トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 母乳パッド
【発明者】 【氏名】山地 興二

【氏名】日下 麻里子

【要約】 【課題】加熱成形によって立体形状に成形した従来の母乳パッドでは、外側包材(の合成樹脂材料)が熱硬化してしまい、装着時にゴワゴワ感があった。又、従来の母乳パッドでは、異なるサイズごとにそれぞれ製造していた。

【解決手段】吸収材3を柔軟で透水性のある内側包材1と柔軟で防水性のある外側包材2とで被包した母乳パッドにおいて、パッド体Bの外周縁から該パッド体Bの中心方向(又は中心近傍方向)に向けて所定深さのスリット5を形成して、該スリット5を挟んだ各分離片7,7を任意の角度範囲で相互に重合させ得るようにするとともに、各分離片7,7の少なくとも一方に各分離片7,7を相互に接着させるための接着剤9を塗布していることにより、加熱成形していない柔軟なままのパッド体であっても、使用時に各分離片7,7を重合させることにより立体成形でき、且つパッド体のサイズも変更できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸収材(3)を柔軟で透水性のある内側包材(1)と柔軟で防水性のある外側包材(2)とで被包し、該内側包材(1)と外側包材(2)とを吸収材(3)の外周部において接着(4)した母乳パッドであって、パッド体(B)の外周縁から該パッド体(B)の中心(Q)方向又は該中心(Q)の近傍方向に向けて所定深さのスリット(5)を形成して、該スリット(5)を挟んだ各分離片(7,7)を任意の角度範囲で相互に重合させ得るようにするとともに、各分離片(7,7)の少なくとも一方に各分離片(7,7)を相互に接着させるための接着剤(9)を塗布している、ことを特徴とする母乳パッド。
【請求項2】 請求項1において、一方の分離片(7)内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片(7)内の吸収材を他方の分離片(7)内の吸収材(3)の厚さより薄くして、該一方の分離片(7)を薄肉状分離片(7B)とした、ことを特徴とする母乳パッド。
【請求項3】 吸収材(3)を柔軟で透水性のある内側包材(1)と柔軟で防水性のある外側包材(2)とで被包し、該内側包材(1)と外側包材(2)とを吸収材(3)の外周部において接着(4)した母乳パッドであって、パッド体(B)の外周縁から該パッド体(B)の中心(Q)方向又は該中心(Q)の近傍方向に向けて所定深さの切断用ミシン目(6)を設けることで該ミシン目(6)の両側に分離片予定部(7A,7A)を形成して、該ミシン目(6)を切断したときにその両側の各分離片を相互に任意の角度範囲で重合させ得るようにするとともに、各分離片予定部(7A,7A)の少なくとも一方に各分離片を相互に接着させるための接着剤(9)を塗布している、ことを特徴とする母乳パッド。
【請求項4】 請求項3において、一方の分離片予定部(7A)内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片予定部(7A)内の吸収材を他方の分離片予定部(7A)内の吸収材(3)の厚さより薄くして、該一方の分離片予定部(7A)を薄肉状分離片予定部(7C)とした、ことを特徴とする母乳パッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、乳房(乳首)から漏出する母乳(余乳)を吸収させるための母乳パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の母乳パッドは、乳房を包み込むようにして下着(以下ブラジャーという)の内側に装着されるが、その際、パッドの形状として予め乳房を包み込み得るような立体形状(中央部膨出型)に成形しておくと、使用時に折り皺が発生しないし、乳房に対して位置ずれしにくくなるという利点がある。
