| 【発明の名称】 |
調味液をゼリー化した魚介類のレトルト食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉松 啓司
【氏名】須崎 文夫
【氏名】須藤 文敏
【氏名】若目田 篤
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| 【要約】 |
【課題】魚介類が持つ不飽和脂肪酸などの有用成分が流出している調味液も喫食し易いように、調味液をゼリー化し、該調味液が煮凝り様の良好な食感を有するようにして、レトルト食品の具材に含まれる有用成分が全て美味しく喫食できる魚介類のレトルト食品を提供すること。
【解決手段】魚介類のレトルト食品に用いられる調味液に、κカラギ−ナン0.5〜0.8質量%およびロ−カストビ−ンガム0.1〜0.5質量%を含有させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調味液にκカラギ−ナン0.5〜0.8質量%およびロ−カストビ−ンガム0.1〜0.5質量%を含むことを特徴とする魚介類のレトルト食品。 【請求項2】 調味液にキサンタンガム0.05〜0.1質量%をさらに含む請求項1記載の魚介類のレトルト食品。 【請求項3】 調味液のpHが5.5〜7.5である請求項1または2記載の魚介類のレトルト食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類が持つ不飽和脂肪酸などの有用成分が流出している調味液も喫食し易いように、調味液をゼリー化した魚介類のレトルト食品に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イワシ・サバ・サンマ・マグロ・アジ・カツオにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が、カレイのような白身魚には良質のタンパク質が、イカ・タコ・エビ・カニ・貝類にはタウリンといった有用成分がそれぞれ豊富に含まれている。これらの魚介類を原料に用いた缶詰やレトルトパウチは、それぞれの魚介類に含まれる有用成分を手軽に摂取できる優れた食品であるが、100℃以上の過度の加熱により、有用成分の一部が調味液に流出してしまい、その全てが摂取されているわけではない。例えば、サバの水煮缶の場合、可食部(固形部)に残っているDHAおよびEPAは、缶詰全体に含まれるDHAおよびEPAの約80質量%であり、調味液に含まれる残りのDHAおよびEPAは破棄されている。 【0003】従来、調味液も利用できるように粘性の少ないドレッシング状の調味液を利用した魚畜肉あるいは野菜・果実などのドレッシングソース漬缶詰(特開昭49−4156号公報を参照)や、レトルト時の硬化防止を目的としてλカラゲナンなどのゲル化しない増粘多糖類を添加した畜肉や魚介類の缶詰およびレトルト食品の製造法(特開平9−5175号公報を参照)は知られていたが、調味液をゼリー化したレトルト食品はない。 【0004】従って、本発明の目的は、魚介類が持つ不飽和脂肪酸などの有用成分が流出している調味液も喫食し易いように、調味液をゼリー化し、該調味液が煮凝り様の良好な食感を有するようにして、レトルト食品の具材に含まれる有用成分が全て美味しく喫食できる魚介類のレトルト食品を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討した結果、特定の2種類の凝固剤を魚介類のレトルト食品の調味液に添加することにより、上記目的が達成されることを知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、調味液にκカラギ−ナン0.5〜0.8質量%およびロ−カストビ−ンガム0.1〜0.5質量%を含むことを特徴とする魚介類のレトルト食品を提供するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の魚介類のレトルト食品について詳細に説明する。 【0007】本発明で調味液に添加されるκカラギ−ナンおよびロ−カストビ−ンガムは、レトルト耐性を有し、調味液を常温ではゼリー状に保持し且つ喫食時に煮凝りに類似する良好な口溶け感を付与するものである。上記κカラギーナンの添加量は、0.5〜0.8質量%であり、上記ローカストビーンガムの添加量は、0.1〜0.5質量%である。