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【発明の名称】 作業用手袋
【発明者】 【氏名】本多 修一郎

【要約】 【課題】冷凍食品や木材等を回転鋸刃で切断する際に、作業用手袋に回転鋸刃の刃先が引っ掛かりにくくして、該作業用手袋が前記回転鋸刃に巻き込まれにくくする。

【解決手段】手の甲側を覆うプロテクター(1)を備えた作業用手袋であって、前記プロテクター(1)は、各指の指先に各別に外嵌し且つ先端が閉塞された金属製の指先キャップ(11)と、前記各指先キャップ(11)に各別に連結固定され且つ各指の第1指関節までの範囲を各別に覆う第1金属プレート(12)と、各指の前記第1指関節(81)から第2指関節(82)までの範囲を各別に覆う第2金属プレート(13)と、親指以外の各指の第2指関節(82)から第3指関節(83)までの範囲を各別に覆う第3金属プレート(14)と、前記第3指関節(83)から手首に至るまでの所定範囲を覆う第4金属プレート(41)と、前記各金属プレートが独立して動き得るようにこれらを全て連結する連結具(61)とを具備すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 手の甲側を覆うプロテクターを備えた作業用手袋であって、前記プロテクターは、各指の指先に各別に外嵌し且つ先端が閉塞された金属製の指先キャップと、前記各指先キャップに各別に連結固定され且つ各指の第1指関節までの範囲を各別に覆う第1金属プレートと、各指の前記第1指関節から第2指関節までの範囲を各別に覆う第2金属プレートと、親指以外の各指の第2指関節から第3指関節までの範囲を各別に覆う第3金属プレートと、前記第3指関節から手首に至るまでの所定範囲を覆う第4金属プレートと、前記各金属プレートが独立して動き得るようにこれらを全て連結する連結具とを具備する、作業用手袋。
【請求項2】 請求項1に記載の作業用手袋に於いて、前記第1〜第3金属プレートは各指の外周形状に倣った円弧状断面に形成されており、第4金属プレートは手の甲の表面形状に倣った湾曲形状に形成されている、作業用手袋。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の作業用手袋に於いて、前記第1金属プレートに於ける第1指関節側の端部は前記第2金属プレートに於ける第1指関節側端部の外面に重なっており、親指以外の指に属する前記第2金属プレートに於ける第2指関節側の端部は前記第3金属プレートに於ける前記第2指関節側端部の外面に重なっている、作業用手袋。
【請求項4】 請求項1から3の何れかに記載の作業用手袋に於いて、食指に属する前記第3金属プレートには、該食指の根元から親指の根元に繋がる部位を覆う屈曲片が連設されている、作業用手袋。
【請求項5】 請求項1から3の何れかに記載の作業用手袋に於いて、親指に属する前記第2金属プレートには、該親指の根元から食指の根元に繋がる部位を覆う屈曲片が連設されている、作業用手袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は 作業用手袋、特に、冷凍食品を回転鋸刃で切断する際に使用される作業用手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍鮪等の冷凍魚類や冷凍肉等の冷凍食品を電気鋸で切断する場合、従来は、金属メッシュ製の作業用手袋を着用して作業を行っており、これにより、前記電気鋸の回転鋸刃から作業者の手を保護して安全性を確保していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の作業用手袋では、回転鋸刃の刃先が金属メッシュの網目部分に引っ掛かり易く、作業者の手が回転鋸刃に巻き込まれる危険があった。尚、上記金属メッシュ製の作業用手袋を着用して木材等を切断する場合にも上記と同様の危険がある。本発明は係る点に鑑みてなされたもので、冷凍食品や木材等を回転鋸刃で切断する際に、作業用手袋に回転鋸刃の刃先が引っ掛かりにくくして、該作業用手袋が前記回転鋸刃に巻き込まれにくくし、これにより、作業時の安全性の向上が図れるようにすることをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】〈1項〉上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『手の甲側を覆うプロテクターを備えた作業用手袋であって、前記プロテクターは、各指の指先に各別に外嵌し且つ先端が閉塞された金属製の指先キャップと、前記各指先キャップに各別に連結固定され且つ各指の第1指関節までの範囲を各別に覆う第1金属プレートと、各指の前記第1指関節から第2指関節までの範囲を各別に覆う第2金属プレートと、親指以外の各指の第2指関節から第3指関節までの範囲を各別に覆う第3金属プレートと、前記第3指関節から手首に至るまでの所定範囲を覆う第4金属プレートと、前記各金属プレートが独立して動き得るようにこれらを全て連結する連結具とを具備する』ことである。
【0005】上記技術的手段によれば、プロテクターは、手の指や手の甲側の表面を覆う第1〜第4金属プレートが全て独立して動き得るように連結具で全てが連結されており、これにより、プロテクターが全体として手の変形に追随して変形し得るように屈曲自在になっている。従って、上記プロテクターを備えた作業用手袋を着用しても作業者が手を自由に動かせることが出来、冷凍食品等の加工材料を自由に把持することができる。又、各第1金属プレートは指先に外嵌する指先キャップに連結固定されているから、作業者の手が指先までプロテクターでカバーされた状態に維持される。
