状の食物等を大量に、こぼした場合にも、液状の食物等がこのバリア部の内側に止まることになる。したがって、液状の食物等が食事用エプロンの外側に出るのをより防止することができる。
【0019】好ましくは、請求項15の発明によれば、請求項1乃至請求項14のいずれかの構成において、前記装着部には、使用者の首周りに対応した略円形の開口部が設けられていると共に、この開口部の使用者側には伸縮性のあるテープ状部材が配置されている食事用エプロンである。前記構成によれば、前記装着部には、使用者の首周りに対応した略円形の開口部が設けられていると共に、この開口部の使用者側には伸縮性のあるテープ状部材が配置されているので、使用者各人の首周りの大きさに応じて適切な前記開口部を形成することができる。
【0020】好ましくは、請求項16の発明によれば、請求項1乃至請求項15のいずれかの構成において、前記食器載置面の表面に、食器が載置面上を容易に移動しないための滑り止め面が設けられていることを特徴とする食事用エプロンである。請求項16の構成によれば、前記食器載置面の表面に前記滑り止め面が設けられているので、前記食器が食器載置面から滑り落ちることを未然に防ぐことができる。また、使用者が例えばスプーン等の食具を持つ手と逆の手で、食器を保持することができない場合において、スプーン等の動きにより食器が動いてしまうことを防ぐこともできるので、使用者は、容易に食品を食べることができる。
【0021】好ましくは、請求項17の発明によれば、請求項1乃至請求項16のいずれかの構成において、前記食器載置面の表面及び/又は裏面の少なくと一部に凸状の突起部が複数配置されていることを特徴とする食事用エプロンである。請求項17の構成によれば、前記食器載置面の表面及び/又は裏面の少なくと一部に凸状の突起部が複数配置されているので、食器等を載置した場合に食器等が食器載置面上で滑るのを未然に防止することができる。また、この食器載置面の裏面に突起部を配置した場合は、食器載置面が前記食卓上を滑るのをより有効に防止することができる。さらに、前記突起部を前記食器載置面の一部、すなわち実際に食器等を載置する部分にのみ配置した場合は、より無駄なく効率よく突起部を配置できることになる。
【0022】好ましくは、請求項18の発明によれば、請求項17の構成において、前記突起部がアクリル樹脂又はウレタン樹脂により形成されていることを特徴とする食事用エプロンである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態に係るテーブルクロス機能付き食事用エプロン100(以下、「食事用エプロン」と称す。)を示す図である。図1に示すように、食事用エプロン100の上端部には、装着部110が設けられている。この装着部110の略中央には、使用者である例えば乳幼児の首周りの大きさに相当する開口部である略円形の穴部が設けられている。この穴部は、その上部が開閉可能となっており、乳幼児の首周りに、この食事用エプロン100を装着する際に、この上部を開状態にして、この穴部内に乳幼児の首を入れることになる。
【0024】また、この穴部の乳幼児の首周りに当接する部分には、伸縮性のあるテープ状部材111が配置がされている。このテープ状部材111は、例えばスパンデックスやオペロンが用いられる。このうち、例えばスパンデックスは、合成繊維の一種で、ポリウレタンの含有量で弾性力を調整するものである。本実施の形態では、例えば15%のポリウレタン含有のスパンデックスを用いている。なお、同様のテープ状部材は、天然ゴムで製造することもできる。したがって、このテープ状部材111は、伸縮するため乳幼児の首周りに正確に配置することができるようになっている。
【0025】さらに、装着部110の上端部には、相互に着脱可能な固定具であるマジックテープ(登録商標)112が2つ設けられている。これらのマジックテープ112,112は、例えば右側の四角部分のマジックテープ112を左側の斜線部分のマジックテープ112に押し付けると、固定状態になるようになっている。逆に、固定状態になっているマジックテープ112,112のうち、一方、例えば右側のマジックテープ112を保持し、左側のマジックテープ112から離反する方向に引っ張ると、両者のマジックテープ112,112は離れるようになっている。
【0026】このようなマジックテープ112,112を用いて装着部110を乳幼児の首周りに配置し固定すると共に、上述のテープ状部材111の伸縮性を利用して、装着部110を乳幼児の首周りに正確に配置されるようになっている。このように構成される装着部110の下方には、保護部であるエプロン部120が設けられている。このエプロン部120は、装着部110よりもやや幅広く形成されており、乳幼児がこの食事用エプロン100を着用した際に、乳幼児の前面に配置される部分である。したがって、このエプロン部120は、乳幼児が食物等を食べこぼした際に、このこぼれた食物等によって乳幼児の着衣が汚れるのを防ぐ役割を果たす部分である。