また、上記κカラギーナンと上記ローカストビーンガムとは、両者の添加質量比(κカラギーナン/ローカストビーンガム)が1.0〜8.0、特に1.5〜3.5の範囲内になるように併用することが好ましい。 【0008】また、本発明で用いられる調味液には、上記のκカラギ−ナンおよびロ−カストビ−ンガムに加えて、さらにキサンタンガムを0.05〜0.1質量%添加することが好ましい。このキサンタンガムを添加することにより、調味液の食感などがさらに向上する。 【0009】また、本発明で用いられる調味液には、κカラギーナンをゲル化させるための助剤としてカルシウム塩(乳酸カルシウムなど)やカリウム塩(塩化カリウムなど)を0.05〜0.2質量%添加することが好ましい。κカラギ−ナンおよびロ−カストビ−ンガムをCa2+・K + などのカチオンと共存させることにより、レトルト耐性や口溶け感がさらに向上する。 【0010】本発明で用いられる調味液には、さらに必要に応じ乳化剤を適当量(通常0.1〜0.3質量%程度)添加することができる。斯かる乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。また、本発明で用いられる調味液は、必要に応じてpHをpH調整剤で調整することができ、好ましくはクエン酸ナトリウムなどで調味液のpHを5.5〜7.5程度に調整するとよい。 【0011】本発明で用いられる調味液の上述した成分以外の他の成分としては、この種の魚介類のレトルト食品に用いられている調味液と同様の成分を配合することができる。本発明で用いられる調味液の調製は、例えば、凝固剤(κカラギ−ナンおよびロ−カストビ−ンガム)以外の配合成分を混合し、この混合物に凝固剤を添加し、凝固剤を加熱溶解するか、または非加熱で凝固剤を上記混合物に懸濁させレトルト殺菌中に凝固剤を完全溶解させることにより行うことができる。 【0012】本発明のレトルト食品の具材である魚介類としては、特に制限はなく、具体的には、イワシ・サンマ・サバ・アジなどの青魚、マグロ・カツオなどの大型回遊魚、カレイなどの白身魚、イカタコ類、エビカニ類、貝類などが含まれる。これらの魚介類の処理は、例えば魚の場合、頭・尾・内臓を除去し、必要に応じ適当な大きさにカットすればよい。魚介類の種類によっては、調味液に移行したカードがゼリー化した調味液の外観を大きく阻害することがある。そのような場合は、例えば、魚介類を1.0〜5.0質量%の食塩水で5〜20分間塩漬を行ったり、あるいは魚介類を90〜100℃で10〜30分間ほど蒸煮し、析出したカードを除くなどの前処理を行うとよい。 【0013】本発明の魚介類のレトルト食品は、予め調味液に凝固剤を添加しておく以外は魚介類のレトルト食品の通常の製造方法により製造することができ、好ましくは、例えば、上記魚介類を詰めた缶に上記調味液を充填し、巻締後100℃以上の加熱殺菌を行い、その後冷却することにより製造するとよい。加熱殺菌後の冷却は、調味液が完全にゼリー化するまで缶を静置させて十分に行うことが内容物の外観の面から好ましい。レトルト殺菌の条件にも特に制限はなく、殺菌の程度はF0値で言うと4〜30程度、好ましくは4〜20である。ここで述べるF0値=4とは120℃で4分間相当の殺菌価である。 【0014】 【実施例】以下、本発明を試験例および実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0015】試験例1下記表1に示す凝固剤を従来の味付け缶の調味液にそれぞれ下記表1に示す濃度になるように溶解し、これを120℃で15分間レトルト殺菌し、冷却後、調味液の状態(凝固能および離水)および食感を調べた。その結果を下記表1に示す。下記表1に示す結果から次のことが明らかである。ゼラチン・ローカストビーンガム・キサンタンガムはいずれも、レトルト殺菌後には凝固しなかった。また、寒天・κカラギーナン(+乳酸カルシウム)・ジェランガム・カードランはいずれも、しなやかさが欠けたもろい食感のゼリーを形成し、好ましくなかった。また、マンナンは、粘性が高いゼリーを形成し、やはり食感は好ましくなかった。 【0016】 【表1】
