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【発明の名称】 カップ付き女性用衣類
【発明者】 【氏名】相 逸男

【氏名】新田 正弘

【要約】 【課題】バストの形状を確実に保持、造形すると共に、個々のバストの形状にもフィットし、身体動作に対する柔軟性にも優れたカップ付き女性用下着を提供する。

【解決手段】バスト20を包む左右一対のカップ部2と、カップ部2に連結しかつ身体へ取り付ける取り付け手段4を有する胴体包囲部とを有するカップ付き女性用衣類において、バスト20を下部より支えるバスト保持手段5がカップ部2と胴体包囲部3との連結線11に沿って帯状に設けられる。バスト保持手段5は、バスト20の形状に沿ってバスト20に当接するバスト当接部6と、バスト下部及びバスト間の胸部21に当接する胸部当接部7とを有する。バスト下部及びバスト間の胸部21からバスト20にかけての本来の形状に対応したバスト保持手段5を設けることにより、バスト20の形状を確実に保持、造形することが可能である。また、バスト当接部6にはくびれ部8を設けてもよく、これにより個々のバスト20の形状にもフィットし、身体動作に対しても柔軟に対応可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バストを包む左右一対のカップ部と、着用者の胴体を一周する胴体包囲部とを有し、胴体包囲部は、カップ部に連結するカップ支持部と、左右一対のカップ部を連結する前中心部と、カップ支持部に連結しかつ身体へ取り付ける取り付け手段を有する脇側縁部とを備えたカップ付き女性用衣類において、バストを下部より支えるバスト保持手段を有し、バスト保持手段は、バストの形状に沿ってバストに当接するバスト当接部と、バスト下部及びバスト間の胸部に当接する胸部当接部とを有し、カップ部と胴体包囲部との連結線に沿って帯状に設けられることを特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項2】 バスト保持手段は、形状保持性を有する布材により形成される請求項1に記載のカップ付き女性用衣類。
【請求項3】 布材は、表布、裏布、及び表布、裏布により挟まれた中間材とから構成される複合布材である請求項2に記載のカップ付き女性用衣類。
【請求項4】 バスト当接部は、着用者のバストの形状、動作に応じ、バスト当接面に沿って変形するための調節手段を有する請求項1に記載のカップ付き女性用衣類。
【請求項5】 調節手段は、一つ又は複数のくびれ部である請求項4に記載のカップ付き女性用衣類。
【請求項6】 胸部当接部は、バスト下部及びバスト間の胸部へ密着するための中心補強部を有する請求項1に記載のカップ付き女性用衣類。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラジャー等のカップ付き女性用衣類に関する。かかるカップ付き女性用衣類には、ブラジャー、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツ等のファンデーション衣類の他、水着やレオタード等も含まれる。
【0002】
【従来の技術】カップ付き女性用衣類であるブラジャーは、バストを包み保護する機能以外に、バストの形状を保持、造形する機能をも有する。また、ブラジャーを着用したときのフィット性又は快適性、バストのラインを美しく見せることなども重要な要素となっている。ブラジャーは身体に常時直接接触しているものであるため、着用者へは少なからず心理的、肉体的影響を与える。これらの要素を満たすべく様々なブラジャーが開発されている。
【0003】実開昭63−175104は、ブラジャーのバスト当接部に取り付けられるパッドを開示している。パッドはシリコンゴムを素材とし、バスト当接部の下半分を占める形状に形成されている。パッドはある程度の堅さを持つシリコンゴムより形成されるため、ブラジャーは常に一定の形状を保ち女性のバストラインを美しく見せる効果があり、またバストはパッドにより支えらるれためバストの形状も保持される。
【0004】また、実開平4−17522は、ブラジャーのカップの形状を保持するカップ保形体と、カップ保形体と一体に設けられたカップ支持体とを備えたブラジャーを開示している。バストによる圧力はカップ保形体及びカップ支持部によって受け止められる。また、カップの立ち上がり角度を強固に維持する機能を有する。
