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【発明の名称】 ビジネスシャツ
【発明者】 【氏名】鈴木 康夫

【要約】 【課題】快適性に優れ、動きやすく、かつ、製造コストが安いビジネスシャツを提供する。

【解決手段】ワイシャツ(ビジネスシャツ)1は、目付量が90g/m2〜155g/m2で、かつ、ウェール密度が、布帛の編地がタック編されている場合30ウェール/インチ以上、布帛の編地がタック編されていない場合40ウェール/インチ以上の編地の布帛により形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 目付量が155g/m2以下で、かつ、ウェール密度が30ウェール/インチ以上である編地からなる布帛を構成要素として含むことを特徴とするビジネスシャツ。
【請求項2】 上記布帛はタック編された編地からなり、目付量が90g/m2以上、ウェール密度が30ウェール/インチ以上である請求項1記載のビジネスシャツ。
【請求項3】 上記布帛はタック編されたていない編地からなり、目付量が90g/m2以上、ウェール密度が40ウェール/インチ以上である請求項1記載のビジネスシャツ。
【請求項4】 上記布帛は、紡績糸で編製されたものである請求項1または2記載のビジネスシャツ。
【請求項5】 上記布帛は、紡績糸とフィラメント糸との複合糸によって編製されたものである請求項1乃至3のいずれかに記載のビジネスシャツ【請求項6】 上記布帛は、紡績糸とフィラメント糸との交編によって編製されたものである請求項1乃至3のいずれかに記載のビジネスシャツ。
【請求項7】 形状記憶処理が施されてなる請求項1乃至6のいずれかに記載のビジネスシャツ。
【請求項8】 気相ホルムアルデヒド加工法により形状記憶処理が施されたものである請求項7記載のビジネスシャツ。
【請求項9】 小さく折り巻かれた状態で収納容器に収納されてなる請求項1乃至8のいずれかに記載のビジネスシャツ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常の織地布帛からなるビジネスシャツに匹敵する張り、腰などの風合いを確保しつつ、編地製品としての特徴である吸水速乾性、肌離れ性、ストレッチ(伸縮)性、通気性を与えた編地布帛主体のビジネスシャツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワイシャツやカッターシャツ、ブラウス等のように、主にビジネス用として用いられる、いわゆるビジネスシャツは、経糸に対して緯糸を杼入れして製織することにより得られる、経糸と緯糸とが交差した織製品を原料として製造されるのが一般的である。かかる織製品からなる布帛は、織目が緻密で張りがあり、かつ、腰が強いことから、シルエット性が要求されるビジネスシャツの原料として適している。
【0003】ところで、ビジネスシャツはオフィス内での着用が多く、大抵の場合オフィス内がエアーコンディショニングされている昨今では特に問題とならないが、織目が緻密なことが逆に災いして通気性が悪いため、夏場の通勤途中や外勤の場合、さらにはハードな動きを伴う動作を行ったとき等に発汗した汗が容易に外部に放散されず、快適性が劣るという問題点を有している。
【0004】また、織製品は伸縮性が乏しいため、ビジネスシャツを着用したまま過激な運動を強いられるときに、動き辛いという問題点も存在する。
【0005】かかる不都合を解消するために、スポーツ衣料の分野で採用されている、吸水速乾素材やストレッチ素材を用いてビジネスシャツをつくることが一部で試みられているが、吸水性素材やストレッチ素材は高価であり、製造コストが嵩むという新たな問題点が提起される。
【0006】そこで、ビジネスシャツ用の布帛を、編製品でつくることが考えられる。編製品は、1本の糸を、ループを造りながら互いに絡めて編んでいくものであるため、経糸と緯糸とが交差した織製品に比較して柔軟性に富み、かつ、通気性も優れている。ところが編地布帛は、薄くて軽くて強力のある生地、すなわち、張りおよび腰の強い生地を得ることができないため、ビジネスシャツに要求されるシルエット性を達成することができないという決定的な問題点が存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸水速乾性、肌離れ性、ストレッチ性および通気性に優れるという編地製品の特徴を生かしつつ、織製品に匹敵する張りや腰を有し、快適で優れた着用感と、外観とを有するとともに動き易く、かつ、安価に製造することができるビジネスシャツを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、目付量が155g/m2以下で、かつ、ウェール密度が30ウェール/インチ以上である編地からなる布帛を構成要素として含むことを特徴とするものである。