【0017】試験例2κカラギーナン・ローカストビーン・キサンタンガムを従来の味付け缶の調味液にそれぞれ下記表2に示す濃度になるように溶解し、これを120℃で15分間レトルト殺菌し、冷却後、調味液の状態(凝固能および離水)および食感を調べた。その結果を下記表2に示す。下記表2に示す結果から次のことが明らかである。κカラギーナン0.5〜0.8質量%およびローカストビーンガム0.1〜0.5質量%を併用することにより、レトルト耐性を持つ良好な食感のゼリー化した調味液が得られた。なお、ローカストビーンガムを0.5質量%越えて使用するとゼリー化した調味液の透明度が失われた。 【0018】 【表2】
【0019】実施例1(調味液の調製) 下記表3に示す配合の味付け調味液および下記表4に示す配合のトマトソース調味液を下記のようにして調製した。凝固剤(κカラギーナン・ローカストビーン・キサンタンガム)および乳酸カルシウム以外の材料を混合し均一にした。均一になったらpHを測定し、必要があればクエン酸ナトリウムでpHを5.5〜7.5に調整した。pH調整後、凝固剤と乳酸カルシウムを加え高剪断ブレンダーで撹拌した。凝固剤が均一に懸濁したら水で重量を調整し、調味液を得た。 【0020】 【表3】
【0021】 【表4】
【0022】実施例2(イワシ味付け缶詰の製造) 原料となるイワシの頭尾内臓を除去し、2.5cmの筒切りにした。これを5質量%食塩水で10分間塩漬し、水切り後、T−3号缶に50g詰め、また実施例1で調製した味付け調味液を同量充填した。これを巻き締めた後、115℃で40分間レトルト殺菌し、常温まで十分に冷却し、本発明のレトルト食品(イワシ味付け缶詰)を得た。得られた本発明のレトルト食品(試験区)について、凝固剤として1.0質量%の寒天を含有する調味液を使用した缶詰(対照区)を対照として、5名のパネリストで官能評価を行った。評価の結果を下記表5に示す。下記表5に示す結果から明らかなように、κカラギーナン、ローカストビーンガムおよびキサンタンガムを併用した試験区では、調味液は煮こごり様に凝固し、良好な口溶け感を有したが、対照の寒天添加区では、調味液は口溶け感がなく、いつまでもゼリーが口内に残こり、もろい食感であった。 【0023】 【表5】
【0024】実施例3実施例2で得られた本発明のレトルト食品(イワシ味付け缶詰)を4℃、20℃、および37℃で1ヶ月間貯蔵したサンプルを5名のパネリストで官能評価に供した(官能評価時には室温に戻して評価に供している)。その結果を下記表6に示す。下記表6に示す結果から明らかなように、5名中3人のパネリストが貯蔵温度の差は感じないと答え、本発明のレトルト食品は貯蔵性にも優れていることが判った。 【0025】 【表6】
【0026】実施例4(エビ・イカのトマトソース煮のレトルトパウチ食品の製造) 冷凍原料のエビ・イカを解凍後ブランチングし、レトルトパウチに各40g肉詰めした。これに実施例1で調製したトマトソース調味液80gを充填し、シール後、120℃で20分間レトルト殺菌し、常温まで十分に冷却し、本発明のレトルト食品(エビ・イカのトマトソース煮のレトルトパウチ食品)を得た。得られた本発明のレトルト食品について、5名のパネリストによる官能評価を行った。その結果、得られた本発明のレトルト食品は、口溶けが良く、非常に高い評価が得られた。 【0027】 【発明の効果】本発明の魚介類のレトルト食品は、魚介類が持つ不飽和脂肪酸などの有用成分が流出している調味液も喫食し易いように、調味液をゼリー化し、該調味液が煮凝り様の良好な食感を有するようにしたもので、レトルト食品の具材に含まれる有用成分を全て美味しく喫食することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003274 【氏名又は名称】マルハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月30日(2000.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修
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| 【公開番号】 |
特開2001−275620(P2001−275620A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月9日(2001.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−92630(P2000−92630) |
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