【0006】又、本発明の作業用手袋に内臓されたプロテクターを構成する第1〜第4金属プレートは、板状である故に既述従来の金属メッシュ製のものに比べて回転鋸刃の刃先が引っ掛かりにくい。従って、本発明の作業用手袋を着用して冷凍食品等の切断作業を行っても、既述従来のものに比べ、作業用手袋が回転鋸刃に巻き込まれる心配が少なくなる。
【0007】〈2項〉前記1項に於いて、『前記第1〜第3金属プレートは各指の外周形状に倣った円弧状断面に形成されており、第4金属プレートは手の甲の表面形状に倣った湾曲形状に形成されている』ものでは、プロテクターが作業者の手の甲側にフィットし易い形状になり、使用感が向上する。
【0008】〈3項〉前記1項又は2項に於いて、『前記第1金属プレートに於ける第1指関節側の端部は前記第2金属プレートに於ける第1指関節側端部の外面に重なっており、親指以外の指に属する前記第2金属プレートに於ける第2指関節側の端部は前記第3金属プレートに於ける前記第2指関節側端部の外面に重なっている』ものとすることができる。
【0009】冷凍食品等の加工材料を押さえた手は、通常は指先から回転鋸刃に接近するが、3項のものでは、上記第1〜第3金属プレートは、指先側の金属プレートの一端がこれに隣接する指根元側の金属プレートの指先側先端部の外面に重なっている。即ち、手の移動方向の後方に位置する金属プレートの指先側端部がこれに対して、手の移動方向の前方に位置する金属プレートの下に潜り込んだ状態になっている。従って、隣接する金属プレートが上記と逆に重ね合わされている場合に比べ、これらの金属プレート相互の境界部に回転鋸刃が入り込む心配が少ない。
【0010】〈4項〉前記1項〜3項に於いて、『食指に属する前記第3金属プレートには、該食指の根元から親指の根元に繋がる部位を覆う屈曲片が連設されている』ものでは、食指と親指の根元相互の境界域が前記屈曲片で保護される。
【0011】〈5項〉前記1項〜3項に於いて、『親指に属する前記第2金属プレートには、該親指の根元から食指の根元に繋がる部位を覆う屈曲片が連設されている』ものでも、前記4項のものと同様に、親指と食指の根元相互の境界域が前記屈曲片で保護される。
【0012】
【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。作業用手袋が回転鋸刃に巻き込まれにくいから、作業時の安全性が向上する。2項〜5項のものでは、上記効果に加えて、前記夫々の項で説明した特有の効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態に係る作業用手袋は手の甲側を覆うプロテクタ(1)とこれを収容する手袋本体(5)とから構成されている。プロテクタ(1)は、手の平面形状に裁断された柔軟なベースシート(61)を具備している。
【0014】五指の各指先に外嵌する五個の指先キャップ(11)は図2に示すように先端が閉塞した円筒状に形成されており、その周側壁に於ける爪側の外面には、指の外周形状に倣った円弧状断面を有する第1金属プレート(12)の一端が重ね合わされている。そして、該重ね合わせ部がベースシート(61)に対して一体的にリベット(71)でカシメ止めされている。これにより、五指の夫々に対応する第1金属プレート(12)が各指先キャップ(11)に対して上記リベット(71)(71)を介して連結固定された状態になっている。そして、上記各第1金属プレート(12)に於ける指の根元側の端部は、各指の第1指関節(81)の近傍まで延びている。
【0015】各指の第1指関節(81)から第2指関節(82)までの範囲を覆う五個の第2金属プレート(13)は夫々に対応する指の外周形状に倣った円弧状断面を有しており、その指先側端部(23)から一定範囲の重ね合わせ代(33)が上記第1金属プレート(12)の下側に潜り込んだ状態になっている。そして、この状態で各第2金属プレート(13)がリベット(71)でベースシート(61)にカシメ止めされている。又、各第2金属プレート(13)の指先側端部(23)は指側に接近するように階段状に曲げ加工されており、これにより、各第2金属プレート(13)と既述第1金属プレート(12)の外面がほぼ面一になるように構成されている。
【0016】親指以外の四本の指の第2指関節(82)から第3指関節(83)までの範囲を覆う四個の第3金属プレート(14)も夫々に対応する指の外周の形状に倣った円弧状断面を有しており、その指先側端部(24)から一定範囲の重ね合わせ代(34)は上記第2金属プレート(13)の下側に潜り込んだ状態になっている。そして、この状態で第3金属プレート(14)がリベット(71)でベースシート(61)にカシメ止めされていると共に、上記重ね合わせ代(34)も指側に接近するように階段状に曲げ加工されており、これにより、第1金属プレート(12)〜第3金属プレート(14)の外面が全体的にほぼ面一になっている。又、食指の第2指関節(82)から第3指関節(83)の範囲を覆う第3金属プレート(14)に於ける指の根元側の端部には、親指側に屈曲突出する屈曲片(16)が形成されており、該屈曲片(16)によって、手の平に於ける親指と食指の間の部位に回転鋸刃が食い込むのを防止している。