【0009】この発明によれば、一見して通常の織製品と変わりがない風合いを確保した上で、布帛に編製品であることの特徴が付与され、これによって布帛の吸水速乾性、肌離れ性、ストレッチ(伸縮)性および通気性を極めて優れたものにすることができる。特に、編製品特有のストレッチ性が良好なことにより、着用感がソフトであり、ゆとり感覚で動き易く、心身のリラックス効果を得ることができる。
【0010】また、この編地は、ウェール密度が30ウェール/インチ以上になるように密に編製されているため、かかる布帛を用いて得られるビジネスシャツは、ソフトでありながら張りおよび腰が強く、ビジネスシャツをシルエット性に優れたものにすることができる。因みに、ウェール密度が30ウェール/インチ以上になるような編製処理は、ハイゲージシングルニット編機を用いて編製することにより実現可能である。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記布帛はタック編された編地からなり、目付量が90g/m2以上、ウェール密度が30ウェール/インチ以上であることを特徴とするものである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記布帛はタック編されたていない編地からなり、目付量が90g/m2以上、ウェール密度が40ウェール/インチ以上であることを特徴とするものである。
【0013】これらの発明によれば、編地の目付量を90g/m2以上に設定しているため布帛に良好な張りおよび腰を与えることができる。また、編地がタック編されている場合、布帛のウェール密度を30ウェール/インチ以上に設定し、編地がタック編されていない場合、布帛のウェール密度を40ウェール/インチ以上に設定したため、布帛を、透け感を感じさせない優れた外観のものにすることができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記布帛は、紡績糸で編製されたものであることを特徴とするものである。
【0015】この発明によれば、吸水速乾性に優れ、形態安定性に富む布帛を編製することが可能になる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記布帛は、紡績糸とフィラメント糸との複合糸によって編製されたものであることを特徴とするものであり、請求項6記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記布帛は、紡績糸とフィラメント糸との交編によって編製されたものであることを特徴とするものである。
【0017】これらの発明によれば、仕立て映えがよく、シャープな感覚のビジネスシャツを得ることができる。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、形状記憶処理が施されてなることを特徴とするものである。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、気相ホルムアルデヒド加工法により形状記憶処理が施されていることを特徴とするものである。
【0020】これらの発明によれば、ビジネスシャツが着崩れし難くなるとともに、洗濯後にアイロン掛けを行わなくても、シャープなシルエット性が復元される。
【0021】請求項9記載の発明は、小さく折り巻かれた状態で収納容器に収納されてなる請求項1乃至8のいずれかに記載のビジネスシャツである。
【0022】この発明によれば、ビジネスシャツは、生地が編地であるため、小さく折り巻いて収納容器内に収納されても皺になることがない。そして、収納容器にビジネスシャツを入れることにより、ビジネスシャツをコンパクトに収納することが可能になり、旅行時などに持ち運びが便利になる。また、収納容器にビジネスシャツを収納した状態で商品として出荷したり、店頭に陳列することも可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、ビジネスシャツに編製品からなる布帛を使用するものである。ビジネスシャツとしては、最も一般的なものとして、図1に示すような、襟11、台襟12、前たて13およびカフス14のついたワイシャツ1(JISL0215)を挙げることができるが、ワイシャツに限らず、礼装用のドレスシャツ、カラーが縫い付けられてなるカッターシャツ、襟明きシャツであるオープンシャツ、さらには婦人用のシャツであるブラウス等を挙げることができる。
【0024】編製品は、図2の(イ)〜(ハ)にその編組織を例示するように、1本の糸を順次絡めて編んでいくことにより得られるものである。図2の(イ)は、編目を緯方向に連続させて布帛2aを形成する、いわゆる緯編の編組織を示しており、図2の(ロ)は、編目を経方向に連続させて布帛2bを形成する、いわゆる経編の編組織を示している。また、図2の(ハ)は、タック編の編組織の一例を示している。
【0025】そして、図2に示すように、編組織には編製操作中に糸を針で引き出すことによって形成される先端側のニードルループ21と、このニードルループ21の基端側で他のニードルループ21に絡まったシンカループ22とが存在し、これら各ループ21,22が弾性変形することによって布帛2a,2bは四方に向けて伸縮し得るようになっている。この布帛2a,2bが四方に向けて伸縮し得る点が、織製品とは異なる編製品の大きな特徴である。