【0027】具体的には、このエプロン部120は、上述の装着部110と同じポリエステル織という平織で構成されている、ポリエステル生地で形成されている。ただし、このポリエステル生地の代わりに、ナイロン織によるナイロン生地、綿織による綿生地、若しくはアクリル織によるアクリル生地等を用いることができる。また、これらの平織りの代わりに編物で形成することもできる。以下、一例としてポリエステル織を例に挙げて説明する。このポリエステル生地は、ポリエステル繊維を72本(72フィラメント)使用して構成される糸(糸の太さ75デニール)を2本(双糸)よって形成されるものを、高密度で例えば平織りに織って構成されている。
【0028】これに対して、従来はポリエステル繊維を36本(36フラメント)で1本の糸とし、その太さを75デニールとしている。したがって、本実施の形態で用いているポリエステル繊維は、従来用いられる繊維より細く、高密度に構成されているので、この繊維で成る糸で織られているポリエステル生地は、使用者に対し柔らかな感触を与えることになる。さらに、本実施の形態の織り方は、縦糸と横糸を略同数にして織るという、いわゆる、シフォン織で織っている。このように織ることで、このエプロン部120及び装着部10の表面を触る乳幼児に、さらに柔らかな感触を与えることができ、乳幼児に対して不快感を与えるのを防止することができる。
【0029】ところで、前記エプロン部には、図1に示すように、弾性体であるコールゴム部121が、その両側に設けられている。このコールゴム部121が設けられているのは、エプロン部120の下方に連続して設けられている食器載置面であるテーブルクロス部130との境界部近傍側縁である。このコールゴム121は、例えば1本の天然ゴム又は合成ゴム被覆したものを指す。すなわち、複数、例えば3つの天然ゴムを被覆して1本のゴムとした場合は、3コールと表現する。
【0030】このコールゴム部121は、具体的には図2に示すように配置されている。図2は、コールゴム部121がコールゴムの収縮力で収縮し、これによりエプロン部120の生地も撓んでいる状態を示している。このようにエプロン部120の両端部が撓むと、図3において示されているように、エプロン部120に凹状収容部である袋部122が形成されることになる。この袋部122には、乳幼児の食べこぼし等が収容され、食べこぼし等は、食事用エプロン100の外側に落下することを未然に防ぐことができるようになっている。本実施の形態では、コールゴム部121を用いたが、これに限らず図4に示すようなタックを複数個設けタック部(収縮部)を形成しても同様の袋部122を形成することができる。
【0031】このようにエプロン部120には、乳幼児の食べこぼした食物等が当たったり、収容されたりするため、その表面には、撥水加工である強撥水加工が施されている。この強撥水加工は、アクリル樹脂撥水剤を塗布することにより、JISLI092における撥水試験(スプレー法)において5級であり、50時間の洗濯後でも3級を維持できるよう処理される。
【0032】このような強撥水加工は、エプロン部120の表面のみならず上述の装着部110の表面にも同様に付することもできる。装着部110及びエプロン部120は、上述のように構成されているが、このエプロン部120の図1における下方には、テーブルクロス部130が設けられている。このテーブルクロス部130は、図3に示すように、食卓である例えば食器等を置くテーブル140の上に配置される。そして、このテーブルクロス部130の上に食器等を配置した例えばトレイが載置されることになる。このように配置されるテーブルクロス部130は、装着部110やエプロン部120と同様の生地、例えばポリエステル生地が用いられている。そして、このポリエステル生地の表面には、エプロン部120と同様の強撥水加工が施されている。
【0033】一方、このポリエステル生地の裏面側には、上述の表面側と比べ弱い撥水加工が施されることになる。この撥水加工は、上述のアクリル樹脂撥水剤の濃度を低くして、上述と同様の撥水加工を行う。これは、この裏面側の撥水加工が、後述のようにアクリル樹脂がしみ出さない範囲で行えば十分なため、弱く撥水加工を行うことになる。このように、弱く撥水加工を行うことにより、製品のコストダウンを図ることができる。
【0034】そして、このように弱く撥水加工が施されたポリエステル生地に対して発泡樹脂であるアクリル発泡が形成されることになる。このアクリル発泡は、ポリエステル生地の上述の弱い撥水加工が施された面の上からアクリル樹脂を塗布し、図示しない発泡装置で発泡させるものである。このようにアクリル発泡層をテーブルクロス部130の裏面、すなわちテーブル140に接触する面に形成することで、滑り止めの機能を発揮することになる。すなわち、アクリル発泡層は、スポンジ状に形成されるため、摩擦力を生じ易い構造となっているため、テーブル140の表面と接触するとテーブルクロス部130が滑り難くなる。