【0005】更に、ブラジャーの外形を保持するためにワイヤが使用されているものも開発されている。ワイヤー使用のブラジャーでは、フレームを形成することでバストをしっかりとよせて上げるごとができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭63−175104によるパッドは、バストを下から支えて持ち上げるという保持又は造型機能は有するが、個々のバストの形状とは無関係にバストの大半を被覆するシリコンゴムよりなるため、身体へのフィット性、快適性に欠け、また身体の様々な動作に対しても柔軟に対応できない。また、実開平4−17522によるブラジャーは、パッドのように型化していないカップ保形体により、バストを下から支えその形状を保持しかつ身体の様々な動作に対しても柔軟に対応できる。しかしながら、これらのカップ保形体及びカップ支持体の機能はバストの下支え効果に留まっており、身体が動きバストが揺れたときブラジャーも一緒になって揺れることになる。即ち、バストの形状を崩すことになる可能性が強く、十分なバスト保持、造形機能を備えていない。ワイヤ付きのブラジャーでは、しっかりとしたフレームが形成されているためカップ部の形状を常時保持する効果はあるが、ワイヤは形状が変形しないので個々のバスト形状に対応しきれず、体に合わないブラジャーを着用すると痛みを覚えるといった不具合があった。またワイヤの重量により身体が疲れやすくなるという点も問題であった。
【0007】そこで、本発明の目的は、バストの形状を確実に保持、造形し、かつ着用時のフィット性、快適性、身体の様々な動作に対する柔軟性に優れた女性用下着を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるカップ付き女性用衣類は、バストを包む左右一対のカップ部と、着用者の胴体を一周する胴体包囲部とを有し、胴体包囲部は、カップ部に連結するカップ支持部と、左右一対のカップ部を連結する前中心部と、カップ支持部に連結しかつ身体へ取り付ける取り付け手段を有する脇側縁部とを備え、バストを下部より支えるバスト保持手段を有し、バスト保持手段は、バストの形状に沿ってバストに当接するバスト当接部と、バスト下部及びバスト間の胸部に当接する胸部当接部とを有し、カップ部と胴体包囲部との連結線に沿って帯状に設けられることを特徴とする。バストからバスト下部及びバスト間の胸部の形状に沿って、ブラジャーのバスト当接部は着用者のバストに密着し下から支えて持ち上げ、バスト当接部と一体に設けられた胸部当接部はバスト下部及びバスト間の胸部に密着しブラジャーを身体に固定するため、着用中のバストの形状は確実に保持される。また、バスト保持手段はカップ部と胴体包囲部との連結線に沿って帯状に設けられるため、全体にわたってブラジャーの形状が固定されることもない。
【0009】バスト保持手段は、形状保持性を有する布材により形成されてもよい。また、布材は、表布、裏布、及び表布、裏布により挟まれた中間材とから構成される複合布材であってもよい。これにより、バストをよりしっかりと下支えすることが可能となる。
【0010】バスト当接部は、着用者のバストの形状、動作に応じ、バスト当接面に沿って変形するための調節手段を有する。調節手段は、一つ又は複数のくびれ部であってもよい。くびれ部を設けることによりバスト当接部の形状が固定せず、様々な形状、動作に対応可能となる。
【0011】胸部当接部は、バスト下部及びバスト間の胸部へ密着するための中心補強部を有する。胸部当接部を着用者の連結線11へ更に密着させることで、身体の動作に伴うバストの揺れを抑えることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例によるブラジャーの全体図を示す。本発明によるブラジャー1は、着用者のバスト20を包む左右一対のカップ部2と、胴体を一周する胴体包囲部3と、カップ部2の上部と胴体包囲部3とに連結し着用者の両肩が通される左右一対の肩ストラップ15とを備えている。胴体包囲部3は、カップ部2に連結するカップ支持部31と、左右一対のカップ部2を連結する前中心部32と、カップ支持部31に連結する脇側縁部33とから構成される。肩ストラップ15によりブラジャー1は上から吊り下げられ、バスト20は持ち上げられ美しいバストラインが形成される。これらはいずれも肌に直接触れる要素であるので、肌触りのよい素材が使用される。脇側縁部33の両端部には、ブラジャーを身体へ取り付ける取り付け手段としてのホック4が設けられている。
【0013】左右一対のカップ部2と胴体包囲部3との連結部には着用者のバスト20を下部から保持し、支えるバスト保持手段5が連結線11に沿って帯状に設けられる。よって、カップ部2の全体にわたってブラジャー1の形状が固定されることはない。バスト保持手段5には、バストを下支えするのに十分な形状保持性を有すると共に、個々のバスト20の形状及び身体の様々な動作に対してもある程度の変形が可能な布材が使用される。ブラジャー1は身体に常時身につけられるものであるので、形状、動作に対して柔軟に変形可能であるという点について満たされていることが快適性を維持する上で重要である。また、バスト保持手段5も肌に直接接触する部分であるので、同様に肌触りがよい素材が使用される。本実施例においては、トリコット、エステル、トリコットと3層構造にされた素材が使用されている。バスト保持手段5は前述のカップ部2と胴体包囲部3との連結線11に沿って縫着される。
