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【発明の名称】 ワンピース型女性用水着
【発明者】 【氏名】福田 明子

【氏名】蓮井 義之

【要約】 【課題】従来の女性用水着のバストカップはウレタンフォーム製成形カップであるから、通気性が悪く、蒸れる問題がある。そこで布帛製のバストカップを採用することが考えられるが、保形性に劣り、乳房位置からずれると型崩れを生じ、バストラインが悪くなる。本発明においては、バストラインを美しく表すことができ、且つ蒸れを生じ難いワンピース型女性用水着を提供することを目的とする。

【解決手段】水着のバストカップが布帛で構成されている。該バストカップと連接して身体の略水平方向胸部回りにカップ固定用伸縮性布帛が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水着本体の胸部裏側にバスト補形用の左右のバストカップを備えたワンピース型女性用水着において、前記バストカップが、布帛で構成され、前記左右のバストカップと連接して身体の略水平方向に正面から背面に渡って胸部回りにカップ固定用伸縮性布帛が設けられたものであることを特徴とするワンピース型女性用水着。
【請求項2】 前記バストカップを構成する布帛が、ラッセル編物である請求項1に記載のワンピース型女性用水着。
【請求項3】 前記バストカップ下縁にワイヤーが設けられものである請求項1または2に記載のワンピース型女性用水着。
【請求項4】 前記カップ固定用伸縮性布帛が、アンダーバストの位置に設けられたものである請求項1〜3のいずれかに記載のワンピース型女性用水着。
【請求項5】 腹部位置に腹部矯正用伸縮性布帛が設けられ、該腹部矯正用伸縮性布帛が前記カップ固定用伸縮性布帛の脇部分及び/または背部分と連続している請求項1〜4のいずれかに記載のワンピース型女性用水着。
【請求項6】 臀部下部位置から脇部位置にかけて臀部矯正用伸縮性布帛が設けられ、該臀部矯正用伸縮性布帛が前記カップ固定用伸縮性布帛と連続している請求項1〜5のいずれかに記載のワンピース型女性用水着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワンピース型の女性用水着に関し、特に美しいスタイルを表すことのできるワンピース型女性用水着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水着は競泳用水着とレジャー用水着に大別され、上記競泳用水着は良好な運動性能や水の抵抗低減を目指したものであるのに対し、上記レジャー用水着は外観が重要視され、特に女性用の水着にあっては身体スタイルが良好に表れるものが望まれている。
【0003】水着の生地としては、泳ぎを円滑に行う為に、伸縮性のあるニット等が主として用いられており、身体にフィットしたものとなっている。そして女性用のレジャー用水着においては、乳房部分にバストカップが取り付けられており、バストラインを美しく見せるようにしている。
【0004】図3は従来のバストカップ付き水着の一例を裏返して表した図であり、(a)は正面側、(b)は側面側から見た図である(従来例■)。
【0005】該水着はワンピース型であり、前身頃14と後身頃15が脇部分(脇逢着部16),肩部分(肩逢着部17)及び股部分で逢着され、水着本体を構成している。バストカップ11は保持用布帛12に取り付けられ、また該バストカップ11と保持用布帛12の下縁にはゴムテープ13が設けられている。そして上記保持用布帛12及びゴムテープ13は、脇部分の逢着(脇逢着部16)と脇刳り,胸刳りの縁かがりと同時に縫い付けられて前身頃14に固定される。
【0006】また図3に示す従来例■の水着の他、バストカップ付き水着としては水着の裏面全体に裏地を設けたものもあり、該総裏水着の場合は該裏地に直接バストカップが取付けられる(従来例■)。尚この裏地としては弱伸縮性布が用いられており、仮に強伸縮性布帛を用いると、身体全体が締め付けられることになり、泳ぐことが困難になるからである。
【0007】泳ぐことにより水着には水(或いは海水)に浸かった状態で激しく動きが加えられるから、上記バストカップは乳房位置からのズレや浮きが生じ易く、従って該バストカップとしては保形性に優れたものである必要がある。
【0008】そこで従来例■,■いずれにおいても、バストカップにはポリウレタンフォーム製の成形カップやポリエチレン系樹脂製の成形カップが用いられている。該ポリウレタンフォーム製成形カップやポリエチレン系樹脂製成形カップは乳房形状の補正力の点で優れているから、たとえ水泳等の動きによって乳房との間に浮きやズレが生じても、外に表れる胸のラインは綺麗なものとなるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の様にポリウレタンフォーム製やポリエチレン系樹脂製成形カップは保形性に優れるものの、上記レジャー用水着を着用する場合においては泳がずに陸上に長時間いることも多く、このとき上記ポリウレタンフォーム製やポリエチレン系樹脂製のバストカップは通気性が悪いから、蒸れにより不快感を生じるという問題がある。更に水に入ると上記ポリウレタンフォーム製バストカップは多量に水を含み、この様に一旦含んだ水はなかなか蒸発しないから、一層蒸れ感が強くなる。