【0003】このように、予め立体形状に成形した母乳パッドとして、従来から図12及び図13に示すようなものがある。即ち、図12及び図13に示す従来の母乳パッドAは、余乳を吸収する吸収材3を内側包材1と外側包材2とで被包した状態で、内側包材1の外周縁10と外側包材2の外周縁20とを接着4(例えば熱接着)して構成されている。この母乳パッドAにおいては、内側包材1には不織布のような柔軟で透水性のあるシートが使用されており、他方、外側包材2には図13に示すように紙や不織布製の外層シート21に合成樹脂製防水皮膜22をラミネートしたものが使用されている。そして、この母乳パッドAは、成形型で加熱しながら圧縮することにより、合成樹脂製防水皮膜22部分を溶融後硬化させて、図12に示すような中央部が膨出した立体型に製造している。尚、合成樹脂製防水皮膜22は、加熱により溶融した後、冷めると硬化して保形性を有するようになり、その合成樹脂製防水皮膜22の保形性によりパッドを膨出形状(立体型)に維持させることができる。
【0004】又、この種の母乳パッドは、使用者の乳房の大きさに対応し得るように、大小複数のサイズ(例えば図12に示す直径Dが110mm、120mm、130mm等)が製作されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図12に示す従来例ように、母乳パッドAを予め加熱成形により立体型にしたものでは、使用時に乳房にうまくヒットするという利点があるものの、外側包材2の合成樹脂製防水皮膜22部分を熱硬化しているので、外側包材2部分が硬くてゴワゴワし、装着感覚が悪くなるという問題があった。
【0006】又、従来の母乳パッドでは、需要者の要望(乳房の大きさ)に応じてサイズ(直径)の異なる数種類(例えば大、中、小の3種類)のものを用意していたが、それにはサイズごとの製造ラインが必要であるとともに、サイズごとの各種管理が必要となってそれらの管理が繁雑になるという問題があった。
【0007】本願発明は、上記した従来の母乳パッドの問題点に鑑み、加熱成形しないで柔軟なままの母乳パッドであっても、使用時に簡単に立体型に成形できるとともに、単一のものでパッドのサイズ(直径)を変更させ得るようにすることを主たる目的としてなされている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、乳房から漏出する余乳を吸収させるための母乳パッドを対象にしている。
本願請求項1の発明本願請求項1の発明の母乳パッドは、吸収材を透水性のある内側包材と防水性のある外側包材とで被包し、該内側包材と外側包材とを吸収材の外周部において全周に亘って接着している。尚、この内側包材と外側包材との接着は、熱接着でもホットメルトによる接着でもよい。
【0009】吸収材としては、汎用のものが使用可能であり、例えば吸水紙、吸湿ポリマーシート、綿状パルプ等を適宜組み合わせて積層したものを使用できる。
【0010】内側包材としては、柔軟で肌触りのよい不織布を使用している。外側包材としては、紙や不織布製の外層シートに合成樹脂製防水皮膜をラミネートしたものや、単層の合成樹脂フイルム(防水材となる)等が使用可能である。尚、このパッド体の平面形状での大きさは、特に限定するものではないが、例えば直径が130mm〜140mm程度の大サイズに形成しておくとよい。
【0011】又、本願請求項1の発明では、上記のパッド体の外周縁から該パッド体の中心方向(又は該中心の近傍方向)に向けて所定深さのスリットを形成している。このスリットの深さは、例えば35mm〜45mm程度が適当である。尚、パッド体外周からのスリット切り込み方向は、完全にパッド体の中心に指向しなくてもよく、該切り込み方向が切り込み始端位置とパッド体中心を結ぶ線に対して多少の角度(例えば角度15°程度の範囲)であれば許容できる。又、このスリットの両側も、例えば2mm幅程度づつ内側包材と外側包材とを接着させており、該スリット部分においても内部の吸収材が食み出ることがない。そして、このスリットを挟んだ各側にはそれぞれ分離片が形成されているが、この各分離片は、任意の角度範囲(例えば各スリット切断縁のなす角度が30°〜90°の範囲)で相互に重合させ得るようにしている。
