トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 環境ホルモン物質吸収抑制食材
【発明者】 【氏名】米田 實

【要約】 【課題】

【解決手段】ドクダミ全草乾燥物並びに/又は、その抽出物を配合した食材の創製。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ドクダミ全草乾燥物が配合されてなる環境ホルモン物質吸収抑制食材【請求項2】ドクダミ全草乾燥物抽出物が配合されてなる環境ホルモン物質吸収抑制食材
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドクダミ全草乾燥物またはドクダミ全草乾燥物抽出物が配合されてなる環境ホルモン物質吸収抑制食材にかかわり、その目的は、摂取により環境ホルモン物質の吸収を抑制することができ、それによって、日常摂食のたべものなどと共に体内に入り、容易に蓄積されて健康維持を難しくする環境ホルモン物質の低減に役立つ環境ホルモン物質吸収抑制食材を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】近時、健康維持を難しくする原因物質として注目を集めている環境ホルモン物質は、人が広汎に使用し、環境に蓄積させてしまった合成化学物質のうち、人をはじめ動物の内分泌を乱すものを指し、その故に内分泌撹乱物質ともよばれているが、内分泌系に加え、免疫系、神経系のバランスをも乱すことから、その吸収抑制が、健康維持においての急務となっている。
【0003】これら環境ホルモン物質は、有機塩素系化学物質を主として、枚挙にいとまないが、環境汚染機会の多いものを例示すると、農薬であるBHC(ヘキサクロロシクロヘキサン)、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)、難燃剤であるPCB(ポリクロリネイテッドピフェニル)、農薬のPCP(ペンタクロロフェノール)やCNP(3ニトロ1,3,5トリクロロビフェニルエーテル)、それにゴミ焼却などから非意図的に生成するPCDD(ポリクロリネイテッドジベンゾーP−ジオキシン)などがある。多く過去に使用が止められているものの、既に著しく過度に環境を汚染しており、何れもなお継続的に体内に入り、脂溶して蓄積し、排泄半減期が長い特性のために、容易にホルモンバランスを乱し、健康維持を難しくしている。
【0004】これら環境ホルモン物質の影響は、例えばゴミ焼却場周辺のガン死亡率において、周辺2km圏でのそれが21%であるのに、1km圏になると42%に急騰する調査数字や、日本人男性完全不妊率の、1980年における1.6%が、1990年には9.0%に増加している事実、また日本人男性精子数が、現20代で、40才代の半量しかないというデータなどからもうかがい知ることができる。因みに生殖系発生過程における男性ホルモンまたは女性ホルモンは、一兆分の一レベルでの多少でも、生殖器異常や、思春期以後の異常性行動誘因となり得る。PCDD類については、国の安全基準は成人一日2ピコグラムが限度とされているものの、現実に母乳哺育の乳幼児が、母乳を経て摂取を余儀なくされているPCDD類の量は、一日100ピコグラムに達している。
【0005】すなわち主に経口の環境ホルモン物質の吸収抑制は急務であるが、そのための試みのなかで、現在では僅かに、米ヌカ、クロレラ、スピルリナ、クロロフィリン等の吸収抑制、排出促進効果が報告されているに過ぎず(「ラットにおけるPolychlorinated Dibenzo−P−dioxuis の糞中排泄に対する食物繊維、クロレラ、スピルリナ、クロロフィリン等の効果」福岡県保健環境研究所、衛生化学、43(1))。また別に同じ目的で活性炭末の摂取も試みられはじめている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の食物繊維(米ヌカ)、クロレラ、スピルリナ、クロロフリンなどの吸収抑制、排泄促進効果は、動物実験において、米ヌカ繊維食はnon−fiber食に比べPCDD排泄促進は3.3倍(1,2,3,7,8PCDDで)、その米ヌカ繊維比クロレラが1.8倍、スピルリナが1.7倍、2%クロロフィリンが2.4倍と増加するものの(前記福岡県保健環境研究所資料)、それらはなお人のからだにおける生物学的半減期(5.8年)や、母乳哺育乳児での糞中排泄量(摂取量の約6%)に比べきわめて少ない。