【0026】そして、本発明においては、編製用の糸として、通常の紡績糸や特殊な加工を施した糸が用いられる。かかる糸としては、好ましくは、紡績糸は30/1番手以下の細番手が、フィラメントは56〜167dtexのものが採用され、目付量が155g/m2以下、好ましくは90〜150g/m2にするとともに、布帛2a,2bの編地密度(ウェール密度)が、タック選針の行われない通常のもので40ウェール/インチ以上、タック選針が行われるもの(すなわちタック編)で30ウェール/インチ以上になるように編製される。
【0027】因みに、タック編とは、図2の(ハ)に示す布帛2cにタック糸23を黒塗りで示しているように、所定のコースで選針された針をクリアリング(針が最も上昇した位置で新しい編目をつくる糸を糸掛けすること)させずにつぎのコースでクリアリングさせる針使いを行って編製することである。また、ウェール密度とは、1インチ(2.54cm)当りのニードルループ21(あるいはシンカループ22)の緯方向に延びる列の列数のことである。
【0028】そして、編製用の糸として上記範囲のものが好ましく採用されるのは、かかる範囲より細い場合は、布帛の透け感が大きくなるとともに、張りや腰が弱くなり、逆にかかる範囲より太い場合は、厚ぼったい布帛となり、いずれの場合もビジネスシャツとして不適になるからである。
【0029】また、布帛の目付量が155g/m2にされるのは、155g/m2を越えると厚み寸法が大きくなり過ぎて厚ぼったくなり、ビジネスシャツの要件である、薄さおよび軽さを達成することができなくなるからであり、ビジネスシャツとして不向きになるからである。そして、好ましくは目付量が90〜150g/m2に、更に好ましい下限は110g/m2に、更に好ましい上限は140g/m2に設定される。因みに、目付量が90g/m2未満であると、張りや腰が弱くなり、ビジネスシャツとしての適正なシルエットを生み出すことができなくなる。
【0030】そして、本発明においては、布帛の目付量目付量が155g/m2以下に設定され、好ましくは90〜150g/m2を満足した上でタック選針の行われない通常のものでウェール密度が40ウェール/インチ以上、タック選針が行われるもの(すなわちタック編)でウェール密度が30ウェール/インチ以上になるように編製されるのである。このようにされるのは、薄さを確保した上で良好な張りおよび腰を布帛に与え、かつ、透け感を少なくするためである。なお、タック編ではない通常の編地の場合、ウェール密度を40ウェール/インチ以上としているのに対し、タック編の編地の場合ウェール密度を30ウェール/インチと低い値を採用しているのは、タック編によるとウェール密度がタック編でないものより多少小さくても特殊な糸の絡み具合で編地が強力になっているためである。
【0031】また、本発明においては、編製用の糸として、綿やポリエステル繊維あるいは綿に15%以上で60%以下のポリエステルフィラメントを含ませた糸等の通常の紡績糸が使用される。ポリエステルフィラメントの含ませ方については、複合素材として糸に内在させて複合糸としてもよく、また、ポリエステルフィラメントを含まない紡績糸とポリエステルフィラメントとを交編してもよい。
【0032】因みに、編製用の糸として、繊度が11DTEXX以上のコースデニールフィラメントを内蔵した複合糸を使用するのが好適である。
【0033】そして、編製に際しては、編機の針床における編針の密度(ゲージ)が、1インチ(2.54cm)当り30以上でかつ針床が1列の、いわゆるハイゲージシングルニット編機が採用される。かかる編機を採用することにより、上記目付量およびウェール密度の布帛を適正に編製し得るようになる。
【0034】かかるハイゲージシングルニット編機で編製された布帛に所定の吸水加工やストレッチ加工等の特化加工を施してもよい。このような特化加工の施された布帛を使用すると、通気性や運動性が一層改善されたビジネスシャツを得ることができる。また、得られたビジネスシャツを、例えば気相のフォルムアルデヒドに曝す等の形状記憶処理を施せば、ビジネスシャツは洗濯後にアイロン掛けを行わなくてもよいプレスフリーの性能が得られ好ましい。
【0035】以上詳述したように、本発明のビジネスシャツは、目付量が155g/m2以下で、かつ、ウェール密度が30ウェール/インチ以上である編地の布帛によって形成されているため、一見して通常の織製品と変わりがない風合いを確保した上で、編製品であることの特徴が付与され、これによって吸水速乾性、肌離れ性、ストレッチ(伸縮)性および通気性が極めて優れたものになる。特に、編製品特有のストレッチ性が良好なことにより、着用感がソフトであり、ゆとり感覚で動き易く、心身のリラックス効果を得ることができる。
【0036】また、編地は、ウェール密度が30ウェール/インチ以上になるようにハイゲージシングルニット編機を用いて編製されているため、かかる布帛から得られたビジネスシャツは、ソフトでありながら張りおよび腰が強く、従って、シルエット性に優れたものとなる。