【0012】さらに、この請求項1の母乳パッドには、各分離片の少なくとも一方に各分離片を相互に接着させるための接着剤を塗布している。この接着剤塗布部には、例えば両面接着テープを使用し、その接着剤塗布部の外面を剥離紙で被覆しておくとよい。尚、この接着剤塗布部は、母乳パッドを包装する包装フイルムで直に被覆してもよい。その場合、包装フイルムの内面にシリコンによる剥離機能を持たせるとよい。又、この母乳パッドは、2つ折り状態で包装することもできる。
【0013】この請求項1の母乳パッドは、次のようにして使用される。尚、このパッド体を包装材から取り出した状態では、該パッド体は偏平状態である。そして、使用者の好み(あるいは被覆すべき乳房の大きさ)に応じて、スリット両側の各分離片の重合度合い(重合角度範囲)を決める。そのとき、パッド体は外側包材側が山形に突出するような立体型に成形する。又、このとき、各分離片の重合角度範囲を大きくするほど、パッド体の外周長さが短くなってその直径が小さくなる。例えば、偏平状態で直径が130mm程度(大サイズ)のパッド体であれば、各分離片を相互に角度90°程度重合させた場合には、パッド体中央部の突出高さが40mm程度とかなり高くなるとともに、パッド体の直径が110mm程度(小サイズ)まで小さくなる。又、パッド体中央部の突出高さ及びパッド体直径は、各分離片の重合角度範囲を調整することによって、所望のサイズに変更できる。そして、各分離片を所定角度範囲だけ重合させた状態で、両分離片を接着剤で接着させることにより、パッド体を立体形状に維持させることができ、その状態でパッド体をブラジャーの内側に接着させて使用する。
【0014】このように、請求項1の母乳パッドでは、スリット両側の各分離片を引き寄せて重合させることで立体型に成形することができるので、従来のようにパッド体を立体型にするための加熱成形を必要としない。従って、請求項1の母乳パッドでは、外側包材部分の熱硬化がなく(外周部分は熱溶着させているが極めて小面積である)、装着したときにソフトな触感が得られる。
本願請求項2の発明本願請求項2の発明は、請求項1の母乳パッドにおいて、一方の分離片内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片内の吸収材を他方の分離片内の吸収材の厚さより薄くして、該一方の分離片を薄肉状分離片としている。
【0015】この請求項2の母乳パッドを実際に使用するときには、薄肉状の分離片が外側に位置するようにして両分離片を重合させる。尚、薄肉状分離片でない他方の分離片は、肌に接触する内側になって余乳を吸収させる必要から、パッド体の大面積部分と同等の厚さの吸収材が内包されている。
【0016】そして、この請求項2のように一方の分離片を薄肉状にしておくと、使用時において両分離片を重合させたときに、その両分離片の重合部分の全体厚さを薄くできる。即ち、両分離片にそれぞれ通常厚さの吸収材が内包されている場合には、両分離片を重合させたときの厚さが平面状態のパッド体厚さの2倍になるが、一方の分離片を薄肉状にしておくと、両分離片の重合部分をパッド体厚さの2倍より薄くできる(増厚量を小さくできる)。このように、両分離片の重合部分の増厚量が小さくなると、使用時に分離片重合部分の突出高さが小さくなって、母乳パッドの上に着た衣服が部分的に突き出なくなる(あるいは突き出し高さが小さくなる)とともに、装着時のゴワゴワ感を解消あるいは軽減できる。
本願請求項3の発明本願請求項3の発明は、上記請求項1のスリットに代えて、パッド体の外周縁から該パッド体の中心方向(又は該中心近傍方向)に向けて所定深さの切断用ミシン目を設けている。
【0017】そして、この請求項3の母乳パッドでは、使用時にミシン目を切断することで請求項1のスリットを形成することができる。このようにミシン目で各分離片予定部を連続させていると、該分離片予定部が単独で撓まないので、製造時あるいは包装時等において、スリットで切り離された分離片(請求項1)のものより取り扱いが簡単となる。尚、請求項3におけるその他の構成及び機能は、請求項1のものと同じである。
本願請求項4の発明本願請求項4の発明は、上記請求項3の母乳パッドにおいて、一方の分離片予定部内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片予定部内の吸収材を他方の分離片予定部内の吸収材の厚さより薄くして、該一方の分離片予定部を薄肉状分離片予定部としている。