【0010】またバストカップとして不織布製のものも提案されており、該不織布製バストカップは良好な通気性を示すものの、従来例■,■の様に乳房上に乗せただけのものでは、上記不織布製バストカップが乳房位置からズレたり、或いは浮いたりすると型崩れを生じ、却ってバストラインに劣るものとなってしまう。これはポリウレタンフォーム製,ポリエチレン系樹脂製成形カップに比べて不織布製のものは保形性に劣るからである。
【0011】そこで本発明は上記問題を解決する為になされたものであって、バストラインを美しく表すことができ、且つ蒸れを生じ難いワンピース型女性用水着を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るワンピース型女性用水着は、水着本体の胸部裏側にバスト補形用の左右のバストカップを備えたワンピース型女性用水着において、前記バストカップが布帛で構成され、該左右のバストカップと連接して身体の略水平方向に正面から背面に渡って胸部回りにカップ固定用伸縮性布帛が設けられたものであることを要旨とする。
【0013】上記の様にバストカップが布帛で構成されているから、通気性が良好であり、よって蒸れ感が生じ難い。加えて上記ポリウレタンフォームに比べて水をあまり含まず、また含まれた水分は良好に蒸発されるから、蒸れが少ない。尚布帛とは、織物,編物,不織布のことである。
【0014】そして前述の様に単にバストカップを布帛で構成しただけでは、型崩れを生じてバストラインに劣るものとなる恐れがあるが、本発明では上述の様にカップ固定用伸縮性布帛により背側から上記布帛製バストカップが支えられるから、バストカップが乳房位置に固定され、激しく動いてもズレや浮きを生じ難く、従って型崩れすることなく美しいバストラインを形作ることができる。尚上記カップ固定用伸縮性布帛としては、強伸縮性のものが好ましい。
【0015】前記バストカップを構成する布帛としては編物が好ましく、編物は織物に比べて一般的にクッション性が良好だからである。また不織布についてもクッション性良好に構成したものであることが好ましい。
【0016】更に本発明においては、前記バストカップを構成する布帛がラッセル編物であることが好ましい。
【0017】上述の様に編物はクッション性が良好である上、なかでもラッセル編物は編地の安定性が高く、編目の締まったものを得ることができ、よって適度に張りがあって保形性に優れたバストカップを形作ることができるからである。また編目密度を適宜調節することにより柔軟性に優れたものとすることもでき、乳房に適度に沿った自然な形状に形作ることもできる。
【0018】更にラッセル編物のうちでも、編物組織が2層以上積層された重ね編物(例えばダブルラッセル編物)が特に好ましく、適度な厚みがありクッション性に優れ、また良好な張りがあるからである。
【0019】またバストカップの素材としてはポリエステル,ナイロンが好ましく、これらの布帛は乾きが速く、寸法安定性や堅牢度に優れるからである。
【0020】加えて本発明においては、前記バストカップ下縁にワイヤーが設けられものであることが好ましい。
【0021】この様にワイヤーを設けることによりバストカップの保形性や、乳房の保持力が向上する。
【0022】更に上記ワイヤーは形状記憶合金製或いは形状記憶ポリマー製であることが好ましく、例えば洗濯等により上記ワイヤーの形状が歪んでも、身体に装着することにより体温で正常な形状に復元するからである。
【0023】また本発明においては、前記カップ固定用伸縮性布帛がアンダーバストの位置に設けられたものであることが好ましい。
【0024】例えばバストライン位置にカップ固定用伸縮性布帛を設けた場合では、該カップ固定用伸縮性布帛が収縮して引っ張ることにより、バストカップの形状が扁平になる懸念があるが、上述の様にアンダーバスト位置に設けた場合にあっては、バストカップをその下縁で支持しつつ保持することになり、カップ形状が崩れる恐れがないからである。
【0025】更に本発明においては、腹部位置に腹部矯正用伸縮性布帛が設けられ、該腹部矯正用伸縮性布帛が前記カップ固定用伸縮性布帛の脇部分及び/または背部分と連続していることが好ましい。
【0026】上記腹部矯正用伸縮性布帛は腹部の膨らみを押さえて矯正するものであるが、上述の様に腹部矯正用伸縮性布帛を前記カップ固定用伸縮性布帛の脇部分及び/または背部分に連続させることにより、腹部矯正用伸縮性布帛が背側に引っ張られることになり、腹部の膨らみを押さえる効果が増強する。
【0027】また本発明においては、臀部下部位置から脇部位置にかけて臀部矯正用伸縮性布帛が設けられ、該臀部矯正用伸縮性布帛が前記カップ固定用伸縮性布帛と連続していることが好ましい。
【0028】上記臀部矯正用伸縮性布帛によってヒップアップ効果が期待されるが、上述の様に該臀部矯正用伸縮性布帛を胸回り位置のカップ固定用伸縮性布帛に連続させることにより、臀部矯正用伸縮性布帛が上方に引っ張り上げられ、ヒップアップ効果がより一層向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】<実施形態1>図1は本発明の実施形態1に係るワンピース型女性用水着を裏返して表した図であり、(a)は正面側の図で、(b)は背面側の図である。