【0035】特に、テーブルクロス部130の表面側に食器等を置いたトレイ等を載置した場合は、そのトレイ等の重さでアクリル発泡層が変形し、さらに摩擦力が大となるようになっている。ところで、このアクリル発泡層と隣接して前記弱い撥水層を設けると前記ポリエステル生地にアクリル樹脂がしみ出すことがなく、ポリエステル生地の上述の柔らかさが妨げられることなく保持されることになる。また、本実施の形態では、アクリル樹脂を用いたが、これに限らずウレタン樹脂をポリエステル生地に塗布して、発泡処理してもよい。
【0036】また、本実施の形態に係る食事用エプロン100には、図1に示すように、その周縁部にパイピング部150が設けられている。このパイピング部150は、図1の装着部110におけるテープ状部材111との境目から、エプロン部120を介してテーブルクロス部130にわたって、食事用エプロン100に周縁部を包むように配置されている。このパイピング部150は、具体的にはポリエステル生地やポリエステルと綿との混合生地で形成されているが、本実施の形態においては、ポリエステル65%、綿35%の混合生地を用いている。
【0037】このような生地を、図1の食事用エプロン100の周縁部である生地の端に装着することでパイピング部150が形成される。すなわち、このパイピング部140は、先ず、食事用エプロン100の生地の「ほつれ」を防止するために設けられている。そして、本実施の形態においては、この「ほつれ」防止のみならず、この食事用エプロン100の使用者が液状の食物をテーブルクロス部130上にこぼしても、その液状の食物が、食卓上にこぼれ出ることを防止するための堰の役割も果たすことになる。すなわち、前記パイピング部150は、食事用エプロン100の生地の端を表裏にわたり防水性のある生地により覆っているため、その断面が生地より厚く形成されている。具体的には、その断面においては、食事用エプロン100の生地に比べ、パイピング部150を構成する生地の分だけ表裏方向に厚くなっている。この厚みが堰となり、使用者がこぼした液状の食物等は、食卓上にこぼれ出ないようになっている。
【0038】本実施に形態に係る食事用エプロン100は以上のように構成されているが、その使用方法等を以下に説明する。先ず、使用者である乳幼児の母親等が、食事用エプロン100の装着部110のマジックテープ121を開の状態にして、装着部110の穴部に乳幼児の首を入れ、乳幼児の首周りに装着部110が配置されるようにする。このとき、装着部110のテープ状部材111が若干伸びるようにして、2個のマジックテープ112、112を重ねて固定する。これによって、装着部110の穴部は乳幼児の首周りに正確に配置されるので、装着された乳幼児に違和感を与えることなく食事用エプロン100を取り付けることができる。
【0039】次に、食事用エプロン100のテーブルクロス部130をテーブル140上に配置する。このとき、食器等がテーブルクロス部130上に置かれていないときは、テーブルクロス部130の裏面側(テーブル140側)に設けられたアクリル発泡層は、未だ変形していないため、適度の摩擦力は生じているが、乳幼児が体を強く動かした場合等は、テーブルクロス部130がテーブル140上を滑り、乳幼児に無理な力が加わらないようになっている。したがって、乳幼児は、母親等が食事を持ってくるまでは、比較的自由な状態で遊びながら食事を待つことができる。
【0040】その後、母親等が食事を作り、この食事を入れる食器をトレイに載せテーブル140まで運んでくることになる。そして、この食器等が置かれているトレイを食事用エプロン100のテーブルクロス部130の上に置くことになる。このとき、テーブルクロス部130の裏面側(テーブル140側)に設けられたアクリル発泡層が、トレイ等の荷重で変形し、大きな摩擦力を発生させることになる。このため、食事用エプロン100を着用している乳幼児が食事中に動いても、テーブルクロス部130がテーブル140上を滑り、トレイごとテーブル140から落下してしまうようなことはない。
【0041】この状態で、母親等は食器等から食事を乳幼児に与えるのであるが、例えばスプーン等でスープ等の液状の食物を与える場合、乳幼児が動いてスープがスプーンよりこぼれてしまうことがある。この場合でも、こぼれたスープはエプロン部120の表面に当たって、袋部122に留まる構造となっているため、スープが床にこぼれてしまうことはない。また、エプロン部120へ向かわずテーブルクロス部130上に広がっていくスープは、テーブルクロス部130の周縁部に設けられているパイピング部150で堰き止められ、テーブル140上にこぼれ出すことはない。さらに、エプロン部120等はその表面が強撥水加工されているため、スープが食事用エプロン100にしみ込んで、乳幼児の着衣を汚すことがない構造となっている。
【0042】このようにスープ等がしみ込まず、且つ床に落下しない構成になっているうえに、食事用エプロン100の表面は、上述のように手触りが柔らかくなるように構成されているため、着用している乳幼児に不快感を与えることなく食事が終了するまで、この食事用エプロン100を着用させ続けることができる。