【0014】図2は、本発明によるブラジャーが着用された状態の側面断面図を示す。バスト保持手段5は、バスト20が接触しその圧力がかかるバスト当接部6と、バスト下部及びバスト間の胸部(以下、バスト下胸部21とする)に密着する胸部当接部7とから構成される(図3の斜線部は胸部当接部7を示す)。図2に端的に示されるように、バスト20は下方へと重力がかかりバスト当接部6がそれを下から支え持ち上げている。バスト当接部6と一体である胸部当接部7は、着用者のバスト下胸部21に密着しているため、ブラジャー1をバスト20に固定しバスト20に対しても安定性を与えることができる。女性のバスト20は平面的なバスト下胸部21から曲線を描きつつ立体的に突出するが、バスト保持手段5はこのバスト下胸部21からバストかけての本来の形状に沿って形成されている。バスト20は身体の各動作に応じて揺れ動くが、上述したように身体動作に伴って揺れ動くことのないバスト下胸部21に胸部当接部7が密着しているため、バスト20の動きも抑えることができ、バスト20の形状を保持、造型することを可能にしている。バスト保持手段5にはシリコンゴムやワイヤーなどは使用されず、またカップ部2と胴体包囲部3との連結線11に沿って帯状に形成されるものであるため、着用者個々のバスト形状、動作に対して自由に対応でき、上述の安定性と共にフィット性、快適性も実現されている。両者を両立させている点に本発明の特徴がある。
【0015】図3は、本発明によるブラジャーの平面図を示す。ブラジャー1を構成する各部を連結する部分、及び各部の縁部にはバイアステープなどのテープ材が使用され、布のほつれを防止し縫い目を強化する。カップ部にもバイアステープなどのテープ材が使用されており、カップの形状を形成するフレームの役割も果たしている。上述したように、バスト保持手段5は連結線11に沿って縫着されるが、この連結線11の縫着部分にもバイアステープが使用される。バスト保持手段5のバスト当接部6はこの部分においてのみブラジャー1の本体に連結されており、カップ部2とは分離している。これによってバスト当接部6に対し動作的な自由度を与え、バスト20へのフィット性を向上させている。
【0016】バスト保持手段5のバスト当接部6のほぼ中心部には調節手段としてのくびれ部8が左右一対に設けられている。くびれ部8は、胸部当接部7の上辺から底辺である連結線11に向かって曲線を描きつつ形成される。このくびれ部8により着用者によって異なる個々のバスト形状にあうようにバスト当接部6がバスト当接面に沿って変形される。また、くびれ部8は身体の動作に対しても自由に変形することを可能にする柔軟性を与えるものでもある。胸部当接部7にはその中心位置に上下方向にプラスチック製の棒材である中心補強部10が設けられている。この中心補強部10もバイアステープにより挟まれる。バスト20を下支えするためには、この胸部当接部7が揺れのないバスト下胸部21に密着していることが重要であるが、中心補強部10はこの密着させる機能を更に補うものである。また、従来にあってはこの胸部当接部7に相当する部分がめくれてしまうという不具合も生じていたが、この中心補強部10はこれを防止する効果も同時に有する。本発明は、単に本発明を実施する最良の形態を示すに過ぎない前記実施の形態に限定されず、本発明の請求項の範囲内に該当する発明の全ての変更を包含し、形状、サイズ、配置などについて変更の余地がある点を理解されたい。
【0017】
【発明の効果】本発明では、胸部からバストにかけての本来の形状に対応したバスト保持手段を設けることにより、バストの形状を確実に保持、造形し、バストの揺れ動きを少なくすることを可能にすると共に、更に、個々のバストの形状にもフィットし、身体の様々な動作に対する柔軟性にも優れたカップ付き女性用下着が提供される。
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【出願日】 平成12年5月8日(2000.5.8)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外2名)
【公開番号】 特開2001−316911(P2001−316911A)
【公開日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【出願番号】 特願2000−135105(P2000−135105)