【0030】乳房位置にはバストカップ21が設けられており、また該バストカップ21に連接したカップ固定用伸縮性布帛22が、正面側から背面側にかけて胸部回りを一周する様に設けられている。該カップ固定用伸縮性布帛22は、前身頃14と後身頃15を脇部分において縫製するのと同時に縫い付けられて水着本体(前身頃14,後身頃15)の裏面に固定される。上記バストカップ21はポリエステル製のダブルラッセル編物(重ねられた2枚の編地が連結糸により厚み方向に連結された編物)からなるものであり、該編物3片を縫製してバストカップ形状としている。そしてバストカップ21の下縁には形状記憶合金製ワイヤー23が設けられている。
【0031】上記カップ固定用伸縮性布帛22はポリウレタン繊維製の強伸縮性編地からなり、従って上記バストカップ21を背側からしっかりと支えることができ、よってバストカップ21が乳房位置からズレたり浮いたりすることが無く、バストに良好にフィットする。
【0032】また上記バストカップ21はカップ部分に適度に張りがあって保形性に優れる上、上記ワイヤー23によって一層良好に保形されるから、美しいバストラインが表れる。加えてバストカップ21は通気性が良好であり、また水に濡れても乾燥性に優れるから、蒸れを生じ難い。
【0033】<実施形態2>図2は本発明の実施形態2に係るワンピース型女性用水着を裏返して表した図であり、(a)は正面側の図、(b)は背面側の図、(c)は側面側の図である。尚図1と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0034】前身頃14の裏面には胸部位置に胸部強伸縮性編地32が設けられ、また腹部位置にV字状の腹部強伸縮性編地(腹部矯正用伸縮性布帛)36が設けられている。後身頃15の裏面には、臀部下部位置から脇部位置にかけて、また該脇部位置から背中央水平方向に、背面強伸縮性編地37が設けられている。該背面強伸縮性編地37の上部分37a、即ち背中央部分は上記胸部強伸縮性編地32と連接しており、これらが一体となって上記カップ固定用伸縮性布帛を形成している。また上記腹部強伸縮性編地36はその上端36a及び上側方端36bにおいて、胸部強伸縮性編地32及び背面強伸縮性編地37に連接されている。
【0035】これら編地32,36,37は、脇部分の逢着や脇刳り,胸刳り,脚刳りの縁かがりと同時に縫い付けらることによって水着本体(前身頃14,後身頃15)に固定される。
【0036】また後身頃15の背面部中央にはゴムテープ38が縦方向に襟刳り上端から股当て布39にかけて設けられている。該ゴムテープは、臀部の下方近傍にいせ込み部分38aを形成しつつ、後身頃15や背面強伸縮性編地37に縫い付けられている。
【0037】バストカップ21は、上記胸部強伸縮性編地32及び背面強伸縮性編地上部分37aによってバスト部分にしっかりと固定されるから、浮きやズレを生じ難い。加えてポリエステル製ダブルラッセル編物からなるバストカップ21は、前述と同様に通気性及び乾燥性に優れるから、蒸れを生じ難い。
【0038】また腹部強伸縮性編地36は胸部強伸縮性編地32及び背面強伸縮性編地37によって引っ張られる様にして保持されるから、腹部を押さえる効果に優れる。
【0039】加えて背面強伸縮性編地下部分37bは上部分37aに引っ張り上げられる様に保持されるから、良好にヒップアップが図れる。更に臀部部分には強伸縮性編地の設けられていない部分15aやいせ込み部分38aを有しているから、ヒップの丸みも綺麗に形作られると共に、ゴムテープ38によって臀部の引っ張り上げ効果が発揮され、一層ヒップアップに優れる。
【0040】以上の様に、本発明に係るワンピース型女性用水着に関して、実施形態を示す図面を参照しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0041】例えば水着の裏面全体に弱伸縮性布帛の裏地を設け、更に上記カップ固定用伸縮性布帛や上記腹部矯正用伸縮性布帛,上記臀部矯正用伸縮性布帛を設けたものであっても良く、この場合は上記カップ固定用伸縮性布帛,上記腹部矯正用伸縮性布帛,上記臀部矯正用伸縮性布帛として、比較的伸縮力の弱いものを用いても上記裏地の伸縮力が加えられるから、十分な保持効果や矯正効果が発揮される。
【0042】
【発明の効果】本発明に係るワンピース型女性用水着は、水泳等により激しく動いた場合であってもバストカップはズレや浮きを生じず、美しいバストラインを表すことができる上、蒸れを生じ難く、よって不快感が少ない。
【出願人】 【識別番号】500000304
【氏名又は名称】株式会社リョーカ
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2001−172806(P2001−172806A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−361786