【0018】この請求項4のように、一方の分離片予定部を薄肉状にしておくと、使用時において、ミシン目を切断し、その両分離片を重合させたときに、薄肉状分離片予定部であった部分が上記請求項2の薄肉状分離片と同様の機能を発揮する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を参照して本願発明の実施形態を説明すると、図1〜図4には請求項1に対応する第1実施形態を示し、図5〜図8には請求項2に対応する第2実施形態を示し、図9には第2実施形態の変形例を示す第3実施形態を示し、図10には請求項3に対応する第4実施形態を示し、図11には請求項4に対応する第5実施形態を示している。
第1実施形態第1実施形態の母乳パッドBは、図1及び図2に示すように、吸収材3を透水性のある内側包材1と防水性のある外側包材2とで被包し、該内側包材1と外側包材2とを吸収材3の外周部において接着(接着部4)して構成している。尚、この実施形態では、図1及び図2に示す平面形状においてパッド体Bの形状を円形に近い「おむすび形」に形成しており、後述する図3及び図4のようにスリット5の両側の各分離片7,7を引き寄せて重合させたときに、真円に近い形状になるようにしている。
【0020】吸収材3としては、汎用のものが使用可能であり、例えば吸水紙、吸湿ポリマーシート、綿状パルプ等を適宜組み合わせて積層したものを使用できる。
【0021】内側包材1には、柔軟で肌触りのよい不織布を使用している。尚、この内側包材1は、透水性があり、パッド装着時に乳首から漏出する余乳を吸収材3側に浸透させ得るようになっている。
【0022】外側包材2は、柔軟な合成樹脂フイルムが採用されている。尚、この外側包材2として、例えば図13に示すように、従来から汎用されている外層シート21に合成樹脂製防水皮膜(符号22部分)をラミネートしたものや、紙や不織布製の外層シート21と合成樹脂フイルム22とを2層にしたもの等を採用することもできる。
【0023】そして、第1実施形態の母乳パッドBでは、内側包材1と外側包材2とで吸収材3を挟み込んだ状態で、該内側包材1と外側包材2とを吸収材3の外周部において小幅(例えば2〜3mm幅)だけ接着(接着部4)させている。この接着部4は、熱接着でもホットメルトによる接着でもよい。
【0024】尚、内側包材1及び外側包材2は、各断面図において作図上かなりの肉厚に記載しているが、実際には極薄のフイルムが使用されている。又、吸収材3の厚さは、特に限定するものではないが3〜4mm程度が適当である。そして、この第1実施形態では、該吸収材3は、各分離片7,7を含むパッド体全体にほぼ同一厚さで内包させている。
【0025】この第1実施形態の母乳パッドBでは、内側包材1の外形を外側包材2の外形よりやや大形にして、該内側包材1の外周縁10を外側包材2の外周縁20より外側に食み出させている。即ち、この母乳パッドBでは、内側包材1の外周部10が、該内側包材1と外側包材2との接着部4より所定幅(例えば4〜5mm幅)だけ外側にはみ出た状態で形成されている。従って、内側包材1における外側包材外周縁20より外側に食み出している部分(符号11部分)は、単に1枚ものの不織布だけであり、柔軟性を維持している。又、内側包材1の食み出し部分(符号11部分)は、パッドの外周に位置するものであるが、該食み出し部分11には、波形や花びら形等にカットした凹凸模様を形成している。このように、内側包材1の外周に食み出し部分11を形成しておくと、このパッド体装着時に接着部4の端縁が直接肌に接触することがなく、該接着部4によるチクチク感がなくなる。
【0026】図1及び図2に示す第1実施形態の母乳パッドBには、パッド体の外周縁から該パッド体の中心Q(図1)に向けて所定深さ(35mm〜45mm程度の深さ)のスリット5を形成している。尚、このスリット5の両側も、例えば2mm幅程度づつ内側包材1と外側包材3とを接着させた接着部4,4を形成している。尚、接着部4は、パッド外周の全長に亘って連続しており、内部の吸収材3が内外両包材1,2間から漏出することはない。