【0007】次に活性炭末摂取の試みについていえば、活性炭は強い吸着力をもつために、腎疾患などにおいて治療用薬品として用いられているものであり、いうまでもなく、摂取量についても厳密な制限があり、医師薬剤師の管理を必要としている。すなわち安全性において、日常軽々に用いうるものではない。
【0008】本発明者は、環境ホルモン物質の体内蓄積を減じるべく、例えば食物繊維、クロレラ、スピルリナ、クロロフィリン等に相加して、摂取してその効果を上げ得、かつ日常的な摂取でも安全面での不安を与えず、加えて健康にも資する物質を天然物に求め種々検索し研究を続けたところ、古くより日本人がなじんで健康増進に利用してきたドクダミの全草乾燥物またはその抽出物の配合されてなる食材が、環境ホルモン物質の吸収抑制に効果を発揮することを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1にかかわる発明は、ドクダミ全草乾燥物が配合されている環境ホルモン物質吸収抑制食材に関する。請求項2にかかわる発明は、ドクダミ全草乾燥物抽出物が配合されてなる環境ホルモン物質吸収抑制食材に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にかかわるドクダミ全草乾燥物および、またはドクダミ全草乾燥物抽出物について説明する。本発明にかかわるドクダミ全草乾燥物およびまたは、ドクダミ全草乾燥物抽出物とは、生薬である魚腥草、または十薬、または重薬の全草乾燥物およびまたは全草乾燥物抽出物のことであり、一般家庭の庭などに繁殖することの多い雑草の一つでもあるドクダミ全草の洗浄乾燥物およびまたは、その抽出物である。
【0011】ドクダミ(Houlluynia corda Thunb)はドクダミ科の多年性雑草で特有の強い不快臭をもつが、陰湿地などにも好んで繁茂するので、有史以前から民間薬として賞用され続けてきた(「茶の間の民間薬」西日本新聞社刊)。ドクダミの謂いは「毒を矯める」という言い伝えによるが、民間療法的には新鮮葉貼布による消腫排膿、生薬搾汁の皮膚炎、湿疹、水虫、蓄膿等への外用、茶に調整しての飲用で、利尿、緩下、浄血、止血、血管脆弱化予防等がはかられ、常用による整胃腸、高血圧、動脈硬化、脳出血、アレルギー予防などが経験されている。生薬としての臨床応用は、抗菌(黄色ブドウ球菌を強く抑制)、抗ウイルス(インフルエンザウイルスによる細胞変性抑止)、成分Quercetinなどによる血管拡張、利尿などが知られ、他生薬との配合で肺のうよう、肺ガンなどへの応用がある。
【0012】本発明で用いるドクダミ全草乾燥物は、生薬として調整されているものでも、生の全草の洗浄、乾燥物でもよい。また乾燥は公知の生薬乾燥法の何れによるもよしとするが、風乾など自然乾燥によるを好適とする。またさらに、これら乾燥物を焙煎したものの使用も本発明の効果を妨げない。
【0013】また本発明のドクダミ全草乾燥物抽出物は、ドクダミ全草乾燥物から水系溶媒により抽出して得るが、もっとも好ましくは含アルコール水を用いることである。その場合のアルコール濃度は5〜50%の範囲が望ましいが、30%アルコールの使用が適当である。すなわちドクダミ全草乾燥物の2〜10倍量の溶媒で12〜24時間浸漬し、▲ろ▲過し適宜濃縮する。
【0014】このようにして得たドクダミ全草乾燥物およびまたは、ドクダミ全草乾燥物抽出物を他の食品材料に配合することにより、本発明にかかわるドクダミ全草乾燥物およびまたは、ドクダミ全草乾燥物抽出物配合の環境ホルモン物質吸収抑制食材を得るが、このドクダミ全草乾燥物およびまたは、ドクダミ全草乾燥物抽出物が配合される他の食品材料は、通常食用を可とされる食材であれば、とくに不適とするものはない。
【0015】なお、上記の他の食材に配合されるドクダミ全草乾燥物の量は、特に限定されないが、乾燥末として20〜95%、ドクダミ全草乾燥物抽出物の量は、元のドクダミ全草乾燥物の量に換算して、同じく20〜95%の範囲が好適である。抽出物の濃縮は、配合する他の食材の性質、食品剤型により適宜その程度をきめる。
【0016】本発明にかかわるドクダミ全草乾燥物およびまたは、ドクダミ全草乾燥物抽出物配合の環境ホルモン物質吸収抑制食材の剤型は任意の剤型とすればよく、例えば顆粒状、錠剤、カプセル状、茶葉状、菓子状等を例示することができる。