【0043】(第2の実施の形態)図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態にかかるテーブルクロス機能付き食事用エプロン200(以下、「食事用エプロン」とする。)を示す図である。本実施の形態に係る食事用エプロン200の構成は、上述の第1の実施の形態に係る食事用エプロン100と略同様であるため、相違点を中心に説明し、共通点は同一の符号を付する等して説明を省略する。
【0044】本実施の形態では、図5に示すように食事用エプロン200のテーブルクロス部230の端部にはバリア部である壁231が設けられている。このようにテーブルクロス部230の3方を取り囲むように壁231を設けることで、使用者である乳幼児がスープ等を食器等からこぼしても、こぼれたスープ等の液状の食物等がテーブルクロス部230の表面からテーブル140の表面にこぼれ出すことなく、この壁231で堰き止められることになる。特にこの壁231は、第1の実施の形態のパイピング部150より高く設けられているため、乳幼児が大量のスープをこぼしてもテーブル140にこぼれ出すおそれはない。したがって、テーブル140を汚すことなく乳幼児に食事をとらせることができる。
【0045】このような壁231は、以下のようにして形成される。例えば、テーブルクロス部230の周縁部の長さよりも若干短めのパイピング部用生地を、このテーブルクロス部230の周縁部に配置することで、テーブルクロス部230の周縁部は起立し、壁231が形成されることになる。また、これ以外にも、例えば図5に示すように、テーブルクロス部230の角部230aを2箇所折って縫い合わせることでも、壁231を形成することができる。
【0046】また、本実施の形態では、図6に示すように食事用エプロン200のテーブルクロス部230の幅、図において左右方向が、コールゴム部121より先で、エプロン部120の幅よりも広く形成されている。したがって、第1の実施の形態と異なり、図6に示すように、大きめのトレイ等をテーブルクロス部230の上にはみ出すことなく載置することができる。このため、上述の壁231の内側に大きめのトレイ等を置くことができ、例え大きめのトレイ等を用いた場合で、スープ等を食器等からこぼしても、壁231によって外側にこぼれだすのを防ぐことができる。
【0047】また、テーブルクロス部230が幅広で、テーブル140の上面に当接する面積が第1の実施の形態のテーブルクロス部130より大きいため、このテーブルクロス部230の裏面に設けられているアクリル発泡樹脂もより広く配置されている。したがって、滑り止めの効果を発揮する摩擦力も全体として大となり、よりテーブル140上を滑らない食事用エプロン200とすることができる。
【0048】(第3の実施の形態)図7は、本発明の第3の実施の形態にかかるテーブルクロス機能付き食事用エプロン300(以下、「食事用エプロン」とする。)を示す図である。本実施の形態に係る食事用エプロン300の構成は、上述の第1の実施の形態に係る食事用エプロン100と略同様であるため、相違点を中心に説明し、共通点は同一の符号を付する等して説明を省略する。
【0049】本実施の形態に係る食事用エプロン300のテーブルクロス部330は、上述の第1の実施の形態のテーブルクロス部130より図7に示すように幅広に形成されている。したがって、本実施の形態のテーブルクロス部130は、テーブル140の表面をより広い範囲で覆うことができる。このため、テーブルクロス使用者である乳幼児がスープ等を食器等からこぼしても、テーブルクロス部330は、より広い範囲でテーブル140の表面にスープ等がこぼれるのを防止することができる。
【0050】また、本実施の形態の食事用エプロン300のテーブルクロス部330の表面及び裏面には、図7に示すようにアクリル樹脂製の凸状の突起部331が複数個配置されている。また、この突起部331はテーブルクロス部330の表面及び裏面の全面にわたって形成されていると共に、これら突起部331間は、相互に一定の間隔を保持して配置されている。このように配置されている突起部331の形成状態を拡大して示したのが図8である。図8に示すように、この突起部331は、テーブルクロス部330のポリエステル生地の表面及び裏面に配置されている。