【0027】このスリット5を挟んだ各側にはそれぞれ分離片7,7が形成されている。この各分離片7,7は、任意の角度範囲(例えば各スリット切断縁のなす角度が30°〜90°の範囲)で相互に重合させ得るようにしている。
【0028】各分離片7,7の外側包材2側の外面には、各分離片7,7を相互に接着させるための剥離紙8つきの接着剤9,9がそれぞれ塗布されている。尚、剥離紙8は、両接着剤9,9に跨がる大面積の1枚物であってもよい。又、他の実施形態では、この接着剤塗布部分9は、両分離片7,7のうちの何れか一方だけでもよい。
【0029】又、この第1実施形態では、外側包材2の外面の下半部に比較的大面積の剥離紙8Aつきの接着剤9Aが塗布されている。この接着剤9Aは、パッド使用時にブラジャーの内面に接着させるためのものである。尚、各分離片7,7にある各接着剤塗布部9,9のうち、両分離片接着用に使用されない側の接着剤塗布部は、パッドをブラジャーの内面に接着させるのに使用する。又、他の実施形態では、各接着剤9,9Aを被覆している各剥離紙8,8Aは、この母乳パッドを包装する包装フイルム(内面に剥離機能つき)で代用することもできる。
【0030】この第1実施形態の母乳パッドBは、次のようにして使用される。まず、このパッド体を包装材から取り出した状態では、該パッド体は図1及び図2に示すように偏平状態である。尚、2つ折り状態で包装されている場合には、該包装材から母乳パッドを取り出して開けば偏平状態になる。そして、使用時に、一方の剥離紙8を剥がして接着剤9を露出させた状態で、例えば図3及び図4に示すようにスリット両側の各分離片7,7を所定角度範囲(図3では各スリット側縁のなす角度が90°)だけ重合させ、両分離片7,7を接着剤9で接着させる。この状態では、図3及び図4に示すように、パッド体Bは外側包材2側が山形に突出するような立体型に成形された状態で形状が維持されており、又、各分離片7,7の重合角度範囲に応じて、パッド体Bの直径D1が小さくなっている。例えば、図1に示す偏平状態で直径D0が130〜140mm程度の大サイズのパッド体Bにおいて、図3に示すように各分離片7,7を相互に角度90°程度重合させた場合には、パッド体Bの直径D1が110〜115mm程度(小サイズ)まで小さくなるとともに、パッド体中央部の突出高さ(図4の高さH)が40mm程度とかなり高くなる。又、パッド体中央部の突出高さH及びパッド体直径(D0〜D1)は、各分離片7,7の重合角度範囲を調整することによって、所望のサイズに成形できる。
【0031】そして、このように立体型に成形した後、残りの分離片部分の剥離紙8と大面積接着剤9Aの剥離紙8Aとを剥がした状態で(図3、図4の状態)、各接着剤9,9Aによりパッド体Bをブラジャーの内側に接着させて使用する。
【0032】このように、第1実施形態の母乳パッドBでは、スリット5の両側の各分離片7,7を引き寄せて重合させることで立体型に成形することができるので、従来のようにパッド体を立体型にするための加熱成形を必要としない。従って、この実施形態の母乳パッドBでは、外側包材2部分の熱硬化が起こらないのでゴワゴワ感がなくなり、装着したときにソフトな触感が得られる。
第2実施形態図5〜図8に示す第2実施形態の母乳パッドBは、第1実施形態の変形例を示している。この第2実施形態の母乳パッドBでは、スリット5で区画された両分離片7,7のうちの一方(図5における右側)の分離片7内の吸収材をなくして、該一方の分離片を薄肉状分離片7Bとしている。即ち、この薄肉状分離片7Bは、図6〜図8に示すように内側包材1と外側包材2間に吸収材をなくしており、従ってこの第2実施形態では、該薄肉状分離片7B部分は内側包材1と外側包材2だけの極薄状態となっている。尚、他方(図5における左側)の分離片7内には、使用時に肌に接触する内側になって余乳を吸収させる必要から、パッド体の大面積部分と同等の厚さ(3〜4mm程度)の吸収材3が内包されている。