【0017】親指以外の各指の根元たる第3指関節(83)(83)(83)から手首に至るまでの範囲に位置する手の甲の表面を覆う第4金属プレート(41)は、平面視が略矩形状に形成されていると共に、指先側の端辺の長さは食指と小指との間隔寸法より若干大きく設定されている。又、第4金属プレート(41)の手首側の端部はほぼ手首の幅に設定されていると共に、該第4金属プレート(41)は全体的に手の甲の表面の形状に倣った湾曲形状に形成されている。第4金属プレート(41)の指先側の先端縁(42)は第3金属プレート(14)(14)(14)の上に重なるように配設されており、この状態で第4金属プレート(41)がベースシート(61)に対してリベット(71)(71)でカシメ止めされている。従って、本実施の形態では、上記第1〜第4金属プレートが独立して動き得るように全体が連結具たるベースシート(61)で連結された状態になっている。
【0018】尚、本実施の形態では、上記指先キャップ(11)や第1金属プレート(12)〜第4金属プレート(41)は何れもステンレスで形成されている。上記プロテクタ(1)は、図1の想像線で示す特殊強化繊維で編成された手袋本体(5)に内蔵されており、これにより、上記プロテクタ(1)が手袋本体(5)と共に手に装着できるようになっている。
【0019】このものでは、上記作業用手袋を手に装着すると、図2に示すように、手(90)の指先(91)が指先キャップ(11)内に挿入状態になると共に、指(93)に於ける手の甲側が第1金属プレート(12)〜第3金属プレート(14)で覆われた状態になると共に、手の甲側に於ける手首から各指の根元部に至る範囲が第4金属プレート(41)で覆われた状態になる。又、各指先キャップ(11)が各指先に外嵌しているから、プロテクタ(1)が手袋本体(5)内で手首側にずれる心配が少なくなる。
【0020】このものでは、図2の想像線で示すように回転鋸刃(75)の刃先がプロテクタ(1)に接触した場合、該刃先はステンレス製の第1金属プレート(12)〜第3金属プレート(14)や第4金属プレート(41)で受け止められ、これにより、手(90)が回転鋸刃(75)から保護される。
【0021】又、本実施の形態に係る作業用手袋に内臓されたプロテクタ(1)では、第3金属プレート(14)や第2金属プレート(13)の指先側端部に形成された重ね合わせ代(34)(33)が、これらに対して指先側に隣接する金属プレートの下側に潜り込むように配設されている。従って、図4に示すように、指(93)を曲げたときには、例えば第2金属プレート(13)の基端部が第3金属プレート(14)の指先側端部に位置する重ね合わせ代(34)から離反する方向に独立して移動する。よって、第3金属プレート(14)の上記重ね合わせ代(34)が第2金属プレート(13)の基端部で持ち上げられる不都合がなく、プロテクタ(1)が手(90)に常にフィットした状態に維持される。即ち、上記とは逆に、図4の想像線で示すように第3金属プレート(14)の指先側端部が第2金属プレート(13)の上に重ねられている場合は、前記第3金属プレート(14)の指先側端部(24)が第2金属プレート(13)で持ち上げられる結果、該第3金属プレート(14)と指(93)が離反してプロテクタ(1)と手(90)がフィットしにくくなるが、本実施の形態に係る作業用手袋では上記したようにプロテクタ(1)が手(90)にフィットしやすい。
【0022】又、図5に示すように、冷凍食品(99)等の加工材料を押さえた手は、通常は指先から回転鋸刃(75)に接近移動するが、本実施の形態の作業用手袋に内臓されたプロテクターでは、第1〜第3金属プレート(12)(13)(14)は、指先側の金属プレートの一端がこれに隣接する指根元側の金属プレートの指先側先端部の外面に重なっている。
【0023】即ち、手の移動方向の後方に位置する金属プレートの指先側端部がこれに対して、手の移動方向の前方に位置する金属プレートの下に潜り込んだ状態になっている。従って、図5に示すように、回転鋸刃(75)が各金属プレートの境界部に割り込むように入る心配がない。
【0024】尚、上記実施の形態ではプロテクタ(1)を手袋本体(5)に内臓したが、図6に示すように、指先キャップ(11)や第1金属プレート(12)〜第4金属プレート(41)から成るプロテクタを手袋本体(5)の外面に添設しても良い。
【0025】尚、本実施の形態に係る作業用手袋は、冷凍鮪等の冷凍食品を回転鋸で切断する場合だけでなく、材木等の種種の材料を回転鋸で切断する場合にも使用できる。
【0026】又、上記実施の形態では、食指に属する第3金属プレート(14)の基端部に屈曲片(16)を連設したが、親指に属する前記第2金属プレート(13)の基端部に、該親指の根元から食指の根元に繋がる部位を覆う屈曲片を連設してもよい。
【出願人】 【識別番号】500138342
【氏名又は名称】本多 修一郎
【出願日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【代理人】 【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
【公開番号】 特開2001−279503(P2001−279503A)
【公開日】 平成13年10月10日(2001.10.10)
【出願番号】 特願2000−89208(P2000−89208)