【0051】このように複数の突起部331がテーブルクロス部330の表面の全面にわたって形成されているので、図7に示すようにテーブルクロス部330の表面に食器等を置いても、これらの食器等がテーブルクロス部330の表面で滑ることがなく、乳幼児が安心して食事を摂ることができる。具体的には、図9に示すように乳幼児が右手でスプーンを持ち、左手で皿を押さえない状態で、スプーンで皿内の食物を食べようとしても、前記突起部331によって皿等は滑りにくくなっている。したがって、乳幼児はスプーンで皿内の食物をすくいやすくなる。また、図8に示すように、上述の突起部331はテーブルクロス部330の裏面側にも同様に配置されている。したがって、上述の第1の実施の形態のテーブルクロス部130より、よりテーブル140の表面で滑りにくくなっている。このように、本実施の形態では、テーブルクロス部330の裏面に突起部331が配置されているため,テーブル140の表面で滑り難くなると共に、テーブルクロス部330の表面にも突起部331が形成されている。したがって、本実施の形態の食事用エプロン300を使用する乳幼児は、テーブルクロス部330上の皿等の食器を取り扱い易くなり、これにより食器内の食物をこぼし難くなる。また、表面の滑り止めを突起状とすることで、こぼれた液体が適宜テーブルクロス部330の突起部以外の場所に吸収されるため、表面を伝わって液体がテーブル140を汚すことを防ぐことができる。
【0052】(第3の実施の形態の第1の変形例)図10は、図7の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300の第1の変形例の要部を示す図である。本変形例に係る食事用エプロンの構成は、上述の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300と略同様であるため、相違点を中心に説明し、共通点は同一の符号を付する等して説明を省略する。図10は、本変形例に係る食事用エプロンのテーブルクロス部330の部分拡大断面図である。図10に示すように、本変形例では、アクリル樹脂製の突起部331が、テーブルクロス部430の表面にのみ配置され、裏面には配置されない構成となっている。したがって、第3の実施の形態のエプロン300より、製造コストを減少させることができる。
【0053】(第3の実施の形態の第2の変形例)図11は、図7の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300の第2の変形例に係る食事用エプロン500を示す概略図である。本変形例に係る食事用エプロン500の構成は、上述の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300と略同様であるため、相違点を中心に説明し、共通点は同一の符号を付する等して説明を省略する。本変形例に係る食事用エプロン500は、第3の実施の形態の食事用エプロン300とテーブルクロス部530が大きく相違する。すなわち、本変形例では、テーブルクロス部530の表面に形成されたアクリル樹脂製の突起部331の配置状態が、第3の実施の形態と異なる。具体的には、図11に示すように複数の突起部331は、テーブルクロス部530の中心部分にのみ配置されている。この部分は乳幼児が食器等を配置する領域である。
【0054】したがって、本変形例では、食器等がテーブルクロス部530の表面で滑らないように配置されている突起部331は、必要な部分にのみ配置され、不必要な部分には配置されていない。このため、第3の実施の形態に係る食事用エプロン300より、より効率良く、且つコストダウンを図りながら突起部331を形成できるようになっている。
【0055】(第3の実施の形態の第3の変形例)図12は、図7の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300の第3の変形例に係る食事用エプロン600を示す概略図である。本変形例に係る食事用エプロン600の構成は、上述の第3の実施の形態に係る食事用エプロン300と略同様であるため、相違点を中心に説明し、共通点は同一の符号を付する等して説明を省略する。
【0056】本変形例に係る食事用エプロン500は、第3の実施の形態の食事用エプロン300とテーブルクロス部630が大きく相違する。すなわち、本変形例では、テーブルクロス部630の表面に形成されたアクリル樹脂製の突起部331の配置状態が、第3の実施の形態と異なる。具体的には、図12に示すように複数の突起部331は、テーブルクロス部630の中心部から放射線状にのみ配置され、全面には配置されていない。したがって、全面に突起部331を形成する場合に比べ、コストダウンを図ることができる。
【0057】ところで本発明は上述の各実施形態に限定されない。また、前記各実施の形態の各構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、食卓上を容易に移動しない食器載置面を有する食事用エプロンを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
【出願日】 平成12年12月27日(2000.12.27)
【代理人】 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2001−316918(P2001−316918A)
【公開日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【出願番号】 特願2000−398191(P2000−398191)