【0033】そして、この第2実施形態の母乳パッドBも、使用時に第1実施形態(図3)と同様に両分離片7,7を相互に重合させるが、このとき図8に示すように薄肉状分離片7Bが外側になるようにして重合させる。このように、一方の分離片7を薄肉状(薄肉状分離片7B)にしておくと、使用時において両分離片7,7を重合させたときに、その両分離片の重合部分の全体厚さを薄くできる。即ち、両分離片にそれぞれ通常厚さの吸収材3が内包されている場合には、第1実施形態(図4)のように両分離片7,7を重合させたときの厚さが平面状態のパッド体厚さの2倍(7〜8mm)になるが、図8に示すように一方の分離片を薄肉状(薄肉状分離片7B)にしておくと、両分離片の重合部分はパッド体厚さよりごく僅かに厚くなるだけである(増厚量を小さくできる)。このように、両分離片7,7(7B)の重合部分の増厚量が小さくなると、使用時に分離片重合部分の突出高さが小さくなって、母乳パッドの上に着た衣服が部分的に突き出なくなる(あるいは突出高さが小さくなる)とともに、装着時における分離片重合部分によるゴワゴワ感を解消あるいは軽減できる。
【0034】尚、図5〜図8の第2実施形態では、薄肉状分離片7B部分の吸収材は完全になくしており、このようにすると両分離片7,7Bを重合させたときの増厚量を最小にできるが、薄肉状分離片7Bの吸収材を完全になくすと、該薄肉状分離片7B部分の保形性が乏しくなって、取り扱いがしにくくなることが考えられる。従って、他の実施形態では、該薄肉状分離片7B内にも、通常厚さ(他方の分離片7部分の吸収材厚さ)より薄い範囲(例えば通常厚さの1/2程度の厚さ)で吸収材を内包させるようにしてもよい。
第3実施形態図9に示す第3実施形態の母乳パッドBは、第2実施形態の変形例を示している。この第3実施形態では、スリット5を、「おむすび形」のパッド体の頂部より若干長さだけ左側に偏位した位置から、パッド体頂部とパッド体中心Qを通る中心線P−Pに対して角度a(図示例では角度a=約30°)をもって交差する方向に向けて形成している。又、該スリット5の切り込み方向は、パッド体中心Q方向に対して若干角度b(図示例では角度b=約10°)だけパッド体頂部側に偏位させている。尚、この第3実施形態の母乳パッドBでも、一方の分離片7は薄肉状分離片7Bとしており、使用時に該薄肉状分離片7B部分を他方の分離片7上に被せて立体型に成形する。
第4実施形態図10に示す第4実施形態の母乳パッドBは、第1実施形態の母乳パッドに対して、スリット5に代えて切断用ミシン目6を設けたことが異なる。尚、その他の構成は、第1実施形態のものと同様である。
【0035】そして、この第4実施形態の母乳パッドBでは、使用時にミシン目6を切断することで第1実施形態のスリット5を形成することができる。このようにミシン目6で各分離片予定部7A,7Aを連続させていると、該分離片予定部が単独で撓まなくなり、製造時あるいは包装時等において、第1実施形態のように予めスリット5で切り離された分離片7,7のものより取り扱いが簡単となる。
第5実施形態図11に示す第5実施形態の母乳パッドBは、第4実施形態の母乳パッドの変形例を示している。この第5実施形態では、第4実施形態の母乳パッドにおいて、第2実施形態と同様に一方(図示例では右側)の分離片予定部7A内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片予定部7A内の吸収材を他方(左側)の分離片予定部7A内の吸収材より薄くして、該一方の分離片予定部7Aを薄肉状分離片予定部7Cとしている。
【0036】そして、この第5実施形態の母乳パッドBでは、第4実施形態のものと同様に使用時にミシン目6を切断することで第1実施形態のスリット5を形成することができるとともに、そのミシン目6で切断された各分離片をその一方(右側)の薄肉状分離片(符号7C)が外側になるようにして重合させることにより、図8に示す状態に成形できる(第2実施形態の機能を有する)。
【0037】尚、本願のさらに他の実施形態では、第3実施形態における傾斜状のスリット5を、第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、及び第5実施形態にそれぞれ適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】本願発明の母乳パッドには次のような効果がある。