【0037】そして、編地の目付量を155g/m2以下に設定すれば、薄さを確保した上で良好な張りおよび腰を布帛に与えることができ、かつ、透け感を少なくすることができる。
【0038】図3は、本発明に係る編地の布帛を用いて製造されたワイシャツ(ビジネスシャツ)1を収納するための収納ネット3の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、ワイシャツ1を収納ネット3内に収納する直前の状態、(ロ)は、ワイシャツ1を収納ネット3内に収納した状態をそれぞれ示している。この図に示すように、収納ネット(収納容器)3は、幅方向一対の円形の側方布31と、これら側方布31間に架設された円筒網体32と、この円筒網体32の周面に形成された一対の側方布31間に亘る開口部33と、この開口部33に縫着されたファスナー34とを備えて構成されている。
【0039】ファスナー34には、操作片35が設けられ、この操作片35をファスナー34に沿ってスライド操作することにより、開口部33を開閉し得るようになっている。また、側方布31は、直径が略10cmに寸法設定されるとともに、円筒網体32は長さ寸法が略20cmに寸法設定され、これによって収納ネット3は、折り畳んで円柱状に巻き付けたワイシャツ1を収納し得るようになっている。
【0040】ワイシャツ1を収納ネット3に収納するに際しては、図3の(イ)に示すように、ワイシャツ1を通常の折り畳み方で折り畳んだ後、襟11が外側に位置するように巻き取り、操作片35の操作で開放された開口部33から収納ネット3内に収納し、操作片35の逆操作でファスナー34を閉止することにより、図3の(ロ)に示すように、ワイシャツ1が収納ネット3に収納された状態になる。そして、ワイシャツ1は、生地が編地であるため、図3の(ロ)に示すように、折り畳んで巻き付けた状態で収納ネット3内に収納しても皺になることがない。
【0041】特に、ワイシャツ1が先に説明した形状記憶処理を施したものである場合には、折り巻いても皺の発生をさらに良好に回避することができる。
【0042】かかる収納ネット3にワイシャツ1を入れることにより、ワイシャツ1をコンパクトに収納することが可能になり、旅行時などに持ち運びが便利になる。
【0043】また、収納ネット3にワイシャツ1を収納した状態で商品として出荷したり、店頭に陳列することも可能である。さらに、ワイシャツ1の販売時に抱き合わせで収納ネット3を販売するようにしてもよいし、ワイシャツ1の購入者に景品として収納ネット3を贈呈するようにしてもよい。
【0044】なお、収納容器は、円筒網体32を有する収納ネット3からなるものに限定されるものでなく、通常の織製品からなる布袋や合成樹脂製または金属製の筒体であってもよい。
【0045】上記の実施形態においては、布帛の編地の目付量を90〜155g/m2に設定するとともに、タック選針の行われない通常の編地のものでウェール密度が40ウェール/インチ以上、タック選針が行われるタック編のものでウェール密度が30ウェール/インチ以上になるように密度設定しているが、こうする代わりに目付量を100〜140g/m2に、好ましくは110〜130g/m2に設定するとともに、通常編地のウェール密度を40ウェール/インチ以上、好ましくは42ウェール/インチ以上、タック編地のウェール密度を30ウェール/インチ以上、好ましくは33ウェール/インチ以上になるように密度設定するのがさらに好ましい。こうすることによって張りおよび腰をより強くし、かつ、透け感を確実になくすことができる。
【0046】
【実施例】26インチ−34ゲージ編機を用いて以下の4種類(実施例1〜4)の布帛を編製した。編製後、これら編製品の評価試験を行った。評価項目としては、軽さ(目付量)(g/m2)、ウェール密度(ウェール/インチ)、張り・腰(KES)、透け感、強力(kPa)、通気度(cm3/cm2・sec)の6項目を採用した。また、比較例1として本発明の範囲外の編製品について、さらに比較例2として通常のワイシャツ用の織製品であるワイシャツ用生地について上記同様の評価項目を測定した。
【0047】因みに、張り・腰は、KES(Kawabata aevaluationSystem for Fabrics)のB値によるものである。透け感は、目視確認の結果であり、○は透け感:小、△は透け感:普通、×は透け感:大を示す。強力は、JIS−L−1018−6−17(ミューレン法)によるものである。通気度は、JIS−L1018−6−34(フラジール法)によるものである。
【0048】(実施例1)シングル編機(26インチ、34ゲージ)に編組織として表鹿子を設定した。そして、オールニット選針給糸口に綿100/2を使用する一方、ニットタック選針給糸口にポリエステル加工糸84DTEXを使用した。混率は、綿60%、ポリエステル40%である。色柄については、ポリエステル加工糸を片染めしたシャンブレ効果のもの(実施例1−■)、この片染めのものに対してさらに両浴染めを施した無地柄のもの(実施例1−■)、ポリエステルおよび綿サイドの両蛍光晒しによるホワイト生地のもの(実施例1−■)の合計3種類を作製した。