【0017】
【実施例】わが国で用いられる生薬は中国産が多く、それら中国産生薬には国情の違いから、日本では既に使用が中止されている有機塩素系農薬BHCやDDTが存在している。BHCやDDTは、共に代表的な環境ホルモン物質であり、とくにBHCはDDTより多くの害虫に適し、速効性であることから多く使われ、生薬への残存量も多くなっている。これら生薬に残存するBHCなどは、和漢薬を生薬からの煎出液として調製するとき、煎液中に移行し、からだに吸収される。ここに、総BHCが1.0ppmである薬用人参を試料に、その煎出液に移行するBHCのドクダミ全草乾燥物共存の有無による量的変化をみることにし、その用にドクダミ全草乾燥物とドクダミ全草乾燥物抽出物を調製した。
【0018】試料1:ドクダミ全草乾燥物〜ドクダミの茎、葉、根部を採り、水洗し十分風乾して後細切し再乾燥し細砕する。
試料2:試料1の細砕物を5倍量の30%エタノール液に浸漬し、時時かくはんして12時間静置。のちこれを▲ろ▲過し▲ろ▲液を元の添加30%エタノール量の約1/5量に濃縮し、表1の組成でよく混和し顆粒をつくる。
【0019】

【0020】
【試験例1】環流冷却式漢方薬煎じ器に細切した薬用人参30gと実施例の試料1の5gを併せ入れ、水600mlを加えて沸とう後30分間煎じる。煎液の100mlを精取し、塩化ナトリウム1.0gを加えてからヘキサン100mlを加えてよくふりまぜ、ヘキサン層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾かし、減圧濃縮して約5mlとする。この濃縮液をフロリジカルカラム(径2cmのカラムにフロリジル20gを充填し、無水硫酸ナトリウム8gを上積したもの)に注入、ヘキサン:エーテル混液(17:3)300mlを加えて溶出し、この液を減圧して5mlに濃縮し試料溶液とし、第十三改正日本薬局方第一追補収載純度試験の総BHC測定法に従って操作し総BHCを定量した。〜(A)
別に環流冷却式漢方薬煎じ器に、細切した薬用人参30gをとり、水600mlを加え沸とう後30分間煎じ、煎液100mlを精取して(A)と同様に操作し対照とした。〜(B)
【0021】
【試験例2】環流冷却式漢方薬煎じ器に細切した薬用人参30gと、実施例の試料2の5gを併せて入れ、水600mlを加えて沸とう後30分間煎じ、この煎液100mlを精取、以下(A)と同様に操作し、煎出液中に移行した総BHC量を測った。〜(C)
別に環流冷却式漢方薬煎じ器に、細切した薬用人参30gと、実施例の試料2に用いた藍藻スピルリナ粉末5gを併せ入れ、水600mlを加えて沸とう後30分間煎じ、この煎液100mlを精取、以下(A)と同様に操作し、煎出液中に移行した総BHC量を測り対照とした。〜(d)
以上の結果、(a)、(b)、(c)、(d)を表2、表3に示す。
【0022】表2.生薬薬用人参煎出液移行のBHC量〜ドクダミ全草乾燥物を加えた場合(A)〜試料1 BHC類移行率〜29.2%(B)〜対照 BHC類移行率〜37.6%【0023】表3.生薬薬用人参煎出液移行のBHC量〜ドクダミ全草乾燥物抽出物配合藍藻スピルリナ粉末を加えた場合(C)試料2 BHC類移行率〜25.1%対照(注) BHC類移行率〜30.6%(注)藍藻スピルリナ(Spilurina Maxima,Spilurina Platensisなど)
【0024】
【発明の効果】表2.表3にみる如く、本発明のドクダミ全草乾燥物配合の食材およびドクダミ全草乾燥物抽出物配合の食材は、環境ホルモン物質の溶出防止に有為な働きを示し、以って環境ホルモン物質の日常摂食食材等に紛れてのからだへの吸収機会を減じることを明らかにした。加えてドクダミ全草乾燥物抽出物は藍藻スピルリナ等既知環境ホルモン物質吸収抑制食材の抑制能を増強することも判明した。
【出願人】 【識別番号】595030103
【氏名又は名称】米田 實
【出願日】 平成12年4月14日(2000.4.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−299270(P2001−299270A)
【公開日】 平成13年10月30日(2001.10.30)
【出願番号】 特願2000−152177(P2000−152177)