本願請求項1の効果本願請求項1の母乳パッドBでは、パッド体の外周縁から中心方向(又は該中心の近傍方向)に向けて所定深さのスリット5を形成して、その両側の各分離片7,7を任意の角度範囲で相互に重合させることにより、パッド体を立体形状に成形し得るとともに、パッド体のサイズ(直径)を変更させることができるようになっている。
【0039】このように、本願請求項1の母乳パッドでは、立体型に成形するのに両分離片7,7を重合させるという簡単な作業で行えるという効果がある。
【0040】又、本願請求項1の母乳パッドBでは、従来のようにパッド体を加熱成形する必要がなく、従って外側包材2部分に熱硬化が起こらないので(柔軟なままである)、立体型で使用し得るものであってもゴワゴワ感がなくなり、装着したときにソフトな触感が得られるという効果がある。
【0041】さらに、本願請求項1の母乳パッドでは、単一大きさのパッド体であっても、各分離片7,7の重合角度範囲を調整するだけで、使用者の好み(乳房の大きさ)に応じたパッド体の大きさ(サイズ)に変更することができるので、従来複数種類のサイズを製造していたものが単一サイズでよくなり、製造ラインの簡略化を達成し得るとともに、製品管理が簡単となるという効果もある。
本願請求項2の効果本願請求項2の母乳パッドは、上記請求項1の母乳パッドにおいて、一方の分離片7内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片7内の吸収材を他方の分離片7内の吸収材の厚さより薄くして、一方の分離片7を薄肉状分離片7Bとしている。そして、この請求項2の母乳パッドでは、使用時において両分離片7,7を重合させたときに、その両分離片の重合部分の全体厚さをパッド体厚さの2倍より薄くできる(増厚量を小さくできる)。
【0042】従って、この請求項2の母乳パッドでは、請求項1の効果に加えて、使用時に分離片重合部分の突出高さが小さくなって、母乳パッドの上に着た衣服が部分的に突き出なくなるか、あるいは突出高さが小さくなる(見栄えが悪くならない)とともに、該分離片重合部分による装着時のゴワゴワ感を解消あるいは軽減できるという効果がある。
本願請求項3の効果本願請求項3の母乳パッドは、上記請求項1の母乳パッドのスリット5に代えて、パッド体の外周縁から該パッド体の中心方向又は該中心の近傍方向に向けて所定深さの切断用ミシン目6を設けている。そして、この請求項3の母乳パッドでは、使用時にミシン目6を切断することで請求項1のスリット5を形成することができるが、ミシン目切断の前には各分離片予定部7A,7A部分が連続している。
【0043】従って、この請求項3の母乳パッドでは、請求項1の効果のほかに、各分離片予定部7A,7Aが単独で撓まないので、製造時あるいは包装時等において取り扱いが簡単となるという効果がある。
本願請求項4の効果本願請求項4の母乳パッドは、上記請求項3の母乳パッドにおいて、一方の分離片予定部7A内の吸収材をなくすか、あるいは該一方の分離片予定部7A内の吸収材を他方の分離片予定部7A内の吸収材の厚さより薄くして、該一方の分離片予定部7Aを薄肉状(薄肉状分離片予定部7C)としている。
【0044】従って、この請求項4の母乳パッドでは、請求項3の効果に加えて、請求項2と同様に、使用時に分離片重合部分の突出高さが小さくなって、母乳パッドの上に着た衣服が部分的に突き出なくなるか、あるいは突出高さが小さくなるとともに、分離片重合部分による装着時のゴワゴワ感を解消あるいは軽減できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】595088827
【氏名又は名称】株式会社ベルサンテ
【識別番号】000112299
【氏名又は名称】ピップフジモト株式会社
【出願日】 平成12年8月18日(2000.8.18)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2001−316906(P2001−316906A)
【公開日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【出願番号】 特願2000−248039(P2000−248039)