【0049】(実施例2)シングル編機(26インチ、34ゲージ)に編組織として表鹿子を設定した。オールニット選針給糸口に綿100/2を使用する一方、ニットタック選針給糸口にポリエステル加工糸110DTEXを使用した。混率は、綿52%、ポリエステル48%である。色柄については、実施例1と同様の3種類(実施例2−■、実施例2−■、実施例2−■)とした。
【0050】(実施例3)シングル編機(26インチ、34ゲージ)に編組織としてタックラーベン柄を設定した。全給糸口に22DTEXのモノフィラメントを含む複合紡績糸50/1を使用した。混率は、ポリエステル19%、綿81%である。色柄については、綿サイドを片染めにした無地柄(実施例3−■)と、綿サイドに蛍光晒しを施したホワイト生地(実施例3−■)との2種類を作製した。
【0051】(実施例4)シングル編機(26インチ、34ゲージ)に編組織としてタックラーベン柄を設定した。オールニット選針給糸口に22DTEXのモノフィラメントを含む複合紡績糸50/1を使用する一方、ニットタック選針給糸口にポリエステル加工糸84DTEXを使用した。混率は、綿50%、ポリエステル50%である。色柄については、ポリエステル加工糸を片染めして得たストライブの柄のもの(実施例4−■)、このストライブ柄のものに対してさらに両浴染めを施した無地柄のもの(実施例4−■)、ポリエステルおよび綿サイドの両蛍光晒しによるホワイト生地のもの(実施例4−■)の合計3種類を作製した。
(比較例1)シングル編機(26インチ、22ゲージ)で表鹿子組織で綿40/2を用いてポロシャツ用編地(綿100%)を作製した。
(比較例2)平織組織(136本/インチ×76本/インチ)で綿40/1を用いてワイシャツ用織物生地を作製した。
【0052】各実施例の性能の評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】表1から判るとおり、実施例のものは、いずれの評価項目についても、比較例の織物と比べて遜色はなく、ビジネスシャツ用の生地として充分に適用し得るものであることを確認することができた。そして、特に、通気度については、比較例の織製品が37cm3/cm2・secであるのに対し、実施例の編製品は、180cm3/cm2・sec以上であり、実施例のものが通気性の点で如何に優れたものであるかを確認することができた。
【0055】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ビジネスシャツを、目付量が155g/m2以下で、かつ、ウェール密度が30ウェール/インチ以上である編地の布帛により形成したため、一見して通常の織製品と変わりがない風合いを確保した上で、布帛に編製品であることの特徴が付与され、これによって布帛を吸水速乾性、肌離れ性、ストレッチ(伸縮)性および通気性を極めて優れたものにすることができる。特に、編製品特有のストレッチ性が良好なことにより、着用感がソフトであり、ゆとり感覚で動き易く、心身のリラックス効果を得ることができる。
【0056】また、編地は、ウェール密度が30ウェール/インチ以上になるように編製されているため、かかる布帛から得られたビジネスシャツは、ソフトでありながら張りおよび腰が強く、これによってビジネスシャツをシルエット性に優れたものにすることができる。
【0057】請求項2および3記載の発明によれば、目付量を90g/m2以上としたため、布帛に良好な張りおよび腰を与えることができる。また、ウェール密度を布帛の編地がタック編されている場合30ウェール/インチ以上に設定するとともに、布帛の編地がタック編されていない場合40ウェール/インチ以上に設定したため、布帛を、透け感を感じさせないものにすることができる。
【0058】請求項4記載の発明によれば、布帛を紡績糸で編製したため、吸水速乾性に優れ、形態安定性に富む布帛を編製することが可能になる。
【0059】請求項5及び6記載の発明によれば、仕立て映えがよく、シャープな感覚のビジネスシャツを得ることができる。
【0060】請求項7および8記載の発明によれば、ビジネスシャツは、形状記憶処理が施されていることにより、着崩れし難くなるとともに、洗濯後にアイロン掛けを行わなくても、シャープなシルエット性が復元される。
【0061】請求項9記載の発明によれば、編地のビジネスシャツを小さく折り巻いても皺がよらない状態で収納容器にコンパクトに収納することができる。従って、旅行時などにビジネスシャツを便利に持ち運びすることができる。また、収納ネットにビジネスシャツを収納した状態で商品として出荷したり、店頭に陳列することもできる。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
【公開番号】 特開2001−303301(P2001−303301A)
【公開日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願番号】 特願2000−125195(P2000−125195)